JP2003312133A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2003312133A
JP2003312133A JP2002122172A JP2002122172A JP2003312133A JP 2003312133 A JP2003312133 A JP 2003312133A JP 2002122172 A JP2002122172 A JP 2002122172A JP 2002122172 A JP2002122172 A JP 2002122172A JP 2003312133 A JP2003312133 A JP 2003312133A
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zirconium
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ink
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JP2002122172A
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友香子 ▲高▼
Yukako Ko
Takahiko Nojima
隆彦 野島
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、プリント後のブロンジング
が防止され、かつ高湿下における滲み耐性が良好なイン
クジェット記録用紙を提供することにある。 【解決手段】 非吸水性支持体上に無機微粒子、バイン
ダー、カチオン性ポリマー及びバインダーの架橋剤を含
有するインク吸収層を有するインクジェット記録用紙に
おいて、該インク吸収層が多価金属化合物(但し、酸化
アルミニウム及び酸化ジルコニウムは除く)を含有し、
かつJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87
に準じ、ジエチレングリコール/トリエチルモノブチル
エーテル/水=15/15/70の質量比で混合した液
体により、ブリストー法で測定した接触時間0.04秒
における液体転移量が20ml/m2以上であることを
特徴とするインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙に関し、詳しくは、ブロンジングの発生がなく、
高湿下における滲み耐性が良好な高光沢、高画質のイン
クジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録は急速に画質
が向上してきており、写真画質に迫りつつある。この様
な写真画質をインクジェット記録で達成するため、イン
クジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)の
面でも改善が進んでおり、高平滑性の支持体上に微粒子
と親水性ポリマーからなる微小な空隙を有する層(以
下、空隙層、インク吸収層、あるいは多孔質層ともい
う)を設けた空隙型の記録用紙は、高い光沢を有し、鮮
やかな発色を示し、インク吸収性及び乾燥性に優れてい
ることから、最も写真画質に近いものの一つとなりつつ
ある。特に、非吸水性支持体を用いた場合には、吸水性
支持体に見られるようなプリント後のコックリング(し
わ)の発生がなく、高平滑な表面を維持できるため、よ
り高品位なプリントを得ることができる。
【0003】インクジェット記録は、一般に、水溶性染
料インクを用いる場合と顔料インクを用いる場合とに大
別される。顔料インクは画像の耐久性に優れているが、
画像上の光沢が変化しやすく写真画質のプリントが得に
くい。これに対し、水溶性染料インクを用いると画像の
鮮明性が高く均一な光沢が得られ、写真画質に匹敵する
カラープリントが得られる。
【0004】しかし、この水溶性染料は親水性が高いた
めに、滲みが発生するという弱点を有している。すなわ
ち、画像を記録した後、高湿下で長期間保存した場合に
画像が滲み易い。
【0005】この問題を解決するために、カチオン性物
質のような染料固着性物質を多孔質層中に添加しておく
ことが一般的に行われている。例えば、カチオン性ポリ
マーを用いて、アニオン性の染料を結合させ強固に不動
化する方法が好ましく用いられている。このようなカチ
オン性ポリマーとしては、4級アンモニウム塩の重合物
等が挙げられ、例えば、「インクジェットプリンター技
術と材料」(株式会社シーエムシー発行 1998年7
月)又は特開平9−193532号公報にその詳細が記
載されている。しかしながら、カチオン性ポリマーのみ
を用いただけでは、滲み耐性については不十分であるこ
とが知られている。
【0006】一方、特開昭55−53591号、同55
−150396号、同56−86789号、同58−8
9391号及び同58−94491号には、水溶性の多
価金属化合物を予めインクジェット記録用紙中に添加し
ておき、インクジェット記録時に染料を凝集固着させて
染料を不動化させる方法も提案されている。
【0007】更に、特開昭61−74880には、カチ
オン性ポリマーと多価金属化合物とを併用する方法が記
載され、特開2001−301318には非吸水性支持
体上に、親水性バインダー、カチオン性ポリマー及び無
機微粒子、水溶性多価金属塩及びカチオン性界面活性剤
を含有することにより、耐湿性、ブロンジングを防止す
ることが提案されている。しかしながら、いずれもプリ
ント後のブロンジングの防止効果や高湿下における滲み
耐性に対しては未だ不十分であった。
【0008】以上の様な状況を踏まえ、非吸水性支持体
を用いても、上記のような問題点の解消されたインクジ
ェット記録用紙の開発が要望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みてなされたものであり、その目的は、プリント後の
ブロンジングが防止され、かつ高湿下における滲み耐性
が良好な高光沢で、高画質なインクジェット記録用紙を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0011】1.非吸水性支持体上に無機微粒子、バイ
ンダー、カチオン性ポリマー及びバインダーの架橋剤を
含有するインク吸収層を有するインクジェット記録用紙
において、該インク吸収層が多価金属化合物(但し、酸
化アルミニウム及び酸化ジルコニウムは除く)を含有
し、かつJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−
87に準じ、ジエチレングリコール/トリエチルモノブ
チルエーテル/水=15/15/70の質量比で混合し
た液体により、ブリストー法で測定した接触時間0.0
4秒における液体転移量が20ml/m2以上であるこ
とを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0012】2.前記無機微粒子が、一次粒子の平均粒
径が3〜100nmであることを特徴とする前記1項記
載のインクジェット記録用紙。
【0013】3.前記多価金属化合物が、ジルコニウム
原子又はアルミニウム原子を含有する化合物であること
を特徴とする前記1又は2項記載のインクジェット記録
用紙。
【0014】4.前記ジルコニウム原子又はアルミニウ
ム原子を含有する化合物が、ポリ塩化アルミニウム化合
物、ポリ硫酸アルミニウム化合物、ポリ硫酸ケイ酸アル
ミニウム化合物又はジルコニウム系活性無機ポリマーで
あることを特徴とする前記3項記載のインクジェット記
録用紙。
【0015】5.前記無機微粒子が、シリカ微粒子であ
ることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載
のインクジェット記録用紙。
【0016】6.前記シリカ微粒子が、気相法シリカで
あることを特徴とする前記5項記載のインクジェット記
録用紙。
【0017】7.前記インク吸収層が、尿素又はその誘
導体を含有することを特徴とする前記1〜6項のいずれ
か1項に記載のインクジェット記録用紙。
【0018】本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討を
行った結果、無機微粒子、バインダー、カチオン性ポリ
マー、バインダーの架橋剤及び多価金属化合物(但し、
酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムは除く)を含有
し、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87
に準じて、ジエチレングリコール/トリエチルモノブチ
ルエーテル/水=15/15/70の質量比で混合した
液体を用いたブリストー法により測定した、接触時間
0.04秒における液体転移量が20ml/m2以上で
あるインクジェット記録用紙とすることにより、ブロン
ジングが起こりにくくなり、高湿下における滲み耐性も
良好になることを見いだした。詳細なメカニズムは不明
であるが、前述の様に、カチオン性ポリマーと多価金属
化合物が共存すると発生しやすいプリント後のブロンジ
ングは、液体転移量が20ml/m 2以上であると、イ
ンク液が瞬時にインク吸収層内部に拡散し、インク吸収
層内部に染料が瞬時に入りこむために、プリント表面で
染料が会合、凝集、次いで結晶化して起こると考えられ
るブロンジングが起こりにくくなり、かつ高湿下におけ
る滲み耐性も良好になると考えられる。また、尿素又は
その誘導体を含有することにより、染料分子が拡散しや
すくなり、ブロンジングの発生がさらに起こりにくくな
ることと考えられる。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。請求項1
に係る発明では、非吸水性支持体上に無機微粒子、バイ
ンダー、カチオン性ポリマー及びバインダーの架橋剤を
含有するインク吸収層を有するインクジェット記録用紙
が、インク吸収層が多価金属化合物(但し、酸化アルミ
ニウム及び酸化ジルコニウムは除く)を含有し、かつ
J.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87に準
じ、ジエチレングリコール/トリエチルモノブチルエー
テル/水=15/15/70の質量比で混合した液体に
より、ブリストー法で測定した接触時間0.04秒にお
ける該液体の転移量が20ml/m2以上であることが
特徴である。
【0020】はじめに、ブリストー法により測定する液
体転移量について説明する。本発明でいうブリストー法
とは、短時間での紙及び板紙の液体吸収挙動を測定する
方法であり、詳しくは、J.TAPPI紙パルプ試験方
法No.51−87の紙又は板紙の液体吸収性試験方法
(ブリストー法)に準じて測定し、接触時間0.04秒
におけるインク転移量(ml/m2)で表される。な
お、上記の測定方法では、測定に純水(イオン交換水)
が使用されているが、、本発明においては、ジエチレン
グリコール/トリエチルモノブチルエーテル/水=15
/15/70の質量比で混合した溶液を用いて測定す
る。
【0021】具体的な測定方法の一例を、以下に説明す
る。インク転移量の測定法としては、記録用紙を25
℃、50%RHの雰囲気下で12時間以上放置した後、
例えば、熊谷理機工業株式会社製の液体動的吸収性試験
機であるBristow試験機II型(加圧式)を用いて
測定する。測定に用いる液体は、ジエチレングリコール
/トリエチルモノブチルエーテル/水=15/15/7
0の質量比で混合した溶液とし、判定精度を高めるた
め、市販の染料を添加し、規定の接触時間後に記録用紙
上の染色された部分の面積を測定することにより、イン
ク転移量を求めることができる。
【0022】本発明で規定する接触時間0.04秒にお
ける液体転移量を20ml/m2以上とする方法として
は、特に制限はないが、例えば、空隙率の拡大及び/又
はバインダー、カチオン性ポリマーのインク溶媒に対す
る膨潤を抑制する方法などが挙げられる。空隙率の拡大
の具体的手段としては、例えば、無機微粒子Fとバイン
ダーBの比率(F/B比)を高くする、無機微粒子の二
次粒径を大きくする等の方法が挙げられる。また、バイ
ンダー、カチオン性ポリマーの膨潤抑制の具体的手段と
しては、架橋剤をオーバーコートして表面のバインダー
を架橋する、膨潤しにくいカチオン性ポリマーを用い
る、バインダーを親水性バインダーではなく疎水性バイ
ンダーを用いる等が挙げられる。本発明において、上記
の方法を単独で用いても、あるいは必要に応じて2つ以
上組み合わせ行ってもよい。
【0023】本発明においては、J.TAPPI紙パル
プ試験方法No.51−87に記載されるジエチレング
リコール/トリエチルモノブチルエーテル/水=15/
15/70の質量比で混合した液体を用いたブリストー
法による接触時間0.04秒における該液体の転移量が
20ml/m2以上であることが特徴であるが、好まし
くは20〜40ml/m2である。40ml/m2を越え
ると、ひび割れが大きく劣化する懸念がある。
【0024】次いで、本発明に係る無機微粒子について
説明する。本発明で用いられる無機微粒子としては、従
来インクジェット記録用紙で公知の各種の固体微粒子を
用いることができる。
【0025】無機微粒子の例としては、例えば、軽質炭
酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化
亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、
合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロ
イダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、
リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無
機顔料等を挙げることができる。
【0026】上記微粒子は、一次粒子のままでバインダ
ー中に均一に分散された状態で用いられることも、ま
た、二次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された
状態で添加されても良いが、高インク吸収性を達成する
という観点からは後者がより好ましい。
【0027】上記無機微粒子の形状は、本発明では特に
制約を受けず、球状、棒状、針状、平板状、数珠状の物
であっても良い。
【0028】無機微粒子は、その一次粒子の平均粒径は
3〜100nmのものであることが、記録用紙の光沢性
が良好である、という観点から好ましい。
【0029】本発明に係る無機微粒子としては、無機微
粒子と少量の有機物(低分子化合物でも、高分子化合物
でもよい)とからなる複合粒子でも、実質的には無機微
粒子と見なす。この場合、乾燥被膜中に観察される最高
次粒子の粒径をもって、その無機微粒子の粒径とする。
上記無機微粒子と少量の有機物との複合粒子における有
機物/無機微粒子の質量比は概ね1/100〜1/4で
ある。
【0030】本発明に係る無機微粒子としては、低コス
トであることからシリカ微粒子が好ましく、更に、高い
反射濃度、透明性が得られる観点から、気相法シリカで
あることがより好ましい。また、カチオン表面処理され
た気相法シリカ等も用いることができる。
【0031】インク吸収層に用いられる無機微粒子の添
加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、
無機微粒子の種類、バインダーの種類に大きく依存する
が、一般には、記録用紙1m2当たり通常3〜30g、
好ましくは5〜25gである。インク吸収層に用いられ
る無機微粒子と親水性バインダーの比率は、質量比で通
常2:1〜20:1であり、特に5:1〜12:1であ
ることが好ましい。
【0032】無機微粒子の添加量に伴い、インク吸収容
量も増加するが、カールやひび割れ等が悪化しやすいた
め、空隙率のコントロールにより、インク吸収容量を増
加させる方法が好ましい。好ましい空隙率は55〜80
%である。空隙率は選択する無機微粒子、バインダーの
種類によって、あるいはそれらの混合比によって、また
はその他の添加剤の量によって適宜調節することができ
る。
【0033】ここでいう空隙率とは、空隙層の体積にお
ける空隙の総体積の比率であり、その層の構成物の総体
積と層の厚さから計算で求められる。
【0034】次に、本発明に係るバインダーについて説
明する。本発明に係るバインダーは、親水性であっても
疎水性であってもよいが、疎水性バインダーと親水性バ
インダーを併用するのが好ましい。
【0035】疎水性バインダーとしては、水酸基を含む
高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂が好ま
しい。高分子分散剤は、ポリビニルアルコールであるこ
とが特に好ましい。エマルジョン樹脂の最低製膜温度
(Tg)は20℃以下であることが室温で製膜する観点
から好ましいが、5℃以下であることがより好ましい。
エマルジョン樹脂の平均粒径は、0.01〜2μmが好
ましく、0.05〜1.5μmが特に好ましい。このよ
うなエマルジョン樹脂で市販されているものとしては、
例えば、大同化学工業社製のビニゾール480やビニゾ
ール2023等の酢酸ビニル系エマルジョン、日信化学
工業社製のビニブラン1108W、ビニブラン1084
W等の酢酸ビニル系エマルジョンや、ビニブラン259
7、ビニブラン2561等のアクリル系エマルジョン、
住友化学工業社製のスミカフレックスS−400、スミ
カフレックスS−405等の酢酸ビニル−エチレン系エ
マルジョンなどが挙げられる。
【0036】併用することのできる親水性バインダーと
しては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ヒドロキ
シエチルセルロース、寒天、プルラン、デキストリン、
アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、
アルギン酸等が挙げられ、2種以上を併用することもで
きる。これらの中で好ましい親水性バインダーはポリビ
ニルアルコールである。
【0037】上記ポリビニルアルコールとしては、カチ
オン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有
するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を置
換したシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビ
ニルアルコールも含まれる。
【0038】併用するポリビニルアルコールは、平均重
合度が300以上のものが好ましく、特に平均重合度が
1000〜5000のものが好ましく用いられ、ケン化
度は70〜100モル%のものが好ましく、80〜9
9.5モル%のものが特に好ましい。
【0039】他の親水性バインダーまたは疎水性バイン
ダー組み合わせて使用する場合、バインダー中に含まれ
る水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合されたエマルジ
ョン樹脂の割合は5質量%以上であることが好ましく、
10質量%以上が特に好ましい。
【0040】次に、本発明に係るカチオン性ポリマーに
ついて説明する。本発明に係るカチオン性ポリマーは、
ポリマー主鎖または側鎖に第1〜3級アミン、第4級ア
ンモニウム塩基、または第4級ホスホニウム塩基などを
有するポリマーであり、インクジェット記録用紙で公知
の化合物が用いられ、記録用紙の製造のし易さの観点か
らは、実質的に水溶性であるものが好ましい。
【0041】本発明に使用されるカチオン性ポリマーの
例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、
ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポ
リアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジ
アミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマ
リン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付
加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重
合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO
2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリド
ン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジ
ン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニル
ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、
(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニ
ウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート重合物、などが挙げられる。
【0042】また、本発明に係るカチオン性ポリマーと
して、膨潤しにくいカチオン性ポリマーが好ましく、特
に、アクリル酸類などを共重合したカチオン性ポリマー
が好ましい。アクリル酸類としては、アクリル酸エステ
ル類、アクリルアミド類が挙げられ、更には、ブチルア
クリレート、ヒドロキシエチルメチルアクリレートが好
ましい。
【0043】または、化学工業時報平成10年8月1
5,25日に述べられるカチオン性ポリマー、三洋化成
工業株式会社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分
子染料固着剤が例として挙げられる。
【0044】本発明に係るカチオン性ポリマーの重量平
均分子量としては2000〜50万の範囲であることが
好ましく、更に好ましくは、3000〜10万の範囲で
ある。
【0045】本発明に係るカチオン性ポリマーは、塗布
液に添加してから塗布乾燥してもよいし、多孔質層塗布
乾燥後の被膜にその水溶液を含浸させて添加してもよ
い。また、多孔質層塗布後乾燥前に添加する方法も挙げ
られる。多孔質層塗布後乾燥前に添加する方法として
は、カーテン塗布、スプレー塗布、その他の方法が考え
られる。
【0046】また、本発明に係るカチオン性ポリマーを
塗布液にあらかじめ添加する場合、均一に塗布液に添加
するのみならず、無機微粒子とともに複合粒子を形成す
る形で添加してもよい。無機微粒子とカチオン性ポリマ
ーによって複合粒子を作製する方法としては、無機微粒
子にカチオン性ポリマーを混合し吸着被覆させる方法、
その被覆粒子を凝集させてより高次の複合粒子を得る方
法、さらには混合して得られる粗大粒子を分散機によっ
てより均一な複合粒子にする方法などが挙げられる。
【0047】本発明に係るカチオン性ポリマーは概ね水
溶性基を有するために水溶性を示すが、例えば共重合成
分の組成によって水に溶解しないことがある。製造の容
易性から水溶性であることが好ましいが、水に難溶であ
っても水混和性有機溶媒を用いて溶解し使用することも
可能である。
【0048】ここで水混和性有機溶媒とは、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール
などのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等のアミド類など、水に対して概ね10%以上溶解し
得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水
の使用量以下であることが好ましい。
【0049】カチオン性ポリマーはインクジェット記録
用紙1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.
2〜5gの範囲で用いられる。
【0050】次いで、本発明に係る多価金属化合物につ
いて説明する。請求項3に係る発明では、多価金属化合
物が、ジルコニウム原子またはアルミニウム原子を有す
る化合物であることが好ましい。
【0051】本発明に係るジルコニウム原子またはアル
ミニウム原子を有する化合物(ただし、酸化ジルコニウ
ムおよび酸化アルミニウムを除く)は、その化合物自身
は水溶性であっても非水溶性であっても良く、また無機
酸や有機酸の単塩および複塩、有機金属化合物、金属錯
体などのいずれであっても良いが、インク吸収層に均一
に添加できるものが好ましい。
【0052】本発明で用いることのできるジルコニウム
原子を有する化合物の具体例としては、二フッ化ジルコ
ニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウ
ム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウ
ム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナ
トリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフ
ルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ
化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジル
コニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニ
ウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩
化ジルコニウム(例えば、塩化ジルコニル)、二臭化ジ
ルコニウム、三臭化ジルコニウム、四臭化ジルコニウ
ム、臭化酸化ジルコニウム、三ヨウ化ジルコニウム、四
ヨウ化ジルコニウム、過酸化ジルコニウム、水酸化ジル
コニウム、硫化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、p−
トルエンスルホン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硫
酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和
物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウ
ム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコ
ニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウ
ム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニ
ルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニ
ル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、リ
ン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウム
イソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニ
ウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニ
ウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレー
ト、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナ
ト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナ
ト)クロロジルコニウムなどが挙げられる。
【0053】本発明で用いることのできるアルミニウム
原子を有する化合物の具体例としては、フッ化アルミニ
ウム、ヘキサフルオロアルミン酸(例えば、カリウム塩
等)、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム(例
えば、ポリ塩化アルミニウム)、テトラクロロアルミン
酸塩(例えば、ナトリウム塩等)、臭化アルミニウム、
テトラブロモアルミン酸塩(例えば、カリウム塩な
ど)、ヨウ化アルミニウム、アルミン酸塩(例えば、ナ
トリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等)、塩素酸ア
ルミニウム、過塩素酸アルミニウム、チオシアン酸アル
ミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸ア
ンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、
硫酸ナトリウムアルミニウム、燐酸アルミニウム、硝酸
アルミニウム、燐酸水素アルミニウム、炭酸アルミニウ
ム、ポリ硫酸珪酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酢
酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、蓚酸アルミニウ
ム、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチ
レート、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレ
ート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、
アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アル
ミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセト
アセトネート)等を挙げることができる。
【0054】請求項4に係る発明では、ジルコニウム原
子またはアルミニウム原子を有する化合物(但し酸化ジ
ルコニウムおよび酸化アルミニウムを除く)として、ポ
リ塩化アルミニウム化合物、ポリ硫酸アルミニウム化合
物、ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物又はジルコニウ
ム活性無機ポリマーであることが好ましい。
【0055】ポリ塩化アルミニウム化合物は、一般式
〔Al2(OH)nCl6-nm、〔Al(OH)3n・A
lCl3で示されるものであり、例えば、〔Al6(O
H)15 3+、〔Al8(OH)204+、〔Al13(O
H)345+などのような塩基性で、かつ高い陽電子を持
った多核縮合イオン(高分子性)を有効成分として、安
定に含んでいるポリ塩化アルミニウムである。
【0056】ポリ塩化アルミニウム化合物の市販品とし
ては、例えば、浅田化学(株)製のポリ水酸化アルミニ
ウム(Paho)、多木化学(株)製のポリ塩化アルミ
ニウム(PAC)、(株)理研グリーン製のピュラケム
WTが挙げられる。
【0057】また、ポリ硫酸アルミニウム化合物は、一
般式〔Al2(OH)n(SO46-n /2m(ただし、0
<n<6)で表されるものであり、市販品としては浅田
化学(株)製の塩基性硫酸アルミニウム(AHS)が挙
げられる。
【0058】ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物の市販
品としては、日本軽金属(株)製のPASSが挙げられ
る。
【0059】ジルコニウム系無機ポリマーの市販品とし
ては、第一希元素化学工業(株)製のジルコゾールZC
−2を挙げることができる。
【0060】上記ジルコニウム原子またはアルミニウム
原子を含む化合物は、インク吸収層を形成する塗布液に
添加してから塗布乾燥しても良いし、多孔質層を一旦塗
布乾燥した後、インク吸収層にオーバーコート法により
添加しても良い。
【0061】上記ジルコニウム原子またはアルミニウム
原子を含む化合物を、インク吸収層を形成する塗布液に
添加する場合、水や有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒
に均一に溶解して添加すること、あるいはサンドミルな
どの湿式粉砕法や乳化分散などの方法により微細な粒子
に分散して添加することができる。インク吸収層が複数
の層から構成される場合には、1層のみ添加してもよ
く、2層以上の層あるいは全ての層を形成する塗布液に
添加することもできる。
【0062】また、多孔質インク吸収層を一旦形成した
後、オーバーコート方法により添加する場合には、均一
な溶液に溶解して添加するのが好ましい。
【0063】ジルコニウム原子またはアルミニウム原子
を含む化合物は、インクジェット記録用紙1m2当た
り、通常0.01〜5g、好ましくは0.05〜2g、
特に好ましくは0.1〜1gの範囲で用いられる。
【0064】上記化合物は2種以上を併用しても良く、
この場合、ジルコニウム原子を含む化合物を2種以上を
併用することも、アルミニウム原子を含む化合物を2種
以上併用することも、更には、ジルコニウム原子とアル
ミニウム原子を含む化合物を併用することもできる。
【0065】次いで、架橋剤について説明する。親水性
バインダーとしてポリビニルアルコールを使用する場
合、空隙層中には皮膜の造膜性を改善し、また皮膜の耐
水性や強度を高めるために、架橋剤を含有することが好
ましい。
【0066】そのような架橋剤としては、例えば、ホウ
酸またはその塩、エポキシ系架橋剤(例えば、ジグリシ
ジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジル
エーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジ
グリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビト
ールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシ
ジルエーテル等)、アルデヒド系架橋剤(例えば、ホル
ムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系架
橋剤(例えば、2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−
1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物
(例えば、1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒ
ドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエ
ーテル等)、アルミ明礬、イソシアネート系化合物等が
挙げられ、その中でも、ホウ酸またはその塩が好まし
い。
【0067】ホウ酸またはその塩としては、硼素原子を
中心原子とする酸素酸およびその塩のことを示し、具体
的にはオルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ
酸、五ホウ酸およびそれらの塩が含まれる。
【0068】ホウ酸またはその塩の使用量は、塗布液の
無機微粒子や親水性バインダーの量により広範に変わり
得るが、親水性バインダーに対して概ね1〜60質量
%、好ましくは5〜40質量%である。
【0069】ホウ酸またはその塩などの架橋剤は、本発
明に用いられる多孔質層形成用の水溶性塗布液を塗布す
る際に、該塗布液中に添加してもよく、あるいは架橋剤
を含まない多孔質層形成用の水溶性塗布液を塗布、乾燥
した後、架橋剤を含有する溶液をオーバーコートするな
どして供給することができる。
【0070】本発明では、上記ホウ酸に加えて、前述の
他の架橋剤を併用することもできる。
【0071】架橋剤の使用量は、親水性バインダーの種
類、架橋剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バインダ
ーに対する比率等により変化するが、例えば、親水性バ
インダーとしてポリビニルアルコールを用いる場合に
は、通常、ポリビニルアルコール1g当たり5〜500
mg、好ましくは10〜300mgである。
【0072】請求項7に係る発明においては、インク吸
収層が、尿素又はその誘導体を含有することが好まし
い。
【0073】本発明で用いることのできる尿素及び尿素
誘導体としては、尿素、アルキル尿素、例えば、メチル
尿素、エチル尿素、N,N′−ジメチル尿素、エチレン
尿素、N,N′−ジヒドロキシエチル尿素等が好まし
く、その中でも、特に尿素が好ましい。
【0074】本発明に係る尿素又はその誘導体を添加す
る場合には、本発明の効果の点から、親水性バインダー
に対して5〜50質量%が好ましく、5〜20質量%が
より好ましい。また、記録用紙1m2当たりの添加量と
しては、0.05〜2gが好ましく、0.1〜0.5g
がより好ましい。0.05g未満であると効果が得られ
にくく、2g以上であると製造(塗布・乾燥工程)時に
ひび割れが起こる確率が高くなるため好ましくない。
【0075】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層には上記以外の各種の添加剤を添加することがで
き、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル
類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド
類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹
脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、カ
チオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−
74193号、同57−87988号及び同62−26
1476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−741
92号、同57−87989号、同60−72785
号、同61−146591号、特開平1−95091号
及び同3−13376号等に記載されている退色防止
剤、特開昭59−42993号、同59−52689
号、同62−280069号、同61−242871号
及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光
増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡
剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の
各種添加剤を含有させることもできる。
【0076】次に、本発明のインクジェット記録用紙に
用いられる支持体について説明する。
【0077】本発明のインクジェット記録用紙の支持体
は、非吸水性の支持体である。吸水性支持体を用いた場
合、ジルコニウムまたはアルミニウム原子を含む化合物
がインク吸収層を形成する際、またはその後の保存時に
支持体中に拡散して本発明の効果を十分に発揮すること
ができない。
【0078】本発明に用いられる非吸水性支持体として
は、プラスチック樹脂フィルム支持体、あるいは紙の両
面をプラスチック樹脂フィルムで被覆した支持体が挙げ
られる。プラスチック樹脂フィルム支持体としては、例
えば、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、セルローストリアセテー
トフィルム、ポリスチレンフィルムあるいはこれらの積
層したフィルム支持体等が挙げられる。これらのプラス
チック樹脂フィルムは、透明または半透明なものも使用
できる。
【0079】本発明においては、プリント時のコックリ
ング(しわ)が発生しない非吸水性支持体が好ましく、
特に好ましい支持体は、紙の両面をプラスチック樹脂で
被覆した支持体であり、最も好ましいのは紙の両面をポ
リオレフィン樹脂で被覆した支持体である。
【0080】以下、本発明で特に好ましい支持体である
紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体につい
て説明する。
【0081】本発明に係る支持体で用いられる紙は、木
材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加え
てポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポ
リエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パル
プとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、
LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いる
ことができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、L
BSP、NDP、LDPをより多く用いることが好まし
い。ただし、LBSP及び/またはLDPの比率は10
〜70%が好ましい。上記パルプは、不純物の少ない化
学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく
用いられ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパ
ルプも有用である。
【0082】紙中には、例えば、高級脂肪酸、アルキル
ケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タル
ク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリル
アミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増
白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加するこ
とができる。
【0083】抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSF
の規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後
の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッ
シュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ま
しい。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが
好ましい。
【0084】紙の坪量は50〜250gが好ましく、特
に、70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜21
0μmが好ましい。
【0085】紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー
処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.
7〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一般的
である。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定さ
れる条件で20〜200gが好ましい。
【0086】紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと
同様のサイズ剤を使用できる。
【0087】紙のpHは、JIS P 8113で規定
された熱水抽出法により測定された場合、pH5〜9で
あることが好ましい。
【0088】次に、この紙の両面を被覆するポリオレフ
ィン樹脂について説明する。この目的で用いられるポリ
オレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、
プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類
が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
【0089】以下、特に好ましいポリエチレンについて
説明する。紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、
主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/また
は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のL
LDPEやポリプロピレン等も一部使用することができ
る。
【0090】特に、塗布層側のポリオレフィン層は、ル
チルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加
し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸
化チタン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20
%、好ましくは2〜15%である。
【0091】ポリオレフィン層中には、白地の調整を行
うための耐熱性の高い着色顔料や蛍光増白剤を添加する
ことができる。
【0092】着色顔料としては、例えば、群青、紺青、
コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブル
ー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブル
ー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
【0093】蛍光増白剤としては、例えば、ジアルキル
アミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビス
メチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナ
フタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベン
ズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙
げられる。
【0094】紙の表裏のポリエチレンの使用量は、イン
ク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化
でのカールを最適化するように選択されるが、一般には
ポリエチレン層の厚さはインク吸収層側で15〜50μ
m、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏の
ポリエチレンの比率はインク受容層の種類や厚さ、中紙
の厚み等により変化するカールを調整する様に設定され
るのが好ましく、通常は表/裏のポリエチレンの比率
は、厚みで概ね3/1〜1/3である。
【0095】更に、上記ポリエチレンで被覆紙支持体
は、以下(1)〜(7)の特性を有していることが好ま
しい。
【0096】(1)引っ張り強さ:JIS P 811
3で規定される強度で縦方向が19.6〜294N、横
方向が9.8〜196Nであることが好ましい。
【0097】(2)引き裂き強度:JIS P 811
6で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94N、
横方向が0.098〜2.45Nが好ましい。
【0098】(3)圧縮弾性率:9.8kN/cm2
好ましい。 (4)不透明度:JIS P 8138に規定された方
法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好
ましい。
【0099】(5)白さ:JIS Z 8727で規定
されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3
〜+5、b*=−7〜+2であることが好ましい。
【0100】(6)クラーク剛直度:記録用紙の搬送方
向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100であ
る支持体が好ましい。
【0101】(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜
10%が好ましい。 (8)インク受容層を設ける光沢度(75度鏡面光沢
度)は10〜90%が好ましい。
【0102】(その他のインクジェット記録用紙の構成
因子)本発明のインクジェット記録用紙において、多孔
質インク吸収層及び下引き層など必要に応じて適宜設け
られる各種の層を支持体上に塗布する方法は、公知の方
法から適宜選択して行うことができる。好ましい方法
は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設して乾燥し
て得られる。この場合、2層以上を同時に塗布すること
もでき、特に全ての親水性バインダー層を1回の塗布で
済ます同時塗布が好ましい。
【0103】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを
使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いら
れる。
【0104】本発明のインクジェット記録用紙の記録面
の膜面pHは、3.0〜7.5が好ましい。膜面pHが
3.0以上であれば、インクジェットで記録した際に染
料が析出して金属状に光沢が変化するいわゆるブロンジ
ングを防止でき、また、膜面pHが7.5以下であれ
ば、十分な滲み耐性を発揮することができる。
【0105】本発明のインクジェット記録用紙の記録面
の膜面pHの測定は、J.TAPPI紙パルプ試験方法
No.49に記載の方法に従って、蒸留水を用い、30
秒後に測定する方法で求めることができる。
【0106】本発明において、記録面の膜面pHは、記
録面を形成する塗工液のpHを調整することにより所定
の範囲にすることができる。また、記録面を形成した
後、適当なpH調整剤をオーバーコートすることにより
所定の範囲にすることもできる。pH調整剤としては適
当な酸やアルカリの水溶液を用いることもでき、この場
合、使用する酸やアルカリの種類、濃度は、調整するp
Hの幅によって適宜選択することができる。
【0107】なお、本発明のインクジェット記録用紙
は、特に水溶性染料インクを用いたインクジェット記録
において特に効果が大きく好ましいが、顔料インクを用
いたインクジェット記録でも使用することが出来る。
【0108】本発明のインクジェット記録用紙を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好
ましく用いられる。
【0109】上記水性インクとは、下記着色剤及び溶
媒、その他の添加剤を有する記録液体である。着色剤と
しては、インクジェットで公知の直接染料、酸性染料、
塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性
染料あるいは水分散性顔料が使用できる。
【0110】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、tert−ブチル
アルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまた
はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキ
サントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコ
ール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノ
ールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコール
メチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエ
チル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエ
ーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等
が挙げられる。中でも、ジエチレングリコール、トリエ
タノールアミンやグリセリン等の多価アルコール類、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコ
ールの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。
【0111】その他の水性インクの添加剤としては、例
えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整
剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤、
等が挙げられる。
【0112】水性インク液は、記録用紙に対する濡れ性
を良好にするために、20℃において、通常、0.02
5〜0.06N/m、好ましくは0.03〜0.05N
/mの範囲内の表面張力を有するのが好ましい。上記イ
ンクのpHは、好ましくは5〜10であり、特に好まし
くは6〜9である。
【0113】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて具体的に説
明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
なお、実施例中に記載の「%」は、特に断りのない限り
質量%を示す。
【0114】《インクジェット記録用紙の作製》 〔記録用紙1の作製:比較例〕 (分散液1の調製)予め均一に分散されている気相法シ
リカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル
(株)製、一次平均粒径12nm)の25%分散液(p
H2.8、エタノール1質量%含有)400gに、カチ
オン性ポリマー(商品名:PAS−H−5L、日東紡績
(株))の20%水溶液を50g、ホウ酸1.5g及び
ホウ砂1.5gを含む水溶液50mlを添加し、高圧ホ
モジナイザーで分散し、純水を加え550mlに仕上げ
て、これを分散液1とした。
【0115】(塗布液1の調製)上記調製した分散液1
を43℃で攪拌しながら、ポリビニルアルコール(商品
名:PVA235、(株)クラレ製)の6%水溶液を3
33ml加え、界面活性剤(S−1)の4%溶液(水/
イソプロピルアルコール=50/50)を1.5mlを
添加し、全量が1000mlになるように純水を加え
て、半透明状の塗布液1を得た。
【0116】
【化1】
【0117】(塗布)次に、坪量180g/m2の原紙
両面をポリエチレンで被覆した支持体(厚さ250μ
m、記録面側のポリエチレン層中に6質量%のアナター
ゼ型チタン含有)の記録面側に、上記の塗布液1を湿潤
膜厚で180μmになるように塗布した後、5℃で10
秒間冷却した後、55℃の風で乾燥させて記録用紙1を
作製した。
【0118】〔記録用紙2の作製:比較例〕 (塗布液2の調製)前記分散液1を43℃で攪拌しなが
ら、ポリビニルアルコール(商品名:PVA235、
(株)クラレ製)の6%水溶液を256ml加え、界面
活性剤(S−1)の4%溶液(水/イソプロピルアルコ
ール=50/50)を1.5mlを添加し、全量が10
00mlになるように純水を加えて、半透明状の塗布液
2を得た。
【0119】(塗布)坪量180g/m2の原紙両面を
ポリエチレンで被覆した支持体(厚さ250μm、記録
面側のポリエチレン層中に6質量%のアナターゼ型チタ
ン含有)の記録面側に、上記の塗布液2を湿潤膜厚で1
80μmになるように塗布し、5℃で10秒間冷却した
後、55℃の風で乾燥させて記録用紙を得た。
【0120】次いで、該記録用紙の塗布液2の塗設面側
に、3%のホウ酸水溶液700mlと、界面活性剤(S
−1)4%溶液(水/イソプロピルアルコール)の2m
lとを含み、全量が1000mlになるように純水を加
えた溶液を、湿潤膜厚で60μmになるように塗布し、
60℃の風で乾燥させて記録用紙2を作製した。
【0121】〔記録用紙3の作製:比較例〕前記記録用
紙1の作製において、塗布液1にポリ塩化アルミニウム
(商品名:PAC250L、多木化学(株)製)の3%
水溶液100mlを加えて1000mlに仕上げた以外
は同様にして、記録用紙3を作製した。
【0122】〔記録用紙4の作製:本発明〕 (塗布液4の調製)前記分散液1を43℃で攪拌しなが
ら、ポリビニルアルコール(商品名:PVA235)の
6%水溶液90ml、エマルジョン(商品名:S−40
0、住友化学工業(株)製)の40%水溶液25g、ポ
リ塩化アルミニウム(商品名:PAC250L、多木化
学(株)製)の3%水溶液100mlを加え、界面活性
剤(S−1)の4%溶液(水/イソプロピルアルコー
ル)1.5mlを添加し、全量が1000mlになるよ
うに純水を加えて、半透明状の塗布液4を調製した。
【0123】(塗布)坪量180g/m2の原紙両面を
ポリエチレンで被覆した支持体(厚さ250μm、記録
面側のポリエチレン層中に6質量%のアナターゼ型チタ
ン含有)の記録面側に、上記の塗布液4を湿潤膜厚で1
80μmになるように塗布し、5℃で10秒間冷却した
後、55℃の風で乾燥させて記録用紙を得た。
【0124】次いで、該記録用紙の塗布液4の塗設面側
に、3%ホウ酸水溶液700mlと、界面活性剤(S−
1)4%溶液(水/イソプロピルアルコール)の2ml
とを含み、全量が1000mlになるように純水を加え
た溶液を、湿潤膜厚が60μmになるように塗布し、6
0℃の風で乾燥させて記録用紙4を作製した。
【0125】〔記録用紙5の作製:本発明〕上記記録用
紙4の作製において、塗布液4に、尿素の30%水溶液
10mlを添加して塗布液を1000mlに仕上げた以
外は同様にして、記録用紙5を作製した。
【0126】〔記録用紙6の作製:比較例〕 (分散液6の調製)予め均一に分散されている気相法シ
リカ(商品名:AEROSIL300、日本アエロジル
(株)製、一次平均粒径7nm)の25%分散液(pH
2.8、エタノール1質量%含有)400gに、カチオ
ン性ポリマー(P−1)の20%水溶液を50g、ホウ
酸1.5g及びホウ砂1.5gの水溶液50mlを添加
し、高圧ホモジナイザーで分散し、純水を加え550m
lに仕上げて分散液6とした。
【0127】
【化2】
【0128】(塗布液6の調製)上記調製した分散液6
を43℃で攪拌しながら、ポリビニルアルコール(商品
名:PVA235、(株)クラレ製)の6%水溶液を2
34ml、エマルジョン(商品名:S−400、住友化
学工業(株)製)の40%水溶液13g、ジルコニウム
系活性無機ポリマー(商品名:ZC−2、第一希元素化
学工業(株)製)の3%水溶液100mlを加え、界面
活性剤(S−1)の4%溶液(水/イソプロピルアルコ
ール)1.5mlを添加し、全量が1000mlになる
ように純水を加えて、半透明状の塗布液6を調製した。
【0129】(塗布)坪量180g/m2の原紙両面を
ポリエチレンで被覆した支持体(厚さ250μm、記録
面側のポリエチレン層中に6質量%のアナターゼ型チタ
ン含有)の記録面側に、上記の塗布液6を湿潤膜厚で1
80μmになるように塗布し、5℃で10秒間冷却した
後、55℃の風で乾燥させて記録用紙6を得た。
【0130】〔記録用紙7の作製:本発明〕 (塗布液7の調製)前記調製した分散液6を43℃で攪
拌しながら、ポリビニルアルコール(商品名:PVA2
35、(株)クラレ製)の6%水溶液を152ml、エ
マルジョン(商品名:S−400、住友化学工業(株)
製)の40%水溶液13g、ジルコニウム系活性無機ポ
リマー(商品名:ZC−2、第一希元素化学工業(株)
製)の3%水溶液100ml、尿素の30%水溶液10
mlを加え、界面活性剤(S−1)の4%溶液(水/イ
ソプロピルアルコール)1.5mlを添加し、全量が1
000mlになるように純水を加えて、半透明状の塗布
液7を調製した。
【0131】(塗布)坪量180g/m2の原紙両面を
ポリエチレンで被覆した支持体(厚さ250μm、記録
面側のポリエチレン層中に6質量%のアナターゼ型チタ
ン含有)の記録面側に、上記塗布液7を湿潤膜厚で18
0μmになるように塗布し、5℃で10秒間冷却した
後、55℃の風で乾燥させて記録用紙を得た。
【0132】次いで、該記録用紙の塗布液7の塗設面側
に、3%ホウ酸水溶液700mlと、界面活性剤(S−
1)4%溶液(水/イソプロピルアルコール)の2ml
とを含み、全量が1000mlになるように純水を加え
た溶液を、湿潤膜厚として60μmになるように塗布
し、60℃の風で乾燥させて記録用紙7を作製した。
【0133】〔記録用紙8の作製:本発明〕上記記録用
紙7の作製において、塗布液7のジルコニウム系活性無
機ポリマーを塩化マグネシウムに変更した以外は同様に
して記録用紙8を作製した。
【0134】〔記録用紙9の作製:本発明〕 (塗布液9の調製)前記分散液6を43℃で攪拌しなが
ら、ポリビニルアルコール(商品名:PVA235、
(株)クラレ製)の6%水溶液を208ml、ジルコニ
ウム系活性無機ポリマー(商品名:ZC−2、第一希元
素化学工業(株)製)の3%水溶液100mlを加え、
界面活性剤(S−1)の4%溶液(水/イソプロピルア
ルコール)1.5mlを添加し、全量が1000mlに
なるように純水を加えて、半透明状の塗布液9を調製し
た。
【0135】(塗布)坪量180g/m2の原紙両面を
ポリエチレンで被覆した支持体(厚さ250μm、記録
面側のポリエチレン層中に6質量%のアナターゼ型チタ
ン含有)の記録面側に、上記の塗布液9を湿潤膜厚が2
00μmになるように塗布し、5℃で10秒間冷却した
後、55℃の風で乾燥させて記録用紙9を作製した。
【0136】〔記録用紙10の作製:本発明〕 (分散液10の調製)予め均一に分散されている気相法
シリカ(商品名:AEROSIL50、日本アエロジル
(株)製、一次平均粒径30nm)の25%分散液(p
H2.8、エタノール1質量%含有)400gに、カチ
オン性ポリマー(P−2)の20%水溶液を50g、ホ
ウ酸1.5g及びホウ砂1.5gの水溶液50mlを添
加し、高圧ホモジナイザーで分散した後、純水を加えて
550mlに仕上げて分散液10を調製した。
【0137】
【化3】
【0138】(塗布液10の調製)上記調製した分散液
10を43℃で攪拌しながら、ポリビニルアルコール
(商品名:PVA235)の6%水溶液を245ml、
ポリ塩化アルミニウム(商品名:PAC250L、多木
化学(株)製)の3%水溶液100mlを加え、界面活
性剤(S−1)の4%溶液(水/イソプロピルアルコー
ル=50/50)を添加し、全量が1000mlになる
ように純水を加えて、半透明状の塗布液10を調製し
た。
【0139】(塗布)坪量180g/m2の原紙両面を
ポリエチレンで被覆した支持体(厚さ250μm、記録
面側のポリエチレン層中に6質量%のアナターゼ型チタ
ン含有)の記録面側に、上記の塗布液10を湿潤膜厚と
して180μmになるように塗布し、5℃で10秒間冷
却した後、55℃の風で乾燥させて記録用紙を得た。
【0140】次いで、該記録用紙の塗布液10の塗設面
側に、イソシアネート(商品名:コロネートHL、日本
ポリウレタン工業(株)製)の3%酢酸エチル溶液10
00mlを湿潤膜厚として60μmになるように塗布
し、60℃の風で乾燥させて記録用紙10を作製した。
【0141】〔記録用紙11の作製:本発明〕 (分散液11の調製)予め均一に分散されている気相法
シリカ(商品名:QS−20、トクヤマ(株)製、一次
粒子径 12nm)の25%分散液(pH2.8、エタ
ノール1質量%含有)400gに、カチオン性ポリマー
(P−2)の20%水溶液を50g、ホウ酸1.5g及
びホウ砂1.5gの水溶液50mlを添加し、高圧ホモ
ジナイザーで分散し、純水を加え550mlに仕上げ
て、分散液11を調製した。
【0142】(上層塗布液11Aの調製)上記調製した
分散液11を43℃で攪拌しながら、ポリビニルアルコ
ール(商品名:PVA235、(株)クラレ製)の6%
水溶液を100ml、エマルジョン(商品名:S−40
0、住友化学工業(株)製)の40%水溶液13g、ジ
ルコニウム系活性無機ポリマー(商品名:ZC−2、第
一希元素化学工業(株)製)の3%水溶液100ml、
尿素の30%水溶液10mlを加え、界面活性剤(S−
1)の4%溶液(水/イソプロピルアルコール)1.5
mlを添加し、全量が1000mlになるように純水を
加えて、半透明状の塗布液11Aを調製した。
【0143】(下層塗布液11Bの調製)上記分散液1
1を43℃で攪拌しながら、ポリビニルアルコール(商
品名:PVA235、(株)クラレ製)の6%水溶液を
190ml、エマルジョン(商品名:S−400、住友
化学工業(株)製)の40%水溶液13g、ジルコニウ
ム系活性無機ポリマー(商品名:ZC−2、第一希元素
化学工業(株)製)の3%水溶液100mlを加え、界
面活性剤(S−1)の4%溶液(水/イソプロピルアル
コール)1.5mlを添加し、全量が1000mlにな
るように純水を加えて、半透明状の塗布液11Bを得
た。
【0144】(塗布)坪量180g/m2の原紙両面を
ポリエチレンで被覆した支持体(厚さ250μm、記録
面側のポリエチレン層中に6質量%のアナターゼ型チタ
ン含有)の記録面側に、上記の塗布液11A(上層)と
塗布液11B(下層)を湿潤膜厚でそれぞれ50μm、
130μmになるように同時多層塗布し、5℃で10秒
間冷却した後、55℃の風で乾燥させて記録用紙を得
た。
【0145】次いで、該記録用紙の塗布面側に、3%ホ
ウ酸水溶液700ml、界面活性剤(S−1)の4%溶
液(水/イソプロピルアルコール)を2ml添加し、全
量が1000mlになるように純水を加えた溶液を、湿
潤膜厚として60μmになるように塗布し、60℃の風
で乾燥させて記録用紙11を作製した。
【0146】《インクジェット画像の印字及び評価》上
記作製した各記録用紙を用いて、下記に記載の方法に従
って、ブリストー法による液体転移量の測定、ブロンジ
ング及び高湿下での滲み耐性の評価を行った。
【0147】(ブリストー法による液体転移量の測定)
各記録用紙を、25℃、50%RHの雰囲気下で12時
間以上放置した後、熊谷理機工業株式会社製の液体動的
吸収性試験機であるBristow試験機II型(加圧
式)を用いて測定した。測定に用いる液体は、ジエチレ
ングリコール/トリエチルモノブチルエーテル/水=1
5/15/70の質量比で混合した溶液とし、接触時間
0.04秒のインク転移量(ml/m2)を求めた。
【0148】(ブロンジングの評価)キヤノン製インク
ジェットプリンターBJF850を用いて、各記録用紙
上にブルーのベタ画像をプリントし、目視で光沢感を観
察し、下記の基準に則りブロンジングの評価を行った。
【0149】 ◎:ブロンジングは全く観察されない ○:僅かにブロンジングが観察される △:ややブロンジングが観察される ×:かなり強いブロンジングが観察される上記評価ラン
クにおいて、◎、○であれば実用上問題はないと判断し
た。
【0150】(高湿下における滲み耐性の評価)キヤノ
ン製インクジェットプリンターBJF850で、各記録
用紙上にマゼンタのベタ画像をプリントし、その上に線
幅が約0.3mmのブラックラインをプリントし、プリ
ントした後、直ちに記録用紙の両面をダミー紙を5枚ず
つ積層し、それを50℃、相対湿度85%の雰囲気下で
7日間保存した。
【0151】以上のようにして処理を行った各試料につ
いて、保存前後でのブラックラインの線幅をマイクロデ
ンシトメーターで測定(反射濃度が最大濃度の50%部
分の幅を線幅とした)し、下式に従って滲み率を求め、
下記の評価基準に則り滲み耐性の判定を行った。なお、
滲み率は、数値が小さいほど滲み耐性に優れていること
を示す。
【0152】 滲み率=(画像保存後の線幅)/(画像保存前の線幅) ◎:滲み率が1〜1.2未満 ○:滲み率が1.2〜1.35未満 △:滲み率が1.35〜1.5未満 ×:滲み率が1.5以上 以上により得られた結果を表1に示す。
【0153】
【表1】
【0154】表1より明らかなように、本発明の多価金
属化合物を有し、かつブリストー法で測定した接触時間
0.04秒における液体転移量が20ml/m2以上で
ある記録用紙は、比較例に対し、ブロンジングが低減さ
れ、かつ滲み耐性に優れていることが分かる。更に、本
発明の上記効果は、尿素を用いることにより、より一層
発揮されていることが分かる。
【0155】
【発明の効果】本発明により、プリント後のブロンジン
グが防止され、かつ高湿下における滲み耐性が良好な高
光沢で、高画質なインクジェット記録用紙を提供するこ
とができた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非吸水性支持体上に無機微粒子、バイン
    ダー、カチオン性ポリマー及びバインダーの架橋剤を含
    有するインク吸収層を有するインクジェット記録用紙に
    おいて、該インク吸収層が多価金属化合物(但し、酸化
    アルミニウム及び酸化ジルコニウムは除く)を含有し、
    かつJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87
    に準じ、ジエチレングリコール/トリエチルモノブチル
    エーテル/水=15/15/70の質量比で混合した液
    体により、ブリストー法で測定した接触時間0.04秒
    における液体転移量が20ml/m2以上であることを
    特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記無機微粒子が、一次粒子の平均粒径
    が3〜100nmであることを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 前記多価金属化合物が、ジルコニウム原
    子又はアルミニウム原子を含有する化合物であることを
    特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録用
    紙。
  4. 【請求項4】 前記ジルコニウム原子又はアルミニウム
    原子を含有する化合物が、ポリ塩化アルミニウム化合
    物、ポリ硫酸アルミニウム化合物、ポリ硫酸ケイ酸アル
    ミニウム化合物又はジルコニウム系活性無機ポリマーで
    あることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記
    録用紙。
  5. 【請求項5】 前記無機微粒子が、シリカ微粒子である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    インクジェット記録用紙。
  6. 【請求項6】 前記シリカ微粒子が、気相法シリカであ
    ることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録
    用紙。
  7. 【請求項7】 前記インク吸収層が、尿素又はその誘導
    体を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    1項に記載のインクジェット記録用紙。
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