JP5600287B2 - 湿式電子写真記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は湿式電子写真方式を用いて印刷する電子写真記録方法に関するものである。更に詳しくは、優れたトナーの定着性と転移性を有する湿式電子写真記録方法に関するものである。
電子写真方式を用いて印刷する用途は、端末PC用プリンター、ファックス、または複写機に留まらず、多品種小ロット印刷、可変情報印刷などを可能とする、いわゆる、オンデマンド印刷分野でも実用化が進み、技術的進展が目覚ましい。近年では印刷速度、画質の向上に伴い、印刷部数が従来オフセットやグラビアなどの印刷で行われていた領域でも利用され始めた。
電子写真印刷は無版の印刷方式であるが故に可変情報を扱えるのがメリットである。一方でオフセットやグラビア印刷は可変情報を扱うことはできないものの、高品質の印刷を安価に大量に行うことに適している。そこで電子写真方式においても、印刷機械、トナー、記録シートの面から高画質化、高速化、省電力化、そして低コスト化へ向けた技術開発が進められている。また、トナー定着性、転移性、色再現性などといった品質要望がある。
電子写真印刷方式のうち、乾式電子写真方式は事務用複写機などに代表される方式であり、画像を形成するトナーは顔料と合成樹脂からなる固体粉末トナーを使用する。画像形成の方法は、感光体上に現れた静電画像にトナーを吸着させ、このトナーを被転写物に転写、加熱する方式で印刷を行う。ところが、この方式は高画質化を狙ってトナーを微細化すると周辺環境に飛散が容易となり、これを人間が吸入した場合の健康上の問題や、更に印刷物を汚すなどの問題が生じる。このトナー微細化の限界により、トナー消費量が多い、画像が盛り上がって印刷物として不自然に見える等の問題点も指摘されている。また、高温定着のために記録シートが波打つ、消費電力が大きくなるといった問題もある。
一方、湿式電子写真方式は非常に有望な方式である。これは湿式電子写真方式が液体媒体中にトナーを分散させるため、粉体の飛散などが問題とならず、乾式電子写真方式に比べてトナーを約1/10までに微細化できること、すなわち、ドットを微細にできることに加えて、色材として顔料を使用できるために耐候性の問題がないこと、画像の盛り上がりが目立たず印刷物が高品質なオフセット印刷に近いことなどの理由による。
湿式トナーは記録シートへの転写に先立って、あるいは記録シートにトナーが転写された後に乾燥させることによって、湿式トナー中の溶媒を取り除き画像が形成される。記録シートへの転写に先立って湿式トナー中の溶媒を取り除く場合には、おおよそ60〜120℃に加熱されたブランケットロールが利用される。該ブランケットロールの熱により溶媒成分が取り除かれ、トナーが熱溶融して粘着性が生じ記録シートに画像が転写される。一方、トナーが転写された後に乾燥させる場合には、溶剤を含有する湿式トナーを転写させた記録シートを加熱して、記録シート上で溶媒を取り除き、かつトナーを熱溶融し定着する。
前者の方法、すなわち加熱されたブランケットロールから記録シートに画像を転写する方法においては、記録シートに画像を転写するときには電荷の作用を利用せず、湿式トナーと記録シートとの接着性が、湿式トナーとブランケットロールの接着性よりも高くなるようにして画像を転写させる。つまりブランケットロールから記録シートへの湿式トナーの転写能力が重要である。記録シートとトナーの接着性を高める目的でトナー自身の接着能力を必要以上に高くすると、シートへの定着はよくなる。しかしそれと同時に、ブランケットロールとトナーの接着性も高めることによりブランケットロールからトナーが剥がれにくくなるため、結局、必要以上にトナーの接着能力を高くすることはできない。このため、加熱されたブランケットロールから記録シートに画像を転写する湿式電子写真方式の印刷の場合、印刷をしても十分なトナー強度が得られなかったり、トナー粒子が十分にシートに転写しなかったりという欠点があった。十分なトナー強度が得られない場合には、印刷物の画像はその後の取り扱いで著しく劣化し、トナーの転移が十分でなく不完全であると、ブランケットロール表面にトナーの残留物が残り、後に印刷される画像品質が著しく劣化する。
そこで、十分なトナー定着強度が得られるための手段として、定着剤を用紙に塗布する方法がある。例えばヒューレット・パッカード社のHP indigo機であれば、“サファイア処理”というポリエチレンイミンで被覆する処理があるが、記録シートの保存期間中に黄変が生じたり、印刷後の取り扱いによりトナーが剥がれたりするという問題があった。また、このような処理を用いずに湿式電子写真印刷適性を与えるために、例えば特開平10−20537号公報(特許文献1)、特開2003−173038号公報(特許文献2)、及び特表2004−503805号公報(特許文献3)等に記載される、末端基としてアミノ基を有するポリアミド系ポリマーやポリエチレンイミン系ポリマーを含有する塗工層を支持体上に設けた記録シートが知られている。しかしながら十分なトナーの定着性や転移性を得ることは極めて困難であった。
定着剤を使用せずに湿式トナーの定着性を向上させる、あるいはブランケットロール表面のトナーの転移性を改善する手段としては、湿式トナーに使用される溶媒を吸収しやすい炭酸カルシウムやカオリンを記録シートの塗工層に含有せしめる方法が、例えば特開2004−077667号公報(特許文献4)、特開2005−250168号公報(特許文献5)、国際公開第2004/049074号パンフレット(特許文献6)、特開2009−169408号公報(特許文献7)等で提案されている。この方法はトナー定着性を改善する方法として非常に有効に働くが、更なる改善が求められていた。
一方、固体粉末トナーを使用する乾式電子写真方式用の記録シートに多孔質層を用いることが特開2006−227473号公報(特許文献8)、特開2008−070422号公報(特許文献9)、特開2007−127767号公報(特許文献10)、特開2007−240826号公報(特許文献11)等に記載される。
特開平10−20537号公報 特開2003−173038号公報 特表2004−503805号公報 特開2004−077667号公報 特開2005−250168号公報 国際公開第2004/049074号パンフレット 特開2009−169408号公報 特開2006−227473号公報 特開2008−070422号公報 特開2007−127767号公報 特開2007−240826号公報
本発明は、湿式トナーを使った湿式電子写真方式を用いて印刷した際に、優れたトナー定着性及び転移性を有する湿式電子写真記録方法を提供することを目的とする。またトナー受像層の乾燥塗布量が少ない場合においても構造色が発生することなく、優れたトナー定着性及び転移性を有する湿式電子写真記録方法を提供することを目的とする。
上記の課題は、以下の湿式電子写真記録方法により達成された。
(1)加熱されたブランケットロールから記録シートに画像を転写する湿式電子写真方式、基材上に、無機微粒子を含有し窒素吸着法により測定された細孔半径100nm以下の細孔容積が0.3mL/g以上有するトナー受像層を有する湿式電子写真用記録シートに印刷を行う湿式電子写真記録方法
(2)前記細孔容積が0.7mL/g以上である(1)に記載の湿式電子写真記録方法
(3)前記細孔容積が0.9mL/g以上である(1)に記載の湿式電子写真記録方法
(4)前記トナー受像層の乾燥塗布量が0.1〜2g/mであり、前記基材の算術平均粗さRaが0.5μm以上である(1)〜(3)のいずれかに記載の湿式電子写真記録方法
本発明により、湿式トナーを使った湿式電子写真方式を用いて印刷した際に、優れたトナー定着性及び転移性を有する湿式電子写真記録方法を提供することができる。また、トナー受像層の乾燥塗布量が少ない場合においても構造色が発生することなく、優れたトナー定着性及び転移性を有する湿式電子写真記録方法を提供することができる。

以下、本発明の湿式電子写真用記録シートについて詳細に説明する。
<基材>
本発明の湿式電子写真用記録シートが有する基材としては、紙、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙等の吸収性支持体や、基紙の少なくとも一方の面を樹脂で被覆した樹脂被覆紙や樹脂フィルム等の非吸水性支持体が挙げられる。中でも非吸水性支持体は表面の平滑性が高く、これによりブランケットローラーと記録シートとの密着性が高まり、優れたトナー転移性が得られる。特に基紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂層を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙は、基紙を有することで樹脂フィルムと比較して弾力性が高く、かつ表面が平滑であるため、より高いトナー転移性が得られるため好ましい。これらの基材の厚みは好ましくは50〜300μm、より好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
本発明に好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙について詳細に説明する。本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0質量%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0質量%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
更に、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮する等した表面平滑性のよいものが好ましく、その坪量は30〜250g/mが好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体等のオレフィンの二つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、ヒンダードフェノール系化合物等の酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルー等のブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫等のマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の製造においては、樹脂を押出機で加熱溶融し、紙等のシート状基体とクーリングロールとの間に樹脂をフィルム状に押出し、圧着、冷却することで製造される。クーリングロールは樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂被覆紙の表面はクーリングロール表面の形状により高光沢か、無光沢か、またはパターン化された例えば絹目状やマット状等の粗面型付けを形成することができる。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理等の活性化処理を施すことが好ましい。樹脂被覆層の厚みとしては、5〜50μmが適当である。
粗面型付けを施すには、これらの各種の樹脂をフィルム成形した後、少なくとも片面をエンボス、サンドブラストあるいは型付けロールへのキャストなどの手段により、粗面化させた後、基紙の一方の面に張り合わせるという方法によっても可能である。
本発明に用いられる基材のトナー受像層が塗設される側には、下引き層を設けるのが好ましい。この下引き層は、トナー受像層が塗設される前に、予め基材の表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/mが好ましく、20〜300mg/mがより好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。基材上に下引き層を設けることによって、トナー受像層塗布時のひび割れ防止に有効に働き、均一な塗布面が得られる。
トナー受像層が設けられる反対側の面には、カール防止や印字直後に重ね合わせた際の固着防止やトナー転写を更に向上させるために種々の種類のバック層を設けてもよい。またトナー受像層が設けられる側の面には前述のトナー受像層、下引き層に加え、耐傷性の改善等を目的にトナー受像層よりも基材から離れた位置にコロイダルシリカ等を含有する層を設けてもよい。
<トナー受像層>
本発明の記録シートが有するトナー受像層は無機微粒子を含有し、窒素吸着法により測定された細孔半径100nm以下の細孔容積が0.3mL/g以上有することを特徴とする。更に、該無機微粒子として平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を含有することが好ましい。このような微細な無機微粒子を用いることで記録シート表面の平滑性が高くなり、優れたトナー転移性が得られる。
本発明におけるトナー受像層の無機微粒子含有量は、トナー受像層の全固形分に対して50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。このように無機微粒子の含有比率が高いトナー受像層は、細孔容積の大きい多孔質なトナー受像層となる。
本発明におけるトナー受像層に用いられる無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、より大きい細孔容積が得られる点で非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましい。非晶質合成シリカとしては、トナーの定着性と転移性の観点から後述する気相法シリカ及び湿式法シリカが特に好ましく用いられる。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明には、気相法シリカが好ましく使用できる。本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3〜15nm(特に3〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m/g以上(好ましくは250〜500m/g)のものを用いることである。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均粒子径を求めたものである。また本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性、アニオン性いずれの化合物の存在下で分散してもよい。気相法シリカの平均二次粒子径は好ましくは5μm以下、より好ましくは500nm以下、更に好ましくは10〜300nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製LA920)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
本発明では、湿式法シリカも好ましく使用できる。ここで用いられる湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均二次粒子径が5μm以下である湿式法シリカ粒子が好ましく、更には500nm以下、特に20〜200nm程度まで微粉砕した湿式法シリカ微粒子を使用することが好ましい。
湿式法シリカは、カチオン性、アニオン性いずれの化合物の存在下で分散・粉砕してもよい。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカ微粒子を粉砕する好ましい方法について、カチオン性化合物の存在下で分散を例に説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも一つを用いてシリカ予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕し、湿式法シリカ微粒子分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。
本発明に用いられるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を好ましくは5μm以下、更には500nm以下、より好ましくは20〜300nm程度まで粉砕したものが使用できる。
本発明に用いられるアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。本発明に使用されるアルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は好ましくは5μm以下、更には500nm以下、より好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、カチオン性、アニオン性いずれの化合物の存在下で分散してもよい。カチオン性化合物としては、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散されたものが好ましく用いられる。
上記した無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を併用することもできる。例えば、微粉砕した湿式法シリカと気相法シリカとの併用、微粉砕した湿式法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用、気相法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用が挙げられる。
本発明において無機微粒子と共にトナー受像層を構成するバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、キトサン誘導体、カゼイン、大豆蛋白、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらバインダーは2種類以上併用することも可能である。バインダーの使用にあたっては、バインダーが保存中の湿度等により膨潤し、空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的膨潤性の低いバインダーが好ましく用いられる。好ましいバインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールや、カチオン変成ポリビニルアルコールである。また、バインダーとして各種エマルジョンやラテックスを使用してもよい。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度200〜5000のものが好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
本発明は、トナー受像層を構成する上記バインダーと共に必要に応じ硬膜剤を用いることもできる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル)尿素、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、米国特許第2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
バインダーとしてケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したポリビニルアルコールを用いる場合には、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類が好ましく、ホウ酸が特に好ましい。
また、トナー受像層を構成するバインダーとしてケト基を有するバインダーを用いることもできる。ケト基を有するバインダーは、ケト基を有するモノマーと他のモノマーを共重合する方法、ポリマー反応でケト基を導入する方法等によって合成することができる。特にケト基を有する変性ポリビニルアルコールが好ましい。ケト基を有する変性ポリビニルアルコールとしては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
アセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとジケテンの反応等の公知の方法によって製造することができる。アセトアセチル化度は0.1〜20モル%が好ましく、更に1〜15モル%が好ましい。ケン化度は80モル%以上が好ましく、更に85モル%以上が好ましい。重合度としては、500〜5000のものが好ましく、特に2000〜4500のものが更に好ましい。また、完全または部分ケン化のポリビニルアルコールや、カチオン変成ポリビニルアルコールと、ケト基を有するバインダーを併用することも可能である。
本発明において、トナー受像層に含有するケト基を有するバインダーは、架橋剤で架橋されることが好ましい。かかる架橋剤としては、脂肪族ポリアミン類、脂環式ポリアミン、複素環式ポリアミン、芳香族ポリアミン類、ポリアミドポリアミン、ポリエーテルポリアミン、ジシアンジアミド誘導体、ヒドラジン化合物、ポリヒドラジド化合物、アルデヒド類、メチロール化合物、活性化ビニル化合物、エポキシ化合物、多価金属塩等の化合物が挙げられる。特に、ポリヒドラジド化合物、及び多価金属塩が好ましい。また、アセトアセチル変性、ジアセトンアクリルアミド変性された部位以外は、通常のポリビニルアルコールと同様の構造を持つため、硬膜剤を併用することができる。特にホウ砂あるいはホウ酸、ホウ酸塩を併用することが好ましい。
また、本発明におけるトナー受像層におけるバインダーの含有量は、トナー受像層の全固形分に対して1〜50質量%の範囲が好ましく、特に5〜40質量%がトナー受像層内に微細な細孔を形成し、多孔質な層を形成するために好ましい。
トナー受像層には更に、カチオン性ポリマー、防腐剤、界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等を添加することもできる。
本発明におけるトナー受像層の乾燥塗布量は、0.1〜50g/mの範囲が好ましく、0.3〜40g/mの範囲がより好ましく、特に0.5〜35g/mの範囲が好ましい。
本発明におけるトナー受像層の乾燥塗布量が0.1〜2g/mと少ない場合には、記録シートに構造色が確認され、画像を印刷した場合の印刷品位を損なうことがある。このような場合には、算術平均粗さRaが0.5μm以上となる前記基材を用いることによって、構造色の発生を防ぐことができる。構造色とは、薄膜干渉・多層膜干渉・屈折率分散・微粒子などによる光散乱・回折・回折格子などの様に、光の波長あるいはそれ以下の微細構造に由来する発色現象の総称である。
本発明における算術平均粗さRaは、例えば東京精密社製の表面粗さ解析装置サーフコム1400Dにより解析することが可能である。本発明におけるRaとは、抽出曲線から平均線の方向に基準長さだけ抜き取った部分において、抽出曲線と平均線によって囲まれる部分の面積を基準長さで割った平均偏差を表したものをいい、JIS B0601−1982(日本工業規格)に規定されている。
本発明におけるトナー受像層は、窒素吸着法により測定された細孔半径100nm以下の細孔容積が0.3mL/g以上有することを特徴とする多孔質なトナー受像層である。より好ましい細孔容積は0.7mL/g以上、より好ましくは0.9mL/g以上である。加熱されたブランケットローラーで溶媒が除去され、かつ粘着性が生じたトナーは、この細孔内に瞬時に吸収されるため、優れたトナー転移性が得られる。またこの多孔質層の細孔内には室温の空気が大量に存在しており、加熱により粘着したトナーは瞬時に冷却されることによって優れたトナーの定着性が得られ、かつトナーに滲みが生じないので高い画像品質を得ることができる。細孔容積は、例えば比表面積・細孔分布測定装置(ベックマンコールター社製SA3100等)を用いて測定される窒素吸着等温線より、孔を円筒形孔モデルとして想定したBJH法から求めることができる。
また、前記トナー受像層の全細孔容積は、前述した細孔容積と、トナー受像層の乾燥塗布量との積として算出される。例えば、乾燥塗布量25g/mのトナー受像層の細孔容積が1mL/gであった場合、このトナー受像層の全細孔容積は25mL/mとなる。
本発明におけるトナー受像層は、2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらの受像層の構成はお互いに同じであっても異なっていてもよい。
本発明において、トナー受像層の塗布に用いられる塗布方式としては、公知の各種塗布方式を用いることができる。例えば、スプレーガン方式、スライドビード方式、スライドカーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は、質量部及び質量%を示す。
<記録シート1の作製>
<基材1の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100%の樹脂に対して、10%のアナターゼ型二酸化チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し表面とした。得られた表面の算術平均粗さRaを、サーフコム1400D(東京精密社製)を用いて測定したところ0.12μmであった。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し裏面とすることで、基材1としてポリオレフィン樹脂被覆紙を作製した。
上記基材1の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/mとなるように塗布乾燥して基材1を作製した。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
<トナー受像層の作製>
上記下引き層上に、下記組成のトナー受像層塗布液1をスライドビード塗布装置を用いて塗布した。塗布後10℃で20秒間冷却後、30〜55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。トナー受像層塗布液の乾燥塗布量は25g/mであった。また、トナー受像層の細孔半径100nm以下の細孔容量は、窒素吸着法細孔分布測定装置で測定し、1.0mL/gであった。
<シリカ分散液1の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液を製造した。平均二次粒子径は、粒度分布計(堀場製作所製、LA920)を用いて測定すると130nmであった。
<トナー受像層塗布液1>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 21部
ホウ酸 4部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。全固形分に対する無機微粒子量は80%である。
<記録シート2の作製>
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液2に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。トナー受像層の細孔半径100nm以下の細孔容量は、窒素吸着法細孔分布測定装置で測定し、0.5mL/gであった。
<トナー受像層塗布液2>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 62部
ホウ酸 4部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。全固形分に対する無機微粒子量は60%である。
<記録シート3の作製>
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液3に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。トナー受像層の細孔半径100nm以下の細孔容量は、窒素吸着法細孔分布測定装置で測定し、0.1mL/gであった。
<トナー受像層塗布液3>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 146部
ホウ酸 4部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。全固形分に対する無機微粒子量は40%である。
<記録シート4の作製>
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液4に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。トナー受像層の細孔半径100nm以下の細孔容量は、窒素吸着法細孔分布測定装置で測定し、0mL/gであった。
<トナー受像層塗布液4>
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 100部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。全固形分に対する無機微粒子量は0%である。
<記録シート5の作製>
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液5に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。トナー受像層の細孔半径100nm以下の細孔容量は、窒素吸着法細孔分布測定装置で測定し、1.2mL/gであった。
<シリカ分散液2>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と沈降法シリカ(吸油量200mL/100g、平均一次粒子径16nm、平均二次粒子径9μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散液をビーズミルで処理して、固形分濃度30%のシリカ分散液2を得た。平均二次粒子径は200nmであった。
<トナー受像層塗布液5>
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 21部
ホウ酸 4部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。全固形分に対する無機微粒子量は80%である。
<記録シート6の作製>
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液6に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。トナー受像層の細孔半径100nm以下の細孔容量は、窒素吸着法細孔分布測定装置で測定し、1.4mL/gであった。
<シリカ分散液3の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液を製造した。平均二次粒子径は、粒度分布計(堀場製作所製、LA920)を用いて測定すると800nmであった。
<トナー受像層塗布液6>
シリカ分散液3 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 21部
ホウ酸 4部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。全固形分に対する無機微粒子量は80%である。
<記録シート7の作製>
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液7に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。トナー受像層の細孔半径100nm以下の細孔容量は、窒素吸着法細孔分布測定装置で測定し、0.8mL/gであった。
<アルミナ水和物分散液1の作製>
水に硝酸(2.5部)とアルミナ水和物(擬ベーマイト、一次粒子径14nm)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を用いて、固形分濃度30%のアルミナ水和物分散液1を作製した。平均二次粒子径は160nmであった。
<トナー受像層塗布液7>
アルミナ水和物分散液1 (アルミナ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール (ケン化度88%、平均重合度3500) 10部
ホウ酸 0.6部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。全固形分に対する無機微粒子量は90%である。
<記録シート8の作製>
上記記録シート1のトナー受像層塗布液1を、下記組成のトナー受像層塗布液8に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。トナー受像層の細孔半径100nm以下の細孔容量は、窒素吸着法細孔分布測定装置で測定し、0.6mL/gであった。
<シリカ分散液4>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と沈降法シリカ(吸油量200mL/100g、平均一次粒子径16nm、平均二次粒子径9μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散液をビーズミルで処理して、固形分濃度30%のシリカ分散液4を得た。平均二次粒子径は2000nmであった。
<トナー受像層塗布液8>
シリカ分散液4 (シリカ固形分として) 100部
アクリル樹脂エマルジョン (樹脂固形分として) 150部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。全固形分に対する無機微粒子量は40%である。
<記録シート9の作製>
上記記録シート1の作製で用いたポリオレフィン樹脂被覆紙1の坪量170g/mの基紙上に、特開2009−169408号公報の実施例に従い、下記組成のトナー受像層塗布液9をブレードコーターを用いて片面14g/m、両面で28g/mの塗工量で塗工した。塗工後、金属ロールと弾性ロールからなるソフトカレンダー処理を表裏に金属ロールがそれぞれ一回ずつ接触するように施して、電子写真用記録シートを得た。なおカレンダー線圧は80kN/mとした。このようにして得られたトナー受像層の細孔半径100nm以下の細孔容量は、窒素吸着法細孔分布測定装置で測定し、0.2mL/gであった。
<トナー受像層塗布液9>
重質炭酸カルシウム(平均二次粒径350nm) 100部
市販スチレンブタジエン系ラテックスバインダー (樹脂固形分として) 11部
市販燐酸エステル化澱粉 2部
市販ステアリン酸カルシウム系潤滑剤 0.6部
市販カルボキシメチルセルロース系増粘剤(CMC) 0.1部
水酸化ナトリウムにてpH9.6に調整
<記録シート10の作製>
上記記録シート1のトナー受像層塗布液の乾燥塗布量を1g/mに変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
<記録シート11の作製>
上記記録シート10の基材1を下記の基材2に変更した以外は記録シート10と同様にして作製した。
<基材2の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100%の樹脂に対して、10%のアナターゼ型二酸化チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出被覆し、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し表面とした。得られた表面の算術平均粗さRaを、サーフコム1400D(東京精密社製)を用いて測定したところ0.87μmであった。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し裏面とすることで、基材2としてポリオレフィン樹脂被覆紙を作製した。
上記基材2の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、記録シート1と同様の下引き層をゼラチンが50mg/mとなるように塗布し、乾燥した。
上記記録シート1〜11について、下記評価方法に準じて評価した結果を表1に示す。
<定着性:テープ剥離試験>
加熱されたブランケットロールから記録シートに画像を転写する湿式電子写真用転写機として、Indigo社製「E−print1000」を使って湿式電子写真トナーの定着性評価を行った。評価に使用するための印刷画像として、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各4色及び4つの色を重ねた重色について、ベタ印字の画像を出力するようにした。印刷した各色のベタ印刷部についてテープ剥離試験を実施した。テープ剥離試験は各色の印刷部に幅18mmのセロハン粘着テープをむらがないように貼り付け、180度剥離で約5mm/秒の速さでゆっくりとテープを剥がした。剥離後のトナーのシートへの定着度合いを目視により判定し、以下の基準で4段階評価を行った。表1には各画像部の中で最も評価の低いものを記載した。印刷終了直後、1時間後、4時間後、1日後の4つの条件において実施した。
◎:各色全くトナーが剥離しない。
○:各色共にトナーがシート上に大部分残っている。
△:一部の色でトナーがシートから剥がれ、印刷部に白く抜けた部分がある。
×:各色共にトナーがシートから剥がれ、印刷部の白く抜けた部分が目立つ。
<転移性>
加熱されたブランケットロールから記録シートに画像を転写する湿式電子写真用転写機として、indigo press湿式電子写真用転写機を使って印刷を行った後、プリントクリーナーでブランケットロールの掃除を行い、プリントクリーナーの汚れ方で転移性を判断した。「△」以上であれば実使用に支障ない。この結果を表1に示す。
○:全く汚れない。
△:小さい汚れが付着する。
×:汚れる。
<構造色>
記録シートを目視した際に構造色が確認されるかを判断した。「△」以上であれば実使用に支障ない。この結果を表1に示す。
○:構造色が認められない。
△:構造色がやや認められる。
×:構造色が認められる。
Figure 0005600287
上記結果から明らかなように、比較例の記録シート3,4,9は印刷直後から定着性に劣り、トナーが定着するまで時間がかかる。またこれらの記録シートはいずれも十分な転移性が得られなかった。これに対し本発明の記録シートによれば優れたトナー定着性及び転移性を有する湿式電子写真用記録シートが得られる。また、トナー受像層の乾燥塗布量が少ない場合においても、優れたトナー定着性及び転移性を有する湿式電子写真用記録シートが得られる。

Claims (4)

  1. 加熱されたブランケットロールから記録シートに画像を転写する湿式電子写真方式、基材上に、無機微粒子を含有し窒素吸着法により測定された細孔半径100nm以下の細孔容積が0.3mL/g以上有するトナー受像層を有する湿式電子写真用記録シートに印刷を行う湿式電子写真記録方法
  2. 前記細孔容積が0.7mL/g以上である請求項1に記載の湿式電子写真記録方法
  3. 前記細孔容積が0.9mL/g以上である請求項1に記載の湿式電子写真記録方法
  4. 前記トナー受像層の乾燥塗布量が0.1〜2g/mであり、前記基材の算術平均粗さRaが0.5μm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の湿式電子写真記録方法
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