JP2008137369A - インクジェット記録メディア、記録方法及び記録装置 - Google Patents

インクジェット記録メディア、記録方法及び記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明で示されたインクジェット記録メディアとインクジェット顔料インクを組み合わせることにより、フルカラー印字が可能で、安価で、印字品位が良好であって、濃度、光沢、画像信頼性に優れ、スミア性(耐スミア性)にも優れる商業印刷物に近い質感の印字物が得られる理想的なインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の塗工層を塗布してなり、パーカープリントサーフによる透気度が0.1ml/min以上30ml/min以下であるメディアに対し、粒子状の色材を含有するインクを用いて印字することを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット方式によりオフセット印刷等の商業用印刷に近い高画質画像を記録することができる記録用メディア、インク−メディアセット、これを用いたインクジェット記録方法及び記録装置、並びにインク記録物に関する。

インクジェット記録は、被記録材(メディア)を比較的選ばない優れた記録方法として知られており、記録装置、記録方法、記録材料などについて研究開発が盛んに行なわれてきている。
近年、プリンタの普及と高精細・高速化に伴い、銀円写真に近い画質が手軽に得られるようになってきた。これは、プリンタの進化のみならず、インクやメディアが高画質化を達成するため、様々な改良が加えられてきたことが大きい。特にメディアの進化は目覚しいものがあり、インクの吸収速度・吸収量を上げつつ光沢を発現できるよう開発された現在のメディアは、光沢感や品位感において従来の商業印刷を凌ぐほどの発達を遂げている。これらインクジェット用メディアは、大きく膨潤型と空隙型に分類できるが、最近はインクの乾燥速度に優れる空隙型が主流である。

この空隙型メディアは、特許文献1(特開2005−212327号公報)や特許文献2(特開平11−078225号公報)に開示されるように、基体上にインクを取り込むための空隙を有するインク吸収層を設け、さらに必要に応じて多孔質の光沢層を設けたものが主流である。これは、シリカやアルミナ水和物を分散した塗布液を基体上に一層、もしくは複数層塗布し、必要に応じてコロイダルシリカを多く含む光沢層を塗布することにより得られる。この特徴的な構成によりインクの吸収性に大変優れ、高精細な出力が得られるため、コンシューマ向けの写真出力用途等に好んで用いられている。反面このタイプのメディアは原材料が非常に高価で、かつ製造工程も複雑であることから、一般の商業・出版印刷向けのコート紙と比較すると非常に高価である。ゆえに画像が高品質であるにも関わらず、コストに厳しいチラシ、カタログ、パンフレット等、安価で大量な出力が要求される商業印刷分野ではあまり使用されていない。これまでに用紙コストを低減するための様々な努力がされているが、インクジェットメディアの吸収層(受容層)を構成するフィラーは、通常、層の透明性を高く保つことが可能で吸油量(比表面積)の大きい材料を使用する必要があるため、シリカやアルミナ水和物、コロイダルシリカ等の特定の高価なフィラーを多量に使用せざるを得ず、低価格化は非常に難しい状況にある。

一方、商業印刷や出版印刷用コート紙のようにコート層材料に炭酸カルシウムやカオリン等の安価で隠蔽性が高いフィラーを多量に使用した安価なコート紙も存在するが、このような用紙をインクジェットメディアとして使用しようとすると、インクの吸収が間に合わず、画像が滲んでしまったり、インク吸収層に染み込んだインク中の色材がカオリンのような隠蔽性の高いフィラーに隠蔽されてしまい、濃度が発現しなくなってしまう。また実際にこのような隠蔽性の高いフィラーを使用した商業印刷や出版印刷用向けのコート紙に染料インクでインクジェット印字すると、打ち込むインク量をいくら増やしても表層近くに存在する色材分しか濃度が出ないため、全体として濃度が低く、コントラストのない画像になってしまう。このため、この類の用紙にはインクジェット印字は適さないとされてきた。

一方、近年色材に染料ではなく顔料を使用したインクジェット記録向け顔料インクが注目されてきている。色材顔料は水に不溶であるため微粒子状にして溶剤に分散させたものを使用するのが一般的であるが、インクジェット向け顔料インクは、安全性等の観点から水に色材顔料を分散させた顔料インクが主流である。一般に水系の顔料インクは染料インクに比べ顔料粒子の凝集や沈澱が起こりやすく、長期保存性を染料インク並にするためには様々な分散条件や添加剤が必要であったり、分散安定剤等がコゲーションの原因になるためサーマルヘッドで使用し難い他、色材の表色範囲が染料に比べ劣るものが多い等の欠点を有するが、高い黒濃度が得られるといった印字品位や記録後の保存性・耐水性の点から、大いに注目されるようになってきた。この顔料インクを使用したインクジェットプリンタはインクの色材が一般的な商業印刷インクの色材に近いこともあり、印刷物の風合いを商業印刷に近づけることが可能であると考えられるが、従来の顔料インクで実際に商業印刷・出版印刷向けのコート紙に印字すると、やはりインクの吸収が間に合わず画像が滲んでしまったり、乾燥後に顔料が全く定着しない等、従来同様、普通紙やインクジェット専用紙といったインク吸収性の高いメディアへの印字にしか対応できないのが現実であった。これはインクジェット画像の形成に関する設計思想が染料インクを使用する際の思想と変わっておらず、色材顔料をあくまでも耐光性の高い染料の観点でしかとらえていないためであり、顔料インクの特徴を全く考慮していないからであった。
顔料インク対応メディアについても研究開発がさかんに行なわれているが、特許文献3(特開2001−347749号公報)に見られるように、いかにインク吸収を早めながら画像光沢を出すかが開発のポイントであり、メディア表面の空隙率を上げつつ、光沢を発現させる方法が、高価な材料を用いた従来技術の延長線上で探求されているのみである。
特許文献4の特開2004−243603号公報には、インクジェット記録シートにおいてインクジェットプリンターでのインク吸収性に優れ、表面の毛羽立ちがなく、コックリングのないインクジェット記録用シートを提供するため、支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設けてなるインクジェット記録シートにおいて、該支持体が、天然パルプに合成繊維を混抄した合成繊維混抄紙である基紙のインク受理層を設ける面に目止め処理を施したものであり、該支持体の透気度(JIS P8117)が10〜100secであるインクジェット記録シートが開示されているが、この記録メディアは、インク受容層を塗布する際に、受容層(塗布液)が染み込まないよう支持体の透気度を規定したものである。
特許文献5の特開2004−195795号公報には、高光沢であり、像鮮明度に優れ、且つインクジェット記録適性に優れたインクジェット記録用紙を提供するため、透気性基材と、前記基材上に、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層のインクジェット記録層と、前記インクジェット記録層上に、顔料および接着剤を含有する塗工液を塗工し、該塗工液が湿潤状態或いは再湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して形成されたキャスト塗被層とを有するキャスト型インクジェット記録用紙において、JIS−Z−8741によるキャスト塗被層表面の20°光沢度が35%以上であり、JIS−K−7105に準拠し、60°の角度で測定した像鮮明度が55%以上であり、且つ、王研式透気度が、60〜200秒/100ccであるインクジェット記録用紙が開示されているが、このインクジェット記録用紙は、一般的な印刷用キャストメディアと異なり、キャスト塗被層を含めて非常に高い透気度を規定している。これはインクジェット向けキャスト型メディアを製造する制約上、塗工層の水分蒸発を充分行なう必要があるため非常に高い透気度を必要としているためである。また透気度が低いと印字品質が悪く、インクジェット印字に適さないことも同時に示されている。
特許文献6の特開2002−69346号公報には、インクジェット専用紙でない汎用で市販の印刷用紙に、インクジェット記録方法を用いて、高濃度で滲みのない高画質の印刷を行うべく、皮膜形成性樹脂のうち、好ましくは、少なくとも一部が塩基で中和された酸基を有する皮膜形成性樹脂によって、顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子の水性分散体からなる水性インクを用い、好ましくは、該インクの粘度を25〜60mN/mに規定して、透気度が1000秒以上であり、さらに好ましくは100g/m以上の坪量を持つ印刷用紙にインクジェット記録方法によって記録を行う技術が開示されているが、この技術は、本発明と同様にパーカープリントサーフを使用して測定していますが、パーカープリントサーフの透気度は単位は秒でなく、ml/minであり、実際に測定を行って記載されたものとは考えらない。また、皮膜形成樹脂によって顔料が被覆されたものが記載されているが、本発明のインクでは、樹脂で被覆されていないものでも可能である。
特許文献7の特開2000−127609号公報には、インクの吸収性の良いインクジェット記録シートで、画像品質の優れたインクジェット画像が得られ、屋外などで使用した場合でも耐水性、保存性の良いインクジェット記録シート及びそれを使った記録物の作成方法を提供することを目的とし、支持体上に、1層以上のインク受容層を設けてなり、その最表層が実質的に熱可塑性有機高分子微粒子からなるインクジェット記録シートにおいて、該記録シートのJIS P8117に規定されるガーレー透気度が55〜5000秒/100mlであるインクジェット記録シートが開示され、また支持体が、木材パルプを主成分とする紙、又は無機微粒子を含有する熱可塑性樹脂からなる多孔性樹脂フィルムで、その支持体の透気度が50〜5000秒/100mlであることが記載されているが、特定範囲の透気度を有するインクジェット記録シートをインクジェット記録後、該熱可塑性有機高分子微粒子層を加熱等で被膜化することで、前記目的(耐候性)を達成することを目的としており、本発明とは目的が全く異なり、これは、加熱処理を行った際、基体の水分が気化して受容層がブリスター(発泡、餅を焼いた時のような現象)の発生を防ぐために、透気度の良い基体が必要であるとした技術である。

我々は、既に、特定の表面張力を持つ水系の顔料インクを、吸水性の低い記録メディアに記録する方法に関する改良技術を提案(特許文献8:特願2006−14104号明細書)している。

特開2005−212327号公報 特開平11−078225号公報 特開2001−347749号公報 特開2004−243603号公報 特開2004−195795号公報 特開2002−69346号公報 特開2000−127609号公報 特願2006−14104号明細書

本発明は上記従来技術に鑑みて、下記の課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明で示されたインクジェット記録メディアとインクジェット顔料インクを組み合わせることにより、フルカラー印字が可能で、安価で、印字品位が良好であって、濃度、光沢、画像信頼性に優れ、スミア性(耐スミア性)にも優れる商業印刷物に近い質感の印字物が得られる理想的なインクジェット記録方法を提供することである。

上記の課題は、以下の本発明により解決される。
(1)「セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の塗工層を塗布してなり、パーカープリントサーフによる透気度が0.1ml/min以上30ml/min以下であるメディアに対し、粒子状の色材を含有するインクを用いて印字することを特徴とするインクジェット記録方法」、
(2)「前記インク中に樹脂エマルジョンもしくはエネルギー硬化型材料を含有することを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェット記録方法」、
(3)「前記インクの付着量15g/m以下で印字することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のインクジェット記録方法」、
(4)「前記インクの表面張力が25mN/m以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(5)「前記インクの固形分濃度が4wt%以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(6)「前記印字により前記メディア上に形成される画像部の色材堆積厚みが4μm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(7)「前記メディアの最上層中のシリカ、またはアルミナ水和物が30wt%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(8)「前記粒子状の色材が顔料又は着色微粒子を含むものであり、該顔料又は着色微粒子の体積平均粒径が0.01〜0.16μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(9)「前記インクの25℃での粘度が3cps以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(10)「前記インク中に水溶性有機溶剤を含み、該水溶性有機溶剤が、炭素数8以上のポリオール化合物(A)及びグリコールエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(11)「前記炭素数8以上のポリオール化合物(A)が、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの少なくとも何れかであることを特徴とする前記第(10)項に記載のインクジェット記録方法」、
(12)「前記インクが界面活性剤を含有し、該界面活性剤が、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法;

ただし、前記一般式(I)中、Rは、アルキル基を表わす。hは3〜12の整数を表わす。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。

ただし、前記一般式(II)中、Rは、アルキル基を表わす。Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。

ただし、前記一般式(III)中、Rは炭化水素基を表わす。kは5〜20の整数を表わす。

ただし、前記一般式(IV)中、Rは炭化水素基を表わす。jは5〜20の整数を表わす。

ただし、前記一般式(V)中、Rは炭化水素基を表わす。L及びpは1〜20の整数を表わす。

ただし、前記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表わす。」、
(13)「前記インクが湿潤剤を含有し、該湿潤剤がポリオール化合物(B)、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(14)「前記ポリオール化合物(B)が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(13)項に記載のインクジェット記録方法」、
(15)「前記ラクタム化合物が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン及びε−カプロラクタムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(13)項又は第(14)項に記載のインクジェット記録方法」、
(16)「前記尿素化合物が、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(13)項乃至第(15)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(17)「前記糖類が、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン及びマルトースから選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(13)項乃至第(16)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(18)「前記湿潤剤のインクにおける含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記第(13)項乃至第(17)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(19)「前記インクが、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクから選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(18)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(20)「前記インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記記録メディアに画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(19)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(21)「前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(20)項に記載のインクジェット記録方法」、
(22)「インク−被記録物メディアのセットであり、該インクが親水性液体媒体中に粒子状の色材を含有し、該粒子状色材が顔料もしくは着色微粒子を含むものであり、前記メディアがセルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の塗工層を塗布してなり、最上層中のシリカまたはアルミナ水和物が30wt%以下で、パーカープリントサーフによる透気度が0.1ml/min以上30ml/min以下であることを特徴とするインクメディアセット」、
(23)「前記インクが樹脂エマルジョンもしくはエネルギー硬化型材料を含有するものであることを特徴とする前記第(22)項に記載のインクメディアセット」、
(24)「前記メディアは、前記インクの付着量15g/m以下でインクジェット記録印字されるものであることを特徴とする前記第(22)項又は第(23)項に記載のインクメディアセット」、
(25)「前記顔料もしくは着色微粒子の体積平均粒径が0.01〜0.16μmであること特徴とする前記第(22)項乃至第(24)項のいずれかに記載のインクメディアセット」、
(26)「前記インクは、25℃での粘度が3cps以上のものであることを特徴とする前記第(22)項乃至第(25)項のいずれかに記載のインクメディアセット」、
(27)「前記インク中に水溶性有機溶剤を含み、該水溶性有機溶剤が、炭素数8以上のポリオール化合物(A)及びグリコールエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする前記第(22)項乃至第(26)項のいずれかに記載のインクメディアセット」、
(28)「被記録物メディアにインクジェット記録するためのインクであって、親水性液体媒体中に粒子状の色材を含有し、該粒子状色材が顔料もしくは着色微粒子を含むものであり、該メディアがセルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の塗工層を塗布してなり、最上層中のシリカまたはアルミナ水和物が30wt%以下で、パーカープリントサーフによる透気度が0.1ml/min以上30ml/min以下のものであることを特徴とするインクジェット記録用インク」、
(29)「樹脂エマルジョンもしくはエネルギー硬化型材料を含有するものであることを特徴とする前記第(28)項に記載のインクジェット記録用インク」、
(30)「前記メディアは、前記インクの付着量15g/m以下でインクジェット記録印字されるものであることを特徴とする前記第(28)項又は第(29)項に記載のインクジェット記録用インク」、
(31)「前記顔料もしくは着色微粒子の体積平均粒径が0.01〜0.16μmであること特徴とする前記第(28)項乃至第(30)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク」、
(32)「25℃での粘度が3cps以上のものであることを特徴とする前記第(28)項乃至第(31)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク」、
(33)「水溶性有機溶剤を含み、該水溶性有機溶剤が、炭素数8以上のポリオール化合物(A)及びグリコールエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする前記第(28)項乃至第(32)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク」、
(1)「前記炭素数8以上のポリオール化合物(A)が、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの少なくとも何れかであることを特徴とする前記第(28)項乃至第(33)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク」、
(35)「前記インクが界面活性剤を含有し、該界面活性剤が、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(28)項乃至第(34)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク;

ただし、前記一般式(I)中、Rは、アルキル基を表わす。hは3〜12の整数を表わす。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。

ただし、前記一般式(II)中、Rは、アルキル基を表わす。Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。

ただし、前記一般式(III)中、Rは炭化水素基を表わす。kは5〜20の整数を表わす。

ただし、前記一般式(IV)中、Rは炭化水素基を表わす。jは5〜20の整数を表わす。

ただし、前記一般式(V)中、Rは炭化水素基を表わす。L及びpは1〜20の整数を表わす。

ただし、前記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表わす」、
(36)「前記インクが湿潤剤を含有し、該湿潤剤がポリオール化合物(B)、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(28)項乃至第(35)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク」、
(37)「前記ポリオール化合物(B)が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(36)項に記載のインクジェット記録用インク」、
(38)「前記ラクタム化合物が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン及びε−カプロラクタムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(36)項又は第(37)項に記載のインクジェット記録用インク」、
(39)「前記尿素化合物が、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(36)項乃至第(38)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク」、
(40)「前記糖類が、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン及びマルトースから選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(36)項乃至第(39)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク」、
(41)「前記湿潤剤のインクにおける含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記第(36)項乃至第(40)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク」、
(42)「シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクから選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(36)項乃至第(41)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク」、
(43)「インクジェット記録用インクを用い、インクジェット記録するための被記録物メディアであって、セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の塗工層を塗布してなり、最上層中のシリカまたはアルミナ水和物が30wt%以下で、パーカープリントサーフによる透気度が0.1ml/min以上30ml/min以下のものであり、前記インクが親水性液体媒体中に粒子状の色材を含有し、該粒子状色材が顔料もしくは着色微粒子を含むものであることを特徴とするインクジェット記録用メディア」、
(44)「前記インクが樹脂エマルジョンもしくはエネルギー硬化型材料を含有するものであることを特徴とする前記第(43)項に記載のメディア」、
(45)「前記インクの付着量15g/m以下でインクジェット記録印字されるものであることを特徴とする前記第(43)項又は第(44)項に記載のメディア」、
(46)「前記インク中の前記顔料もしくは着色微粒子の体積平均粒径が0.01〜0.16μmであること特徴とする前記第(43)項乃至第(45)項のいずれかに記載のメディア」、
(47)「前記インクは、25℃での粘度が3cps以上のものであることを特徴とする前記第(43)項乃至第(46)項のいずれかに記載のメディア」、
(48)「前記インクは、水溶性有機溶剤を含み、該水溶性有機溶剤が、炭素数8以上のポリオール化合物(A)及びグリコールエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする前記第(43)項乃至第(47)項のいずれかに記載のメディア」、
(49)「前記第(28)項乃至第(42)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに、画像信号にしたがって刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置」、
(50)「前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記第(49)項に記載のインクジェット記録装置」、
(51)「前記飛翔させるインクの液滴の大きさが3〜40pl、速度が5〜20m/s、前記刺激印加の周波数が1kHz以上、かつ解像度が300dpi以上である前記(49)項又は第(50)項に記載のインクジェット記録装置、
(52)前記第(1)乃至第(21)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法又は前記第(49)項乃至第(51)項のいずれかに記載のインクジェット記録装置により得られたものであることを特徴とするインクジェット記録物」、
(53)「前記第(43)項乃至第(48)項のいずれかに記載のインク−メディアセットにより得られたものであることを特徴とするインクジェット記録物」。

本発明によれば、インクジェット記録を行なう場合に、印字品位が良好であって、かつ低コストな記録方法を提供することが可能となった。また、商業印刷用紙のうち、特定の要件を具備しているものは、本発明における特定要件を具備するインクジェットインクによる印字方法を用いれば、充分、良好な記録の印字をすることができる。

以下、本発明のインクジェット記録方法について詳細に説明する。
現在のインクジェット専用紙の主流は先にも述べたとおり、多孔質な透明性の高い吸収層を実現する方法であり、これを実現するためにはどうしても透明性が高く、比表面積の大きい材料を主に使わざるを得ず、現状ではシリカやアルミナ水和物のような高価な材料と非常に手の込んだ製法とに頼らなければならない状況にある。当然印字コストも非常に高価なものとなり、大量印刷等への応用も困難なものとなる。
以上のことを鑑み、我々はより低コストなインクジェット記録方法について鋭意研究を進めたところ、浸透性の高い顔料インクと、従来とは逆の、インク吸収性の低いメディアとを組み合せ、新たな設計思想に基づく低コストな画像形成方法を発明するに至った。この新規かつ優れた画像形成方法は、更に、一定の印字条件を加えることにより、より優れた成果を示すものとすることができる。

即ち、インク中の色材顔料が極力染み込まないようインク吸収性(浸透性)が抑制された記録メディアに対し、少量の超高浸透性顔料インクを使用して印字することにより、インクを形成する溶媒(水や有機溶剤)のみを選択的に支持体に染み込ませ、インク中の色材(顔料)だけを効率よくメディア表面に留まらせることにより、少量のインクでも十分な濃度と乾燥性を両立することができることを見出した。インク中の色材をメディアの表面に極力留めおくことで、従来のインクジェットメディアの必要機能であった層の透明性が必ずしも必要でなくなることから、塗工層の材料構成に関する自由度を飛躍的に広げることが可能となったのである。
また、このインク吸収性はメディアの透気度に依存性があることを見出し、本発明に至った。即ち、透気度が一定の範囲にあって、最表層に吸収性の高いシリカやアルミナ水和物を殆んど使用しないメディアを組み合わせることにより、本発明の目的である低コストな画像形成方法を実現できるのである。

本発明によるインク吸収性を低く制御したメディアは、セルロースパルプを主成分とした支持体上、いわゆる紙基体上に、色材顔料浸透防止層(バリア層)を設ける(例えば塗布する)ことにより実現される。このバリア層を印刷用紙の外観に似せることにより、一般の商業印刷物の質感に近い印字物を得ることも可能となる。
本発明におけるバリア層に必要な機能は、インク中の顔料と溶剤を分離し、溶剤のみを基体に浸透させることであり、そのためにはバリア層がポアを持つような、微細構造を取ることが望ましい。バリア層に微細構造が全く存在しないとインク中の溶剤成分の浸透が遅くなるため、インクが乾かない現象が生じやすくなる。但し、微細構造が多すぎると、インク中の色材顔料を分離する機能が低下し、画像濃度低下が発生したり、印字後にメディア表面に存在する色材顔料が経時でメディア内部にマイグレートし、色の変化を引き起こしてしまう。
このポアに代表わされる塗工層の細孔構造は、液体の吸収性に大きく関係しており、塗工層の細孔容積が大きいものほどインクの吸収に優れていることが知られている。細孔容積が大きいものとしては、従来のインクジェット用メディアの塗工層や一般的な上質紙が知られている。一方、細孔容積が比較的小さいものとしては、一般の商業印刷、出版印刷用塗工紙の塗工層が知られている。従来のインクジェット印字方法では細孔容積が大きいメディアを必要としていたのに対し、本発明のメディアのバリア層では、細孔容積が比較的小さいものが要求される。

我々はこの細孔容積を制御することにより、インク中の色材とインク溶剤の分離速度や色材の深さ方向の分布をコントロールすることができることを見出した。ならびに、バリア層の細孔容積の大小を簡便に表現する手段として、パーカープリントサーフを使用して測定したメディアの透気度が適切であることを見出した。
これは、細孔容積の大きいものは気体の透過に際して障壁(抵抗)が少なく、細孔容積の小さいものは気体の透過に際しても抵抗が大きいことを意味し、細孔容積の小さいものは当然、色材、液体の吸収・浸透性が遅く、バリア性が高いことを意味している。
一般にパーカープリントサーフ(PPS)は、印刷時の印圧下における紙表面粗さを測定するための計測器であるが、測定ヘッドを透気度用のものに変えることにより透気度の測定が可能であり、対応する計測器もメーカーより市販されている。一般に紙の透気度を測定する方法としてガーレー法もあるが、本発明のバリア層の測定には数千秒単位の時間がかかるとともに、ガーレー法自体、透気度の低い紙の測定に対しては信頼性に欠ける面があることから、本発明に使用する透気度としては、PPSを使用するのが望ましい。
このPPSの透気度は、塗工層、原紙の透気度が複合されたものであるが、本発明のメディアは基体にセルロースパルプを使用したものを想定しており、基体の透気度は塗工層の透気度に比べ非常に大きいこと、本発明のバリア層(塗工層)の透気度は基体の透気度に比べて非常に低いことから、この透気度は原紙の影響を受けず、バリア層の透気度と判断して良い。
具体的には、本発明におけるメディアのバリア層の透気度はメズマー社やLorentzen & Wettre社製パーカー・プリントサーフ(PPS)を用いて測定した。測定時のバッキング圧は1969kPaである。

我々が本発明のインクを使用するにおいて、本発明に適するバリア層の透気度を検討した結果、メディアの透気度を100ml/min以下と設定することで、インクの色材と溶剤を分離する能力が十分発揮され、優れた画像が得られることが判明した。この範囲の透気度を有するメディアを使用することにより、インクジェットノズルから吐出された少量のインクがメディア表面に着弾すると、メディア表面で濡れ広がりながら、色材、樹脂等の固形分と、水、インク溶剤等のキャリア成分に速やかに分離し、少量のキャリア成分がメディア内に高速に浸透する。残った固形分は急激に粘度を上げると同時にゆっくりと皮膜を形成し、乾燥と同時に平らな光沢表面を持った色材層が形成される。
このような透気度は、例えば、顔料と樹脂の比率を変えることにより制御することができる。
基本的に、従来のインクジェット記録メディアの場合、透気度の高いものの方がインクの吸収に有利であることから、本発明とは異なる測定方法に基いて、仮に、低い透気度のものがあったとしても、本発明における透気度としては、高い値のものになるはずである。また、低い値のものである場合は、基体自体に関連した場合が殆んどで、その目的は(1)基体の上に塗布するインク受容層がきちんと成膜できるよう染み込みを防ぐため、及び(2)(酸化性)ガスの裏面からの透過による色材の酸化防止のため等であり、本発明におけるような特定インクとの組み合わせに係るものでない。

<インク付着量>
本発明では、インク中の色材の染み込みを防ぎ、効率的にメディア表面近傍に偏在させると同時に、インクの乾燥性を確保するために、インク総量が厳しく制限されることが好ましい。インク総量とは、画像を形成する際の重要なパラメーターであり、最高濃度のベタ画像を形成する際の単位面積当たりのインク量の事を指す。本発明では、このインク総量を規定することで、インク吸収の悪いメディアに対しても、ビーディングやブリードの少ない均一な画像を形成することが可能となる。逆にこの上限を超えて、従来のインクジェット記録のように多量のインクを使用すると、バリア層の色材顔料分離能力が追いつかず、インク溶媒と一緒にインクの色材顔料が浸透してしまったり、インクの溶媒成分の浸透が間に合わず、乾燥性に大きく支障をきたす為、品質の良い画像が得られないことがある。

具体的には、本発明のインクを用いる場合、画像作成時の最大インク付着量(インク総量規制値)は15g/mで良く、それ以下のインク付着量で作像を行なうことで、ビーディングやブリードの無い、非常に高画質な画像を得ることができる。また望ましくは12g/m以下であることも判明した。
これは、従来の染料インクとインクジェット専用メディアの組み合わせと異なり、本発明の顔料インクとメディアの場合、色材はメディア表面に堆積した形で存在しており、メディアの表面を覆うのに必要な量の色材があれば、それ以上の色材は無駄となるばかりか、本発明の高浸透インクを用いてさえも、余ったインク溶剤が隣接ドットと干渉し、ビーディングやブリードを発生させてしまうためである。
特に本発明のインクを使用しても、従来のインクジェット記録のようにインクの総量規制値を高く設定してしまうと、ベタ部やシャドー部で多くのインク量が使用され、メディアの色材分離能を超え、画像が滲んだり、乾燥性が大きく低下したりする。

本発明の画像形成に使用するインク総量は、画像濃度が必要な場合でも従来のインクジェット記録方法に比べ極端に少なくて済むことに併せ、従来のインクジェットメディアと違ってメディアのインク吸収能自体は低い方が、色材がメディア表面で均等に広がりやすい。言い換えればメディア表面でインクが薄く広がるが故にインク吸収能力が低くても、乾燥可能であり、かつブリードやビーディングが発生し難いのである。
また、キャリアの浸透量は、浸透剤(EHD)の量並びに、フッ素系界面活性剤のFS300の添加量で、容易に調整することができる。

さらに印字に必要なインク総量を少なくすることで、従来のインクジェットプリンタに比べインクカートリッジの容量を小さくすることができ、装置のコンパクト化も可能となった。また、従来と同様のカートリッジサイズであるならば、インクカートリッジの交換頻度を減らすことができ、より低コストな印字が可能となる。
基本的にこのインク総量は少なければ少ないほどバリア層の顔料分離能力が発揮されるが、あまりに少なくすると印字後の画像ドット径が小さくなりすぎてしまうという副作用もあるため、目的とする画像に応じてこの範囲内でインク総量を設定するのが望ましい。
なお本発明においては、インク総量は、重量法を用いて測定した。具体的にはインクジェット専用紙であるスーパーファイン専用紙(エプソン社製)に5cm×20cmの矩形ベタ画像を最高濃度で印字し、印字直後に重量を測定し、印字前の重量を差し引き、その値を100倍してインク総量とした。

<インク定着剤>
また、さらに本発明の顔料インクの条件としては、インク中に色材顔料の定着剤を含むことが望ましい。定着剤とは、色材顔料とメディア表面、色材顔料間の接着力を一定以上に保つものであり、この定着剤が無いと印字した後に色材顔料が剥がれやすいため、より高い画像信頼性が必要な場合は定着剤を使用すべきである。この定着剤としては低分子のものでも良いが、樹脂エマルジョンや紫外線硬化型樹脂であることが望ましい。

<インク表面張力>
また、本発明の望ましい顔料インクの条件としては、非常に浸透性が高いものであり、、その条件とは表面張力が25mN/m以下であることが判明した。表面張力が26mN/mより大きいとインクの浸透が遅く画像が滲んでしまう現象が発生するため、高品位な画像が得られない。表面張力は低ければ低いほど顔料と溶剤の分離能が向上するため、より低いほうが望ましい。インクの表面張力は、浸透剤(EHD)の量並びに、フッ素系界面活性剤のFS300の添加量により、容易に調整することができる。
本発明の超高浸透インクは、従来の空隙型インクジェット専用メディアにも印字可能である。但し、本発明の記録メディアに印字した場合と比べてインク吸収速度が速すぎるため、インク滴がメディア表面に着弾した後ドットが濡れ広がる前に溶媒が浸透してしまい、ドット径が小さくなってしまう。その結果濃度の低下や粒状感の増大等が発生し易くなる。そのため高品位な画像を作成するためには本発明の記録メディアよりも解像度を上げて印字する必要が生じてしまうため、印字速度の低下やインク消費量の増大を招く。したがって本発明の記録メディアを使用するほうが望ましい。

<透気度2>
先に述べたとおり、本発明におけるバリア層に必要な機能は、インク中の顔料と溶剤を分離し、溶剤のみを基体に浸透させることであり、そのためにはバリア層に微細な空隙構造を有することが望ましい。バリア層に空隙構造が全く存在しないとインク中の溶剤成分の浸透が遅くなるため、インクが乾かない現象が生じやすくなる。但し、ポア径が大きすぎたり、ポアの数が多すぎると、インク中の色材顔料を分離する機能が低下し、画像濃度低下が発生したり、印字後にメディア表面に存在する色材顔料が経時でメディア内部にマイグレートし、色の変化を引き起こしてしまう。
本発明の作像方法に適したメディアのインク吸収能、すなわち本発明で用いるメディアの透気度としては、インク中の色材顔料とインク溶媒の分離を促すため、100ml/min以下であることが必要である。この値よりも透気度が大きいと、顔料が均一に皮膜を作ることができず、濃度や光沢が極度に低下する。またポアの量が多いため、インクの浸透速度については有利であるものの、ポア内に色材顔料がもぐりこんでしまい、コート層のフィラーに隠蔽され、濃度が低下する傾向がある。また、さらに品位感のある画像光沢が必要な場合には、透気度は30ml/min以下であることが望ましい。特に透気度が5ml/min以下であると画像光沢が著しく優れる。本発明の場合、インク中の色材や樹脂成分はメディア表面に留める必要があるため、透気度が高いメディア、すなわち細孔が多いものは色材が紙中に浸透してしまうため望ましくない。
インク吸収性の低いメディアは、セルロースパルプを主成分とした支持体上、いわゆる紙基体上にコート層が塗布されたメディアのうち、透気度が上記の範囲にあればよく、一般の商業印刷用紙や出版印刷用紙も使用可能である。特にこれらの用紙に印字すると、一般の商業印刷物の質感に近い印字物を得ることが可能となる。
一方、透気度が極端に小さすぎる場合、本発明のインクを用いても溶媒の浸透に時間がかかり、ビーディング、ブリード等が発生しやすくなるとともに、乾燥性が極度に悪化し、オフセット等が発生しやすくなる。このため0.1ml/min以上であることが望ましい。

<インクの固形分>
本発明のインクの固形分は、4wt%以上であることが望ましい。この濃度より低いと、乾燥時の粘度上昇が緩やかで、画像が滲みやすい傾向がある。高ければ高いほど良いが、あまりに高いとノズル詰まりが激しくなり、画像に抜け等が生じやすくなる、従って5〜15wt%であることが望ましい。

<シリカ量>
本発明のバリア層は、透気度が本発明の範囲にあれば、厚み自体に制限は無いが、コストの関係から30μm以下であることが望ましいが、バリア層を非常に薄く作ることも可能であり、その際、色材の裏写り(印字した色材の色が裏側に透けて見える)を防止する等のために、バリア層中に従来のインクジェットメディアとは反対に、隠蔽性の高い無機顔料を多く含むことが好ましく、そのためには層中の無機顔料としては従来のインクジェットメディアに使われている隠蔽性の低い材料であるシリカやアルミナ水和物の量は少ないほうが良く、15重量%以下であることが好ましい。これにより、バリア層厚みを薄くしても裏移りを少なくすることができ、かつ更なる低コスト化が図れることを見出した。
アルミナ水和物のように吸油量が高すぎるものを多量に含むと、インク溶媒がバリア層から基体に移行し難くなる。多量に溶媒を吸収したアルミナ水和物は長期保存において変色や顔料のマイグレーションによる画像にじみを起すため、本発明では望ましくない。

本発明で使用されるバリア層の無機顔料は、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、イライト、クレー、炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等を挙げることができる。これらの顔料の中でも、屈折率がなるべく高いものを使用することにより、バリア層の厚みを薄くすることができる。但しコストの点からは炭酸カルシウムやカオリンを使用することが好ましい。これらの顔料は、本発明の効果を損なわない限り併用することができ、また、列挙しなかった他の顔料と併用することもできる。

カオリンは光沢発現性に優れており、オフセット印刷用の用紙に近い風合いとすることができるので好ましい。カオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン等があるが、光沢発現性を考慮すると、粒子径が2μm以下の割合が80重量%以上の粒子径分布を有するカオリンが、カオリン全体の50重量%以上を占めていることが望ましい。カオリンの配合量は、50重量部以上が好ましい。50重量部未満であると、光沢度において十分な効果が期待しにくい。上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90重量部未満がより好適である。

またこれら高屈折率の顔料と、低屈折率のシリカや有機顔料を併用しても良い。有機顔料は例えば、スチレン・アクリル共重合体粒子、スチレン・ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。これら有機顔料は2種以上が混合されても良い。有機顔料は、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高・高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ることができるが、2重量部未満では、前記効果がなく、5重量部を超えると、裏抜けが発生しやすくなり、コスト面からも経済的ではない。有機顔料にはその形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性および塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径が0.2〜3.0μmの範囲にあることが望ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。

<色材堆積厚み>
また、本発明の画像形成条件として、色材や樹脂等のインク中の固形成分が、メディア上になるべく薄く均一に広がることが望ましい。本発明の画像形成方法では、色材はメディア表面に堆積しているが、作像後の色材成分の厚みが4μm以下になるように作像することが望ましい。これはインクの平均付着量が小さくても、微視的に色材が一箇所に集中してしまうとバリア層の細孔の目詰まりによるキャリアの浸透不良が発生し、乾燥不良を発生させやすくなる。また乾燥後、メディア表面に凸状に堆積した色材の摩擦により色材の凸部が剥がれ落ちることで、スミアやスマッジ性が劣化してしまうためである。この画像形成条件を満たすためには、印字しようとするデジタルデータに基づいて画像を形成するための各色のドットのサイズと配列を計算し、適宜最適化する必要がある。この作像方法については特に限定はしないが、後述するインデックス法において、インク上限を設定した各パターンを使用して作像するのが効果的である。色材の厚みは公知の方法を使用して測定が可能である。本発明の場合はレーザー顕微鏡VK−9500(キーエンス)を使用して地肌部との段差を測定することにより求めた。

<バリア層構成材料>
本発明で使用される色材顔料バリア層のバインダーは、バリア層を構成する顔料及び基紙との接着力が強いと共に、ブロッキングを起こさない水性樹脂、エマルジョン等であれば特に限定されるものではない。
このような水性結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコールや酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプン、カチオン化デンプンなどのデンプン類、カゼイン、大豆タンパク質類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊維素誘導体、スチレン−アクリル樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂、アクリルエマルジョン、酢ビエマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン、ポリエステルエマルジョン、スチレン・ブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックス等を挙げることができる。これらの中でも、コストの観点からデンプンやスチレン・ブタジエンラテックスを使用することが好ましい。スチレン・ブタジエンラテックスは、モノマーとしてスチレンとブタジエンを含み、必要に応じ他のモノマーを共重合させたり、化学反応により共重合体を変性した、紙塗工用に一般的に使用される共重合体ラテックスで良い。他のモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニルなどのビニル系モノマーが良く使用されるものである。また、メチロール化メラミン、メチロール化尿素、メチロール化ヒドロキシプロピレン尿素、イソシアネート等の架橋剤を含有してよいし、N−メチロールアクリルアミドなどの単位を含む共重合体で自己架橋性を持つものを用いてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

本発明で使用されるバリア層における前記水性結着剤の添加量(バインダー)の使用比率は、全被覆層固形分の50〜70重量%が好ましく、より好ましくは55〜60重量%である。少ないと接着力が不十分となり、インク受容層の強度の低下、内部結合強度の低下粉落ちの発生が懸念される。

本発明のバリア層には本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、その他の成分を添加することができる。該その他の成分としては分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤のほか、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、カチオン性有機化合物等の添加剤を使用しても良い。
バリア層に使用される界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤のいずれも使用することができるが、これらの中でも、非イオン活性剤が特に好ましい。
前記非イオン活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビトール、ショ糖などが挙げられる。またエチレンオキサイド付加物については、水溶性を維持できる範囲で、エチレンオキサイドの一部をプロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドに置換したものも有効である。置換率は50%以下が好ましい。前記非イオン活性剤のHLB(親水性新油性比)は4〜15が好ましく、7〜13がより好ましい。
また、カチオン性有機化合物は必ずしも配合する必要はないが、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択使用することができる。
前記カチオン性有機化合物としては、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン縮合物、ポリ(メタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩)、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合物、ポリ(ジアリルアミン塩酸塩・二酸化イオウ)、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリ(アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩)、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド・塩化アンモニウム・尿素・ホルムアルデヒド縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・二酸化イオウ)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・ジアリルアミン塩酸塩誘導体)、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合物、アクリル酸塩・アクリルアミド・ジアリルアミン塩酸塩共重合物、ポリエチレンイミン、アクリルアミンポリマー等のエチレンイミン誘導体、ポリエチレンイミンアルキレンオキサイド変性物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

本発明で使用される支持体としては、化学パルプ、機械パルプ及び古紙回収パルプ等を任意の比率で混合して用いられ、必要に応じて内添サイズ剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等を添加した原料を長網フォーマやギャップタイプのツインワイヤーフォーマ、長網部の後半部をツインワイヤーで構成するハイブリッドフォーマ等で抄紙されたものが使用される。
本発明の支持体に使用するパルプは、バージンのケミカルパルプ(CP)、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプなどの木材及びその他の繊維原料を化学的に処理して作成されたバージンのケミカルパルプ、及び、バージンの機械パルプ(MP)、例えば、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、ケミメカニカルパルプ、セミケミカルパルプなどの木材及びその他の繊維原料を主に機械的に処理して作成されたバージンの機械パルプを含有させてもよい。

また古紙パルプを用いてもよく、古紙パルプの原料としては、財団法人古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。具体的には、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙等のプリンタ用紙;PPC用紙等のOA古紙;アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙等の塗工紙;上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートン等の非塗工紙、などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

前記古紙パルプは、一般的に、以下の4工程の組み合わせから製造される。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
前記古紙パルプを混合する場合、全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、記録後のカール対策から40%以下が好ましい。

本発明の支持体に用いることができる填料としては、炭酸カルシウムが有効であるが、カオリン、焼成クレー、パイロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類等の無機填料や、サチンホワイト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫化亜鉛、プラスチックピグメント、尿素樹脂等の有機顔料も併用することができる。

本発明における支持体に使用する内添サイズ剤は、特に限定されるものではなくインクジェット記録用紙に使用される公知の内添サイズ剤の中から適宜選択して使用することができる。好ましい内添サイズ剤としては、例えば、ロジンエマルジョン系サイズ剤等を挙げることができる。支持体を抄造する際に使用される内添サイズ剤としては、例えば、中性抄紙に用いられる中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤などが挙げられる。これらの中でも、中性ロジンサイズ剤又はアルケニル無水コハク酸が特に好適である。前記アルキルケテンダイマーは、そのサイズ効果が高いことから添加量は少なくて済むが、記録用紙(メディア)表面の摩擦係数が下がり滑りやすくなるため、インクジェット記録時の搬送性の点からは好ましくない場合がある。
内添サイズ剤の使用量は、絶乾パルプ100重量部に対して0.1〜0.7重量部であるが、これに限定されるものではない。
前記支持体に使用される内添填料としては、例えば、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。該白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等のような白色無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

<バリア層の製法>
本発明の支持体にバリア層を塗布により付与する方法としては特に規定しないが、直接塗布する方法、他の基材上に一度塗布したものを原紙に転写する方法、スプレー等によって噴霧する方法等が利用できる。直接塗布する方法としては、例えば、ロールコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、サイズプレス法、シムサイザー法、ロッドメタリングサイズプレスコータ等フィルムトランスファー方式あるいはファウンテンあるいはロールアプリケーション等によるブレードコーター方式等を挙げることができる。
バリア層の乾燥処理は、例えば、熱風乾燥炉、熱ドラム等を用いて行なうことができる。更に、表面を平滑化するために、あるいは表面の強度を上げるためにカレンダー装置(スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等)で表面仕上げを施しても良い。

<インク>
本発明に必須な顔料インクは、少なくとも水、粒子上の色材、及び水溶性有機溶剤を含有してなり、湿潤剤、界面活性剤、更に必要に応じて、着色剤の定着剤等のその他の成分を含有してなる。

−着色剤−
前記着色剤としては、顔料、及び着色微粒子の少なくともいずれかを用いることが好ましい。前記着色微粒子としては、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有させたポリマー微粒子の水分散物が好適に用いられる。
ここで、前記「色材を含有させた」とは、ポリマー微粒子中に色材を封入した状態及びポリマー微粒子の表面に色材を吸着させた状態の何れか又は双方を意味する。前記色材としては、水不溶性又は水難溶性であって、前記ポリマーによって吸着され得る色材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ここで、前記「水不溶性又は水難溶性」とは、20℃で水100質量部に対し色材が10質量部以上溶解しないことを意味する。また、「溶解する」とは、目視で水溶液表層又は下層に色材の分離や沈降が認められないことを意味する。前記色材を含有させたポリマー微粒子(着色微粒子)の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.30μmが好ましく、より好ましくは0.01〜0.16μmである。0.01μm未満では粒子径が染料に近づくため、耐光性、フェザリングが悪化してしまう。またバリア層を浸透しやすくなり、濃度低下を引き起こす。また、0.30μmを超えると、吐出口の目詰まりやプリンタ内のフィルターでの目詰まりが発生し、吐出安定性を得ることができない。

その他の着色剤としては、顔料が挙げられる。顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば無機顔料、有機顔料のいずれであってもよい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、紺青、金属粉などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックなどが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。

前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、アゾメチン系顔料、ローダミンBレーキ顔料などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどが挙げられる。
前記顔料の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

前記黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
ブラック顔料インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が50〜300平方メートル/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。このようなものとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上、三菱化学製)、Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(以上、コロンビア製)、Regal400R、同330R、同660R、MogulL、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(以上、キャボット製)、カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(以上、デグッサ製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。

前記カラー用のものとしては、黄色インク用では、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、2、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、16、17、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、73、74、同75、81、83(ジスアゾイエローHR)、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、同114、117、120、128、129、138、150、151、153、154などが挙げられるが、これらに限られるものではない。
マゼンタ用では、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、7、12、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219などが挙げられるが、これらに限られるものではない。

シアン用では、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、15:34、16、17:1、22、56、60、63、C.I.バットブルー4、同60等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
また、中間色としてはレッド、グリーン、ブルー用として、C.I.ピグメントレッド177、194、224、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントバイオレット3,19,23,37、C.I.ピグメントグリーン7,36などが挙げられる。

前記顔料としては、少なくとも1種の親水性基が顔料の表面に直接若しくは他の原子団を介して結合した分散剤を使用することなく安定に分散させることができる自己分散型顔料が好適に用いられる。その結果、従来のインクのように、顔料を分散させるための分散剤が不要となる。前記自己分散型顔料としては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
前記自己分散型顔料の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.30μm、より好ましくは0.01〜0.16μmである。

前記アニオン性親水性基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わす。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす。)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。

また、前記親水性基中における「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。

前記カチオン性親水性基としては、例えば、第4級アンモニウム基が好ましく、下記に挙げる第4級アンモニウム基がより好ましく、これらのいずれかが顔料表面に結合されたものが色材として好適である。

前記親水基が結合されたカチオン性の自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては、例えば、下記構造式で表わされるN−エチルピリジル基を結合させる方法として、カーボンブラックを3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法が挙げられるが、勿論、本発明はこれらに限定されない。

本発明においては、前記親水性基が、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水性基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−CCOOM(ただし、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウムを表わす)、−PhSOM(ただし、Phはフェニル基、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウムを表わす)、−C10NH 等が挙げられる。

本発明においては、顔料分散剤を用いた顔料分散液を用いることもできる。
前記顔料分散剤としては、前記親水性高分子材料として、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子材料、セラック等の天然高分子材料等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや他の親水基を有するモノマーの共重合体からなるようなカルボキシル基を導入したものが高分子分散剤として特に好ましい。

前記共重合体の重量平均分子量は3,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、7,000〜15,000が更に好ましい。前記顔料と前記分散剤との混合質量比としては1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:3の範囲がより好ましい。

高分子分散剤と自己分散型顔料を同時に使うことは、適度なドット径を得られるため好ましい組み合わせである。その理由は明かでないが、以下のように考えられる。
高分子分散剤を含有することで記録紙への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有することで自己分散型顔料の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
また、顔料は親水性基を有する樹脂によって被覆し、マイクロカプセル化することで、分散性を与えることもできる。

水不溶性の顔料を有機高分子類で被覆してマイクロカプセル化する方法としては、従来公知の方法を用いることが可能である。従来公知の方法として、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられる。
具体的には、
・界面重合法(2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法);
・in−situ重合法(液体または気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法);
・液中硬化被膜法(芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法);
・コアセルベーション(相分離)法(芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法);
・液中乾燥法(芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法);
・融解分散冷却法(加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法);
・気中懸濁被覆法(粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法);
・スプレードライング法(カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法);
・酸析法(アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性または酸性にし、有機化合物類を析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法);
・転相乳化法(水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するかもしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法)、
などが挙げられる。

マイクロカプセルの壁膜物質を構成する材料として使用される有機高分子類(樹脂)としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、タンパク質、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。

これらの中ではカルボン酸基またはスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子類を使用することが可能である。また、ノニオン性有機高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。

また、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類の量は、有機顔料またはカーボンブラックなどの水不溶性の色材に対して1重量%以上20重量%以下である。有機高分子類の量を上記の範囲にすることによって、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低いために、有機高分子類が顔料表面を被覆することに起因する顔料の発色性の低下を抑制することが可能となる。有機高分子類の量が1重量%未満ではカプセル化の効果を発揮しづらくなり、逆に20重量%を越えると、顔料の発色性の低下が著しくなる。さらに他の特性などを考慮すると有機高分子類の量は水不溶性の色材に対し5〜10重量%の範囲が好ましい。

すなわち、色材の一部が実質的に被覆されずに露出しているために発色性の低下を抑制することが可能となり、また、逆に、色材の一部が露出せずに実質的に被覆されているために顔料が被覆されている効果を同時に発揮することが可能となるのである。また、本発明に用いる有機高分子類の数平均分子量としては、カプセル製造面などから、2000以上であることが好ましい。ここで「実質的に露出」とは、例えば、ピンホール、亀裂などの欠陥などに伴う一部の露出ではなく、意図的に露出している状態を意味するものである。

さらに、色材として自己分散性の顔料である有機顔料または自己分散性のカーボンブラックを用いれば、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低くても、顔料の分散性が向上するために、十分なインクの保存安定性を確保することが可能となるので本発明にはより好ましい。

なお、マイクロカプセル化の方法によって、それに適した有機高分子類を選択することが好ましい。例えば、界面重合法による場合は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂などが適している。in−situ重合法による場合は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどが適している。液中硬化法による場合は、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミン、エポキシ樹脂などが適している。コアセルベーション法による場合は、ゼラチン、セルロース類、カゼインなどが適している。また、微細で、且つ均一なマイクロカプセル化顔料を得るためには、勿論前記以外にも従来公知のカプセル化法すべてを利用することが可能である。

マイクロカプセル化の方法として転相法または酸析法を選択する場合は、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類としては、アニオン性有機高分子類を使用する。転相法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材との複合物または複合体、あるいは自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。上記転相法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何等問題はない。特に、直接記録液用の分散液を製造できることからいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。

一方、酸析法は、アニオン性基含有有機高分子類のアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物で中和し、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材と、水性媒体中で混練する工程および酸性化合物でpHを中性または酸性にしてアニオン性基含有有機高分子類を析出させて、顔料に固着する工程とからなる製法によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部または全部を中和することによりマイクロカプセル化する方法である。このようにすることによって、微細で顔料を多く含むアニオン性マイクロカプセル化顔料を含有する水性分散液を製造することができる。

また、上記に挙げたようなマイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類;ベンゾール、トルオール、キシロールなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、二塩化エチレンなどの塩素化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離または濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離して、これを水および必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とする本発明に用いることができる記録液を得る。以上の如き方法で得られるカプセル化顔料の平均粒径は50nm〜180nmであることが好ましい。

前記着色剤の前記インクにおける添加量は、6〜15質量%が好ましく、8〜12質量%がより好ましい。前記添加量が6質量%未満であると、着色力の低下により、画像濃度が低くなったり、粘度の低下によりフェザリングや滲みが悪化することがあり、15質量%を超えると、記録装置を放置しておいた場合等に、ノズルが乾燥し易くなり、不吐出現象が発生したり、粘度が高くなりすぎることにより浸透性が低下したり、ドットが広がらないために画像濃度が低下したり、ぼそついた画像になることがある。

−水溶性有機溶剤−
前記水溶性有機溶剤としては、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物のいずれかが用いられる。
前記ポリオール化合物の炭素数が8未満であると、十分な浸透性が得られず、両面印刷時に記録用メディアを汚したり、記録用メディア上でのインクの広がりが不十分で画素の埋まりが悪くなるため、文字品位や画像濃度の低下が生じることがある。
前記炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(溶解度:4.2%(25℃))、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(溶解度:2.0%(25℃))などが好適である。
前記水溶性有機溶剤の添加量は0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。

−湿潤剤−
前記湿潤剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール化合物(A)、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種が好適である。
前記ポリオール化合物(A)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プルパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。

これらの中でも、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる点から、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンが好適である。

前記ラクタム化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタムから選択される少なくとも1種が挙げられる。前記尿素化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種が挙げられる。前記尿素類の前記インクへの添加量は、一般的に0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。

前記糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)、多糖類、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらの中でも、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースが好適であり、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースが特に好ましい。

前記多糖類とは、広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることができる。
前記糖類の誘導体としては、前記糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(ただし、一般式:HOCH(CHOH)CHOH(ただし、nは2〜5の整数を表わす)で表わされる。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、特に糖アルコールが好ましい。該当アルコールとしては、例えば、マルチトール、ソルビットなどが挙げられる。

前記湿潤剤の前記インク中における含有量は、10〜50質量%が好ましく、15〜35質量%がより好ましい。前記含有量が少なすぎると、ノズルが乾燥しやすくなり液滴の吐出不良が発生することがあり、多すぎるとインク粘度が高くなり、適正な粘度範囲を超えてしまうことがある。

−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、又はフッ素系界面活性剤などが挙げられ、特に、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)から選択される少なくとも1種が好ましい。

ただし、前記一般式(I)中、Rは、アルキル基を表わす。hは3〜12の整数を表わす。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。

ただし、前記一般式(II)中、Rは、アルキル基を表わす。Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。

ただし、前記一般式(III)中、Rは炭化水素基を表わす。kは5〜20の整数を表わす。

ただし、前記一般式(IV)中、Rは炭化水素基を表わす。jは5〜20の整数を表わす。

ただし、前記一般式(V)中、Rは炭化水素基を表わす。L及びpは1〜20の整数を表わす。

ただし、前記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表わす。

以下、前記一般式(I)、及び一般式(II)の界面活性剤を具体的に遊離酸型で示す。
(I−1):CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH
(I−2):CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH
(I−3):CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH
(I−4):CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH

前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。

前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。

前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体的には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタインなどが挙げられる。

前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系(例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485あるいはTGなど)を用いることができるが、これらの中でも、特にサーフィノール465、104やTGが良好な印字品質を示す。
前記フッ素系界面活性剤としては、下記一般式(II−5)で表わされるものが好適である。

ただし、前記一般式(II−5)中、mは0〜10の整数を表わす。nは1〜40の整数を表わす。

前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、市販されているものを挙げると、サーフロンS−111,S−112,S−113,S121,S131,S132,S−141,S−145(旭硝子社製)、フルラードFC−93,FC−95,FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(住友スリーエム社製);メガファックF−470、F−1405、F474(大日本インク化学工業社製);ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(デュポン社製);エフトップEF−351、352、801、802(ジェムコ社製)等が挙げられる。これらの中でも、特に信頼性と発色向上に関して良好なゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(デュポン社製)が好適に使用できる。
前記表面張力としては、25℃で、25mN/m以下であることが好ましく、さらに望ましくは20mN/m以下であることが望ましい。

顔料定着剤としては、任意の樹脂エマルジョンが使用できる。
−樹脂エマルジョン−
前記樹脂エマルジョンは、樹脂微粒子を連続相としての水中に分散したものであり、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有しても構わない。
前記分散相成分としての樹脂微粒子の含有量(樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の含有量)は一般的には10〜70質量%が好ましい。また、前記樹脂微粒子の粒径は、特にインクジェット記録装置に使用することを考慮すると、平均粒径10〜1000nmが好ましく、20〜300nmがより好ましい。

前記分散相の樹脂微粒子成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられ、これらの中でも、アクリルシリコーン系樹脂が特に好ましい。

前記樹脂エマルジョンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販の樹脂エマルジョンとしては、例えば、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂エマルジョン、ローム・アンド・ハース製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン、東洋インキ製造株式会社製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂エマルジョン、御国色素社製)などが挙げられる。

前記樹脂エマルジョンにおける樹脂微粒子成分の前記インクにおける添加量としては、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、耐目詰まり性及び吐出安定性の向上効果が十分でないことがあり、50質量%を超えるとインクの保存安定性を低下させることがある。

また目的に応じ、紫外線硬化型樹脂を併用しても良い。
本発明で用いることのできる紫外線硬化型樹脂の具体例としては、例えば公知のアクリル系光重合性モノマーおよび/またはアクリル系光重合性オリゴマーを重合したものを挙げることができる。
このような光重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N’−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
また、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマーを用いることができる。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。

アクリル系光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化した後、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。

−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤などが挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。
該pH調製剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンなどが挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)等が挙げられる。

本発明のインク−メディアセットにおけるインクは、少なくとも水、着色剤、及び水溶性有機溶剤、湿潤剤、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、さらに必要に応じて攪拌混合して製造する。前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行なうことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうことができる。

前記インクの物性としては、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
前記粘度は、25℃で、5cps以上が好ましく、8〜20cpsがより好ましい。前記粘度が20cpsを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
前記表面張力としては、25℃で、25mN/m以下であることが好ましく、20〜25mN/mがより好ましい。前記表面張力が、20mN/m未満であると、記録用メディア上での滲みが顕著となり、安定したインクの吐出が得られないことがあり、26mN/mを越えると、記録用メディアへのインク浸透が十分に起こらず、ビーディングの発生や乾燥時間の長時間化を招くことがある。
前記pHとしては、例えば7〜10が好ましい。

前記インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行なうと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行なうと、フルカラー画像を形成することができる。

<添加剤、物性>
本発明の記録液を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類(B)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ−テル額;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。

また、浸透剤は記録液と被記録材の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤としては、下記式(I)〜(IV)で表わされるものが好ましい。すなわち、下記式(I)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、式(II)のアセチレングリコール系界面活性剤、下記式(III)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤ならびに式(IV)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤は、液の表面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透速度を高めることができる。

(Rは分岐していても良い炭素数6〜14の炭化水素鎖を表わす。kは5〜20を表わす。)

(m,nは0〜40を表わす。)

(Rは分岐してもよい炭素数6〜14の炭化水素鎖を表わす。nは5〜20を表わす。)

(Rは炭素数6〜14の炭化水素鎖を表わす。m、nは20以下の数を表わす。)

前記式(I)〜(IV)の化合物以外では、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類を用いることができるが、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。

本発明の記録液の表面張力は、25dyne/cm以下であることが好ましく、被記録材との濡れ性と液滴の粒子化の両立の観点からは23dyne/cm以下であることがさらに好ましい。
本発明の記録液の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましく、吐出安定性の観点からは3.0〜10.0cPであることがさらに好ましい。
本発明の記録液のpHは3〜11であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防止の観点からは6〜10であることがさらに好ましい。

本発明の記録液は防腐防黴剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を押さえることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。防腐防黴剤としてはベンゾトリアゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。

本発明の記録液は防錆剤を含有することができる。防錆剤を含有することによって、ヘッド等の接液する金属面に被膜を形成し、腐食を防ぐことができる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が使用できる。

本発明の記録液は酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を含有することによって、腐食の原因となるラジカル種が生じた場合にも酸化防止剤がラジカル種を消滅させることで腐食を防止することができる。酸化防止剤としては、フェノール系化合物類、アミン系化合物類が代表的であるがフェノール系化合物類としては、ハイドロキノン、ガレート等の化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系化合物が例示され、アミン系化合物類としては、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。また、後者としては、硫黄系化合物類、リン系化合物類が代表的であるが、硫黄系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が例示され、リン系化合物類としては、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールフォスファイト等が例示される。

本発明の記録液はpH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等を用いることができる。

既存の印刷用塗工紙とは、いわゆるアート紙(A0,A1)、A2コート紙、A3コート紙、B2コート紙、軽量コート紙、微塗工紙といった商業印刷・出版印刷に用いられている塗工紙のことであり、オフセット印刷、グラビア印刷等に用いられるものである。

具体的な商品としては、キャストコート紙として、ミラーコートプラチナ(王子製紙)、エスプリコートC(日本製紙)等が挙げられる。
アート紙としては、OK金藤N、OK金藤−R40N、SA金藤N、サテン金藤N、サテン金藤−R40N、ウルトラサテン金藤N、ウルトラOK金藤N、金藤片面(王子製紙)、NPi特アート、NPiスーパーアート、NPiスーパーダル、NPiダルアート(日本製紙)、ユトリロスーパーアート、ユトリロスーパーダル、ユトリロプレミアム(大王製紙)、高級アートA、特菱アート、スーパーマットアートA、高級ダルアートA(三菱製紙)、雷鳥スーパーアートN、雷鳥スーパーアートMN、雷鳥特アート、雷鳥ダルアートN(中越パルプ)等が挙げられる。

A2コート紙としては、OKトップコート+(プラス)、OKトップコートS、OKカサブランカ、OKカサブランカV、OKトリニティ、OKトリニティNaVi、ニューエイジ、ニューエイジW、OKトップコートマットN、OKロイヤルコート、OKトップコートダル、Zコート、OK嵩姫、OK嵩王、OK嵩王サテン、OKトップコート+、OKノンリンクル、OKコートV、OKコートNグリーン100、OKマットコートグリーン100、ニューエイジグリーン100、Zコートグリーン100(王子製紙)、オーロラコート、しらおいマット、インペリアルマット、シルバーダイヤ、リサイクルコート100、サイクルマット100(日本製紙)、ミューコート、ミューホワイト、ミューマット、ホワイトミューマット(北越製紙)、雷鳥コートN、レジーナ雷鳥コート100、雷鳥マットコートN、レジーナ雷鳥マット100(中越パルプ工業)、パールコート、ホワイトパールコートN、ニューVマット、ホワイトニューVマット、パールコートREW、ホワイトパールコートNREW、ニューVマットREW、ホワイトニューVマットREW(三菱製紙)等が挙げられる。

A3コート(軽量コート)紙としては、OKコートL、ロイヤルコートL、OKコートLR、OKホワイトL、OKロイヤルコートLR、OKコートLグリーン100、OKマットコートLグリーン100(王子製紙)、イースターDX、リサイクルコートL100、オーロラL、リサイクルマットL100、<SSS>エナジーホワイト(日本製紙)、ユトリロコートL、マチスコート(大王製紙)、ハイ・アルファ、アルファマット、(N)キンマリL、キンマリHiL(北越製紙)、NパールコートL、NパールコートLREW、スイングマットREW(三菱製紙)、スーパーエミネ、エミネ、シャトン(中越パルプ工業)等が挙げられる。

B2コート(中質コート)紙としては、OK中質コート、(F)MCOP、OKアストログロス、OKアストロダル、OKアストロマット(王子製紙)、キングO(日本製紙)等が挙げられる。

微塗工紙としては、OKロイヤルライトSグリーン100、OKエバーライトコート、OKエバーライトR、OKエバーグリーン、クリーンヒットMG、OK微塗工スーパーエコG、エコグリーンダル、OK微塗工マットエコG100、OKスターライトコート、OKソフトロイヤル、OKブライト、クリーンヒットG、やまゆりブライト、やまゆりブライトG、OKアクアライトコート、OKロイヤルライトSグリーン100、OKブライト(ラフ・ツヤ)、スノーマット、スノーマットDX、OK嵩姫、OK嵩ゆり(王子製紙)、ピレーヌDX、ペガサスハイパー8、オーロラS、アンデスDX、スーパーアンデスDX、スペースDX、セーヌDX、特グラビアDX、ペガサス、シルバーペガサス、ペガサスハーモニー、グリーンランドDX100、スーパーグリーンランドDX100、<SSS>エナジーソフト、<SSS>エナジーライト、EEヘンリー(日本製紙)、カントエクセル、エクセルスーパーB、エクセルスーパーC、カントエクセルバル、ユトリロエクセル、ハイネエクセル、ダンテエクセル(大王製紙)、コスモエース(大昭和板紙)、セミ上L、ハイ・ベータ、ハイ・ガンマ、シロマリL、ハミング、ホワイトハミング、セミ上HiL、シロマリHiL(北越製紙)、ルビーライトHREW、パールソフト、ルビーライトH(三菱製紙)、シャトン、ありそ、スマッシュ(中越パルプ工業)、スターチェリー、チェリースーパー(丸住製紙)等が挙げられる。

また特殊なコート紙として、既に本特許の条件を満たしているものならば本発明のメディアとして代用することができる。例えば一部の電子写真向けコート紙や、グラビア印刷用コート紙が挙げられる。具体的にはPODグロスコート(王子製紙)やスペースDX(日本製紙)、エース(日本製紙)等が挙げられる。これらはコート層の細孔容積が適切であり、本発明のメディアとして使用可能である。

<プリンタ>
本発明のインク−メディアセットにおけるインクは、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。

以上説明したように、前記インク−メディアセットにおける記録用メディアは、前記インク−メディアセットにおけるインクと組み合わせて用いられる。該記録用メディアとインクとの組み合わせは、各種分野において好適に使用することができ、インクジェット記録方式による画像記録装置(プリンタ等)において好適に使用することができ、例えば、以下の本発明のインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法に特に好適に使用することができる。

(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インク−メディアセットにおけるインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。

次に、インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図2は図1のインクカートリッジのケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ(200)は、図1に示すように、インク注入口(242)からインク袋(241)内に充填され、排気した後、該インク注入口(242)は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口(243)に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋(241)は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋(241)は、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース(244)内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インク−メディアセットにおけるインクを収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。

(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行なうことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行なうことができる。

−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
前記インク飛翔工程は、本発明の前記インク−メディアセットにおけるインクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記インク−メディアセットにおける記録用メディアに画像を記録する工程である。
前記インク飛翔手段は、本発明の前記インク−メディアセットにおけるインクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記インク−メディアセットにおける記録用メディアに画像を記録する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズルなどが挙げられる。
本発明においては、該インクジェットヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材の少なくとも一部がシリコン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。
また、インクジェットノズルのノズル径は、30μm以下が好ましく、1〜20μmが好ましい。
また、インクジェットヘッド上にインクを供給するためのサブタンクを有し、該サブタンクにインクカートリッジから供給チューブを介してインクが補充されるように構成することが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法では、300dpi以上の解像度において、最大インク付着量が8〜20g/mであることが好ましい。

前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等が挙げられる。

前記インク−メディアセットにおけるインクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記記録用インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記記録用インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。

前記飛翔させる前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、1〜40plとするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5〜20m/sとするのが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましく、その解像度としては300dpi以上とするのが好ましい。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。

本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体(101)と、装置本体(101)に装着した用紙を装填するための給紙トレイ(102)と、装置本体(101)に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ(103)と、インクカートリッジ装填部(104)とを有する。インクカートリッジ装填部(104)の上面には、操作キーや表示器などの操作部(105)が配置されている。インクカートリッジ装填部(104)は、インクカートリッジ(200)の脱着を行なうための開閉可能な前カバー(115)を有している。

装置本体(101)内には、図4及び図5に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド(131)とステー(132)とでキャリッジ(133)を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図5で矢示方向に移動走査する。

キャリッジ(133)には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の記録用インク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド(134)を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド(134)を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを記録用インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ(133)には、記録ヘッド(134)に各色のインクを供給するための各色のサブタンク(135)を搭載している。サブタンク(135)には、図示しない記録用インク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部(104)に装填された本発明のインクカートリッジ(200)から本発明の前記メディアセットにおけるインクが供給されて補充される。

一方、給紙トレイ(102)の用紙積載部(圧板)(141)上に積載した用紙(142)を給紙するための給紙部として、用紙積載部(141)から用紙(142)を1枚づつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ(143)に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド(144)を備え、この分離パッド(144)は給紙コロ(143)側に付勢されている。

この給紙部から給紙された用紙(142)を記録ヘッド(134)の下方側で搬送するための搬送部として、用紙(142)を静電吸着して搬送するための搬送ベルト(151)と、給紙部からガイド(145)を介して送られる用紙(142)を搬送ベルト(151)との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ(152)と、略鉛直上方に送られる用紙(142)を略90°方向転換させて搬送ベルト(151)上に倣わせるための搬送ガイド(153)と、押さえ部材(154)で搬送ベルト(151)側に付勢された先端加圧コロ(155)とが備えられ、また、搬送ベルト(151)表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ(156)が備えられている。

搬送ベルト(151)は、無端状ベルトであり、搬送ローラ(157)とテンションローラ(158)との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト(151)は、例えば、抵抗制御を行なっていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行なった裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト(151)の裏側には、記録ヘッド(134)による印写領域に対応してガイド部材(161)が配置されている。なお、記録ヘッド(134)で記録された用紙(142)を排紙するための排紙部として、搬送ベルト(151)から用紙(142)を分離するための分離爪(171)と、排紙ローラ(172)及び排紙コロ(173)とが備えられており、排紙ローラ(172)の下方に排紙トレイ(103)が配されている。

装置本体(101)の背面部には、両面給紙ユニット(181)が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット(181)は、搬送ベルト(151)の逆方向回転で戻される用紙(142)を取り込んで反転させて再度カウンタローラ(152)と搬送ベルト(151)との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット(181)の上面には手差し給紙部(182)が設けられている。

このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙(142)が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙(142)は、ガイド(145)で案内され、搬送ベルト(151)とカウンタローラ(152)との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド(153)で案内されて先端加圧コロ(155)で搬送ベルト(151)に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ(156)によって搬送ベルト(157)が帯電されており、用紙(142)は、搬送ベルト(151)に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ(133)を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド(134)を駆動することにより、停止している用紙(142)にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙(142)を所定量搬送後、次行の記録を行なう。記録終了信号又は用紙(142)の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙(142)を排紙トレイ(103)に排紙する。
そして、サブタンク(135)内の記録用インクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ(200)から所要量の記録用インクがサブタンク(135)に補給される。

このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ(200)中の記録用インクを使い切ったときには、インクカートリッジ(200)における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ(200)は、縦置きで前面装填構成としても、安定した記録用インクの供給を行なうことができる。したがって、装置本体(101)の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したり、あるいは装置本体(101)の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ(200)の交換を容易に行なうことができる。

なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。

次に、本発明を適用したインクジェットヘッドについて説明する。
図6は本発明を適用したインクジェットヘッドの要素拡大図、図7は同ヘッドのチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
このインクジェットヘッドは、図示してないインク供給口(図6の表面方向から奥方向(紙の裏面方向)に向かってインクを供給する)と共通液室(12)となる彫り込みを形成したフレーム(10)と、流体抵抗部(21)、加圧液室(22)となる彫り込みとノズル(31)に連通する連通口(23)を形成した流路板(20)と、ノズル(31)を形成するノズル板(30)と、凸部(61)、ダイヤフラム部(62)およびインク流入口(63)を有する振動板(60)と、振動板(60)に接着層(70)を介して接合された積層圧電素子(50)と、積層圧電素子(50)を固定しているベース(40)を備えている。ベース(40)はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層圧電素子(50)を2列配置して接合している。
積層圧電素子(50)は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層(51)と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層(52)とを交互に積層している。内部電極層(52)は両端で外部電極(53)に接続する。
積層圧電素子(50)はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部(56)と支持部(57)(非駆動部)として使用(図7)する。
2つの外部電極(53)のうち一方(図の表面方向又は奥方向(紙の裏面方向)で内部電極層(52)の一端に連なる)の外側端はハーフカットのダイシング加工で分割されるように、切り欠き等の加工により長さを制限しており、これらは複数の個別電極(54)となる。他方はダイシングでは分割されずに導通しており、共通電極(55)となる。
駆動部の個別電極(54)にはFPC(80)が半田接合されている。また、共通電極(55)は積層圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPC(80)のGnd電極に接合している。FPC(80)には図示しないドライバICが実装されており、これにより駆動部(56)への駆動電圧印加を制御している。

振動板(60)は、薄膜のダイヤフラム部(62)と、このダイヤフラム部(62)の中央部に形成した駆動部(56)となる積層圧電素子(50)と接合する島状凸部(アイランド部)(61)と、図示してない支持部に接合する梁を含む厚膜部と、インク流入口(63)となる開口を電鋳工法によるNiメッキ膜を2層重ねて形成している。ダイヤフラム部の厚さは3μm、幅は35μm(片側)である。
この振動板(60)の島状凸部(61)と積層圧電素子(50)の可動部(56)、振動板(60)とフレーム(10)の結合は、ギャップ材を含んだ接着層(70)をパターニングして接着している。

流路板(20)はシリコン単結晶基板を用いて、流体抵抗部(21)、加圧液室(22)となる彫り込み、およびノズル(31)に対する位置に連通口(23)となる貫通口をエッチング工法でパターニングした。
エッチングで残された部分が加圧液室(22)の隔壁(24)となる。また、このヘッドではエッチング幅を狭くする部分を設けて、これを流体抵抗部(21)とした。

ノズル板(30)は金属材料、例えば電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもので、インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル(31)を多数を形成している。このノズル(31)の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい)に形成している。また、このノズル(31)の径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmである。また各列のノズルピッチは150dpiとした。
インク供給口と共通液室(12)となる彫り込みを形成するフレーム(10)は樹脂成形で作製している。

このように構成したインクジェットヘッドにおいては、記録信号に応じて駆動部(56)に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、駆動部(56)に積層方向の変位が生起し、ノズル板(30)を介して加圧液室(22)が加圧されて圧力が上昇し、ノズル(31)からインク滴が吐出される。
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室(22)内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室(22)内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンクから供給されたインクは共通液室(12)に流入し、共通液室(12)からインク流入口(63)を経て流体抵抗部(21)を通り、加圧液室(22)内に充填される。
流体抵抗部(21)は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果がある反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。

本発明で用いることができるヘッドのノズル面は撥水性を有する材料でコーティングされていても良い。コーティングされていることによって、汚れの原因となる液体が弾かれ、液体がノズル面に付着することが抑制される。このため、汚れが固化することによって生じる粒によりオリフィスや吐出口が閉塞されることが防がれる。仮に付着したとしても、その結合力は弱い。
また、インクの表面張力が低い場合、一般的なノズル面ではノズル近傍までインクが拡がってしまい正常なメニスカスが形成されない場合がある。このような状態ではインクの吐出曲がりが生じたり、不吐出が生じたりしてしまう。しかし、ノズル面が撥水性を有する材料でコーティングされていれば、インクはノズル近傍に拡がらずにノズル内に留まるため、正常な吐出ができる。

撥水材膜の形成は、真空下での蒸着であっても良いし、適当な溶媒に溶解させて塗布しても良い。前者について言えば、例えば、真空排気ポンプにて真空槽内を所定の真空度まで排気したのち、撥水性材料を400℃で気化せしめて真空槽に導入し、真空雰囲気を調整するとともに、高周波電源から放電電極に電力を供給してRFグロー放電を起こさせ、プラズマ雰囲気下に前記液体吐出ヘッドのオリフィス面を表面処理して、オリフィス面上に前記撥水膜を形成することができる。なお、材料および、真空槽内の真空度によっては、常温〜200℃程度の低温での撥水膜を形成することも可能である。また、後者について言えば、例えば、撥水性材料を有機溶剤に溶解させ、ワイヤーバーやドクターブレードなどの治具でコーティングすることができるし、スピンコーターによって回転塗布することもできるし、スプレーによって塗布することもできるし、塗工液を満たした容器に浸漬塗工(ディッピング)することもできる。

撥水性材料としては、フッ素原子を有する有機化合物、特にフルオロアルキル基を有する有機物、ジメチルシリキサン骨格を有する有機ケイ素化合物等が使用できる。
フッ素原子を有する有機化合物としては、フルオロアルキルシラン、フルオロアルキル基を有するアルカン、カンボン酸、アルコール、アミン等が望ましい。具体的には、フルオロアルキルシランとしては、ヘプタデカフルオロ−1、1、2、2−テトラハイドロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1、1、2、2−テトラハイドロトリクロオシラン;フルオロアルキル基を有するアルカンとしては、オクタフルオロシクロブタン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオローnーヘキサン、パーフルオローn−ヘプタン、テトラデカフルオロ−2−メチルペンタン、パーフルオロドデカン、パーフルオロオイコサン;フルオロオアルキル基を有するカルボン酸としては、パーフルオロデカン酸、パーフルオロオクタン酸;フルオロアルキル基を有するアルコールとしては、3、3、4、4、5、5、5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノール;フルオロアルキル基を有するアミンとしては、ヘプタデカフルオロ−1、1、2、2−テトラハイドロデシルアミン等が挙げられる。ジメチルシロキサン骨格を有する有機ケイ素化合物としては、α,w−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α、w−ビス(3−グリシドキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,w−ビス(ビニル)ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。

また、別の撥水性材料として、シリコン原子を有する有機化合物、特にアルキルシロキサン基を有する有機化合物が使用できる。
アルキルシロキサン基を有する有機化合物としては、含アルキルシロキサンエポキシ樹脂組成物を構成する分子中にアルキルシロキサン基、及び環状脂肪族エポキシ基を2個以上有する含アルキルシロキサンエポキシ樹脂としては、例えば、下記の一般式(a)及び(b)で表わされる構造単位を含む高分子材料(A)が挙げられる。

上記のような構造を有する化合物は他の撥水性材料と併用する際にバインダーとしての機能も果たす。つまり、撥インク性の組成物の塗布適性を高め、溶剤蒸発後の乾燥性を高める乾燥塗膜としての作業性を向上させる機能も与える。
撥水膜の膜厚は、5μm以下が好ましく、より好ましくは2μm以下である。膜厚が5μmを超える場合、塗膜の乾燥が遅くなり生産性が悪くなったり、機械的耐久性が損なわれる場合があり、ワイピングしたときに剥がれが生じる恐れがある。

<作像方式>
本発明で使用する画像処理方法は、特に限定はしないが、解像度が高い元画像を高速に転送し、しかも、元画像の解像度を損なわずに印字することが望ましい。本発明ではコンピュータ等の制御部で画像データを圧縮し、高速でプリンタに転送し、プリンタ側で簡易な画像復元を行なう手法をもって、高速転送と解像度の維持を確保することができる。
以下、具体的に説明する。
記録したい画像の解像度が高ければ、また、画像の階調数が高次の場合、入力画像の容量が大きくなり、記録装置への転送をはじめ、記録する画像を扱うホスト側においても、記録装置内においても時間がかかる。そこで、本発明では、入力画像の、例えば、2×2の4画素を一つの画素と見立てる。それにより、入力画像の情報量は4分の1になり、必然的に、記録に要する時間が短縮される。なお、入力画像の2×2画素を一つの画素と見立てることで、解像度に関して縮小されることになるが、その防止策については、後述する。

一方、複数の記録素子を集積配列してなる記録素子列を使用する場合、例えば、図15に示す、16個の記録素子列を主走査方向に配置したインクジェット記録素子列を用いて、4回のマルチパスによる記録を行なうことで、記録媒体の同一画素を記録可能な記録素子は、図15の記録素子列の内、一列(6−a)で説明すると、記録素子a−1−1,a−2−1,a−3−1,a−4−1の計4個から選択することができる。
上述したように、同一画素に複数のインクドットを形成する記録方法では、図15に示す記録素子列を例にとると、同一画素に2個のインクドットを記録する場合、=6通りの組み合わせをとることができる。
さらに、複数の濃淡インクを使用する場合や、複数の同一濃度のインクを吐出する記録素子列を用いる場合、記録素子から大ドット、小ドットといったインク滴容量の異なるインクを吐出する場合には、上述した組み合わせは増加していく。例えば、濃インクの記録媒体上での光学濃度が、淡インクの実質的に2倍の濃度を示すような濃淡インクの組み合わせや、大ドットの容量が小ドットのおよそ2倍の組み合わせを用いるときは、以下のようになる。

図16は、淡インク(Aインク)の大小ドットを記録可能な記録素子列(6−a,6−b)と、濃インク(Bインク)の大小ドットを記録可能な記録素子列(6−c,6−d)からなるインクジェット記録素子列を示している。ここで、最も多くインク滴を、実質的に同一画素に着弾させる制限を、最大で大ドット2発、小ドット2発とした場合、表現できる階調値は、多種多様な組み合わせをとる。
どの記録素子を使用して、その画素に記録するかの組み合わせを考慮すると、例えば、ある階調値を再現する際、記録素子列が、4回、記録画素上を通過するとした場合、どのパスで、どのインクドットを記録するかの組み合わせは、多数存在することになる。そこで、本発明では、どのノズルを駆動させるかという組み合わせをテーブル(記録素子組み合わせテーブル:第2テーブル)として記憶しておき、入力画像に応じて、その組み合わせを選択するという手法をとる。
ここでは、上述した多数の記録素子組み合わせテーブルより、濃淡インクを記録するドット数と、どの記録素子により記録するかを一元的に管理することで、実際に使用する一連の記録素子組み合わせを選択する。
なお、記録素子組み合わせテーブルは、インクの濃度の種類、インクの滴サイズの種類、記録素子の数、マルチパスのパス数が増すごとに、選択しうる組み合わせ数が膨大になるので、実際は、いくつかの限られた数の組み合わせを記憶しておくのが望ましく、そうすることが、画像記録の高速化に貢献する。その際、インクの総量が本発明の制限を満たすよう組み合わせを制限しておくこともできる。

図18は、このように記憶された記録素子の組み合わせパターンの一例であり、同図のa〜oに示すように、2×2画素の内部で、同じ階調値を記録する場合でも、各単位画素ごとに見ると、その階調値が大きかったり、小さかったりすることが分かる。これを記録画素内の濃度分布(記録画素の濃度分布パターン)と称する。
記録画素内の濃度分布を、上述した記録インク組み合わせテーブル(第1テーブル)と併せて、例えば、図18に示す分類a〜oで、その記録インク組み合わせテーブルに格納する。図18は、このようにして作成した記録インク組み合わせテーブル(第1テーブル)の例であり、ここでは簡略のため、5パターン(パターン1〜5)にしてある。図19に示す数値は、2×2の記録画素に、最大16発のインク滴を記録する場合の各パターンを構成する、単位画素へ記録するインク滴の数である。
入力画像の画素値から、記録インク組み合わせテーブルのいずれを使用するかの選択をすることで、入力画像の単位画素の階調値と、記録画像の単位画素の階調値が、組み合わせテーブルによって一致させることができない場合も生じる。しかし、階調が多少、異なることがあっても、入力画像の情報量を低減させて画像データを展開することができ、なおかつ、解像性を犠牲にせずに、画像記録を行なえる。

なお、入力画像の画素の階調値から、記録インク組み合わせテーブルのパターンを選択する方法については、特に限定しないが、例えば、以下の方法を挙げることができる。
入力画像の2×2画素の階調値の合計と平均から、着目する単位画素(例えば、2×2画素の左上の画素)が、一定値以上、離れている場合、2×2の4画素の特徴に応じたパターンを選択する。しかし、注目する画素が、上記平均値と一定値以上、離れていない場合には、他の3画素も離れていないと予想する、といった方法がある。
このようにして選択された一連の記録素子組み合わせパターンの中から、入力画像に基づいて、各画素毎に、使用する階調値および記録素子組み合わせを決定することになる。そして、ほぼ同一濃度となる階調値の組み合わせ、パターン、および記録素子組み合わせが複数、存在する場合、より具体的には、A,B,Cという3種類の組み合わせが、ほぼ同一の階調値となる場合、その階調値を表現する際には、画素ごとに順次、ABCABCABC…というように、3種類の記録素子組み合わせを使用する。
あるいは、ACBCBABBCAA…というように、3種類の記録素子組み合わせをランダムに使用することが好ましい。なお、このランダム化の方法は、特に限定しない。

次に、本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成および動作について説明する。なお、ここでは、600dpiの高精細な白黒256階調の医療用X線透過画像を、黒のインクを使用し、かつ、一単位画素に最大4つのインク滴を着弾可能で、一記録画素を2×2の4単位画素で構成して、記録画素内において最大8つのインク滴を着弾できる場合を説明する。

図9は本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
図中、(1)は画像入力部、(2)は操作部、(3)は各種処理を行なう中央制御部(CPU)、(4)は各種データを記憶する記憶媒体で、テーブル形式の記録素子組み合わせ情報(4a)と各種制御プログラム群(4b)が格納されている。また、(5)はRAM、(6)は画像処理部、(7)は画像出力制御を行なうプリンタ制御部、(8)は各種構成要素を相互に接続する各種データを転送するバス部(バスライン)である。
画像入力部(1)は、例えば、スキャナやデジタルカメラ等で構成される。操作部(2)は、各種パラメータの設定や記録開始を指示する各種キーを備えている。CPU(3)は、記憶媒体(4)中の各種プログラムに従って、本インクジェット記録装置全体を制御する。
記憶媒体(4)には、制御プログラムやエラー処理プログラムに従って、本インクジェット記録装置を動作させるためのプログラム等が格納されている。このインクジェット記録装置の動作は、全て、このプログラムによる動作である。プログラムを格納する記録媒体(4)としては、例えば、ROM,FD,CD−ROM,HD,メモリカード,光磁気ディスク等を用いることができる。
RAM(5)は、記憶媒体(4)中の各種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア、および画像処理時のワークエリアとして用いられる。また、RAM(5)は、記録媒体(4)中の各種テーブルをコピー後、そのテーブルの内容を変更し、変更後のテーブルを参照しながら、所定の画像処理を進めることも可能である。
画像処理部(6)は、入力画像をもとに、インクジェット方式で多階調を実現するための吐出パターンを作成する。プリンタ部(7)は、画像記録時に画像処理部(6)で作成された吐出パターンに基づいて、ドット画像を形成する。また、バスライン(8)は、本インクジェット記録装置内のアドレス信号、データ、制御信号等を伝送する。

上述した記録素子組み合わせ情報(4a)には、さらに、使用するインクに関するデータが蓄積されている。ここで使用するインクは、1種類であるが、後述するように、同系色で濃度の異なるインクドットを記録する目的で、淡インク、濃インクを用意してもよく、多くの階調値を再現するのに有用である。
これらインクを用いて、1単位画素を最大4つのインクドットで形成するとした場合、例えば、単位画素を2×2配列した4単位画素からなる記録画素で表わすことのできる記録インク組み合わせテーブルは、多岐に渡る。そこで、本実施形態では、これらの中から、各階調値ごとに、2×2のマトリクスの左上の濃度が高く偏っているパターン、右上が偏っているパターンという4種類と、偏りの少ないパターンの計5種類ずつ、記録画素単位に8+1値で、計144+1個の記録インク組み合せテーブルを使用する。

図10〜図12は本実施形態に係る記録インク組み合せテーブル(第2テーブル)を示している。
図中の記載数字の内、「1」は、インク滴の吐出を意味する。また、便宜上、これらのテーブル中、2×2のマトリクスの位置に関する情報として、左上、右上、左下、右下の画素を、それぞれ順番にLU,RU,LL,RLとし、その単位画素が、他の単位画素よりも濃度が高く偏っているインク組み合わせテーブルのグループを濃度パターンとして表記した。
上記濃度レベルは、1画素に対して吐出したインク数と、インクの色素含有量の合計とに完全に比例するものではないが、概ね、特に低濃度部分の反射の記録媒体や、透過の記録媒体では、実用上、問題はない。

図10は本実施形態に係るインクジェット記録装置における画像処理の流れを示すフローチャートである。
以下、これらの図10〜図13を参照して、本実施形態に特有の画像処理について説明する。
図10〜図12に示す記録素子組み合わせテーブルを使用する場合、図10のステップ(S101)で入力した256階調の入力画像は、その階調数を2+1値(/600dpi)に変換する必要がある。そこで、図9の画像処理部(6)で、2+1値の多値誤差拡散の処理を行なう(ステップS102,ステップS103)。
なお、ここでは、この処理に多値誤差拡散法を使用するが、かかる方法に限定されるものではなく、例えば、平均濃度保存法、ディザマトリックス法等、任意の中間調処理方法を使用することができる。
多値誤差拡散法が、通常の誤差拡散法と大きく異なる点は、2値化するためのしきい値が、複数個(ここでは、2個)存在することである。これらのしきい値は、通常、階調値の中点として決定してもよい。

多値化処理されたデータは、画像処理部(6)において、記憶媒体(4)内の記録素子組み合わせ情報(4a)を参照しながら、より具体的には、図10〜図12の記録インク組み合わせに従って、各記録素子に対して、吐出/非吐出の駆動信号に分配される。ここでは、もとの画像データが600dpiであるから、多値化されたデータは、600dpiで2+1値、つまり、「0」、「1」、「2」の3値を有している(図13のステップS103)。
そこで、ステップ(S104)において、着目する記録画素の平均値と左上ドットとに差があるかどうかを判定する。例えば、着目する2×2の記録画素((I1,J1)と表現する)について、左上の単位画素(i1,j1)の階調値が2、右上の単位画素(i1+1,j1)が1、左下の単位画素(i1,j1+1)が1、右下の単位画素(i1+1,j1+1)が0の場合について説明する。この場合、濃度傾斜情報は、左上の濃度が高いので、図18に示す階調の「a」に相当する、「LU」の濃度パターンを選択する(ステップS105,ステップS110)。
また、この2×2の記録画素自体の階調値は、4/8であるから、図11に示す濃度4(階調値4)の記録素子組み合わせ情報の内、濃度傾斜情報が「LU」のパターン情報(つまり、No.45〜48の組み合わせ)に基づいて、データを分配することが決定される。実際には、これら4組の組み合わせの中から、順次、あるいはランダムに選択する(ステップS115,ステップS116)。
以上の処理を行なうことによって、注目した記録画素一画素分の処理が終了する。続く2×2の記録画素(I2,J2)についても同様の処理を行なう。
すなわち、その記録画素の左上の単位画素(i2,j2)の階調値が2、右上の単位画素(i2+1,j2)が2、左下の単位画素(i2,j2+1)が2、右下の単位画素(i2+1,j2+1)が1のとき、その濃度傾斜情報は、図18に示す階調の「l」に当たる。このパターンは、必ずしも上記LU,RU,LL,RLのいずれかに属すると判定し難いので、ここでは簡略のため、「AVE」を選択する(ステップS114)。
また、この記録画素の階調値は8/8であるから、図12に示す濃度8(階調値8)の記録素子組み合わせ情報から、濃度傾斜情報が「AVE」のパターン情報(つまり、No.141〜144の組み合わせ)に基づき、データを分配することが決定される(ステップS115,S116)。
他の記録画素についても同様に、その画像の濃度データをもとに、上述した処理を全画素数分、繰り返すことにより、それぞれの記録素子列に対する各画素ごとの吐出/不吐出の、2値の駆動信号が形成される(ステップS120〜ステップS123)。

図14は、マルチ(4)パス記録方式を示しており、Aインクを吐出する記録素子列を持つ記録ヘッド(6−a)、Aインクを吐出する記録素子列を持つ記録ヘッド(6−b)、Bインクを吐出する記録素子列を持つ記録ヘッド(6−c)、Bインクを吐出する記録素子列を持つ記録ヘッド(6−d)によって、各パスの記録を行なう。
本実施形態では、上述したように、順次、全画素を処理し、図15,図16,図17の記録素子列を有するインクジェット記録装置によって、4パス記録で記録する。
以上説明したように、本実施形態によれば、入力画像の隣接する単位画素を合体させた領域を記録画素とし、その記録画素ごとに、あらかじめ決めた、入力画像に応じた階調値パターンを選択することで、入力画像の解像性を落とさずに、画像データの情報量を約4分の1に減じることができ、画像記録の高速化、および制御部(CPU)に対する負担を低減することができる。

また、少なくとも同一単位画素に2重のインク滴を記録したり、少なくとも大小2種のドット径によるインク滴を記録したり、同系色について少なくとも濃淡2種のインク滴を記録するインクジェット記録方法であって、記録画像の構成単位である記録画素を構成するいくつかの単位画素に、必要に応じて単一もしくは複数のインク滴を吐出して記録する画像記録方法においては、複雑な画像処理を行なうことなく、パターン化された吐出、非吐出の駆動信号の制御データを扱うこととなるので効果的である。

さらに、記録素子組み合わせ情報を、同一な階調値について複数用意し、順次、あるいはランダムに、異なる記録素子組み合わせ情報に応じて記録することで、各種のインクが、同一の記録素子からしばらくの間吐出されないといった状況が減り、同時に、ある一定面積以上を同一の記録素子からインクドットを形成するという状況もなくなり、記録ヘッドを交換した場合においても、特性の変化を抑えることができ、積極的かつ効果的に記録素子の特性のばらつきに対処できる。
また、単純な信号処理アルゴリズムで、より高速、簡易な処理によって、階調性が良好で、「よれ」等による劣化の少ない画像を得ることができ、情報として低解像度データで記録しても、良好な階調画像を得ることができる。
なお、総量規制の方法は特に限定しないが、入力されたRGB信号をCMYKに変換する際、CMYKの総和が一定量を超えている場合には、一定量に納まるようにCMYK値を補正し、上記γテーブルを使用してγ変換を行なうことで可能である。総量規制処理部とγテーブルは順序を逆にすることもできる。

(インク記録物)
本発明のインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明のインク記録物である。本発明のインク記録物は、本発明の前記インク−メディアセットにおける記録用メディア上に前記インク−メディアセットにおけるインクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。

以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
<顔料インクの調整>
(製造例1)
−銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃にて1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。次に、ポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は15000であった。
次に、得られたポリマー溶液28g、銅フタロシアニン顔料26g、1mol/L水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを十分に攪拌した。その後、3本ロールミル(株式会社ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0質量%の青色のポリマー微粒子分散体160gを得た。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。

(製造例2)
−ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
製造例1において、銅フタロシアニン顔料を顔料ピグメントレッド122に変更した以外は、製造例1と同様にして、赤紫色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は127nmであった。

(製造例3)
−モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
製造例1において、銅フタロシアニン顔料を顔料ピグメントイエロー74に変更した以外は、製造例1と同様にして、黄色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は76nmであった。

(製造例4)
−カーボンブラック分散液の調製−
市販のpH2.5の酸性カーボンブラック(キャボット社製、商品名:モナーク1300)300gを水1000ミリリットルに良く混合した。その後、次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、100〜105℃にて8時間撹拌した。この液に更に次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)100gを加え、横型分散機で3時間分散した。得られたスラリーを水で10倍に希釈し、水酸化リチウムにてpHを調整し、電導度0.2mS/cmまで限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。遠心処理により粗大粒子を除き、さらに1μmのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック分散液とした。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は95nmであった。

(製造例5)
−カーボンブラックのポリマー微粒子分散体の調製−
製造例1において、銅フタロシアニン顔料をカーボンブラック(デグサ社製、FW100)に変更した以外は、製造例1と同様にして、黒色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は104nmであった。

(製造例6)
−ジアゾ化合物処理したカーボンブラック分散体の調製−
表面積が230m/gであり、かつDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック100gと、p−アミノ−N−安息香酸34gとを水750gに混合分散し、これに硝酸16gを滴下して70℃で撹拌した。5分後、50gの水に11gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加え、更に1時間撹拌した。得られたスラリーを10倍に希釈し遠心処理し粗大粒子を除き、pHをジエタノールアミンにて調整しpH8〜9とし、限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散体とし、ポリプロピレンの0.5μmフィルターにてろ過してカーボンブラック分散体とした。マイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は99nmであった。

(製造例7)
−スルホン化剤処理したカーボンブラック分散体の調製−
市販のカーボンブラック顔料(デグサ社製、「プリンテックス#85」)150gをスルホラン400ml中に良く混合し、ビーズミルで微分散後、アミド硫酸15gを添加して140〜150℃で10時間攪拌した。得られたスラリーをイオン交換水1000ml中に投入し、12000rpmで遠心分離機により表面処理カーボンブラックウエットケーキを得る。このカーボンブラックウエットケーキを2000mlのイオン交換水中に再分散し、水酸化リチウムにてpHを調整し、限外濾過膜により脱塩濃縮し顔料濃度10質量%のカーボンブラック分散体とした。このものを1μmのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック体とした。平均粒子径は80nmであった。

次に、上記製造例1〜7で得たポリマー微粒子分散体及びカーボンブラック分散液を用いてインク組成物を製造した。
(製造例8)
−シアンインク組成物1の調製−
製造例1の銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール23.0質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。
得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。粘度の測定は、粘度測定装置(東機産業社製、R500回転粘度計)を用いて、25℃で行なった。

(製造例9)
−マゼンタインク組成物1の調製−
製造例2のジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン9.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。
得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。

(製造例10)
−イエローインク組成物1の調製−
製造例3のモノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール24.5質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。
得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。

(製造例11)
−ブラックインク組成物1の調製−
製造例7のカーボンブラック分散液20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン7.5質量%、2−ピロリドン2.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、R−(OCHCHOH(ただし、式中、Rは炭素数12のアルキル基、n=9)2.0質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、及び2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。
得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。

−染料インクの調製−
(製造例12)
下記に示す各成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルター(商品名:住友電工(株)製)を用いて加圧濾過し染料インクセットを調整した。
<染料インク組成>
染料種
イエロー:C.I.ダイレクトイエロー86
シアン:C.I.ダイレクトブルー199
マゼンタ:C.I.Acid Red 285
ブラック:C.I.ダイレクトブラック154
処方
染料:4部
グリセリン:7部
チオジグリコール:7部
尿素:7部
アセチレングリコール:1.5部
水:73.5部
得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は4mPa・s、表面張力は約35dyne/cmであった。

<原紙製造>
(製造例13)
−支持体1の作製−
・LBKP・・・80質量部
・NBKP・・・20質量部
・軽質炭酸カルシウム
(商品名:TP−121、奥多摩工業株式会社製)・・・10質量部
・硫酸アルミニウム・・・1.0質量部
・両性澱粉(商品名:Cato3210、日本NSC株式会社製)・・・1.0質量部
・中性ロジンサイズ剤
(商品名:NeuSize M−10、ハリマ化成株式会社製)・・・0.3質量部
・歩留まり向上剤(商品名:NR−11LS、ハイモ社製)・・・0.02質量部
上記配合の0.3質量%スラリーを長網抄紙機で抄造し、マシンカレンダー仕上げをして坪量79g/mの支持体1を作製した。なお、抄紙工程のサイズプレス工程で、酸化澱粉水溶液を固形分付着量が片面当り、1.0g/mになるように塗布した。

(実施例1)
作製した支持体1に、顔料として粒子径2μm以下の割合が97重量%のカオリン70部、平均粒子径1.1μmの重質炭酸カルシウム30部、接着剤として、ガラス転移温度(Tg)が−5℃のスチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン8部、リン酸エステル化澱粉1部、助剤としてステアリン酸カルシウム0.5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度60%の塗工液を調整した。
この塗工液を上記の原紙に片面当り塗工層厚みが1μmになるように、ブレードコーターを用いて両面塗工し、熱風乾燥後、スーパーカレンダー処理を行い、本発明の記録用紙1を得た。
この記録用紙に製造例1〜11にて製造したインク組成物からなる黒、イエロー、マゼンタ、シアン、インクセット1を調製し、得られたインクセット1と、記録用メディアとして記録用紙1とを用いて、300dpi、ノズル解像度384ノズルを有するドロップオンデマンドプリンタ試作機を使用し、画像解像度600dpiにて印字を行なった。最大滴サイズは18plとし、二次色の総量規制を140%にして付着量規制を実施した。ベタ印字の際は300dot四方のインク総量が15g/mを超えないよう、ベタ画像、及び文字を印写した。
評価用印字パターンの作成はMicrosoft社製のWord2000(9.0.6926 SP−3)を使用した。光沢および裏抜けの評価画像は、Word2000の図形描画ツールを使って5cm四方の矩形を7つ(7色分)隣接させて描画し、線と塗りつぶしをユーザー設定でYMCKRGB各色に設定することで作成した。塗りつぶしと線の色の条件は、
Yellow(赤0 緑255 青255)
Cyan(赤255 緑255 青0)
Magenta(赤255 緑0 青255)
Red(赤255 緑0 青0)
Green(赤0 緑255 青0)
Blue(赤0 緑0 青255)
Black(赤0 緑0 青0)
とした。
画像ボケの評価画像としては、同じくWord2000を使用して、光沢評価用と同様に各色2cm四方の矩形を作成し、それらを背景とした15pointの黒文字「A」を描画したパターンを作成した。
得られた画像について画像品位、画像信頼性を評価した。結果は表1〜3に示した。評価結果に×が示してあるものは、インクジェット画像として不適切である。

(実施例2)
インク総量規制を20g/mとする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例3)
インクをイオン交換水で希釈し固形分を3wt%とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例4)
印字メディアをユーライト(坪量127.9g/m:日本製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例5)
印字メディアをエスプリコートC(坪量157g/m:日本製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例6)
印字メディアをOKアストロ・グロス(坪量60.2g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例7)
印字メディアをOKアストロ・ダル(坪量60.2g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例8)
印字メディアをOKアストロ・マット(坪量72.3g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例9)
印字メディアをOKオプトグロス(坪量72.3g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例10)
印字メディアをOKカサブランカ(坪量100g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例11)
印字メディアをOKコートL(坪量69.9g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例12)
印字メディアをOKコートV(坪量127.9g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例13)
印字メディアをOKトップコート+(坪量104.7g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例14)
印字メディアをOKトップコートS(坪量127.9g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例15)
印字メディアをOKトップコートダル(坪量104.7g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例16)
印字メディアをOKトップコートマットN(坪量81.4g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例17)
印字メディアをOKトリニティ(坪量104.7g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例18)
印字メディアをOKトリニティNaVi−V(坪量104.7g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例19)
印字メディアをOKノンリンクルDL(坪量72.3g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例20)
印字メディアをOK金藤+(坪量127.9g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例21)
印字メディアをSA金藤+(坪量127.9g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例22)
印字メディアをPODグロス(坪量100g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例23)
印字メディアをニューエイジ(坪量104.7g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例24)
印字メディアをミラーコートプラチナ(坪量157g/m:王子製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例25)
印字メディアをグロリアスペリアS(坪量157g/m:五条製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例26)
印字メディアをSユトリロコート(坪量127.9g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例27)
印字メディアをエクセルスーパーB(坪量60.2g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例28)
印字メディアをエクセルスーパーB(坪量60.2g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例29)
印字メディアをエクセルスーパーCA(坪量51.2g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例30)
印字メディアをエクセルスーパーTC(坪量60.2g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例31)
印字メディアをオードリー(坪量99.6g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例32)
印字メディアをカントエクセル(坪量64g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例33)
印字メディアをグリーンエクセルB100(坪量60.2g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例34)
印字メディアを高白ユトリロ(坪量127.9g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例35)
印字メディアをピカソコートC(坪量157g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例36)
印字メディアをユトリログロスマット(坪量157g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例37)
印字メディアをユトリロコートL(坪量98.8g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例38)
印字メディアをユトリロコート厚物(坪量186.1g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例39)
印字メディアをユトリロネクスト(坪量108g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例40)
印字メディアをユトリロプラス(坪量104.7g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例41)
印字メディアをNEWマリエストW(坪量157g/m:北越製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例42)
印字メディアをディグニティ(坪量104.7g/m:三菱製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例43)
印字メディアをニューVマット(坪量104.7g/m:三菱製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例44)
印字メディアをパールコート(坪量104.7g/m:三菱製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例45)
印字メディアをビスタグロス(坪量64g/m:三菱製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例46)
印字メディアをブロードグロスA(坪量115g/m:三菱製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例47)
印字メディアをブロードマットA(坪量90g/m:三菱製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例48)
印字メディアをホワイトニューVマット(坪量104.7g/m:三菱製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例49)
印字メディアをホワイトパールコートN(坪量84.9g/m:三菱製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例50)
印字メディアをSA金藤+(坪量127.9g/m:王子製紙製)とし、印字時の最大滴サイズを25plに固定し、画像データの濃度を一律72%に変換した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例1)
印字メディアをカントエクセルバルTL(坪量72.3g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例2)
印字メディアをプラトンバルキー(坪量79.1g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例3)
印字メディアをダンテコミック(坪量64g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例4)
印字メディアをコミック用紙D(坪量64g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例5)
印字メディアをコミック用紙S(坪量64g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例6)
印字メディアを大ラフ文庫本用紙(坪量60.2g/m:大王製紙製)とする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例7)
印字メディアをテスト品(坪量104.7g/m:リコー製)とし、インクセットを製造例12の染料系インクセットに変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例8)
印字メディアをオーロラコート(坪量79.1g/m:日本製紙製)とし、インクセットを製造例12の染料系インクセットに変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例9)
印字メディアをネプチューン(坪量127.9g/m:日本製紙製)とし、インクセットを製造例12の染料系インクセットに変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例10)
印字メディアをユーライト(坪量127.9g/m:日本製紙製)とし、インクセットを製造例12の染料系インクセットに変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例11)
印字メディアをエスプリコートC(坪量157g/m:日本製紙製)とし、インクセットを製造例12の染料系インクセットに変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例12)
印字メディアをOKトップコート+(坪量104.7g/m:王子製紙製)とし、インクセットを製造例12の染料系インクセットに変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例13)
印字メディアをOK金藤+(坪量127.9g/m:王子製紙製)とし、インクセットを製造例12の染料系インクセットに変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例14)
印字メディアをPODグロス(坪量100g/m:王子製紙製)とし、インクセットを製造例12の染料系インクセットに変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例15)
印字メディアをニューエイジ(坪量104.7g/m:王子製紙製)とし、インクセットを製造例12の染料系インクセットに変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(比較例16)
印字メディアをミラーコートプラチナ(坪量157g/m:王子製紙製)とし、インクセットを製造例12の染料系インクセットに変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例51)
印字メディアとしてOKトップコート+(王子製紙)のコート層をラッピングペーパーで両面ともに0.3μmずつ研磨したものを用いた以外は、実施例13と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例52)
コート層の研磨量を両面とも0.5μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例53)
コート層の研磨量を両面とも0.8μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例54)
コート層の研磨量を両面とも1μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例55)
コート層の研磨量を両面とも1.5μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例56)
コート層の研磨量を両面とも1.9μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例57)
コート層の研磨量を両面とも2.3μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例58)
コート層の研磨量を両面とも2.5μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例59)
コート層の研磨量を両面とも3.1μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例60)
コート層の研磨量を両面とも3.8μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例61)
コート層の研磨量を両面とも4.4μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例62)
コート層の研磨量を両面とも5μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例63)
コート層の研磨量を両面とも5.6μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例64)
コート層の研磨量を両面とも6.3μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例65)
コート層の研磨量を両面とも7.5μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例66)
コート層の研磨量を両面とも8.8μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例67)
コート層の研磨量を両面とも10μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例68)
コート層の研磨量を両面とも10.3μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例69)
コート層の研磨量を両面とも10.5μmずつとした以外は、実施例51と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例70)
インク総量規制を18g/mとする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例71)
インク総量規制を22g/mとする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例72)
インク総量規制を13g/mとする以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例73)
インク総量規制を13g/mとする以外は、実施例13と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(実施例74)
インク総量規制を18g/mとする以外は、実施例13と同様にしてインクジェット記録を実施した。

(評価項目とその測定方法)
(1)画像品位
<画像ボケ>
実施例及び比較例の画像部の色境界や細線のボケの程度を目視で観察し、下記基準によりランク評価した。
〔評価基準〕
◎:ボケの発生なくシャープな印刷である。
○:かすかにボケの発生が認められるが、全く気にならないレベルにある。
△:ボケの発生が認められるが、画像品位を損なわないレベルにある。
×:明確にボケの発生が認められ、画像として完全に不適切なレベルにある。
<光沢感の評価>
実施例及び比較例の画像部の60°光沢をハンディ光沢度計Micro-gloss 60°(BYK Gardner)で測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:高い光沢感がある。
○:光沢感がある。
×:光沢感が認められない。
<裏抜け>
実施例及び比較例のグリーンべた画像部の裏面の画像濃度を測定し、地肌部の濃度を差し引いた値を持って裏抜け濃度とした。
この濃度と、目視による判断を加味して下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:裏抜け濃度0.1以下で、微小な裏抜けの発生もなく均一な印刷である。
○:裏抜け濃度0.15以下で、微小な裏抜けの発生もなく均一な印刷である。
△:裏抜け濃度0.15以下だが、微小な裏抜けの発生が認められる。
×:甚だしい裏抜けの発生が認められる。
<乾燥性>
印字直後より、一定時間乾燥した後、画像に濾紙を押し当て、色材の転写が無くなる時間を乾燥時間とした。
〔評価基準〕
○:乾燥時間2分未満で、乾燥性良好と判断されるレベル。
×:乾燥時間2分以上で、乾燥性に劣ると判断されるレベル。
<スミア耐性>
画像を24時間乾燥した後、綿布を5kgf/cmの圧力で距離5cm×5往復擦り、綿布に転写した色材の濃度を反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)で測定し、地肌濃度を引いたものをスミア濃度とした。
〔評価基準〕
○:スミア濃度0.05未満で、スミア耐性良好と判断されるレベル。
×:スミア濃度0.05以上で、スミア耐性に劣ると判断されるレベル。
<透気度>
透気度測定には、MESSMER INSTRUMENT 社製 PERKERPRINT-SURF (Ver=1.8C)を使用した。
測定用プローブとバッキングは透気度測定用のものに交換し、クランプ圧力を2000CPに設定した。測定は3回実施し、平均値を測定値とした。

図20は実施例4〜50、比較例1〜6に関して、本発明で述べた透気度と光沢度の関係を示したものであり、100ml/min以下で光沢感のある画質が得られる。

本発明の記録方法は、一般の商業用印刷用の用紙に近い風合いの記録用メディア、もしくは一般の商業・出版用紙のうち、条件を満たすものを用いて、いわゆる「切れ」の良い、文字、画像の周辺部分にボケ、フェザリング、ブリードの生じない印字品位の優れた光沢感のある記録画像を提供することができ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に好適に用いることができる。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、印刷機などに特に好適に適用することができる。

本発明のインクカートリッジの一例を示す概略図である。 図1のインクカートリッジのケース(外装)も含めた概略図である。 インクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である。 インクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図である 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す概略拡大図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す要素拡大図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す要部拡大断面図である。 インクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置における画像処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態に係る記録インク組み合せテーブル(第2テーブル)の例を示す図である。 本実施形態に係る記録インク組み合せテーブル(第2テーブル)の他の例を示す図である。 本実施形態に係る記録インク組み合せテーブル(第2テーブル)の他の例を示す図である。 マルチ(4)パス記録方式を示した図である。 記録素子列を示す図である。 記録素子列を示す他の図である。 記録素子列を示す他の図である。 記録素子の組み合わせパターンの一例である。 本実施形態に係る記録インク組み合わせテーブル(第1テーブル)の例を示す図である。 透気度と光沢度の関係を示した図である。

符号の説明

(図1,2について)
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装(ケース)
(図3,4,5について)
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
(図6,7について)
10 フレーム
12 共通液室
20 流路板
21 流体抵抗部
22 加圧液室
23 連通口
24 隔壁
30 ノズル板
31 ノズル
40 ベース
50 積層圧電素子
51 圧電層
52 内部電極層
53 外部電極
54 個別電極
55 共通電極
56 駆動部(可動部)
57 支持部
60 振動板
61 島状凸部
62 ダイヤフラム部
63 インク流入口
70 接着層
80 FPC
90 撥インク層
(図8について)
301 研磨ユニット
302 研磨ロール
303 クリーニングロール
(図9について)
1 画図入力部
2 操作部
3 CPU
4 記憶媒体
4a 記録素子組み合わせ情報
4b 制御プログラム群
5 RAM
6 画像処理部
7 プリンタ制御部
8 バスライン

Claims (53)

  1. セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の塗工層を塗布してなり、パーカープリントサーフによる透気度が0.1ml/min以上30ml/min以下であるメディアに対し、粒子状の色材を含有するインクを用いて印字することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記インク中に樹脂エマルジョンもしくはエネルギー硬化型材料を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インクの付着量15g/m以下で印字することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インクの表面張力が25mN/m以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インクの固形分濃度が4wt%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記印字により前記メディア上に形成される画像部の色材堆積厚みが4μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記メディアの最上層中のシリカ、またはアルミナ水和物が30wt%以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記粒子状の色材が顔料又は着色微粒子を含むものであり、該顔料又は着色微粒子の体積平均粒径が0.01〜0.16μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記インクの25℃での粘度が3cps以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記インク中に水溶性有機溶剤を含み、該水溶性有機溶剤が、炭素数8以上のポリオール化合物(A)及びグリコールエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記炭素数8以上のポリオール化合物(A)が、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの少なくとも何れかであることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記インクが界面活性剤を含有し、該界面活性剤が、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
    ただし、前記一般式(I)中、Rは、アルキル基を表わす。hは3〜12の整数を表わす。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。
    ただし、前記一般式(II)中、Rは、アルキル基を表わす。Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。
    ただし、前記一般式(III)中、Rは炭化水素基を表わす。kは5〜20の整数を表わす。
    ただし、前記一般式(IV)中、Rは炭化水素基を表わす。jは5〜20の整数を表わす。
    ただし、前記一般式(V)中、Rは炭化水素基を表わす。L及びpは1〜20の整数を表わす。
    ただし、前記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表わす。
  13. 前記インクが湿潤剤を含有し、該湿潤剤がポリオール化合物(B)、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記ポリオール化合物(B)が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記ラクタム化合物が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン及びε−カプロラクタムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項13又は14に記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記尿素化合物が、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項13乃至15のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  17. 前記糖類が、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン及びマルトースから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項13乃至16のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  18. 前記湿潤剤のインクにおける含有量が10〜50質量%であることを特徴とする請求項13乃至17のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  19. 前記インクが、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  20. 前記インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記記録メディアに画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  21. 前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項20に記載のインクジェット記録方法。
  22. インク−被記録物メディアのセットであり、該インクが親水性液体媒体中に粒子状の色材を含有し、該粒子状色材が顔料もしくは着色微粒子を含むものであり、前記メディアがセルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の塗工層を塗布してなり、最上層中のシリカまたはアルミナ水和物が30wt%以下で、パーカープリントサーフによる透気度が0.1ml/min以上30ml/min以下であることを特徴とするインクメディアセット。
  23. 前記インクが樹脂エマルジョンもしくはエネルギー硬化型材料を含有するものであることを特徴とする請求項22に記載のインクメディアセット。
  24. 前記メディアは、前記インクの付着量15g/m以下でインクジェット記録印字されるものであることを特徴とする請求項22又は23に記載のインクメディアセット。
  25. 前記顔料もしくは着色微粒子の体積平均粒径が0.01〜0.16μmであること特徴とする請求項22乃至24のいずれかに記載のインクメディアセット。
  26. 前記インクは、25℃での粘度が3cps以上のものであることを特徴とする請求項22乃至25のいずれかに記載のインクメディアセット。
  27. 前記インク中に水溶性有機溶剤を含み、該水溶性有機溶剤が、炭素数8以上のポリオール化合物(A)及びグリコールエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする請求項22乃至26のいずれかに記載のインクメディアセット。
  28. 被記録物メディアにインクジェット記録するためのインクであって、親水性液体媒体中に粒子状の色材を含有し、該粒子状色材が顔料もしくは着色微粒子を含むものであり、該メディアがセルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の塗工層を塗布してなり、最上層中のシリカまたはアルミナ水和物が30wt%以下で、パーカープリントサーフによる透気度が0.1ml/min以上30ml/min以下のものであることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  29. 樹脂エマルジョンもしくはエネルギー硬化型材料を含有するものであることを特徴とする請求項28に記載のインクジェット記録用インク。
  30. 前記メディアは、前記インクの付着量15g/m以下でインクジェット記録印字されるものであることを特徴とする請求項28又は29に記載のインクジェット記録用インク。
  31. 前記顔料もしくは着色微粒子の体積平均粒径が0.01〜0.16μmであること特徴とする請求項28乃至30のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  32. 25℃での粘度が3cps以上のものであることを特徴とする請求項28乃至31のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  33. 水溶性有機溶剤を含み、該水溶性有機溶剤が、炭素数8以上のポリオール化合物(A)及びグリコールエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする請求項28乃至32のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  34. 前記炭素数8以上のポリオール化合物(A)が、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの少なくとも何れかであることを特徴とする請求項28乃至33のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  35. 前記インクが界面活性剤を含有し、該界面活性剤が、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項28乃至34のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
    ただし、前記一般式(I)中、Rは、アルキル基を表わす。hは3〜12の整数を表わす。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。
    ただし、前記一般式(II)中、Rは、アルキル基を表わす。Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。
    ただし、前記一般式(III)中、Rは炭化水素基を表わす。kは5〜20の整数を表わす。
    ただし、前記一般式(IV)中、Rは炭化水素基を表わす。jは5〜20の整数を表わす。
    ただし、前記一般式(V)中、Rは炭化水素基を表わす。L及びpは1〜20の整数を表わす。
    ただし、前記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表わす。
  36. 前記インクが湿潤剤を含有し、該湿潤剤がポリオール化合物(B)、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項28乃至35のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  37. 前記ポリオール化合物(B)が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項36に記載のインクジェット記録用インク。
  38. 前記ラクタム化合物が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン及びε−カプロラクタムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項36又は37に記載のインクジェット記録用インク。
  39. 前記尿素化合物が、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項36乃至38のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  40. 前記糖類が、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン及びマルトースから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項36乃至39のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  41. 前記湿潤剤のインクにおける含有量が10〜50質量%であることを特徴とする請求項36乃至40のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  42. シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項36乃至41のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  43. インクジェット記録用インクを用い、インクジェット記録するための被記録物メディアであって、セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の塗工層を塗布してなり、最上層中のシリカまたはアルミナ水和物が30wt%以下で、パーカープリントサーフによる透気度が0.1ml/min以上30ml/min以下のものであり、前記インクが親水性液体媒体中に粒子状の色材を含有し、該粒子状色材が顔料もしくは着色微粒子を含むものであることを特徴とするインクジェット記録用メディア。
  44. 前記インクが樹脂エマルジョンもしくはエネルギー硬化型材料を含有するものであることを特徴とする請求項43に記載のメディア。
  45. 前記インクの付着量15g/m以下でインクジェット記録印字されるものであることを特徴とする請求項43又は44に記載のメディア。
  46. 前記インク中の前記顔料もしくは着色微粒子の体積平均粒径が0.01〜0.16μmであること特徴とする請求項43乃至45のいずれかに記載のメディア。
  47. 前記インクは、25℃での粘度が3cps以上のものであることを特徴とする請求項43乃至46のいずれかに記載のメディア。
  48. 前記インクは、水溶性有機溶剤を含み、該水溶性有機溶剤が、炭素数8以上のポリオール化合物(A)及びグリコールエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする請求項43乃至47のいずれかに記載のメディア。
  49. 請求項28乃至42のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに、画像信号にしたがって刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  50. 前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項49に記載のインクジェット記録装置。
  51. 前記飛翔させるインクの液滴の大きさが3〜40pl、速度が5〜20m/s、前記刺激印加の周波数が1kHz以上、かつ解像度が300dpi以上である請求項49又は50に記載のインクジェット記録装置。
  52. 請求項1乃至21のいずれかに記載のインクジェット記録方法又は請求項49乃至51のいずれかに記載のインクジェット記録装置により得られたものであることを特徴とするインクジェット記録物。
  53. 請求項43乃至48のいずれかに記載のインク−メディアセットにより得られたものであることを特徴とするインクジェット記録物。
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