JP3767235B2 - インクジェット記録用紙及びこれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用紙及びこれを用いたインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録用紙に関し、詳しくは、多孔質のインク吸収層を有し耐光性を改良したインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録は急速に画質が向上してきており、写真に画質が迫りつつある。この様な写真同等画質(以下、写真画質と称す)をインクジェット記録で達成するために、記録用紙の面でも改善が進んでおり、高平滑性の支持体上に微小な空隙層を設けた記録用紙は、高インク吸収性や高乾燥性であることから最も写真画質に近いものの一つになりつつある。
【0003】
この様な高画質化に伴い、記録用紙に要求される特性も一段と高まっているが、特に支持体が非吸水性支持体で、その上にインク吸収層が設けられているインクジェット記録用紙は、インクジェット記録時に支持体が高い平滑性を維持するので高品位のプリントが得られ好ましい。
【0004】
又、インクジェット記録においては、通常、水溶性染料が色材として用いられるが、この水溶性染料は親水性が高いため、通常、記録後に高湿下に長期間保存したり、又は記録面上に水滴が付着した場合に染料が滲み易い傾向がある。
【0005】
この問題を解決するために、染料固着性物質をインク受容層中に添加しておくことが一般的に行われており、そのような染料固着剤としては、表面がカチオン性である無機顔料(アルミナ微粒子等)や分子内に第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマー等が挙げられる。
【0006】
しかしながら、インク吸収層が空隙層であることは、高インク吸収性でインクジェット記録時にムラのない均質な画像が得られる反面、多孔質皮膜であるが故に酸素の透過性が大きく、記録後の耐光性が劣化し易い。
【0007】
特に、インクとして水溶性のフタロシアニン系染料を含有する水性インクで、非吸水性支持体上に多孔質のインク吸収層を有するインクジェット記録用紙に記録した場合、周囲の環境条件によっては光褪色が加速され易い問題のあることが判明した。
【0008】
本発明者らは、この点について鋭意検討した結果、このフタロシアニン系染料の光褪色は、インクが低蒸発性の高沸点有機溶媒(ジエチレングリコール、グリセリン等)を約30重量%以上含有し、しかもフタロシアニン系染料濃度が比較的低いインク(特に約1重量%以下)を使用し、非吸水性の支持体上に空隙層から成るインク吸収層が設けられたインクジェット記録用紙に記録した場合に起こり易いことが判明した。
【0009】
又、この光褪色は、周囲の環境、特に湿度に依存し、高湿であるほど褪色が促進され、更に解析の結果、この褪色は酸素が関与していることも判明した。
【0010】
従来から、酸素が関与している光褪色については酸化防止剤が有効であることがよく知られており、インクジェット記録用紙にかかる酸化防止剤を添加することもよく知られているが、本発明者らが検討した結果、非吸収性支持体上に空隙層が設けられたインクジェット記録用紙に、水溶性フタロシアニン系染料で記録した画像の光褪色については、必ずしも充分な効果が得られなかった。
【0011】
特に、従来、インクジェット記録用紙に添加して効果のある化合物の殆どが、初期は比較的充分な褪色防止効果が得られるものの、経時でその効果が徐々に失われて行く傾向があり、比較的長期間の酸素が関与した光褪色に対しては満足のいくものはなかった。
【0012】
特公平2−35675号には、カチオン性樹脂としてポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物を用い、耐候性を改善したインクジェット記録用紙が記載されている。又、特開平9−254529号には、第4級アンモニウム塩構造を含まないポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物により白地黄変や褪色を防止し、耐水性を改善したインクジェット記録用紙が記載されている。
【0013】
しかしながら、上記公報に記載されたインクジェット記録用紙では、支持体に吸水性支持体を使用しているもののみが記載されている。本発明者らが検討した処、かかるポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を吸水性支持体(即ち、インク溶媒を支持体が吸収してしまう記録用紙)においては、フタロシアニン系染料の褪色防止効果が認められなかった。これは、紙の様な吸水性支持体である場合には、酸素がインク吸収性の表裏から通過し、しかも支持体の空隙径が大きいために酸素がより透過し易く、褪色防止効果が得られないのではないかと推定される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、非吸水性支持体上に多孔質のインク吸収層を有するインクジェット記録用紙に、フタロシアニン系の水性染料を含有する水性インクでインクジェット記録した際の耐光性を改良したインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記、本発明の目的は以下の発明によって達成された。
【0016】
(1)非吸水性支持体上に、アスコルビン酸又はその塩、グルコース、ヒドロキシルアミン誘導体から選ばれる少なくとも1種の水溶性還元剤、及び、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有する多孔質のインク吸収層を有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0017】
(2)フタロシアニン系水溶性シアン染料を含有し、かつ高沸点有機溶媒を30重量%以上含有する水性インクで、上記(1)に記載されたインクジェット記録用紙に記録するインクジェット記録方法。
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】
本発明に用いられるポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物は、ポリアルキレンポリアミンとジシアンジアミドの重縮合物である。
【0025】
ポリアルキレンポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン及びこれらの塩酸塩、硫酸鉛、酢酸塩等が挙げられる。
【0026】
ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物としては各種のものが市販されており、例えばネオフィックスRP−70、ネオフィックPNF−70、ネオフィックスE−117、(以上、日華化学社製)、パラフィックスEP(大原パラヂウム化学社製)、ダイアジンフィックス400(日成化成社製)、ファーストゲンP−708(東海製油工業社製)、ジェットフィックス20(黒田加工社製)、カヤフィックスM(日本化薬社製)、PAP−1(日本染化工業社製)等が挙げられる。上記ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物の平均分子量は2,000〜200,000が好ましい。
【0027】
ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物の添加量は、記録用紙1m2当たり概ね0.01〜5gであり、好ましくは0.1〜2gである。
【0028】
本発明のインクジェット記録用紙は、非吸水性支持体上に多孔質のインク吸収層が設けられたものであり、この多孔質のインク吸収層の形成方法には、従来、数多くの方法が知られているが、特に多孔質のインク吸収層は、無機顔料と少量の親水性バインダーから空隙層が形成されているものが好ましい。
【0029】
この多孔質のインク吸収層は、無機微粒子と少量の親水性バインダーから基本的に構成され、そのような無機微粒子の例としては、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料を挙げることができる。
【0030】
これら無機微粒子は、1次粒子のまま用いても、又、2次凝集粒子を形成した状態で使用することもできるが、高い光沢性と速い吸収性を有する観点から、皮膜中で0.1〜0.01μmのサイズになるような無機微粒子を使用することが好ましい。
【0031】
本発明においては、低コストであることや高い反射濃度が得られる低屈折率の微粒子であること等から、表面がアニオン性の無機微粒子としては、気相法で合成されたシリカ又はコロイダルシリカが好ましい。又、表面がカチオン性である無機微粒子としては、カチオン表面処理された気相法シリカ、カチオン表面処理されたコロイダルシリカ、及びアルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等も用いることが出来る。
【0032】
インク吸収層に用いられる親水性バインダーとしては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの親水性ポリマーは2種以上併用することも可能である。
【0033】
本発明で好ましく用いられる親水性ポリマーは、ポリビニルアルコールである。このポリビリルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0034】
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1500〜5000のものが好ましい。鹸化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0035】
カチオン変成ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されるような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を、上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を鹸化することにより得られる。
【0036】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えばトリメチル・(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル・(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチル・トリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル・(メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0037】
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
【0038】
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば特開平1−206088号に記載される様なアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号、同63−307979号等に記載される様なビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285265号に記載されるような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0039】
又、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開平7−9758号に記載される様な、ポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載される、疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
【0040】
ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど2種類以上を併用することもできる。
【0041】
インク吸収層に用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、無機微粒子の種類、親水性バインダーの種類に大きく依存するが、一般には記録用紙1m2当たり概ね5〜30g、好ましくは10〜25gである。
【0042】
又、インク吸収層に用いられる無機微粒子と親水性バインダーの比率は、重量比で概ね2:1〜20:1であり、特に3:1〜10:1が好ましい。
【0043】
本発明の記録用紙に用いられる非吸水性支持体は、透明支持体あるいは不透明支持体がある。
【0044】
透明支持体としては、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料から成るフィルム等が挙げられ、中でもOHPとして使用された時の輻射熱に耐える性質のものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。この様な透明な支持体の厚さとしては、約10〜200μmが好ましい。
【0045】
又、不透明支持体としては、例えば基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(所謂RCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに硫酸バリウム等の白色顔料を添加して成る所謂ホワイトペットが好ましい。
【0046】
上記各種支持体とインク受像層の接着強度を大きくする等の目的で、インク受容層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。更に、本発明の記録シートは、必ずしも無色である必要はなく、着色された記録シートであってもよい。
【0047】
本発明のインクジェット記録用紙では、原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られるため特に好ましい。その様なポリエチレンでラミネートした紙支持体について以下に説明する。
【0048】
紙支持体に用いられる原紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしては、LBKP,LBSP,NBKP,NBSP,LDP,NDP,LUKP,NUKPの何れも用いることが出来るが、短繊維分の多いLBKP,NBSP,LBSP,NDP,LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP及び/又はLDPの比率は1070重量%が好ましい。
【0049】
上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
【0050】
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することが出来る。
【0051】
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500ccが好ましく、又、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分重量%と42メッシュ残分重量%との和が30〜70%が好ましい。尚、24メッシュ残分の重量%は20重量%以下であることが好ましい。
【0052】
原紙の坪量は30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜250μmが好ましい。
【0053】
原紙は、抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS−P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
【0054】
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては、前記原紙中添加できるサイズ剤と同様のサイズ剤を使用できる。
【0055】
原紙のpHは、JIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
【0056】
原紙表面及び裏面はを被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することが出来る。
【0057】
特に、インク受容層側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広く行われている様にルチル又はアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量は、ポリエチレンに対して概ね3〜20重量%、好ましくは4〜13重量%である。
【0058】
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、又、ポリエチレンを原紙表面上に溶融、押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って、通常の写真印画紙で得られる様なマット面や絹目面を形成したものも本発明で使用できる。
【0059】
原紙の表裏のポリエチレンの使用量は、インク受容層やバック層を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化する様に選択されるが、概ねインク受容層側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側が10〜30μmの範囲である。
【0060】
更に、上記ポリエチレン被覆紙支持体は、以下の特性を有していることが好ましい。
【0061】
1)引っ張り強さ:JIS−P−8113で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1〜20kg。
【0062】
2)引き裂き強度:JIS−P−8116による規定方法で縦方向が10〜200g,横方向が20〜200g。
【0063】
3)弾性:圧縮弾性率≧103kgf/cm2
【0064】
4)面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定される条件で20秒以上(光沢面)。型付け品ではこれ以下も可。
【0065】
5)不透明度:直線光入射/拡散光透過条件の測定条件で、可視域の光線での透過率が20%以下(特に15%以下)。
【0066】
本発明の記録用紙は、非吸収性支持体上のインク吸収層にポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を添加することでフタロシアニン系染料の耐光性が改良されるが、この褪色防止効果は、更に水溶性還元剤、含硫黄化合物又は疎水性酸化防止剤の乳化分散物を添加することで、効果を持続させることが出来る。この褪色防止効果を持続する作用は、特に高湿で保存した場合に効果が大きい。
【0067】
水溶性還元剤としては、特開平8−300807号、同8−150773号、同8−108617号、同9−267544号等に記載されており、例えば亜硫酸塩、亜硝酸塩、亜燐酸塩、チオ硫酸塩、アスコルビン酸又はその塩、ヒドロキシルアミン誘導体(N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン・ナトリウム塩、N−ヒドロキシフタルイミド、N,N−ジカルボキシエチルヒドロキシルアミン・ナトリウム塩等)、グルコース等が挙げられる。
【0068】
含硫黄化合物としては、特開昭61−177279号、同61−163886号、同64−36479号、特開平7−314883号、同7−314882号、同1−115677号等に記載されており、例えばチオシアン酸塩、チオ尿素、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−トリアゾール、2,4,6−トリメルカプトシアヌル酸、チオサリチル酸、チオウラシル、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン等が挙げられる。
【0069】
疎水性酸化防止剤としては、例えば特開昭57−74192号、同57−87989号、特開平1−115667号、同3−13376号等に記載されている様な公知の酸化防止剤が利用できる。特に好ましい酸化防止剤は、水酸基のオルト位の少なくとも一方が3級アルキル基で置換されている所謂ヒンダードフェノール系酸化防止剤、窒素原子に連結する二つの炭素原子がアルキル基で共に置換されているピペリジン系酸化防止剤(所謂ヒンダードアミン類)、フェノール類又はポリヒドロキシベンゼン類の少なくとも一つの水酸基がアルキル基によりエーテル化されている酸化防止剤である。
【0070】
上記疎水性酸化防止剤は、好ましくは疎水性高沸点有機溶媒(ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−i−デシルフェタレート、トリクレジルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート等)と共に親水性バインダー中に乳化分散された状態で添加される。この疎水性酸化防止剤をアセトンやメタノール等の有機溶媒に溶解して添加したり、あるいは湿式粉砕法で添加した場合には、褪色防止の持続効果が小さい。
【0071】
疎水性酸化防止剤と高沸点有機溶媒の比率は、重量比で概ね1:5〜10:1である。
【0072】
上記ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物の褪色防止効果を持続させる化合物の添加量は、記録用紙1m2当たり概ね0.01〜10g、好ましくは0.1〜2gである。
【0073】
ところで、多孔質のインク吸収層に耐水性を付与するために、一般には無機顔料として表面がカチオン性であるアルミナ微粒子を用いたり、あるいは表面がアニオン性であるシリカ微粒子と第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーを併用することが行われるが、その様なインク吸収層中に、本発明のポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を添加するとプリント後に滲みが悪化する傾向がある。
【0074】
この滲みの悪化を防止するために、インク吸収層中に硼酸もしくはその塩、又は水溶性多価金属イオンを含有させておくと滲みが改善される。
【0075】
硼酸もしくはその塩としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示し、具体的にはオルト硼酸、二硼酸、メタ硼酸、四硼酸、五硼酸、八硼酸及びそれらの塩が含まれる。
【0076】
これらの硼酸又はその塩は、記録用紙1m2当たり0.05〜2g、好ましくは0.1〜1gの範囲で用いられる。
【0077】
又、水溶性多価金属イオンとしては、2〜4価の多価金属イオンであり、具体的にはCa2+、Mg2+、Zn2+、Cu2+、Fe3+、Ni2+、Co2+、Al3+等が挙げられるが、特にCa2+、Mg2+、Zn2+、Al3+が好ましい。
【0078】
その様な多価金属イオンの添加量は、記録用紙1m2当たり概ね0.1〜10ミリモルである。0.1ミリモル未満の場合は効果が少なく、又、10ミリモルを超えると染料の凝集が促進され、表面でのブロンジング現象を起こし易くなる。特に好ましいのは0.2〜2ミリモルである。
【0079】
又、K+、Na+、NH4 +等の1価のカチオンの含有量も、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有するインク吸収層においては注意が必要である。
【0080】
上記1価のカチオン量は、インク吸収性やプリント後の滲みや変褪色への影響は比較的少ないものの、多量に添加するとプリント後の滲みを悪化させ易い。好ましい添加量は、記録用紙1m2当たり概ね0.1ミリモル以下であり、特に0.05ミリモル以下が最も好ましい。又、下限は特に限定されない。
【0081】
本発明の記録用紙のインク吸収層には、更に水溶性多価金属イオンを含有させておくことが好ましい。
【0082】
本発明のインクジェト記録用紙のインク吸収層及び必要に応じて設けられるその他の層には、前記した以外に各種の添加剤を添加することができる。
【0083】
例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、又はこれらの共重合体、尿素樹脂、又はメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子;カチオン又はノニオンの各種界面活性剤;特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤;特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている褪色防止剤;特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤;硫酸、燐酸、枸櫞酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤;消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0084】
中でも、前記の無機微粒子の表面がアニオン性である場合には、染料の耐水性やプリント後の滲みを改良するために、第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーをインク吸収層中に添加するのが好ましい。
【0085】
その様なカチオン性ポリマーとしては、公知のポリマーを使用することが出来るが、特に特開平10−193776号、同10−217601号、同11−20300号等に記載されているものが好ましい。
【0086】
多孔質のインク吸収層は2層以上から構成されてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成はお互いに同じであっても異なってもよい。
【0087】
本発明の記録用紙のインク吸収層及び下引層など、必要に応じて適宜設けられる各種の親水性層を支持体上に塗布する方法は、公知の方法から適宜選択して行うことができる。好ましい方法は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設・乾燥して得られる。この場合、2層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての親水性バインダー層を1回の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
【0088】
塗布方式としては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法又は米国特許2,681,294号に記載のホッパーを使用する、エクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
【0089】
本発明のインクジェット記録用紙を用いて画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好ましく用いられる。
【0090】
本発明で言う水性インクとは、下記着色剤及び液媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。
【0091】
着色剤としては、インクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料又は食品用色素等の水溶性染料又は水分散性顔料が使用できる。中でも、特に効果が大きいのは、フタロシアニン系の染料をシアン染料として含有するものである。フタロシアニン系染料は、シアン系染料の中でも特に広く知られ、かつ用いられているものである。
【0092】
水性インクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えばメチルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられる。
【0093】
これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセリン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエーテル類は好ましいものである。
【0094】
その他、水性インクの添加剤としては、例えばpH調節剤、金属封鎖剤、防黴剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤などが挙げられる。
【0095】
水性インク液は、記録用紙に対する濡れ性を良好にするため、20℃において25〜60dyn/cm、好ましくは30〜50dyn/cmの範囲内の表面張力を有することが好ましい。
【0096】
【実施例】
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明の実施態様がこれらに限定されるものではない。尚、実施例中での「%」は、特に断りのない限り絶乾重量%を示す。
【0097】
実施例1
(シリカ分散液−1の調製)
1次粒子の平均粒径が約0.007μmの気相法シリカ(日本アエロジル工業社製:A300)125kgを、三田村理研工業社製のジェットストリーム・インダクターミキサーTDSを用いて、硝酸でpH=3.0に調整した620リットルの純水中に室温で吸引分散した後、純水で全量を694リットルに仕上げた。
【0098】
(シリカ分散液−2の調製)
下記のカチオンポリマー(P−1)1.63kg、エタノール2.2リットル、プロパノール1.5リットルを含有する水溶液(pH=3.0)18リットルに、シリカ分散液−1の69.4リットルを撹拌しながら添加し、次いで消泡剤(SN381:サンノプコ社製)を1g添加した。
【0099】
この混合液を三和工業社製高圧ホモジナイザーで分散し、全量を純水で97リットルに仕上げた。
【0100】
【化1】
Figure 0003767235
【0101】
(塗布液の調製)
上記シリカ分散液−2を使用して下記の塗布液を調製した。
【0102】
シリカ分散液−2の650mlに、40℃で撹拌しながら以下の添加剤を順次混合した。
【0103】
Figure 0003767235
【0104】
〈インクジェット記録用紙の作製〉
厚さ170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(インク受容層側のポリエチレン中に8重量%のアナターゼ型酸化チタン含有;インク受容層面側に0.05g/m2のゼラチン下引層、反対側にTgが約80℃のラテックスポリマーをバック層として0.2g/m2含有する)に、上記塗布液を湿潤膜厚が170μmになるように塗布し、約7℃に一度冷却した後に20〜65℃の温風を吹き付けて乾燥し、記録用紙−1〜5を作製した。
【0105】
比較例1
実施例1で使用した支持体を、厚さ150μmの吸水性のキャストコート紙に変更した以外は実施例1と同様にして、記録用紙−1A〜5Aを作製した。
【0106】
得られた各記録用紙について耐光性を評価した。
【0107】
《耐光性》
フタロシアニン系シアン染料を2重量%、グリセリンを6重量%、エチレングリコールを20重量%含有する水性インクを用い、インクジェットプリンターで吐出量を段階的に変化させて各記録用紙にプリントした。
【0108】
得られたプリント画像を、蛍光灯褪色試験機でプリント面が約2000Luxになる条件下で温湿度が30℃・50%RH、30℃・75%RHの二つの条件下で20日、80日間光照射した。
【0109】
蛍光灯照射前の反射濃度が1.0になる点の蛍光灯照射後の反射濃度を色素残存率として耐光性の尺度とした。
【0110】
得られた結果を表1に示す。
【0111】
【表1】
Figure 0003767235
【0112】
表1の結果から、吸水性支持体を用いた比較の記録用紙−1A〜5Aより、非吸水性支持体を用いた本発明の記録用紙−1〜5の方が全体に耐光性は優れているが、非吸水性支持体を有する記録用紙に本発明のポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系の重縮合物を添加することにより、更に褪色性が向上することが解る。
【0113】
一方、吸水性支持体を用いた場合には、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系の重縮合物を添加しても耐光性は殆ど向上されない。
【0114】
実施例2
実施例1で作製した記録用紙−2に、表2に示す水溶性多価金属化合物を添加した記録用紙−21〜29を同様にして作製した。尚、記録用紙−1に、水溶性多価金属化合物を添加しただけの記録用紙−11及び12も作製した。
【0115】
得られた各記録用紙の耐光性を実施例1と同様に、又、プリント後の滲みを以下のように評価した。結果を表2に示す。
【0116】
《滲み》
耐光性試験で使用したインクとインクジェットプリンターでシアンの線(線幅≒300μm)を印字し、40℃・80%RHで5日間保存した。
【0117】
保存前後での線幅をマイクロデンシトメーターで測定(反射濃度が最大濃度の50%の部分の幅を線幅とした)し、下記の値を以て滲みとした。値が少ないほど滲みが良好であることを示す。
【0118】
{保存後の線幅(μm)−保存前の線幅(μm)}/保存前の線幅(μm)
【0119】
【表2】
Figure 0003767235
【0120】
表2の結果から、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を添加することにより滲みが稍悪化する(記録用紙−1に対する2)。又、記録用紙−11及び12は、長期間保存での耐光性劣化が見られる。
【0121】
これは、より染料固着性の高いカチオン性ポリマーに対する染着性が、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物により阻害されたと考えられるが、これに水溶性多価金属塩を添加した記録用紙−21〜28は、何れも耐光性に悪影響を及ぼすことなく滲みを改良していることが解る。
【0122】
多価金属塩ではない塩を添加した記録用紙−29では滲みの改良効果が得られないことが解る。尚、記録用紙−25は、表面が稍ブロンジング傾向が認められた。
【0123】
実施例3
実施例1で作製したシリカ分散液−2と同様にして、硼酸塩を含有する下記シリカ分散液−3を作製した。
【0124】
(シリカ分散液−3の調製)
カチオンポリマー(P−1:前出)1.63kg、エタノール2.2リットル、プロパノール1.5リットルを含有する水溶液(pH=3.0)18リットルに、シリカ分散液−1の69.4リットルを撹拌しながら添加し、次いで、硼酸260gと硼砂230gを含有する水溶液7.0リットルを添加し、消泡剤(SN381:前出)を1g添加した。
【0125】
この混合液を三和工業社製高圧ホモジナイザーで分散し、全量を純水で97リットルに仕上げた。
【0126】
(塗布液の調製)
上記のシリカ分散液−3を使用して、実施例1で使用したポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を表3に示す量になるように添加した下記の塗布液を調製した。
【0127】
シリカ分散液−3の650mlに、40℃で撹拌しながら以下の添加剤を順次混合した。
【0128】
Figure 0003767235
【0129】
〈記録用紙の作成〉
実施例1と同様の方法で、実施例1で作製した記録用紙−1〜5に対応して硼酸塩を含有する記録用紙−31〜35を作製した。ただし、支持体はRC原紙を使用した。
【0130】
得られた記録用紙を用いて実施例1、2と同様にして耐光性と滲みを評価し、表3に示す結果を得た。
【0131】
【表3】
Figure 0003767235
【0132】
表3に示す結果から、硼酸塩を添加した記録用紙は、耐光性に悪影響を与えることなくポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物による滲みを改良していることが解る。
【0133】
実施例4
(シリカ分散液−4の作製)
シリカ分散液−3において、カチオンポリマーをP−1からP−2に変更し、又、硼酸と硼砂を、それぞれ200gと210gに変更した以外はシリカ分散液−2と同様にしてシリカ分散液−4を作製した。
【0134】
【化2】
Figure 0003767235
【0135】
(酸化チタン分散液の作製)
酸化チタンW−10(石原産業社製)25kgを、5%のトリポリ燐酸ナトリウム水溶液1リットル、ポリビニルアルコール(PVA235)10リットル、消泡剤(SN381)3ml及びカチオンポリマー(P−1)1.5kgを含有する水溶液75リットルに添加し、高圧ホモジナイザーで分散し、全量を100リットルに純水で仕上げて酸化チタン分散液を得た。
【0136】
(オイル分散液−1の作製)
ジ−i−デシルフタレート34kgと酢酸エチル45リットルを、酸処理ゼラチン11kg、カチンポリマー(P−1)10kg及びサポニン11kgを含有する水溶液270リットルに50℃で添加し、高圧ホモジナイザーで乳化分散した後、全量を380リットルに純水で仕上げてオイル分散液−1を作製した。
【0137】
(塗布液の調製)
以下の4種の塗布液を作製した。
【0138】
第1層(最下層)用塗布液
シリカ分散液−3 600ml
ポリビニルアルコール(PVA203)10%水溶液 6.1ml
ポリビニルアルコール(PVA235)5%水溶液 260ml
オイル分散液−1 29ml
酸化チタン分散液 33ml
カチオン性ラテックス
(AE−803:昭和高分子工業社製) 36ml
表4に示すポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物(数値は記録用紙1m2当たりの添加量を示す)
全量を純水で1000mlに仕上げる(塗布液pH=4.5)。
【0139】
第2層用塗布液
シリカ分散液−3 670ml
ポリビニルアルコール(PVA203)10%水溶液 6.1ml
ポリビニルアルコール(PVA235)5%水溶液 240ml
オイル分散液−1 41ml
カチオン性ラテックス(AE−803:前出) 11ml
表4に示すポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物(数値は記録用紙1m2当たりの添加量を示す)
全量を純水で1000mlに仕上げる(塗布液pH=4.5)。
【0140】
第3層用塗布液
シリカ分散液−4 630ml
ポリビニルアルコール(PVA203)10%水溶液 6.1ml
ポリビニルアルコール(PVA235)5%水溶液 260ml
オイル分散液−1 41ml
カチオン性ラテックス(AE−803:前出) 11ml
全量を純水で1000mlに仕上げる(塗布液pH=4.5)。
【0141】
第4層(最上層)用塗布液
シリカ分散液−4 610ml
ポリビニルアルコール(PVA203)10%水溶液 6.1ml
ポリビニルアルコール(PVA235)5%水溶液 270ml
シリコンオイル分散液(BY−22−839:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製) 16ml
サポニン50%水溶液 2ml
全量を純水で1000mlに仕上げる(塗布液pH=4.5)。
【0142】
〈記録用紙の作製〉
上記の第1〜4層の各塗布液を、実施例1で使用した支持体上に、各層の湿潤膜厚が45μmになるように4層同時塗布して記録用紙−41〜45、及び41A〜45Aを作製した。
【0143】
これらの記録用紙を用い、実施例1と同様に耐光性を評価し、表4に示す結果を得た。
【0144】
【表4】
Figure 0003767235
【0145】
表4の結果から、インク吸収層が多層構成になり、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を支持体に近い2層のみ添加しても、支持体が非吸水性である場合に褪色防止効果が得られることが解る。
【0146】
実施例5
実施例4のオイル分散液−1を作製する際に、ジ−i−デシルフタレート及び酢酸エチルと共に表5に示す疎水性酸化防止剤を添加した以外はオイル分散液−1と同様にして、オイル分散液を作製した。表中、数値は記録用紙1m2当たりの総添加量を示す。
【0147】
実施例4で作製した記録用紙−41及び42の第1〜3層のオイル分散液を上記のように作製したオイル分散液に変更した以外は記録用紙−41及び42と同様にして記録用紙−51〜55(記録用紙−42に対応してポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有)、51B〜55B(記録用紙−41に対応してポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有しない)を作製した。
【0148】
これらの記録用紙について、実施例1と同様にして耐光性を評価し、表5に示す結果を得た。
【0149】
【表5】
Figure 0003767235
【0150】
【化3】
Figure 0003767235
【0151】
表5に示す結果から、疎水性酸化防止剤を添加することにより、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物の褪色防止効果が長期間持続することが解る。特に、この効果は高湿度で保存した場合に高いことが解る。
【0152】
一方、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有しない場合には、上記疎水性酸化防止剤の添加によっても高い褪色防止効果は得られない。
【0153】
実施例6
実施例4の記録用紙−42及び41において、表6に示す各種の添加剤を添加した記録用紙−61〜66及び−61B〜66Bを実施例−4と同様にして作製した。
【0154】
上記添加剤は、それぞれ水又はメタノール溶液として第1層塗布液に添加した。表6に示した添加量は記録用紙1m2当たりの添加量である。
【0155】
記録用紙−61〜66は、記録用紙−42に対応してポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有し、記録用紙−61B〜66Bは記録用紙−41に対応してポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有しない。
【0156】
実施例4と同様に得られた記録用紙の耐光性を評価し、表6に示す結果を得た。
【0157】
【表6】
Figure 0003767235
【0158】
表6に示す結果から、水溶性還元剤をポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物と併用(記録用紙−61〜63)することにより、又、含硫黄化合物を併用(記録用紙−64〜66)することにより、何れも光褪色性が長期に亘って改良されることが解る。
【0159】
一方、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有しない場合には、上記添加剤のみではフタロシアニン系シアン染料に対する褪色防止効果は不十分である。
【0160】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、非吸水性支持体上に、多孔質のインク吸収層中にポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有させることにより耐光性を飛躍的に改善することができる。

Claims (2)

  1. 非吸水性支持体上に、アスコルビン酸又はその塩、グルコース、ヒドロキシルアミン誘導体から選ばれる少なくとも1種の水溶性還元剤、及び、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有する多孔質のインク吸収層を有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. フタロシアニン系水溶性シアン染料を含有し、かつ高沸点有機溶媒を30重量%以上含有する水性インクで、請求項1に記載のインクジェット記録用紙に記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
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