JP2012155185A - 湿式電子写真用記録シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱されたブランケットロールから記録シートに画像を転写する湿式電子写真方式に用いる記録シートであって、トナー受像層中に真珠光沢顔料を有することを特徴とする湿式電子写真用記録シート。
【選択図】なし
Description
本発明の記録シートは、トナー受像層中に真珠光沢顔料を有する。これによりトナーが転写された画像部とトナーが転写されていない非画像部の光沢むらを改善することができる。光沢むらは画像部と非画像部の光沢度や写像性といった光沢感の違いによって引き起こされる。画像部の光沢感はトナーの転写によって決定されるが、一般的に画像部の光沢感は低くなる。記録シートの光沢度を予め画像部の光沢度に合わせておけば光沢むらを軽減させることが可能であるが、その場合、記録シートの光沢感は低いものとなり良好な写真画質を得ることができない。しかしながら、トナー受像層中に真珠光沢顔料を有することによって非画像部の光沢度を低下させることなく、この光沢むらを軽減することができる。
本発明の湿式電子写真用記録シートが有する基材としては、紙、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙等の吸収性支持体や、基紙の少なくとも一方の面を樹脂で被覆した樹脂被覆紙や樹脂フィルム等の非吸収性支持体が挙げられる。中でも非吸収性支持体は表面の平滑性が高く、これによりブランケットローラーと記録シートとの密着性が高まり、優れたトナー転移性が得られる。特に基紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂層を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙は、基紙を有することで樹脂フィルムと比較して弾力性が高く、かつ表面が平滑であるため、より高いトナー転移性が得られるため好ましい。これらの基材の厚みは好ましくは50〜300μm、より好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
<基材1の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100%の樹脂に対して、10%のアナターゼ型二酸化チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し表面とした。得られた表面の算術平均粗さRaを、サーフコム1400D(東京精密社製)を用いて測定したところ0.12μmであった。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し裏面とすることで、基材1としてポリオレフィン樹脂被覆紙を作製した。
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記下引き層上に、下記組成のトナー受像層塗布液1をスライドビード塗布装置を用いて塗布した。塗布後10℃で20秒間冷却後、30〜55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。トナー受像層塗布液の乾燥塗布量は10g/m2であった。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液を製造した。平均二次粒子径は、粒度分布計(堀場製作所製、LA920)を用いて測定すると130nmであった。
水に真珠光沢顔料(日本光研工業(株)製、MM−100R)を添加し予備分散液を作製した後、700rpmで5分間プロペラ撹拌して、固形分濃度25%の真珠光沢顔料分散液を作製した。
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液1 (真珠光沢顔料固形分として) 20部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 40部
ホウ酸 6部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液2に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
水に真珠光沢顔料(日本光研工業(株)製、ME−100R)を添加し予備分散液を作製した後、700rpmで5分間プロペラ撹拌して、固形分濃度25%の真珠光沢顔料分散液を作製した。
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液2 (真珠光沢顔料固形分として) 20部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 40部
ホウ酸 6部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液3に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
水に真珠光沢顔料(メルク(株)製、Iriodin123 Bright Lustre Satin)を添加し予備分散液を作製した後、700rpmで5分間プロペラ撹拌して、固形分濃度25%の真珠光沢顔料分散液を作製した。
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液3 (真珠光沢顔料固形分として) 20部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 40部
ホウ酸 6部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液4に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液1 (真珠光沢顔料固形分として) 35部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 40部
ホウ酸 6部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液5に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液1 (真珠光沢顔料固形分として) 60部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 40部
ホウ酸 6部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液6に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 40部
ホウ酸 6部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液7に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と沈降法シリカ(吸油量200mL/100g、平均一次粒子径16nm、平均二次粒子径9μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散液をビーズミルで処理して、固形分濃度30%のシリカ分散液2を得た。平均二次粒子径は200nmであった。
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液1 (真珠光沢顔料固形分として) 20部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 40部
ホウ酸 6部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液8に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液2 (真珠光沢顔料固形分として) 20部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 40部
ホウ酸 6部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液9に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液3 (真珠光沢顔料固形分として) 20部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 40部
ホウ酸 6部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液10に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 40部
ホウ酸 6部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液11に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
水に硝酸(2.5部)とアルミナ水和物(擬ベーマイト、一次粒子径14nm)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を用いて、固形分濃度30%のアルミナ水和物分散液1を作製した。平均二次粒子径は160nmであった。
アルミナ水和物分散液1 (アルミナ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液1 (真珠光沢顔料固形分として) 20部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 20部
ホウ酸 1部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液12に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
アルミナ水和物分散液1 (アルミナ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液2 (真珠光沢顔料固形分として) 20部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 20部
ホウ酸 1部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液13に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
アルミナ水和物分散液1 (アルミナ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液3 (真珠光沢顔料固形分として) 20部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 20部
ホウ酸 1部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液14に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
アルミナ水和物分散液1 (アルミナ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 20部
ホウ酸 1部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液15に変更し、トナー受像層塗布液の乾燥塗布量を5g/m2に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製スノーテックス−AK−L)
(コロイダルシリカ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液1 (真珠光沢顔料固形分として) 40部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 20部
ホウ酸 3部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液16に変更し、トナー受像層塗布液の乾燥塗布量を5g/m2に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製スノーテックス−AK−L)
(コロイダルシリカ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液2 (真珠光沢顔料固形分として) 40部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 20部
ホウ酸 3部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液17に変更し、トナー受像層塗布液の乾燥塗布量を5g/m2に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製スノーテックス−AK−L)
(コロイダルシリカ固形分として) 100部
真珠光沢顔料分散液3 (真珠光沢顔料固形分として) 40部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 20部
ホウ酸 3部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液18に変更し、トナー受像層塗布液の乾燥塗布量を5g/m2に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製スノーテックス−AK−L)
(コロイダルシリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 20部
ホウ酸 3部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
加熱されたブランケットロールから記録シートに画像を転写する湿式電子写真用転写機として、hp社製「hp Indigo 5500 Digital Press」を使って画像評価を行った。評価に使用するための印刷画像として、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、ブルー、グリーン、ブラック各色を10%、20%、40%、60%、80%、100%の各濃度となるような矩形パターンを出力するようにした。各濃度の矩形パターンの間には白地部分を残し、全体面積の40%は未印字とし白紙部分を残した。この印字物を用い、光沢むらに関して評価した。
○:白紙部、画像部の光沢むらが少なく、比較的均一である。
△:白紙部、画像部の光沢むらがある。
×:白紙部、画像部の光沢むらが大きく、目立つ。
光沢むら評価1に使用した湿式電子写真用転写機を用い、人物の顔写真を印刷した。評価用画像として用いた顔写真には髪の黒い女性を採用し、光沢むらに関して評価した。
○:髪部、肌部の光沢むらが少なく、銀塩写真並みの画質に近い。
△:髪部、肌部の光沢むらがあり、銀塩写真よりも劣る。
×:髪部、肌部の光沢むらが大きく、違和感がある。
Claims (1)
- 加熱されたブランケットロールから記録シートに画像を転写する湿式電子写真方式に用いる記録シートであって、トナー受像層中に真珠光沢顔料を有することを特徴とする湿式電子写真用記録シート。
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DE102011078714.3A DE102011078714B4 (de) | 2010-07-07 | 2011-07-06 | Nass-elektrofotographie-druckverfahren |
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JP2011015052A JP2012155185A (ja) | 2011-01-27 | 2011-01-27 | 湿式電子写真用記録シート |
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