JP3812870B2 - 湿式電子写真印刷用の感圧接着シート - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、液体トナーを使って印刷する、いわゆる「湿式電子写真印刷方式」に好適に使用できる感圧接着シートに関する。詳しくは、一時的に接着するが、必要に応じて容易に剥離できる見開き面を有する折り畳みシート、重ね合わせシート、例えば、情報隠蔽シート等の親展性を持つ葉書、封書、通知書、カード、くじ等の情報担持用シートに好適に使用できる湿式電子写真印刷用の感圧接着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、文字や画像等の情報を多量に複製する方法としては、オフセット印刷やグラビア印刷等の印刷方法があった。これら従来の印刷方法は、情報を複製した印刷版を作り、その印刷版から紙等の記録シートへインクを転写させて情報の複写を行うという特徴がある。印刷版の作製作業は、手間および時間のかかる作業であるため、従来の印刷方法は、同一情報を多量に複製する方式としては大変優れた方式であるが、多種多用な情報を少量ずつ色々な組み合わせで複製することには向かない方式である。
【0003】
このような背景から、コピー機に代表される電子印刷法が、少量の複製を行う方式として主流になってきた。電子印刷法は製版作業が不必要となるので、従来の印刷法が苦手とする少量の複製に適した方法である。この電子印刷法としては、感熱記録方式、電子写真記録方式、熱転写記録方式、インクジェット記録方式等、数々の方式が提案され、これら各方式を利用したコピー機、プリンター、ファクシミリ等が実際に数多く出回っている。
【0004】
現在では、文字と簡単なイラスト程度の情報の複製の場合、モノクロコピー機を利用することが一般的になっているが、写真のようにグラデーションがあり、フルカラーの情報の印刷の場合、従来の印刷法を採用することの方が多かった。これは、画質品質、コスト、スピード等で、従来の印刷方法と比較して電子印刷方式が劣ることが多いためである。
【0005】
電子印刷法のうち、乾式電子写真方式は、事務用複写機等に代表される方式で、画像を形成するトナーは、顔料と合成樹脂からなる固体粉末トナーを使用する。画像形成の方法は、コロナ帯電によって発生させた静電潜像のトナーをドラム等に吸着させ、このトナーを記録シートに加熱圧着して転写する方式で記録(印刷)を行う。この乾式電子写真方式では、トナーを微細化すればするほど解像度が向上する特徴を有するが、そうするとトナーが周辺に飛散しやすくなり、これを吸入した場合健康上問題があるため、トナーを微細化するには限界があり、そのため高解像度が得られにくくなる。また記録シートとして紙等を使用すると厚さが不均一になりやすく、コロナ放電による記録シート面の電荷密度にばらつきが生じたり、ある程度高い温度で溶融固化しなければならないためカールを生じたりする等の多くの問題点がある。
【0006】
インクジェット方式は、細かなインク滴を記録シート表面に噴出し、画像を形成する方法であるが、色材として染料を用いた水溶性インキを使用するため、耐候性や耐水性に乏しくなり、また液体吸収能力の高い専用紙を使用しなければならないという問題点がある。また、感熱記録方式や熱転写記録方式は、特殊な記録シートを使わねばならず、コストがかかる問題点が指摘されている。
【0007】
以上述べたような事情から、高画質、高速、安価等の条件を満たすことを考えた場合、各種電子印刷方式の中でも、湿式電子写真方式が最も有望であると言われている。湿式電子写真方式は、乾式電子写真方式に比べてよりトナーを微細化でき、色材として顔料を使用できるために耐候性や耐水性の問題もない長所を有している。
【0008】
一方郵便法の改正に伴い、「感圧接着葉書」や「感圧接着封筒」と呼ばれるものが郵送コストの低減と親展性の確保を目的に多方面で利用されつつある。この構成の一例に、基体シートに圧力により接着可能な再剥離型の感圧接着剤を塗布した用紙を用い、親展情報を印字した後にV折り若しくはZ折り等に折り畳んで加圧ロール間に通して隠蔽したい情報が記録(印刷)された面(親展面)同士を接着し、葉書または封書を製造する方法がある。受取人は葉書または封書を受け取った後に接着された親展面を剥離して情報を読み取る。剥離した後は通常の方法では再接着できない工夫をしており、郵送途中で開封された否かを判定できる機能(親展性)を確保している。
【0009】
この感圧接着シートには種々の方法が提案されている。例えば特開平4−59395号には、基体シート面の少なくとも一部に、非剥離性接着剤基剤とその接着剤基剤に対し非親和性を示す微粒状充てん剤とから成る接着剤組成物の層を設けたことを特徴とする情報担体用シートの提案がある。この提案では平均粒子径が10mμm〜30μm、好ましくは1〜20μmのシリカと他の充填剤の組み合わせからなる微粒状充てん剤を、感圧接着剤100重量部に対して100〜400、好ましくは130〜300、より好ましくは150〜250重量部添加することで、耐ブロッキング性を向上させ、静電記録時に使用するシリコンオイルを吸収し接着力の低下を無くしている。
【0010】
また特開平7−18232号には、支持体シートの少なくとも片面の一部に、ラテックスから成る感圧接着剤と、この感圧接着剤に対して非親和性を示す2種類以上の微粒子充填剤と、前記感圧接着剤と微粒子充填剤との両者に対して親和性を有する変性ポリビニルアルコールとからなる疑似接着剤の層を設けた情報担体用シートが提案されている。これらの感圧接着紙用紙は乾式電子写真方式のプリンタを対象にして開発されたものである。現在実用化されているものは、感圧接着剤を塗布した用紙をビジネスフォーム用印刷機で定型文や罫線等をオフセットUV印刷後、帳票に加工する。加工された帳票を乾式電子写真方式のプリンタで個人情報等の印字を行う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
湿式電子写真方式を用いたデジタル印刷方式は優れた利点を有する新しい印刷機であるが、その特性を最大限に発揮させるためには、使用する記録シートに特別の性能が要求される。すなわち、記録シートには、トナーと記録シートとの密着性が良好なこと、トナーの記録シートへの転移がよいこと、転移しても加圧ロールを通した時に加圧ロールにトナーが転移して加圧ロールを汚さないこと、感圧接着シートを開封するときにトナーが他の面に転写して情報の判読が困難にならないこと等の性能が要求される。
【0012】
本発明はこれらの要求性能を満たした湿式電子写真印刷用の感圧接着シートを開発することを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、感圧接着シートに使用する感圧接着剤として、天然ゴムに対してメチルメタクリレートを5〜20重量%グラフト重合した接着剤が最も効果があることを見出した。さらに他の面において、ポリエチレンを主成分とし、ポリマー連鎖間に金属イオン結合を有する樹脂層を形成することで、本発明の完成に至った。
【0014】
すなわち本発明は、基体シ一トの一方の表面に、天然ゴムに対して5〜20重量%のメチルメタクリレ一トをグラフト重合した感圧接着剤層が3〜10g/m2形成され、かつ他の面にポリエチレンを主成分とし、ポリマー連鎖間に金属イオン結合を有する樹脂層を形成したことを特徴とする湿式電子写真印刷用の感圧接着シ一トである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明を詳細に説明する。本発明の基体シートは、紙、合成紙、合成樹脂フィルム、不織布等のシート状物を使用する。紙としては、通常針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の製紙用パルプを、300〜600mlC.S.F.に叩解し、これにクレー、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン等のフィラー、澱粉、PVA、ポリアクリルアマイド等の紙力増強剤、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド・エピクロルヒドリン、ポリアクリルアミド等の湿潤紙力増強剤、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤等のサイズ剤、蛍光増白剤、着色染顔料、定着剤等を適宜添加し、円網抄紙機や長網抄紙機等の公知の抄紙機を使用して常法に基づき、通常40〜150g/m2で抄紙する。なお、抄紙途中でサイズプレス装置等で、サイズ剤、紙力増強剤等を塗布することも適宜行うことができる。また、本発明の目的を阻害しない範囲でその表面に平滑性を向上するための填料とバインダーからなる塗布層等を設けることもできる。
【0016】
本発明で使用する天然ゴムを主成分とする感圧接着剤は、天然ゴムに周知の方法を使用してメチルメタクリレートを重合することで得られるが、メチルメタクリレートのグラフト重合率は5重量%未満では、トナーの転移定着が充分でなく、20重量%を超えると天然ゴムの接着力が著しく低下するために、感圧接着紙として使用できなくなるため、天然ゴムに対してメチルメタクリレートを5〜20重量%グラフト重合させることが必要である。また、感圧接着剤の塗布量は、3g/m2未満では接着力が不足し、10g/m2を超すと接着力が強すぎて剥離できなくなるので、基体シート片面あたり3〜10g/m2とすることが必要であり、この塗布にはエアーナイフコーター、グラビアコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方式が使用される。
【0017】
本発明では前記感圧接着剤に、本発明の目的を阻害しない範囲で添加物を添加できる。例えば填料として、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、プラスチックピグメント等を、また小麦粉等の穀物澱粉粒子等も使用できる。これら接着剤と填料、穀物澱粉粒子等と老化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜組み合わせ、公知の方法で用紙を保存中にブロッキングを起こさず、感圧接着強度が良好で、感圧接着後適度の力で剥離でき親展情報を読み取ることができ、通常の方法では再接着出来ない性能を持たせる。
【0018】
本発明の湿式電子写真印刷用の感圧接着シートは、後に述べるように種々の用途に使用できるが、以下、V折り、Z折りの感圧接着葉書を例として説明する。図1は、V折りを折り込んだ状態の説明図であり、図4は、Z折りを折り込んだ状態の説明図である。
【0019】
Z折り、W折り等多折り形式の場合は前記感圧接着剤層を基体シートの両面に設けることが必要であるが、V折りの形式の場合は、感圧接着剤が片面のみの塗布となる。この場合、感圧接着剤を塗布していない面はトナーの転移密着が良好でなく、加圧ロールでトナーが剥がれやすくなるので、その対策を講じることが必要となる。
【0020】
本発明者が種々検討した結果、ある特殊な樹脂を使用することでこの課題を解決出来ることが判った。即ち、前記感圧接着剤塗布面と反対の面に、ポリエチレンを主成分とし、ポリマー連鎖間に金属イオン結合を有する樹脂(以下「ポリエチレンアイオノマー樹脂」と呼ぶ)を使用することで前記課題を解決できることが判った。
【0021】
このポリエチレンアイオノマー樹脂は、感圧接着剤を塗布しない面に存在していれば良く、加工の形態を選ばない。例えば、ポリエチレンアイオノマー樹脂のみをシート基材の表面に塗布しても良く、または、その他の物質と混合し、塗布しても良い。このポリエチレンアイオノマー樹脂を基材シート表面に塗布した場合、わずか0.01g/m2の固形分塗布量で効果が発揮されることから、いずれの加工形態を採った場合でも、これら樹脂がごくわずかの量でシート基材表面に存在すればよいことがわかる。
【0022】
参考例1
坪量80g/m2の上質紙の両面に、メチルメタクリレートを天然ゴムに対して15重量%グラフト共重合した天然ゴムラテックス(商品名「QY−04」、クォー・ユー化成(有)製造)100重量部に対して、平均粒径1.8μmの合成シリカ(商品名「サイリシア350」、富士シリシア(株)製造)50重量部と、平均粒径17μmの小麦澱粉を100重量部添加して調製した接着剤塗布液をエアーナイフコーターを使用して表面に5g/m2、裏面に8g/m2塗布して、Z折りの感圧接着紙を作製した。
【0023】
参考例2
参考例1の接着剤における天然ゴムラテックスのメチルメタクリレートのグラフト重合率を5重量%に変更した以外は、参考例1と同様にして感圧接着紙を作製した。
【0024】
参考例3
参考例1における接着剤のシリカを軽質炭酸カルシウムに変更した以外は、参考例1と同様にして感圧接着紙を作製した。
【0025】
【実施例】
実施例1
坪量140g/m2の上質紙の片面に参考例1と同じ接着剤を表面に5g/m2、もう一方の裏面にポリエチレンアイオノマー樹脂の水性ディスパージョン(三井化学製、商品名「ケミパールS120」)を、0.05g/m2となるようにそれぞれエアーナイフコーターで塗布し、V折りの感圧接着紙を作製した。
【0026】
比較例1
参考例1の接着剤における天然ゴムラテックスのメチルメタクリレートのグラフト重合率を25重量%に変更した以外は、参考例1と同様にして感圧接着紙を作製した。
【0027】
比較例2
参考例1における接着剤の天然ゴムラテックスをメチルメタクリレートグラフト重合しないものに変更した以外は、参考例1と同様にして感圧接着紙を作製した。
【0028】
比較例3
実施例1におけるポリエチレンアイオノマー樹脂水性ディスパージョンを塗布しない以外は実施例1と同様にして感圧接着紙を作製した。
【0029】
以上の参考例、実施例および比較例で得られた湿式電子写真印刷用の感圧接着シートのサンプルを、以下に述べる評価法に従って、その転移定着性と感圧接着紙実用性能の評価を行った。評価の方法は、感応試験による転移定着性評価と感圧接着紙の実用性能評価である。具体的には、湿式電子写真印刷機(商品名「E−PRINT」、INDIGO社製造)を用いて各サンプルに印刷を行い、その印刷物を評価に用いた。転移定着性評価は、転写試験、セロハンテープ剥離試験、消しゴム擦り試験、爪引っかき試験の四つの試験を各4点、合計16点満点で評価した合計点数である。感圧接着紙の実用性能評価は接着力、剥離時の他面へのトナー転移、加圧ロール汚れで行った。
【0030】
以下、転移定着性評価について詳しく説明する。「転写試験」とは、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4色のトナーをそれぞれベタ印刷し、印刷後にトナーが記録シートに正しく転移されているかを肉眼で確認する試験であり、各評価点は以下の通りとした。
4点:4色ともきれいに印刷されている状態
3点:転移不良部の面積が全印刷面積に対して5%以下である状態
2点:転移不良部の面積が全印刷面積に対して5%より大きく、10%以下で ある状態
1点:転移不良部の面積が全印刷面積に対して10%より大きく、15%より 小さい状態
0点:転移不良部の面積が全印刷面積に対して15%以上の状態
【0031】
「セロハンテープ剥離試験」とは、前記4色のベタ印刷部にセロハン製粘着テープ(商品名「セロテープ」、ニチバン(株)製造)を5kgのゴムロールを1往復して貼り付け、1時間後に剥がした場合のトナーの剥離度合いを肉眼で判断する試験方法であり、各評価点は以下の通りとした。
4点:4色ともトナーが印刷面から剥がれない状態
3点:剥離面積が全印刷面積に対して5%以上の状態
2点:剥離面積が全印刷面積に対して5%より大きく、10%以下である状態
1点:剥離面積が全印刷面積に対して10%より大きく、15%より小さい状態
0点:転移不良部の面積が全印刷面積に対して15%以上の状態
【0032】
「消しゴム擦り試験」とは、プラスチック消しゴム(商品名「MONO」、トンボ鉛筆(株)製造)で印刷面を5往復擦った場合に、印刷面のトナーの消し取られ度合いを肉眼で判断する試験方法であり、各評価点は以下の通りとした。
4点:4色すべてが消し取られない状態
3点:消去面積が全印刷面積に対して5%以下の状態
2点:消去面積が全印刷面積に対して5%より大きく、10%以下の状態
1点:剥離面積が全印刷面積に対して10%より大きく、15%より小さい状態
0点:転移不良部の面積が全印刷面積に対して15%以上の状態
【0033】
「爪引っかき試験」とは、爪で印刷面を一度引っかいた場合のキズ付き度合いを肉眼で判断する試験であり、各評価点は以下の通りとした。
4点引っかいても4色全てのトナーが取られない状態
3点:4色のうち、1色が取られる状態
2点:4色のうち、2色が取られる状態
1点:4色のうち、3色が取られる状態
0点:4色のうち、4色が取られる状態
【0034】
上記4試験の各評点を合計し、最高16点、最低0点で点数化したものが感応試験による転移定着性評価であり、セロハン製粘着テープの貼り付け、爪で擦られる、消しゴムで消す等の行為は、印刷物が実際受けるであろう外力を想定しており、トナーの転移定着性が実用的かどうかの判断に適する。すなわち、上記の評価が16点であれば、転移定着性は完璧である。また、オフセット印刷された印刷物について、同様の試験を行った場合、上記評価は、12〜14点であるので、12〜14点のものは通常の印刷物と同等の定着性を有すると言える。また、上記点数が8〜11点では、転移性はほぼ完璧であるが、定着性がオフセット印刷のそれに対してやや劣る。上記評価が7点以下の場合、転移性が劣るために、情報の複写という最低限のレベルも満たさず、実用には不向きである。
【0035】
次に感圧接着紙の実用性能評価について述べる。接着力試験は印刷サンプルをV折り、またはZ折りにしてシーラー(商品名「DS−6860」、トッパン・フォームズ(株)製造)で感圧接着後、テンシロン万能引っ張り試験機で180度剥離強度を測定した(引っ張り速度は300mm/分)。本発明では接着力は40〜100g/25mmであることが必要である。
【0036】
接着力が40g/25mmより低いと配達先に届く前に開いてしまうし、100g/25mmより高いと剥離しようとしても紙が破けて情報が読めなくなる。各評価は以下の通りとした。
○:接着力が40g〜100g/25mmの範囲にある状態
△:接着力が10g以上40g未満、または100g以上150g未満の状態
×:接着力が10g未満、または150g以上の状態
【0037】
剥離時の他面へのトナー転写の試験はシーラーで適当な接着力に感圧接着後、剥離して、他の面へのトナーの転移を目視で判断した。各評価は以下の通りとした。
○:画像転写が全くない状態
△:転写部の面積が全印刷面積に対して10%未満の状態
×:転写部の面積が全印刷面積に対して10%以上の状態
【0038】
加圧ロール汚れの試験はシーラーに一定の枚数を通したときに感圧接着ロールに付くトナーを目視で観察した。各評価は以下の通りとした。
○:500枚通しても汚れない状態
△:100枚から500枚通すと汚れる状態
×:100枚未満で汚れる状態
【0039】
上記の評価が全て○であるならば、感圧接着紙として実用上問題ないレベルである。
【0040】
参考例1〜3、実施例1および比較例1〜3の上記感応試験による転移定着性評価結果を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
参考例1〜3、実施例1および比較例1〜3の上記感応試験による、感圧接着紙の実用性能評価結果を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】
表1と表2の結果から明らかなように、実施例において得られた感圧接着紙は、湿式電子写真印刷適性に優れ、トナーの転移定着性においても優れていることが判る。また、感圧接着紙としても実運用上問題なく使用できる。これに対し、比較例の感圧接着記録用紙では、湿式電子写真適性と感圧接着紙として実用上必要な性能を両立できていないことが判る。
【0045】
【発明の効果】
本発明の湿式電子写真印刷用の感圧接着シートは湿式電子写真方式で良好な印刷ができ、トナーの転移定着も優れ、感圧接着させた後も、シートを剥離させて隠蔽情報を読み取る際にトナー転写がなく、また感圧接着時にシーラーのロール汚れもなく、適当な接着力が得られる。このような特性を利用して本発明の感圧接着シートは、葉書や封書等の通知業務や、機密書類、各種くじ、グリーティングカード、等で湿式電子写真用感圧接着シートとして幅広い業務に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 V折りを折り込んだ状態の説明図である。
【図2】 V折りの概略的表面展開図である。
【図3】 V折りの概略的裏面展開図である。
【図4】 Z折りを折り込んだ状態の説明図である。
【図5】 Z折りの概略的表面展開図である。
【図6】 Z折りの概略的裏面面展開図である。
【符号の説明】
1 宛先情報
2 隠蔽情報
3 折り線
Claims (1)
- 基体シ一トの一方の表面に、天然ゴムに対して5〜20重量%のメチルメタクリレ一トをグラフト重合した感圧接着剤層が3〜10g/m2形成され、かつ他の面にポリエチレンを主成分とし、ポリマー連鎖間に金属イオン結合を有する樹脂層を形成したことを特徴とする湿式電子写真印刷用の感圧接着シ一ト。
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