JP2001253164A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

Info

Publication number
JP2001253164A
JP2001253164A JP2000068548A JP2000068548A JP2001253164A JP 2001253164 A JP2001253164 A JP 2001253164A JP 2000068548 A JP2000068548 A JP 2000068548A JP 2000068548 A JP2000068548 A JP 2000068548A JP 2001253164 A JP2001253164 A JP 2001253164A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording paper
jet recording
ink jet
group
dye
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000068548A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Ushiku
正幸 牛久
Keiji Obayashi
啓治 大林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2000068548A priority Critical patent/JP2001253164A/ja
Publication of JP2001253164A publication Critical patent/JP2001253164A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色素媒染剤を多孔質インク受容層中に含有す
るインクジェット記録用紙において、色素の凝集による
ブロンジングを悪化させることなく耐水性や画像滲みを
防止できるインクジェット記録用紙を提供すること。 【解決手段】 架橋剤により架橋された色素媒染剤、無
機微粒子及び親水性バインダーを含有する多孔質インク
受容層を支持体上に有することを特徴とするインクジェ
ット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用紙に関し、インクジェット記録時に色素の析出による
ブロンジングを悪化させることなく耐水性や画像の滲み
を改良したインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】水性インクで記録するインクジェット記
録方法は良く知られており、近年、インクジェット記録
は急速に画質が向上してきている。特に近年の高画質・
高速化に伴い、インク受容層として高インク吸収性が要
求されるようになった。
【0003】インク受容層は一般に親水性バインダーか
ら主として形成される膨潤型(親水性バインダーの膨潤
作用でインクを保持する)と、無機微粒子と少量の親水
性バインダーで多孔質皮膜を形成している空隙型に大き
く分けられるが、高インク吸収性という観点からは後者
の空隙型インク受容層が好ましい。
【0004】インクジェット記録においては通常水溶性
色素が色材として用いられるが、この水溶性色素は親水
性が高いため、記録後に高湿下に長期間保存したり或い
は記録面上に水滴が付着した場合に色素が滲みやすい傾
向がある。この問題を解決するために色素固定能力を有
する物質として色素媒染剤をインク受容層中に添加して
おくことが一般的に行われており、そのような色素固定
能力を有する物質としては、表面がカチオン性である無
機顔料(アルミナ微粒子等)、分子内に第1級乃至第3
級アミノ基又は第4級アンモニウム塩基を有するカチオ
ン性ポリマー等が上げられる。中でも前記カチオン性ポ
リマーは比較的高い色素固定性を有するために好ましく
用いられる。又色素媒染剤として、例えば特公平2−3
567号及び特開平9−254529号にポリアルキレ
ンポリアミン・ジシアンジアミド系縮合物が記載されて
いる。
【0005】色素媒染剤は色素固定能力が高いほど耐水
性やインクジェット記録後の保存による画像の滲みも改
良されるため、従来からインク中に含まれる色素に最適
な色素媒染剤が選択される。又、カチオン性ポリマーに
よる色素の固定性を高めるために多価金属イオンを併用
することも一部で行われており、例えば特開昭60−6
7190号及び同61−10484号などに記載されて
いる。
【0006】ところで、カラーインクジェット記録にお
いては、イエロー、マゼンタ、シアン及び必要に応じて
用いられるブラックの各インクとしてそれぞれ1種類以
上の水溶性色素が用いられるが、これらの水溶性色素の
色素媒染剤による固定性は色素の種類により異なるのが
一般的であり、画像の耐水性や滲みを低減する点で、最
も固定性の低いインクに対しても強く固定させる必要が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが鋭意検討
したところ、最も固定性の低い色素に対してより強く固
着させようとすると元来固定性の強い色素に対してしば
しば色素を析出させる場合があることが判明し、この傾
向はインク受容層が多孔質層であるような空隙型である
場合に特に顕著になりやすいことも分かってきた。この
様な色素の凝集のし易さはカチオン性ポリマーの種類や
色素の種類及び両者の組み合わせに依存するが、プリン
ト直後には問題ない場合でも長期間保管中に色素の凝集
が進行して徐々に起こる場合もある。
【0008】色素が析出した場合、プリント表面が像様
に金属状になる(以下、この減少をブロンジングとい
う)、或いは像様に無光沢化する現象が起きる。前者は
主として色素の結晶性が高い場合に起きやすく、後者は
色素が結晶状になりにくい場合に起きやすい傾向がある
と考えられているが、何れの場合であってもプリント品
質を大きく低下させてしまう。
【0009】この問題は空隙型のインク受容層を有する
インクジェット記録用紙で特に生じやすいが、この理由
は定かではない。本発明者らの推定によると、空隙型イ
ンク受容層がインクで満たされた際に、親水性バインダ
ーが空隙部分に殆ど存在しないためにカチオン性ポリマ
ーの移動が比較的容易に起きやすくインク受容層表面ま
で拡散して色素を凝集させやすくなった為であると考え
ている。
【0010】この問題はインク受容層中に無機のカチオ
ンイオンが存在すると一層促進されやすく、特に耐水性
や滲み防止に効果のある2価又は3価の金属イオン(M
2+、Ca2+、Al3+、Zn2+等)が存在する場合に色
素の凝集を促進しやすいことも判明してきた。又、カチ
オン性ポリマーとして、前述のポリアルキレンポリアミ
ン・ジシアンジアミド系縮合物を使用した場合にかかる
色素の凝集が促進されることも判ってきた。
【0011】従って本発明は上記事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は色素媒染剤を多孔質インク受容
層中に含有するインクジェット記録用紙において、色素
の凝集によるブロンジングの発生によりプリント品質を
悪化させることなく耐水性や画像滲みを防止できるイン
クジェット記録用紙を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る課題は以下の発明によって達成された。
【0013】1.架橋剤により架橋された色素媒染剤、
無機微粒子及び親水性バインダーを含有する多孔質イン
ク受容層を支持体上に有することを特徴とするインクジ
ェット記録用紙。
【0014】2.前記色素媒染剤が1乃至3級のアミ
ン、又は4級アンモニウム塩基を有するポリマーである
ことを特徴とする1記載のインクジェット記録用紙。
【0015】3.前記色素媒染剤がポリアルキレンポリ
アミン・ジシアンジアミド系重縮合物であることを特徴
とする2記載のインクジェット記録用紙。
【0016】4.前記架橋剤がエポキシ基、ビニルスル
ホニル基、アクリロイル基、エチレンイミノ基、アルデ
ヒド基、N−メチロール基、イソシアネート基から選ば
れる基を分子中に少なくとも2個以上有する化合物であ
ることを特徴とする1〜3の何れか1項に記載のインク
ジェット記録用紙。
【0017】本発明者らは鋭意検討した結果、プリント
表面で生じるブロンジングによりプリント品質が大きく
低下するという問題がカチオン性ポリマーのインク受容
層中での移動性に関係していることを見出して本発明を
想到し、架橋剤により架橋された色素媒染剤を多孔質イ
ンク受容層に含有させることにより本発明を完成するに
到った。
【0018】尚、特開平8−142496号には2種類
のカチオン性ポリマーを混合し、硬化剤で3次元架橋さ
れたインク吸収層を有し耐水性や滲みが改善されたイン
クジェット記録用紙が、又特開平10−35091号に
はカルボキシル基を含有するジシアンジアミドの重縮合
物と、オキサゾリニル又はオキサゾジニル系架橋剤から
なるインクジェット記録シート用耐水化組成物が記載さ
れているが、これらには多孔質インク受容層やカチオン
ポリマーのブロンジングに纏わる問題は記載されていな
い。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
インクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともい
う)で用いられる架橋剤により架橋された色素媒染剤
(以下、本発明の色素媒染剤ともいう)としては従来イ
ンクジェット記録用紙で公知の色素媒染剤が用いられ、
1乃至3級のアミン又は第4級アンモニウム塩基を有す
るポリマー及び第4級ホスホニウム基を有する色素媒染
剤等が挙げられる。
【0020】前記1乃至3級のアミン、又は第4級アン
モニウム塩基を有する色素媒染剤を用いたインクジェッ
ト記録用紙としては、例えば、特開昭53−49113
号、同58−24492号、同59−33176、同5
9−20696号、同60−83882号、特公平4−
15744号、同7−45257号、特開昭63−11
5780号、同63−224988号、特開平1−24
784号、同1−9776号、同1−40371号、同
1−75821号、同1−188387号、同1−21
8883号、同2−1358号、同3−133686
号、同4−288283号、同5−278322号、同
6−92012号、同6−234268号、同6−32
8836号、同7−329414号、同8−34160
号、同8−267904号、同8−324105号、同
8−324101号、同9−58117号、同9−24
0140号、同9−240139号、同9−24896
0号、同9−254525号、同9−302595号、
同9−314991号、同10−44590号、同10
−71760号、同10−114142号、同10−1
19418号、同10−152444号、同10−14
7057号、同10−244749号、同10−264
511号、同10−272834号、同10−3294
14号、及び特公表8−507729号等に記載されて
いる。
【0021】又、第4級ホスホニウム塩基を有する色素
媒染剤は例えば特開平10−157282号、同7−1
830号及び欧州特許公開681,214号等に記載さ
れている。
【0022】本発明の色素媒染剤としては、特に1乃至
3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポ
リマーが滲みや耐水性がより良好である点で好ましい。
【0023】架橋剤を用いることにより本発明の効果で
ある色素の凝集防止作用が特に大きいのは、中でも当該
ポリマーとしてポリアルキレンポリアミン・ジシアンジ
アミド系重縮合物を用いた場合である。
【0024】本発明に用いられるポリアルキレンポリア
ミン・ジシアンジアミド系重縮合物はポリアルキレンポ
リアミンとジシアンジアミドの重縮合物である。ポリア
ルキレンポリアミンとしてはジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イ
ミノビスプロピルアミン及びこれらの塩酸塩、硫酸鉛、
酢酸塩等が挙げられる。
【0025】ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジア
ミド系重縮合物としては各種のものが市販されており、
例えばネオフィックスRP−70、ネオフィックPNF
−70、ネオフィックスE−117(以上、日華化学
(株)製)、パラフィックスEP(大原パラヂウム化学
(株)製)、ダイアジンフィックス400(日成化成
(株)製)、ファーストゲンP−708(東海製油工業
(株)製)、ジェットフィックス20(黒田加工(株)
製)、カヤフィックスM(日本化薬(株)製)、PAP
−1(日本染化工業(株)製)、サンフィックス414
(三洋化成(株)製)等が挙げられる。
【0026】上記ポリアルキレンポリアミン・ジシアン
ジアミド系重縮合物はその構造式が必ずしも明瞭ではな
いが、例えば「高分子薬剤入門」(1992年 三洋化
成工業(株)発行)p786〜789に記載されている
ように分子中に2級アミノ基を有するものであると考え
られている。これらの2級アミノ基を介して反応させる
ことにより分子量を増大させて本発明の効果が得られ
る。
【0027】一方ポリアルキレンポリアミン・ジシアン
ジアミド系重縮合物以外の本発明に使用可能なポリマー
としては、分子構造中の1級又は2級アミノ基、水酸基
等の反応性基を有する単量体を共重合させるなどして得
ることが出来るカチオン性ポリマーが好ましい。特に好
ましい反応性基は1級又は2級のアミノ基である。
【0028】次にそのような反応性基を有するカチオン
性ポリマーの具体例を示す。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】上記カチオン性ポリマーの添加量は記録用
紙1m2当たり概ね0.05〜10gであり、好ましく
は0.1〜5gである。
【0032】次に本発明の色素媒染剤と架橋反応し得る
化合物について説明する。この化合物は該色素媒染剤の
反応性基(アミノ基、水酸基など)と反応する基を分子
中に少なくとも2個以上有する化合物であり、具体的に
はエポキシ基、ビニルスルホニル基、アクリロイル基、
エチレンイミノ基、アルデヒド基、N−メチロール基、
イソシアネート基から選ばれる基を分子中に少なくとも
2個以上有する化合物であり、具体的なものとしては例
えば以下の化合物を挙げることが出来る。
【0033】H−1 グリオキサザール H−2 水溶性メチロールメラミン樹脂
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】上記化合物の添加量は色素媒染剤に対して
概ね0.1〜50質量%、好ましくは0.2〜20質量
%の範囲で用いられる。
【0037】又、上記色素媒染剤と架橋反応し得る化合
物を添加する方法としては、例えばインク受容層を形成
後に適当な溶媒と共にオーバーコートして添加するか、
インク受容層を形成する際に塗布液に色素媒染剤と共に
添加するか、或いは予め色素媒染剤と反応させたものを
塗布液に添加することもできるが、最も効率的に反応を
行わせる点で、予め色素媒染剤と反応させておいたもの
をインク受容層形成用塗布液に添加するのが好ましい。
【0038】本発明のインクジェット記録用紙は支持体
上に多孔質のインク受容層が設けられたものであり、多
孔質のインク受容層の形成に当たっては従来数多くの方
法が知られているが特に無機顔料と少量の親水性バイン
ダーから空隙層が形成されているものが好ましい。
【0039】以下、特に好ましい無機微粒子と少量の親
水性バインダーを含有する多孔質のインク受容層につい
て説明する。
【0040】この多孔質のインク受容層は、無機微粒子
と少量の親水性バインダーから基本的に構成され、この
ような無機微粒子の例としては、例えば軽質炭酸カルシ
ウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸
亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソ
ウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアル
ミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、
ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を
挙げることが出来る。
【0041】その様な無機微粒子は1次粒子のまま用い
ても、又2次凝集粒子を形成した状態で使用することも
できるが、高い光沢性を得る観点から皮膜中で0.01
〜0.1μmのサイズに成るような無機微粒子を使用す
ることが好ましい。
【0042】本発明においては、表面がアニオン性の無
機微粒子としては低コストであることや高い反射濃度が
得られる低屈折率であること等から、気相法で合成され
たシリカ又はコロイダルシリカが好ましい。又、表面が
カチオン性である無機微粒子としてはカチオン表面処理
された気相法シリカ、カチオン表面処理されたコロイダ
ルシリカ、及びアルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベー
マイト等も用いることが出来る。
【0043】インク受容層に用いられる親水性バインダ
ーの例としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポ
リエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリア
クリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキス
トラン、デキストリン、カラーギーナン(λ、ι、λ
等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース等が挙げられる。これらの親水性ポリマーは2種以
上併用することも可能である。
【0044】本発明で好ましく用いられる親水性バイン
ダーはポリビニルアルコールである。該ポリビリルアル
コールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通
常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性
したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニ
オン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアル
コールも含まれる。
【0045】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは平均重合度が1000以上のものが好
ましく用いられ、特に平均重合度が1500〜5000
のものが好ましく用いられる。又ケン化度は70〜10
0%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に
好ましい。
【0046】カチオン変成ポリビニルアルコールとして
は、例えば特開昭61−10483号に記載されている
ような、第1乃至3級アミノ基、又は第4級アンモニウ
ム塩基を上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に
有するポリビニルアルコールが挙げられ、カチオン性基
を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重
合体をケン化することにより得られる。
【0047】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)ア
ンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0048】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0049】アニオン変性ポリビニルアルコールは例え
ば、特開平1−206088号に記載されているような
アニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭6
1−237681号、及び同63−307979号に記
載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有
するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285
265号に記載されているような水溶性基を有する変性
ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0050】又、ノニオン変性ポリビニルアルコールと
しては、例えば、特開平7−9758号に記載されてい
るようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコー
ルの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開
平8−25795号に記載された疎水性基を有するビニ
ル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が
挙げられる。
【0051】ポリビニルアルコールは重合度や変性の種
類違いなど2種類以上を併用することもできる。
【0052】インク受容層に用いられる無機微粒子の添
加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、
無機微粒子の種類、親水性バインダーの種類に大きく依
存するが、一般には記録用紙1m2当たり概ね5〜30
g、好ましくは10〜25gである。
【0053】又、インク受容層に用いられる無機微粒子
と親水性バインダーの比率は質量比で概ね2:1〜2
0:1であり特に3:1〜10:1が好ましい。
【0054】本発明の記録用紙に用いる支持体は従来イ
ンクジェット記録媒体用として公知のものを適宜使用で
きるが、本発明の効果をより顕著に示すためには非吸収
性支持体であることが好ましい。
【0055】非吸水性支持体としては、透明支持体或い
は不透明支持体が挙げられる。透明支持体としてはポリ
エステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セ
ルロイド等の材料からなるフィルム等が挙げられ、中で
もOHPとして使用されたときの輻射熱に耐える性質の
ものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好
ましい。このような透明な支持体の厚さとしては、約1
0〜200μmが好ましい。
【0056】又不透明支持体としては、例えば、基紙の
少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン
樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパ
ー)、ポリエチレンテレフタレートに硫酸バリウム等の
白色顔料を添加してなるいわゆるホワイトペットが好ま
しい。
【0057】上記各種支持体とインク受容層の接着強度
を大きくする等の目的で、インク受容層の塗布に先立っ
て、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが
好ましい。更に、本発明の記録用紙は必ずしも無色であ
る必要はなく、着色された記録用紙であってもよい。
【0058】又吸収性支持体としては、例えば一般の
紙、布、木材等からなるシートや板等を挙げることが出
来る。紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学
パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、C
MP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等
の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。
又、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の
各種繊維状物質も原料として適宜使用することが出来
る。
【0059】上記紙支持体中には必要に応じてサイズ
剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙
力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加す
ることができる。
【0060】紙支持体は前記木材パルプなどの繊維状物
質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツ
インワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することがで
きる。又必要に応じて抄紙段階又は抄紙機にスターチ、
ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理したり、各
種コート処理したり、カレンダー処理したりすることも
できる。
【0061】本発明のインクジェット記録用紙では紙支
持体の両面をポリエチレンでラミネートした支持体を用
いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コス
トで高品質の画像が得られるために特に好ましい。その
ようなポリエチレンでラミネートした支持体について以
下に説明する。
【0062】該支持体に用いられる原紙は木材パルプを
主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロ
ピレンなどの合成パルプ或いはナイロンやポリエステル
などの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとして
はLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、
NDP、LUKP、NUKPの何れも用いることが出来
るが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、N
DP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、
LBSP及び又はLDPの比率は10〜70質量%が好
ましい。
【0063】上記パルプは不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有
用である。
【0064】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム塩等の柔軟化剤などを適宜添加す
ることが出来る。
【0065】抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの
規定で200〜500mlが好ましく、又叩解後の繊維
長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残
分質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30乃至
70質量%が好ましい。尚、4メッシュ残分の質量%は
20質量%以下であることが好ましい。
【0066】原紙の坪量は30乃至250gが好まし
く、特に50乃至200gが好ましい。原紙の厚さは4
0乃至250μmが好ましい。
【0067】原紙は抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処
理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は0.
7乃至1.2g/m2(JIS−P−8118)が一般
的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に規定
される条件で20乃至200gが好ましい。
【0068】原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズ
と同様のサイズ剤を使用できる。
【0069】原紙のpHはJIS−P−8113で規定
された熱水抽出法により測定された場合、5〜9である
ことが好ましい原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレ
ンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び
/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが他の
LLDPEやポリプロピレン等も一部使用することが出
来る。特にインク受容層側のポリエチレン層は写真用印
画紙で広く行われているようにルチル型又はアナターゼ
型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度及
び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量
はポリエチレンに対して概ね3〜20質量%、好ましく
は4〜13質量%である。
【0070】ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いる
ことも、又ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出して
コーティングする際にいわゆる型付け処理を行って通常
の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成
した物も本発明で使用できる。
【0071】原紙の表裏のポリエチレンの使用量はイン
ク受容層やバック層を設けた後で低湿及び高湿化でのカ
ールを最適化するように選択されるが、概ねインク受容
層側のポリエチレン層が10〜40μm、バック層側が
10〜30μmの範囲である。
【0072】更に上記ポリエチレン被覆紙支持体は以下
の特性を有していることが好ましい。
【0073】1.引っ張り強さ:JIS−P−8113
で規定される強度で縦方向が2乃至30kg、横方向が
1乃至20kg 2.引き裂き強度はJIS−P−8116による規定方
法で縦方向が10乃至200g、横方向が20乃至20
0g 3.圧縮弾性率≧103kgf/cm2 4.表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定さ
れる条件で20秒以上光沢面としては好ましいが、いわ
ゆる型付け品ではこれ以下であっても良い。
【0074】5.不透明度:直線光入射/拡散光透過条
件の測定条件で可視域の光線での透過率が20%以下、
特に15%以下。
【0075】本発明のインクジェト記録用紙のインク受
容層及び必要に応じて設けられるその他の層には、前記
した以外に各種の添加剤を添加することが出来る。
【0076】例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エ
ステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル
アミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、又はこれらの共重合体、尿
素樹脂、又はメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、
カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−
74193号、同57−87988号及び同62−26
1476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−741
92号、同57−87989号、同60−72785
号、同61−146591号、特開平1−95091号
及び同3−13376号等に記載されている退色防止
剤、特開昭59−42993号、同59−52689
号、同62−280069号、同61−242871号
及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光
増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡
剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の
各種添加剤を含有させることもできる。
【0077】又水溶性多価金属イオンをインク受容層中
に添加すると滲みを更に改善することが出来るが、その
ような多価金属イオンとしては、2〜4価の多価金属イ
オンであり、具体的にはCa2+、Mg2+、Zn2+、Cu
2+、Fe3+、Ni2+、Co2+、Al3+等が挙げられるが
特に、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Al3+が好ましい。そ
のような多価金属イオンは記録用紙1m2当たり概ね
0.1〜10ミリモルである。
【0078】多孔質のインク受容層は2層以上から構成
されていてもよく、この場合、それらのインク受容層の
構成はお互いに同じであっても異なっていても良い。
【0079】本発明の記録用紙のインク受容層及び下引
き層など必要に応じて適宜設けられる各種の親水性層を
支持体上に塗布する方法は公知の方法から適宜選択して
行うことが出来る。好ましい方法は各層を構成する塗布
液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。この場合、
2層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての親水
性バインダー層を1回の塗布で済ます同時塗布が好まし
い。
【0080】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法或い
は米国特許第2,681,294号記載のホッパーを使
用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられ
る。
【0081】本発明のインクジェット記録用紙を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好
ましく用いられる。
【0082】本発明でいう水性インクとは、下記着色剤
及び液媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。
着色剤としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性
染料、塩基性染料、反応性染料或いは食品用色素等の水
溶性染料或いは水分散性顔料が使用できる。
【0083】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン
又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘ
キサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリ
コール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタ
ノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコー
ルメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又は
エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチル
エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類
等が挙げられる。
【0084】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル等は好ましいものである。
【0085】その他の水性インクの添加剤としては、例
えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤等が
挙げられる。
【0086】水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を
良好にするために、20℃において25〜60dyn/
cm、好ましくは30〜50dyn/cmの範囲内の表
面張力を有するのが好ましい。
【0087】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。尚、実
施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾質量%を示
す。
【0088】実施例1 (シリカ分散液1の調製)1次粒子の平均粒径が約0.
007μmの気相法シリカ(日本アエロジル工業(株)
製:A300)125kgを、三田村理研工業(株)製
のジェットストリーム・インダクターミキサーTDSを
用いて、硝酸でpH=3.0に調整した620Lの純水
中に室温で吸引分散した後、全量を694Lに純水で仕
上げてシリカ分散液1を調製した。
【0089】(シリカ分散液2の調製)下記のカチオン
ポリマーP−1(1.63kg)、エタノール2.2
L、n−プロパノール1.5Lを含有する水溶液(pH
=3.0)18Lに、シリカ分散液1(69.4L)を
攪拌しながら添加し、ついで消泡剤SN381(サンノ
プコ(株)製)を1g添加した。この混合液を三和工業
(株)製高圧ホモジナイザーで分散し、全量を純水で9
7Lに仕上げてシリカ分散液2を調製した。
【0090】
【化5】
【0091】(シリカ分散液3の調製)下記のカチオン
ポリマーP−2(1.49kg)、エタノール2.2
L、n−プロパノール1.5Lを含有する水溶液(pH
=3.0)18Lに、シリカ分散液1の69.4Lを攪
拌しながら添加した。この混合液を前記高圧ホモジナイ
ザーで分散し、全量を純水で97Lに仕上げてシリカ分
散液3を調製した。
【0092】
【化6】
【0093】(酸化チタン分散液の調製)石原産業製の
酸化チタンW−10(40g)を純水80ml、トリポ
リ燐酸ナトリウム0.8g、カチオンポリマーP−1
(1.5g)、ポリビニルアルコール(クラレ製:PV
A235)3.2gを含有する水溶液に添加し高速ホモ
ジナイザーで分散した。
【0094】(酸化防止剤分散液の調製)下記の酸化防
止剤(AS−1)1kgとジイソデシルフタレート50
0gを酢酸エチル2Lに加熱溶解し、酸処理ゼラチン
(400g)、カチオンポリマーP−1(200g)、
サポニン(80g)を含有する水溶液(8L)に50℃
で添加し高圧ホモジナイザーで乳化分散した後、減圧下
で酢酸エチルを除いてから全量を純水で11Lとした。
【0095】
【化7】
【0096】(塗布液の調製)次いで上記のようにして
得られたシリカ分散液2及び3、酸化チタン分散液、酸
化防止剤分散液を使用して、下記の塗布液を調製した。
【0097】 第1層用塗布液(最下層用塗布液) シリカ分散液2 650ml ポリビニルアルコール(クラレ製:PVA203)の10%水溶液 6ml ポリビニルアルコール(クラレ製:PVA235)の5%水溶液 180ml ポリビニルアルコール(クラレ製:PVA245)の5%水溶液 60ml 酸化チタン分散液 35ml 酸化防止剤分散液 30ml ラテックス分散液(第一工業製:AE803) 24ml 第2層用塗布液 シリカ分散液3 650ml ポリビニルアルコール(クラレ製:PVA203)の10%水溶液 6ml ポリビニルアルコール(クラレ製:PVA235)の5%水溶液 170ml ポリビニルアルコール(クラレ製:PVA245)の5%水溶液 50ml 酸化防止剤分散液 30ml ラテックス分散液(第一工業製:AE803) 12ml ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物 表1参照 架橋剤 表1参照 (表1における数値は記録用紙1m2当たりの添加量を示す。) 第3層用塗布液(最上層用塗布液) シリカ分散液3 650ml ポリビニルアルコール(クラレ製:PVA203)の10%水溶液 6ml ポリビニルアルコール(クラレ製:PVA235)の5%水溶液 190ml ポリビニルアルコール(クラレ製:PVA245)の5%水溶液 70ml 界面活性剤(S−1)の5%液 6.0ml アニオン性蛍光増白剤(チバスペシャリティーケミカルズ製:UVITEX NFW LIQUID9)の10%液 10ml 尚、第2層で本発明の色素媒染剤として使用したポリア
ルキレンポリアミン・ジシアンジアミド重縮合物は表1
に示す化合物にて予め架橋反応を行ったものを用いた。
【0098】(記録用紙の作製)厚さ170g/m2
原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコー
ト紙(インク受容層側のポリエチレン中の8質量%のア
ナターゼ型酸化チタン含有;インク受容層面側に0.0
5g/m2のゼラチン下引き層、反対側にTgが約80
℃のラテックスポリマーをバック層として0.2g/m
2含有する)に第1層:45μm、第2層:90μm、
第3層:40μmの湿潤膜厚で3層同時塗布した。塗布
時の塗布液温度は40℃である。塗布後、約7℃に一度
冷却した後に20〜65℃の風を吹き付けて乾燥しイン
クジェット記録用紙1を作製した。又本発明の色素媒染
剤として使用した架橋剤及びポリアルキレンポリアミン
・ジシアンジアミド系重縮合物を表1に示すように変更
してインクジェット記録用紙2〜10を作製した。
【0099】(評価)得られた各々の記録用紙について
以下の項目で評価し、結果を表1に示す。
【0100】・滲み セイコーエプソン製のインクとインクジェットプリンタ
ー・PM770CでK(黒)の細線(線幅≒200μ
m)をプリントし、40℃・相対湿度80%で5日間保
存した。保存前後で線幅をマイクロデンシトメーターで
測定(反射濃度が最大濃度の50%の部分の幅を線幅と
した)し、以下の式で表される値を滲みとした。この値
が少ないほど滲みが良好であることを示す。
【0101】(保存後の線幅(μm)−保存前の線幅
(μm))/保存前の線幅(μm) ・ブロンジング 上記インクジェットプリンターを用いて、Y、M、C、
Kのベタ画像をプリントし、得られた画像面のブロンジ
ングの発生を目視で評価した。
【0102】 ○・・・ブロンジングなし △・・・僅かにブロンジング有り(実技上は大きな問題
にはならない) ×・・・ブロンジング有り(実技上問題あり)
【0103】
【表1】
【0104】DA−1:三洋化成製・サンフィックス4
14 DA−2:大原パラジウム製・パラフィックスEP 表1の結果から明らかなように、本発明の色素媒染剤を
用いたインクジェット記録用紙3、4、6〜9はブロン
ジングと滲みが改善される等、良好なプリント品質が得
られることが分かる。しかしポリアルキレンポリアミン
・ジシアンジアミド重縮合物を架橋剤と反応させること
なく添加した場合にはブロンジングが改善されていない
ことが分かる。
【0105】実施例2 実施例1で作製したインクジェット記録用紙1〜10に
おいてインク受容層塗布後に硫酸アルミニウム水溶液を
オーバーコート(Al3+として記録用紙1m2当たり
0.1g相当分)してインクジェット記録用紙1A〜1
0Aを得た。得られたインクジェット記録用紙を実施例
1と同様にして評価して表2に示す結果を得た。
【0106】
【表2】
【0107】表2の結果から明らかなように、多価金属
イオンのみを用いた記録用紙及び多価金属イオンとポリ
アルキレンポリアミン・ジシアンジアミド重縮合物のみ
を用いた記録用紙では、多価金属イオンを用いないで作
製した記録用紙よりも滲みは良好だがブロンジングの発
生が顕著になるのに対し、本発明のように多価金属イオ
ンと共に用いると滲みは良好であり、かつブロンジング
も非常に良好になり、より顕著に本発明の効果を奏する
ことが分かる。
【0108】
【発明の効果】本発明によればインクジェット記録時の
記録用紙におけるブロンジングを抑制しつつ滲みや耐水
性を改善することが出来るという顕著に優れた効果を奏
する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋剤により架橋された色素媒染剤、無
    機微粒子及び親水性バインダーを含有する多孔質インク
    受容層を支持体上に有することを特徴とするインクジェ
    ット記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記色素媒染剤が1乃至3級のアミン、
    又は4級アンモニウム塩基を有するポリマーであること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 前記色素媒染剤がポリアルキレンポリア
    ミン・ジシアンジアミド系重縮合物であることを特徴と
    する請求項2記載のインクジェット記録用紙。
  4. 【請求項4】 前記架橋剤がエポキシ基、ビニルスルホ
    ニル基、アクリロイル基、エチレンイミノ基、アルデヒ
    ド基、N−メチロール基、イソシアネート基から選ばれ
    る基を分子中に少なくとも2個以上有する化合物である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のイ
    ンクジェット記録用紙。
JP2000068548A 2000-03-13 2000-03-13 インクジェット記録用紙 Withdrawn JP2001253164A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000068548A JP2001253164A (ja) 2000-03-13 2000-03-13 インクジェット記録用紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000068548A JP2001253164A (ja) 2000-03-13 2000-03-13 インクジェット記録用紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001253164A true JP2001253164A (ja) 2001-09-18

Family

ID=18587591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000068548A Withdrawn JP2001253164A (ja) 2000-03-13 2000-03-13 インクジェット記録用紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001253164A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6492005B1 (en) Ink jet recording sheet
JPH05221115A (ja) インクジェット記録シート
JP3767235B2 (ja) インクジェット記録用紙及びこれを用いたインクジェット記録方法
US6737128B2 (en) Ink-jet recording sheet, ink-jet recording method and preparing method of ink-jet sheet
EP1285774B1 (en) Ink-jet recording paper
JP2004098490A (ja) 水性染料インク用インクジェット記録用紙
JP3716561B2 (ja) インクジェット記録用紙およびその製造方法
EP1293354B1 (en) Ink-jet recording paper
JP3756011B2 (ja) インクジェット記録シート
JP2001253164A (ja) インクジェット記録用紙
JP3976144B2 (ja) インクジェット記録媒体
JP3849354B2 (ja) インクジェット記録用紙
JP3752902B2 (ja) インクジェット記録用紙及びその製造方法並びにカラーインクジェット記録方法
JP2004262170A (ja) インクジェット記録用紙
JP2001246838A (ja) インクジェット用記録用紙
JP2001253161A (ja) インクジェット記録媒体及びその製造方法
JP4000979B2 (ja) インクジェット記録用紙
JP4032858B2 (ja) インクジェット記録用紙
JP2004001412A (ja) インクジェット記録用紙
JP2003159872A (ja) インクジェット記録用紙
JP2001010214A (ja) インクジェット記録用紙
JP2003312135A (ja) インクジェット記録用紙及びその製造方法
JP2000318307A (ja) インクジェット記録用紙及びその製造方法
JP2004106381A (ja) インクジェット記録用紙
JP2005119110A (ja) インクジェット記録用紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070301

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080208