JP2006198856A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半光沢感と強い塗膜強度を備え、染料インクおよび顔料インクの双方に対してともに優れたインクジェット記録適性を有するインクジェット記録用紙を提供する。
【解決手段】 基材に、顔料と接着剤を含有する水性塗被液を塗布して形成されているインク受容層を有するインクジェット記録用紙において、前記顔料が平均粒子径0.5μm〜8μmのマイカであり、接着剤がガラス転移点45〜90℃である樹脂であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録用紙に関する。より詳細には、本発明は、半光沢感と強い塗膜強度を備え、染料インクおよび顔料インクの双方に対してともに優れたインクジェット記録適性を有するインクジェット記録用紙に関する。
水性インクを微細なノズルから記録体表面に向かって噴出し、記録体表面上に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音の少ないこと、フルカラー画像の形成が容易であること、高速記録が可能であること、および、他の印刷装置よりも記録コストが低いことなどの理由により、端末プリンター、ファクシミリ、プロッタ、帳票印刷等で広く利用されている。
これらのインクジェットプリンターには、一般的に水性のインクが使用されている。この水性インクは染料を用いた染料インクと顔料を用いた顔料インクとに分類され、鮮明性の点から主に染料インクが使用されている。しかし、染料インクは長期に展示すると紫外線、オゾン等により酸化され、画像が退色し、見栄えが悪化して、充分な印字耐候性が得られないという欠点が指摘されるようになってきている。
一方、顔料インクは、印字耐光性に優れるという特徴を有する代わりに、染料インクの染料の大きさに比べ、顔料インクの顔料粒子は非常に大きいために、従来の染料インク用のインクジェット記録用シートでは、鮮明な印字画像が得られないという問題があった。
そこで、染料インク用のインクジェット記録用シート、顔料インク用のインクジェット記録用シートのそれぞれが開発されているが、染料インクにも顔料インクにも良好な印刷適性を有するインクジェット記録用紙への要望が高かった。
染料インク、顔料インクのいずれで印刷しても、優れたインクジェット適性を示すインクジェット記録用紙として、塗工液中に水溶性金属塩を含有させてインク受容層を形成するもの(例えば、特許文献1参照。)、塗工層を2層以上設けるもの(例えば、特許文献2〜5参照。)、塗工層表面を特定の粗さに制御しているもの(例えば、特許文献6参照。)、塗工層中に特定の粒径を有する顔料を含有させるもの(例えば、特許文献7参照。)、特定の細孔半径、細孔容積を有し、特定範囲のpHの多孔性有機樹脂からなる塗工層を用いるもの(例えば、特許文献8参照。)等が提案されている。
一方、高精細なインクジェット記録画像を得るため、インクジェット記録用シートの塗工層中のバインダーとしてアクリル系重合体を使用するもの(例えば、特許文献9参照。)、塗工層中に雲母(マイカ)を含有させるもの(例えば、特許文献10参照。)等が提案されている。
特開2002−274022号公報 特開2000−94831号公報 特開2000−168228号公報 特開2002−347330号公報 特開平10−278411号公報 特開2000−158804号公報 特開2001−270238号公報 特開2001−246841号公報 特開2003−103926号公報 特開平7−96653号公報
しかし、半光沢感と強い塗膜強度を備えると共に、染料インクおよび顔料インクの双方に対してともに充分なインクジェット記録適性を備えているインクジェット記録用紙は得られていないのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、染料インクおよび顔料インクのいずれに対する記録適性にも優れているインクジェット記録用紙を提供することを目的とするものである。とりわけ、75度鏡面光沢度が50%〜80%の範囲であるセミグロスタイプのインクジェット記録用紙において、上記品質を満足する記録用紙を提供するものである。
上記目的を達成することができる本発明は、以下のインクジェット記録用紙の発明を包含する。
(1)基材に、顔料と接着剤を含有する水性塗被液を塗布して形成されてなるインク受容層を有するインクジェット記録用紙において、前記顔料が平均粒子径0.5μm〜8μmのマイカであり、接着剤がガラス転移点45〜90℃である樹脂であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
(2)前記水性塗被液を塗布した後にカレンダー処理を行って形成されてなることを特徴とする(1)項記載のインクジェット記録用紙。
(3)前記カレンダー処理時のカレンダーロール温度が30〜50℃の範囲にあることを特徴とする(2)項記載のインクジェット記録用紙。
(4)前記インク受容層100質量部のうち、マイカが50〜80質量部で、接着剤が5〜40質量部含まれることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれかに記載のインクジェット記録用紙。
(5)前記マイカは、非膨潤性マイカであることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれかに記載のインクジェット記録用紙。
(6)前記接着剤がアクリル系樹脂であることを特徴とする(1)項〜(5)項のいずれかに記載のインクジェット記録用紙。
(7)前記インク受容層は、その表面のJIS−Z8741で規定される75度鏡面光沢度が50〜80%であることを特徴とする(1)項〜(6)項のいずれかに記載のインクジェット記録用紙。
本発明のインクジェット記録用紙は、半光沢感と強い塗膜強度を備えており、染料インクおよび顔料インクの双方に対して優れたインクジェット記録適性を有している。とりわけ、セミグロスタイプのインクジェット記録用紙においても、上記品質を充足するものである。
[インクジェット記録用紙]
<層構成>
本発明のインクジェット記録用紙は、基材上に、平均粒子径0.5〜8μmのマイカとガラス転移点50〜90℃である樹脂を含有するインク受容層が設けられているものであり、特に該インク受容層が、カレンダーロール温度が30〜50℃の条件でカレンダー処理されているインク受容層であるインクジェット記録用紙である。
本発明のインクジェット記録用紙は、基材の他の面にも同様のインク受容層を設けても構わない。この場合、インクジェット記録用紙において両面に鮮明な印字を施すことが可能になる。
また、インク受容層は、複数の層から構成されてもよい。この場合、少なくとも表面のインク受容層が上記構成からなることが必要である。また、基材とインク受容層の間に、顔料と接着剤を主成分とする下塗り層を設けてもよい。
<基材>
基材としては、通常のインクジェット記録用紙として使用できる基材であれば特に限定されるものではなく、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、バライタ紙、含浸紙、蒸着紙などの紙基材、樹脂フィルム、不織布等、あるいは樹脂フィルムをコート紙や上質紙等と接着剤を介して貼り合わせたもの、または紙に樹脂をラミネートしたもの等の樹脂被覆紙が使用される。
紙基材の主成分として用いられるパルプとしては、LBKPやNBKP等の化学パルプ、GP、TMP等の機械パルプ、および古紙再生パルプが挙げられる。これらを2種以上混合し用いてもよい。この中で、LBKPをパルプ中の主成分として配合することが好ましい。また、叩解度は特に限定しないが、フリーネスが200〜500ml程度(CSF:JIS−P8121)となるように叩解されていることが好ましい。フリーネスが小さいと印字した際のコックリングが悪化する傾向にあり、フリーネスが大きいと平滑性が得られない傾向にある。ECF漂白やTCF漂白等された塩素フリーパルプは、記録用紙を長期間保存しても黄変を起こし難いので好ましい。
紙基材中には、上記パルプのほかに填料が配合されている。填料は、紙基材の透気性を調節し、不透明性等を付与したり、インク吸収性を調整する目的で配合される。填料としては、例えば、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、酸化チタン等が適宜使用できる。中でも炭酸カルシウムは、白色度が高い紙基材となるので好ましい。
填料は、上記全パルプ100質量部に対し1〜35質量部有することが好ましい。填料が少ないと白色度が低下したり、インクの吸収性が低下する傾向にあり、多すぎると、紙腰(剛度)、紙力が低下する傾向にあり、また炭酸カルシウムの過剰の配合はインクジェット記録用紙表面の黄変の発生原因となる。
紙基材の抄紙時に、上記パルプと填料を含む紙料中に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の各種抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することができる。さらに染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤も必要に応じて適宜添加することができる。
抄紙方法としては、長網式抄紙機、円網式抄紙機、ツインワイヤー型抄紙機など公知の抄紙機を用いて製造することができる。抄紙原料のpHにより、酸性紙と中性紙に分けられるが、本発明に用いる紙基材としては、中性紙が長期保存性の面で好ましい。
なお、サイズプレス等により、デンプン、ポリビニルアルコールあるいはカチオン樹脂等を表面に塗工・含浸させ、表面の平滑度の調節、強度の改善、印刷、筆記適性を向上させることも可能である。更に、紙基材の平滑性を高める為に、カレンダーなどで平滑化処理することも可能である。紙基材の坪量は、特に限定されないが、一般的には20〜400g/m2程度である。
<インク受容層>
インク受容層は、平均粒子径0.5〜8μmのマイカと、接着剤としてガラス転移点が50〜90℃の樹脂を少なくとも含有する。
(マイカ)
マイカとしては、特に限定されるものではないが、非膨潤性のものが水中に分散させ易いため好ましく用いられる。非膨潤性マイカは膨潤性マイカに比べて水中に分散させたときの粘度が低く、インク受容層形成用塗被液の濃度を高くすることが出来るため、均一な塗被面が得やすく好ましい。
マイカの平均粒子径は、0.5〜8μmであることが好ましく、1〜6μmであることがより好ましい。平均粒子径が0.5μm未満であると、染料インクと顔料インクの印字濃度が共に低下し、8μmを超えると光沢度が低下する。
なお、本発明において、マイカの平均粒子径とは、コールターカウンタ法によるもので、マイカを蒸留水中にて30秒間超音波分散したものを試料として測定される体積平均粒子径を表すものである。
インク受容層100質量部のうち、マイカの含有量は、50〜90質量部が好ましく、60〜80質量部がより好ましい。50質量部未満であると光沢度が低下し、90質量部を超えると相対的に接着剤の含有量が減り、塗膜強度が低下する。
(他の顔料)
インク受容層は、マイカの他に公知の各種顔料をさらに含有していても構わない。マイカ以外の顔料としては、例えば、シリカ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、擬ベーマイト、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料;アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の樹脂からなる有機顔料が挙げられ、これらの顔料は真球状でも不定形でもよく、無孔質でも多孔質でもよい。
これらの顔料は、マイカ以外に1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。マイカの含有量は、顔料100質量部中、60〜100質量部であることが好ましく、80〜100質量部であることがより好ましい。60質量部未満であると、光沢度が低下する場合が多い。
(接着剤)
インク受容層に用いられる接着剤としては、スチレン−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系樹脂;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合体または共重合体であるアクリル系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂等、一般にインクジェット記録用として用いられている従来公知の接着剤が挙げられ、これらは1種のみを使用してもよく、2種以上の接着剤を併用してもよい。
これらのうち、ガラス転移点が、45〜90℃のものが好ましく、60〜80℃がより好ましい。ガラス転移点が90℃を超えると充分な光沢度を得ることができず、45℃未満であるとインク吸収性が劣る。また、特にアクリル系樹脂を使用すると、染料インク、顔料インクのいずれで印刷しても鮮明な画像が得られ、また、白紙部の保存性にも優れることを本発明者らは見出した。
接着剤として、樹脂を使用せず、澱粉、ポリビニルアルコールなどの水溶性接着剤のみを使用すると、十分な光沢度が得られない上、塗工層が水に濡れた時の塗膜強度が低下する。
接着剤の含有量は、インク受容層100質量部中、5〜45質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましい。
5質量部未満であると、塗工層の塗膜強度が低下すると共に光沢度も低下する場合が多い。45質量部を超えると、相対的に顔料成分が減少し、インク吸収性が劣る結果となる。
(他の接着剤)
インク受容層中に用いられる接着剤として、樹脂系接着剤と共に、澱粉、ポリビニルアルコールなどの水溶性接着剤を併用してもよい。
(インク定着剤)
インク受容層に用いられるカチオン性インク定着剤としては、特に限定されるものではなく、以下のような一般市販されているものが挙げられ、これらは単独あるいは数種類併用して用いられる。
1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、
2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、
4)ジシアンジアミド−ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン樹脂、
5)ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、
6)ジメチルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、
7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO2共重合物、
8)ジアリルアミン塩−SO2共重合物、
9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、
10)アリルアミン塩の重合物、
11)ビニルベンジルトリアリルアンモニウム塩の単独重合体又は共重合体、
12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、
13)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、
14)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウムなどのアルミニウム塩
15)硫酸亜鉛等の水溶性金属塩。
インク定着剤の配合量は、インク受容層100質量部に対して5〜45質量部が好ましく、より好ましくは8〜30質量部の範囲で調節される。インク定着剤が5質量部未満であると、画像の発色性の低下や、印字部の保存性の低下が起こりやすくなり、50質量部を超えると、インク吸収性の低下、印字ムラ、画像の鮮明性の低下が起こりやすくなる
(他の成分等)
インク受容層には、さらに一般の塗被紙製造において使用される増粘剤、消泡剤、湿潤剤、界面活性剤、着色剤、帯電防止剤、耐光性助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
上記マイカ、アクリル系重合体、並びにその他の任意成分を混合し、常法に従って調製したインク受容層用塗工液を、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置を用いて紙基材上に塗工して、インク受容層を形成することができる。
塗工後に、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて、仕上げ処理を行う、カレンダー処理時のカレンダーロール温度が30〜50℃であることが好ましい。30℃未満であると光沢度が低下し、50℃を超えるとインク吸収性が低下する。
インク受容層の塗工量は特に限定されるものではないが、2〜30g/m2とするのが好ましく、5〜20g/m2とするのがより好ましい。
塗工量が上記下限より少ないと、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性が低下しやすく、塗工量が上記上限より多いと、塗膜強度や画像の鮮明性が低下しやすい。
なお、インク受容層は複数層積層してもよく、その場合、層間でインク受容層組成が異なっていてもよい。
本発明のインクジェット記録用紙は、その表面の、JIS−Z8741で規定される75度鏡面光沢度が50〜80%の範囲である場合にも、染料インクおよび顔料インクのいずれに対しても、記録適性に優れている。
[印刷物]
以上説明したインクジェット記録用紙に、プリンター等の印字装置を用い、染料インクあるいは顔料インクで印刷を施し、印刷物を製造することができる。
ここで、染料インク、顔料インクのいずれを用いても良好な発色性、十分な印字濃度が得られ、画像の鮮明性を達成することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。
実施例1
[紙基材A]
軽質炭酸カルシウム20部を、広葉樹晒クラフトパルプ(ろ水度400mlCSF)100部のスラリー中に添加し、カチオン澱粉1部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.2部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の7%溶液を両面で4g/m2塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪200g/m2の紙基材Aを製造した。
[インク受容層塗工液A]
顔料としてマイカ(トピー工業社製、商品名:PDM−001B、粒子径1.5μm)60部、接着剤としてシリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:R−1130)10部およびアクリル系樹脂(日信化学工業社製、商品名:2647、ガラス転移点78℃)20部、インク定着剤としてジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物(日華化学社製、商品名:ネオフィックスIJ−117)10部を、水中で分散し、インク受容層塗工液Aを得た。
[インクジェット記録用紙の作製]
紙基材A上に、インク受容層塗工液Aを塗工量が10g/m2となるように塗工、乾燥した後、ロール温度:40℃、線圧:150Kg/cm、通紙速度:20m/min、使用ロール:コットンロール(塗工面)と金属ロール(裏面)の条件にしたスーパーカレンダーに1回通紙し、インクジェット記録用紙を作製した。
実施例2
実施例1のインク受容層塗工液A中の顔料を、マイカ(トピー工業社製、商品名:PDM−5B、粒子径6μm)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
比較例1
[インク受容層塗工液A]
マイカ(トピー工業社製、商品名:PDM−001B、粒子径1.5μm)60部を水300部に分散させた後、サンドグラインダーでマイカの粒子径が0.3μmになるまで粉砕した上に接着剤としてシリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:R−1130)10部およびアクリル系樹脂(信越化学工業社製、商品名:2647、ガラス転移点78℃)20部、インク定着剤としてジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物(日華化学社製、商品名:ネオフィックスIJ−117)10部を添加して、インク受容層塗工液Aを得た以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
比較例2
実施例1のインク受容層塗工液A中の顔料を、マイカ(トピー工業社製、商品名:PDM−10B、粒子径12μm)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例3
実施例1のインク受容層塗工液A中の接着剤を、ポリウレタン樹脂(第一工業製薬社製、商品名:スーパーフレックス600、ガラス転移点70℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例4
実施例1のインク受容層塗工液A中の接着剤を、スチレン−アクリル樹脂(日本エヌエスシー社製、商品名:カネビノール、KD27、ガラス転移点55℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例5
実施例1のインク受容層塗工液A中の接着剤を、塩化ビニル樹脂(日信化学工業社製、商品名:ビニブラン654−C、ガラス転移点49℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例6
実施例1のインク受容層塗工液A中の接着剤を、アクリル樹脂(日信化学工業社製、商品名:2685、ガラス転移点50℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例7
実施例1のインク受容層塗工液A中の接着剤を、スチレン−アクリル樹脂(日本エヌエスシー社製、商品名:GD−903、ガラス転移点90℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
比較例3
実施例1のインク受容層塗工液A中の接着剤を、アクリル樹脂(クラリアント・ポリマー社製、商品名:LDM7156、ガラス転移点37℃)20部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
比較例4
実施例1のインク受容層塗工液A中の接着剤を、スチレン−アクリル樹脂(クラリアント・ポリマー社製、商品名:972、ガラス転移点101℃)20部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例8
実施例1のインク受容層塗工液A中の接着剤の配合部数を3部、マイカの配合部数を77部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例9
実施例1のインク受容層塗工液A中の接着剤の配合部数を45部、マイカの配合部数を35部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例10
実施例1のインク受容層塗工液A中の顔料をマイカ(トピー工業社製、商品名:PDM−001B、粒子径1.5μm)30部、湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールF80、二次粒子径1.8μm)30部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
比較例5
実施例1のインク受容層塗工液A中の顔料を、湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールF80、二次粒子径1.8μm)60部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例11
実施例1で行ったスーパーカレンダー処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例12
実施例1で行ったスーパーカレンダー処理でのロール温度を20℃へ変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例13
実施例1で行ったスーパーカレンダー処理でのロール温度を70℃へ変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
評価
各実施例、比較例で得られたインクジェット記録用紙の印字濃度、インク吸収性、塗膜強度、光沢度を、以下に示す方法で評価した。結果を表1に示す。
なお、評価にあたって、インクジェット記録用紙への印字は、市販の染料インクジェットプリンター(EPSON社製、商品名:PM−G800、印字モード:フォトマット紙/高精細)、市販の顔料インクジェットプリンター(EPSON社製、商品名:PM−4000PX、インク:マットブラック使用、印字モード:フォトマット紙/高精細)の2機種で行った。
[印字濃度]
財団法人日本規格協会発行の画像(「高精細カラーディジタル標準画像XYZ/JIS−SCID」、識別記号:S6、画像名称:カラーチャート)を上記の4機種で印字し、ブラックの最高色調部を、GretagMacbeth社製RD−914にて、印字濃度を測定した。
[インク吸収性]
上記印字濃度の評価を行ったもののうち、市販の染料インクジェットプリンター(EPSON社製、商品名:PM−G800、印字モード:フォトマット紙/高精細)で印字した記録物のブラックの最高色調部を観察した。
○:インクのあふれ、ニジミ、ムラがなく、元画像を忠実に再現している。
○−:インクのあふれ、ニジミ、ムラが若干あるが、ほぼ元画像を再現している。
△:インクのあふれ、ニジミ、ムラが発生し、元画像を再現していない。
×:インクのあふれ、ニジミ、ムラが激しく発生し、元画像を再現していない。
[塗膜強度]
塗工層の表面に粘着テープ(住友3M社製、商品名:スコッチメンディングテープ MP−18)を貼り付け、粘着テープ上に1kgの重りを5秒間置いた後、重りを取り、粘着テープを剥し、その様子を観察し、評価した。
○:粘着テープに付着物がやや見られるが、塗工層表面に変化は見られない。
×:粘着テープに付着物が多く見られ、塗工層表面が剥れが目立つ。
なお、○の評価の中で、付着物が若干多く見られるものに○−とした。
[75度鏡面光沢度]
JIS−Z8741で規定。
Figure 2006198856
実施例1〜10は、すべての項目が優れていた。これらに対し、マイカの粒子径が小さい比較例1は印字濃度が劣り、マイカの粒子径が大きい比較例2と樹脂のガラス転移点の高い比較例4、マイカを含有しない比較例5は光沢度が劣り、樹脂のガラス転移点の低い比較例3はインク吸収性が劣っていた。

Claims (7)

  1. 基材に、顔料と接着剤を含有する水性塗被液を塗布して形成されてなるインク受容層を有するインクジェット記録用紙において、前記顔料が平均粒子径0.5μm〜8μmのマイカであり、接着剤がガラス転移点45〜90℃である樹脂であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記水性塗被液を塗布した後にカレンダー処理を行って形成されてなることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記カレンダー処理時のカレンダーロール温度が30〜50℃の範囲にあることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録用紙。
  4. 前記インク受容層100質量部のうち、マイカが50〜80質量部で、接着剤が5〜40質量部含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用紙。
  5. 前記マイカは、非膨潤性マイカであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用紙。
  6. 前記接着剤がアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用紙。
  7. 前記インク受容層は、その表面のJIS−Z8741で規定される75度鏡面光沢度が50〜80%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用紙。
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