JP2003112471A - シート包装体 - Google Patents

シート包装体

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JP2003112471A
JP2003112471A JP2001307506A JP2001307506A JP2003112471A JP 2003112471 A JP2003112471 A JP 2003112471A JP 2001307506 A JP2001307506 A JP 2001307506A JP 2001307506 A JP2001307506 A JP 2001307506A JP 2003112471 A JP2003112471 A JP 2003112471A
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Japan
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ink
layer
paper
sheet
absorbing layer
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JP2001307506A
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Osamu Hatano
治 波多野
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収性が良好で高平滑で、且つ保存時
の表面の傷の発生の少ないインクジェット記録用紙のシ
ート包装体を提供する。 【解決手段】 非吸水性支持体上に、無機微粒子とポリ
ビニルアルコールを含有する空隙型インク吸収層を有
し、該インク吸収層表面のJIS B 0601に規定
される中心線平均粗さRaが0.3μm以下であるイン
クジェット記録用紙と、間紙が交互に重ねられているこ
とを特徴とするシート包装体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシート包装体に関
し、さらに詳しくはインクジェット記録面に傷が付きに
くいインクジェット記録用紙のシート包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録は急速に画質
が向上してきており、写真画質に迫りつつある。この様
な写真画質をインクジェット記録で達成するために、記
録用紙の面でも改善が進んでいる。
【0003】写真画質のインクジェット記録用紙として
は、支持体の上にインク吸収層を設けたものが一般に用
いられる。支持体上に設けられるインク吸収層として
は、膨潤型のインク記録層と、空隙層を記録層中に持つ
空隙型のインク記録層に大きく分けられる。
【0004】膨潤型インク吸収層はゼラチン、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドンあるいはポリエチ
レンオキサイドなどの親水性ポリマーを主体として構成
されるものであるが、インク吸収速度が後述する空隙型
記録材料に比べて遅く、近年の高速化されたインクジェ
ットプリンタでの使用には不都合である。
【0005】一方、空隙型インク吸収層は、その製法に
いくつかの種類があるが代表的なものは少量の親水性ポ
リマーと多量の微粒子を有する層であり、微粒子同士の
間に空隙が形成されてここにインクを吸収するものであ
り、記録層中に空隙を有するためにインク吸収速度が速
い。
【0006】空隙型インク吸収層を高平滑性の支持体上
に設けたインクジェット記録用紙は、高い光沢を有し、
鮮やかな発色を示し、インク吸収性及び乾燥性に優れて
いることから最も写真画質に近いものの一つになりつつ
ある。
【0007】特に非吸水性支持体を使用した場合は、吸
水性支持体を使用した場合に見られるようなプリント後
のコックリング(しわ)がなく、高平滑な表面を維持で
きるため、より高品位なプリント物を得ることができ
る。
【0008】しかしながら、空隙型インク吸収層は少量
の親水性ポリマーと多量の微粒子からなるため、硬くて
脆い層となりやすく、そのためインク吸収層表面に傷が
付きやすい。
【0009】特に、インクジェット記録用紙の表面の平
滑性が高い場合には、重ねて保存している際に密着性が
高いために、インク吸収層表面に擦れによる傷が付きや
すい。また平滑性が高いために付いた傷が目立ちやす
く、記録用紙としての品位が低下することがある。
【0010】表面の傷を防止する方法としては、表面に
傷が付くのを防止する層を設ける方法がある。例えば特
開平10−166715号には、空隙型インク受理層上
に非球状シリカ粒子含有層を設ける方法が、特開平7−
76162号には、多孔質インク吸収層上に粒径0.1
〜30μmのシリカゲル層を設ける方法が開示されてい
る。
【0011】また、インク吸収層にマット剤を使用し、
表面の摩擦をコントロールする方法もある。
【0012】しかし、これらの方法では、空隙型インク
吸収層のインク吸収性が阻害されたり、表面光沢が低下
したりする。
【0013】また、インクジェット記録用紙の重ね保存
時の擦れによる傷を防止する方法としては、重ね時にイ
ンク吸収層表面と接するインクジェット記録用紙裏面に
滑り性改善等の加工をする方法が考えられる。しかし、
このような加工をインクジェット記録用紙裏面に行うと
コストがかかる。
【0014】さらに、前記の各方法はインクジェット記
録用紙の表面の平滑性が高く、擦れによる傷が目立ちや
すい場合には、効果が不十分である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
ク吸収性が良好で高平滑で、且つ保存時の表面の傷の発
生の少ないインクジェット記録用紙のシート包装体を提
供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。
【0017】1.非吸水性支持体上に、無機微粒子とポ
リビニルアルコールを含有する空隙型インク吸収層を有
し、該インク吸収層表面のJIS B 0601に規定
される中心線平均粗さRaが0.3μm以下であるイン
クジェット記録用紙と、間紙が交互に重ねられているこ
とを特徴とするシート包装体。
【0018】2.インクジェット記録用紙のインク吸収
層と反対側の面のJIS B 0601に規定される中
心線平均粗さRaが0.3μm以下であることを特徴と
する前記1に記載のシート包装体。
【0019】3.インク吸収層表面のJIS Z 87
41による60度鏡面光沢度が35%以上であることを
特徴とする前記1又は2に記載のシート包装体。
【0020】4.非吸水性支持体がプラスチック樹脂フ
ィルムであることを特徴とする前記1、2又は3に記載
のシート包装体。
【0021】5.無機微粒子が1次粒子の平均粒径が3
〜30nmのシリカであることを特徴とする前記1〜4
のいずれか1項に記載のシート包装体。
【0022】本発明を更に詳しく説明する。本発明は、
無機微粒子とポリビニルアルコールを含有する空隙型イ
ンク吸収層を有し、該インク吸収層のJIS B 06
01に規定される中心線平均粗さRaが0.3μm以下
であるインクジェット記録用紙を間紙と交互に重ねるこ
とが特徴である。
【0023】まず、本発明のシート包装体における間紙
について説明する。間紙は、一般的にいわれる紙であれ
ば特に特定されるものではなく、洋紙、板紙、和紙、合
成紙など各種の紙が使用できるが、低コストで本発明の
効果が得られることより、表面にセルロース繊維の露出
している未塗工紙が好ましい。
【0024】好ましい間紙としては、新聞用紙、上級印
刷用紙、中級印刷用紙、下級印刷用紙、薄様印刷紙、P
PC用紙、インディアペーパー、更紙、書籍用紙、書道
用紙、トレーシングペーパー、ハトロン紙、濾紙、便せ
ん用紙、筆記用紙、クラフト紙、などが挙げられる。
【0025】間紙の坪量は特に特定されないが、低コス
トであること、シート包装体の質量を必要以上に増加さ
せないためなどより、200g/m2以下であることが
好ましい。
【0026】次に本発明のシート包装体におけるインク
ジェット記録用紙について説明する。本発明に係るイン
クジェット記録用紙のインク吸収層のJIS B 06
01に規定される中心線平均粗さRaは0.3μm以下
である。
【0027】上記条件で測定して得られるRaは表面の
微小な凹凸特性と高さの平均に関係し、Raが本発明の
範囲にある場合には、インク吸収層表面に傷が付いた場
合に目立ちやすく、傷の発生防止が望まれるとともに、
本発明の傷発生防止効果が顕著に現れる。
【0028】本発明に係るインクジェット記録用紙のイ
ンク吸収層と反対側の面のJISB 0601に規定さ
れる中心線平均粗さRaは0.3μm以下であることが
好ましい。
【0029】このような場合、インクジェット記録用紙
を重ねて保存している際の密着性がより高くなるため
に、インク吸収層表面に擦れによる傷がよりつきやす
く、傷の発生防止が特に望まれるとともに、本発明の傷
発生防止効果が特に顕著に現れる。
【0030】本発明に係るインクジェット記録用紙のイ
ンク吸収層表面のJIS Z 8741による60度鏡
面光沢度が35%以上であることが好ましい。
【0031】光沢度が35%以上である場合、インク吸
収層表面に傷が付いた場合に非常に目立ちやすく、傷の
発生防止が特に望まれるとともに、本発明の傷発生防止
効果が特に顕著に現れる。
【0032】本発明に係るインクジェット記録用紙の支
持体は非吸水性支持体である。非吸水性支持体を用いる
ことにより、プリント後にシワの発生が無く、画像に平
滑性の差が生ぜずに高品位のプリントが得られる。
【0033】非吸水性支持体としてはプラスチック樹脂
フィルム、あるいは紙の両面をプラスチック樹脂フィル
ムで被覆した支持体が挙げられるが、より平滑な記録面
を容易に得ることができ、その結果インク吸収層表面に
傷が付いた場合に非常に目立ちやすく、傷の発生防止が
特に望まれるとともに、本発明の傷発生防止効果が特に
顕著に現れることより、プラスチック樹脂フィルムが特
に好ましい。
【0034】プラスチック樹脂フィルム支持体は、透明
であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルム
を用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエ
チレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム
(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ
ート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用い
ることができ、好ましくはポリエステルフィルムであ
る。
【0035】ポリエステルフィルム(以降ポリエステル
と称す)としては、特に限定されるものではないが、ジ
カルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とする
フィルム形成性を有するポリエステルであることが好ま
しい。
【0036】主要な構成成分のジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニル
ケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸な
どを挙げることができる。
【0037】また、ジオール成分としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリ
コール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノール
フルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、
シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
【0038】これらを主要な構成成分とするポリエステ
ルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点か
ら、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−
ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレ
ングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを
主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
【0039】中でも、ポリエチレンテレフタレートやポ
リエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエ
ステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステ
ル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を
主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
【0040】プラスチック樹脂フィルム支持体の厚み
は、50〜300μm、特に80〜250μmであるこ
とが好ましい。また、本発明のフィルム支持体は、2枚
重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じ
でも異なってもよい。
【0041】プラスチック樹脂フィルム支持体には、白
色顔料を含ませることができ、白色顔料の使用量は、用
いる白色顔料の粒径や種類で広範に渡るが、概ねプラス
チック樹脂に対し1〜30質量%、好ましくは5〜15
質量%である。
【0042】用いることのできる白色顔料としては、例
えば、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、および炭
化カルシウム等があげられるが特に酸化チタンが好まし
い。
【0043】本発明の非吸水性支持体は紙の両面をプラ
スチック樹脂フィルムで被覆した支持体であっても良
い。
【0044】係る支持体に用いられる紙は、木材パルプ
を主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプ
ロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステ
ル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとして
はLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、
NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることがで
きるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、
NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但
し、LBSP及び/またはLDPの比率は10〜70%
が好ましい。
【0045】上記パルプは不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0046】紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダ
イマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チ
タン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリ
エチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級ア
ンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができ
る。
【0047】抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの
規定で200〜500mLが好ましく、また、叩解後の
繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシ
ュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好まし
い。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好
ましい。
【0048】紙の坪量は50〜250gが好ましく、特
に70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜210
μmが好ましい。
【0049】紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処
理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7
〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一般的で
ある。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定され
る条件で20〜200gが好ましい。
【0050】紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと
同様のサイズ剤を使用できる。
【0051】紙のpHはJIS P 8113で規定さ
れた熱水抽出法により測定された場合、5〜9であるこ
とが好ましい。
【0052】次に、この紙の両面を被覆するポリオレフ
ィン樹脂について説明する。この目的で用いられるポリ
オレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、
プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類
が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
【0053】以下、特に好ましいポリエチレンについて
説明する。紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、
主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/また
は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のL
LDPEやポリプロピレン等も一部使用することができ
る。
【0054】特に塗布層側のポリオレフィン層は、ルチ
ルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、
不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チ
タン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20%、
好ましくは2〜15%である。
【0055】ポリオレフィン層中には白地の調整を行う
ための耐熱性の高い顔料や蛍光増白剤を添加することが
できる。
【0056】着色顔料としては、群青、紺青、コバルト
ブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セル
リアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アン
スラキノンブルー等が挙げられる。
【0057】蛍光増白剤としては、ジアルキルアミノク
マリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルア
ミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレン
ジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサ
ゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられ
る。
【0058】紙の表裏のポリエチレンの使用量は、イン
ク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化
でのカールを最適化するように選択されるが、一般には
ポリエチレン層の厚さはインク吸収層側で15〜50μ
m、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏の
ポリエチレンの比率はインク受容層の種類や厚さ、中紙
の厚み等により変化するカールを調整する様に設定され
るのが好ましく、通常は表/裏のポリエチレンの比率は
厚みで概ね3/1〜1/3である。
【0059】更に上記ポリエチレンで被覆紙支持体は以
下(1)〜(7)の特性を有していることが好ましい。
【0060】(1)引っ張り強さは、JIS P 81
13で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向
が1〜20kg、(2)引き裂き強度は、JIS P
8116で規定される強度で縦方向が10〜200g、
横方向が20〜200g、(3)圧縮弾性率は、9.8
kN/cm2、(4)不透明度は、JIS P 813
8に規定された方法で測定したときに80%以上、特に
85〜98%が好ましい、(5)白さは、JIS Z
8729で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜9
5、a*=−3〜+5、b*=−6〜+2、(6)クラー
ク剛直度は、記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が5
0〜300cm3/100、(7)原紙中の水分は、中
紙に対して4〜10%であること。
【0061】本発明に係るインクジェット記録用紙には
無機微粒子が用いられる。無機微粒子の例としては、例
えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化
亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸
アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグ
ネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アル
ミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アル
ミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム
等の白色無機顔料等を挙げることが出来る。
【0062】インク吸収層の高い光沢度及び高い平滑性
が得られ、またその結果本発明の効果であるインク吸収
層表面の傷防止効果がより顕著に発揮されることより、
これらの無機微粒子の一次粒子の平均粒径としては、5
〜30nmであるが、5〜20nmがより好ましい。
【0063】本発明に係る無機微粒子としては、無機微
粒子と少量の有機物(低分子化合物でも、高分子化合物
でもよい)とからなる複合粒子でも、実質的には無機微
粒子と見なす。この場合も乾燥被膜中に観察される最高
次粒子の粒径をもってしてその無機微粒子の粒径とす
る。
【0064】上記無機微粒子と少量の有機物との複合粒
子における有機物/無機微粒子の質量比は概ね1/10
0〜1/4である。
【0065】上記記載の無機微粒子の平均粒径は、空隙
層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、多数個の任意の
粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として
求められる。ここで個々の粒径はその投影面積に等しい
円を仮定した時の直径で表したものである。
【0066】本発明に係る無機微粒子としては、低コス
トであることや高い反射濃度が得られる観点から低屈折
率の微粒子であることが好ましく、シリカ、中でも気相
法で合成されたシリカまたはコロイダルシリカがより好
ましい。
【0067】また、カチオン表面処理された気相法シリ
カ、カチオン表面処理されたコロイダルシリカ及びアル
ミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等も用いるこ
とが出来る。
【0068】多孔質層に用いられる無機微粒子の添加量
は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、無機
微粒子の種類、親水性バインダーの種類に大きく依存す
るが、一般には記録用紙1m2当たり、通常5〜30
g、好ましくは10〜25gである。多孔質層に用いら
れる無機微粒子と親水性バインダーの比率は質量比で通
常2:1〜20:1であり、特に3:1〜10:1であ
ることが好ましい。
【0069】無機微粒子の添加量に従いインク吸収容量
も増加するが、カールやひび割れの劣化といった取り崩
しもあるため、空隙率によって容量を増加させる方法が
好ましい。好ましい空隙率は40〜75%である。空隙
率は選択する無機微粒子、バインダーの種類によって、
あるいはそれらの混合比によって、またはその他の添加
剤の量によって調節することができる。
【0070】ここでいう空隙率とは、空隙層の体積にお
ける空隙の総体積の比率であり、その層の構成物の総体
積と層の厚さから計算で求められる。また空隙の総体積
は、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.51〜87
に記載されるブリストー法による飽和転移量、吸水量測
定などによって簡易に求められる。
【0071】本発明に係るインクジェット記録用紙には
ポリビニルアルコールが用いられる。ポリビニルアルコ
ールとしては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる
通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変
性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するア
ニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルア
ルコールも含まれる。
【0072】ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られるポ
リビニルアルコールは平均重合度が1000以上のもの
が好ましく用いられ、特に平均重合度が1500〜50
00のものが好ましく用いられ、更に、ケン化度は70
〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のもの
が特に好ましい。
【0073】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば、特開昭61−10483号に記載されてい
るような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基
を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有す
るポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有する
エチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化することにより得られる。
【0074】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)ア
ンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0075】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0076】アニオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば、特開平1−206088号に記載されてい
るようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、
特開昭61−237681号、及び同63−30797
9号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶
性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−
285265号に記載されているような水溶性基を有す
る変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0077】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号に記載されて
いるようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコ
ールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特
開平8−25795号に記載された疎水性基を有するビ
ニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等
が挙げられる。
【0078】また、ポリビニルアルコールは重合度や変
性等の種類違いのものを2種類以上併用してもよい。
【0079】本発明のインク吸収層は、耐湿性をより向
上することが出来るためカチオン性ポリマーを含有する
ことが好ましい。
【0080】本発明に係るカチオン性ポリマーは、ポリ
マー主鎖または側鎖に第1〜3級アミン、第4級アンモ
ニウム塩基、または第4級ホスホニウム塩基などを有す
るポリマーであり、インクジェット記録用紙で公知の化
合物が用いられる。製造の容易性から、実質的に水溶性
であるものが好ましい。
【0081】本発明に使用されるカチオン性ポリマーの
例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、
ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポ
リアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジ
アミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマ
リン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付
加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重
合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO
2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリド
ン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジ
ン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニル
ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、
(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニ
ウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート重合物、などが挙げられる。
【0082】または、化学工業時報平成10年8月1
5,25日に記載されるカチオン性ポリマー、「高分子
薬剤入門」(三洋化成工業株式会社発行、p787、1
992年)に記載される高分子染料固着剤が例として挙
げられる。
【0083】本発明に係るカチオン性ポリマーの平均分
子量としては2000〜50万の範囲であることが好ま
しく、更に好ましくは、1万〜10万の範囲である。
【0084】平均分子量とは数平均分子量のことであ
り、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーから求
めたポリエチレングリコール換算値を言う。
【0085】また、本発明に係るカチオン性ポリマーを
塗布液にあらかじめ添加する場合、均一に塗布液に添加
するのみならず、無機微粒子とともに複合粒子を形成す
る形で添加してもよい。無機微粒子とカチオン性ポリマ
ーによって複合粒子を作製する方法としては、無機微粒
子にカチオン性ポリマーを混合し吸着被覆させる方法、
その被覆粒子を凝集させてより高次の複合粒子を得る方
法、さらには混合して得られる粗大粒子を分散機によっ
てより均一な複合粒子にする方法などが挙げられる。
【0086】本発明に係るカチオン性ポリマーは概ね水
溶性基を有するために水溶性を示すが、例えば共重合成
分の組成によって水に溶解しないことがある。製造の容
易性から水溶性であることが好ましいが、水に難溶であ
っても水混和性有機溶媒を用いて溶解し使用することも
可能である。
【0087】ここで水混和性有機溶媒とは、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール
などのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等のアミド類など、水に対して概ね10%以上溶解し
得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水
の使用量以下であることが好ましい。
【0088】カチオン性ポリマーはインクジェット記録
用紙1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.
2〜5gの範囲で用いられる。
【0089】本発明のインクジェット記録用紙は、光沢
性に優れ、高い空隙率を被膜の脆弱性を劣化させずに得
るために、前記親水性バインダーが硬膜剤により硬膜さ
れていることが好ましい。
【0090】本発明に用いられる硬膜剤は、一般的には
前記親水性バインダーと反応し得る基を有する化合物あ
るいは親水性バインダーが有する異なる基同士の反応を
促進するような化合物であり、親水性バインダーの種類
に応じて適宜選択して用いられる。硬膜剤の具体例とし
ては、例えば、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチル
エーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6
−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル
−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグ
リシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテ
ル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリ
オキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジク
ロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン
等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリ
ロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルス
ルホニルメチルエーテル等)、ほう酸及びその塩、ほう
砂、アルミ明礬、イソシアネート化合物等が挙げられ
る。特に好ましい親水性バインダーとしてポリビニルア
ルコール及びまたはカチオン変性ポリビニルアルコール
を使用する場合には、ホウ酸及びその塩、エポキシ系硬
膜剤及びイソシアネート化合物から選ばれる硬膜剤を使
用するのが好ましい。中でも、好ましいのはほう酸及び
その塩、イソシアネート化合物から選ばれる硬膜剤であ
る。
【0091】本発明で、ほう酸またはその塩としては、
硼素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示
し、具体的にはオルトほう酸、二ほう酸、メタほう酸、
四ほう酸、五ほう酸、八ほう酸及びそれらの塩が含まれ
る。
【0092】本発明に用いられるイソシアネート化合物
は、分子中に少なくとも1個のイソシアナート基を有す
る化合物であって、−OH基、−NH2基、−SH基、
−COOH基等の活性水素を有するポリマーと高い反応
性を有する。イソシアネート系化合物としてより好まし
いのは分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有
するポリイソシアネート系化合物である。
【0093】主なポリイソシアネート系化合物として
は、例えば、トルイレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、およびこれらの変
性物やプレポリマー、多官能芳香族イソシアネート、芳
香族ポリイソシアネート、多官能脂肪属イソシアネー
ト、ブロック型ポリイソシアネート、ポリイソシアネー
トプレポリマー等が挙げられる。
【0094】これらのポリイソシアネート系化合物の詳
細は、例えば、架橋剤ハンドブック(大成社発行、19
81年10月発行)に記載されている。
【0095】上記硬膜剤の使用量は親水性バインダーの
種類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バイン
ダーに対する比率等により変化するが、通常親水性バイ
ンダ1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜30
0mgである。
【0096】上記硬膜剤は、本発明に用いられる多孔質
層形成用水溶性塗布液を塗布する際に、該塗布液中に添
加してもよく、あるいは多孔質層形成用水溶性塗布液
(硬膜剤非含有)を塗布・乾燥した後で硬膜剤溶液をオ
ーバーコートするなどして供給することができる。
【0097】本発明のインクジェット記録用紙の空隙型
インク吸収層及び必要に応じて設けられるその他の層に
は、前記した以外に各種の添加剤を添加することが出来
る。
【0098】上記の添加剤としては、例えば、ポリスチ
レン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エ
ステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ま
たはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂
等の有機ラテックス微粒子、カチオンまたはノニオンの
各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−
87988号及び同62−261476号に記載の紫外
線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−879
89号、同60−72785号、同61−146591
号、特開平1−95091号及び同3−13376号等
に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993
号、同59−52689号、同62−280069号、
同61−242871号及び特開平4−219266号
等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン
酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム
等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止
剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることも
できる。
【0099】空隙型インク吸収層は2層以上から構成さ
れていてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構
成はお互いに同じであっても異なっていても良い。
【0100】本発明のインクジェット記録用紙の空隙型
インク吸収層及び下引き層など必要に応じて適宜設けら
れる各種の親水性層を支持体上に塗布する方法は公知の
方法から適宜選択して行うことが出来る。好ましい方法
は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設して乾燥し
て得られる。この場合、2層以上を同時に塗布すること
もでき、特に全ての親水性バインダー層を1回の塗布で
済ます同時塗布が好ましい。
【0101】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを
使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いら
れる。
【0102】本発明のインクジェット記録用紙を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好
ましく用いられる。
【0103】上記水性インクとは、下記着色剤及び液媒
体、その他の添加剤を有する記録液体である。着色剤と
してはインクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩
基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染
料あるいは水分散性顔料が使用できる。
【0104】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、tert−ブチル
アルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまた
はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキ
サントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコ
ール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノ
ールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコール
メチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエ
チル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエ
ーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等
が挙げられる。
【0105】中でも、ジエチレングリコール、トリエタ
ノールアミンやグリセリン等の多価アルコール類、トリ
エチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコー
ルの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。
【0106】その他の水性インクの添加剤としては、例
えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整
剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤、
等が挙げられる。
【0107】水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を
良好にするために、20℃において、通常、0.025
〜0.06N/m、好ましくは0.03〜0.05N/
mの範囲内の表面張力を有するのが好ましい。
【0108】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて具体的に説
明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り質量%を
示す。
【0109】《記録用紙−1の作製》以下に記載の方法
に従って、インクジェット用の記録用紙−1を作製し
た。
【0110】白色ポリエチレンテレフタレート(厚さ1
88μm)のフィルム支持体上の一方の面に、下記組成
からなる各層を塗設しインク吸収層を形成した。
【0111】〔酸化チタン分散液1の調製〕平均粒径が
約0.25μmの酸化チタン20kg(石原産業製:W
−10)を、pHが7.5のトリポリリン酸ナトリウム
150g、ポリビニアルコール(クラレ株式会社製:P
VA235)500g、カチオンポリマーP−1の15
0gおよびサンノブコ株式会社製消泡剤SN381を1
0g含有する水溶液90Lに添加し、高圧ホモジナイザ
ー(三和工業株式会社製)で分散した後、純水にて全量
を100Lに仕上げて、酸化チタン分散液1を調製し
た。
【0112】
【化1】
【0113】〔シリカ分散液1の調製〕1次粒子の平均
粒径が約0.014μmの気相法シリカ(トクヤマ社
製:QS20)125kgを、三田村理研工業社製のジ
ェットストリーム・インダクターミキサーTDSを用い
て、硝酸でpHを2.5に調整した600Lの純水中に
室温で吸引分散した後、全量を660Lに純水で仕上
げ、シリカ分散液1を調製した。
【0114】〔シリカ分散液2の調製〕前記カチオンポ
リマーP−1を1.05kg、エタノールを4.2L、
n−プロパノールを1.5Lを含有する水溶液(pH=
2.3)15Lに、上記調製したシリカ分散液1を6
6.0L攪拌しながら添加し、次いで、ホウ酸240g
とホウ砂220gを含有する水溶液7.0Lを添加し、
前記の消泡剤SN381を1g添加した。この混合液を
三和工業社製高圧ホモジナイザーで分散し、全量を純水
で90Lに仕上げてシリカ分散液2を調製した。
【0115】〔画像安定剤分散液1の調製〕画像安定剤
SA−1の2400gをジイソデシルフタレート900
gおよび酢酸エチル2.5Lに加熱溶解し、これを酸処
理ゼラチン1500g、カチオンポリマー(P−1)1
000g、サポニン50%水溶液2Lを含有する水溶液
12Lに添加混合して三和工業株式会社製の高圧ホモジ
ナイザーで乳化分散し、減圧で酢酸エチルを除去した後
全量を18Lに仕上げた。
【0116】
【化2】
【0117】〔各記録層塗布液の調製〕以下に示す方法
に従って記録層の第1層、第2層、第3層の塗布液を調
製した。
【0118】〈第1層塗布液の調製〉前記調製したシリ
カ分散液2の560mlを40℃で攪拌しながら、以下
の各添加剤を順次混合して、第1層塗布液を調製した。
【0119】 ポリビニルアルコール (クラレ工業株式会社製:PVA203)の10%水溶液 0.6ml ポリビニルアルコール (クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液 150ml ポリビニルアルコール (クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液 100ml 画像安定剤分散液1 28ml 酸化チタン分散液1 30ml 純水で全量を1000mlに仕上げた。
【0120】〈第2層塗布液の調製〉前記調製したシリ
カ分散液2の630mlを40℃で攪拌しながら、以下
の各添加剤を順次混合して、第2層塗布液を調製した。
【0121】 ポリビニルアルコール (クラレ工業株式会社製:PVA203)の10%水溶液 0.6ml ポリビニルアルコール (クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液 150ml ポリビニルアルコール (クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液 100ml 画像安定剤分散液1 60ml 純水で全量を1000mlに仕上げた。
【0122】〈第3層塗布液の調製〉前記調製したシリ
カ分散液2の640mlを40℃で攪拌しながら、以下
の各添加剤を順次混合して、第3層塗布液を調製した。
【0123】 ポリビニルアルコール (クラレ工業株式会社製:PVA203)の10%水溶液 0.6ml ポリビニルアルコール (クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液 150ml ポリビニルアルコール (クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液 100ml サポニン50%水溶液 4ml フッ素系ノニオン性界面活性剤5%水溶液 2ml 純水で全量を1000mlに仕上げた。
【0124】上記調製した各層塗布液を、第1層、第2
層は東洋濾紙株式会社製TCP10の2段構成で、また
第3層は東洋濾紙株式会社製TCP30の2段構成で濾
過を施した。
【0125】〔記録層の塗布〕上記調製した各層塗布液
を用いて、支持体側から第1層が40μm、第2層が1
10μm、第3層が30μmの湿潤膜厚となるように、
フィルム支持体の片面に、下記記載の方法にて同時塗布
を行い、記録用紙−1を作製した。
【0126】塗布は、各塗布液を40℃で3層式カーテ
ンコーターで同時塗布を行い、塗布直後に8℃に保たれ
た冷却ゾーンで20秒間冷却した後、20〜30℃の風
で60秒間、45℃の風で60秒間、50℃の風で60
秒間順次乾燥した。なお、恒率乾燥領域における皮膜温
度は8〜25℃とし、減率乾燥領域での皮膜温度は徐々
に上昇させた後、23℃、相対湿度40〜60%で調湿
して記録用紙−1を得た。
【0127】《記録用紙−2〜4の作製》 (記録用紙−2の作製)前記記録用紙−1の作製におい
て、使用する支持体をインク吸収層を塗設する面と反対
側の面を粗面加工した白色ポリエチレンテレフタレート
(厚さ100μm)のフィルム支持体上にした以外は同
様にして、記録用紙−2を作製した。
【0128】(記録用紙−3の作製)前記記録用紙−1
の作製において、使用する支持体をポリエチレン被覆紙
支持体(厚さ220μm)にした以外は同様にして、記
録用紙−3を作製した。
【0129】(記録用紙−4の作製)上記記録用紙−1
の作製において、使用する支持体をポリエチレン被覆紙
支持体(厚さ210μm)にした以外は同様にして、記
録用紙−4を作製した。
【0130】以上により作製した記録用紙−1〜4にお
けるインク吸収層表面とインク吸収層と反対側の面のJ
IS B 0601に規定される中心線平均粗さRa、
及びインク吸収層のJIS Z 8741による60度
鏡面光沢度を表1に示す。
【0131】
【表1】
【0132】《シート包装体−1の作製》上記作製した
記録用紙−1を297mm×210mmの大きさに切断
して記録シートを作製した。この記録シート20枚を重
ね、340mm×240mmの大きさのポリエチレン製
の袋に入れ、袋の口を記録シートの大きさに合わせて折
り曲げ、粘着テープで固定してシート包装体−1を作製
した。
【0133】《シート包装体−2の作製》上記シート包
装体−1の作製において、記録シート20枚を坪量70
g/m2のコピー用紙を間紙として交互に重ねた以外は
同様にしてシート包装体−2を作製した。
【0134】《シート包装体−3の作製》上記シート包
装体−1の作製において、記録シート20枚を坪量46
g/m2の新聞用紙を間紙として交互に重ねた以外は同
様にしてシート包装体−3を作製した。
【0135】《シート包装体−4〜9の作製》上記シー
ト包装体−1の作製において、使用する記録用紙および
間紙を表2に示すように変更した以外は同様にしてシー
ト包装体4〜9を作製した。
【0136】《シート包装体の評価》上記作製したシー
ト包装体について、振動試験機を用いて振幅2mm、重
力加速度9.8m/s2の縦振動および横振動をそれぞ
れ20分間与えた後、シート包装体中の20枚の記録シ
ートの内、上から5枚目、10枚目、15枚目を取り出
し、インク吸収層表面の傷の程度を下記基準により目視
で評価した。 ○ :目立つ傷は認められない △ :やや目立つ傷が認められ、実用上やや問題がある × :目立つ傷が認められ、実用上問題がある ××:目立つ傷がきわめて多く認められ、実用上大きく
問題がある 評価結果を表2に示す。
【0137】
【表2】
【0138】表2より明らかなように、インク吸収層表
面のJIS B 0601に規定される中心線平均粗さ
Raが0.3μm以下のインクジェット記録用紙と間紙
が交互に重ねられているシート包装体ではインク吸収層
表面の傷発生が大きく改良されていることがわかる。ま
た、インク吸収層と反対側の面のJIS B 0601
に規定される中心線平均粗さRaが0.3μm以下、及
びインク吸収層表面のJIS Z 8741に規定され
る60度鏡面光沢度が35%以上のインクジェット記録
用紙と間紙が交互に重ねられているシート包装体ではイ
ンク吸収層表面の傷発生が特に大きく改良されているこ
とがわかる。
【0139】
【発明の効果】本発明により、インク吸収性が良好で高
平滑で、且つ保存時の表面の傷の発生の少ないインクジ
ェット記録用紙のシート包装体を得た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非吸水性支持体上に、無機微粒子とポリ
    ビニルアルコールを含有する空隙型インク吸収層を有
    し、該インク吸収層表面のJIS B 0601に規定
    される中心線平均粗さRaが0.3μm以下であるイン
    クジェット記録用紙と、間紙が交互に重ねられているこ
    とを特徴とするシート包装体。
  2. 【請求項2】 インクジェット記録用紙のインク吸収層
    と反対側の面のJIS B 0601に規定される中心
    線平均粗さRaが0.3μm以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載のシート包装体。
  3. 【請求項3】 インク吸収層表面のJIS Z 874
    1による60度鏡面光沢度が35%以上であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載のシート包装体。
  4. 【請求項4】 非吸水性支持体がプラスチック樹脂フィ
    ルムであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載
    のシート包装体。
  5. 【請求項5】 無機微粒子が1次粒子の平均粒径が3〜
    30nmのシリカであることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載のシート包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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