JP2001253161A - インクジェット記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録媒体及びその製造方法

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JP2001253161A
JP2001253161A JP2000066786A JP2000066786A JP2001253161A JP 2001253161 A JP2001253161 A JP 2001253161A JP 2000066786 A JP2000066786 A JP 2000066786A JP 2000066786 A JP2000066786 A JP 2000066786A JP 2001253161 A JP2001253161 A JP 2001253161A
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JP2000066786A
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Kimie Tachibana
喜美江 立花
Yoshinori Tsubaki
義徳 椿
Keiji Obayashi
啓治 大林
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像滲みが良好であり、かつ画像滲み改良効
果が記録媒体を長期保存した後も殆ど変動せず良好に発
揮されるとともに、白地性に優れたインクジェット記録
媒体の提供。 【解決手段】 支持体上に脂肪族イソシアネート系化合
物及び芳香族イソシアネート系化合物で硬化された親水
性バインダーを含有するインク受容層を有することを特
徴とするインクジェット記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録媒体(以下、単に記録媒体ともいう)及びその製造方
法に関し、特に、支持体上にインク受容層を有するイン
クジェット記録媒体及びその製造方法に関する
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録は急速に画質
が向上してきており、写真画質に迫りつつある。この様
な写真画質をインクジェット記録で達成するために、記
録用紙の面でも改善が進んでおり、高平滑性の支持体上
に微小な空隙層を設けた記録用紙はインク吸収性及び乾
燥性に優れていることからもっとも写真画質に近いもの
の一つになりつつある。
【0003】インクジェット記録用紙を構成する支持
体、インク受容層など種々の面から検討がなされている
が、このうちインク受容層としては、膨潤型インク受容
層と多孔質性インク受容層が知られている。
【0004】膨潤型インク受容層はゼラチン、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドンあるいはポリエチ
レンオキサイドなどの親水性ポリマーを主体として構成
されるものであり、光沢性やインク吸収容量の点で優れ
ている。多孔質型インク受容層の代表的なものとしては
少量の親水性ポリマーと多量の微粒子を有する層で、微
粒子の間に空隙が形成されてここにインクを吸収するも
のであって、インク吸収速度、乾燥性の点で優れてい
る。
【0005】しかし、これらのインクジェット記録にお
いては、通常水溶性染料が色材として用いられるが、該
水溶性染料は親水性が高いために、記録後に高湿下に長
期間保存したり或いは記録面上に水滴が付着した場合に
染料が滲み易い傾向がある。この問題を解決するため
に、染料固着性物質をインク受容層中に添加しておくこ
とが一般的に行われており、該染料固着性物質として
は、表面がカチオン性である無機顔料(アルミナ微粒子
等)、分子内に第4吸アンモニウム塩基を有するカチオ
ン性ポリマー等が用いられている。
【0006】しかしながらこのような染料の滲みが起こ
る現象は、染料と染料固着性物質との組み合わせに依存
する場合が多く、より定着し易い染料を使用することが
好ましいが、染料に要求される種々の特性も満足させな
ければならず、染料の選択にも限界があるため、充分な
滲み耐性が得られにくい場合があった。
【0007】一方、これらのインク受容層に関して、従
来からこの皮膜強度を向上させる手段としてインクジェ
ット記録用紙においても、層中に含まれる親水性バイン
ダーを硬化剤により硬化させることが広く行われてい
る。
【0008】例えば、米国特許第4,592,951号
にはホウ酸系架橋剤により硬化させたポリビニルアルコ
ールを含むインクジェット記録用紙が、特開平10−1
19423号には無機微粒子、ホウ酸系硬化剤又はエポ
キシ系硬化剤を含有するインクジェット記録用紙が、特
開平11−115308号には無機微粒子と親水性樹脂
層を塗布後減率乾燥前に架橋剤を供給する方法が開示さ
れ好ましい硬膜剤としてはホウ酸塩やアルデヒド類、ポ
リイソシアネート類、メチロール尿素類等が記載され、
特に好ましい硬化剤としてホウ酸塩類が挙げられてい
る。さらに、特開平11−198519号には特定のエ
ポキシ系硬化剤を使用するインクジェット記録用紙が記
載されている。
【0009】しかしながら、従来公知の硬化剤を使用す
る目的は主として耐水性の高い皮膜を形成することが目
的であり、前述のような充分な滲み耐性を達成する目的
で使用されることはなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
しようとする課題は、画像滲みが良好であり、かつ画像
滲み改良効果が記録媒体を長期保存した後も殆ど変動せ
ず良好に発揮されるとともに、白地性に優れたインクジ
ェット記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は以下
の構成により達成できる。
【0012】1.支持体上に脂肪族イソシアネート系化
合物及び芳香族イソシアネート系化合物で硬化された親
水性バインダーを含有するインク受容層を有することを
特徴とするインクジェット記録媒体。
【0013】2.脂肪族イソシアネート系化合物及び芳
香族イソシアネート系化合物を含む組成物を塗工する工
程を経ることを特徴とするインクジェット記録媒体の製
造方法。
【0014】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。先ず、前記1で示した本発明について説明する。
【0015】イソシアネート系化合物は親水性バインダ
ーを硬化する機能があることは一般に知られているが、
イソシアネート系化合物で硬化された親水性バインダー
を含有するインク受容層を有することによって、画像滲
みが良好なインクジェット記録媒体が得られることが本
発明者の研究から判ってきた。
【0016】これを更に詳細に検討したところ、脂肪族
イソシアネート系化合物で硬化された親水性バインダー
を含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒
体は、これを長期間保存すると画像滲みの改良効果が低
減する傾向を示すことが判明した。
【0017】一方、芳香族イソシアネート系化合物で硬
化された親水性バインダーを含有するインク受容層を有
するインクジェット記録媒体は、これを長期間保存して
も画像滲み改良効果が低減することはないものの、白地
性が充分でなく、また光照射により徐々に黄色く変色し
てしまうことも判明した。
【0018】即ち、本発明者らが鋭意検討した結果、脂
肪族イソシアネート系化合物及び芳香族イソシアネート
系化合物で硬化された親水性バインダーを含有するイン
ク受容層を有するインクジェット記録媒体が、画像滲み
改良効果、長期保存後の画像滲み改良効果及び白地性に
関して、各々の化合物を用いた場合の単なる組み合わせ
の効果でなく相乗効果を示すことを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0019】この作用機構は明らかではないが、脂肪族
イソシアネート系化合物のみを使用した場合、白地性の
改良効果が若干ではあるが認められ、これが芳香族イソ
シアネート系化合物の引き起こす黄変色現象を効果的に
抑制するものと本発明者らは推定している。
【0020】本発明において、支持体上に、脂肪族イソ
シアネート系化合物及び芳香族イソシアネート系化合物
で硬化された親水性バインダー及び無機微粒子を含有す
る多孔質インク吸収層を有するインクジェット記録媒体
が、本発明の好ましい態様のひとつである。
【0021】本発明は膨潤型インク受容層を有するイン
クジェット記録媒体にも、また多孔質インク受容層を有
するインクジェット記録媒体にも適用することができ
る。
【0022】多孔質インク受容層を有するインクジェッ
ト記録媒体のほうが、インク吸収速度は速くプリント時
にムラが生じにくく、かつ、プリント直後に表面が見か
け上乾いているという特長を有するゆえ、より高画質画
像を得ることができるという一般的利点があり、更に、
多孔質インク受容層皮膜は、硬化剤により硬化させれば
させるほどインク吸収性がより良好になる傾向があるこ
とを本発明者らは見出した。
【0023】従って、多孔質インク受容層皮膜を本発明
のイソシアネート系化合物で硬化しても良好なインク吸
収性を達成することができ、更に、本発明の効果である
画像滲みの性能、長期保存後にも良好な画像滲み性能、
かつ、白地性に優れる点で好ましいことを見いだした。
【0024】本発明において、非吸水性支持体上に、脂
肪族イソシアネート系化合物及び芳香族イソシアネート
系化合物で硬化された親水性バインダー及び粒径200
nm以下の無機微粒子を含有する多孔質インク吸収層を
有するインクジェット記録媒体が、本発明の特に好まし
い態様である。
【0025】本発明は、吸水性支持体を用いた記録媒体
であっても、非吸水性支持体を用いた記録媒体であって
も適用することができる。しかしながら、非吸水性支持
体を用いると、吸水性支持体を用いた場合よりも耐水性
のあるインクジェット記録媒体が得られるという一般的
効果に加えて、本発明のイソシアネート系化合物を含有
することによる白地の黄変色の程度が少なく、より顕著
に本発明の効果を奏するという点で好ましい。
【0026】次に、前記2で示した本発明について説明
する。本発明は、親水性バインダーを含有するインク受
容層形成用塗布液の中に、脂肪族イソシアネート系化合
物及び芳香族イソシアネート系化合物を共に含む組成物
を塗工する工程を経ることもよいし、また、親水性バイ
ンダーを含有するインク受容層形成用塗布液とは別に脂
肪族イソシアネート系化合物及び芳香族イソシアネート
系化合物を含む組成物を塗工する工程を経てもよい。
【0027】また、脂肪族イソシアネート系化合物と芳
香族イソシアネート系化合物との両者を加えた塗布液
(組成物)を調製して塗工しても良いし、別々に塗布液
を調製して塗工しても良い 前記イソシアネート系化合物含有組成物の塗工方法とし
ては、該イソシアネート系化合物自体或いは、これを新
油性溶媒(酢酸エチル、アセトンなど)や親水性溶媒
(水、アルコールなど)に溶かし、これをグラビア塗布
方法、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング
法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング
法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,
294号公報記載のホッパーを使用するエクストルージ
ョンコート法が好ましく用いられるが、これらのうちで
も特にグラビア塗布方法が好ましく用いられる。
【0028】本発明において、支持体の微粒子及び親水
性バインダーを含有するインク受容層を設ける側に、脂
肪族イソシアネート系化合物及び芳香族イソシアネート
系化合物を含む組成物を塗工する工程を経るインクジェ
ット記録媒体の製造方法が、本発明の効果を顕著に奏す
るという点から、より好ましい態様である。
【0029】本発明において、支持体上に、微粒子及び
親水性バインダーを含有するインク受容層を形成する組
成物を塗工する工程と、脂肪族イソシアネート系化合物
及び芳香族イソシアネート系化合物を含む組成物を塗工
する工程を経るインクジェット記録媒体の製造方法が、
本発明の特に好ましい態様である。
【0030】本発明は、微粒子及び親水性バインダーを
含有するインク受容層を形成する組成物を塗工する工程
の前、後、或いは同時に脂肪族イソシアネート系化合物
及び芳香族イソシアネート系化合物を含む組成物を塗工
する工程を経るものが好ましい。これによればインク受
容層形成用組成物と本発明のイソシアネート系化合物含
有組成物との特性に互いにあまり影響を及ぼすことなく
其々塗工することができる点で好ましい。
【0031】特に好ましくは微粒子及び親水性バインダ
ーを含有するインク受容層を形成する組成物を塗布した
後に、脂肪族イソシアネート系化合物及び芳香族イソシ
アネート系化合物を含む組成物を塗工する製造方法であ
る。
【0032】特にインク受容層形成用組成物を塗布し、
該組成物中の溶媒(水分等)が膜面からほぼ蒸発した状
態(乾燥状態)後に該イソシアネート系化合物含有組成
物を塗工するのが好ましい。
【0033】また、本発明のイソシアネート系化合物を
グラビア塗布した後に、温度70度〜95度にて10秒
〜30秒乾燥する方法が本発明の効果をより奏する点で
好ましい。
【0034】本発明のイソシアネート系化合物は、分子
中に少なくとも1個のイソシアナート基を有する化合物
であって、−OH基、−NH2基、−SH基、−COO
H基等の活性水素を有するポリマーと高い反応性を有す
る。本発明のイソシアネート系化合物としてより好まし
くは分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有す
るポリイソシアネート系化合物である。そのようなポリ
イソシアネート系化合物としては2個以上のイソシアネ
ート基を有する単量体のトリメチルプロパンアダクト変
性物、ヌレート変性物及びビウレット変性物が好まし
い。
【0035】本発明の脂肪族イソシアネート系化合物と
は、脂肪族基と2個以上のイソシアネート基を有する単
量体を用いたものであって、その上記変性物が好まし
い。
【0036】単量体としては、例えばヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1、3
−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙
げられ、本発明の脂肪族イソシアネート系化合物として
は、これらのトリメチルプロパンアダクト変性物、ヌレ
ート変性物及びビウレット変性物が好ましく挙げられ
る。
【0037】本発明の芳香族イソシアネート系化合物と
は、芳香族基と2個以上のイソシアネート基を有する単
量体を用いたものであって、その上記変性物が好まし
い。単量体としては、例えば2、4−、2、6−トリレ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート、m−イソプロペニル−α、αジ
メチルベンジルイソシアネート等が挙げられ、本発明の
芳香族イソシアネート系化合物としては、これらのトリ
メチルプロパンアダクト変性物、ヌレート変性物及びビ
ウレット変性物が好ましい他、ポリメリックジフェニル
メタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0038】これらのイソシアナート系化合物の詳細は
例えば、架橋剤ハンドブック(大成社発行、1981年
10月発行)に記載されている。
【0039】本発明のインク受容層は、脂肪族イソシア
ネート系化合物及び芳香族イソシアネート系化合物を含
有するものであり、各々1種類ずつでもよいし、各々2
種類以上用いてもよい。
【0040】両者の併用比に制限は無いが、脂肪族イソ
シアネート系化合物:芳香族イソシアネート系化合物
(含有量の比)=99:1〜10:90であると本発明
の効果をより顕著に奏する点で好ましく、更に95:5
〜30:70がより好ましく、90:10〜50:50
が特に好ましい。
【0041】本発明のイソシアネート系化合物の総使用
量は該化合物の種類や後述する親水性バインダーの種類
等により広範に変わるが、通常親水性バインダーに対し
て質量比で0.01〜1.5、好ましくは0.05〜
1.0である。
【0042】本発明のインク受容層に用いられる親水性
バインダーの例としては、ポリビニルアルコール、ゼラ
チン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタ
ン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン
(λ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニル
ブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース等が挙げられる。
【0043】これらの親水性バインダーは2種以上併用
することも可能である。本発明で好ましく用いられる親
水性バインダーはポリビニルアルコールである。
【0044】本発明で好ましく用いられるポリビリルア
ルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる
通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変
性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するア
ニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルア
ルコールも含まれる。
【0045】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは平均重合度が1000以上のものが好
ましく用いられ、特に平均重合度が1500〜5000
のものが好ましく用いられる。
【0046】ケン化度は70〜100%のものが好まし
く、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0047】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば特開昭61−10483号に記載されている
ような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を
前記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有する
ポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエ
チレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン
化することにより得られる。
【0048】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、N,N,N−トリメチル−(3−メタクリルアミド
プロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジ
メチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド
等が挙げられる。
【0049】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0050】アニオン変性ポリビニルアルコールは例え
ば、特開平1−206088号公報に記載されているア
ニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61
−237681号および同63−307979号公報に
記載されているビニルアルコールと水溶性基を有するビ
ニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号
公報に記載されている水溶性基を有する変性ポリビニル
アルコールが挙げられる。
【0051】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載さ
れているポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコー
ルの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開
平8−25795号公報に記載された疎水性基を有する
ビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体
等が挙げられる。
【0052】ポリビニルアルコールは重合度や変性の種
類違いなど2種類以上を併用することもできる。
【0053】本発明で用いる支持体は従来インクジェッ
ト記録媒体用として公知のものを適宜使用でき、非吸水
性支持体であってもよいが、本発明の効果をより顕著に
示すためには非吸水性支持体であることが好ましい。
【0054】本発明で用いることのできる吸水性支持体
としては、例えば一般の紙、布、木材等を有するシート
や板等を挙げることができるが、特に紙は基材自身の吸
水性に優れかつコスト的にも優れるために最も好まし
い。紙支持体としては、LBKP,NBKP等の化学パ
ルプ、GP,CGP,RMP,TMP,CTMP,CM
P,PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の
木材パルプを主原料としたものが使用可能である。ま
た、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の
各種繊維状物質も原料として適宜使用することができ
る。
【0055】上記紙支持体中には必要に応じて、サイズ
剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙
力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加す
ることができる。
【0056】紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維状
物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、
ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することが
できる。また、必要に応じて抄紙段階又は抄紙機にスタ
ーチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理した
り、各種コート処理したり、カレンダー処理したりする
こともできる。
【0057】本発明で好ましく用いることのできる非吸
水性支持体には、透明支持体又は不透明支持体がある。
【0058】透明支持体としてはポリエステル系樹脂、
ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料
を有するフィルム等が挙げられ、中でもOHPとして使
用されたときの輻射熱に耐える性質のものが好ましく、
ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。このよう
な透明な支持体の厚さとしては、50〜200μmが好
ましい。
【0059】また不透明支持体としては、例えば、基紙
の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィ
ン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパ
ー)、ポリエチレンテレフタレートに硫酸バリウム等の
白色顔料を添加してなるいわゆるホワイトペットが好ま
しい。
【0060】前記各種支持体とインク受容層の接着強度
を大きくする等の目的で、インク吸収層の塗布に先立っ
て、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが
好ましい。さらに、本発明の記録媒体は必ずしも無色で
ある必要はなく、着色された記録シートであってもよ
い。
【0061】本発明のインクジェット記録媒体では原紙
支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体
を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低
コストで高品質の画像が得られるために特に好ましい。
そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体につ
いて以下に説明する。
【0062】紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを
主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロ
ピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステ
ルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとし
てはLBKP,LBSP,NBKP,NBSP,LD
P,NDP,LUKP、NUKPのいずれも用いること
が出来るが短繊維分の多いLBKP,NBSP、LBS
P,NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSPおよびまたはLDPの比率は10質量%
以上、70質量%以下が好ましい。
【0063】上記パルプは不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0064】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことが出来る。
【0065】抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの
規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の
繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシ
ュ残分質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30
〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の質量%は
20質量%以下であることが好ましい。
【0066】原紙の坪量は30〜250gが好ましく、
特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜2
50μmが好ましい。
【0067】原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー
処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は
0.7〜1.2g/m2(JIS−P−8118)が一
般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に規
定される条件で20〜200gが好ましい。
【0068】原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズ
と同様のサイズ剤を使用できる。
【0069】原紙のpHはJIS−P−8113で規定
された熱水抽出法により測定された場合、5〜9である
ことが好ましい原紙表面および裏面を被覆するポリエチ
レンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)お
よび/または高密度のポリエチレン(HDPE)である
が他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用するこ
とが出来る。
【0070】特にインク受容層側のポリエチレン層は写
真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナ
ターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透
明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタ
ン含有量はポリエチレンに対して通常3〜20質量%、
好ましくは4〜13質量%である。
【0071】ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いる
ことも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出
してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って
通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を
形成したものも本発明で使用できる。
【0072】上記ポリエチレン被覆紙においては紙中の
含水率を3〜10質量%に保持するのが特に好ましい。
【0073】本発明のインク受容層は親水性バインダー
を含有するが、更に微粒子を含有するものであってもよ
い。この微粒子としては有機微粒子及び無機微粒子のい
ずれも用いることができるが、無機微粒子を用いるのが
好ましい。
【0074】具体例としては、例えば、軽質炭酸カルシ
ウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸
亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソ
ウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアル
ミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、
ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を
挙げることが出来る。
【0075】前記無機微粒子は、1次粒子で、また、2
次凝集粒子を形成した状態でも使用することができる
が、高い光沢性と本発明の耐水性を得る観点からインク
受容層中における平均粒径が200nm以下の無機微粒
子を用いるのが特に好ましい。
【0076】ここで平均粒径は、無機微粒子分散液その
ものを希釈またはインク受容層中の電子顕微鏡写真で撮
影し、任意の100個の粒子の面積を測定した時にその
面積に等しい円に換算したときの直径で表したものを言
う。
【0077】無機微粒子の平均粒径が200nm以下で
あるとインクジェット記録媒体として期待される諸性
能、例えば優れた光沢性や高品位画質を得られ、より本
発明の効果を得られる点で好ましい。同様の観点におい
て更に好ましい平均粒径は100nm以下である。
【0078】無機微粒子としては、表面がアニオン性の
もの及び表面がカチオン性のもののいずれも使用するこ
とができる。表面がアニオン性の無機微粒子の場合、イ
ンク中の染料の定着性が低いが、十分な定着性を持たせ
るために染料を定着する機能をもつ第3級アミノ基又は
第4級アンモニウム塩基等を有するカチオン性ポリマー
を含有することが好ましい。
【0079】前記カチオン性ポリマーとしては公知のポ
リマーを使用することが出来、例えば、ポリエチレンイ
ミン、ポリアリルアミン、ジシアンジアミドポリアルキ
レンポリアミン、ジアルキルアミンとエピクロロヒドリ
ンの縮合物、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、
ポリビニルイミダゾール、ジアリルジメチルアンモニウ
ム塩の縮合物、ポリアクリル酸エステルの4級化物等が
挙げられるが、特に特開平10−193776号、同1
0−217601号、同11−20300号、および国
際公開99/064,248号等に記載されているもの
が好ましい。
【0080】このカチオン性ポリマーは無機微粒子に対
して質量比で通常0.01〜0.3であり特に0.05
〜0.2が好ましい。
【0081】また、表面がカチオン性である無機微粒子
としては、カチオン表面処理された気相法シリカ、カチ
オン表面処理されたコロイダルシリカ、アルミナ、コロ
イダルアルミナ、擬ベーマイト等も用いることが出来
る。
【0082】前記表面がカチオン性の無機微粒子には、
特開平8−34160号に記載されているような、第4
級アンモニウム塩基を有するシランカップリング剤で無
機微粒子の表面にカップリングさせて表面電荷をカチオ
ン性に変換した無機微粒子も含まれる。
【0083】本発明においては、低コストであることや
高い反射濃度が得られる低屈折率の微粒子であること等
から、表面がアニオン性の無機微粒子としては気相法で
合成されたシリカまたはコロイダルシリカが好ましく、
特に気相法で合成されたシリカが好ましい。
【0084】また、インク受容層に用いられる無機微粒
子と親水性バインダーの比率は質量比で通常2:1〜1
0:1であり特に3:1〜8:1が好ましい。
【0085】無機微粒子の親水性バインダーに対する比
率を上記の如く高い値にすることでインク受容層は高空
隙率を達成することが出来る。好ましい空隙率は40〜
80%であり、特に50〜70%が好ましい。ここで空
隙率は以下の式に従って得られたものである。
【0086】空隙率=100×〔(全乾燥膜厚−塗布固
形分膜厚)/(全乾燥膜厚)〕 空隙率が40%以上であれば十分なインク吸収速度が得
られ、また、80%以下であれば特に20〜30%のよ
うな低湿環境での製造時や保管時などに発生しやすいイ
ンク受容層のひび割れの心配が少ない。
【0087】インク受容層に用いられる無機微粒子の添
加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、
無機微粒子の種類、親水性バインダーの種類に大きく依
存するが、一般には記録媒体1m2当たり通常5〜30
g、好ましくは10〜25gである。
【0088】本発明のインク受容層が無機微粒子及び親
水性ポリマーとしてポリビニルアルコールを含有する場
合には皮膜の造膜性を改善し、また皮膜の強度を高める
ために、ホウ酸またはその塩を含有するのが好ましい。
ホウ酸またはその塩としては、硼素原子を中心原子とす
る酸素酸及びその塩のことを示し、具体的にはオルトホ
ウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及び
それらの塩が含まれる。
【0089】ホウ酸又はその塩の使用量は、塗布液中の
無機微粒子や親水性ポリマーの量により広範に変わり得
るが、親水性ポリマーに対して通常1〜60質量%、好
ましくは5〜40質量%である。
【0090】本発明のインクジェット記録媒体のインク
受容層および必要に応じて設けられるその他の層には、
前記した以外に各種の添加剤を添加することが出来る。
【0091】例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エ
ステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル
アミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、
尿素樹脂またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒
子、アニオン、カチオン、ノニオンまたは両性の各種界
面活性剤、特開昭57−74193号公報、同57−8
7988号公報及び同62−261476号公報に記載
の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−
87989号公報、同60−72785号公報、同61
−146591号公報、特開平1−95091号公報及
び同3−13376号公報等に記載されている退色防止
剤、特開昭59−42993号公報、同59−5268
9号公報、同62−280069号公報、同61−24
2871号公報および特開平4−219266号公報等
に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン
酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム
等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止
剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることも
できる。
【0092】また、滲みなどを改良する材料として更に
添加することのできるものとして水溶性多価金属イオン
が挙げられるが、その例としては、2〜4価の多価金属
イオンであり、具体的にはCa2+、Mg2+、Zn2+、C
2+、Fe3+、Ni2+、Co 2+、Al3+等が挙げられる
が特に、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Al3+が好ましい。
【0093】そのような多価金属イオンを用いる場合
は、記録媒体1m2当たり通常0.1〜10ミリモルの
量が好ましい。特に好ましいのは0.2〜2ミリモルで
ある。
【0094】多孔質性インク受容層は2層以上から構成
されていてもよく、この場合、それらのインク吸収層の
構成はお互いに同じであっても異なっていても良い。
【0095】本発明の記録媒体のインク受容層および下
引き層など必要に応じて適宜設けられる各種の親水性層
を支持体上に塗布する方法は公知の方法から適宜選択し
て行うことが出来る。好ましい方法は、各層を構成する
塗布液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。この場
合、2層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての
親水性バインダー層を1回の塗布で済ます同時塗布が好
ましい。
【0096】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、グ
ラビア塗布方法、あるいは米国特許第2681294号
公報記載のホッパーを使用するエクストルージョンコー
ト法が好ましく用いられる。
【0097】本発明のインクジェット記録媒体を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好
ましく用いられる。
【0098】本発明で言う水性インクとは、下記着色剤
及び液媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。
着色剤としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性
染料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の
水溶性染料あるいは水分散性顔料が使用できる。
【0099】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン
またはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリ
エタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリ
コールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類等が挙げられる。
【0100】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル等は好ましいものである。
【0101】その他の水性インクの添加剤としては、例
えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤、等
が挙げられる。
【0102】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるも
のではない。なお、実施例中で「%」は特に断りのない
限り絶乾質量%を示す。
【0103】<実施例1> 「シリカ分散液−1の調製」1次粒子の平均粒径が約
0.012μmの気相法シリカ(日本アエロジル工業株
式会社製:アエロジル200)130kgを、三田村理
研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクター
ミキサーTDSを用いて、硝酸でpH=2.7に調整し
た620Lの純水中に室温で吸引分散した後、全量を6
94Lに純水で仕上げた。
【0104】「シリカ分散液−2の調製」下記のカチオ
ン性ポリマ−P−1を1.63kg、エタノール2.0
L、n−プロパノール1.5Lを含有する水溶液(pH
=3.0)18Lに、シリカ分散液−1の69.4Lを
攪拌しながら添加し、ついでホウ酸260gとホウ砂2
30gを含有する水溶液7.0Lを添加してから、消泡
剤SN381(サンノプコ株式会社製)を1g添加し
た。
【0105】この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモ
ジナイザーで分散し、全量を純水で97Lに仕上げてシ
リカ分散液−2を調製した。
【0106】このシリカ分散液を希釈して透明な支持体
上に塗布し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が約
50nm(2次粒子)のサイズであった。
【0107】
【化1】
【0108】「塗布液の調製」ついで上記のようにして
得られたシリカ分散液−2を使用して、下記の塗布液を
調製した。
【0109】シリカ分散液−2の650mlに40℃で
攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
【0110】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203)の 10%水溶液: 6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の 5%水溶液: 300ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0111】「記録用紙の作製」坪量180g/m2
原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコー
ト紙(インク受容層側のポリエチレン中の8質量%のア
ナターゼ型酸化チタン含有;インク受容層面側に0.0
5g/m2のゼラチン下引き層、反対側にTgが約80
℃のラテックスポリマーを0.2g/m2含有するバッ
ク層)に湿潤膜厚が170μmになるように塗布し、約
7℃に一度冷却した後に20〜65℃の風を3分間吹き
付けて十分に乾燥し、インクジェット記録用紙Aを作製
した。
【0112】ついでこの記録用紙Aに、表1に示すイソ
シアネート系化合物の酢酸エチル溶液をグラビア塗布
し、90℃20秒で乾燥し、45℃相対湿度40%で2
4時間保存し、記録用紙1〜11(表1中、番号1〜1
1に対応)を得た。
【0113】尚、イソシアネート系化合物は総量として
付量1、0g/m2になるように塗布した。
【0114】次に、以下の方法で画像滲み、白地性の評
価及び作製した記録用紙の保存後の性能を評価した。
【0115】<画像滲みの評価>作製した記録用紙1〜
11について、各記録用紙に、セイコーエプソン社製イ
ンクジェットプリンターPM3000Cで、線幅が約
0.3mmのブラックインクをプリントし、40℃、相
対湿度85%で3日間保存した。保存後の線幅をマイク
ロデンシトメーターで測定し、 画像滲み(%)=100×(画像保存後の線幅/画像保
存前の線幅) で算出した。
【0116】<記録用紙保存後の画像滲みの評価>作製
した記録用紙1〜11を50℃、相対湿度80%の雰囲
気下に1週間保存した。その後、セイコーエプソン社製
インクジェットプリンターPM3000Cで、線幅が約
0.3mmのブラックインクをプリントし、40℃、相
対湿度85%で3日間保存してから線幅をマイクロデン
シトメーターで測定し、画像滲み(%)=100×(画
像保存後の線幅/画像保存前の線幅)で算出した。
【0117】<白地性の評価>作製した各記録用紙につ
いてステイタスTにおけるY濃度を測定した。その後、
各記録用紙にキセノンウェザーフェードメーターにて1
0日間照射してから、同じくステイタスT(ISO5/
3)におけるY濃度を測定した。
【0118】
【表1】
【0119】「脂肪族イソシアネート系化合物」 a:住友バイエルウレタン製 スミジュールN3300 b:武田薬品社製タケネートWD−720 c:日本ポリウレタン工業製 アクアネート110 「芳香族イソシアネート系化合物」 d:日本ポリウレタン工業製 コロネートHL 表1に示したように、脂肪族イソシアネート系化合物の
みを用いた場合、作製した試料に直ぐに印字したものは
画像滲みが殆ど認められないが、試料作製後に高湿下に
保存した後に印字したものは画像滲みが生じてしまっ
た。
【0120】また、芳香族イソシアネート系化合物のみ
を用いた場合、作製した試料に直ぐに印字したものも画
像滲みは殆ど認められず、また試料作製後に高湿下に保
存した後に印字したものでも画像滲みは殆ど生じていな
い。しかし、未印字部分の白地性に劣り、印字試料に光
照射すると更に白地性が悪化する。
【0121】脂肪族イソシアネート系化合物及び芳香族
系イソシアネート系化合物を共に用いた本発明の記録媒
体においては、両者の長所を発揮し、かつ両者の短所を
補う以上の相乗効果が認められる。
【0122】即ち、脂肪族イソシアネート系化合物及び
芳香族系イソシアネート系化合物を併用した場合、画像
滲みは芳香族イソシアネート系化合物のみを用いた場合
とほぼ同等で、作製直後及び作製後高湿下での保存後の
印字画像ともに良好である。更に、未印字部分の白地性
が良好で、試料に光照射した後も白地性が良好であるこ
とがわかり、本発明の効果が認められた。
【0123】特に、脂肪族イソシアネート系化合物と芳
香族イソシアネート系化合物の併用率(含有量の比)が
90:10〜70:30にある場合に特に顕著に本発明
の効果が得られることがわかった。
【0124】<実施例2>実施例1における記録用紙1
〜11の作製において、支持体として用いたポリエチレ
ンコート紙に代えて、厚さ160μmの紙支持体を用い
た以外は記録用紙1〜11の作製方法と同じにして記録
用紙1A〜11A(表2中、番号1A〜11Aに対応)
を作製した。
【0125】これら紙支持体を用いた記録用紙について
実施例1と同じ評価を行った。
【0126】
【表2】
【0127】表2から明らかなように、本発明の記録媒
体は、本発明の効果である、画像滲み良好で、かつこの
効果が高湿雰囲気でも変動せず良好、更に白地性に優れ
ることがわかった。
【0128】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明によるイ
ンクジェット記録媒体は、画像滲みが良好であり、かつ
画像滲み改良効果が記録媒体を長期保存した後も殆ど変
動せず良好に発揮されるとともに、白地性に優れるとい
う効果を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に脂肪族イソシアネート系化合
    物及び芳香族イソシアネート系化合物で硬化された親水
    性バインダーを含有するインク受容層を有することを特
    徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 【請求項2】 脂肪族イソシアネート系化合物及び芳香
    族イソシアネート系化合物を含む組成物を塗工する工程
    を経ることを特徴とするインクジェット記録媒体の製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004067925A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットインク、インクジェットインクセット及びインクジェット記録方法
JP2004075768A (ja) * 2002-08-13 2004-03-11 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットインク、インクジェットインクセット及びインクジェット記録方法
JP2004075767A (ja) * 2002-08-13 2004-03-11 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットインク、インクジェットインクセット及びインクジェット記録方法

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