JP2006044235A - インクジェット記録用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 染料インクおよび顔料インクのいずれに対しても、画像の発色性、保存性等の記録特性が優れており、また、白地部分の保存性にも優れたインクジェット記録用シートを提供すること。
【解決手段】 支持体上に、顔料および接着剤を含有するインク受容層を有するインクジェット用記録シートにおいて、前記インク受容層が、JIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率が25〜70%の範囲内であるカチオン性高分子(A)を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
【選択図】 なし
【解決手段】 支持体上に、顔料および接着剤を含有するインク受容層を有するインクジェット用記録シートにおいて、前記インク受容層が、JIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率が25〜70%の範囲内であるカチオン性高分子(A)を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録用シートに関する。
インクを微細なノズルから記録体表面に向かって噴出し、記録体表面上に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音の少ないこと、フルカラー画像の形成が容易であること、高速記録が可能であること、他の印刷装置よりも記録コストが低いことなどの理由により、端末プリンター、ファクシミリ、プロッタ、帳票印刷等で広く利用されている。
また、近年では、インクジェット記録方式で印刷が施された印刷物(インクジェット印刷物)が、大型のポスター、ディスプレイ、チラシ等の意匠性を持つメディアとして、その需要が急速に高まっており、屋外展示用の大判のポスターなどにも使用されるようになっている。
そのため、インクジェット記録用シートには、印字の鮮明性や印字濃度の高さ(発色性)に加え、より高度な記録特性、たとえば印字した画像が光や空気中のオゾン等の影響で退色しないこと(印字耐光性、印字耐オゾン性等の印字保存性)、水がかかった際にインクが滲み出さないこと(印字耐水性)等の特性が要求されるようになっている。
また、近年では、インクジェット記録方式で印刷が施された印刷物(インクジェット印刷物)が、大型のポスター、ディスプレイ、チラシ等の意匠性を持つメディアとして、その需要が急速に高まっており、屋外展示用の大判のポスターなどにも使用されるようになっている。
そのため、インクジェット記録用シートには、印字の鮮明性や印字濃度の高さ(発色性)に加え、より高度な記録特性、たとえば印字した画像が光や空気中のオゾン等の影響で退色しないこと(印字耐光性、印字耐オゾン性等の印字保存性)、水がかかった際にインクが滲み出さないこと(印字耐水性)等の特性が要求されるようになっている。
インクジェット記録方式での印刷には、一般的に、水性インクが使用されており、水性インクは、染料を用いた染料インクと、顔料を用いた顔料インクとに分類されている。
現在、画像の鮮明性の点から、主に染料インクが使用されており、一般的に市販されているインクジェット記録用シートの大半は染料インク用である。
しかし、染料インクは、紫外線、オゾン等により酸化されやすく、印字耐光性や印字耐オゾン性が低い。そのため、染料インクを用いたインクジェット印刷物は、展示中に画像が退色し、見栄えが悪化するなど、印字保存性が充分でないという欠点が指摘されており、耐光性や耐オゾン性等に優れている顔料インクの使用が増えてきている。
しかし、顔料インクは、上述したように画像の鮮明性が染料インクに比べて劣っており、特に、染料インク用のインクジェット記録用シートに印刷した場合、鮮明性が非常に悪くなるという問題がある。
現在、画像の鮮明性の点から、主に染料インクが使用されており、一般的に市販されているインクジェット記録用シートの大半は染料インク用である。
しかし、染料インクは、紫外線、オゾン等により酸化されやすく、印字耐光性や印字耐オゾン性が低い。そのため、染料インクを用いたインクジェット印刷物は、展示中に画像が退色し、見栄えが悪化するなど、印字保存性が充分でないという欠点が指摘されており、耐光性や耐オゾン性等に優れている顔料インクの使用が増えてきている。
しかし、顔料インクは、上述したように画像の鮮明性が染料インクに比べて劣っており、特に、染料インク用のインクジェット記録用シートに印刷した場合、鮮明性が非常に悪くなるという問題がある。
そこで、染料インク、顔料インクのいずれで印刷しても優れた記録特性を示すインクジェット記録用シートが要望されている。
染料インク、顔料インクのいずれで印刷しても優れた適性を示すインクジェット記録用シートとして、塗工液中に水溶性金属塩を含有させる方法(例えば、特許文献1参照。)、塗工層を2層以上設ける方法(例えば、特許文献2〜5参照。)、塗工層表面を特定の粗さに制御する方法(例えば、特許文献6参照。)、塗工層中に特定の粒径を有する顔料を含有させる方法(例えば、特許文献7参照。)、特定の細孔半径、細孔容積を有し、特定範囲のpHの多孔性有機樹脂からなる塗工層を用いる方法(例えば、特許文献8参照。)等が提案されている。
特開2002−274022号公報
特開2000−94831号公報
特開2000−168228号公報
特開2002−347330号公報
特開平10−278411号公報
特開2000−158804号公報
特開2001−270238号公報
特開2001−246841号公報
染料インク、顔料インクのいずれで印刷しても優れた適性を示すインクジェット記録用シートとして、塗工液中に水溶性金属塩を含有させる方法(例えば、特許文献1参照。)、塗工層を2層以上設ける方法(例えば、特許文献2〜5参照。)、塗工層表面を特定の粗さに制御する方法(例えば、特許文献6参照。)、塗工層中に特定の粒径を有する顔料を含有させる方法(例えば、特許文献7参照。)、特定の細孔半径、細孔容積を有し、特定範囲のpHの多孔性有機樹脂からなる塗工層を用いる方法(例えば、特許文献8参照。)等が提案されている。
しかし、上記特許文献に記載されたインクジェット記録用シートは、いずれのインクを用いた場合も印字濃度が充分でないなど、発色性に問題がある。また、形成される画像の耐光性、耐水性等の保存性も、特に染料インクを用いる場合に充分ではない。さらに、画像が形成されない白地部分についても、熱や光によって黄変を生じるなど、保存性が悪いという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、染料インクおよび顔料インクのいずれに対しても、画像の発色性、保存性等の記録特性が優れており、また、白地部分の保存性にも優れたインクジェット記録用シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、検討を重ねた結果、インク受容層中に特定の吸水率を有するカチオン性共重合体を配合することによりこれらの問題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は下記態様を含む。
[1] 支持体上に、顔料および接着剤を含有するインク受容層を有するインクジェット用記録シートにおいて、
前記インク受容層が、JIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率が25〜70%の範囲内であるカチオン性高分子(A)を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
[2] 前記カチオン性高分子(A)が、アルキル(メタ)アクリレートをモノマーとする構成単位を含む[1]に記載のインクジェット記録用シート。
[3] 前記カチオン性高分子(A)が、ジアリルアミンをモノマーとする構成単位を含む[1]または[2]に記載のインクジェット記録用シート。
[4] 前記カチオン性高分子(A)が、アクリルアミドをモノマーとする構成単位を含む[1]〜[3]のいずれか一項に記載のインクジェット記録用シート。
[5] 前記カチオン性高分子(A)の分子量が、10万〜50万である[1]〜[4]のいずれか一項に記載のインクジェット記録用シート。
[6] 前記顔料が、平均二次粒子径1〜11μmのシリカである[1]〜[5]のいずれか一項に記載のインクジェット記録用シート。
[7] 前記顔料の少なくとも一部が、表面が界面活性剤で処理されたシリカである[1]〜[6]のいずれか一項に記載のインクジェット記録用シート。
本発明は下記態様を含む。
[1] 支持体上に、顔料および接着剤を含有するインク受容層を有するインクジェット用記録シートにおいて、
前記インク受容層が、JIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率が25〜70%の範囲内であるカチオン性高分子(A)を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
[2] 前記カチオン性高分子(A)が、アルキル(メタ)アクリレートをモノマーとする構成単位を含む[1]に記載のインクジェット記録用シート。
[3] 前記カチオン性高分子(A)が、ジアリルアミンをモノマーとする構成単位を含む[1]または[2]に記載のインクジェット記録用シート。
[4] 前記カチオン性高分子(A)が、アクリルアミドをモノマーとする構成単位を含む[1]〜[3]のいずれか一項に記載のインクジェット記録用シート。
[5] 前記カチオン性高分子(A)の分子量が、10万〜50万である[1]〜[4]のいずれか一項に記載のインクジェット記録用シート。
[6] 前記顔料が、平均二次粒子径1〜11μmのシリカである[1]〜[5]のいずれか一項に記載のインクジェット記録用シート。
[7] 前記顔料の少なくとも一部が、表面が界面活性剤で処理されたシリカである[1]〜[6]のいずれか一項に記載のインクジェット記録用シート。
本発明によれば、染料インクおよび顔料インクのいずれに対しても、画像の発色性、保存性等の記録特性が優れており、また、白地部分の保存性にも優れたインクジェット記録用シートを提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のインクジェット用記録シートは、支持体上に、顔料および接着剤を含有するインク受容層を有するものである。
本発明のインクジェット用記録シートは、支持体上に、顔料および接着剤を含有するインク受容層を有するものである。
≪支持体≫
支持体としては、通常のインクジェット記録用シートとして使用できる支持体であれば特に限定されるものではなく、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、バライタ紙、含浸紙、蒸着紙などの紙類、樹脂フィルム、不織布等、あるいは樹脂フィルムをコート紙や上質紙等の紙類と接着剤を介して貼り合わせたもの、または紙類に樹脂をラミネートしたもの等の樹脂被覆紙等が使用される。
支持体としては、通常のインクジェット記録用シートとして使用できる支持体であれば特に限定されるものではなく、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、バライタ紙、含浸紙、蒸着紙などの紙類、樹脂フィルム、不織布等、あるいは樹脂フィルムをコート紙や上質紙等の紙類と接着剤を介して貼り合わせたもの、または紙類に樹脂をラミネートしたもの等の樹脂被覆紙等が使用される。
本発明において、支持体として、紙類を用いた基材(紙基材)を用いる場合、紙基材の主成分として用いられるパルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)や針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等の化学パルプ、GP、TMP等の機械パルプ、および古紙再生パルプが挙げられる。これらを2種以上混合し用いても良い。この中で、LBKPをパルプ中の主成分として配合する事が好ましい。
また、叩解度は特に限定しないが、フリーネスが300〜500ml程度(CSF:JIA−P−8121)となるように叩解することが好ましい。叩解度を進めると印字した際のコックリングが悪化する傾向にあるが、染色ムラも生じ易い傾向にあり、叩解度が少ないと平滑性が選られない傾向にある。
また、叩解度は特に限定しないが、フリーネスが300〜500ml程度(CSF:JIA−P−8121)となるように叩解することが好ましい。叩解度を進めると印字した際のコックリングが悪化する傾向にあるが、染色ムラも生じ易い傾向にあり、叩解度が少ないと平滑性が選られない傾向にある。
また、パルプが古紙再生パルプの場合、古紙再生パルプの原料となる古紙は、例えば、新聞古紙、雑誌古紙、板紙古紙、包装紙古紙、ダンボール古紙、印刷古紙などが例示でき、さらに紙製造中に発生する上質紙、コート紙などの損紙が含まれていても良い。
古紙再生パルプは、一般には超し、および損紙を低濃度パルパーまたは高濃度パルパーによる離解工程、スクリーンまたはクリーナーによる粗選工程と精選工程、浮選法または水洗法による脱墨工程、塩素漂白、二酸化塩素漂白、次亜塩素酸ソーダ漂白、酸素漂白などによる漂白工程などを適宜、組み合せることにより得られる。
古紙再生パルプは、一般には超し、および損紙を低濃度パルパーまたは高濃度パルパーによる離解工程、スクリーンまたはクリーナーによる粗選工程と精選工程、浮選法または水洗法による脱墨工程、塩素漂白、二酸化塩素漂白、次亜塩素酸ソーダ漂白、酸素漂白などによる漂白工程などを適宜、組み合せることにより得られる。
紙基材中には、上記パルプのほかに、填料を配合する事も出来る。填料は、紙基材の透気性を調節し、不透明性等を付与したり、インク吸収性を調整する目的で配合する。
填料としては、例えば、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、酸化チタン等が適宜使用できる。中でも炭酸カルシウムは、白色度が高い紙基材となるのであるので好ましい。
填料を使用する場合は、上記全パルプ100質量部に対し1〜35質量部有することが好ましい。填料が少ないと白色度の低下するばかりか、インクの吸収性が低下する傾向にあり、多すぎると、紙腰(剛度)の低下、紙力の低下する傾向にあり、また炭酸カルシウムの過剰の配合はインクジェット記録体表面の黄変の発生原因となる。
填料としては、例えば、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、酸化チタン等が適宜使用できる。中でも炭酸カルシウムは、白色度が高い紙基材となるのであるので好ましい。
填料を使用する場合は、上記全パルプ100質量部に対し1〜35質量部有することが好ましい。填料が少ないと白色度の低下するばかりか、インクの吸収性が低下する傾向にあり、多すぎると、紙腰(剛度)の低下、紙力の低下する傾向にあり、また炭酸カルシウムの過剰の配合はインクジェット記録体表面の黄変の発生原因となる。
紙基材には、上記パルプおよび填料のほかに、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の各種抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択して配合することができる。さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤も必要に応じて適宜配合することができる。
これらは、紙基材の抄紙時に、上記パルプと填料を含む紙料中に添加することにより配合できる。
これらは、紙基材の抄紙時に、上記パルプと填料を含む紙料中に添加することにより配合できる。
紙基材は、上記の各抄紙原料を、長網式抄紙機、円網式抄紙機、ツインワイヤー型抄紙機など公知の抄紙機を用いて抄紙することにより製造できる。
紙基材は、抄紙原料のpHにより、酸性紙と中性紙に分けられるが、本発明に用いる紙基材としては、中性紙が長期保存性の面で好ましい。
なお、紙基材の表面の平滑度の調節、強度の改善、印刷、筆記適性の向上等のために、サイズプレス等により、デンプン、ポリビニルアルコールあるいはカチオン樹脂、サイズ剤等をその表面に塗工・含浸させることも可能である。
更に、紙基材の平滑性を高める為に、カレンダーなどで平滑化処理することも可能である。
なお、紙基材の坪量は、特に限定されないが、20〜400g/m2程度であることが好ましい。
更に、紙基材の平滑性を高める為に、カレンダーなどで平滑化処理することも可能である。
なお、紙基材の坪量は、特に限定されないが、20〜400g/m2程度であることが好ましい。
≪インク受容層≫
インク受容層は、顔料、接着剤およびカチオン性高分子を含有するものである。
[顔料]
インク受容層に用いられる顔料は従来からインクジェット記録用シートの塗工層、インク受容層に用いられている顔料であれば特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、擬ベーマイト、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料;アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレンーアクリル系樹脂、スチレンーブタジエン系樹脂、スチレンーイソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の樹脂からなる有機顔料が挙げられ、これらの顔料は、真球状でも不定形でもよく、無孔質でも多孔質でもよい。これらの顔料は1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
インク受容層は、顔料、接着剤およびカチオン性高分子を含有するものである。
[顔料]
インク受容層に用いられる顔料は従来からインクジェット記録用シートの塗工層、インク受容層に用いられている顔料であれば特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、擬ベーマイト、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料;アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレンーアクリル系樹脂、スチレンーブタジエン系樹脂、スチレンーイソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の樹脂からなる有機顔料が挙げられ、これらの顔料は、真球状でも不定形でもよく、無孔質でも多孔質でもよい。これらの顔料は1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
これらの顔料の中では、発色性、インク吸収性に優れることから、シリカ、アルミナ、擬べーマイト、軽質炭酸カルシウム、ゼオライトが好ましく選択され、なかでもシリカ、アルミナ、擬べーマイトが好ましく、シリカが最も好ましい。
シリカとしては、非晶質シリカが好ましい。
シリカの製法は特に限定されるものではなく、電弧法、乾式法、湿式法(沈殿法、ゲル法)のいずれの方法で製造されたものでもよい。これらの中でも、湿式法シリカが、顔料インクおよび染料インクのいずれにも適しているため好ましい。
シリカとしては、非晶質シリカが好ましい。
シリカの製法は特に限定されるものではなく、電弧法、乾式法、湿式法(沈殿法、ゲル法)のいずれの方法で製造されたものでもよい。これらの中でも、湿式法シリカが、顔料インクおよび染料インクのいずれにも適しているため好ましい。
本発明においては、顔料が、平均二次粒子径が1〜11μmのシリカであることが好ましく、平均二次粒子径が3〜10μmのシリカであることがより好ましい。
平均二次粒子径が1μm以上のシリカであると、インク受容層のインク吸収性が優れたものとなる。また、光透過性が低くなるため、インク、特に染料インクに対する光の影響が低減され、印字耐光性が向上する。また、インク受容層の強度も高くなる。また、インク、特に顔料インクの定着性が向上し、印字濃度が高くなる。
一方、シリカの平均二次粒子径が11μm以下であると、鮮明性の高い画像が得られ、また、インク受容層表面の平滑性が高く、印字ムラが生じにくいなど、印字特性に優れている。
また、顔料が平均二次粒子径が1〜11μmのシリカであると、光沢性の低いマットな表面のインクジェット記録用シートとなる。
ここで、本発明において、シリカの平均二次粒子径とは、コールカウンタ法によるもので、シリカを蒸留水中にて30秒間超音波分散したものを試料として測定される体積平均粒子径を表すものである。
平均二次粒子径が1μm以上のシリカであると、インク受容層のインク吸収性が優れたものとなる。また、光透過性が低くなるため、インク、特に染料インクに対する光の影響が低減され、印字耐光性が向上する。また、インク受容層の強度も高くなる。また、インク、特に顔料インクの定着性が向上し、印字濃度が高くなる。
一方、シリカの平均二次粒子径が11μm以下であると、鮮明性の高い画像が得られ、また、インク受容層表面の平滑性が高く、印字ムラが生じにくいなど、印字特性に優れている。
また、顔料が平均二次粒子径が1〜11μmのシリカであると、光沢性の低いマットな表面のインクジェット記録用シートとなる。
ここで、本発明において、シリカの平均二次粒子径とは、コールカウンタ法によるもので、シリカを蒸留水中にて30秒間超音波分散したものを試料として測定される体積平均粒子径を表すものである。
また、本発明においては、顔料が、平均二次粒子径が0.01μm以上1μm未満のシリカであることも好ましい。これにより、光沢性を有するインクジェット記録用シートとなる。
この場合、インク吸収性を補うために、インク受容層の塗工量を多くしたり、インク受容層を複数層設けることが好ましい。
また、インク受容層の強度を高めるために、ホウ砂、ホウ酸などの公知の架橋剤を併用するとよい。
この場合、インク吸収性を補うために、インク受容層の塗工量を多くしたり、インク受容層を複数層設けることが好ましい。
また、インク受容層の強度を高めるために、ホウ砂、ホウ酸などの公知の架橋剤を併用するとよい。
本発明においては、インク受容層に含有される顔料の少なくとも一部が、表面が界面活性剤で処理されたシリカであることが好ましい。すなわち、顔料としては、その全てが表面が界面活性剤で処理されたシリカであってもよく、また、表面が界面活性剤で処理されたシリカと、表面が界面活性剤で処理されていない顔料とを併用してもよい。
ここで、表面が界面活性剤で処理されていない顔料としては、先に説明した顔料と同様のものが挙げられる。
ここで、表面が界面活性剤で処理されていない顔料としては、先に説明した顔料と同様のものが挙げられる。
表面が界面活性剤で処理されたシリカにおいて、表面を界面活性剤で処理されるシリカとしては、先に説明したシリカと同様のものが用いられる。
また、シリカ表面を処理する界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を例示することができる。これらの中でも、全てのイオン性の原材料との凝集が発生しない為、非イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等を挙げることができる。これらの中でも、HLB値が8.0〜15.0のものが好ましく、10.0〜12.0のものがより好ましい。
また、シリカ表面を処理する界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を例示することができる。これらの中でも、全てのイオン性の原材料との凝集が発生しない為、非イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等を挙げることができる。これらの中でも、HLB値が8.0〜15.0のものが好ましく、10.0〜12.0のものがより好ましい。
シリカ表面の界面活性剤による処理方法としては、例えば特開平9−25440号公報に記載された方法を採用することができる。すなわち、顔料、例えば湿式法シリカと界面活性剤、例えば多鎖型非イオン性界面活性剤とを高速流動ミキサー等の混合機で混合する乾式混合法を採用することができる。この場合、界面活性剤を直接顔料に添加混合してもよく、界面活性剤をエタノール等の揮発性溶媒で希釈したものを添加混合してもよい。
また、シリカ、例えば湿式法シリカの乳化スラリー液に所定量の界面活性剤、例えば非イオン性界面活性剤を添加混合しておき、続いて噴霧乾燥等を行う湿式処理法を採用することもできる。湿式処理法の場合、界面活性剤が水に難溶性の場合、これをあらかじめ強力に分散させてエマルジョンとし、このエマルジョンを顔料の乳化スラリー液に添加して充分に攪拌混合した後に乾燥処理することが好ましい。
シリカに対する界面活性剤添加量は、シリカ100質量部あたり0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。このような範囲で界面活性剤を添加され、その表面が処理されたシリカを配合すると、発色性が向上し、鮮明な画像を得ることができる。
また、シリカ、例えば湿式法シリカの乳化スラリー液に所定量の界面活性剤、例えば非イオン性界面活性剤を添加混合しておき、続いて噴霧乾燥等を行う湿式処理法を採用することもできる。湿式処理法の場合、界面活性剤が水に難溶性の場合、これをあらかじめ強力に分散させてエマルジョンとし、このエマルジョンを顔料の乳化スラリー液に添加して充分に攪拌混合した後に乾燥処理することが好ましい。
シリカに対する界面活性剤添加量は、シリカ100質量部あたり0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。このような範囲で界面活性剤を添加され、その表面が処理されたシリカを配合すると、発色性が向上し、鮮明な画像を得ることができる。
[接着剤]
インク受容層に用いられる接着剤としては、特に限定されるものではなく、一般にインクジェット記録用として用いられている従来公知の接着剤が使用できる。このような接着剤としては、例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類;ポリビニルアルコール及びその誘導体;カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体;スチレン−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系樹脂;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合体または共重合体であるアクリル系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを使用してもよく、2種以上の接着剤を併用してもよい。
インク受容層に用いられる接着剤としては、特に限定されるものではなく、一般にインクジェット記録用として用いられている従来公知の接着剤が使用できる。このような接着剤としては、例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類;ポリビニルアルコール及びその誘導体;カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体;スチレン−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系樹脂;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合体または共重合体であるアクリル系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを使用してもよく、2種以上の接着剤を併用してもよい。
これら接着剤のなかでも、ポリビニルアルコールおよびその誘導体は、顔料との接着性が良好であるため好ましい。
ポリビニルアルコール誘導体としては、シラノール変性ポリビニルアルコールやカチオン化ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
ポリビニルアルコール誘導体としては、シラノール変性ポリビニルアルコールやカチオン化ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
接着剤の配合量は、その種類にもよるが、一般に、顔料100質量部に対して、15〜65質量部が好ましく、30〜50質量部がより好ましい。
[カチオン性高分子(A)]
本発明は、上記顔料および接着剤を含有するインク受容層が、JIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率が25〜70%の範囲内であるカチオン性高分子(A)を含有することを特徴とする。インク受容層がカチオン性高分子(A)を含有することにより、染料インクおよび顔料インクのいずれに対しても、画像の発色性、鮮明性等の記録特性が向上する。また、白地部分の保存性も向上する。
本発明において、カチオン性高分子(A)の吸水率は、より好ましくは30〜60%、さらに好ましくは40〜55%である。
吸水率は、たとえば、後述するカチオン性共重合体(A1)中の構成単位(a2)の割合を調節することにより調節でき、たとえば構成単位(a2)の割合が多いほど、吸水率は低下する。
本発明は、上記顔料および接着剤を含有するインク受容層が、JIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率が25〜70%の範囲内であるカチオン性高分子(A)を含有することを特徴とする。インク受容層がカチオン性高分子(A)を含有することにより、染料インクおよび顔料インクのいずれに対しても、画像の発色性、鮮明性等の記録特性が向上する。また、白地部分の保存性も向上する。
本発明において、カチオン性高分子(A)の吸水率は、より好ましくは30〜60%、さらに好ましくは40〜55%である。
吸水率は、たとえば、後述するカチオン性共重合体(A1)中の構成単位(a2)の割合を調節することにより調節でき、たとえば構成単位(a2)の割合が多いほど、吸水率は低下する。
カチオン性高分子(A)としては、上記吸水率を満たすものであれば特に限定されないが、たとえば、下記構成単位(a1)と、構成単位(a2)とを有する共重合体が挙げられる。
構成単位(a1):単独重合によってカチオン性高分子を形成可能な化合物(以下、モノマー(m1)という)をモノマーとする構成単位
構成単位(a2):上記モノマー(m1)と重合可能であり、かつ単独重合によってはカチオン性高分子を形成できない化合物(以下、モノマー(m2)という)をモノマーとする構成単位
構成単位(a1):単独重合によってカチオン性高分子を形成可能な化合物(以下、モノマー(m1)という)をモノマーとする構成単位
構成単位(a2):上記モノマー(m1)と重合可能であり、かつ単独重合によってはカチオン性高分子を形成できない化合物(以下、モノマー(m2)という)をモノマーとする構成単位
モノマー(m1)としては、例えば、モノアリルアミン(塩)、ビニルアミン(塩)、N−ビニルアクリルアミジン(塩)、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミド・ポリエチレンアミン重縮合物等の1級アミン;ジアリルアミン(塩)、エチレンイミン(塩)等の2級アミン;ジアリルメチルアミン(塩)等の3級アミン;ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物等の4級アンモニウム塩;アクリルアミド、アセトアミド等のアミド;塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム等のアルミニウム塩などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジアリルアミン、アクリルアミドが、印字部の耐光性、耐オゾン性等の保存性、白紙部の耐熱湿性等の保存性に優れているため好ましい。
これらの中でも、ジアリルアミン、アクリルアミドが、印字部の耐光性、耐オゾン性等の保存性、白紙部の耐熱湿性等の保存性に優れているため好ましい。
カチオン性高分子(A)中、モノマー(m1)に由来する構成単位(a1)の割合は、共重合体(A1)を構成する全構成単位に対し、50〜95モル%が好ましく、60〜80モル%がより好ましい。構成単位(a1)の割合が50モル%より少ないと、インクの定着性が低下し、充分な印字濃度を得ることが出来ないおそれがある。一方、95モル%よりも多いと、親水性が高くなりすぎ、本発明の効果が充分に得られないおそれがある。
モノマー(m2)としては、モノマー(m1)と重合可能であって、その単独重合物の、上記JIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率が好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である疎水性化合物が好ましい。
かかる疎水性化合物としては、アルキル(メタ)アクリレート等の脂肪酸ビニル、スチレン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、重合のしやすさから、アルキル(メタ)アクリレートが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、中でも、ブチル(メタ)アクリレートおよびメチルメタクリレート、特にブチル(メタ)アクリレートは、発色性の向上が高く、また、カチオン性高分子(A)自体の安定性にも優れているため好ましい。
なお、ブチルメタクリレート重合物、ブチルアクリレート重合物、メチルメタクリレート重合物のJIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率は、いずれも約0.3%程度である。
かかる疎水性化合物としては、アルキル(メタ)アクリレート等の脂肪酸ビニル、スチレン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、重合のしやすさから、アルキル(メタ)アクリレートが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、中でも、ブチル(メタ)アクリレートおよびメチルメタクリレート、特にブチル(メタ)アクリレートは、発色性の向上が高く、また、カチオン性高分子(A)自体の安定性にも優れているため好ましい。
なお、ブチルメタクリレート重合物、ブチルアクリレート重合物、メチルメタクリレート重合物のJIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率は、いずれも約0.3%程度である。
カチオン性高分子(A)中、モノマー(m2)に由来する構成単位(a2)の割合は、カチオン性高分子(A)を構成する全構成単位に対し、5〜40モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。構成単位(a2)の割合が5モル%より少ないと、充分な発色性を得ることが出来ないおそれがある。また40モル%よりも多いと、水がインク受容層を浸透せず、インク受容層中にとどまってしまうことにより、印字の耐水性が悪化するおそれがある。また、カチオン性高分子(A)の疎水性が高くなり、水中での安定性が悪くなって、インク受容層を形成する際、塗工液中で分離してしまうおそれがある。
カチオン性高分子(A)は、さらに上述した構成単位(a1)および(a2)以外の構成単位(a3)を有していてもよい。
構成単位(a3)としては、構成単位(a1)および(a2)のモノマーと共重合可能な各種公知のエチレン性不飽和化合物(以下、モノマー(m3)という)をモノマーとする構成単位を用いることができる。
カチオン性高分子(A)中、構成単位(a3)の割合は、カチオン性高分子(A)を構成する全構成単位に対し、20モル%以下が好ましい。
構成単位(a3)としては、構成単位(a1)および(a2)のモノマーと共重合可能な各種公知のエチレン性不飽和化合物(以下、モノマー(m3)という)をモノマーとする構成単位を用いることができる。
カチオン性高分子(A)中、構成単位(a3)の割合は、カチオン性高分子(A)を構成する全構成単位に対し、20モル%以下が好ましい。
カチオン性高分子(A)は、上記モノマー(m1)および(m2)、および任意のモノマー(m3)を重合させることにより得ることができる。たとえば、カチオン性高分子(A)は、モノマー(m1)をモノマーとする構成単位を有するカチオン性高分子、たとえば後述するカチオン性高分子(B)に対し、上記モノマー(m2)(および任意にモノマー(m1)および(m3))を重合させる方法、モノマー(m2)をモノマーとする構成単位(および任意にモノマー(m1)をモノマーとする構成単位、およびモノマー(m3)をモノマーとする構成単位)を有する重合体を共重合させる方法等によって得ることができる。
重合に関しては、乳化重合、溶液重合等の一般的な重合法を適用する事ができる。
重合に関しては、乳化重合、溶液重合等の一般的な重合法を適用する事ができる。
カチオン性高分子(A)の分子量は、10万〜50万であることが好ましく、20万〜40万であることがより好ましい。この範囲内であると、発色性に優れている。
カチオン性高分子(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
インク受容層中、カチオン性高分子(A)の配合量は、顔料100質量%に対し、5〜60質量%、より好ましくは、20〜50質量%の範囲で調節される。カチオン性高分子(A)の量が少ないと、画像の発色性の低下や、印字保存性の低下が起こり、逆にカチオン性高分子(A)の量が多いと、インク吸収性の低下、印字ムラ、画像の鮮明性の低下が起こるようになる。
[その他の任意成分]
また、本発明において、インク受容層は、本発明の作用効果を害さない範囲で、上記カチオン性高分子(A)以外のカチオン性高分子(以下、カチオン性高分子(B)という)を含有してもよい。
カチオン性高分子(B)としては、従来インク定着剤として公知のカチオン性高分子が使用でき、カチオン性高分子(B)としては、1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、4)ジメチルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、5)ジアリルジメチルアンモニウム−SO2共重合物、6)ジアリルアミン塩−SO2共重合物、7)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、8)アリルアミン塩の重合物、9)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、10)アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物等が挙げられる。かかるカチオン性高分子(B)としては、市販のものが使用できる。
なお、従来インク定着剤として公知のカチオン性高分子は、通常、水溶性であり、上記カチオン性高分子(A)のように吸水率を測定することはできない。
また、本発明において、インク受容層は、本発明の作用効果を害さない範囲で、上記カチオン性高分子(A)以外のカチオン性高分子(以下、カチオン性高分子(B)という)を含有してもよい。
カチオン性高分子(B)としては、従来インク定着剤として公知のカチオン性高分子が使用でき、カチオン性高分子(B)としては、1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、4)ジメチルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、5)ジアリルジメチルアンモニウム−SO2共重合物、6)ジアリルアミン塩−SO2共重合物、7)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、8)アリルアミン塩の重合物、9)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、10)アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物等が挙げられる。かかるカチオン性高分子(B)としては、市販のものが使用できる。
なお、従来インク定着剤として公知のカチオン性高分子は、通常、水溶性であり、上記カチオン性高分子(A)のように吸水率を測定することはできない。
これらの中で、カチオン性高分子(B)として、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物を併用することが好ましい。ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物と、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物を併用することにより、顔料インクで記録した際の発色性、染料インクで記録した際の発色性および印字部の保存性、特に印字耐光性および印字耐オゾン性が優れるので好ましい。
カチオン性高分子(B)の配合量は、本発明の効果のためには、顔料100質量%に対し、20質量%以下が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
インク受容層には、さらに一般の塗被紙製造において使用される増粘剤、消泡剤、湿潤剤、界面活性剤、着色剤、帯電防止剤、耐光性助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
[接触角]
本発明において、インク受容層は、該インク受容層表面の蒸留水に対する接触0.5秒後の接触角(動的表面接触角)が20〜40°であることが好ましく、25〜35°であることがより好ましい。
接触角がこの範囲内であることにより、染料インクおよび顔料インクのいずれに対しても、画像の発色性が向上する。
インク受容層表面の接触角の調節は、インク受容層を形成する各種成分の種類によってもある程度可能であり、たとえば、上記カチオン性重合体(A)の配合量を多くすることにより、接触角を大きくすることができる。また、界面活性剤を添加する方法、顔料として、上記表面が界面活性剤で処理されたシリカを用い、その配合量を調節する方法等によっても、接触角を調節することができる。
なお、接触角を、インク受容層表面の蒸留水に対する接触0.5秒後の値としたのは、蒸留水をインク受容層へ接触させた後、その接触角が、時間の経過と共に急激に低下して0に近づき、接触角によるインクジェット記録用シートの適性評価が困難になるためである。すなわち、接触角をインク受容層表面の蒸留水に対する接触0.5秒後の値とすることにより、接触角によるインクジェット記録用シートの適性評価を行うことができる。
本発明において、インク受容層は、該インク受容層表面の蒸留水に対する接触0.5秒後の接触角(動的表面接触角)が20〜40°であることが好ましく、25〜35°であることがより好ましい。
接触角がこの範囲内であることにより、染料インクおよび顔料インクのいずれに対しても、画像の発色性が向上する。
インク受容層表面の接触角の調節は、インク受容層を形成する各種成分の種類によってもある程度可能であり、たとえば、上記カチオン性重合体(A)の配合量を多くすることにより、接触角を大きくすることができる。また、界面活性剤を添加する方法、顔料として、上記表面が界面活性剤で処理されたシリカを用い、その配合量を調節する方法等によっても、接触角を調節することができる。
なお、接触角を、インク受容層表面の蒸留水に対する接触0.5秒後の値としたのは、蒸留水をインク受容層へ接触させた後、その接触角が、時間の経過と共に急激に低下して0に近づき、接触角によるインクジェット記録用シートの適性評価が困難になるためである。すなわち、接触角をインク受容層表面の蒸留水に対する接触0.5秒後の値とすることにより、接触角によるインクジェット記録用シートの適性評価を行うことができる。
<インクジェット記録用シートの製造方法>
本発明のインクジェット記録用シートは、上記の顔料、接着剤、カチオン性高分子(A)、および所望により添加される助剤等の任意成分を含むインク受容層塗工液を、支持体上に塗工し、乾燥してインク受容層を形成することにより製造できる。
インク受容層は、支持体の片面に設けてもよく、両面に設けてもよい。両面に設けた場合、インクジェット記録用シートの両面に鮮明な印字を施すことが可能となる。
本発明のインクジェット記録用シートは、上記の顔料、接着剤、カチオン性高分子(A)、および所望により添加される助剤等の任意成分を含むインク受容層塗工液を、支持体上に塗工し、乾燥してインク受容層を形成することにより製造できる。
インク受容層は、支持体の片面に設けてもよく、両面に設けてもよい。両面に設けた場合、インクジェット記録用シートの両面に鮮明な印字を施すことが可能となる。
インク受容層の塗工は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置により行うことができる。
塗工後に、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げ処理を行ってもよい。
塗工後に、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げ処理を行ってもよい。
インク受容層の塗工量は、特に限定されるものではないが、2〜30g/m2とするのが好ましく、5〜20g/m2とするのがより好ましい。
塗工量が上記下限より少ないと、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性が低下しやすく、塗工量が上記上限より多いと、塗膜強度や画像の鮮明性が低下しやすい。
塗工量が上記下限より少ないと、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性が低下しやすく、塗工量が上記上限より多いと、塗膜強度や画像の鮮明性が低下しやすい。
なお、インク受容層は単層であってもよく、複数層積層してもよい。インク受容層が複数層の場合、各層ごとにインク受容層組成が異なっていてもよい。
<印刷物>
上記本発明のインクジェット記録用シートは、プリンター等の印字装置を用い、染料インクあるいは顔料インクで印刷を施し、印刷物とすることができる。
かかる印刷物は、染料インク、顔料インクのいずれを用いた場合でも、印字濃度が高く、良好な発色性を示す。また、染料インク、顔料インクのいずれを用いても、印字部の保存性(特に、耐光性、耐オゾン性)が良好である。また、熱や湿度、光等による黄変が生じにくいなど、印刷が施されていない白色部分の保存性も良好である。
そのため、本発明のインクジェット記録用シートを用いた印刷物は、屋内外での展示が可能であり、広範囲の用途に使用できる。
上記本発明のインクジェット記録用シートは、プリンター等の印字装置を用い、染料インクあるいは顔料インクで印刷を施し、印刷物とすることができる。
かかる印刷物は、染料インク、顔料インクのいずれを用いた場合でも、印字濃度が高く、良好な発色性を示す。また、染料インク、顔料インクのいずれを用いても、印字部の保存性(特に、耐光性、耐オゾン性)が良好である。また、熱や湿度、光等による黄変が生じにくいなど、印刷が施されていない白色部分の保存性も良好である。
そのため、本発明のインクジェット記録用シートを用いた印刷物は、屋内外での展示が可能であり、広範囲の用途に使用できる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。なお、例中の「部」および「%」は、特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部および質量%を示す。
また、各実施例、比較例で用いたカチオン性高分子の吸水率、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面の接触角、印字部の印字濃度、印字耐光性、印字耐オゾン性および印字耐水性、ならびに白紙部の保存性は、以下に示す方法で測定、評価した。
なお、印字部の評価にあたって、インクジェット記録用シートへの印字は、下記市販のインクジェットプリンターA〜Cを用いて行った。
(インクジェットプリンタA)
市販の染料インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、商標:PM−G800、印字モード:フォトマット紙/高精細)で行った。
(インクジェットプリンタB)
市販の顔料インクジェットプロッター(セイコーエプソン社製、商標:PX−9000、インク:マットブラック使用、印字モード:PXMCプレミアムマット紙/きれい)で行った。
(インクジェットプリンタC)
市販のインクジェットプロッター(HP社製、商標:DesignJet5500PS、インク:顔料インク使用、印字モード:最高品質)で行った。
なお、印字部の評価にあたって、インクジェット記録用シートへの印字は、下記市販のインクジェットプリンターA〜Cを用いて行った。
(インクジェットプリンタA)
市販の染料インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、商標:PM−G800、印字モード:フォトマット紙/高精細)で行った。
(インクジェットプリンタB)
市販の顔料インクジェットプロッター(セイコーエプソン社製、商標:PX−9000、インク:マットブラック使用、印字モード:PXMCプレミアムマット紙/きれい)で行った。
(インクジェットプリンタC)
市販のインクジェットプロッター(HP社製、商標:DesignJet5500PS、インク:顔料インク使用、印字モード:最高品質)で行った。
「カチオン性高分子の吸水率(%)」
JIS K 7209に規定するA法により測定した。
JIS K 7209に規定するA法により測定した。
「インク受容層表面の接触角(0.5秒後)」
液量6μlの20℃の蒸留水をインクジェット記録用シートのインク受容層表面に滴下してから0.5秒後の接触角をダイナミックアブソープションテスター(スウェーデン紙パルプ研究所製、商品名:ファイブロ1100DAT)で測定した。
液量6μlの20℃の蒸留水をインクジェット記録用シートのインク受容層表面に滴下してから0.5秒後の接触角をダイナミックアブソープションテスター(スウェーデン紙パルプ研究所製、商品名:ファイブロ1100DAT)で測定した。
「印字濃度」
財団法人日本規格協会発行の画像(「高精細カラーディジタル標準画像XYZ/JIS−SCID」、識別記号:S6、画像名称:カラーチャート)を上記インクジェットプリンタA〜Cの3機種で印字し、ブラックの最高色調部を、GuretagMacbeth社製RD−914にて、印字濃度を測定した。
財団法人日本規格協会発行の画像(「高精細カラーディジタル標準画像XYZ/JIS−SCID」、識別記号:S6、画像名称:カラーチャート)を上記インクジェットプリンタA〜Cの3機種で印字し、ブラックの最高色調部を、GuretagMacbeth社製RD−914にて、印字濃度を測定した。
「画像の鮮明性」
財団法人日本規格協会発行の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、識別記号:N1、画像名称:ポートレート)を上記インクジェットプリンタAで印字し、画像を目視で観察し、画像の鮮明性を次の基準で評価した。
○:鮮明性が良好なもの
△:鮮明性がやや劣るもの
×:鮮明性が悪いもの
財団法人日本規格協会発行の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、識別記号:N1、画像名称:ポートレート)を上記インクジェットプリンタAで印字し、画像を目視で観察し、画像の鮮明性を次の基準で評価した。
○:鮮明性が良好なもの
△:鮮明性がやや劣るもの
×:鮮明性が悪いもの
「印字耐光性」
染料インクタイプの上記インクジェットプリンタAを用い、市販の画像処理ソフトで、マゼンタの吐出量が80%となるよう調節し印字した記録物を、65℃40%RH環境下で照度100kluxのキセノンランプを72時間照射し、印字濃度を測定した。印字部の耐光性を、次式の印字濃度残存率により、次の基準で評価した。
印字濃度残存率(%)=(照射後の印字濃度/照射前の印字濃度)×100
○:残存率が85%以上
△:残存率が70%以上85%未満
×:残存率が70%未満
染料インクタイプの上記インクジェットプリンタAを用い、市販の画像処理ソフトで、マゼンタの吐出量が80%となるよう調節し印字した記録物を、65℃40%RH環境下で照度100kluxのキセノンランプを72時間照射し、印字濃度を測定した。印字部の耐光性を、次式の印字濃度残存率により、次の基準で評価した。
印字濃度残存率(%)=(照射後の印字濃度/照射前の印字濃度)×100
○:残存率が85%以上
△:残存率が70%以上85%未満
×:残存率が70%未満
「印字耐オゾン性」
染料インクタイプの上記インクジェットプリンタAを用い、市販の画像処理ソフトで、マゼンタの吐出量が80%となるよう調節し印字した記録物を、24℃60%RH環境でオゾン濃度2.5ppm雰囲気中に24時間放置し、印字濃度を測定した。印字部の耐オゾン性を、次式の印字濃度残存率により、次の基準で評価した。
印字濃度残存率(%)=(放置後の印字濃度/放置前の印字濃度)×100
○:残存率が85%以上
△:残存率が70%以上85%未満
×:残存率が70%未満
染料インクタイプの上記インクジェットプリンタAを用い、市販の画像処理ソフトで、マゼンタの吐出量が80%となるよう調節し印字した記録物を、24℃60%RH環境でオゾン濃度2.5ppm雰囲気中に24時間放置し、印字濃度を測定した。印字部の耐オゾン性を、次式の印字濃度残存率により、次の基準で評価した。
印字濃度残存率(%)=(放置後の印字濃度/放置前の印字濃度)×100
○:残存率が85%以上
△:残存率が70%以上85%未満
×:残存率が70%未満
[印字耐水性]
染料インクタイプの上記インクジェットプリンタAを用い、市販の画像処理ソフトで、マゼンタの吐出量が80%となるよう調節し印字し、該印字部に水0.2mlを滴下し、放置した。水が浸透し、表面が乾いた状態になった時点での、印字部の状態を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
○:元の画像を維持している。
△:やや画像が乱れているが、実用上問題ないレベルである。
×:画像が乱れ、実用上劣っている。
××:元の画像が判別できず、劣る。
染料インクタイプの上記インクジェットプリンタAを用い、市販の画像処理ソフトで、マゼンタの吐出量が80%となるよう調節し印字し、該印字部に水0.2mlを滴下し、放置した。水が浸透し、表面が乾いた状態になった時点での、印字部の状態を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
○:元の画像を維持している。
△:やや画像が乱れているが、実用上問題ないレベルである。
×:画像が乱れ、実用上劣っている。
××:元の画像が判別できず、劣る。
[白紙部の保存性(熱湿黄変)]
インクジェット記録用シートを、80℃50%環境下で、1週間静置させた。静置前および静置後の、インクジェット記録用シートのインク受容層側の白紙部の黄変の度合いを下記の基準にしたがい、目視で判断した。
○:殆ど黄変していない。
△:黄変している。
×:非常に黄変している。
インクジェット記録用シートを、80℃50%環境下で、1週間静置させた。静置前および静置後の、インクジェット記録用シートのインク受容層側の白紙部の黄変の度合いを下記の基準にしたがい、目視で判断した。
○:殆ど黄変していない。
△:黄変している。
×:非常に黄変している。
[白紙部の保存性(光黄変)]
インクジェット記録用シートを、60℃50%環境下で、キセノンランプ(10万lux)で3日間照射させた。照射前および照射後の、インクジェット記録用シートのインク受容層側の白紙部の黄変の度合いを下記の基準にしたがい目視で判断した。
○:殆ど黄変していない。
△:黄変している。
×:非常に黄変している。
インクジェット記録用シートを、60℃50%環境下で、キセノンランプ(10万lux)で3日間照射させた。照射前および照射後の、インクジェット記録用シートのインク受容層側の白紙部の黄変の度合いを下記の基準にしたがい目視で判断した。
○:殆ど黄変していない。
△:黄変している。
×:非常に黄変している。
実施例1
[紙基材A]
軽質炭酸カルシウム20部を、広葉樹晒クラフトパルプ(ろ水度400mlCSF)100部のスラリー中に添加し、カチオン澱粉1部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.2部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の7%溶液を両面で4g/m2塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて坪量200g/m2の紙基材Aを製造した。
[紙基材A]
軽質炭酸カルシウム20部を、広葉樹晒クラフトパルプ(ろ水度400mlCSF)100部のスラリー中に添加し、カチオン澱粉1部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.2部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の7%溶液を両面で4g/m2塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて坪量200g/m2の紙基材Aを製造した。
[インク受容層塗工液A]
顔料として湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60、二次粒子径6.2μm)100部、接着剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−145)10部、シリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:R−1130、吸水率60%)30部、カチオン性高分子として、ジアリルアミン−アクリルアミド共重合物(モル比10/30)とアクリルアミド/ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート共重合物(モル比40/19/1)とを重合した共重合体(ジアリルアミン/アクリルアミド/ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート=10/70/19/1(モル比)、分子量約30万、吸水率31%)30部を水中で分散し、インク受容層塗工液Aを得た。
顔料として湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60、二次粒子径6.2μm)100部、接着剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−145)10部、シリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:R−1130、吸水率60%)30部、カチオン性高分子として、ジアリルアミン−アクリルアミド共重合物(モル比10/30)とアクリルアミド/ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート共重合物(モル比40/19/1)とを重合した共重合体(ジアリルアミン/アクリルアミド/ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート=10/70/19/1(モル比)、分子量約30万、吸水率31%)30部を水中で分散し、インク受容層塗工液Aを得た。
[インクジェット記録用シートの作製]
紙基材A上に、インク受容層塗工液Aを塗工量が10g/m2となるように塗工、乾燥し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
紙基材A上に、インク受容層塗工液Aを塗工量が10g/m2となるように塗工、乾燥し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
実施例2
[インク受容層塗工液B]
顔料として湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60、二次粒子径6.2μm)100部、接着剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−145)10部、シリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:R−1130、吸水率60%)30部、カチオン性高分子として、ジアリルアミン−アクリルアミド共重合物(モル比20/50)とアクリルアミド/メチルメタクリレート共重合物(モル比15/15)とを重合した共重合体(ジアリルアミン/アクリルアミド/メチルメタクリレート=20/65/15(モル比)、分子量約30万、吸水率28%)30部を水中で分散し、インク受容層塗工液Bを得た。
[インク受容層塗工液B]
顔料として湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60、二次粒子径6.2μm)100部、接着剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−145)10部、シリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:R−1130、吸水率60%)30部、カチオン性高分子として、ジアリルアミン−アクリルアミド共重合物(モル比20/50)とアクリルアミド/メチルメタクリレート共重合物(モル比15/15)とを重合した共重合体(ジアリルアミン/アクリルアミド/メチルメタクリレート=20/65/15(モル比)、分子量約30万、吸水率28%)30部を水中で分散し、インク受容層塗工液Bを得た。
[インクジェット記録用シートの作製]
紙基材A上に、インク受容層塗工液Bを実施例1と同様にして塗工してインクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
紙基材A上に、インク受容層塗工液Bを実施例1と同様にして塗工してインクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
実施例3
[表面処理シリカの作製]
湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60)900gを水に懸濁、スラリー化(約10〜15%)し、このスラリーに、界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、商品名:ノイゲンET−102、第一工業製薬社製、HLB:10.8)100gの水懸濁物を添加し、1時間撹拌混合した。次いで、噴霧乾燥し、粉砕分級して、表面処理シリカAを得た。得られた表面処理シリカの平均二次粒子径は6μmであった。
[表面処理シリカの作製]
湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60)900gを水に懸濁、スラリー化(約10〜15%)し、このスラリーに、界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、商品名:ノイゲンET−102、第一工業製薬社製、HLB:10.8)100gの水懸濁物を添加し、1時間撹拌混合した。次いで、噴霧乾燥し、粉砕分級して、表面処理シリカAを得た。得られた表面処理シリカの平均二次粒子径は6μmであった。
[インク受容層塗工液C]
実施例1のインク受容層A中の顔料を、湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60)80部と、上記で得た表面処理シリカA20部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインク受容層塗工液Cを調製した。
実施例1のインク受容層A中の顔料を、湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60)80部と、上記で得た表面処理シリカA20部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインク受容層塗工液Cを調製した。
[インクジェット記録用シートの作製]
紙基材A上に、インク受容層塗工液Cを塗工量が10g/m2となるように塗工、乾燥し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
紙基材A上に、インク受容層塗工液Cを塗工量が10g/m2となるように塗工、乾燥し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
実施例4
実施例1のインク受容層塗工液A中のカチオン性高分子を、アクリルアミドとブチルメタクリレートとブチルアクリレートとを混合し、水中で重合して得た共重合物(モル比70/25/5、分子量30万、吸水率38%)に変更した以外は実施例1と同様にしてインク受容層塗工液Dを調製し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
実施例1のインク受容層塗工液A中のカチオン性高分子を、アクリルアミドとブチルメタクリレートとブチルアクリレートとを混合し、水中で重合して得た共重合物(モル比70/25/5、分子量30万、吸水率38%)に変更した以外は実施例1と同様にしてインク受容層塗工液Dを調製し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
比較例1
実施例3のインク受容層塗工液C中のカチオン性高分子を、ジアリルアミン/アクリルアミド共重合物(モル比30/70、分子量20万、吸水率は水に溶解したため測定不能)に変更した以外は実施例3と同様にしてインク受容層塗工液Eを調製し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
実施例3のインク受容層塗工液C中のカチオン性高分子を、ジアリルアミン/アクリルアミド共重合物(モル比30/70、分子量20万、吸水率は水に溶解したため測定不能)に変更した以外は実施例3と同様にしてインク受容層塗工液Eを調製し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
比較例2
実施例3のインク受容層塗工液C中のカチオン性高分子を、ジアリルアミン−アクリルアミド共重合物(モル比10/20)とアクリルアミド/メチルメタクリレート共重合物(モル比20/50)とを重合した共重合体(ジアリルアミン/アクリルアミド/メチルメタクリレート=10/40/50(モル比)、分子量30万、吸水率21%)30部に変更した以外は実施例3と同様にしてインク受容層塗工液Fを調製し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
実施例3のインク受容層塗工液C中のカチオン性高分子を、ジアリルアミン−アクリルアミド共重合物(モル比10/20)とアクリルアミド/メチルメタクリレート共重合物(モル比20/50)とを重合した共重合体(ジアリルアミン/アクリルアミド/メチルメタクリレート=10/40/50(モル比)、分子量30万、吸水率21%)30部に変更した以外は実施例3と同様にしてインク受容層塗工液Fを調製し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
比較例3
実施例3のインク受容層塗工液中の接着剤をシリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:R−1130、吸水率60%)20部、アクリル系樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:プライマルP−376、吸水率1.2%)20部、カチオン性高分子をジアリルアミン−アクリルアミド共重合物(住友化学製、商品名:SR−1001、吸水率は水に溶解したため測定不能)30部に変更した以外は実施例3と同様にしてインク受容層塗工液Gを調製し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
実施例3のインク受容層塗工液中の接着剤をシリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:R−1130、吸水率60%)20部、アクリル系樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:プライマルP−376、吸水率1.2%)20部、カチオン性高分子をジアリルアミン−アクリルアミド共重合物(住友化学製、商品名:SR−1001、吸水率は水に溶解したため測定不能)30部に変更した以外は実施例3と同様にしてインク受容層塗工液Gを調製し、インクジェット記録用シートを作製した。なお、得られたインクジェット記録用シートのインク受容層表面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
表1および表2から明らかなように、インク受容層に、JIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率が25〜70%の範囲内であるカチオン性高分子を用いた実施例1〜4のインクジェット記録用シートは、印字濃度が高く、発色性がよく、鮮明な画像であった。また、印字耐光性、印字耐オゾン性、印字耐水性も高く、印字部保存性に優れていた、さらに、白紙部についても、熱湿、光による黄変が生じず、白紙部保存性にも優れていた。
一方、水溶性のカチオン性高分子を用いた比較例1のインクジェット記録用シートは、染料インク、顔料インクいずれについても印字濃度が低く、画像の鮮明性や印字耐光性にも劣っていた。
また、インク受容層に、JIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率が21%のカチオン性高分子を用いた比較例2のインクジェット記録用シートは、印字濃度が低く、また、印字耐水性も悪かった。
また、インク受容層に、水溶性のカチオン性高分子を用い、さらに吸水率が1.2%の疎水性のアクリル樹脂を配合した比較例3のインクジェット記録用シートは、インク受容層表面の接触角が実施例1〜4と同程度であったのにもかかわらず、印字濃度、特に染料インクを用いた場合の印字濃度が低く、また画像の鮮明性が劣っていた。
一方、水溶性のカチオン性高分子を用いた比較例1のインクジェット記録用シートは、染料インク、顔料インクいずれについても印字濃度が低く、画像の鮮明性や印字耐光性にも劣っていた。
また、インク受容層に、JIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率が21%のカチオン性高分子を用いた比較例2のインクジェット記録用シートは、印字濃度が低く、また、印字耐水性も悪かった。
また、インク受容層に、水溶性のカチオン性高分子を用い、さらに吸水率が1.2%の疎水性のアクリル樹脂を配合した比較例3のインクジェット記録用シートは、インク受容層表面の接触角が実施例1〜4と同程度であったのにもかかわらず、印字濃度、特に染料インクを用いた場合の印字濃度が低く、また画像の鮮明性が劣っていた。
Claims (5)
- 支持体上に、顔料および接着剤を含有するインク受容層を有するインクジェット用記録シートにおいて、
前記インク受容層が、JIS K 7209に規定するA法により測定される吸水率が25〜70%の範囲内であるカチオン性高分子(A)を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。 - 前記カチオン性高分子(A)が、アルキル(メタ)アクリレートをモノマーとする構成単位を含む請求項1に記載のインクジェット記録用シート。
- 前記カチオン性高分子(A)が、ジアリルアミンをモノマーとする構成単位を含む請求項1または2に記載のインクジェット記録用シート。
- 前記カチオン性高分子(A)が、アクリルアミドをモノマーとする構成単位を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用シート。
- 前記カチオン性高分子(A)の分子量が、10万〜50万である請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Applications Claiming Priority (2)
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JP2004189294 | 2004-06-28 | ||
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---|---|---|---|---|
JP2007291306A (ja) * | 2006-04-24 | 2007-11-08 | Senka Kk | インクジェット記録紙用添加剤 |
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-
2005
- 2005-06-27 JP JP2005186525A patent/JP2006044235A/ja not_active Withdrawn
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