JP2002274013A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2002274013A
JP2002274013A JP2001078042A JP2001078042A JP2002274013A JP 2002274013 A JP2002274013 A JP 2002274013A JP 2001078042 A JP2001078042 A JP 2001078042A JP 2001078042 A JP2001078042 A JP 2001078042A JP 2002274013 A JP2002274013 A JP 2002274013A
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aqueous solution
ink
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JP2001078042A
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English (en)
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Kimie Tachibana
喜美江 立花
Yoshinori Tsubaki
義徳 椿
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロンジングを悪化させることなく、水溶性
染料を用いたプリント画像を保存したときの滲みの発生
を抑え、画像の耐水性を改良したインクジェット記録用
紙、及び水性顔料インクを用いたときにもブロンジング
を抑えたインクジェット記録用紙を提供すること。 【解決手段】 無機微粒子、親水性バインダー、分子内
にジルコニウム原子またはアルミニウム原子を含む化合
物A(但し、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムを
除く)、該化合物Aと異なる、多価金属原子を分子内に
含む化合物Bを該化合物Aの0.1〜10モル%含有す
るインク吸収層を支持体上に有することを特徴とするイ
ンクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙に関し、特にインク吸収性が良好で、滲みの発生
が少なく、ブロンジングを抑えた高画質画像を与えるイ
ンクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録は急速に画質
が向上してきており、写真画質に迫りつつある。このよ
うな写真画質をインクジェット記録で達成するために、
記録用紙の面でも改善が進んでおり、高平滑性の支持体
上に微粒子と親水性ポリマーを含み、微小な空隙を有す
る層を設けた空隙型の記録用紙は、高光沢であって、鮮
やかな発色を示し、インク吸収性及び乾燥性に優れてい
ることから最も写真画質に近いものの一つになりつつあ
る。特に非吸水性支持体を使用した場合は、吸水性支持
体に見られるようなプリント後のコックリング(しわ)
がなく、高平滑な表面を維持できるためより高品位なプ
リントを得ることができる。
【0003】インクジェット記録は、一般に顔料インク
を用いる場合と水溶性染料インクを用いる場合とに大き
く分けられる。顔料インクを用いると、画像の耐久性が
高いが画像状に光沢が変化し易く写真画質のプリントを
得難いのに対して、水溶性染料インクを用いると、画像
の鮮明性が高く均一な光沢が得られ写真画質に匹敵する
カラープリントが得られる。
【0004】しかし、この水溶性染料は親水性が高いた
めに滲みが発生したり、耐水性が劣るという弱点があ
る。すなわち記録後に高湿下に長期間保存した場合や、
プリント面上に水滴が付着した場合に染料が滲み易い。
【0005】この問題を解決するために、カチオン性物
質のような染料固着性物質を多孔質層中に添加しておく
ことが一般的に行われている。
【0006】例えば、カチオン性ポリマーを用いてアニ
オン性のインク染料と結合させ、強固に不動化する方法
が好ましく用いられている。このようなカチオン性ポリ
マーとしては4級アンモニウム基を有する重合物が挙げ
られ、例えば、「インクジェットプリンター技術と材
料」((株)シーエムシー発行、1998年7月)や、
特開平9−193532号公報の〔0008〕項に挙げ
た文献に記載されている。
【0007】また、水溶性の多価金属イオンを予めイン
クジェット記録用紙中に添加しておき、インクジェット
記録時に染料を凝固固着させて不動化させる方法も提案
されている。
【0008】ジルコニウム原子を分子内に含む化合物を
インクジェット記録用紙に用いることは既に知られてい
る。
【0009】特開昭55−53591号、同55−15
0396号、同56−86789号、同58−8939
1号及び同58−94491号には、水溶性染料と結合
して難溶性塩を形成する水溶性多価金属塩を添加したイ
ンクジェット記録用紙が記載されている。
【0010】また、特開昭60−67190号、同61
−10484号及び同61−57379号にはカチオン
性ポリマーと水溶性多価金属塩を添加したインクジェッ
ト記録用紙が記載されている。
【0011】また、特開平10−258567号には親
水性高分子と4A族元素含有水溶性化合物を用いる方法
が、特開平10−309862号には親水性高分子と多
価カルボン酸とジルコニル化合物を用いる方法が開示さ
れている。
【0012】更に、ジルコニウム元素を含む化合物に関
しては、特開平4−7189号に多孔性顔料と酸塩化ジ
ルコニウム化合物を用いる方法が開示されている。この
明細書には酸塩化ジルコニウム塩の添加により、比較的
少量のバインダーで接着強度が得られ、画質向上が図れ
ると記載されている。
【0013】特開平6−32046号にはジルコニウム
化合物、シリカ及び変性ポリビニルアルコールと用いる
方法が開示されている。
【0014】更に、欧州特許0754560号には、水
溶性バインダー、顔料、ジルコニウム化合物、カチオン
ポリマーを用いる特許が開示されている。
【0015】上記先行技術では、水溶性多価金属やカチ
オン性ポリマーをインク受容層に添加することにより、
滲みや耐水性を高めることが開示されている。
【0016】しかしながら、これらの方法は、滲みや耐
水性とブロンジングを同時に解決するものではなかっ
た。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、ブロンジングを悪化させることなく、水溶性染料を
用いたプリント画像を保存したときの滲みの発生を抑
え、画像の耐水性を改良したインクジェット記録用紙を
提供することである。第2の目的は、水性顔料インクを
用いたときにもブロンジングを抑えたインクジェット記
録用紙を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記手段により達成される。
【0019】1.無機微粒子、親水性バインダー、分子
内にジルコニウム原子またはアルミニウム原子を含む化
合物A(但し、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウム
を除く)、該化合物Aと異なる、多価金属原子を分子内
に含む化合物Bを該化合物Aの0.1〜10モル%含有
するインク吸収層を支持体上に有することを特徴とする
インクジェット記録用紙。
【0020】2.無機微粒子の親水性バインダーに対す
る質量比が1〜7であることを特徴とする上記1に記載
のインクジェット記録用紙。
【0021】以下本発明を詳細に説明する。ジルコニウ
ム原子やアルミニウム原子を分子内に含む化合物をイン
ク受容層に添加すると、滲みや耐水性は向上するが、画
像表面が画像様に金属光沢状のブロンジング現象を起こ
し易くなることが分かってきた。
【0022】この機構は明らかではないが、多価金属を
含む化合物に染料が固着して不動化すると共に、多価金
属化合物が染料を凝集・析出させる、または、染料が固
着している多価金属化合物が凝集・析出するためにブロ
ンジングが起こると本発明者は考えている。
【0023】本発明者は、この点について更に検討した
結果、ジルコニウム原子やアルミニウム原子を分子内に
含む化合物を使用するに当たり、これと異種の多価金属
化合物を添加することによって、滲み防止及び耐水性を
良好に保ちつつ、ブロンジングを抑制することができる
ことを見出した。
【0024】本発明は、画像保存の際の滲みを抑えるた
めに用いる、分子内にジルコニウム原子やアルミニウム
原子を含む化合物A(但し、酸化ジルコニウム及び酸化
アルミニウムを除く)に起因するブロンジングを抑える
ことを目的として、化合物Aと異なる、多価金属原子を
分子内に含む化合物Bを少量併用するものである。本発
明によって、ブロンジングが抑えられることの機構は明
確ではないが、構造の類似する化合物Bが共存すること
により、化合物Aが結晶化するのを抑制するためである
と本発明者は考えている。
【0025】化合物Bの種類は問わないが、添加量は化
合物Aに対して0.1〜10モル%であれば本発明の効
果が発揮できる。
【0026】また、請求項2に示した本発明では、イン
ク吸収層に含まれる無機微粒子の親水性バインダーに対
する質量比が1〜7と比較的小さい場合には、本発明の
化合物Aを単独で用いると、画像保存時の滲み防止効果
は見られるものの、ブロンジングがより発生し易い状況
になり、これを抑える必要性が高いため、より顕著に本
発明の効果が発揮できる。
【0027】無機微粒子の親水性バインダーに対する質
量比が比較的小さい場合にブロンジングが発生し易い理
由は明確ではないが、インク吸収容量が比較的小さいた
め、インク中の染料が表面に滞留する間に染料同士が凝
集し易く、析出する傾向にあり、逆にインク吸収容量が
大きい場合には、染料は表面から層内部に即時に染み込
むので、前者の場合の方がブロンジングは発生し易いと
本発明者は考えている。
【0028】(化合物A)本発明で用いることのできる
ジルコニウム原子を分子内に有する化合物Aには酸化ジ
ルコニウムは含まず、その具体例としては、二フッ化ジ
ルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニ
ウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えばカリウ
ム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えばナト
リウム塩、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム
酸塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えばリチウ
ム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウ
ム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサ
クロロジルコニウム酸塩(例えばナトリウム塩、カリウ
ム塩)、酸塩化ジルコニウム(塩化ジルコニル)、二臭
化ジルコニウム、三臭化ジルコニウム、四臭化ジルコニ
ウム、臭化酸化ジルコニウム、三ヨウ化ジルコニウム、
四ヨウ化ジルコニウム、過酸化ジルコニウム、水酸化ジ
ルコニウム、硫酸ジルコニウム、p−トルエンスルホン
酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナト
リウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウ
ムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウ
ム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコ
ニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウ
ム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳
酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジル
コニル、リン酸ジルコニウム、リン酸ジルコニル、シュ
ウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジ
ルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネ
ート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセト
ナート)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセ
トナート)クロロジルコニウム等が挙げられる。
【0029】これらの化合物の中でも、炭酸ジルコニ
ル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝
酸ジルコニル、酸塩化ジルコニウム、乳酸ジルコニル、
クエン酸ジルコニルが好ましく、特に炭酸ジルコニルア
ンモニウム、酢酸ジルコニルが最も好ましい。
【0030】本発明で用いることのできる分子内にアル
ミニウム原子を含む化合物Aには酸化アルミニウムは含
まず、その具体例としては、フッ化アルミニウム、ヘキ
サフルオロアルミン酸(例えば、カリウム塩)、塩化ア
ルミニウム、塩基性塩化アルミニウム(例えば、ポリ塩
化アルミニウム)、テトラクロロアルミン酸塩(例え
ば、ナトリウム塩)、臭化アルミニウム、テトラブロモ
アルミン酸塩(例えば、カリウム塩)、ヨウ化アルミニ
ウム、アルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩)、塩素酸アルミニウム、過塩素酸ア
ルミニウム、チオシアン酸アルミニウム、硫酸アルミニ
ウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリ
ウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム
(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニ
ウム、燐酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸水素
アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸珪酸アルミ
ニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸ア
ルミニウム、蓚酸アルミニウム、アルミニウムイソプロ
ピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセテート
アルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス
(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチ
ルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセ
トネートビス(エチルアセトアセトネート)等を挙げる
ことができる。
【0031】これらの中でも、塩化アルミニウム、塩基
性塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸ア
ルミニウム、塩基性硫酸珪酸アルミニウムが好ましく、
塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウムが最
も好ましい。
【0032】(化合物B)本発明で用いる化合物Bは、
化合物Aと異なる、多価金属原子を分子内に含む化合物
である。化合物Aと異なる化合物とは、化合物Bを構成
する多価金属原子またはそのカウンターイオンの何れか
または両方が化合物Aと異なる化合物を言う。
【0033】化合物Bとしては、上述したジルコニウム
原子またはアルミニウム原子を分子内に含む化合物Aで
例示した化合物で、異なる構造のものを用いることがで
きるが、その他にも亜鉛、マグネシウム、カルシウム、
バリウム、鉄、コバルト、ニッケル及び銅等を分子内に
含み、これらの塩化物、硫酸塩、塩素酸塩、硝酸塩、酢
酸塩、炭酸塩、ギ酸塩、マロン酸塩及びコハク酸塩等を
用いることができる。
【0034】具体的には、塩化バリウム、塩化亜鉛、臭
化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化カルシウム、酢酸カ
ルシウム、臭化カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸カル
シウム、硫酸カルシウム、チオシアン酸カルシウム、チ
オ硫酸カルシウム、酢酸マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、ギ酸マグネシウム、硝酸マグネ
シウム、硫酸マグネシウム、チオシアン酸マグネシウ
ム、チオ硫酸マグネシウム、塩化チタン、臭化第一鉄、
臭化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、臭
化コバルト、塩化コバルト、硝酸コバルト、チオシアン
酸コバルト、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硝酸ニッケ
ル、硫酸ニッケル、臭化第二銅、塩化第二銅、硝酸銅、
硫酸銅等が挙げられる。
【0035】これらの化合物の中でも特に好ましいもの
としては、前述したジルコニウム原子を分子内に含む化
合物で好ましいものとして例示したもの、アルミニウム
原子を分子内に含む化合物で好ましいものとして例示し
たものの他、ギ酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化亜
鉛、硫酸亜鉛、塩化マグネシウム、塩化チタン等が挙げ
られる。最も好ましいのは、炭酸ジルコニルアンモニウ
ム、酢酸ジルコニル、塩基性塩化アルミニウム及び塩基
性硫酸アルミニウムである。
【0036】化合物A及び化合物Bは、インク受容層を
形成する塗布液に添加して塗布乾燥してもよいし、多孔
質層を一旦塗布乾燥した後のインク受容層にオーバーコ
ートしてもよい。化合物Aと化合物Bは、同じ塗布液と
して調製し塗布乾燥してもよいし、別の塗布液として調
製して塗布乾燥しても拡散して結果的に共存すればよ
い。
【0037】本発明に係る化合物A及び化合物Bを、イ
ンク吸収層を形成する塗布液に添加する場合、水や有機
溶媒またはこれらの混合溶媒に均一に溶解して添加する
こともでき、またはサンドミル等の湿式粉砕法や乳化分
散等の方法により微細な粒子に分散して添加することが
できる。インク吸収層が複数の層から構成される場合に
は、1層のみに添加してもよく、2層以上の層または全
ての層を形成する塗布液に添加することもできる。ま
た、多孔質インク吸収層を一旦形成した後、オーバーコ
ート法で添加する場合には溶媒に均一に溶解して、イン
ク吸収層に供給するのが好ましい。
【0038】化合物Aは、インクジェット記録用紙1m
2当たり、通常0.05〜25mmol、好ましくは
0.25〜10mmol、特に好ましくは0.5〜5m
molの範囲で用いられる。
【0039】化合物Bは、化合物Aに対して0.1〜1
0モル%含有させるが、より好ましくは0.3〜5モル
%である。0.1モル%以上であれば、ブロンジング抑
制効果が顕著に発揮される。また10モル%以下であれ
ば化合物Aによる滲み抑制効果に影響を及ぼさずに、ブ
ロンジング抑制効果を顕著に発揮できる。
【0040】(無機微粒子)本発明のインクジェット記
録用紙で用いる無機微粒子について説明する。
【0041】無機微粒子としては、従来インクジェット
記録用紙で公知の各種の固体微粒子を用いることができ
る。
【0042】無機微粒子の例としては、例えば、軽質炭
酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸
亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソ
ウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアル
ミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、
ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を
挙げることができる。
【0043】上記微粒子は、1次粒子のままでバインダ
ー中に均一に分散された状態で用いることも、また、2
次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された状態で
添加されていてもよいが、後者がより好ましい。
【0044】上記無機微粒子の形状は本発明では特に制
約を受けず、球状、棒状、針状、平板状、数珠状の物で
あってもよい。
【0045】無機微粒子は、その1次粒子の平均粒径は
3〜30nmのものが好ましい。1次粒子の平均粒径が
30nm以下の微粒子を使用した場合には記録用紙の光
沢性が良好であり、また表面での乱反射も起こり難いの
で、最高濃度も良好で鮮明な画像が得られる。1次粒子
の平均粒径の下限は特に限定されないが粒子の製造上の
観点から、概ね3nm以上、特に6nm以上が好まし
い。
【0046】上記において微粒子の平均粒径は、粒子そ
のもの、または空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察
し、多数個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値
(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径は、
その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表した
ものである。
【0047】2次粒子以上の粒子を形成して多孔質イン
ク吸収層を形成する場合が特に好ましいが、その粒径は
20〜100nmが好ましい。
【0048】本発明に係る無機微粒子としては、無機微
粒子と少量の有機物(低分子化合物でも、高分子化合物
でもよい)とからなる複合粒子でも、実質的には無機微
粒子と見なす。この場合も乾燥被膜中に観察される最高
次粒子の粒径をもってその無機微粒子の粒径とする。
【0049】上記無機微粒子と少量の有機物との複合粒
子における有機物/無機微粒子の質量比は、概ね1/1
00〜1/4である。
【0050】本発明に係る好ましい無機微粒子は、高い
反射濃度が得られる観点から低屈折率の微粒子で、好ま
しくはシリカであり、更に好ましくは気相法で合成され
たシリカまたはコロイダルシリカである。
【0051】また、カチオン表面処理された気相法シリ
カ、カチオン表面処理されたコロイダルシリカ及びアル
ミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等も用いるこ
とができるが、最も好ましくは気相法で合成されたシリ
カである。
【0052】多孔質層に用いられる無機微粒子の添加量
は、要求されるインク吸収容量、空隙量の空隙率、無機
微粒子の種類、親水性バインダーの種類に大きく依存す
るが、一般には記録用紙1m2当たり、通常3〜30
g、好ましくは5〜25gである。
【0053】多孔質層に用いられる無機微粒子の親水性
バインダーに対する質量比は、通常1〜20であるが、
請求項2に示したように1〜7の場合に、本発明の効果
を顕著に奏する。
【0054】無機微粒子の添加量を増やすに従いインク
吸収容量も増加するが、カールやひび割れ等の悪化を防
止するために、空隙率をコントロールしてインク吸収容
量を増加させることは好ましい。
【0055】インク吸収容量、カール、ひび割れ等の観
点から、好ましい空隙率は40〜75%である。空隙率
は選択する無機微粒子、親水性バインダーの種類によっ
て、またはそれらの混合比によって、またはその他の添
加剤の量によって調節することができる。
【0056】ここでいう空隙率とは、空隙層の体積に対
する空隙の総体積の比率であり、その層の構成物の総体
積と層の厚さから計算で求められる。また空隙の総体積
は、ブリストー測定による飽和転移量、吸水量測定等に
よって簡易に求められる。
【0057】(親水性バインダー)次に本発明のインク
ジェット記録用紙に用いられる親水性バインダーについ
て説明する。
【0058】親水性とは単に水に可溶である場合の他
に、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、
酢酸エチル等の水混和性の有機溶媒と水との混合溶媒に
可溶であることを言う。この場合、水混和性の有機溶媒
の量は溶媒全量に対して通常50質量%以下である。
【0059】また、親水性バインダーとは、上記溶媒に
室温で通常1質量%以上溶解するものを言い、より好ま
しくは3質量%以上溶解するものである。
【0060】本発明で用いる親水性バインダーとして
は、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチ
レンオキサイド、ポリビニルピロリドン、カゼイン、澱
粉、寒天、カラギーナン、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、
ポリスチレンスルホン酸、セルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、プ
ルラン、水溶性ポリビニルブチラール等の親水性ポリマ
ーが挙げられる。これらの親水性ポリマーは2種以上併
用することも可能である。
【0061】本発明で好ましく用いられる親水性ポリマ
ーは、ポリビニルアルコールである。このポリビニルア
ルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる
通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変
性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するア
ニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルア
ルコールも含まれる。
【0062】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは平均重合度が1000以上のものが好
ましく用いられ、特に平均重合度が1500〜5000
のものが好ましく用いられ、更に、ケン化度は70〜1
00%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特
に好ましい。
【0063】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば、特開昭61−10483号に記載されてい
るような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基
を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有す
るポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有する
エチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化することにより得られる。
【0064】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)ア
ンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0065】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0066】アニオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば、特開平1−206088号に記載されてい
るようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、
特開昭61−237681号及び同63−307979
号に記載されているようなビニルアルコールと水溶性基
を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−28
5265号の記載されているような水溶性基を有する変
性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0067】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号に記載されて
いるようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコ
ールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特
開平8−25795号に記載されているような疎水性基
を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック
共重合体等が挙げられる。
【0068】更に、変性ポリビニルアルコールとして、
シリル基で変性したポリビニルアルコールも本発明では
ポリビニルアルコールに含まれる。
【0069】また、ポリビニルアルコールは重合度、ケ
ン化度や変性等の種類違いのものを2種類以上併用して
もよい。
【0070】また、ポリビニルアルコールと共に、ゼラ
チン、ポリエチレンオキサイドまたはポリビニルピロリ
ドンを併用することもできるが、これらの親水性ポリマ
ーはポリビニルアルコールに対して好ましくは0〜50
質量%、特に好ましくは0〜20質量%の範囲で用いる
ことができる。
【0071】(支持体)次に本発明に用いられる支持体
について説明する。
【0072】本発明のインクジェット記録用紙の支持体
としては、吸水性または非吸水性の支持体を用いること
ができる。
【0073】吸水性支持体としては、紙支持体が一般的
であるが、布または多孔質のフィルム支持体がある。
【0074】非吸水性支持体としては、プラスチック樹
脂フィルム支持体または紙の両面をプラスチック樹脂フ
ィルムで被覆した支持体が挙げられる。プラスチック樹
脂フィルム支持体としては、ポリエステルフィルム、ポ
リ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、セル
ローストリアセテートフィルム、ポリスチレンフィルム
またはこれらの積層したフィルム支持体等が挙げられ
る。
【0075】本発明で用いるジルコニウム原子またはア
ルミニウム原子を分子内に含む化合物の使用目的である
画像保存時の滲み問題は、吸水性支持体を用いた場合よ
りも、非吸水性支持体を用いた場合の記録用紙で大きい
ため、これを解決するという本発明の効果がより顕著で
あるという観点において非吸水性支持体を用いることが
好ましい。
【0076】プラスチック樹脂フィルムは、透明または
半透明なものも使用できる。特に好ましい支持体は、紙
の両面をプラスチック樹脂で被覆した支持体であり、最
も好ましいのは紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆し
た支持体である。
【0077】以下本発明で特に好ましい支持体である紙
の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体について
説明する。
【0078】本発明の支持体に用いられる紙は、木材パ
ルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポ
リプロピレン等の合成パルプまたはナイロンやポリエス
テル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとし
ては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LD
P、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いること
ができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LB
SP、NDP、LDPをより多く用いることが好まし
い。但し、LBSPまたはLDPの比率は10〜70%
が好ましい。
【0079】上記パルプは不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0080】紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダ
イマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チ
タン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリ
エチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級ア
ンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができ
る。
【0081】抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの
規定で200〜500mLが好ましく、また、叩解後の
繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシ
ュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好まし
い。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好
ましい。
【0082】紙の坪量は50〜250gが好ましく、特
に70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜210
μmが好ましい。
【0083】紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処
理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は、0.
7〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一般的
である。原紙剛度は、JIS P 8143に規定され
る条件で20〜200gが好ましい。
【0084】紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよ
く、表面サイズ剤としては前記紙中に添加できるサイズ
剤と同様のサイズ剤を使用できる。
【0085】紙のpHは、JIS P 8113で規定
された熱水抽出法により測定された場合、5〜9である
ことが好ましい。
【0086】次に、この紙の両面を被覆するポリオレフ
ィン樹脂について説明する。この目的で用いられるポリ
オレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、
プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類
が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
【0087】以下、特に好ましいポリエチレンについて
説明する。紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、
主として低密度のポリエチレン(LDPE)または高密
度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDP
Eやポリプロピレン等も一部使用することができる。
【0088】特に塗布層側のポリオレフィン層は、ルチ
ルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、
不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チ
タン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20%、
好ましくは2〜15%である。
【0089】ポリオレフィン層中には、群青、紺青、コ
バルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブル
ー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブル
ー、アンスラキノンブルー等の色材が使用できる。
【0090】蛍光増白剤としては、ジアルキルアミノク
マリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルア
ミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレン
ジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサ
ゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられ
る。
【0091】紙の表裏のポリエチレンの使用量は、イン
ク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿下
でのカールを最適化するように選択されるが、一般には
ポリエチレン層の厚さはインク吸収層側で15〜50μ
m、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏の
ポリエチレンの比率はインク受容層の種類や厚さ、中紙
の厚み等により変化するカールを調整するように設定さ
れるのが好ましく、通常は表/裏のポリエチレンの比率
は厚みで概ね3/1〜1/3である。
【0092】更に、上記ポリエチレンで被覆した紙支持
体は以下(1)〜(8)の特性を有していることが好ま
しい。 (1)引っ張り強さは、JIS P 8113で規定さ
れる強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1〜20k
gであることが好ましい。 (2)引き裂き強度は、JIS P 8116で規定さ
れる強度で縦方向が20〜30g、横方向が10〜25
0gが好ましい。 (3)圧縮弾性率は、9.8kN/cm2が好ましい。 (4)不透明度は、JIS P 8138に規定された
方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が
好ましい。 (5)白さは、JIS Z 8727で規定される
*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3〜+
5、b*=−7〜+2であることが好ましい。 (6)クラーク剛直度は、記録用紙の搬送方向のクラー
ク剛直度が50〜300cm3/100であることが好
ましい。 (7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%が好ま
しい。 (8)インク受容層を設けた側の光沢度(75度鏡面光
沢度)は10〜90%が好ましい。
【0093】本発明のインクジェット記録用紙は、ポリ
ビニルアルコールのような親水性バインダーをインク受
容層のバインダーとして用いるが、インク受容層は硼酸
及び/またはその塩を含んでいることが好ましい。この
硼酸及び/またはその塩によって親水性バインダーが架
橋またはゲル化されていると考えられる。
【0094】本発明で用いることのできる硼酸またはそ
の塩としては、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸また
はその塩を指し、具体的にはオルト硼酸、二硼酸、メタ
硼酸、四硼酸、五硼酸、八硼酸及びそれらの塩が含まれ
る。
【0095】硼酸及び/またはその塩の使用量は、親水
性バインダーの種類、後述する硬膜剤の種類、無機微粒
子の種類や親水性バインダーに対する比率等により変化
するが、ポリビニルアルコールを用いる場合は、通常1
g当たり5〜500mg、好ましくは10〜300mg
である。
【0096】硼酸及び/またはその塩は、本発明の記録
用紙を作製するのに用いられる多孔質層形成用水性塗布
液を塗布する際に、塗布液中に添加してもよく、または
多孔質層形成用水性塗布液(硬膜剤非含有)を塗布、乾
燥した後でその溶液をオーバーコートする等して供給し
てもよい。
【0097】(硬膜剤)本発明のインクジェット記録用
紙は、硼酸またはその塩以外に、硬膜剤を含有してもよ
い。
【0098】硬膜剤は、一般的には親水性バインダーと
反応し得る基を有する化合物、または親水性バインダー
に含まれる置換基同士の反応を促進するような化合物で
あり、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールを
用いる場合には、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチ
ルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、
1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリ
シジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトール
ポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジル
エーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒ
ド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,
4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリ
アジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリス
アクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビ
ニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミ明礬、イソ
シアネート化合物等が挙げられる。
【0099】(添加剤)本発明のインクジェット記録用
紙のインク受容層及び必要に応じて設けられるその他の
層には、前記した以外に各種の添加剤を添加することが
できる。
【0100】上記の添加剤としては、例えば、ポリスチ
レン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エ
ステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ま
たはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂
等の有機ラテックス微粒子、カチオンまたはノニオンの
各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−
87988号及び同62−261476号に記載の紫外
線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−879
89号、同60−72785号、同61−146591
号、特開平1−95091号及び同3−13376号等
に記載の退色防止剤、特開昭59−42993号、同5
9−52689号、同62−280069号、同61−
242871号及び特開平4−219266号に記載の
蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消
泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知
の各種添加剤を含有させることもできる。
【0101】(塗布方法)本発明のインクジェット記録
用紙の多孔質のインク受容層及び下引層等必要に応じて
適宜設けられる各種の親水性層を支持体上に塗布する方
法は、公知の方法から適宜選択して行うことができる。
好ましい方法は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗
設して乾燥して得られる。この場合、2層以上を同時に
塗布することもでき、特に全ての親水性バインダーを1
回の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
【0102】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法また
は米国特許第2681294号記載のホッパーを使用す
るエクストルージョン法が好ましく用いられる。
【0103】本発明のインクジェット記録用紙の記録面
の膜面pHは、3.5〜7.5が好ましい。
【0104】インク中の染料は析出すると金属状に光沢
が変化するブロンジング現象を起こすことがあるが、膜
面pH3.5以上であれば、本発明の課題であるブロン
ジング抑制効果が顕著に発揮される。一方、膜面pHが
7.5以下であれば本発明のもうひとつの課題である滲
み防止効果を顕著に発揮することができる。
【0105】本発明に係る記録面の膜面pHの測定は、
J.TAPPI紙パルプ試験方法No.49−86に規
定される方法で測定されたものであり、黒色インクでベ
タ印字したプリントのインク吸収層表面に、pHが6.
2〜7.3の純水約50μlを滴下し、30秒後に平面
電極を押し当てて測定することができる。
【0106】本発明において記録面の膜面pHは、記録
面を形成する塗布液のpHを調整することにより所定の
範囲にすることができる。また、記録面を形成した後、
適当なpH調整剤をオーバーコートすることにより所定
の範囲にすることもできる。pH調整剤としては適当な
酸やアルカリの水溶液を用いることもでき、この場合、
使用する酸やアルカリの種類、濃度は、調整するpHの
幅によって適宜選択することができる。
【0107】(水性インク)本発明のインクジェット記
録用紙を用いて画像記録する際には、水性インクを用い
た記録方法が好ましく用いられる。
【0108】上記水性インクとは、下記着色剤及び液媒
体、その他の添加剤を有する記録媒体である。着色剤と
してはインクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩
基性染料、反応性染料または食品用色素等の水溶性染料
または水分散性顔料が使用できる。
【0109】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、tert−ブチル
アルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまた
はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキ
サントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコ
ール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノ
ールアミン等の多価アルコール;エチレングリコールメ
チルエーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエ
チル)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げら
れる。
【0110】これらの中でも、ジエチレングリコール、
トリエタノールアミンやグリセリン等の多価アルコール
類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価
アルコールの低級アルキルエーテル等は好ましいもので
ある。
【0111】その他の水性インクの添加剤としては、例
えば、pH調整剤、金属封鎖剤、防黴剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤等が挙
げられる。
【0112】水性インク液は、記録用紙に対する濡れ性
を良好にするために、20℃において、通常0.025
〜0.06N/m、好ましくは0.03〜0.05N/
mの表面張力を有することが好ましい。
【0113】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて具体的に説
明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
尚、実施例中で「%」は特に断りのない限り質量%を示
す。
【0114】実施例1 〔塗布液の調製〕 (塗布液1)カチオン性ポリマー(P−1)の15%水
溶液100gに1次粒子の平均粒径が12nmの微粒子
シリカ(トクヤマ製、QS−20)の25%水分散液5
00g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂0.7gを添加
し、高速ホモジナイザーで分散した。次に、この水分散
液中に、ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA20
3)の10%水溶液5ml及び他のポリビニルアルコー
ル(クラレ製、PVA245)の6%水溶液290ml
を添加した。最後に液全体の体積が1000mlになる
ように純水を加えて半透明状の塗布液1を得た。
【0115】
【化1】
【0116】(塗布液2)カチオン性ポリマー(P−
2)の15%水溶液100gに1次粒子の平均粒径が1
2nmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の2
5%水分散液500g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂
0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散した。次
に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール(クラレ
製、PVA203)の10%水溶液5ml及び他のポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水
溶液290mlを添加した。最後に液全体の体積が10
00mlになるように純水を加えて半透明状の塗布液2
を得た。
【0117】
【化2】
【0118】(塗布液3)カチオン性ポリマー(P−
1)の15%水溶液100gに1次粒子の平均粒径が1
2nmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の2
5%水分散液500g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂
0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散した。次
に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール(クラレ
製、PVA203)の10%水溶液5ml及び他のポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水
溶液290mlを添加した後、更に13.1mmolの
酢酸ジルコニルの20%水溶液を徐々に添加した。最後
に液全体の体積が1000mlになるように純水を加え
て半透明状の塗布液3を得た。
【0119】(塗布液4)カチオン性ポリマー(P−
1)の15%水溶液100gに1次粒子の平均粒径が1
2nmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の2
5%水分散液500g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂
0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散した。次
に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール(クラレ
製、PVA203)の10%水溶液5ml及び他のポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水
溶液290mlを添加した後、更に13.1mmolの
酢酸ジルコニルの20%水溶液を徐々に添加し、0.0
1mmolの硝酸ジルコニルの水溶液を添加した。最後
に液全体の体積が1000mlになるように純水を加え
て半透明状の塗布液4を得た。
【0120】(塗布液5〜10)塗布液4の調製におい
て、0.01mmolの硝酸ジルコニルの水溶液に替え
て表3に示す量の硝酸ジルコニルの水溶液を添加した以
外は同様にして、塗布液5〜10を調製した。
【0121】(塗布液11)カチオン性ポリマー(P−
1)の15%水溶液100gに1次粒子の平均粒径が1
2nmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の2
5%水分散液500g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂
0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散した。次
に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール(クラレ
製、PVA203)の10%水溶液5ml及び他のポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水
溶液290mlを添加した後、更に6.6mmolの酢
酸ジルコニルの20%水溶液を徐々に添加し、0.07
mmolの硝酸ジルコニルの水溶液を添加した。最後に
液全体の体積が1000mlになるように純水を加えて
半透明状の塗布液11を得た。
【0122】(塗布液12)カチオン性ポリマー(P−
1)の15%水溶液100gに1次粒子の平均粒径が1
2nmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の2
5%水分散液500g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂
0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散した。次
に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール(クラレ
製、PVA203)の10%水溶液5ml及び他のポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水
溶液290mlを添加した後、更に26.2mmolの
酢酸ジルコニルの20%水溶液を徐々に添加し、0.2
6mmolの硝酸ジルコニルの水溶液を添加した。最後
に液全体の体積が1000mlになるように純水を加え
て半透明状の塗布液12を得た。
【0123】(塗布液13)カチオン性ポリマー(P−
1)の15%水溶液100gに1次粒子の平均粒径が1
2nmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の2
5%水分散液500g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂
0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散した。次
に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール(クラレ
製、PVA203)の10%水溶液5ml及び他のポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水
溶液290mlを添加した後、更に13.1mmolの
炭酸ジルコニルアンモニウムの20%水溶液を徐々に添
加し、0.13mmolの塩基性塩化アルミニウムの水
溶液を添加した。最後に液全体の体積が1000mlに
なるように純水を加えて半透明状の塗布液13を得た。
【0124】(塗布液14)カチオン性ポリマー(P−
1)の15%水溶液100gに1次粒子の平均粒径が1
2nmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の2
5%水分散液500g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂
0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散した。次
に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール(クラレ
製、PVA203)の10%水溶液5ml及び他のポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水
溶液290mlを添加した後、更に13.1mmolの
硝酸ジルコニルの20%水溶液を徐々に添加し、0.1
3mmolの硫酸アルミニウムの水溶液を添加した。最
後に液全体の体積が1000mlになるように純水を加
えて半透明状の塗布液14を得た。
【0125】(塗布液15)カチオン性ポリマー(P−
1)の15%水溶液100gに1次粒子の平均粒径が1
2nmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の2
5%水分散液400g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂
0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散した。次
に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール(クラレ
製、PVA203)の10%水溶液5ml及び他のポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水
溶液420mlを添加した後、更に13.1mmolの
酢酸ジルコニルの20%水溶液を徐々に添加した。最後
に液全体の体積が1000mlになるように純水を加え
て半透明状の塗布液15を得た。
【0126】(塗布液16)カチオン性ポリマー(P−
1)の15%水溶液100gに1次粒子の平均粒径が1
2nmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の2
5%水分散液400g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂
0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散した。次
に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール(クラレ
製、PVA203)の10%水溶液5ml及び他のポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水
溶液420mlを添加した後、更に13.1mmolの
酢酸ジルコニルの20%水溶液を徐々に添加し、0.1
3mmolの硝酸ジルコニルの水溶液を添加した。最後
に液全体の体積が1000mlになるように純水を加え
て半透明状の塗布液16を得た。
【0127】(塗布液17)カチオン性ポリマー(P−
1)の15%水溶液100gに1次粒子の平均粒径が1
2nmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の2
5%水分散液200g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂
0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散した。次
に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール(クラレ
製、PVA203)の10%水溶液5ml及び他のポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水
溶液540mlを添加した後、更に13.1mmolの
酢酸ジルコニルの20%水溶液を徐々に添加した。最後
に液全体の体積が1000mlになるように純水を加え
て半透明状の塗布液17を得た。
【0128】(塗布液18)カチオン性ポリマー(P−
1)の15%水溶液100gに1次粒子の平均粒径が1
2nmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の2
5%水分散液200g、ついで硼酸3.0g、ホウ砂
0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散した。次
に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール(クラレ
製、PVA203)の10%水溶液5ml及び他のポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水
溶液540mlを添加した後、更に13.1mmolの
酢酸ジルコニルの20%水溶液を徐々に添加し、0.1
3mmolの硝酸ジルコニルの水溶液を添加した。最後
に液全体の体積が1000mlになるように純水を加え
て半透明状の塗布液18を得た。
【0129】(塗布液19)カチオン性ポリマー(P−
3)の15%水溶液100gに微粒子シリカ(トクヤマ
製;QS−30)の25%水分散液500g、ついで硼
酸3.0g、硼砂0.7gを添加し、高速ホモジナイザ
ーで分散した。次に、この水分散液中に、ポリビニルア
ルコール(クラレ製、PVA203)の10%水溶液5
ml及び他のポリビニルアルコール(クラレ製、PVA
245)の6%水溶液290mlを添加した後、更に1
3.1mmolの塩基性塩化アルミニウムの20%水溶
液を徐々に添加した。最後に液全体の体積が1000m
lになるように純水を加えて半透明状の塗布液19を得
た。
【0130】P−3:ジメチルジアリルアンモニウムク
ロライドホモポリマー(第一工業製薬(株)製、シャロ
ールDC902P) (塗布液20)カチオン性ポリマー(P−3)の15%
水溶液100gに微粒子シリカ(トクヤマ製;QS−3
0)の25%水分散液500g、ついで硼酸3.0g、
硼砂0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散し
た。次に、この水分散液中に、ポリビニルアルコール
(クラレ製、PVA203)の10%水溶液5ml及び
他のポリビニルアルコール(クラレ製、PVA245)
の6%水溶液290mlを添加した後、更に13.1m
molの塩基性塩化アルミニウムの20%水溶液を徐々
に添加し、0.01mmolの酢酸ジルコニルの水溶液
を添加した。最後に液全体の体積が1000mlになる
ように純水を加えて半透明状の塗布液20を得た。
【0131】(塗布液21〜26)塗布液20の調製に
おいて、0.01mmolの酢酸ジルコニルの水溶液に
替えて表5に示す量の酢酸ジルコニルの水溶液を添加し
た以外は同様にして、塗布液21〜26を調製した。
【0132】(塗布液27)カチオン性ポリマー(P−
3)の15%水溶液100gに微粒子シリカ(トクヤマ
製;QS−30)の25%水分散液500g、ついで硼
酸3.0g、硼砂0.7gを添加し、高速ホモジナイザ
ーで分散した。次に、この水分散液中に、ポリビニルア
ルコール(クラレ製、PVA203)の10%水溶液5
ml及び他のポリビニルアルコール(クラレ製、PVA
245)の6%水溶液290mlを添加した後、更に
6.6mmolの塩基性塩化アルミニウムの20%水溶
液を徐々に添加し、0.07mmolの酢酸ジルコニル
の水溶液を添加した。最後に液全体の体積が1000m
lになるように純水を加えて半透明状の塗布液27を得
た。
【0133】(塗布液28)カチオン性ポリマー(P−
3)の15%水溶液100gに微粒子シリカ(トクヤマ
製;QS−30)の25%水分散液500g、ついで硼
酸3.0g、硼砂0.7gを添加し、高速ホモジナイザ
ーで分散した。次に、この水分散液中に、ポリビニルア
ルコール(クラレ製、PVA203)の10%水溶液5
ml及び他のポリビニルアルコール(クラレ製、PVA
245)の6%水溶液290mlを添加した後、更に2
6.2mmolの塩基性塩化アルミニウムの20%水溶
液を徐々に添加し、0.26mmolの酢酸ジルコニル
の水溶液を添加した。最後に液全体の体積が1000m
lになるように純水を加えて半透明状の塗布液28を得
た。
【0134】(塗布液29)カチオン性ポリマー(P−
3)の15%水溶液100gに微粒子シリカ(トクヤマ
製;QS−30)の25%水分散液500g、ついで硼
酸3.0g、硼砂0.7gを添加し、高速ホモジナイザ
ーで分散した。次に、この水分散液中に、ポリビニルア
ルコール(クラレ製、PVA203)の10%水溶液5
ml及び他のポリビニルアルコール(クラレ製、PVA
245)の6%水溶液290mlを添加した後、更に1
3.1mmolの塩基性塩化アルミニウムの20%水溶
液を徐々に添加し、0.13mmolの硫酸アルミニウ
ムの水溶液を添加した。最後に液全体の体積が1000
mlになるように純水を加えて半透明状の塗布液29を
得た。
【0135】〔インクジェット記録用紙の作製〕 (インクジェット記録用紙101〜112)塗布液1
を、原紙の両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(紙
密度170g/m2、厚さ260μm、記録面側のポリ
エチレン層中に6%のアナターゼ型二酸化チタン含有)
の記録面側に、湿潤膜厚が180μmになるように塗布
し、8℃で10秒間冷却した後、30℃の風で60秒
間、50℃の風で60秒間、70℃の風で60秒間乾燥
し、インクジェット記録用紙aを得た。この塗布面に、
表1に示す化合物A及びBを含む水溶液をオーバーコー
ト、乾燥してインクジェット記録用紙101〜112を
作製した。
【0136】〔評価〕得られたインクジェット記録用紙
について、以下の方法で滲み及びブロンジングを評価し
た。その結果を表1に示す。
【0137】(1)滲み セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM7
70Cで、マゼンタのベタプリントを背景として線幅が
約0.3mmのブラックラインをプリントし、50℃、
相対湿度85%で3日間保存した。保存前後で線幅をマ
イクロデンシトメーターで測定(反射濃度が最大濃度の
50%部分の幅を線幅とした)し、以下の式で表される
値を滲みとした。この値が少ない程滲みが良好であるこ
とを示す。
【0138】 滲み=(画像保存後の線幅)/(画像保存前の線幅) (2)ブロンジング 上記インクジェットプリンターで黒のベタ画像をプリン
トし、23℃、相対湿度80%で1週間保存した後、プ
リント画像の状態を目視で観察してブロンジングの発生
具合を下記基準で評価した。
【0139】 ◎:ブロンジングが認められない ○:わずかにブロンジングが認められるが問題ない △:一部でブロンジングが認められるが実用上問題ない ×:ブロンジングが激しく認められる。
【0140】(3)膜面pH プリント前の黒ベタプリント部分の膜面pHを東亜電波
工業製の平面電極を用いて測定した。その結果、いずれ
も4〜6であった。
【0141】
【表1】
【0142】表1から分かるように、本発明の記録用紙
は滲み及びブロンジングの両方が良好である。
【0143】実施例2 原紙の両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(紙密度
170g/m2、厚さ260μm、記録面側のポリエチ
レン層中に6%のアナターゼ型二酸化チタン含有)の記
録面側に、実施例1で作製した塗布液1、2をそれぞれ
100μm、80μmになるように同時塗布した後は、
実施例1で作製したインクジェット記録用紙aと同様に
して、冷却、乾燥、調湿し、インクジェット記録用紙b
を得た。この塗布面に、実施例1と同様にして表2に示
す化合物A及びBを含む水溶液をオーバーコートして乾
燥し、インクジェット記録用紙201〜212を作製し
た。
【0144】得られたインクジェット記録用紙につい
て、実施例1と同様にして滲み及びブロンジングを評価
した。その結果を表2に示す。
【0145】
【表2】
【0146】表2から分かるように、本発明の記録用紙
は滲み及びブロンジングの両方が良好である。
【0147】実施例3 実施例1で作製した塗布液3を、原紙の両面をポリエチ
レンで被覆した紙支持体(紙密度170g/m2、厚さ
260μm、記録面側のポリエチレン層中に6%のアナ
ターゼ型二酸化チタン含有)の記録面側に、湿潤膜厚が
180μmになるように塗布した後、実施例1で作製し
たインクジェット記録用紙aと同様にして、冷却、乾
燥、調湿し、インクジェット記録用紙301を得た。
【0148】記録用紙301の作製において、塗布液3
に替えて実施例1で作製した塗布液4〜14を用いる以
外は同様にして、記録用紙302〜312を作製した。
【0149】得られたインクジェット記録用紙につい
て、実施例1と同様にして滲み及びブロンジングを評価
した。その結果を表3に示す。尚、記録用紙301〜3
12の記録面側の膜面pHはいずれも4〜6.5であっ
た。
【0150】
【表3】
【0151】表3から分かるように、本発明の記録用紙
は滲み及びブロンジングの両方が良好である。
【0152】実施例4 実施例1で作製した塗布液15〜18を、原紙の両面を
ポリエチレンで被覆した紙支持体(紙密度170g/m
2、厚さ260μm、記録面側のポリエチレン層中に6
%のアナターゼ型二酸化チタン含有)の記録面側に、湿
潤膜厚が180μmになるように塗布した後、実施例3
で作製したインクジェット記録用紙301と同様にし
て、冷却、乾燥、調湿し、インクジェット記録用紙40
1〜404を得た。
【0153】得られたインクジェット記録用紙及び実施
例3で作製したインクジェット記録用紙301、305
について、実施例1と同様にして滲み及びブロンジング
を評価した。その結果を表4に示す。尚、記録用紙40
1〜404の記録面側の膜面pHはいずれも4〜6.5
であった。
【0154】
【表4】
【0155】表4から分かるように、本発明の記録用紙
は滲み及びブロンジングの両方が良好である。
【0156】実施例5 実施例1で作製した塗布液19〜29を、原紙の両面を
ポリエチレンで被覆した紙支持体(紙密度170g/m
2、厚さ260μm、記録面側のポリエチレン層中に6
%のアナターゼ型二酸化チタン含有)の記録面側に、湿
潤膜厚が180μmになるように塗布した後、実施例3
で作製したインクジェット記録用紙301と同様にし
て、冷却、乾燥、調湿し、インクジェット記録用紙50
1〜511を得た。
【0157】得られたインクジェット記録用紙につい
て、実施例1と同様にして滲み及びブロンジングを評価
した。その結果を表5に示す。尚、記録用紙501〜5
11の記録面側の膜面pHはいずれも4〜6.5であっ
た。
【0158】
【表5】
【0159】表5から分かるように、本発明の記録用紙
は滲み及びブロンジングの両方が良好である。
【0160】
【発明の効果】本発明により、ブロンジングを悪化させ
ることなく、水溶性染料を用いたプリント画像を保存し
たときの滲みの発生を抑え、画像の耐水性を改良したイ
ンクジェット記録用紙、及び水性顔料インクを用いたと
きにもブロンジングを抑えたインクジェット記録用紙を
提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機微粒子、親水性バインダー、分子内
    にジルコニウム原子またはアルミニウム原子を含む化合
    物A(但し、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムを
    除く)、該化合物Aと異なる、多価金属原子を分子内に
    含む化合物Bを該化合物Aの0.1〜10モル%含有す
    るインク吸収層を支持体上に有することを特徴とするイ
    ンクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 無機微粒子の親水性バインダーに対する
    質量比が1〜7であることを特徴とする請求項1記載の
    インクジェット記録用紙。
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