JPH09315016A - 溶融型熱転写記録用受容紙 - Google Patents

溶融型熱転写記録用受容紙

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JPH09315016A
JPH09315016A JP8129704A JP12970496A JPH09315016A JP H09315016 A JPH09315016 A JP H09315016A JP 8129704 A JP8129704 A JP 8129704A JP 12970496 A JP12970496 A JP 12970496A JP H09315016 A JPH09315016 A JP H09315016A
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JP
Japan
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paper
ink
acceptive
thermal transfer
calcium carbonate
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JP8129704A
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English (en)
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Tomofumi Tokiyoshi
智文 時吉
Yoshio Mizuhara
由郎 水原
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱溶融インク型の熱転写記録方式を利用した
複写機、プリンタ、ファクシミリ等で使用され、フルカ
ラーにおける記録画像が高画質の溶融型熱転写記録用受
容紙(受容紙)で、記録部分や白紙部分の汚れがなく、
かつインクの転写受理性、再現性、定着性、階調性、鮮
鋭性(ドットのフトリ、ブリッジングがなく)が良好な
受容紙を提供する。 【解決手段】 基紙上に、接着剤と顔料を主成分とし熱
溶融性インクを受容するインク受容層を設けた受容紙に
おいて、前記受容層が、顔料の主成分として平均粒子径
が0.5〜5.0μmであり、かつアスペクト比(長径
/厚み、または直径/厚み)が5〜500である六角板
状および/または円板状の軽質炭酸カルシウムを含有す
る受容紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱溶融インク型の
熱転写記録方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシ
ミリ等で使用される受容紙に関し、特にフルカラーにお
けるインク受理性及びドット再現性に優れ、記録画像が
高記録画質である溶融型熱転写記録用受容紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年OA化の進展に伴い、電子写真方式
や熱転写記録方式等の各種記録方式を利用した複写機や
プリンタ、ファクシミリ等が、それぞれの用途に応じて
広く用いられるようになっている。この画像形成には有
色の色材が用いられ、通常は色材を溶融、蒸発、昇華さ
せて紙やフィルムシート等の記録媒体の上に転移させて
粘着、吸着、染着作用により記録画像を得ている。
【0003】この種の記録方式の中で、熱溶融性インク
層を有するインクリボンやインクシートをサーマルヘッ
ドの発熱により溶融させ、色材を記録媒体に転移させて
記録像を得る熱溶融インク型の熱転写記録方式が最近注
目されている。そしてこの方式は、記録用受容紙として
普通紙を利用できることが特徴とされている。
【0004】しかし、この熱転写記録方式にも、他の記
録方式と同様にフルカラー記録、高速記録、鮮明画像、
高解像度化等の要望が強くなり、普通紙では満足できな
くなってきた。例えばカラー熱転写プリンタ等で多色記
録を行う場合にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
ク等の色材とワックス類や樹脂類等を有するインクリボ
ンと記録媒体を組合せ、サーマルヘッドで印加して記録
媒体上に転写像を形成する。フルカラーの多色記録の場
合は各色のインクが重なり合うために、記録用受容紙と
して普通紙を用いるとインク受容層表面の平滑性やイン
ク受理性に起因して、転写ムラやドット抜け等の欠点が
生じ易く難点となる。
【0005】このために、記録用受容紙の表面平滑性を
改良する方法としてベック平滑を特定したり(特開昭6
0−110488号公報)、特定の顔料やバインダーを
含有する熱転写受容層を設ける方法(特開昭60−11
0489号公報、60−110490号公報)等が行わ
れている。しかし、これら従来の方法は改良効果がある
程度認められるが、多色記録のカラーインクの重なり部
における転写ムラや色ズレ、あるいは転写インクドット
の抜けやドット形状の再現性不良等による、画像鮮明性
の低下等は完全には解消されていない。従って、単に平
滑化処理等を強化して平滑性を高めたり、熱転写受容層
に顔料やバインダーを含有させるだけでは不十分であ
り、上記欠点を解消してインクの転写性やドット再現性
に優れ、高記録画質の記録画像が得られる溶融型熱転写
記録用受容紙は未だに得られていないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶融型熱転
写記録方式に用いる受容紙に関し、特にインクの転写受
理性、再現性、定着性、階調性、鮮鋭性(ドットの太
り、ブリッジングがなく)に優れ、かつ記録部分および
白紙部分の汚れがなく、高品位で高画質な記録画像が得
られる溶融型熱転写記録用受容紙を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の溶融型熱転写記
録用受容紙は、基紙上に、接着剤と顔料を主成分とし熱
溶融性インクを受容するインク受容層を設けた溶融型熱
転写記録用受容紙において、前記受容層が、顔料の主成
分として平均粒子径が0.5〜5.0μmであり、かつ
アスペクト比(長径/厚み、または直径/厚み)が5〜
500である六角板状および/または円板状の軽質炭酸
カルシウムを含有することを特徴とするものである。ま
た、本発明の溶融型熱転写記録用受容紙は、JIS−K
−5101に基づく、前記軽質炭酸カルシウムの吸油量
が20〜100ml/100gであることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者等は、特にインクの受理
性に優れ、転写ムラ,ドット抜け、ドット太り、ドット
のブリッジングがなく、高画質で高品位な溶融型熱転写
記録用受容紙を得るために鋭意検討を行った。その結
果、インク受容層に平均粒子径が0.5〜5.0μmで
あり、特定のアスペクト比(長径/厚み、または直径/
厚み)を有する六角板状および/または円板状軽質炭酸
カルシウムを用いることによって、公知技術からは到底
予測もできない顕著な効果が得られ、かつ記録部分や白
紙部分の汚れも生じないことを見出し本発明を完成する
に至った。なお、六角板状炭酸カルシウムの場合には、
その平面形状は必ずしも正六角形ではないために最も長
い径を長径とした。
【0009】インクの受理性を向上させるためには、イ
ンクの転写性と吸収性を向上させる必要がある。インク
の転写性はインク受容層表面の平滑性に依存し、インク
の吸収性はインク受容層表面の空隙量、顔料の吸油性に
依存する。よって平滑性が高く、空隙量が多いインク受
容層が、インクの転写性および吸収性に対して有効であ
ると推測される。一般にインク受容層の平滑性を向上さ
せるためには、例えば六角板状のカオリンが有効である
が、平均粒子径が0.5μm未満と小さいため、インク
受容層が緻密になりインクが浸透せず、ドットが再剥離
し、ドットの抜けが発生する。一方、インクの吸収性を
向上させるためにはインク受容層表面の空隙量、顔料の
吸油性を高める必要があり、一般に平均粒子径が1〜5
μmの立方状、紡錘状、針状等の軽質に炭酸カルシウム
が有効であるが、形状的に受容層表面の平滑性向上に限
界があるため、ドットの転写性が不足して所望の記録品
質を得ることが出来ない。
【0010】本発明では顔料の主成分として、アスペク
ト比が5〜500である六角板状または円板状炭酸カル
シウムを用いることを特徴とし、長径(六角板状の場
合)または直径(円板状の場合)が0.5〜5.0μ
m、厚みが0.005〜0.5μmの範囲であることが
好ましく、さらにアスペクト比は10〜200であるこ
とが好ましい。本発明で用いる六角板状または円板状炭
酸カルシウムは、その形状が板状であるため、インク受
容層を形成する際に、平面に配列して受容層表面の平滑
性が向上し、インクの転写性が向上する。更に顔料間に
空隙を有するため、インク受容層の断熱性並びに浸透性
が向上し、良好なインク転写性と吸収性を示すことが明
らかとなった。アスペクト比が5より小さい場合、立方
状に近い形状となり、インク受容層の平滑性が低下す
る。一方アスペクト比が500を越える場合には、顔料
の厚みが薄過ぎて空隙が不足し、インク吸収性が低下
し、所望とする画質を得ることが出来ない。
【0011】本発明で用いられる六角板状または円板状
炭酸カルシウムの合成方法については、特に限定されな
いが、板状炭酸カルシウムの合成方法としては、一般に
(1)板状形態の消石灰を乾式で炭酸化する方法、
(2)板状形態の塩基性炭酸カルシウムを乾式または水
溶性炭酸塩で炭酸化する方法(特公平2−31007号
公報、特公平4−69567号公報、特公昭63−64
94号公報)、(3)炭酸水素カルシウム溶液を加熱脱
炭酸する方法(特公平2−55367号公報)などはす
でに公知である。さらに、不安定な板状形態の塩基性炭
酸カルシウムに有機ホスホン酸化合物を吸着させること
により安定化し、六角板状構造を保ったまま炭酸化が進
行し、六角板状炭酸カルシウムの合成ができること(特
公平6−96449号公報など)や、また、板状形態の
塩基性炭酸カルシウムの合成時に、ジエチレントリアミ
ンなどの有機アミン化合物を添加、炭酸化を継続するこ
とにより、円板状炭酸カルシウムが合成できることなど
もすでに知られている。なお、これらはいずれも一次粒
子である。例えば、六角板状軽質炭酸カルシウムとして
は米庄石灰工業社製の#500(:商品名、平均粒子径
1.5μm)、#800(:商品名、平均粒子径0.8
μm)、また、円板状軽質炭酸カルシウムとしては津久
見ファインセラミックス研究センター社製のD00
2(:商品名、平均粒子径1.4μm)、D002
H(:商品名、平均粒子径2.0μm)などが挙げられ
る。
【0012】また、平均粒子径は、0.5〜5.0μm
の範囲であることが必要であり、好ましくは、0.8〜
3.0μmである。この場合、六角板状または円板状の
軽質炭酸カルシウムは顔料間の空隙を十分に有し、イン
ク受容層の断熱性及びインクの浸透性が高くなるため、
良好なインク転写性並びにインク吸収性を示す。因みに
平均粒子径が0.5μm未満の場合には、インクの浸透
不足によるドットの再剥離が発生する。一方、5.0μ
mを越えるとインクの浸透性は高くなるが、転写性が著
しく低下するため、所望とする画質を得ることが出来な
い。因みに、同様な形状の板状カオリンは配列して、受
容層表面は平滑になるが、平均粒子径が0.5μm以下
であるため顔料間の空隙が少なくインク受容層が緻密に
なりインクが浸透せず、ドットが再剥離し、ドットの抜
けが発生する。
【0013】本発明の六角板状、または円板状の軽質炭
酸カルシウムの吸油性は、JIS−K−5101に従っ
て測定された吸油量が20〜100ml/100gであ
ることが望ましい。この吸油量が20ml/100g未
満では、インクの吸収性が低下する。一方、100ml
/100gを越えると、インクの太り、ブリッジングが
発生し易くなり、画質が低下する場合がある。
【0014】一般に、球状の顔料などにおいては、本発
明の範囲の吸油性や、平均粒子径を満足していても、記
録時にインクリボンと接触した際に、記録に関係のない
部分にインクが転写され白紙部の汚れが生じることがあ
るが、本発明で用いられる六角板状または円板状の軽質
炭酸カルシウムの場合には、白紙部分の汚れが発生しな
いことも特徴である。これは、板状であるため、受容層
表面とインク面とが接触しても摩擦によってインクが剥
ぎ取られないことが考えられる。
【0015】本発明のインク受容層においては、顔料と
して六角板状または円板状の軽質炭酸カルシウムを主成
分として用いるものであるが、本発明の目的を損なわな
い範囲内で、一般の塗工紙に用いられる各種の顔料、例
えばカオリンなどのクレー類、焼成カオリンなどの焼成
クレー類、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、酸
化マグネシウム、シリカ、ベントナイト、ゼオライト、
セリサイト等の鉱物質顔料やポリスチレン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂等の顔料を併せ含有す
ることもできる。
【0016】なお、インク受容層に用いられる接着剤と
しては、水溶性、または水分散性の高分子化合物が使用
され、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性
澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱
粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、
カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成
高分子化合物;ポリビニルアルコール、イソプレン、ネ
オプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテ
ン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン
等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、ス
チレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エス
テル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル
等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエ
ン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴ
ムラテックス、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メ
ラミン樹脂等の合成高分子化合物等が例示できる。そし
て、これらの中から溶融型熱転写記録用受容紙の品質目
標に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用さ
れる。接着剤の配合割合は、顔料に対して7〜60重量
%の範囲である。因みに、5重量%未満では、受像層の
表面強度が弱く、ドットの形状的な欠損が発生するとい
った問題がある、一方、60重量%を越えると、本発明
で用いた六角状、または円板状の軽質炭酸カルシウムの
空隙が埋められてしまい、インクの受理性が著しく低下
し、本発明の所望とする記録画像を得ることができな
い。
【0017】この塗被液中には、これらの他に各種助
剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟
剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導
電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、
蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化
剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等が必要に応じて適宜
使用することも可能である。
【0018】塗被組成物塗被液の塗布量については、本
発明の溶融型熱転写記録用受容紙の使用目的に応じて選
択されるものであるが、一般的には、原紙表面の繊維を
完全に覆う程度が必要であり、乾燥重量で1層当たり6
〜30g/m2 が適当である。インク受容層を形成する
塗被方法としては一般に公知の塗被装置、例えばブレー
ドコータ、エヤーナイフコータ、ロールコータ、リバー
スロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイス
ロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコー
タ、ブラシコータ、ツーロールあるいはメータリングブ
レード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、
ショートドウェルコータ、ゲートロールコータ等の装置
が適宜用いられる。これらの装置はオンマシンコータあ
るいはオフマシンコータとして慣用の方法で用いられ
る。
【0019】インク受容層を形成するに当たり、インク
受容層を1層、あるいは必要に応じて2層以上の多層構
造にすることも可能である。なお、多層構造にする場
合、各々の塗被液が同一である必要はなく、所要の品質
レベルに応じて適宜調整して配合されればよく、特に限
定されるものではない。また、支持体の裏面に合成樹脂
層や顔料と接着剤等からなる塗被層、帯電防止層等を設
けてカール防止、印刷適性付与、給配紙適性等を付与す
ることも可能である。さらに、支持体の裏面に種々の加
工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑
等の後加工を施すことにより、用途適性を付加して使用
することも勿論可能である。
【0020】本発明の溶融型熱転写記録用受容紙は、通
常の乾燥工程後や表面処理工程前で水分が3〜10重量
%、より好ましくは4〜8重量%程度となるように調整
して仕上げられる。なお、平滑化処理を施す際に、JI
S−P−8119に準拠するベック平滑度を500〜2
000秒(10ml)に調整することにより、本発明の
所望とする、より一層高品位な記録画像が得られる。ベ
ック平滑度が300秒/ml未満になるとインクの転写
性及びドットの欠け等の再現性が著しく低下する。一方
2000秒を越えると、本発明の六角板状または円板状
の軽質炭酸カルシウムによって構成された空隙が、平滑
化処理により破壊され、インクの受理性が著しく低下す
るため、所望の記録画像を得ることができない。
【0021】本発明で使用される基紙中に配合される填
料としては、特に限定するものではないが、例えばタル
ク、カオリン、クレー、焼成カオリン、デラミカオリ
ン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、硫酸
マグネシウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、珪
酸カルシウム、ホワイトカーボン、アルミノ珪酸塩、シ
リカ、セリサイト、スメクタイト等の鉱物質填料やポリ
スチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小
中空粒子等の有機合成填料等が挙げられ、更に古紙やブ
ロークン等に含まれる填料も再生使用できる。
【0022】なお、紙料中にはパルプ繊維や填料の他
に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、従来から
使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオ
ン性或は、両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強
剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤が必要に応じて適
宣選択して使用される。なお、染料、蛍光増白剤、pH
調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコン
トロール剤等の抄紙用内添助剤を紙の用途に応じて適宜
添加する。
【0023】抄紙方法については、特に限定されず例え
ば抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙法、炭酸カルシ
ウム等のアルカリ性填料を主成分として含み、抄紙pH
を約6の弱酸性〜約9の弱アルカリ性とする所謂、中性
抄紙法等全ての抄紙方法に適用することができ、抄紙機
も長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸網抄紙機、ヤ
ンキー抄紙機を適宜使用できる。
【0024】また必要に応じて、水性系の接着剤、或は
填料を含有する水性系の接着剤などで基紙表面はサイジ
ングされる。水性系接着剤としては、前述のインク受容
層に用いられるものと同様な接着剤が挙げられる。ま
た、填料についても、特に限定するものではないが、前
述の基紙中に配合される填料と同様な鉱物質填料や、有
機合成填料などが挙げられ、これらの中から溶融型熱転
写記録用受容紙の品質目標に応じて1種或いは2種以上
が適宜選択して使用される。
【0025】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが,勿論、それらの範囲に限定されるもので
ない。なお、例中の「部」及び「%」は特に断わらない
限り、「重量部」及び「重量%」を示す。
【0026】実施例1 〔基紙の作製〕LBKP(フリーネス=480ml)1
00部のパルプスラリーに、填料としてタルク20部、
ロジンエマルジョンサイズ剤1.5部、硫酸バンド2部
を添加し、これらの混合物を白水で希釈してpH5.
3、固形分濃度1.1%の紙料を調製した。この紙料を
長網抄紙機を用いて抄紙し、次いで酸化澱粉(商品名:
エースA、王子コーンスターチ社製)を塗布量が乾燥重
量で4.0g/m2 となるようにサイズプレス装置で塗
布し、乾燥させてマシーンキャレンダーで平滑度が80
秒になるように平滑処理して米坪が85g/m2 の基紙
を得た。
【0027】〔受容層用塗被液の調製〕顔料として平均
粒子径が1.5μmの六角板状軽質炭酸カルシウム(商
品名:#500、米庄石灰工業社製)100部(固形
分;以下同様)を使用し、分散剤としてポリアクリル酸
ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)を0.
5部(顔料に対する固形比;以下同様)を加え、コーレ
ス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。
この顔料スラリーにポリビニルアルコール12部、スチ
レン−ブタジエン共重合体ラテックス1部を添加、撹拌
し、さらに水を加えて、固形分濃度が45重量%の塗被
液を調製した。
【0028】〔受容層の形成〕得られた塗被液を上記の
基紙の片面に乾燥重量で15g/m2 となるようにバー
コータを用いて塗被し、含水分量が7%となる様に乾燥
後、平滑化処理装置を用いてベック平滑度が800秒に
なるように処理し溶融型熱転写記録用受容紙(受容紙)
を得た。
【0029】実施例2 受容層用塗被液の調製において、顔料を平均粒子径0.
8μmの六角板状軽質炭酸カルシウム(商品名:#80
0、米庄石灰工業社製)に変更した以外は、実施例1と
同様にして受容紙を得た。
【0030】実施例3 受容層用塗被液の調製において、顔料を平均粒子径1.
3μmの六角板状軽質炭酸カルシウム(津久見ファイン
セラミックス研究センター社製)に変更した以外は、実
施例1と同様にして受容紙を得た。
【0031】実施例4 受容層用塗被液の調製において、顔料を平均粒子径1.
4μmの円板状軽質炭酸カルシウム(商品名:D00
2、津久見ファインセラミックス研究センター社製)に
変更した以外は、実施例1と同様にして受容紙を得た。
【0032】実施例5 受容層用塗被液の調製において、顔料を平均粒子径2.
0μmの円板状軽質炭酸カルシウム(商品名:D002
H、津久見ファインセラミックス研究センター社製)に
変更した以外は、実施例1と同様にして受容紙を得た。
【0033】実施例6 受容層用塗被液の調製において、顔料を平均粒子径1.
4μmの円板状軽質炭酸カルシウム(商品名:D00
2、津久見ファインセラミックス研究社製)60部と平
均粒子径0.4μmの焼成クレー(商品名:アンシレッ
クス 93、エンゲルハード社製)40部に変更した以
外は、実施例1と同様にして受容紙を得た。
【0034】実施例7 受容層用塗被液の調製において、顔料を平均粒子径1.
4μmの円板状軽質炭酸カルシウム(商品名:D00
2、津久見ファインセラミックス研究社製)60部と平
均粒子径2.5μmの球状軽質炭酸カルシウム(商品
名:ED−III 、米庄石灰工業社製)40部に変更した
以外は、実施例1と同様にして受容紙を得た。
【0035】実施例8 受容層用塗被液の調製において、顔料を平均粒子径1.
4μmの円板状軽質炭酸カルシウム(商品名:D00
2、津久見ファインセラミックス研究社製)60部と平
均粒子径0.2μmの六角板状クレー(商品名:UW−
90、エンゲルハード社製)40部に変更した以外は、
実施例1と同様にして受容紙を得た。
【0036】比較例1〜4 受容層用塗被液の調製において、顔料をそれぞれ、紡錘
状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩
工業社製、平均粒子径1.6μm)(比較例1)、不定
形の焼成クレー(商品名:アンシレックス、エンゲルハ
ード社製、平均粒子径0.4μm)(比較例2)、六角
板状のクレー(商品名:UW−90、エンゲルハード社
製、平均粒子径0.2μm)(比較例3)、球状軽質炭
酸カルシウム(商品名:ED−III 、米庄石灰工業社
製、平均粒子径2.5μm)(比較例4)に変更した以
外は、実施例1と同様にして受容紙を得た。
【0037】評価 上記各実施例および比較例で用いた六角板状、または円
板状の軽質炭酸カルシウムの平均粒子径、およびアスペ
クト比は下記の方法により求めた。 〔平均粒子径の測定〕SK LASER MICRON SIZER 7000S を
用いて測定した。 〔アスペクト比〕走査型電子顕微鏡による観察を基に測
定した。
【0038】また、上記各実施例および比較例で得られ
た受容紙については、市販の熱転写カラープリンタ(商
標:CH−7204、セイコー電子工業社製)を用いて
フルカラー画像記録を行い、それぞれ下記の方法により
測定および品質評価を行い、得られた結果を表1に示し
た。 〔記録画像面のドット再現性の評価〕上記、記録画像面
の一色(シアン)網点部をドットアナライザー(DA−
3000)により30倍に拡大し、ドットの抜けやシャ
ープ性(太りまたは細りのない)の程度を下記の評価基
準で目視評価した。 ◎:ドットの抜けや太りまたは細りは全くなく、実用上
極めて優れている。 ○:ドットの抜けや太りまたは細りは殆どなく、実用上
問題ない。 △:ドットの抜けや太りまたは細りがかなりあり、実用
には不十分。 ×:ドットの抜けや太りまたは細りが多く、実用には適
さない。
【0039】〔2色重ね印字画像の評価〕重ね印字記録
適性の評価として、1色目にシアンを網点印字し、その
上に重ねて2色目にマゼンタの網点印字を行い、得られ
た印字画像の2色重ね部をドットアナライザー(DA−
3000)により30倍に拡大し、1色目シアンのドッ
ト形状変化について、太りまたは細りの程度を下記の基
準で目視評価した。 ◎:1色目のドットの太りまたは細りは全くなく、実用
上極めて優れている。 ○:1色目のドットの太りまたは細りは殆どなく、実用
上問題ない。 △:1色目のドットの太りまたは細りがかなりあり、実
用には不十分。 ×:1色目のドットの太りまたは細りが多く、実用には
適さない。
【0040】〔記録画像の画像品位の評価〕上記、記録
画像面について、色重ね(3色)部分を下記の評価基準
で記録画像の品位を目視にて総合評価した。 ◎:色ズレや濃淡ムラがなく非常に鮮明な画像で画像品
位が優れている。 ○:色ズレや濃淡ムラが殆どなく鮮明な画像で画像品位
が良好である。 △:色ズレや濃淡ムラが認められ画像にやや冴えがなく
画像品位が僅かに劣る。 ×:色ズレや濃淡ムラが認められ画像に冴えがなく画像
品位が劣る。
【0041】〔記録白紙部の汚れ評価〕上記、記録画像
面について、記録されていない白紙部分を下記の評価基
準で汚れの程度を目視にて総合評価した。 ◎:記録後の白紙部に汚れがない。 ○:記録後の白紙部に汚れが殆どない。 △:記録後の白紙部に汚れがやや認められる。 ×:記録後の白紙部に汚れが認められる。 なお、上記評価基準において、○レベル以上は実用に適
するが、△レベル以下では、実用に適さない。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の溶融型熱転写記録用受容紙は、
記録画像面のドットの太りや細りがなく、色ズレや濃淡
ムラがなく画像が鮮明で、かつ記録部分や白紙部分の汚
れがなく、特にフルカラー記録適性に優れ、高品位で高
画質記録の可能な溶融型熱転写記録用受容紙であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙上に、接着剤と顔料を主成分とし熱
    溶融性インクを受容するインク受容層を設けた溶融型熱
    転写記録用受容紙において、前記受容層が、顔料の主成
    分として平均粒子径が0.5〜5.0μmであり、かつ
    アスペクト比(長径/厚み、または直径/厚み)が5〜
    500である六角板状および/または円板状の軽質炭酸
    カルシウムを含有することを特徴とする溶融型熱転写記
    録用受容紙。
  2. 【請求項2】 JIS−K−5101に基づく、前記軽
    質炭酸カルシウムの吸油量が20〜100ml/100
    gである請求項1記載の溶融型熱転写記録用受容紙。
JP8129704A 1996-05-24 1996-05-24 溶融型熱転写記録用受容紙 Pending JPH09315016A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002309112A (ja) * 2001-04-13 2002-10-23 Shiraishi Kogyo Kaisha Ltd 板状炭酸カルシウムを含む含塩素高分子化合物組成物
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CN100372693C (zh) * 2003-03-03 2008-03-05 王子制纸株式会社 热转印接收片材

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