JP2001010205A - インクジェット記録用紙とその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用紙とその製造方法

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JP2001010205A
JP2001010205A JP11179859A JP17985999A JP2001010205A JP 2001010205 A JP2001010205 A JP 2001010205A JP 11179859 A JP11179859 A JP 11179859A JP 17985999 A JP17985999 A JP 17985999A JP 2001010205 A JP2001010205 A JP 2001010205A
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cationic polymer
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ink jet
recording paper
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JP11179859A
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Kenzo Kasahara
健三 笠原
Masaru Tsuchiya
勝 土屋
Yoichi Saito
洋一 斎藤
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収速度と表面光沢度に悪影響を及ぼ
すことなく耐水性及び耐湿性を改良したインクジェット
記録用紙とその製造方法を提供する。 【解決手段】 非吸収性支持体上に、親水性バインダ
ー、カチオン性ポリマーおよび無機微粒子を含有する多
孔質層を少なくとも1層有するインクジェット記録用紙
において、カチオン性ポリマーの平均分子量をMn、無
機微粒子の平均粒径をd(nm)としたとき、 50≦d≦150 2000≦Mn≦5×d2 であって、かつ、カチオン性ポリマーの分子量分布を測
定したときに、分子量が平均分子量の2倍を越える成分
が重量比で20%以下であることを特徴とするインクジ
ェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)及びその製造方
法に関し、特に耐水性、高インク吸収性と高光沢性を持
ったインクジェット記録用紙及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録は急速に画質
が向上してきており、写真画質に迫りつつある。この様
な写真画質をインクジェット記録で達成するために、記
録用紙の面でも改善が進んでおり、高平滑性の支持体上
に微小な空隙層を設けた記録用紙はインク吸収性及び乾
燥性に優れていることからもっとも写真画質に近いもの
の一つになりつつある。
【0003】一般に空隙層を形成させるには、無機微粒
子を高充填する方法が知られているが、このとき無機微
粒子の粒径が塗膜の表面光沢度に大きく影響する。例え
ば粒径が1μmの粒子を高充填して空隙層を形成させた
場合、表面の光沢感は殆ど得られない。
【0004】また、十分に小さい粒径の無機微粒子を使
用した場合でも、ポリマーなどとの相互作用により粒子
の充填状態変化や高次の凝集が生じ、結果として光沢度
が変化する。
【0005】さらには、粒径の小さな無機微粒子を使用
した場合に空隙径も小さくなる傾向があり、インク吸収
速度を低下させ、プリント画像にまだらを生じることも
ある。
【0006】一方、インクジェット記録においては通常
水溶性染料が色材として用いられるが、この水溶性染料
は親水性が高いために通常、記録後に高湿下に長期間保
存したり或いは記録面上に水滴が付着した場合に染料が
滲みやすい傾向がある。この問題を解決するために染料
固着性物質をインク受容層中に添加しておくことが一般
的に行われている。そのような染料固着剤として、分子
内に第4級アンモニウム塩基などを有するカチオン性ポ
リマー等が挙げられる。
【0007】しかし、上記各問題とその解決策は、必ず
しも良い方向に整合したものではなく、ある特性を改善
しようとすると他の特性をむしろ悪化させるといった傾
向がある。従って、上記問題の全てに十分な特性を持つ
インクジェット記録用紙はまだ得られていないのが現状
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決することにある。特に、インク吸収速度と表
面光沢度に悪影響を及ぼすことなく耐水性及び耐湿性を
改良したインクジェット記録用紙とその製造方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成を採ることにより達成される。
【0010】〔1〕 非吸収性支持体上に、親水性バイ
ンダー、カチオン性ポリマーおよび無機微粒子を含有す
る多孔質層を少なくとも1層有するインクジェット記録
用紙において、カチオン性ポリマーの平均分子量をM
n、無機微粒子の平均粒径をd(nm)としたとき、 50≦d≦150 2000≦Mn≦5×d2 であって、かつ、カチオン性ポリマーの分子量分布を測
定したときに、分子量が平均分子量の2倍を越える成分
が重量比で20%以下であることを特徴とするインクジ
ェット記録用紙。
【0011】〔2〕 前記無機微粒子がシリカを主成分
とすることを特徴とする〔1〕記載のインクジェット記
録用紙。
【0012】〔3〕 親水性バインダーがポリビニルア
ルコールであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載
のインクジェット記録用紙。
【0013】〔4〕 非吸収性支持体上に、親水性バイ
ンダー、カチオン性ポリマーおよび無機微粒子を含有す
る多孔質層を少なくとも1層有するインクジェット記録
用紙の製造方法において、カチオン性ポリマーの平均分
子量をMn、無機微粒子の平均粒径をd(nm)とした
とき、 50≦d≦150 2000≦Mn≦5×d2 であって、かつ、カチオン性ポリマーの分子量分布を測
定したときに、分子量が平均分子量の2倍を越える成分
が重量比で20%以下にすることを特徴とするインクジ
ェット記録用紙の製造方法。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明は、支持体上に設けられたインク吸
収層が無機顔料及び少量の親水性バインダーを有する空
隙層を形成している空隙型のインクジェット記録用紙に
適用される。
【0016】先ず、本発明における好ましい空隙型のイ
ンク吸収層について説明する。
【0017】空隙型インク吸収層は無機微粒子と少量の
親水性バインダーを有する。
【0018】上記無機微粒子の例としては、たとえば軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫
化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニ
ウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、
コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウ
ム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白
色無機顔料等を挙げることが出来る。
【0019】高い光沢度を得るためにこれらの無機微粒
子の粒径は、150nm以下であることが必要である。
またインク吸収速度の低下を防ぐには50nm以上であ
ることが必要である。
【0020】ここでいう無機微粒子は1次粒子でも2次
粒子でもよい。無機微粒子の粒径は、乾燥被膜中に観察
される最高次粒子の粒径である。
【0021】あるいは無機微粒子と少量の有機高分子に
よる複合粒子を用いた場合などでも、実質的には無機微
粒子と見なす。この場合も乾燥被膜中に観察される最高
次粒子の粒径をもってその無機微粒子の粒径とする。
【0022】上記無機微粒子と少量の有機高分子による
複合粒子における有機高分子/無機微粒子の重量比は概
ね1/100〜1/4である。
【0023】上記において無機微粒子の平均粒径は、空
隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、多数個の任意
の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)とし
て求められる。ここにおいて個々の粒径はその投影面積
に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
【0024】本発明においては、低コストであることや
高い反射濃度が得られる観点から低屈折率の微粒子であ
ることが好ましく、シリカ、中でも気相法で合成された
シリカまたはコロイダルシリカがより好ましい。
【0025】また、カチオン表面処理された気相法シリ
カ、カチオン表面処理されたコロイダルシリカおよびア
ルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等も用いる
ことが出来る。
【0026】インク吸収層に用いられる親水性バインダ
ーの例としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポ
リエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリア
クリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキス
トラン、デキストリン、カラギーナン(κ、ι、λ
等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース等が挙げられる。
【0027】これらの親水性バインダーは2種以上併用
することも可能である。
【0028】本発明で好ましく用いられる親水性バイン
ダーはポリビニルアルコールである。
【0029】本発明で好ましく用いられるポリビニルア
ルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる
通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変
性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するア
ニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルア
ルコールも含まれる。
【0030】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは平均重合度が1000以上のものが好
ましく用いられ、特に平均重合度が1500〜5000
のものが好ましく用いられる。
【0031】ケン化度は70〜100%のものが好まし
く、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0032】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば特開昭61−10483号公報に記載されて
いるような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム
基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有
するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有す
るエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を
ケン化することにより得られる。
【0033】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)ア
ンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0034】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0035】アニオン変性ポリビニルアルコールは例え
ば、特開平1−206088号公報に記載されているよ
うなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開
昭61−237681号公報、および同63−3079
79号公報に記載されているような、ビニルアルコール
と水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開
平7−285265号公報に記載されているような水溶
性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0036】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載さ
れているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルア
ルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導
体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基
を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック
共重合体等が挙げられる。
【0037】ポリビニルアルコールは重合度や変性の種
類違いなど2種類以上を併用することもできる。
【0038】インク吸収層に用いられる無機微粒子の添
加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、
無機微粒子の種類、親水性バインダーの種類に大きく依
存するが、一般には記録用紙1m2当たり、通常5〜3
0g、好ましくは10〜25gである。
【0039】また、インク吸収層に用いられる無機微粒
子と親水性バインダーの比率は重量比で通常2:1〜2
0:1であり、特に3:1〜10:1であることが好ま
しい。
【0040】本発明のカチオン性ポリマーは、ポリマー
主鎖または側鎖に第1〜3級アミン、第4級アンモニウ
ム塩基、または第4級ホスホニウム塩基などを有するポ
リマーであり、インクジェット記録用紙で公知の化合物
が用いられる。製造の容易性から、実質的に水溶性であ
るものが好ましい。
【0041】本発明に使用されるカチオン性ポリマーの
例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、
ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポ
リアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジ
アミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマ
リン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付
加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重
合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO
2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリド
ン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジ
ン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニル
ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、
(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニ
ウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート重合物、などが挙げられる。
【0042】または化学工業時報平成10年8月15,
25日に述べられるカチオン性ポリマー、三洋化成工業
社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分子染料固着
剤が例として挙げられる。
【0043】本発明におけるカチオン性ポリマーの分子
量は2000以上であることが必要である。これより低
い分子量の場合、十分な耐水性および耐湿性が得られな
い。より好ましいカチオン性ポリマーの分子量は1万以
上である。
【0044】さらに、本発明に使用するカチオン性ポリ
マーの分子量の上限は、無機微粒子の粒径の数値(単
位:nm)を2乗し、係数として5を掛けた数字であ
る。この上限を越える分子量の場合、かえって十分な耐
水性および耐湿性が得られない。これは驚くべきことで
あり、詳細な機構は不明であるが次のように推定され
る。すなわち、長い分子鎖のカチオン性ポリマーの場
合、無機微粒子の表面を被覆するよりも過剰な長さの部
分が空隙内部で自由に運動できるため、その部分に固着
された染料分子が外乱によって脱離しやすくなると考え
られる。より好ましい上記の係数は4である。
【0045】加えて、本発明におけるカチオン性ポリマ
ーの分子量分布を測定したときに、平均分子量の2倍を
越える成分が重量比で20%以下であることが必要であ
る。
【0046】ここで平均分子量は数平均分子量(Mn)
のことであり、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ
ィーから求めたポリスチレン換算値を言う。
【0047】本発明のカチオン性ポリマーは、塗布液に
添加してから塗布乾燥してもよいし、インク受容層塗布
乾燥後の被膜にその水溶液を含浸させて添加してもよ
い。また、インク受容層塗布後乾燥前に添加する方法も
挙げられる。インク受容層塗布後乾燥前に添加する方法
としては、カーテン塗布、スプレー塗布、その他の方法
が考えられる。
【0048】また、本発明のカチオン性ポリマーを塗布
液にあらかじめ添加する場合、均一に塗布液に添加する
のみならず、無機微粒子とともに複合粒子を形成する形
で添加してもよい。無機微粒子とカチオン性ポリマーに
よって複合粒子を作製する方法としては、無機微粒子に
カチオン性ポリマーを混合し吸着被覆させる方法、その
被覆粒子を凝集させてより高次の複合粒子を得る方法、
さらには混合して得られる粗大粒子を分散機によってよ
り均一な複合粒子にする方法などが挙げられる。
【0049】上記カチオン性ポリマーは概ね水溶性基を
有するために水溶性を示すが、例えば共重合成分の組成
によって水に溶解しないことがある。製造の容易性から
水溶性であることが好ましいが、水に難溶であっても水
混和性有機溶媒を用いて溶解し使用することも可能であ
る。
【0050】ここで水混和性有機溶媒とは、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール
などのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等のアミド類など、水に対して概ね10%以上溶解し
得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水
の使用量以下であることが好ましい。
【0051】カチオン性ポリマーはインクジェット記録
用紙1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.
2〜5gの範囲で用いられる。
【0052】本発明のインクジェット記録用紙は、光沢
性に優れ、高い空隙率を被膜の脆弱性を劣化させずに得
るために、前記親水性バインダーが硬膜剤により硬膜さ
れていることが好ましい。
【0053】硬膜剤は、一般的には前記親水性バインダ
ーと反応し得る基を有する化合物あるいは親水性バイン
ダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合
物であり、親水性バインダーの種類に応じて適宜選択し
て用いられる。
【0054】硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキ
シ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロ
ヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキ
シアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グ
リセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系
硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性
ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ
−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合
物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル
等)、ホウ酸およびその塩、ホウ砂、アルミ明礬等が挙
げられる。
【0055】特に好ましい親水性バインダーとしてポリ
ビニルアルコールおよびまたはカチオン変性ポリビニル
アルコールを使用する場合には、ホウ酸およびその塩、
およびエポキシ系硬膜剤から選ばれる硬膜剤を使用する
のが好ましい。
【0056】最も好ましいのはホウ酸およびその塩から
選ばれる硬膜剤である。
【0057】本発明で、ホウ酸またはその塩としては、
硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことを
示し、具体的にはオルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ
酸、四ホウ酸、五ホウ酸、八ホウ酸およびそれらの塩が
含まれる。
【0058】上記硬膜剤の使用量は親水性バインダーの
種類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バイン
ダーに対する比率等により変化するが、通常親水性バイ
ンダー1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜3
00mgである。
【0059】上記硬膜剤は、本発明の水インク吸収層形
成用水溶性塗布液を塗布する際に、該塗布液中に添加し
てもよく、あるいはインク吸収層形成用水溶性塗布液
(硬膜剤非含有)を塗布・乾燥した後で硬膜剤溶液をオ
ーバーコートするなどして供給することができる。
【0060】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層および必要に応じて設けられるその他の層には、
前記した以外に各種の添加剤を添加することが出来る。
【0061】例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エ
ステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル
アミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、
尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒
子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭
57−74193号公報、同57−87988号公報及
び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、
特開昭57−74192号公報、同57−87989号
公報、同60−72785号公報、同61−14659
1号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13
376号公報等に記載されている退色防止剤、特開昭5
9−42993号公報、同59−52689号公報、同
62−280069号公報、同61−242871号公
報および特開平4−219266号公報等に記載されて
いる蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整
剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等
の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0062】インク吸収層は2層以上から構成されてい
てもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成はお
互いに同じであっても異なっていても良い。
【0063】本発明のインクジェット記録用紙に用いら
れる支持体としては、支持体中にインク液が浸透しない
疎水性支持体を用いなければならない。このような支持
体として、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロ
イド等の材料からなるフィルム等、金属やガラス、さら
にはポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(い
わゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに
白色顔料を添加したホワイトペットなどが挙げられる。
【0064】本発明のインクジェット記録用紙では原紙
支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体
を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低
コストで高品質の画像が得られるために特に好ましい。
そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体につ
いて以下に説明する。
【0065】紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを
主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロ
ピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステ
ルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとし
てはLBKP,LBSP,NBKP,NBSP,LD
P,NDP,LUKP,NUKPのいずれも用いること
が出来るが短繊維分の多いLBKP,NBSP,LBS
P,NDP,LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSPおよびまたはLDPの比率は10重量%
〜70重量%が好ましい。
【0066】上記パルプは不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0067】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことが出来る。
【0068】抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの
規定で200〜500ccが好ましく、また、叩解後の
繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシ
ュ残分の重量%と42メッシュ残分の重量%との和が3
0〜70%であることが好ましい。なお、4メッシュ残
分の重量%は20重量%以下であることが好ましい。
【0069】原紙の坪量は30〜250gが好ましく、
特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜2
50μmが好ましい。
【0070】原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー
処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は
0.7〜1.2g/m2(JIS−P−8118)が一
般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に規
定される条件で20〜200gが好ましい。
【0071】原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズ
と同様のサイズ剤を使用できる。
【0072】原紙のpHはJIS−P−8113で規定
された熱水抽出法ににより測定された場合、5〜9であ
ることが好ましい。
【0073】原紙表面および裏面はを被覆するポリエチ
レンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)お
よび/または高密度のポリエチレン(HDPE)である
が他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用するこ
とが出来る。
【0074】特にインク受容層側のポリエチレン層は写
真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナ
ターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透
明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタ
ンの含有量はポリエチレンに対して通常3〜20重量
%、好ましくは4〜13重量%である。
【0075】ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いる
ことも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出
してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って
通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を
形成した物も本発明で使用できる。
【0076】原紙表裏のポリエチレンの使用量はインク
受容層やバック層を設けた後で低湿および高湿化でのカ
ールを最適化するように選択されるが、通常インク受容
層側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側が
10〜30μmの範囲である。
【0077】更に上記ポリエチレン被覆紙支持体は以下
の特性を有していることが好ましい。
【0078】引っ張り強さ:JIS−P−8113で
規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1〜
20kgであることが好ましい、 引き裂き強度:JIS−P−8116による規定方法
で縦方向が10〜200g、横方向が20〜200gが
好ましい、 圧縮弾性率≧103kgf/cm2が好ましい、 表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定され
る条件で20秒以上が光沢面としては好ましいが、いわ
ゆる型付け品ではこれ以下であっても良い、 不透明度:直線光入射/拡散光透過条件の測定条件で
可視域の光線での透過率が20%以下、特に15%以下
が好ましい。
【0079】本発明の記録用紙の空隙層および下引き層
など必要に応じて適宜設けられる各種の親水性層を支持
体上に塗布する方法は公知の方法から適宜選択して行う
ことが出来る。好ましい方法は、各層を構成する塗布液
を支持体上に塗設して乾燥して得られる。この場合、2
層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての親水性
バインダー層を1回の塗布で済ます同時塗布が好まし
い。
【0080】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2681294号公報記載のホッパーを
使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いら
れる。
【0081】本発明のインクジェット記録用紙を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好
ましく用いられる。
【0082】上記水性インクとは、下記着色剤及び液媒
体、その他の添加剤を有する記録液体である。着色剤と
してはインクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩
基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染
料あるいは水分散性顔料が使用できる。
【0083】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、tert−ブチル
アルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまた
はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキ
サントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコ
ール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノ
ールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコール
メチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエ
チル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエ
ーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等
が挙げられる。
【0084】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル等は好ましいものである。
【0085】その他の水性インクの添加剤としては、例
えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤、等が
挙げられる。
【0086】水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を
良好にするために、20℃において、通常25〜60d
yn/cm、好ましくは30〜50dyn/cmの範囲
内の表面張力を有するのが好ましい。
【0087】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるも
のではない。なお、実施例中で「%」は特に断りのない
限り絶乾重量%を示す。
【0088】又、以下のすべての例において支持体は両
面をポリエチレンで被覆した紙支持体(厚み240μ
m)とした。
【0089】塗布液中の組成の表記は、特に断りのない
限り塗布液1L中の有効成分の重量であり、塗布液組成
に明示されない残りの成分は水である。
【0090】実施例1 以下の組成からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤ
ーバーで湿潤膜厚100μmとなるように塗布・乾燥さ
せ、インクジェット記録用紙1を得た。
【0091】 コロイダルシリカ(日産化学社製:スノーテックスYL) 100g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g カチオン性ポリマー1 20g
【0092】
【化1】
【0093】カチオン性ポリマー1の平均分子量は2万
で、4万を越える分子量を持つ成分は全体の5%であっ
た。
【0094】実施例2 以下の組成からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤ
ーバーで湿潤膜厚100μmとなるように塗布・乾燥さ
せ、インクジェット記録用紙2を得た。
【0095】 コロイダルシリカ(日産化学社製:スノーテックスYL) 100g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g カチオン性ポリマー2 20g
【0096】
【化2】
【0097】カチオン性ポリマー2の平均分子量は40
00で、8000を越える分子量を持つ成分は全体の1
5%であった。
【0098】実施例3 カチオン性ポリマー3の20%水溶液100gに気相法
シリカ(日本アエロジル社製:アエロジル50)の20
%分散液を500g添加し、高圧ホモジナイザー(三和
工業社製)で500kg/cm2の圧力で分散し、複合
粒子分散液1を得た。
【0099】
【化3】
【0100】カチオン性ポリマー3の平均分子量は10
万で、20万を越える分子量を持つ成分は全体の5%で
あった。
【0101】上記複合粒子分散液1を用いて以下の組成
からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤーバーで湿
潤膜厚100μmとなるように塗布・乾燥させ、インク
ジェット記録用紙3を得た。
【0102】 複合粒子分散液1 600g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g 実施例4 カチオン性ポリマー4の20%水溶液100gに気相法
シリカ(日本アエロジル社製:アエロジル300)の2
0%分散液を500g添加し、高圧ホモジナイザー(三
和工業社製)で500kg/cm2の圧力で分散し、複
合粒子分散液2を得た。
【0103】カチオン性ポリマー4はカチオン性ポリマ
ー3と同組成であり、その平均分子量は1万で、2万を
越える分子量を持つ成分は全体の15%であった。
【0104】上記複合粒子分散液2を用いて以下の組成
からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤーバーで湿
潤膜厚100μmとなるように塗布・乾燥させ、インク
ジェット記録用紙4を得た。
【0105】 複合粒子分散液2 600g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g 実施例5 カチオン性ポリマー5の20%水溶液100gに気相法
シリカ(日本アエロジル社製:アエロジル200)の2
0%分散液を500g添加し、高圧ホモジナイザー(三
和工業社製)で500kg/cm2の圧力で分散し、複
合粒子分散液3を得た。
【0106】カチオン性ポリマー5はカチオン性ポリマ
ー3と同組成であり、その平均分子量は5万で、10万
を越える分子量を持つ成分は全体の5%であった。
【0107】上記複合粒子分散液3を用いて以下の組成
からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤーバーで湿
潤膜厚100μmとなるように塗布・乾燥させ、インク
ジェット記録用紙5を得た。
【0108】 複合粒子分散液3 600g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g 実施例6 以下の組成からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤ
ーバーで湿潤膜厚100μmとなるように塗布・乾燥さ
せた。
【0109】 気相法シリカ(日本アエロジル社製:アエロジル200) 100g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g 得られた被膜にさらにカチオン性ポリマー6の5%水溶
液をワイヤーバーで40g/m2となるように塗布し、
被膜の空隙内部に含浸させた。このようにしてインクジ
ェット記録用紙6を得た。
【0110】カチオン性ポリマー6はカチオン性ポリマ
ー3と同組成であり、その平均分子量は4万で、8万を
越える分子量を持つ成分は全体の5%であった。
【0111】実施例7 以下の組成からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤ
ーバーで湿潤膜厚100μmとなるように塗布した。
【0112】 気相法シリカ(日本アエロジル社製:アエロジル200) 100g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g この時、塗膜が乾燥する前の湿潤状態において、その表
面にカチオン性ポリマー7の5%水溶液をスプレーにて
40g/m2となるように塗布し、乾燥させた。このよ
うにしてインクジェット記録用紙7を得た。
【0113】カチオン性ポリマー7はカチオン性ポリマ
ー3と同組成であり、その平均分子量は2000で、4
000を越える分子量を持つ成分は全体の15%であっ
た。
【0114】比較例1 以下の組成からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤ
ーバーで湿潤膜厚100μmとなるように塗布・乾燥さ
せ、インクジェット記録用紙8を得た。
【0115】 コロイダルシリカ(日産化学社製:スノーテックスOL) 100g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g カチオン性ポリマー8 20g カチオン性ポリマー8はカチオン性ポリマー3と同組成
であり、その平均分子量は4000で、8000を越え
る分子量を持つ成分は全体の15%であった。
【0116】比較例2 以下の組成からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤ
ーバーで湿潤膜厚100μmとなるように塗布・乾燥さ
せ、インクジェット記録用紙9を得た。
【0117】 コロイダルシリカ(日産化学社製:スノーテックスYL) 100g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g カチオン性ポリマー9 20g カチオン性ポリマー9はカチオン性ポリマー3と同組成
であり、その平均分子量は1000で、2000を越え
る分子量を持つ成分は全体の15%であった。
【0118】比較例3 カチオン性ポリマー10の20%水溶液100gに気相
法シリカ(日本アエロジル社製:アエロジル300)の
20%分散液を500g添加し、高圧ホモジナイザー
(三和工業社製)で500kg/cm2の圧力で分散
し、複合粒子分散液4を得た。
【0119】カチオン性ポリマー10はカチオン性ポリ
マー3と同組成であり、その平均分子量は15000
で、30000を越える分子量を持つ成分は全体の10
%であった。
【0120】上記複合粒子分散液4を用いて以下の組成
からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤーバーで湿
潤膜厚100μmとなるように塗布・乾燥させ、インク
ジェット記録用紙10を得た。
【0121】 複合粒子分散液4 600g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g 比較例4 カチオン性ポリマー11の20%水溶液100gに気相
法シリカ(日本アエロジル社製:アエロジル200)の
20%分散液を500g添加し、高圧ホモジナイザー
(三和工業社製)で500kg/cm2の圧力で分散
し、複合粒子分散液5を得た。
【0122】カチオン性ポリマー11はカチオン性ポリ
マー3と同組成であり、その平均分子量は4万で、8万
を越える分子量を持つ成分は全体の25%であった。
【0123】上記複合粒子分散液5を用いて以下の組成
からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤーバーで湿
潤膜厚100μmとなるように塗布・乾燥させ、インク
ジェット記録用紙11を得た。
【0124】 複合粒子分散液5 600g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g 比較例5 以下の組成からなる塗布液を作製し、支持体上にワイヤ
ーバーで湿潤膜厚100μmとなるように塗布・乾燥さ
せ、インクジェット記録用紙12を得た。
【0125】 コロイダルシリカ(日本触媒社製:シーホスターKE−E20)100g ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA235) 30g ホウ酸 3.5g カチオン性ポリマー12 20g カチオン性ポリマー12はカチオン性ポリマー3と同組
成であり、その平均分子量は15万で、30万を越える
分子量を持つ成分は全体の5%であった。
【0126】以上のようにして得られたインクジェット
記録用紙1〜12を、それぞれ以下の項目について評価
した。
【0127】1)粒子径 空隙層の断面を電子顕微鏡で10万倍にして観察し、画
像解析によって粒子径を求めた。
【0128】2)光沢度 表面の75度光沢度を測定した。25以上あれば実用レ
ベルといえる。
【0129】3)まだら性 キャノン製インクジェットプリンタBJF600にてシ
アンのベタをプリントし、その均一性を目視評価した。
【0130】 ◎:全く均一なベタ画像である ○:観察距離30cm以上で均一に感じられる △:観察距離60cm以上で均一に感じられる ×:観察距離60cm以上でもまだらに感じられる。
【0131】○以上であれば実用上全く問題はない。
【0132】4)にじみ キャノン社製インクジェットプリンタBJF600にて
マゼンタの細線(幅1/300インチ)をプリントし、
23℃80%RHの環境に1週間放置してその細線の線
幅の増大率を求めた。
【0133】実用上1.20以下である必要がある。
【0134】5)耐水性 キャノン社製インクジェットプリンタBJF600にて
マゼンタのベタをプリントし、室温で多量の純水中に1
時間浸蹟し、濃度低下率を求めた。
【0135】実用可能レベルは0.85以上である。
【0136】すべての評価結果を表1に示す。
【0137】
【表1】
【0138】本発明内の記録用紙1〜7(実施例1〜
7)はいずれの特性も少なくとも実用可能レベルにある
のに対し、本発明外の記録用紙8〜12(比較例1〜
5)は、少なくとも何れかの特性に実用上問題が出てし
まうことがわかる。
【0139】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明のインク
ジェット記録用紙は、インク吸収速度と表面光沢度に悪
影響を及ぼすことなく耐水性及び耐湿性を改良したイン
クジェット記録用紙とその製造方法を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA14 BA15 BA16 BA32 BA34 BA41 BA45

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非吸収性支持体上に、親水性バインダ
    ー、カチオン性ポリマーおよび無機微粒子を含有する多
    孔質層を少なくとも1層有するインクジェット記録用紙
    において、カチオン性ポリマーの平均分子量をMn、無
    機微粒子の平均粒径をd(nm)としたとき、 50≦d≦150 2000≦Mn≦5×d2 であって、かつ、カチオン性ポリマーの分子量分布を測
    定したときに、分子量が平均分子量の2倍を越える成分
    が重量比で20%以下であることを特徴とするインクジ
    ェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記無機微粒子がシリカを主成分とする
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用
    紙。
  3. 【請求項3】 親水性バインダーがポリビニルアルコー
    ルであることを特徴とする請求項1又は2記載のインク
    ジェット記録用紙。
  4. 【請求項4】 非吸収性支持体上に、親水性バインダ
    ー、カチオン性ポリマーおよび無機微粒子を含有する多
    孔質層を少なくとも1層有するインクジェット記録用紙
    の製造方法において、カチオン性ポリマーの平均分子量
    をMn、無機微粒子の平均粒径をd(nm)としたと
    き、 50≦d≦150 2000≦Mn≦5×d2 であって、かつ、カチオン性ポリマーの分子量分布を測
    定したときに、分子量が平均分子量の2倍を越える成分
    が重量比で20%以下にすることを特徴とするインクジ
    ェット記録用紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002254797A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Nisshinbo Ind Inc インクジェット記録用シート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002254797A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Nisshinbo Ind Inc インクジェット記録用シート
JP4549555B2 (ja) * 2001-02-28 2010-09-22 日清紡ホールディングス株式会社 インクジェット記録用シート

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