JP2008238755A - 記録シート - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の記録シートは、インクジェット記録でのコックリングを抑え、優れたインクジェット記録適性を有し、インク吸収性や電子写真記録方式でのトナーブリスターの発生を抑制できる記録シートを提供する。
【解決手段】
支持体上の少なくとも片面に、インク溶媒吸収遅延層と塗工層を順次設けた2層以上の層からなる記録シートにおいて、前記インク溶媒吸収遅延層が、平板状無機顔料および合成樹脂を含有し、かつ前記塗工層が、サチンホワイトを含有することを特徴とする記録シートである。
【選択図】なし

Description

本発明は、記録シートに関するものである。詳しくは、印字中又は印字後の紙基材の伸縮による波打ち(以下、コックリングと呼称。)の発生が抑制されたインクジェット記録および電子写真記録兼用記録シートに関するものである。
近年、パーソナルコンピューターで作製した画像情報等を記録シートに表示する手段として、熱や圧力を駆動源として、ノズルより溶液状のインクを記録シート上に吐出させ、インクにより画像を形成して印刷を行うインクジェット記録方式やトナーを記録シート上に転写させることにより画像を形成させて印刷を行う電子写真記録方式が使用されている。
また、商業印刷等の分野においては、デジタル情報を製版することなく紙などのメディアに直接印刷できるため少部数の印刷や可変情報印刷(バリアブル印刷)に最適であるインクジェット記録方式や電子写真記録方式が、オンデマンド印刷分野で導入されている。
最近では、装置の高速化や高精細化あるいはフルカラー化など記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対して、グロス系印刷用紙を用いたオフセット印刷物に類似の風合を持つドキュメントを作成したいという要望が強くなってきている。特に、在庫管理等が容易になるため、インクジェット記録方式や電子写真記録方式のどちらの方式でも対応可能な記録シートが望まれている。
しかし、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等の顔料と水性樹脂等のバインダーを含有する水性塗工液を紙に塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーやグロスカレンダー等の光沢付与、平滑化処理を行い、製造されている汎用のグロス系印刷用紙を、インクジェット記録方式や電子写真記録方式に使用した場合、種々の問題がある。
即ち、インクジェット記録方式で、グロス系印刷用紙を用いると、使用されている顔料が、炭酸カルシウム等では、塗工層中に形成される細孔が大きくなり難い材料であるために、また、スーパーカレンダーやグロスカレンダー等の平滑化処理で、その細孔が潰されるために、インク吸収が遅くなり、インクが乾燥し難くなるという問題がある。
一方、電子写真記録方式で、グロス系印刷用紙を用いると、特に高温高湿下において、重送やトナー定着ロールへの用紙の貼り付き等が起り易く、またトナーブリスターによる画像欠陥が発生し易い。重送やトナー定着ロールへの用紙の貼り付きは、高光沢を付与するためのスーパーカレンダー、グロスカレンダー等の処理で、平滑性が向上し、用紙同士の密着性が上がる事、および前記処理で密度が上がることにより、紙腰が低くなる事に起因する。また、トナーブリスターは、塗工面に転写されたトナーが、トナー定着ロールで、熱によってフィルム化される時、トナー層中に存在していた空気がフィルム化したトナー層を突き破ることで生じるクレーター状の画像欠陥である。この現象を改善する方法は、トナー層中に存在する空気をすばやく原紙層へ移行させれば良いが、スーパーカレンダー、グロスカレンダー等でのニップ圧を強くしてしまうと、透気性が低くなるため、トナーブリスターが起り易くなる。
インクジェット記録方式と電子写真記録方式に併用される記録シートについては、坪量が75〜85g/mの範囲で、JISP8123法に準拠する白色度が84%以上、JISK6911法に準拠する体積固有抵抗が、1.0×1011〜1.0×1013Ω・cm、J.TAPPI No.51法に準拠するブリストー試験による吸収係数Kaが14〜15ml/m・sec1/2の範囲にあり、更にJ.TAPPI No.5B法に準拠する表裏平滑度が、100〜200秒の範囲に有る事を特徴とする記録シートが記載されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、高光沢を得るためにスーパーカレンダーやグロスカレンダー等の光沢付与または平滑化処理を行うと、高透気度化や細孔の減少により、インク吸収が遅くなり、インクが乾燥し難くなる問題が発生し易い。
その他にも、電子写真記録方式とインクジェット記録方式に併用される記録シートが開示されているが(例えば、特許文献2〜5参照)、高光沢で、かつ電子写真適性やインクジェット適性を得る方法について何ら記載されていない。
電子写真用転写用塗工紙において、塗工紙の密度が、1.10g/m以下、水分が4〜6%であり、塗工層中に内部に空隙を有する非造膜性樹脂である有機顔料が顔料重量の5〜25重量%含有する事が開示されている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、インクジェット適性を付与するための細孔を得る方法については、何ら記載されていない。
また、顔料を主成分とする塗工組成物を塗工した塗工紙において、前記塗工組成物中にプラスチックピグメントを全顔料100質量部に対して、3〜12質量%、かつサチンホワイト5〜15質量%を含有する事を特徴とする高光沢印刷用塗工紙が提案されている(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、低透気度化するための方法について何ら記載されておらず、電子写真記録方式やインクジェット記録方式で印刷した場合、上記記載の問題が発生し易い。
顔料およびバインダーを主成分とする塗工層を設けてなる記録媒体において、塗工層中の全顔料の40重量%以上をサチンホワイト及び/又は硫酸カルシウムとすることを特徴とするインクジェット記録媒体が提案されている(例えば、特許文献8参照)。しかしながら、電子写真適性を得る方法については何ら記載されておらず、上記記載の問題が発生し易いだけでなく、塗膜強度が弱いため、トナー定着ロールにおいて、塗工層がピッキングする等のトラブルが発生し易い。
2層以上の塗工層を有し、シート状紙基材に隣接する内側塗工層中には、その全顔料100質量部に対して、サチンホワイトが1〜30質量部含有し、かつ内側塗工層上に形成された最外側塗工層には、その全顔料100質量部に対して中空プラスチックピグメントおよび/またはサチンホワイトを2〜20質量部、およびカオリンを50〜90質量部含有することを特徴とするインクジェット記録および電子写真記録兼用記録シートが提案されている(例えば、特許文献9参照)が、カオリンが50〜90質量部含有されているため、インクジェット適性において十分なインク吸収性を得られないことがある。
また、銀塩写真と同等の画像を実現するためにインク吐出量も増してきており、紙基材を使用したインクジェット記録用紙では、インクの溶媒である水が紙基材まで浸透し、コックリングが発生し、印字中に記録ヘッドと擦れて画像が乱れるといった問題が生じたり、画像記録後もコックリングが残って印字物の見栄えを損なうといった問題も生じている。このような問題を解決するために、ポリエチレンのような合成樹脂バインダーを両面にラミネートした樹脂被覆紙が常用されてきたが、樹脂被覆紙を古紙として回収しようとすると被覆樹脂が残り、古紙回収時にトラブルを起こすことがある。
上記問題を解決するため、インクジェット記録用紙の紙基材表面に熱可塑性樹脂の分散液を塗工して透水性中間層を形成し、次いで、該透水性中間層の表面に、顔料と結着剤を含む塗工液を塗工してインク受容層を形成する方法(例えば、特許文献10参照)、また、紙基材上に、下塗り層とインク定着層を設け、該下塗り層の顔料として、平均粒子径が4〜50μmでアスペクト比が5〜70の平板状顔料を用いる方法(例えば、特許文献11参照)、パルプの繊維間結合を少なくして紙の空隙を増すような低密度化薬品を含む基材を用いる方法(例えば、特許文献12参照)が提案されているが、これらのインクジェット記録用紙であっても、インク量の多い画像においては、印字中又は印字後のコックリングを十分に防ぐものではなかった。
特開2000−250250号公報 特開平8−30011号公報 特開平8−50366号公報 特開2000−85239号公報 特開平6−219038号公報 特開平3−294600号公報 特開平9−256295号公報 特開2004−243623号公報 特開2005−254758号公報 特開2002−103787号公報 特開2006−015584号公報 特開2002−103791号公報
本発明は、紙基材を使用した記録シートであっても、コックリングを抑え、優れたインクジェット記録適性を有し、電子写真記録方式でのトナーブリスターの発生を抑制し、かつ光沢性が高い、インクジェット記録および電子写真記録兼用記録シートを提供する。
本発明者等は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、下記の層構成を有する記録シートからなる本発明に至ったのである。
(1)紙基材上の少なくとも片面に、インク溶媒吸収遅延層と塗工層を順次設けた2層以上の層からなる記録シートにおいて、前記インク溶媒吸収遅延層が、平板状無機顔料および合成樹脂バインダーを含有し、かつ前記塗工層が、サチンホワイトを含有することを特徴とする記録シート。
本発明は、下記態様をも含む。
(2)平板状無機顔料のアスペクト比が10〜1500であり、かつ粒子径が2μm〜30μmである(1)に記載の記録シート。
(3)平板状無機顔料が、雲母族である請求項(1)、(2)に記載のインクジェット記録
用紙。
(4)平板状無機顔料が、アスペクト比が90〜1100であり、かつ粒子径が2〜30μmの人造雲母族である(1)〜(3)に記載の記録シート。
(5)前記人造雲母族が、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトから選ばれる少なくとも1種である(4)に記載の記録シート。
(6)インク溶媒吸収遅延層の合成樹脂バインダーが、スチレンブタジエンラテックス(SBR)、アクリルスチレンラテックス、メタクリレートブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックスからなる群から選ばれる少なくとも1種である(1)〜(5)に記載の記録シート。
(7)前記インク溶媒吸収遅延層の平板状無機顔料が、合成樹脂バインダー100質量部に対し、1〜30質量部含有する(1)〜(6)に記載の記録シート。
(8)前記塗工層が、最外側塗工層である(1)〜(7)に記載の記録シート。
(9)前記、サチンホワイトが、平均粒子径0.1〜1.5μmの範囲であり、かつ0.5μm以下の粒子径の含有量が40質量%以下である(1)〜(8)に記載の記録シート。
(10)前記塗工層中に、全顔料100質量部に対して、サチンホワイトを1〜50質量部含有する(1)〜(9)に記載の記録シート。
(11)前記塗工層中に、全顔料100質量部に対して、中空プラスチックピグメントを1〜50質量部含有する(1)〜(10)記載の記録シート。
(12)前記塗工層表面が、JIS P8142に規定される75度鏡面光沢度が45%以上であることを特徴とする(1)〜(11)に記載の記録シート。
(13)前記紙基材の、JIS P8140に規定される水との接触時間20秒におけるコッブ法吸水度が、7〜300g/mである(1)〜(12)記載の記録シート。
本発明によれば、紙基材を使用した記録シートであっても、コックリングを抑え、優れたインクジェット記録適性を有し、電子写真記録方式でのトナーブリスターの発生を抑制し、かつ光沢性が高い、インクジェットおよび電子写真兼用記録シートを得ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
(紙基材)
本発明に係る紙基材は、特に限定されるものではないが、吸水性を有するシートが好ましく、中でも、JIS P8140に規定される水との接触時間が20秒のコッブ法吸水度が、7〜300g/mの紙基材が好ましい。7g/m未満の場合、インクジェット記録適性において、インク吸収性が低下し、300g/mを超える場合、紙基材への塗工液の吸収が大きくなり、所望する光沢が得難くなる。
紙基材を構成するパルプの製法及び種類等に特に限定はなく、例えばKPのような化学パルプ、SGP、RGP、BCTMP、CTMP等の機械パルプ、脱墨パルプのような古紙パルプ、ケナフ、竹、藁、麻等のような非木材パルプ等が用いられる。またポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊維、ポリノジック繊維等の再生繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機質繊維も混用することができる。中でも、ECFパルプ、TCFパルプ等の塩素フリーパルプの使用が好ましい。
また紙基材中には、必要に応じて、填料が配合されていてもよい。填料としては、一般に上質紙に用いられる各種の顔料を用いることができ、例えばカオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミナシリケート、シリカ、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等の鉱物質顔料、並びにポリスチレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂及び塩化ビニリデン系樹脂の微小中空粒子、密実型粒子および貫通孔型粒子などの有機顔料が挙げられる。
なお紙基材の抄造時に、その紙料中に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、パルプ繊維や填料の他に、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の各種抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することができる。さらに染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤も必要に応じて適宜添加することができる。
紙基材の抄紙方法については特に限定はなく、例えば抄紙pHが4.5付近で行われる酸性抄紙法、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙pH約6の弱酸性から抄紙pH約9の弱アルカリ性で行われる中性抄紙法等の、全ての抄紙方法を適用することができ、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機を適宜使用することができる。
上記方法で得られた紙基材の片面または両面には、顔料、バインダー、表面サイズ剤、カチオン性樹脂、アニオン性樹脂、ノニオン性樹脂、界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等の各種助剤などを適当に1種あるいは2種以上を適当に調整し、アンダー層を塗布しても何ら差し支えなく、このアンダー層を塗布した後の紙基材を用いる事ができる。
(インク溶媒吸収遅延層)
本発明の記録シートでは、紙基材上にインク溶媒吸収遅延層と塗工層を順次設けることによって、紙基材表面にインク溶媒吸収遅延層を配置している。インク溶媒吸収遅延層は、インク中の溶媒である水を平面方向に拡散させて直接紙基材に浸透するのを抑えることにより、コックリングを防止することを主目的として配置されている層であり、平板状無機顔料と合成樹脂バインダーを含有する。
(インク溶媒吸収遅延層の平板状無機顔料)
インク溶媒吸収遅延層に使用する平板状無機顔料は、その平均粒子径が数μm以上の概略平板な結晶性の物質であり、レーザー回析法で測定した平均粒子径が2μm〜30μmの範囲の粒子である。その中でも4μm〜25μmの粒子が好適である。粒子径が2μm未満のものは、塗工層中での該平板状顔料の配向が紙基材に対して平行になりにくいためコックリング抑制に効果がなく、30μmを超えると、平板状顔料の一部が塗工層から突出し、平滑性が低下するためにコックリング抑制効果が低下するものと推察される。
平板状物質の粒子径の測定方法には、マイクロトラックレーザー回折法やマイクロシーブ網篩法により平均粒子径を求める方法や、電子顕微鏡の観察によって求める方法などがある。
測定方法によって粒子径の数値に差があるが、マイクロシーブ網篩法と電子顕微鏡が実際の粒径に近く、マイクロトラックレーザー回折法では実際よりやや大きい値となる。本発明の平均粒子径は、測定のしやすさ及び再現性の高さなどからマイクロトラックレーザー回折法により測定している。
平板状顔料のアスペクト比は、本発明においては、平板状顔料の平均粒子径を厚さで除したものであり、平板状顔料の厚さは電子顕微鏡観察により測定した。本発明の効果を発揮するためには、平板状顔料のアスペクト比が10〜1500であることが必要であり、好ましくはアスペクト比が90〜1100の平板状顔料であり、更に好ましくは、500〜1100である。アスペクト比が10未満のものは、塗工面に対して平行に配向できなくなるためコックリング抑制効果が劣り、アスペクト比が1500より大きいと、断裁したときの粉落ちや折り曲げ時の塗膜強度が悪くなる傾向がある。
本発明で使用する平板状顔料としては、フィロケイ酸塩鉱物、天然燐片状黒鉛などが挙げられる。フィロケイ酸塩鉱物に属するものは板状又は薄片状であって明瞭な劈開を有し、雲母族、パイロフィライト、タルク(滑石)、緑泥石、セプテ緑石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘土鉱物がある。これらの中でも、産出されるときの粒子が大きく産出量が多い鉱物、例えば、雲母族やタルクが好ましい。更に好ましくは、天然雲母族、人造雲母族であり、折り曲げ時の塗膜強度の点から、人造雲母族が特に好ましい。天然雲母族としては、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)であり、人造雲母族としては、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトなどが挙げられる。
(インク溶媒吸収遅延層の合成樹脂バインダー)
インク溶媒吸収遅延層に用いる合成樹脂バインダーとしては、スチレンブタジエンラテックス(SBR)、アクリルスチレンラテックス、メタクリレートブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックスなどが挙げられるが、耐水性の面が良好で伸びがよく、折割れによる塗工層の亀裂が生じにくいためにスチレンブタジエンラテックスが好適である。スチレンブタジエンラテックスは、重合性単量体がスチレン及び1,3-ブ
タジエンを主体とするが、その他のスチレン及び1,3-ブタジエンと共重合可能な単量
体を本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
上記スチレン及び1,3-ブタジエンと共重合可能なその他の単量体としては、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、p-t-ブチルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
プロピル、(メタ)アクリル酸n-アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)ア
クリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-
オクチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプ
ロピル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アクリル酸グリシジル、及びメタクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和酸のグリシジルエステル;アリルグリシジルエーテル等の不飽和アルコールのグリシジルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;等が挙げられ、これらの重合性単量体を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることが出来る。
(インク溶媒吸収遅延層の顔料と合成樹脂バインダーの配合割合)
インク溶媒吸収遅延層の顔料と合成樹脂バインダーの配合割合は、合成樹脂バインダー100質量部に対して、顔料1〜30質量部の範囲であれば問題がなく、コックリング抑制と塗膜強度のバランスから2〜20質量部の範囲が好ましく、5〜10質量部の範囲がさらに好ましい。
顔料の量が1質量部より少ないとコックリング抑制効果が低下し、30質量部を超えると塗膜強度が著しく低下し、実用性がなくなる。
(インク溶媒吸収遅延層の塗工量)
インク溶媒吸収遅延層の塗工量は、特に限定するものではないが、0.1〜10g/m程度であり、0.5〜7g/mが好ましい。更に好ましくは、1〜5g/mである。塗工量が0.1g/mより少ないと、コックリング抑制効果が低下し、10g/mより多いと、折り曲げ時の塗膜強度が著しく低下する。
(その他)
インク溶媒吸収遅延層の顔料としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、シリカを炭酸カルシウムに担持させたシリカ複合炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム、アルミナ、サチンホワイト、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、ハイドロタルサイト、スチレン、エチレン、ブタジエン、スチレン系プラスチックピグメント、スチレンーブタジエン系プラスチックピグメント、スチレンーアクリル系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ウレタン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等のプラスチックピグメント、塩化ビニル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、及びこれらの共重合体の有機高分子微粒子等、一般の塗工紙製造分野で公知の各種顔料を使用することができる。
バインダーとしては、本発明の公開を阻害しない範囲で、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子等を使用することができる。
<塗工層>
塗工層は、顔料およびバインダーを含有する。
(塗工層の顔料)
塗工層の顔料としては、サチンホワイトを使用する。サチンホワイトは、水酸化カルシウムと硫酸アルミニウムとの反応によって生成する微細な針状結晶で、化合物名はスルホアルミン酸カルシウムであり、結晶水を含有している。
本発明に用いるサチンホワイトの平均粒子径は、0.1〜1.5μmが好ましく、0.2〜1.2μmとすることがより好ましい。0.1μm未満の場合、塗膜強度が低下し、1.5μmを超えると光沢度が低下する場合がある。さらに、0.5μm以下の粒子径の含有量が40質量%以下であることが好ましく、よりこの好ましくは、30質量%以下である。40質量%を超えると、塗工層が緻密になり、インク吸収性が低下する場合がある。
なお、平均粒子径の測定には、沈降方式のセディグラフ5100(米国 マイクロメリティックス社製)を使用した。
サチンホワイトは、微細な針状形状であり、嵩高で高光沢な塗工層が得られ易く、低透気度化、高い細孔容積の塗工層が得られるため、記録シートの性能が出易いので好ましく用いられる。サチンホワイトの含有量は、全顔料100質量部に対して、1〜50質量部含有するのが好ましい。
高光沢が得られる顔料として、スチレン系プラスチックピグメント、スチレン―ブタジエン系プラスチックピグメント、スチレン―アクリル系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ウレタン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等のプラスチックピグメントが一般に知られているが、特に、芯に空隙を有する中空プラスチックピグメントは、光沢発現性が高いので好ましく用いられる。全顔料100質量部に対して、1〜50質量部含有するのが好ましい。
また、上記顔料以外に、必要に応じて、他の顔料を配合してもよく、その場合に用いられる顔料としては、例えば、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、シリカを炭酸カルシウムに担持させたシリカ複合炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、ハイドロタルサイト、スチレン、エチレン、ブタジエン、塩化ビニル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、及びこれらの共重合体の有機高分子微粒子等、一般の塗工紙製造分野で公知の各種顔料が挙げられ、これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
(バインダー)
従来の塗工紙に用いられる公知のバインダーを用いることができる。カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス類、ポリビニルアルコールやノニオンソープを保護コロイド層として有する合成ゴムラテックス、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等の合成樹脂バインダー類等が例示できる。これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
バインダーの配合量は、特に限定されないが、全顔料100質量部に対し5〜70質量部とすることが好ましく、10〜50質量部とすることがより好ましい。配合量が5質量部未満であると、塗膜強度が低下しやすく、70質量部を超えると、インク吸収性が低下する傾向にあり、また高透気度化によるトナーブリスターが発生し易くなる傾向にある。
(その他の成分)
さらに必要に応じ各種助剤、例えば、界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等が必要に応じて適宜配合される。
また、インクジェットインクとの結合力を高めるために、インクのイオン性に応じて、塗工層にカチオン性またはアニオン性の物質を含有させることが出来る。カチオン性物質としては、例えば、ポリアルキレンポリアミン系樹脂、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物等のカチオン性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン、ジシアンジアミドホルムアルデヒド、ジアクリルアミン、カチオン性ポリビニルピロリドン、ポリ−トリメチルアンモニウムメタクリレート、ビニルイミダゾリウムメタクロライド−ビニルピロリドン共重合体、ジアリルジメチル4級アンモニウム塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンポリアミン、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド−メチルクロライド4級塩重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体、ポリオキシプロピル4級アンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩−アクリルアミド共重合体、ポリジメチルアミン−アンモニア−エピクロルヒドリン、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド重合物、ポリアルコキシジアルキル第4級アンモニウム塩、モノアリルアミン−ジアリルアミン塩酸塩共重合体、ポリアリルアミン塩酸塩、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド・SO共重合物、ジアリルアミン塩・SO共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体等のカチオン性ポリマーが好適に使用される。
また、アニオン性物質としては、リンタングステン酸,リンモリブデン酸などの水不溶性金属塩,スチレン−無水マレイン酸共重合物のアンモニウム塩,α−オレフィン−無水マレイン酸共重合物のアンモニウム塩、アニオン変性PVA、カルボキシメチルセルロース等のアニオン性ポリマ−が挙げられる。これらのカチオン性物質あるいはアニオン性物質は、通常水性系組成物中に固形分質量部で0.5〜60質量部となるように配合される。より好ましくは、1〜50質量部の範囲で配合される。
<塗工装置>
塗工層を形成する方法としては、特に限定することはなく、一般に使用されている塗工装置が使用される。
例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、スプレーコーター、ロッドブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター及びツーロールコーター、並びにメータリングブレード式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、リップコーター及びゲートロールコーター等の公知の各種塗工装置を用いることができる。塗工面は、片面でも両面でも良く、塗工量は、1〜20g/mの範囲が好ましく、より好ましくは2〜15g/mの範囲である。
本発明に関する塗工層は、インク受容層が多層で形成される場合、特に限定されないが、インク吸収性および発色性の点から、最外側塗工層が好ましい。
(光沢付与、平滑化処理)
カレンダー等による光沢付与、平滑化処理は、紙基材上に塗工層を形成した後に通常行われ、平滑化処理装置としては、通常のスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー、シューニップカレンダー等が用いられる。その際の加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等の処理条件を適宜調節して処理されるが、特に、低透気度、高い細孔容積を得るために、カレンダーの剛性ロールと弾性ロールのニップ間を通す条件は、ロール温度を高く、ニップ圧力を出来る限り低く設定することが望ましい。
本発明に係る記録シートは、インクジェット記録用や電子写真記録用ばかりではなく、溶融熱転写記録用、昇華熱転写記録用、または凸版印刷用、グラビア印刷用、フレキソ印刷用、オフセット印刷用に適用可能であり、ラベルの上紙としても使用可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらによって限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。
<実施例1>
〔紙基材の作製〕
広葉樹晒クラフトパルプ100部、軽質炭酸カルシウム15部、カチオン澱粉(商品名:ケートF、王子ナショナル社製)0.3部、紙力増強剤(商品名:ポリマロン619、荒川化学工業社製)0.1部、アルキルケテンダイマー(商品名:SPK−910、荒川化学工業社製)0.1部に水を加え、良く混合して、スラリー濃度0.05%の紙料を作製し、これを用いて、長網多層式抄紙機を用い、2本ロール方式のサイズプレス装置で、固形分濃度3%の澱粉(商品名:エースB、王子コーンスターチ社製)を基紙の両面に片面当り固形分1g/m2塗工、乾燥し、JIS P8140に規定される水との接触時間が20秒のコッブ法吸水度が35g/mで、坪量が100g/mの紙基材を作製した。
ここで、コッブ法吸水度は、JIS P8140に規定されている水との接触時間を20秒とし、水がシート状紙基材を通過することを考慮し、シート状紙基材の下に、濾紙を適当に敷き、濾紙への通過分も合わせて、吸水度とした。
[塗工液Aの調製]
バインダーとしてSBR系重合体(日本ゼオン社製、商品名:LX407S12、エマルジョン型接着剤)100部、ナトリウム四珪素雲母(人造雲母)(トピー工業社製、商品名:NTO−5、平均粒子径5μm、アスペクト比1000)6部の混合水分散液(塗工液A、濃度:20%)を調製した。
〔塗工液Bの調製〕
エンジニアードカオリン(商品名:アストラプラス、アスペクト比24、平均粒子径0.49μm、イメリスミネラルズジャパン社製)60部に、分散剤(商品名:アロンT−50、東亞合成社製)0.2部を加え、水を加えて、コーレス分散機を用いて水分散し、次いで、サチンホワイト(商品名SW−BL、白石カルシウム工業社製、平均粒子径0.44μm、0.5μm以下の粒子径の含有率46%)30部を加えて顔料スラリーを作成した。この顔料スラリー100.2部に、中空プラスチックピグメント(AE−851、JSR株式会社製)10部、バインダーとして澱粉(商品名:エースB、王子コーンスターチ社製)5部、ラテックス(商品名:T−2540A、JSR株式会社)を30部加え、消泡剤(商品名:SN777、サンノプコ社製)0.2部、蛍光増白剤(商品名:WhitexBPSリキッドコンク、住友ケミカル社製)1部を加え、水を加えて固形分濃度35%の塗料を調製した。
〔記録シートの作製〕
上記で得られた100g/mの紙基材の両面に、塗工液Aを塗工量が2g/mになるように塗工、乾燥し、インク溶媒吸収遅延層を得た。インク溶媒吸収遅延層上に、塗工液Bを、ブレードコーターを用いて、片面当たり乾燥塗工質量が7.0g/mになるように塗工、乾燥し、線圧40kg/cmのニップ圧でスーパーカレンダー処理を行い、坪量が118g/mの記録シートを作製した。
実施例2
実施例1の塗工液Aの調製において、ナトリウム四珪素雲母(人造雲母)(トピー工業社製、商品名:NTO−5、平均粒子径5μm、アスペクト比1000)をナトリウム四珪素雲母(人造雲母)(トピー工業社製、商品名:NTO−10、粒子径10μm、アスペクト比1000)に変更した以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
実施例3
実施例1の塗工液Aの調製において、ナトリウム四珪素雲母(人造雲母)(トピー工業社製、商品名:NTO−5、平均粒子径5μm、アスペクト比1000)をフッ素金雲母(人造雲母)(トピー社製、商品名:PDM−20B、粒子径20μm、アスペクト比70)に変更した以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
実施例4
実施例1の塗工液Aの調製において、ナトリウム四珪素雲母(人造雲母)(トピー工業社製、商品名:NTO−5、平均粒子径5μm、アスペクト比1000)をフッ素金雲母(人造雲母)(トピー社製、商品名:PDM−10B、粒子径12μm、アスペクト比50)に変更した以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
実施例5
実施例2の塗工液Aの調製において、ナトリウム四珪素雲母(人造雲母)(トピー工業社製、商品名:NTO−10、平均粒子径10μm、アスペクト比1000)をサンドミルを用いて粉砕し、分級して、平均粒子径6μm、アスペクト比150に調整したナトリウム四珪素雲母(人造雲母)に変更した以外は実施例2と同様にして記録シートを作製した。
実施例6
実施例1の塗工液Aの調製において、ブタジエンラテックス(SBR)(日本ゼオン社製、商品名:LX407S12、エマルジョン型接着剤)をアクリル系重合体(ロームアンドハース社製、商品名:プライマルP−376、エマルジョン型接着剤)に変更した以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
実施例7
実施例1の塗工液Bの調製において、エンジニアードカオリン(商品名:アストラプラス、アスペクト比24、平均粒子径0.49μm、イメリスミネラルズジャパン社製)70部、サチンホワイト(商品名SW−BL、白石カルシウム工業社製、平均粒子径0.44μm、0.5μm以下の粒子径の含有率46%)30部、ラテックス(商品名:T−2540A、JSR株式会社)30部の代わりに、エンジニアードカオリン(商品名:アストラプラス、アスペクト比24、平均粒子径0.49μm、イメリスミネラルズジャパン社製)10部、サチンホワイト(商品名SW−BL、白石カルシウム工業社製、平均粒子径0.44μm、0.5μm以下の粒子径の含有率46%)80部、中空プラスチックピグメント(AE−851、JSR株式会社製)10部、ラテックス(商品名:T−2540A、JSR株式会社)を45部とした以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
実施例8
実施例1の塗工液Bの調製において、エンジニアードカオリン(商品名:アストラプラス、アスペクト比24、平均粒子径0.49μm、イメリスミネラルズジャパン社製)70部、サチンホワイト(商品名SW−BL、白石カルシウム工業社製、平均粒子径0.44μm、0.5μm以下の粒子径の含有率46%)30部、ラテックス(商品名:T−2540A、JSR株式会社)30部の代わりに、エンジニアードカオリン(商品名:アストラプラス、アスペクト比24、平均粒子径0.49μm、イメリスミネラルズジャパン社製)97部、サチンホワイト(商品名SW−BL、白石カルシウム工業社製、平均粒子径0.44μm、0.5μm以下の粒子径の含有率46%)3部、ラテックス(商品名:T−2540A、JSR株式会社)25部とした以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
実施例9
実施例1の塗工液Bの調製において、サチンホワイト(商品名SW−BL、白石カルシウム工業社製、平均粒子径0.44μm、0.5μm以下の粒子径の含有率46%)を平均粒子径0.73μm、0.5μm以下の粒子径の含有率31%のサチンホワイトに変更した以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
実施例10
実施例1において、紙基材のアルキルケテンダイマー(商品名:SPK−910、荒川化学工業社製)を0.15部とし、20秒のコッブ法吸水度が10g/mの紙基材とした以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
実施例11
実施例1において、紙基材のアルキルケテンダイマー(商品名:SPK−910、荒川化学工業社製)0.18部とし、20秒のコッブ法吸水度が5g/mの紙基材とした以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
実施例12
〔アンダー層の作製〕
重質炭酸カルシウム(商品名:FMT−90、ファイマテック社製)を50部、カオリン(商品名:アストラシーン、アスペクト比11、平均粒子径0.29μm、イメリスミネラルズジャパン社製)を50部、アロンT−50を0.2部を加え、水を加えて、コーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作成した。この顔料スラリー100.2部に、バインダーとして、澱粉(商品名:エースB、王子コーンスターチ社製)を40部加え、消泡剤SN777を0.2部加え、水を加えて、35%の塗料を作成した。この塗料を実施例1で紙基材両面に作製したインク溶媒吸収遅延層の両面に、ゲートロールコーターを用いて、片面当り乾燥塗工質量が3.0g/mとなるように塗工、乾燥し、アンダー層を作製した。
〔記録シートの作製〕
上記で得られたアンダー層上に実施例1の塗工液Bを、両面に、ブレードコーターを用いて、片面当たり乾燥塗工質量が6.0g/mになるように塗工、乾燥し、坪量が122g/mの記録シートを得た以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
実施例13
実施例11において、アンダー層の作製において、重質炭酸カルシウム (商品名:FMT−90、ファイマテック社製)をサチンホワイト(商品名SW−BL、白石カルシウム工業社製)に等量置換し、カオリン(商品名:アストラシーン、アスペクト比11、平均粒子径0.29μm、イメリスミネラルズジャパン社製)をエンジニアードカオリン(商品名:アストラプラス、アスペクト比24、平均粒子径0.49μm、イメリスミネラルズジャパン社製)に等量置換した以外は、実施例10と同様にして記録シートを作製した。
比較例1
実施例1の記録シートの作製において、塗工液Aのインク溶媒吸収遅延層を設けない以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
比較例2
実施例1の塗工液Aの調製において、ナトリウム四珪素雲母(人造雲母)(トピー工業社製、商品名:NTO−5、平均粒子径5μm、アスペクト比1000)を添加しない以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
比較例3
実施例1の塗工液Bの調製において、エンジニアードカオリン(商品名:アストラプラス、アスペクト比24、平均粒子径0.49μm、イメリスミネラルズジャパン社製)60部、サチンホワイト(商品名SW−BL、白石カルシウム工業社製)30部、中空プラスチックピグメント(AE−851、JSR株式会社製)10部、ラテックス(商品名:T−2540A、JSR株式会社)30部の代わりに、エンジニアードカオリン(商品名:アストラプラス、アスペクト比24、平均粒子径0.49μm、イメリスミネラルズジャパン社製)90部、中空プラスチックピグメント(AE−851、JSR株式会社製)10部、ラテックス(商品名:T−2540A、JSR株式会社)30部とした以外は、実施例1と同様にして記録シートを作製した。
得られた記録シートについて、以下に示す方法により評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(評価)
[光沢度]
JIS P8142に準じて白紙部の75度鏡面光沢度を測定した。
[コックリング]
◎:印刷部のうねりが全くなく、銀塩写真並。
○:若干印刷部にうねりが見られるが、印刷紙並。
△:うねりは印刷紙より劣るが、実用上特に問題ないレベル。
×:うねりが目立ち、実用に耐えられないレベル。
[インクジェット記録適性]
インクジェットプリンター(商品名:PX−V630、エプソン社製)で、各色のべた印字し、その色濃度をマクベス反射濃度計(Macbeth RD−920)で測定し評価した。
◎:各色の色濃度が高く、実用上十分なレベル。
○:各色の色濃度が高く、実用レベル。
△:各色の色濃度が若干低いが、実用上特に問題ないレベル。
×:各色の色濃度が低く、実用に耐えられないレベル。
[電子写真記録適性]
カラーレーザープリンター(リコー社製カラーコピー機IPSiO Color2100)で、サンプル画像「欄」(高精細カラーデジタル標準画像データ、N6、日本規格協会)を両面に印字し、以下の様に評価した。
○:プリンターの走行性に問題がなく、トナーブリスターも見られず、実用上問題ない。
×:トナーブリスターが見られ、実用に耐えられないレベル。
[表面強度]
RI印刷適性評価機(明製作所社製)を用い、インクタックグレード13で、紙表面の抜け具合を目視で評価した。
○:良好
×:不良
Figure 2008238755
表1から明らかなように、本発明の記録シートは、インクジェット記録でのコックリングを抑え、優れたインクジェット記録適性を有し、インク吸収性や電子写真記録方式でのトナーブリスターの発生を抑制できる。
本発明は、紙基材を使用した記録シートであっても、コックリングを抑え、優れたインクジェット記録適性を有し、電子写真記録方式でのトナーブリスターの発生を抑制し、かつ光沢性が高い、インクジェット記録および電子写真記録兼用記録シートであり、実用上極めて有用である。

Claims (13)

  1. 紙基材上の少なくとも片面に、インク溶媒吸収遅延層と塗工層を順次設けた2層以上の層からなる記録シートにおいて、前記インク溶媒吸収遅延層が、平板状無機顔料および合成樹脂バインダーを含有し、かつ前記塗工層が、サチンホワイトを含有することを特徴とする記録シート。
  2. 平板状無機顔料のアスペクト比が10〜1500であり、かつ粒子径が2μm〜30μmである請求項1に記載の記録シート。
  3. 平板状無機顔料が、雲母族である請求項1、2に記載のインクジェット記録
    用紙。
  4. 平板状無機顔料が、アスペクト比が90〜1100であり、かつ粒子径が2〜30μmの人造雲母族である請求項1〜3に記載の記録シート。
  5. 前記人造雲母族が、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトから選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の記録シート。
  6. インク溶媒吸収遅延層の合成樹脂バインダーが、スチレンブタジエンラテックス(SBR)、アクリルスチレンラテックス、メタクリレートブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックスからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5記載の記録シート。
  7. 前記インク溶媒吸収遅延層の平板状無機顔料が、合成樹脂バインダー100質量部に対し、1〜30質量部含有する請求項1〜6に記載の記録シート。
  8. 前記塗工層が、最外側塗工層である請求項1〜7に記載の記録シート。
  9. 前記、サチンホワイトが、平均粒子径0.1〜1.5μmの範囲であり、かつ0.5μm以下の粒子径の含有量が40質量%以下である請求項1〜8に記載の記録シート。
  10. 前記塗工層中に、全顔料100質量部に対して、サチンホワイトを1〜50質量部含有する請求項1〜9に記載の記録シート。
  11. 前記塗工層中に、全顔料100質量部に対して、中空プラスチックピグメントを1〜50質量部含有する請求項1〜10記載の記録シート。
  12. 前記塗工層表面が、JIS P8142に規定される75度鏡面光沢度が45%以上であることを特徴とする請求項1〜11に記載の記録シート。
  13. 前記紙基材の、JIS P8140に規定される水との接触時間20秒におけるコッブ法吸水度が、7〜300g/mである請求項1〜12記載の記録シート。
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