JP2005271486A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】染料インクおよび顔料インクのいずれに対しても発色性にも優れ、塗膜強度を有し、白地部の保存性に優れたインクジェット記録用紙を提供する。
【解決手段】紙基材上に、少なくとも顔料および接着剤を含有するインク受理層を設けたインクジェット記録用紙において、前記紙基材のステキヒトサイズ度が110秒以上であり、該インク受理層がカチオン性インク定着剤と水溶性金属塩を含有することを特徴とするインクジェット記録用紙である。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙基材を用いたインクジェット記録用紙およびこれを用いた印刷物に関する。詳しくは、染料インクおよび顔料インクともに優れたインクジェット記録適性(発色性)を有し、塗膜の表面強度、白紙部の保存性に優れたインクジェット記録用紙に関する。更に、古紙再生パルプを配合した紙基材を用いても上記性能を損なわないインクジェット記録用紙に関する。
水性インクを微細なノズルから記録体表面に向かって噴出し、記録体表面上に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音の少ないこと、フルカラー画像の形成が容易であること、高速記録が可能であること、および、他の印刷装置よりも記録コストが低いことなどの理由により、プリンター、ファクシミリ、プロッタ、帳票印刷等で広く利用されている。
この水性インクは染料を用いた染料インクと顔料を用いた顔料インクとに分類され、鮮明性の点から主に染料インクが使用されている。しかし、近年は屋外展示用の大判のポスターなどにも使用されるようになってきたため、染料インクでは長期に展示すると紫外線、オゾン等により酸化され、画像が退色し見栄えが悪化して、充分な印字部の保存性が得られないという欠点が指摘されるようになってきている。一方、顔料インクは印字部の耐光性、印字部の耐オゾン性、印字部の耐水性に優れるという特徴を有する代わりに、染料インクの染料の大きさに比べ、顔料インクの顔料粒子は非常に大きいために、従来の染料インク用のインクジェット記録用シートでは、鮮明な印字画像が得られないという問題があった。そこで、染料インク用のインクジェット記録用シート、顔料インク用のインクジェット記録用シートのそれぞれが開発されているが、染料インクにも顔料インクにも良好な発色性を有するインクジェット記録用シートへの要望が高かった。また顔料インクによる印字部の保存性改良に伴い、印字表面の塗膜強度、白地部の保存性も重要とされるようになってきた。印刷物は印字部と白地部から構成される為、上述した発色性を満たした上で、優れた白紙部の保存性を有するインクジェット記録用紙が必要とされている。
染料インクで印字して優れた耐水性や印字濃度を示すインクジェット記録用シートとして、塗工液中に水溶性金属塩あるいは金属酸化物を含有させる方法(例えば、特許文献1乃至9参照。)等が提案されているが、顔料インクで印字した際の発色性が不十分であったり、染料インクで印字した際の発色性や印字保存性(耐水、耐光、耐オゾン)に劣るものであり、染料インク、顔料インクのどちらで印字しても、共に優れた記録適性を有するインクジェット記録用シートは得られていない状況である。
また、染料インク、顔料インクのいずれで印刷しても、優れた発色性を示すインクジェット記録用紙として、塗工液中に水溶性金属塩と気相法シリカを含有させる方法(例えば特許文献10参照)、インク受理層を2層以上設ける方法(例えば特許文献11〜13)などが提案されているが、その発色性、染料インク印字部の保存性は充分満足するとはいえず、また塗膜強度および白紙部の保存性についての改善はなされていない状況である。
一方、基材のステキヒトサイズ度を規定し、インクの吸収ムラをなくすことによって発色性を向上させる提案もなされているが、塗膜強度、白紙部の保存性まで改善はなされていない。
特公昭63−11158号公報 特開昭58−94491号公報 特開昭60−67190号公報 特開昭61−74880号公報 特開平7−149037号公報 特開平9−99630号公報 特開平9−267546号公報 特開平4−201594号公報 特開平7−32725号公報 特開2002−274022号公報 特開2000−168228号公報 特開2002−347330号公報 特開平10−278411号公報
上記特許文献に記載されたインクジェット記録用紙は、いずれも染料インクの発色性と保存性、顔料インクの発色性を同時に満足するとはいえず、染料インク、顔料インクのいずれを用いても優れた発色性を持ち、更に、塗膜強度を有し、白地部の保存性を満足するインクジェット記録用紙は得られていない状況である。もちろん古紙再生パルプを配合した基材を用いる場合でも同様の状況である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、染料インクおよび顔料インクのいずれに対しても発色性にも優れ、塗膜強度を有し、白地部の保存性に優れたインクジェット記録用紙を提供するものである。特に、古紙再生パルプを用いた紙基材を用いた場合でも、良好な白地部の保存性を維持するインクジェット記録用紙を提供するものである。とりわけ、塗工量の少ない60度鏡面光沢度が15%以下というマットタイプのインクジェット記録用紙において、上記品質を満足する記録用紙を提供するものである。
すなわち本発明は、
(1)紙基材上に、少なくとも顔料および接着剤を含有するインク受理層を設けたインクジェット記録用紙において、前記紙基材のステキヒトサイズ度が110秒以上であり、該インク受理層がカチオン性インク定着剤と水溶性金属塩を含有することを特徴とするインクジェット記録用紙である。好ましいステキヒドサイズ度は、200秒以上380秒以下である。
(2)水溶性金属塩が2価以上の水溶性金属塩であることを特徴とする(1)に記載のインクジェット記録用用紙である。
(3)水溶性金属塩が、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウムから選ばれる少なくとも一種である(1)1又は(2)記載のインクジェット記録用紙である。
(4)カチオン性インク定着剤が、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物とジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物とを併用することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一に記載のインクジェット記録用紙である。
(5)インク受理層の顔料が平均二次粒子径11μm以下のシリカであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに一に記載のインクジェット記録用シートである。
(6)インク受理層中のシリカが、シリカの少なくとも一部に表面を界面活性剤で処理した顔料表面シリカである(1)〜(5)のいずれかに一に記載のインクジェット記録用シートである。
(7)紙基材が、紙基材を構成するパルプ分の内、古紙再生パルプを10%以上含む(1)〜(6)いずれか一に記載のインクジェット記録用紙である。
(8)前記インクジェット記録用紙の表面のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度が、15%以下である(1)〜(7)のいずれか一に記載のインクジェット記録用シート。
(9)(1)〜(8)のいずれか一に記載のインクジェット記録用紙に染料インクで印刷した印刷物である。
(10)(1)〜(8)のいずれか一に記載のインクジェット記録用紙に顔料インクで印刷した印刷物である。
本発明は、顔料インク、染料インクともにインクジェット記録適性(発色性)に優れ、高精細の画像を鮮明に印字でき、塗膜の表面強度が強く、白地部の保存性に優れ、更に限りある資源を有効に利用するため古紙を利用した、特に塗工量の少ないマットタイプのインクジェット記録用紙を提供することができる。
本発明は、紙基材上に、少なくとも顔料および接着剤を含有するインク受理層を設けたインクジェット記録用紙において、前記紙基材のステキヒトサイズ度が110秒以上であり、該インクジェット受理層がカチオン性インク定着剤と水溶性金属塩を含有する事を特徴とするインクジェット記録用紙である。なお、本発明において、支持体の両面に同様のインク受理層を設けても構わない。この場合、両面に鮮明な印字を施すことが可能なインクジェット記録用シートとなる。また、インク受理層は、複数の層から構成されていてもよい。
紙基材の主成分として用いられるパルプとしては、LBKPやNLBKP等の化学パルプ、GP、TMPなどの機械パルプ、および古紙再生パルプが挙げられる。これらを2種混合しても良い。この中で、LBKPをパルプ分の主成分として配合する事が好ましい。また、ECFパルプ、TCFパルプ等の塩素フリーパルプを用いることが好ましい。叩解度は特に限定しないが、フリーネスが300〜500ml程度(CSF:JIS−P−8121)となるように叩解する事が好ましい。叩解度を進めると印字した際のコックリングが悪化する傾向にあるが、染色ムラも生じ易い傾向にあり、叩解度が少ないと平滑性が得られない傾向にある。
本発明は、通常、インクジェット記録用紙用のパルプとしては使用を敬遠されている古紙再生パルプや機械パルプを紙基材に配合しても、白紙部の保存性が殆ど損なわれることがなく、表面強度が高く且つ記録適性の優れたインクジェット記録用紙を得ることができる。古紙再生パルプの原料である古紙は、例えば、新聞古紙、雑誌古紙、板紙古紙、包装紙古紙、段ボール古紙、印刷古紙などが例示でき、さらに紙製造中に発生する上質紙、コート紙などの損紙が含まれていてもよい。古紙再生パルプは、一般には古紙、および損紙を低濃度パルパーまたは高濃度パルパーによる離解工程、スクリーンまたはクリーナーによる粗選工程と精選工程、浮選法または水洗法による脱墨工程、塩素漂白、二酸化塩素漂白、次亜塩素酸ソーダ漂白、酸素漂白などによる漂白工程などを適宜、組み合せることにより得られる。
紙基材中には、上記パルプのほかに、填料を配合しても良い。填料は紙基材の透気性を調節し、不透明性を付与したり、インク吸収性を調整する目的で配合する。填料としては、例えばクレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、酸化チタン等が適宜使用できる。中でも炭酸カルシウムは、白色度が高い紙基材となるので、好ましい。
填料は、上記全パルプ100部に対し1〜35部有する事が好ましい。填料が少ないと白色度が低下するばかりか、インクの吸収性が低下する傾向にあり、多すぎると紙腰(剛度)の低下、紙力が低下する傾向にあり、また炭酸カルシウムの過剰の配合はインクジェット記録用紙表面の黄変の発生原因となる。
本発明で使用する紙基材は、ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、石油樹脂系サイズ剤などの内添サイズ剤、ロジン系、石油樹脂系、酸化澱粉、アセチル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉等の澱粉およびその誘導体、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、スチレン、アルキド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、マレイン酸、酢酸ビニル等の二つ以上の共重合体からなる合成樹脂系およびこれらの合成樹脂エマルジョン系、ワックス系等の表面サイズ剤などを使用することによってステキヒトサイズ度を調整する。
ここで紙基材のステキヒトサイズ度はJIS P 8122に準じて測定したものであり、110秒以上、好ましくは200秒以上380秒以下、更に好ましくは240秒以上360秒以下である。このステキヒトサイズ度が110秒未満であると、インク受理層の塗料中の成分が基材中に浸透する、或いは塗料中のバインダー成分が基材中に浸透することにより塗膜の表面強度が弱くなるためか、本発明のインク受理層を形成しても、染料インク、顔料インクともに発色性が向上する、さらに白地部の保存性も向上するという効果を得ることができない。なお、380秒を超えると塗料が塗工の際にはじきやすい傾向にある。
抄紙方法としては、特に限定するものではなく、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー型抄紙機など公知の抄紙機を用いて製造することができる。抄紙原料のpHにより酸性紙と中性紙に分けられ、いずれも使用できる。インク受容層の保存性を考えた場合、紙基材として酸性紙を用いると、インク受容層中のカチオン性インク定着剤の酸化による黄変を抑制できる。一方、原紙自体の保存性を考えた場合、紙基材として酸性紙を用いると、酸性紙中の硫酸バンドから生ずる硫酸イオンによって変色・劣化しやすいという問題がある。この場合、紙基材として中性紙を用い、後で説明する下塗り層を形成すると、その隠蔽効果により、インク受容層中のカチオン性インク定着剤の酸化による黄変を抑制でき、且つ、原紙自身の長期保存性も優れたインクジェット記録用紙を得ることが可能となる。
なお、サイズプレス等により、デンプン、ポリビニルアルコールあるいはカチオン樹脂等を表面に塗工・含浸させ、表面の平滑度の調節、強度の改善、印刷、筆記適性を向上させることも可能である。更に、紙基材の平滑性を高める為に、カレンダーなどで平滑化処理することも可能である。なお、紙基材の坪量は、特に限定されないが、20〜400g/m程度である。
(下塗り層)
本発明は、紙基材の上にインク受理層を直接形成してもよいが、基材上に顔料や接着剤を含有する下塗り層を形成し、下塗り層上にインク受理層を形成してもよい。
下塗り層中の顔料は、カオリン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形シリカともいう)、合成非晶質シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙製造分野で公知公用の各種顔料を1種もしくはそれ以上、併用することができる。これらの中でも、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の白色顔料の使用が白色度の高いインクジェット記録用紙となるので好ましい。
下塗り層の接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、等一般に塗工紙用として用いられている従来公知の接着剤が単独、あるいは併用して用いられる。
顔料と接着剤の配合割合は、その種類にもよるが、一般に顔料100質量部に対し接着剤1〜100質量部、好ましくは2〜50質量部の範囲で調節される。その他、一般塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。下塗り層中には、蛍光染料、着色剤、白色顔料等を添加することもできる。
下塗り層を形成する方法としては、上記成分を含む塗液を公知の塗工方法により塗布するとよい。例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、スライドビード、スライドホッパー、およびスロットダイなどのダイコーター等、各種公知の塗工装置により塗工するとよい。また、下塗り層は、抄紙機と同一工程に設けられた塗工装置、いわゆるオンマシンを用いて、紙基材の抄紙直後に塗工してもかまわない。
(インク受理層)
インク受理層は、顔料、接着剤、カチオン性インク定着剤および水溶性金属塩を少なくとも含有する。
顔料としては、従来からインクジェット記録用シートの塗工層、インク受理層に用いられている顔料であれば特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、擬ベーマイト、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料;アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の樹脂からなる有機顔料が挙げられ、これらの顔料は真球状でも不定形でもよく、無孔質でも多孔質でもよい。これらの顔料は1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
これらの顔料の中では、発色性、インク吸収性に優れることから、シリカ、アルミナ、擬べーマイト、軽質炭酸カルシウム、ゼオライトが好ましく選択され、なかでもシリカ、アルミナ、擬べーマイトが好ましく、シリカが最も好ましい。
シリカとしては非晶質シリカが好ましい。シリカの製法は特に限定されるものではなく、電弧法、乾式法、湿式法(沈殿法、ゲル法)のいずれの方法で製造されたものでもよいが、湿式法シリカが、顔料インク用インクジェット記録用シート、染料インク用インクジェット記録用シートのいずれにも適しているので好ましい。
本発明は、シリカの二次粒子の平均粒子径が11μm以下のものを用いるが、2〜10
μmがより好ましい。シリカの二次粒子の平均粒子径が11μmを超えると、染料インク用インクジェット記録用紙、顔料インクジェット記録用紙ともに画像の鮮明性の低下や、表面の粗さが目立ち、印字ムラが生じやすいといった問題を生じる。平均粒子径が2μm未満であると、これを染料インク用インクジェット記録用紙に用いた場合、染料インクの吸収性が低下する傾向にある。また、更に細かくなると、インク受理層の光透過性がより高くなるので、染料インクによる記録の耐光性が低下したり、塗膜強度が低下する傾向にある。また、顔料インク用インクジェット記録用シートで記録した場合でも、顔料インクの定着性が低下する傾向にある。一方、湿式シリカの2次粒子の平均粒子径が12μmを超えると、染料インク用インクジェット記録用シート、顔料インク用インクジェット記録用シート共に、画像の鮮明性の低下や、表面の粗さが目立ち、印字ムラが生じやすいといった問題を生じやすくなる。
なお、本発明において、シリカの平均粒子径とは、コールカウンタ法によるもので、シリカを蒸留水中にて30秒間超音波分散したものを試料として測定される体積平均粒子径を表すものである。
インク受理層に用いる顔料として、その少なくとも一部に表面を界面活性剤で処理した顔料を用いることが好ましい。すなわち顔料の全てが表面を界面活性剤で処理した顔料でもよく、表面を界面活性剤で処理した顔料と、処理していない顔料の双方を用いてもよい。処理していない顔料は先に説明した発明で用いられる顔料と同様のものが用いられているので説明を省略する。
表面を界面活性剤で処理される顔料としては、先に説明した発明で用いられる顔料と同様のものが用いられ、同様に、シリカ、アルミナ、擬べーマイト、軽質炭酸カルシウム、ゼオライトが好ましく選択され、なかでもシリカ、アルミナ、擬べーマイトが好ましく、シリカが最も好ましい。
顔料の表面を処理する界面活性剤は、先に説明した発明で用いられる界面活性剤と同様、特に限定されるものではないが、非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等を挙げることができる。これらの中でも、HLB値が8.0〜15.0のものが好ましく、10.0〜12.0のものがより好ましい。
シリカ表面の界面活性剤処理法は、例えば特開平9−25440号公報に記載された方法を採用することができる。すなわち、顔料、例えば湿式法シリカと界面活性剤、例えば多鎖型非イオン性界面活性剤とを高速流動ミキサー等の混合機で混合する乾式混合法を採用することができる。この場合、界面活性剤を直接顔料に添加混合してもよく、界面活性剤をエタノール等の揮発性溶媒で希釈したものを添加混合してもよい。
また、シリカ、例えば湿式法シリカの乳化スラリー液に所定量の界面活性剤、例えば非イオン性界面活性剤を添加混合しておき、続いて噴霧乾燥等を行う湿式処理法を採用することもできる。湿式処理法の場合、界面活性剤が水に難溶性の場合、これをあらかじめ強力に分散させてエマルジョンとし、このエマルジョンを顔料の乳化スラリー液に添加して充分に攪拌混合した後に乾燥処理することが好ましい。
シリカに対する界面活性剤添加量は、顔料100部あたり0.1〜30部であることが好ましく、0.5〜20部であることがより好ましい。好ましくはこのような範囲で界面活性剤を被覆したシリカを配合すると、発色性が向上し、鮮明な画像を得ることができる。
このインク受理層に用いられる接着剤としては、特に限定されるものではなく、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類;ポリビニルアルコール及びその誘導体;カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体;スチレン−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系樹脂;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合体または共重合体であるアクリル系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂等、一般にインクジェット記録用として用いられている従来公知の接着剤が挙げられる。これらは1種のみを使用してもよく、2種以上の接着剤を併用してもよい。
これら接着剤のなかでも、ポリビニルアルコールは、顔料との接着性が良好であるので好ましい。シラノール変性ポリビニルアルコールやカチオン化ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体も適宜使用できる。
本発明では、インク受理層に、インクを定着させる目的のため、カチオン性インク定着剤と水溶性金属塩とを配合する。水溶性金属塩の中でも、特に2価以上の水溶性金属塩が好ましい。2価以上の水溶性金属塩とは、水などに溶解して電離した際、2価以上の陽金属イオンを生じるものをいう。金属塩としては、水溶性の2価以上の金属塩であれば適宜用いることができるが、2価の金属塩が好ましく、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどの亜鉛あるいはマグネシウムの金属塩が特に好ましい。
水溶性金属塩として2価の金属イオンの作用効果を害さない範囲で、公知の他の水溶性金属塩を併用できる。公知の水溶性金属塩として、
1)アルミニウムの水溶性塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩など)、
2)ナトリウムの水溶性塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩など)、
3)カリウムの水溶性塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩など)、
などの一般市販のが挙げられる。
水溶性金属塩の配合量は、顔料100質量部に対して0.5〜30質量部が好ましく、より好ましくは1〜20質量部の範囲で調節される。水溶性金属塩が0.5質量部未満であると、画像の発色性が起こりやすくなり、30質量部を超えると、インク吸収性の低下、印字ムラ、画像の鮮明性の低下、印字耐水性の悪化が起こりやすくなる。
一方、インク受理層に用いられるカチオン性インク定着剤としては、特に限定されるものではなく、
1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミ
ン類またはその誘導体、2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、4)ジシアンジアミド−ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、6)ジメチルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO共重合物、8)ジアリルアミン塩−SO共重合物、9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、10)アリルアミン塩の重合物、11)ビニルベンジルトリアリルアンモニウム塩の単独重合体又は共重合体、12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、13)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、14)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウムなどのアルミニウム塩等の一般市販されているものが挙げられ、単独あるいは数種類併用して用いられる。
これらの中で、カチオン性インク定着剤として、アクリルアミド−ジアリルアミン共重
合物と、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物を併用することが好ましい。ア
クリルアミド−ジアリルアミン共重合物と、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重
合物を併用することにより、顔料インクで記録した際の発色性、染料インクで記録した際
の発色性および印字部の保存性が優れるので好ましい。これらのインク定着剤を使用することにより、染料インクで印字した際の印字耐光性および印字耐ガス性(主にオゾンガス)が向上する。
カチオン性インク定着剤の配合量は、顔料100質量部に対して5〜60質量部が好ま
しく、より好ましくは20〜50質量部の範囲で調節される。インク定着剤が5質量部未
満であると、画像の発色性の低下や、印字部の保存性の低下が起こりやすくなり、60質
量部を超えると、インク吸収性の低下、印字ムラ、画像の鮮明性の低下が起こりやすくな
る。
本発明は、上記の水溶性金属塩のうち少なくとも1種と、カチオン性化合物とを併用し、ステキヒトサイズ度が110秒以上の紙基材に塗布して使うことにより、理由は定かでないが、染料インク、顔料インクともに発色性が向上し、特に、顔料インクで印字した際、非常に鮮明な画像を得ることができ、さらに白地部の保存性も向上する効果を有する。
インク受理層には、さらに一般の塗被紙製造において使用される増粘剤、消泡剤、湿潤剤、界面活性剤、着色剤、帯電防止剤、耐光性助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
インク受理層の塗工量は特に限定されるものではないが、2〜30g/mとするのが好ましく、5〜20g/mとするのがより好ましい。塗工量が上記下限より少ないと、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性が低下しやすく、塗工量が上記上限より多いと、塗膜強度や画像の鮮明性が低下しやすい。なお、インク受理層は複数層積層してもよく、その場合、層間でインク受理層組成が異なっていてもよい。
このインク受理層は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置で形成することができる。塗工後に、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げ処理を行ってもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。
<実施例1>
[紙基材A]
軽質炭酸カルシウム20部を、広葉樹晒クラフトパルプ(ろ水度400mlCSF)100部のスラリー中に添加し、カチオン澱粉(王子コーンスターチ社製 商品名:エースK)1部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤(ナショナルスターチアンドケミカル社製 商品名:ファイブラン81K)0.2部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉(王子コーンスターチ社製 商品名:エースA)100部とスチレン系の表面サイズ剤(荒川化学社製 商品名:ポリマロン360)3部からなるサイズプレス7%溶液を両面で4g/m塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪200g/mの紙基材Aを製造した。紙基材Aのステキヒトサイズ度は260秒であった。
(インク受理層塗工液A)
顔料として湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60、二次粒子径6.2μm)100部と、接着剤としてシリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:R−1130)30部、インク定着剤としてアクリルアミド−ジアリルアミン共重合物(住友化学社製、商品名:SR1001)15部、およびジシアンジアミドーポリエチレンアミン共重合物(日華化学社製、商品名:ネオフィックスIJ−117)15部、塩化亜鉛水溶液(和光純薬社製:塩化亜鉛を水に溶かして5%として使用、分子量136.30)5部および水を混合分散してインク受理層塗工液Aを得た。
(インクジェット記録体の作製)
紙基材A上に、インク受理層塗工液Aを塗工量が10g/mとなるように塗工、乾燥し、インクジェット記録体を作製した。なお、得られたインクジェット記録体のインク受理層面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
<実施例2>
実施例1のインク受理層塗工液中の塩化亜鉛水溶液を、硫酸亜鉛水溶液(和光純薬工業社製:硫酸亜鉛7水和物をを水に溶かして5%として使用、分子量287.56)10部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
<実施例3>
実施例1のインク受理層塗工液中の塩化亜鉛水溶液を、塩化マグネシウム水溶液(和光純薬工業社製:塩化マグネシウム6水和物をを水に溶かして5%として使用、分子量203.30)20部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
<実施例4>
(紙基材B)
軽質炭酸カルシウム20部を、広葉樹晒クラフトパルプ(ろ水度400mlCSF)70部および新聞古紙を脱墨処理したパルプ(ろ水度250mlCSF)30部の混合スラリー中に添加し、カチオン澱粉(王子コーンスターチ社製 商品名:エースK)1部、無水アルケニルコハク酸系サイズ剤(ナショナルスターチアンドケミカル社製 商品名:ファイブラン81K)0.2部添加し、充分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉(王子コーンスターチ社製 商品名:エースA)100部とスチレン系の表面サイズ剤(荒川化学社製 商品名:ポリマロン360)3部からなるサイズプレス7%溶液を両面で4g/m塗布し、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪200g/mの紙基材Bを製造した。紙基材Bのステキヒトサイズ度は280秒であった。
(インクジェット記録体の作製)
紙基材Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録体を作製した。なお得られたインクジェット記録体のインク受理層面白紙部のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度は3%であった。
実施例5
(表面処理シリカAの作製)
湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60)900gを水に懸濁、スラリー化(約10〜15%)し、このスラリーに界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、商品名:ノイゲンET−102、第一工業製薬社製、HLB:10.8)100gの水懸濁物を添加し、1時間撹拌混合した。次いで、噴霧乾燥し、粉砕分級して、本発明の表面処理シリカAを得た。得られた表面処理シリカAの平均二次粒子径は6μmであった。
(インク受理層塗工液B)
顔料として湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60、二次粒子径6.2μm)80部と上記で得た表面処理シリカA20部、接着剤としてシリル変性PVA(クラレ社製、商品名:R−1130)20部およびエチレン−酢酸ビニル系共重合体(昭和高分子社製、商品名:ポリゾールAM−3000、エマルジョン型接着剤)20部、インク定着剤としてアクリルアミド−ジアリルアミン共重合物(住友化学社製、商品名:SR1001)15部、およびジシアンジアミドーポリエチレンアミン共重合物(日華化学社製、商品名:ネオフィックスIJ−117)15部、塩化亜鉛水溶液(和光純薬工業社製:塩化亜鉛を水に溶かして5%として使用、分子量136.30)5部、および水を混合分散して塗工液を調製した。
[インクジェット記録用シートの作製]
坪量170g/mの上質紙(ステキヒトサイズ度260秒)の片面に、インク受理層塗工液を塗工量が10g/mとなるように塗工、乾燥し、インクジェット記録用シートを作製した。
得られたインクジェット記録用シートにつき、上記各評価を行った。その結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1の紙基材において、サイズプレス処理を行わない紙基材(ステキヒトサイズ度20秒)を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
<比較例2>
実施例1のインク受理層塗工液中の塩化亜鉛水溶液を除いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
<比較例3>
実施例1のインク受理層塗工液中の塩化亜鉛水溶液を、硫酸アルミニウム(和光純薬工業社製:硫酸アルミニウム水和物をを水に溶かして5%として使用、分子量594.35)30部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
<比較例4>
実施例1のインク受理層塗工液中の塩化亜鉛水溶液を、塩化ナトリウム(和光純薬工業社製:塩化ナトリウムをを水に溶かして5%として使用、分子量58.44)5部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
<実施例6>
実施例1のインク受理層塗工液中のインク定着剤を、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(センカ社製、商品名:ユニセンスCP101)30部、塩化亜鉛水溶液(和光純薬工業社製:塩化亜鉛を水に溶かして5%として使用、分子量136.30)5部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
各実施例、比較例で得られたインクジェット記録用シートの印字濃度、印字耐光性、印字耐オゾン性、耐熱湿白紙黄変、耐光白紙黄変、および塗膜強度を、以下に示す方法で評価した。
なお、評価にあたって、インクジェット記録用シートへの印字は、
プリンタA:市販の染料インクジェットプリンター(EPSON社製、商標:PM−G8
00、印字モード:フォトマット紙/高精細)、
プリンタB:市販の顔料インクジェットプロッター(EPSON社製、商標:PX−90
00、インク:マットブラック使用、印字モード:PXMCプレミアムマッ
ト紙/きれい)、
プリンタC:市販のインクジェットプロッター(ヒューレット・パッカード社製、商標:
DesignJet5500PS、インク:顔料インク使用、印字モード:
最高品質)、
で行った。
[印字濃度]
財団法人日本規格協会発行の画像(「高精細カラーディジタル標準画像XYZ/JIS−SCID」、識別記号:S6、画像名称:カラーチャート)をプリンタA(染料インク用プリンタ)、プリンタB(顔料インク用プロッター)、およびプリンタC(プロッター/顔料インク使用)の3機種で印字し、ブラックの最高色調部を、GuretagMacbeth社製RD−914にて、印字濃度を測定した。
[印字耐光性]
プリンタAを用い、市販の画像処理ソフトで、マゼンタの吐出量が80%となるよう調節し印字した記録物を、65℃40%RH環境下で照度100kluxのキセノンランプを72時間照射し、印字濃度を測定した。印字部の耐光性を、次式の印字濃度残存率により評価した。
印字濃度残存率(%)=(照射後の印字濃度/照射前の印字濃度)×100
[印字耐オゾン性]
プリンタAを用い、市販の画像処理ソフトで、マゼンタの吐出量が80%となるよう調節し印字した記録物を、24℃60%RH環境でオゾン濃度2.5ppm雰囲気中に24時間放置し、印字濃度を測定した。印字部の耐オゾン性を、次式の印字濃度残存率により評価した。
印字濃度残存率(%)=(放置後の印字濃度/放置前の印字濃度)×100
[白紙部の保存性(熱黄変)]
インクジェット記録用紙を、80℃50%環境下で、1週間静置させた。静置前および静置後の、インク受理層側の白紙部の黄変の度合いを下記の基準にしたがい、目視で判断した。
○:殆ど黄変していない。
△:黄変している。
×:非常に黄変している。
[白紙部の保存性(光黄変)]
インクジェット記録用紙を、60℃50%環境下で、キセノンランプ(10万lux)で3日間照射させた。照射前および照射後の、インク受理層側の白紙部の黄変の度合いを下記の基準にしたがい目視で判断した。
○:殆ど黄変していない。
△:黄変している。
×:非常に黄変している。
[塗膜強度]
インク受理層の表面にセロテープを貼り付け、セロテープに1kgの重りを5秒間置いた後、重りをとり、セロテープを剥がし、その様子を観察し、評価した。
○:セロテープに付着物がややみられるが、塗工層表面に変化は見られない。
△:セロテープに付着物がみられ、塗工層表面に剥がれがやや目立つ。
×:セロテープに付着物が多く見られ、塗工層表面に剥がれが目立つ。
Figure 2005271486
本発明のインクジェット記録用紙は、染料インクを用いたインクジェット記録の発色性と保存性、顔料インクを用いたインクジェット記録の発色性をともに満足するものであり、染料インク、顔料インクのいずれを用いても優れた発色性を持ち、染料インク印字部の保存性、塗膜強度を有し、更に白地部の保存性を満足するインクジェット記録用紙である。

Claims (10)

  1. 紙基材上に、少なくとも顔料および接着剤を含有するインク受理層を設けたインクジェット記録用紙において、前記紙基材のステキヒトサイズ度が110秒以上であり、該インク受理層がカチオン性インク定着剤と水溶性金属塩を含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 水溶性金属塩が2価以上の水溶性金属塩である請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 水溶性金属塩が、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウムから選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2記載のインクジェット記録用紙。
  4. カチオン性インク定着剤が、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物とジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物とを併用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 前記インク受理層の顔料が平均二次粒子径11μm以下のシリカであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙。
  6. インク受理層中のシリカが、シリカの少なくとも一部に、表面を界面活性剤で処理した顔料表面処理シリカである請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙。
  7. 紙基材が、紙基材を構成するパルプ分の内、古紙再生パルプを10%以上含む請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙。
  8. 前記インクジェット記録用紙の表面のJIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢度が、15%以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙に染料インクで印刷した印刷物。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙に顔料インクで印刷した印刷物。

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JP2015182403A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 三菱製紙株式会社 インクジェット記録用紙

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