JP2005131802A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Junji Ito
淳二 伊藤
Toshihiko Iwasaki
利彦 岩崎
友香子 ▲高▼
Yukako Ko
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、滲み耐性、塗布故障耐性及びインク吸収性が改良されたインクジェット記録用紙を提供することである。
【解決手段】 非吸水性支持体上に、無機微粒子とポリビニルアルコールを含有する多孔質インク吸収層を設けたインクジェット記録用紙において、該多孔質インク吸収層が、多価金属元素を含む多価金属化合物及びエポキシ基を有する有機ポリマーとを含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規のインクジェット記録用紙に関し、詳しくは、滲み耐性、塗布故障耐性及びインク吸収性が改良されたインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録方法は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などのインクジェット記録材料に付着させ、画像や文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有しおり、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、様々な分野で急速に普及している。
一方、インクジェット記録材料は、急速にその画質向上が図られ、写真画質に迫りつつある。特に、写真画質に匹敵する画質をインクジェット記録で達成するため、インクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)の面からもその改良が進んでおり、高平滑性の支持体上に微粒子と親水性ポリマーからなる微小な空隙層を設けた空隙型の記録用紙は、高い光沢を有し、鮮やかな発色を示し、インク吸収性及び乾燥性に優れていることから、最も写真画質に近いものの一つになりつつある。特に、非吸水性支持体を使用した場合は、吸水性支持体に見られるようなプリント後のコックリング、いわゆる「しわ」の発生がなく、高平滑な表面を維持できるため、より高品位なプリントを得ることができる。
このように非吸水性支持体を用いた場合には、上述のようにしわや凹凸の発生を防止でき、高品位なプリントを得ることができるが、一方でインク吸収層が吐出された全てのインクを保持しなければならず、これに伴う問題も少なくない。その中のひとつとして、保存中の画像滲みが挙げられる。印字後にインク中の有機溶媒(例えば、ジエチレングリコール、グリセリンなど)がインク吸収層に残存し、これが保湿剤として働くため、インク吸収層の局所的な湿度が上昇し、その結果、色材、特に染料の移動による画像滲みを誘発しやすい。この解決のためには、インクジェット記録用紙のインク吸収層に、染料を固着するカチオン性ポリマーを使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。または、染料を固着する多価金属化合物を使用する方法が開示されている(例えば、特許文献2、3参照。)。その中でも、特に多価金属化合物は画像滲み防止に対しては有用であるが、染料の凝集・析出によるブロンジングや色相のシフトといった好ましくない問題も誘発しやすい。また、多価金属化合物は、インク吸収層塗布液を構成する他の化合物との共存が難しく、また、塗布液の粘度上昇や凝集を起こしやすいという課題を抱えている。
国際特許第99/64248号パンフレット 特開2002−192830号公報 特許2944143号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、滲み耐性、塗布故障耐性及びインク吸収性が改良されたインクジェット記録用紙を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
非吸水性支持体上に、無機微粒子とポリビニルアルコールを含有する多孔質インク吸収層を設けたインクジェット記録用紙において、該多孔質インク吸収層が、多価金属元素を含む多価金属化合物及びエポキシ基を有する有機ポリマーとを含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
(請求項2)
前記多孔質インク吸収層が、更にアミノ酸を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項3)
前記エポキシ基を有する有機ポリマーが、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項4)
前記多価金属元素が、ジルコニウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項5)
前記多価金属化合物が、酸塩化ジルコニウム活性無機ポリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項6)
膜面pHが3.0〜6.0の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項7)
前記多孔質インク吸収層を2層以上有し、該多孔質インク吸収層のうち、非吸収性支持体から最も離れた位置にある多孔質インク吸収層(最表層)が、前記多価金属化合物を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
本発明によれば、滲み耐性、塗布故障耐性及びインク吸収性が改良された高品位のインクジェット記録用紙を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のインクジェット記録用紙は、非吸水性支持体上に、無機微粒子とポリビニルアルコールを含有する多孔質インク吸収層を設けたインクジェット記録用紙において、該多孔質インク吸収層が、多価金属元素を含む多価金属化合物及びエポキシ基を有する有機ポリマーとを含有することを特徴とする。
はじめに、多価金属元素を含む多価金属化合物について説明する。
本発明に係る多価金属化合物としては、多価金属として分子内にジルコニウム原子又はアルミニウム原子を有する化合物であることが好ましく、より好ましくは多価金属元素がジルコニウムの場合である。
本発明のインクジェット記録用紙に好ましく用いられる分子内にジルコニウム原子又はアルミニウム原子を有する化合物について説明する。
本発明のインクジェット記録用紙に用いられるジルコニウム原子を有する化合物又はアルミニウム原子を有する化合物は、その化合物自身は水溶性であっても非水溶性であっても良いが、インク吸収層に均一に添加でき、インク吸収層を純水に浸漬した時にインク吸収層から溶出しない状態でインク吸収層に含まれるものが好ましい。但し、酸化ジルコニウムや酸化アルミニウムのような酸化物の状態でインク吸収層中に存在していると本発明の効果は得られない。
ジルコニウム原子やアルミニウム原子を有する化合物は、一般に水酸基と結合することが知られており、そのような置換基を有する親水性バインダーや各種のポリマー、添加剤と反応して水溶性が低下し、インク吸収層を純水中に浸漬した場合、純水中に溶出しない状態になりやすい。
本発明で用いることのできるジルコニウム原子又はアルミニウム原子を含有する化合物は、無機酸や有機酸の単塩及び複塩、有機金属化合物、金属錯体などのいずれであっても良いが、インク吸収層に均一に添加できるものが好ましい。
本発明で用いることのできるジルコニウム原子を有する化合物の具体例としては、二フッ化ジルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩化ジルコニウム(例えば、塩化ジルコニル)、二臭化ジルコニウム酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、リン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナト)クロロジルコニウムなどが挙げられる。
これらのジルコニウム原子を含む化合物の中でも、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、酸塩化ジルコニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニルが好ましく、特に、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、酸塩化ジルコニウムがより好ましい。
本発明で用いることのできるアルミニウム原子を有する化合物の具体例としては、フッ化アルミニウム、ヘキサフルオロアルミン酸(例えば、カリウム塩等)、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム(例えば、ポリ塩化アルミニウム)、テトラクロロアルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩等)、臭化アルミニウム、テトラブロモアルミン酸塩(例えば、カリウム塩など)、ヨウ化アルミニウム、アルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等)、塩素酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、チオシアン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニウム、燐酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸水素アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸珪酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセトネート)等を挙げることができる。
本発明に係るアルミニウム原子を有する化合物の中でも、ポリ塩化アルミニウム化合物、ポリ硫酸アルミニウム又はポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物であることが好ましく、また本発明に係るジルコニウム原子を有する化合物の中でも、酸塩基ジルコニウム活性無機ポリマーであることが好ましい。
ポリ塩化アルミニウム化合物は、一般式〔Al2(OH)nCl6-nm、〔Al(OH)3n・AlCl3で示されるものであり、例えば、〔Al6(OH)153+、〔Al8(OH)204+、〔Al13(OH)345+などのような塩基性で、かつ高い陽電子を持った多核縮合イオン(高分子性)を有効成分として、安定に含んでいるポリ塩化アルミニウムである。
ポリ塩化アルミニウム化合物の市販品としては、例えば、浅田化学(株)製のポリ水酸化アルミニウム(Paho)、多木化学(株)製のポリ塩化アルミニウム(PAC)、(株)理研グリーン製のピュラケムWTが挙げられる。また、ポリ硫酸アルミニウム化合物は、一般式〔Al2(OH)n(SO46-n/2m(ただし、0<n<6)で表されるものであり、市販品としては浅田化学(株)製の塩基性硫酸アルミニウム(AHS)が挙げられる。ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物の市販品としては、日本軽金属(株)製のPASSが挙げられる。酸塩化ジルコニウム活性無機ポリマーの市販品としては、第一希元素化学工業(株)製のジルコゾールZC−2を挙げることができる。本発明においては、特に、酸塩化ジルコニウム活性無機ポリマーが好ましい。
本発明の記録用紙においては、多孔質インク吸収層を2層以上有し、多孔質インク吸収層のうち、非吸収性支持体から最も離れた位置にある多孔質インク吸収層(最表層)が、上記多価金属化合物を実質的に含有しないことが好ましい。最表層に、多価金属化合物が存在する場合、インク中の染料が最表層で析出しブロンジングを誘発しやすい。少なくとも、本発明でいう実質的に含有しないとは、インク吸収層の深さ方向に多価金属化合物の含有量をスキャンした場合に、最表層が最大値とならないこと、あるいは最表層の含有量が全含有量の5%以下であることを意味する。
本発明の記録用紙に係るインク吸収層においては、上記多価金属化合物と共に、エポキシ基を有する有機ポリマーを含有せしめることが特徴の1つである。
本発明の記録用紙においては、インク吸収層にエポキシ基を含有する有機ポリマーを用いることにより、インクの吸収速度を高めることができる。これは、架橋することによりポリビニルアルコールの膨潤を抑制し、空隙によるインク吸収速度が阻害されないことによる。更に、本発明に係る多価金属化合物と併用することによって、多価金属化合物の持つ長期保存時の滲み防止効果をより一層高めることができる。ただし、エポキシ基を含有する有機ポリマーを単独で用いた場合には、上記の滲み防止効果は殆ど見受けられない。更には、多価金属化合物によって劣化の傾向にある膜面のひび割れ故障も、エポキシ基を含有する有機ポリマーの添加によって抑制されることを見いだしたものである
本発明に係るエポキシ基を含有する有機ポリマーの例としては、従来公知のものがすべて挙げられるが、特に、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂は、本発明の上記目的効果を発揮でき、更に安価に市販されているため好ましい。ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂とは、一般的にはジエチレントリアミンとアジピン酸を縮合して得られるアミド系ポリマーにエピクロルヒドリンを反応させて得られる。特に、遊離のエピクロルヒドリンやその分解物の含有量が少ない樹脂溶液を用いることが、画像の長期保存時の特性劣化を防止する目的で好ましい。
この他のエポキシ基を含有する有機ポリマーとして、アミン構造を有するポリマーにエピクロルヒドリンを反応させたものが挙げられる。本発明でいうエポキシ基とは、必ずしも閉環した構造を指すのではなく、開環した構造であってもアルカリ性では閉環して反応性を有する場合、同様にエポキシ基と見なす。このような例として、ポリジアリルジメチルアンモニウム・ポリジアリルアミン共重合体にエピクロルヒドリンを反応させた化合物(商品名:PAS−880 日東紡(株)製)が挙げられる。
本発明の記録用紙においては、多孔質インク吸収層が、多価金属化合物とエポキシ基を含有する有機ポリマーに加えて、アミノ酸を含有することが好ましい。
本発明において、アミノ酸は記録用紙膜面のひび割れ故障を減らすために用いられる。その機構を推測するに、多価金属化合物にアミノ酸が配位し、多価金属の活性度を抑制していると考えられる。すなわち多価金属化合物は反応性に富むため、塗工液を構成する他の化合物と反応しやすい。特にポリビニルアルコールが多価金属化合物によって架橋反応した場合はその伸縮性を失い、無機微粒子間をバインドする能力が低下してひび割れを誘発していると考えられる。
本発明でいうアミノ酸とは、同一分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物であり、α−、β−、γ−などいずれのタイプのアミノ酸でもよい。アミノ酸には光学異性体が存在するものもあるが、本発明においては光学異性体による効果の差はなく、いずれの異性体も単独であるいはラセミ体で使用することができる。
本発明に係るアミノ酸の詳しい解説は、化学大辞典1縮刷版(共立出版;昭和35年発行)268頁〜270頁の記載を参照することができる。
本発明においては、アミノ酸として、下記一般式(1)で表されるアミノ酸が好ましい。
一般式(1)
2N−R−COOH
一般式(1)において、Rは任意の置換基を表し、炭素数が11以下の置換基が好ましく、更に好ましくは炭素数が8以下の置換基である。このうち、特に好ましいのは、炭素数11以下のα−モノアミノモノカルボン酸、β−モノアミノモノカルボン酸及びγ−モノアミノモノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種である。
具体的に好ましいアミノ酸として、アミノカルボン酸、グリシン、アラニン、バリン、α−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、β−アラニン、セリン、ε−アミノ−n−カプロン酸、ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニンを挙げることができ、特に、本発明ではグリシンが好ましい。また、アミノ酸と多価金属化合物をあらかじめ混合してから塗布液に添加することが好ましい。
本発明の記録用紙においては、滲み防止の効果を発揮するため、インク吸収層の膜面pHを3.0〜6.0の範囲にすることが好ましい。
この膜面pHに調整する方法としては、乾燥後の膜面に酸やアルカリを与えて調整することも可能であるが、非吸水性支持体を用いる場合は、塗布液自体のpHの3.0〜6.0の範囲に調整することによっても、乾燥後ほぼこの範囲の膜面pHになることが多い。塗布液のpHをこの範囲にすることによるもう一つの利点は、多価金属化合物の反応性を抑制して、塗布液の粘度上昇を抑制することにある。
上記膜面pHの調整に用いるpH調整剤として、酢酸および酢酸ナトリウムまたは両者の混合物が最も好ましく、いわゆるpKaが3.0〜7.5の範囲にある化合物を含む塩が好ましい。pH調整剤は、多価金属化合物、アミノ酸とあらかじめ混合してから塗布液に添加することが好ましく、特に、pH調整剤、多価金属化合物およびアミノ酸を混合した液を、塗布する直前の塗布液にインライン添加することが最も好ましい。
次いで、本発明のインクジェット記録用紙の上記説明した以外の構成要素について説明する。
本発明のインクジェット記録用紙で用いることのできる無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料を挙げることができる。
本発明においては、インクジェット記録用紙で高品位なプリントを得る観点から、無機微粒子としては、シリカまたはアルミナが好ましく、更には、アルミナ、擬ベーマイト、コロイダルシリカ、もしくは気相法により合成された微粒子シリカ等が好ましく、気相法で合成されたシリカが特に好ましい。この気相法で合成されたシリカは、表面がアルミニウムで修飾されたものであっても良い。表面がアルミニウムで修飾された気相法シリカのアルミニウム含有率は、シリカに対して質量比で0.05〜5%のものが好ましい。
本発明のインクジェット記録用紙においては、用いる無機微粒子の平均一次粒子径が、10nm以下であることが好ましく、更に好ましく3〜10nm、より好ましくは5〜10nmである。
上記無機微粒子の平均粒子径は、多孔質インク吸収層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒子径を求めて、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで、個々の粒子径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
上記無機微粒子は、一次粒子のままで、あるいは二次粒子もしくはそれ以上の高次凝集粒子で多孔質インク吸収層に存在していても良いが、上記平均一次粒子径は、電子顕微鏡で観察した時に多孔質インク吸収層中で独立の粒子を形成しているものの粒径をいう。
上記無機微粒子の多孔質インク吸収層塗布液における含有量は、5〜40質量%であることが好ましく、特に7〜30質量%が好ましい。上記無機微粒子は、十分なインク吸収性があり、皮膜のひび割れ等が少ない多孔質インク吸収層を形成する必要があり、多孔質インク吸収層中には、10g/m2以上の付き量になることが好ましく、更には10〜55g/m2になることが好ましく、特に好ましくは10〜25g/m2である。
次いで、親水性バインダーであるポリビニルアルコールについて説明する。
多孔質インク吸収層に含有される親水性バインダーとしては、一般に、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等が知られているが、本発明では、その中でも、ケン化度が95mol%以上のポリビニルアルコールを用いることが特徴である。
ポリビニルアルコールは、無機微粒子と相互作用を有しており、無機微粒子に対する保持力が特に高く、更に、湿度依存性が比較的小さなポリマーであり、塗布乾燥時の収縮応力が小さいため、塗布乾燥時のひび割れに対する適性が優れる。本発明に好ましく用いられるポリビニルアルコールとしては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が2500以上、5000以下のものが好ましく用いられ、本発明ではケン化度が95%以上であるのものを用いることが特徴であり、好ましくは95〜99.8%のものである。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されるような、第1〜3級アミノ基や第4級アミノ基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、これらはカチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−メチルビニルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平1−206088号に記載されているアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、特開平7−285265号に記載されている水溶性基を有する変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類の違いなど、2種類以上を併用することもできる。特に、重合度が2500以上のポリビニルアルコールを使用する場合には、予め無機微粒子に対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%添加してから、重合度が2500以上のポリビニルアルコールを添加すると、著しい増粘が無く好ましい。
本発明のインクジェット記録用紙においては、多孔質インク吸収層に含有されるポリビニルアルコール(B)に対する無機微粒子(F)の比率(F/B)が、質量比で5〜30であることが好ましい。質量比が5倍以上であれば、充分な空隙率の多孔質膜が得られ、充分な空隙容量を得やすくなり、維持できる親水性バインダーによるインクジェット記録時の膨潤によって空隙を塞ぐ状況を招かず、高インク吸収速度を維持できる要因となる。一方、この比率が30倍以下であれば、多孔質インク吸収層を厚膜で塗布した際、ひび割れが生じにくくなる。特に好ましい親水性バインダーに対する無機微粒子の比率F/Bは5〜20倍、最も好ましくは5〜15倍である。
本発明のインクジェット記録用紙には、記録後の保存による画像のにじみを防止する目的で、カチオン性ポリマーが好ましく用いられる。
カチオン性ポリマーの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物等が挙げられる。
また、化学工業時報平成10年8月15、25日に述べられるカチオン性ポリマー、三洋化成工業株式会社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分子染料固着剤が例として挙げられる。
本発明のインクジェット記録用紙では、多孔質インク吸収層を形成する親水性バインダーであるポリビニルアルコールの硬膜剤を添加することが好ましい。
本発明で用いることのできる硬化剤としては、ポリビニルアルコールと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的にはポリビニルアルコールと反応し得る基を有する化合物あるいはポリビニルアルコールが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、ポリビニルアルコールの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することができないが、両者を混合することで濃厚な水溶液にすることができ、塗布液を濃縮化することが出来る。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることができる利点がある。上記硬化剤の総使用量は、上記ポリビニルアルコール1g当たり1〜600mgが好ましい。
本発明のインクジェット記録用紙には、上記説明した構成要素の他に、各種の公知の添加剤を添加することができる。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、カチオン界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
本発明に用いる非吸水性支持体は、従来インクジェット記録用紙用として公知のものを適宜使用でき、透明支持体または不透明支持体がある。透明支持体としてはポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料を有するフィルム等が挙げられ、中でもOHPとして使用されたときの輻射熱に耐える性質のものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。このような透明な支持体の厚さとしては、50μm〜200μmが好ましい。
又、不透明支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに硫酸バリウム等の白色顔料を添加してなるいわゆるホワイトペットが好ましい。
前記各種支持体と多孔質インク吸収層の接着強度を大きくする等の目的で、多孔質インク吸収層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。更に、本発明に係るインクジェット記録用紙は必ずしも無色である必要はなく、着色された記録シートであってもよい。
本発明のインクジェット記録用紙では、原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られるために特に好ましい。
そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体について以下に説明する。
紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ或いはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることが出来るが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSP及びまたはLDPの比率は10質量%〜70質量%が好ましい。
上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することが出来る。
抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの規定で200〜500mlが好ましく、又、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。原紙の坪量は30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜250μmが好ましい。原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は0.7〜1.2g/cm3(JIS−P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHはJIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することが出来る。
多孔質インク吸収層側のポリエチレン層には、写真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量は、ポリエチレンに対して通常3質量%〜20質量%、好ましくは4質量%〜13質量%である。
ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いることも、又、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成したものも本発明で使用できる。上記ポリエチレン被覆紙においては紙中の含水率を3質量%〜10質量%に保持するのが特に好ましい。
本発明のインクジェット記録用紙は、多孔質インク吸収層を含む各構成層を、各々単独にあるいは同時に、公知の塗布方式から適宜選択して、支持体上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
同時重層塗布を行う際の各塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法としては、塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
また、インクジェット記録用紙を保管する際には、本発明係るインクジェット記録用紙は、オーバーコートして乾燥した後、ロールに保管したまま、あるいはシート状に断裁した後、保管することが好ましい。30℃以上で一定時間、例えば、1日〜1ヶ月間保管すると、インク吸収速度が更に改善されてマダラ状のムラの軽減に役立つ。好ましい保管条件は、30〜50℃で1〜30日である。
次いで、本発明のインクジェット記録方法で用いるインクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用紙は、特に水溶性染料インクを用いたインクジェット記録方法において特に効果が大きく好ましいが、顔料インクを用いたインクジェット記録方法でも使用することができる。また、本発明のインクジェット記録用紙を用いて画像記録する際には、水性インクを用いたインクジェット記録方法が好ましく用いられる。
上記水性インクとは、下記着色剤及び溶媒、その他の添加剤を有する記録液体である。着色剤としては、インクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料或いは食品用色素等の水溶性染料、或いは水分散性顔料が使用できる。
水性インクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられる。中でも、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセリン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。
インクジェット記録方法においては、本発明のインクジェット記録用紙上に、上記有機溶媒含有比率が20質量%以上のインクを吐出して画像記録することが特徴であり、インクの有機溶媒含有比率として好ましくは20〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%である。
その他の水性インクの添加剤としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤、等が挙げられる。
水性インク液は、記録用紙に対する濡れ性を良好にするために、20℃において、通常、25〜60mN/m、好ましくは30〜50mN/mの範囲内の表面張力を有するのが好ましい。上記インクのpHは、好ましくは5〜10であり、特に好ましくは6〜9である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。
実施例1
《無機微粒子分散液の調製》
〔シリカ分散液D−1の調製〕
予め均一に分散されている、一次粒子の平均粒径が約0.007μmの気相法シリカ(日本アエロジル社製;アエロジル300)を25%含むシリカ分散液B−1(pH=2.6、エタノール0.5%含有)の400Lを、カチオン性ポリマーP−1を12%、n−プロパノールを10%及びエタノールを2%含有する水溶液C−1(pH2.5、サンノプコ社製の消泡剤SN−381を2g含有)の110Lに、室温で3000rpmで攪拌しながら添加した。次いで、硼酸とホウ砂の1:1質量比の混合水溶液A−1(各々3%の濃度)54Lを攪拌しながら、徐々に添加した。
次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで3kN/cm2の圧力で分散し、全量を純水で630Lに仕上げて、ほぼ透明なシリカ分散液D−1を得た。
〔シリカ分散液D−2の調製〕
上記シリカ分散液B−1の400Lを、カチオン性ポリマーP−2を12%、n−プロパノールを10%及びエタノールを2%含有する水溶液C−2(pH=2.5)の120Lに、室温で3000rpmで攪拌しながら添加し、次いで、上記混合水溶液A−1の52Lを攪拌しながら徐々に添加した。次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで、3kN/cm2の圧力で分散し、全量を純水で630Lに仕上げて、ほぼ透明なシリカ分散液D−2を得た。
Figure 2005131802
上記シリカ分散液D−1、D−2は、各々30μmの濾過精度を有するアドバンテック東洋社製のTCP−30タイプのフィルターを用いて濾過を行った。
《記録用紙の作製》
〔記録用紙1の作製〕
[インク吸収層塗布液の調製]
上記調製した各シリカ分散液を使用して、以下に記載の各添加剤を順次混合して、多孔質インク吸収層用の各塗布液を調製した。なお、各添加量は、塗布液1L当りの量で表示した。
(第1層用塗布液:最下層)
シリカ分散液D−1 580ml
ポリビニルアルコール(クラレ社製;PVA203)10%水溶液 5ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%)の6.5%水溶液
290ml
純水で全量を1000mlに仕上げた。
(第2層用塗布液)
シリカ分散液D−1 580ml
ポリビニルアルコール(クラレ社製;PVA203)10%水溶液 5ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%)の6.5%水溶液
270ml
純水で全量を1000mlに仕上げた。
(第3層用塗布液)
シリカ分散液D−2 630ml
ポリビニルアルコール(クラレ社製;PVA203)10%水溶液 5ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%)の6.5%水溶液
270ml
尿素の10%水溶液 36ml
純水で全量を1000mlに仕上げた。
(第4層用塗布液:最上層)
シリカ分散液D−2 660ml
ポリビニルアルコール(クラレ社製;PVA203)10%水溶液 5ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%)の6.5%水溶液
250ml
尿素の10%水溶液 36ml
界面活性剤(大日本インキ化学(株)製;メガファックF−120 アニオン型フッ素系界面活性剤)の4%水溶液 9.0ml
純水で全量を1000mlに仕上げた。
上記の様に調製した各層塗布液を、20μmの濾過精度を持つアドバンテック東洋社製のTCPD−30フィルターで濾過した後、TCPD−10フィルターで濾過した。
[インク吸収層の形成]
次に、上記調製した各塗布液を、下記に記載の湿潤膜厚となる条件で、両面にポリエチレンを被覆した紙支持体(RC紙)上に、40℃でスライドホッパー型コーターを用いて4層同時塗布した。
〈湿潤膜厚〉
第1層:42μm
第2層:39μm
第3層;44μm
第4層:38μm
なお、上記RC紙は、幅が約1.5m、長さが約4000mのロール上に巻かれた下記の支持体を用いた。
使用したRC紙は、含水率が8%で、坪量が170gの写真用原紙表面を、アナターゼ型酸化チタンを6%含有するポリエチレンを厚さ35μmで押し出し溶融塗布し、裏面には厚さ40μmのポリエチレンを厚さ35μmで押し出し溶融塗布した。表面側はコロナ放電した後、ポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA235)を、支持体1m2当り0.05gになるように下引き層を塗布し、裏面側にはコロナ放電した後、Tgが約80℃のスチレン・アクリル酸エステル系ラテックスバインダー約0.4g、帯電防止剤(カチオン性ポリマー)0.1g及び約2μmのシリカ0.1gをマット剤として含有するバック層を塗布した。
以上の様にして、RC紙上に各インク吸収層塗布液を塗布した後、5℃に保った冷却ゾーンを15秒間通過させて膜面の温度を13℃にまで低下させた後、複数設けた乾燥ゾーンの温度を適宜設定して乾燥を行った後、ロール状に巻き取って記録用紙1を作製した。
〔記録用紙2、3の作製〕
上記記録用紙1の作製において、表1に記載の構成からなる添加液を、塗布直前に東レエンジニアリング製のスタチックミキサーを用いてインライン添加した以外は同様にして、記録用紙2、3を作製した。
〔記録用紙4〜11の作製〕
上記記録用紙1の作製において、第3層用塗布液及び第4層用塗布液に表1に記載のエポキシ基を有する有機ポリマーを各々0.1g/m2(合計0.2g/m2)添加した。更に、表1に記載の構成からなる添加液を、塗布直前に東レエンジニアリング製のスタチックミキサーを用いてインライン添加した以外は同様にして、記録用紙4〜11を作製した。
なお、表1に記載の各添加液には、多価金属化合物は0.5g/m2、アミノ酸は0.25g/m2となるように添加し、更に表1に記載の膜面pHとなるように酢酸ナトリウムを添加した。
なお、表1に記載の記録用紙2〜11の作製に用いた各添加剤の詳細は、以下の通りである。
〈多価金属化合物〉
ZC−2:酸塩化ジルコニウム活性無機ポリマー(第一稀元素化学工業社製;ジルコゾールZC−2)
ZA:酢酸ジルコニル(第一稀元素化学工業社製;ジルコゾールZA)
PAC:塩基性ポリ塩化アルミニウム(多木化学社製;PAC)
〈エポキシ基を有する有機ポリマー〉
WS552:ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製;WS−552)
PAS−880:ポリアミン系樹脂(日東紡社製;PAS−880)
〔記録用紙12〜15の作製〕
上記記録用紙9の作製において、インライン添加液から酢酸ナトリウムを除き、第3層用塗布液に硝酸または炭酸ナトリウムを適宜添加し、膜面pHを表1に記載のように変更した以外は同様にして、記録用紙12〜15を作製した。
〔記録用紙16の作製〕
上記記録用紙9の作製において、インライン添加液を第3層でなく、第4層にインライン添加した以外は同様にして、記録用紙16を作製した。
〔記録用紙17の作製〕
上記記録用紙9の作製において、インライン添加液を第3層に90%相当量を、また第4層に10%相当量をそれぞれインライン添加した以外は同様にして、記録用紙17を作製した。
〔記録用紙18の作製〕
上記記録用紙7の作製において、インライン添加液をインライン添加でなく、記録用紙を作製した後、ワイヤーバー塗布方式によりオーバーコートした以外は同様にして、記録用紙18を作製した。
〔記録用紙19の作製〕
上記記録用紙9の作製において、インライン添加液の酢酸ナトリウムに代えて、コハク酸ナトリウムを用いた以外は同様にして、記録用紙19を作製した。
〔記録用紙20の作製〕
上記記録用紙9の作製において、第3層のエポキシ基を有する有機ポリマーを除いた以外は同様にして、記録用紙20を作製した。
なお、上記作製した各記録用紙について、多価金属元素の各インク吸収層における分布状態を、その断層面のEDS分析により測定した結果、記録用紙18がアルミニウム元素が表層近傍に最も存在していることを確認した。
《記録用紙の評価》
以上の様にして得られた記録用紙1〜19について、以下の特性評価を行なった。
〔滲み耐性の評価〕
各記録用紙に、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM920Cを用いて、純正マゼンタインクによるマゼンタベタ画像を背景として、ブラックインクによる線幅が約0.3mmの細線を印字した。次いで、印字後直ちに、試料の両面を、記録用紙の作製に用いた紙支持体により上下各3枚ずつ重ねた後、輪ゴムで固定し、この積層試料を、50℃、相対湿度85%の雰囲気下で7日間保存した。次いで、保存前後でのブラックインクの線幅をマイクロデンシトメーターで測定(反射濃度が最大濃度の50%部分の幅を線幅とした)し、下式にしたがって滲み率を測定し、これを滲み耐性の尺度とした。
滲み率=(画像保存後の線幅)/(画像保存前の線幅)
〔インク吸収性の評価〕
J.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87に記載のブリストー試験機を使用して、接触時間0.08秒の転移量(ml/m2)を測定し、これをインク吸収性の尺度とした。なお、測定にはセイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM920C用の純正マゼンタインクで着色した純水を用いた。
〔ひび割れ耐性の評価〕
各記録用紙のインク吸収層塗布面を、1.0m2をルーペを用いてひび割れの発生状態を観察し、0.5mm以上のひび割れ故障の個数を計測し、これをひび割れ耐性の尺度とした。
〔ブロンジング耐性の評価〕
各記録用紙に、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM920Cを用いて、純正インクによるブルーのベタ画像を印字し、プリント表面のギラツキ感を目視観察した。その結果、記録用紙18は非常に気になるギラツキ感があり鑑賞に堪えない。また、記録用紙16、17も許容される品質レベルではあるが、ギラツキ感が認められた。これに対し、その他の記録用紙では、ほとんどギラツキ感は認められず、良好なブロンジング耐性を有していることを確認することができた。
以上により得られたブロンジング耐性を除く結果を、表1に示す。
Figure 2005131802
表1より明らかなように、多孔質インク吸収層の少なくとも1層に、多価金属元素を含む多価金属化合物とエポキシ基を有する有機ポリマーとを含有する本発明の記録用紙は、比較例に対し、滲み耐性、インク吸収性及びひび割れ耐性に優れていることが分かる。更に本発明の中でも、アミノ酸を含有する記録用紙、エポキシ基を有する有機ポリマーがポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂である記録用紙、多価金属化合物がジルコニウムを含有する化合物あるいは、酸塩化ジルコニウム活性無機ポリマーである記録用紙、あるいは最表層(第4層)に多価金属化合物を含有しない記録用紙が、より好ましい効果を示すことを確認することができた。また、膜面pHとして、3.0〜6.0の範囲とした記録用紙が、滲み耐性、インク吸収性及びひび割れ耐性のバランスが最も好ましいことが分かる。

Claims (7)

  1. 非吸水性支持体上に、無機微粒子とポリビニルアルコールを含有する多孔質インク吸収層を設けたインクジェット記録用紙において、該多孔質インク吸収層が、多価金属元素を含む多価金属化合物及びエポキシ基を有する有機ポリマーとを含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記多孔質インク吸収層が、更にアミノ酸を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記エポキシ基を有する有機ポリマーが、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 前記多価金属元素が、ジルコニウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 前記多価金属化合物が、酸塩化ジルコニウム活性無機ポリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  6. 膜面pHが3.0〜6.0の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  7. 前記多孔質インク吸収層を2層以上有し、該多孔質インク吸収層のうち、非吸収性支持体から最も離れた位置にある多孔質インク吸収層(最表層)が、前記多価金属化合物を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
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