JP3372798B2

JP3372798B2 - 溶融型熱転写記録用受容紙

Info

Publication number: JP3372798B2
Application number: JP32948996A
Authority: JP
Inventors: 智文時吉; 仁志石澤; 勝加藤
Original assignee: Oji Holdings Corp; Oji Paper Co Ltd
Current assignee: New Oji Paper Co Ltd; Oji Holdings Corp
Priority date: 1996-02-02
Filing date: 1996-12-10
Publication date: 2003-02-04
Anticipated expiration: 2016-12-10
Also published as: JPH09267573A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱溶融インク型の
熱転写記録方式を利用した複写機、プリンター、ファク
シミリ等で使用される溶融型熱転写記録用受容紙（以
下、単に受容紙と記す）に関し、特にフルカラーにおけ
るインク受理性及びドット再現性に優れ、記録画像が高
記録画質である受容紙に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年ＯＡ化の進展に伴い、電子写真方式
や熱転写記録方式等の各種記録方式を利用した複写機や
プリンター、ファクシミリ等が、それぞれの用途に応じ
て広く用いられるようになっている。この画像形成には
有色の色材が用いられ、通常は色材を溶融、蒸発、昇華
させて紙やフィルムシート等の記録媒体の上に転移させ
て粘着、吸着、染着作用により記録画像を得ている。

【０００３】この種の記録方式の中で、熱溶融性インク
層を有するインクリボンやインクシートをサーマルヘッ
ドの発熱により溶融させ、色材を記録媒体に転移させて
記録像を得る熱溶融インク型の熱転写記録方式が最近注
目されている。そしてこの方式は、記録用受容紙として
普通紙を利用できることが特徴とされている。

【０００４】しかし、この熱転写記録方式にも、他の記
録方式と同様にフルカラー記録、高速記録、鮮明画像、
高解像度化等の要望が強くなり、普通紙では満足できな
くなってきた。例えばカラー熱転写プリンター等で多色
記録を行う場合にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ック等の色材とワックス類や樹脂類等を有するインクリ
ボンと記録媒体を組合せ、サーマルヘッドで印加して記
録媒体上に転写像を形成する。フルカラーの多色記録の
場合は各色のインクが重なり合うために、記録用受容紙
として普通紙を用いるとインク受像層表面の平滑性やイ
ンク受理性に起因して、転写ムラやドット抜け等の欠点
が生じ易く難点となる。

【０００５】このために、記録用受容紙の表面平滑性を
改良する方法としてベック平滑を特定したり（特開昭６
０−１１０４８８号公報）、特定の顔料やバインダーを
含有する熱転写受像層を設ける等（特開昭６０−１１０
４８９号公報、６０−１１０４９０号公報）が行われて
いる。しかし、これら従来の方法は改良効果がある程度
認められるが、多色記録のカラーインクの重なり部にお
ける転写ムラや色ズレ、あるいは転写インクドットの抜
けやドット形状の再現性不良等による、画像鮮明性の低
下等は完全には解消されていない。従って、単に平滑化
処理等を強化して平滑性を高めたり、熱転写受像層に顔
料やバインダーを含有させるだけでは不十分であり、上
記欠点を解消してインクの転写性やドット再現性に優
れ、高記録画質の記録画像が得られる受容紙は未だに得
られていないのが実状である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶融型熱転
写記録方式に用いる受容紙に関し、特にインクの転写受
理性、再現性、定着性、階調性、および鮮鋭性（ドット
の太り、ブリッジングのない）に優れ、高品位で高画質
な記録画像が得られる受容紙を提供する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の溶融型熱転写記
録用受容紙は、基紙上に接着剤と顔料を主成分とし熱溶
融性インクを受容する受像層を設けた溶融型熱転写記録
用受容紙において、前記受像層が、顔料の主成分として
平均粒子径３〜１０μｍの球状軽質炭酸カルシウムを含
有し、さらに前記受像層表面において、ＪＩＳＢ０６
０１に基づく表面粗さＲｍａｘが０〜１５μｍであり、
かつ開孔面積率が３０〜８５％で、平均開孔面積が０．
５〜２０．０μｍ2 であることを特徴とするものであ
る。

【０００８】本発明の溶融型熱転写記録用受容紙におい
ては、前記球状軽質炭酸カルシウムが、一辺の長さが
０．０５〜０．８μｍである立方状の微細粒子からなる
球状凝集体であることが好ましい。本発明の溶融型熱転
写記録用受容紙においては、前記受像層が、さらに顔料
成分として焼成クレーを含有することが好ましい。本発
明の溶融型熱転写記録用受容紙においては、前記受像層
において、全累積細孔容積に対する細孔直径０．８〜６
μｍの範囲における累積細孔容積の割合が４０〜１００
％であり、かつ前記受像層成分の熱拡散係数が１．０×
１０^-3〜２．４×１０^-3ｃｍ²／秒であることが好まし
い。さらに、本発明の溶融型熱転写記録用受容紙におい
ては、金属ロールと下記条件（１）および（２）を満足
する弾性ロールとを組み合わせた平滑化処理装置によ
り、前記受像層表面が、金属ロールに接するようにして
表面処理されている請求項１記載の溶融型熱転写記録用
受容紙であることが好ましい。（１）ＪＩＳＫ６３０１およびＪＩＳＫ７２１
５に基づく、表面の硬度（ショアーＤ）が７５〜９８
゜。（２）ＪＩＳＢ０６０１に基づく、表面粗さＲｍａ
ｘが０〜２５μｍ。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明者等は、特にインクの受理
性に優れ、転写ムラ，ドット抜け、ドット太り、あるい
はドットのブリッジングがなく、高画質で高品位な受容
紙を得るために鋭意検討を行った。その結果、インク受
像層の顔料の主成分として、平均粒子径３〜１０μｍの
球状軽質炭酸カルシウムを用いることによって、公知技
術からは到底予測もできない顕著な効果が得られること
を見出し本発明を完成するに至った。

【００１０】本発明に用いられる球状軽質炭酸カルシウ
ムの具体例としては、米庄石灰工業社製のＥＤ−III 、
ＥＤ−１１０などや、津久見ファインセラミックス研究
センター製のＢ−１００２などが挙げられる。球状軽質
炭酸カルシウムの平均粒子径３〜１０μｍの範囲である
ことが必要であり、好ましくは３〜６μｍである。因み
に球状凝集体の平均粒子形が３μｍ未満では、受像層の
空隙が少なくインクの受理性に劣り、また１０μｍを越
えると受像層表面の平滑性が低下するため、ドット抜け
などが発生し易くなり、記録画質が低下する傾向があ
る。本発明の球状軽質炭酸カルシウムは、微細粒子の球
状凝集体であり、一辺の長さが０．０５〜０．８μｍで
ある立方状微細粒子の球状凝集体が好ましい。ここで顔
料の平均粒子径は、電子顕微鏡による観察を基に測定さ
れる。また、球状軽質炭酸カルシウムの吸油性について
は、ＪＩＳＫ５１０１に従って測定された吸油量は２
５〜８０ｍｌ／１００ｇ程度が好ましく、受像層のイン
クの受理性に優れる。

【００１１】本発明において、受像層のインクの受理性
を向上させるためには、インクの吸収性と転写性を向上
させる必要がある。インクの吸収性は主にインク受像層
表面の空隙量、および顔料の吸油性に依存し、インクの
転写性はインク受像層表面の平滑性に依存する。よって
空隙量が多く、平滑性が高い受像層が、インク吸収性及
び転写性に対して有効であると推測されるが、顔料の吸
油性が高すぎるとインクの太りや、ブリッジングが発生
する。

【００１２】一般に、炭酸カルシウムは大きく分けて重
質炭酸カルシウムと、軽質（沈降性）炭酸カルシウムに
分けられる。重質炭酸カルシウムは天然に産出する石灰
石を乾式又は湿式で粉砕して得られ、粒径とその分布は
粉砕条件によって制御される。また軽質炭酸カルシウム
は生石灰を水に溶解し、その中に炭酸ガスを吹き込み反
応させて得ることができ、その粒子形状、粒径やその分
布、および結晶形などは、反応条件によって変化させる
ことができる。軽質炭酸カルシウムの結晶形には、カル
サイト（六方晶形）、アラゴナイト（斜方晶形）、バテ
ライト（六方晶形）の３種類がある。これらの中でバテ
ライトは、結晶が不安定なため工業的にはほとんど用い
られておらず、アラゴナイトは細長い柱状である。カル
サイト結晶には、紡錘形、立方形など各種形状の１次粒
子があり、さらに、１次粒子が凝集あるいは融着して２
次粒子の形状を保つものもある。本発明で用いられる球
状軽質炭酸カルシウムは、一般にカルサイト結晶に属
し、立方状の形状を有する１次粒子が凝集したものが望
ましい。

【００１３】近年、特に高解像度の画像を実現するため
に最小ドットの小粒径化が進み、さらに、最小ドット径
が１０〜２０μｍ² 程度の最小ドット径仕様のプリンタ
ーも開発されている。このような最小ドット径を、受像
層表面に安定した形状で転写するためには、表面の凹凸
を減少させることが必要である。また、カラー記録にお
いては、下層インクの単色ドットを安定な形状（ドット
の抜け、欠け、滲みなどのない）でインク受像層へ効率
よく受理し、かつ、上層インクを印加する時には、下層
ドットが再溶融し、受像層の三次元方向にも滲み易くな
り、このような重色部の下層ドットの滲みを防止する必
要がある。本発明では、単色ドットをより安定な形状で
受理し、かつ重色部における下層ドットの滲みを防止す
るために、受像層表面の平滑性を高め、同時に、溶融し
たインクをより迅速に吸収するために、受像層表面が適
度なサイズの開孔部分からなる空隙を十分に有すること
が重要である。

【００１４】本発明においては、ＪＩＳＢ０６０１に
基づく、インク受像層の表面粗さＲｍａｘは０〜１５μ
ｍであり、かつ受像層表面の開孔面積率は３０〜８５％
で、平均開孔面積は０．５〜２０．０μｍ² である。好
ましくは、開孔面積率は５０〜８５％である。因みに、
開孔面積率が３０％未満では、ドットを受理する開孔部
分が少ないため、多色印字部の下層ドットの太りが生
じ、一方８５％を越える場合には、受像層の強度が不足
する傾向がある。開口面積率が３０〜８５％でも、平均
気孔面積が０．５μｍ² 未満では、インクの浸透が低下
し、一方２０．０μｍ² を越えると、インクは浸透し易
くなり、下層ドットの滲みは防止されるが、表面の凹凸
が大きく、単色ドットを安定した形状（抜け、欠け等の
ない）で転写することが出来ない場合がある。なお、本
発明の開孔面積率は、多孔性インク受像層表面の全表面
積に対する、開孔部分によって占められる総面積の割合
を意味する。

【００１５】平均開孔面積および開孔面積率の測定方法
については、特に限定するものではないが、例えば、走
査型電子顕微鏡を使用して、インク受像層表面の写真撮
影（観察倍率１，０００倍) をした後、東洋紡績（株）
製のＩｍａｇｅＡｎａｌｙｚｅｒＶ１０により、開
孔面積率、および平均開孔面積を求められる。

【００１６】熱溶融性インクの転写性を向上させ、受像
層においてインクの受理性を向上させるためには、受像
層の断熱性を高くして転写するインクの粘度を効率良く
低下させ、溶融したインクを速やかに吸収するために
は、受像層内に適度なサイズの細孔部分からなる空隙が
十分に存在することが好ましい。本発明においては、受
像層の細孔分布について、受像層の全累積細孔容積に対
する細孔直径０．８〜６μｍの範囲における累積細孔容
積の割合（細孔容積率）が４０％以上であることが好ま
しく、インクの受理性が著しく向上する。より好ましく
は、細孔容積率は６０〜１００％である。直径が０．８
μｍ未満の細孔部分については、断熱効果が不十分であ
り、ドット抜けなどが発生し易くなる。一方、細孔直径
が６μｍを越えると、インク受容層の層間強度が不足す
る場合がある。

【００１７】さらに、インク受像層成分の熱拡散係数が
１．０×１０^-3〜２．４×１０^-3ｃｍ²／秒であること
が好ましく、記録画像のドットが極めて均一で安定な形
状が得られる。因みにインク受像層成分の熱拡散係数が
２．４×１０^-3ｃｍ²／秒を越える場合には、受像層の
断熱効果が不十分となり、ドットが欠けたり、抜けたり
して、均一な形状で転写されない場合があり、一方１．
０×１０^-3ｃｍ²／秒未満の場合には、受像層の断熱効
果が大き過ぎてドットの滲みが生じ易くなり、ドットの
形状も不均一になる傾向がある。また、白紙部の地汚れ
が生じ易くなり、画像の品位も低下する場合がある。

【００１８】上記受像層の細孔分布の測定には、ポロシ
メーター（商標：マイクロメトリックスポアサイザー
９３２０、島津制作所製）を用い、水銀圧入法により
求めた空隙量分布曲線から細孔分布（微分曲線）を計算
して求めることが出来る。水銀圧入法による細孔径の測
定は細孔の断面を円形として仮定して導かれた下記の式
（１）を使って計算した。Ｄ＝−４γCOS θ／Ｐ ………（１）ここでＤは細孔直径、γは水銀の表面張力、θは接触角
およびＰは水銀に加えられた圧力である。水銀の表面張
力は４８２．５３６ダイン／ｃｍとし、使用接触角は１
３０°とし、水銀圧力を１８〜３６００ｐｓｉａまで変
化させて測定した。細孔分布曲線測定用の試料は、基紙
の片面に受像層を塗抹、乾燥したものであり、必要によ
り、作製した受容紙の裏面側（受像層の反対側）にセロ
テープを貼り付け、ポロシメーターにより累積細孔容積
（ｍｌ／ｇ）を測定し、これを微分し、開孔部分直径
（Å）に対する頻度としてプロットして細孔分布曲線と
した。

【００１９】また、本発明の熱拡散係数の測定方法につ
いては、特に限定するわけではないが、例えば、理学電
機（株）製のＬＦ／ＴＣＭ（ＦＡ８５１０１Ｂ型）を使
用してレーザーフラッシュ法により測定できる。すなわ
ち、本法は受像層成分からなる試料表面にルビーレーザ
ー光を照射し、照射直後から試料裏面の温度上昇を赤外
線センサーで追跡し、温度上昇が最高値の２分の１にな
るまでの時間ｔ_1/2（秒）を測定して、下記式によって
熱拡散係数α（ｃｍ²／秒）が求められる。 α＝１．３７（Ｌ²／π²ｔ_1/2）ここで、Ｌは試料の厚さ（ｃｍ）を表す。

【００２０】本発明の受像層は、球状軽質炭酸カルシウ
ムを主顔料とする塗被組成物を塗布、乾燥後、好ましく
は、平滑化処理が施される。平滑化処理装置としては、
金属ロールと、表面の硬度（ショアーＤ）が７５〜９８
゜で、かつ表面粗さＲｍａｘが０〜２５μｍである弾性
ロールとを組み合わせたものが用いられ、通常受像層面
が金属ロールに接するようにして表面処理が行われる。
本発明の弾性ロールの表面硬度（ショアーＤ）の測定方
法は、ＪＩＳＫ６３０１、ＪＩＳＫ７２１５及
び高分子辞典（朝倉書店出版）記載の硬さ試験及びショ
アー硬さ試験機に準拠して測定されたものである。ま
た、弾性ロールの表面粗さＲｍａｘ（最大高さ）は、Ｊ
ＩＳＢ０６０１に基づいて求められる値である。

【００２１】溶融型熱転写記録方式では、記録画質の高
精細化の手段としてプリンターの解像度を高める方法が
一般的である。この方法は、ヘッド単位長当りの発熱部
位（ドット）を増加させるものであり、この高精細化の
ために、現在では１２００ドット／１インチのプリンタ
ーも考案されている。この場合、１ドットの直径は約２
０μｍであり、熱溶融性インク受像層も高い平滑性が要
求される。

【００２２】従来は、主顔料としては平均粒子径が１μ
ｍ未満の微細顔料を用いるのが一般的であった（特開昭
６０−１１０４８９号公報、６０−１１０４９０号公
報）。しかし、通常の微細顔料を用いたインク受像層で
は、空隙が少ないため十分なインク受理性が得られなか
った。本発明の如き平均粒子径が３〜１０μｍの球状軽
質炭酸カルシウムを用いると空隙は多くなるが、通常の
平滑処理では、所望の平滑度が得られ難い場合があっ
た。そこで、平滑化処理装置について検討を加えた結
果、平滑化処理装置として金属ロールと硬度（ショアー
Ｄ）が７５〜９８゜を有する弾性ロールとを組み合わせ
た装置で、受像層面が金属ロールに接するようにして表
面処理することにより、十分な空隙を保ちながら、極め
て優れた平滑性が得られることが判明したものである。

【００２３】また、受像層面が金属ロールに接するよう
に表面処理される時、受像層裏面に接触する弾性ロール
の表面粗さも、記録画質に大きな影響を及ぼすと推測さ
れるため、弾性ロールの表面の表面粗さについて検討し
た結果、硬度（ショアーＤ）が７５〜９８゜で、かつ表
面粗さＲｍａｘを０〜２５μｍであるように研磨仕上げ
された弾性ロールの組合せを用いることにより著しい記
録画質の高画質化が実現できた。弾性ロールの材質とし
ては、コットン、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが好
ましく使用される。因みに、弾性ロールの表面の硬度
（ショアーＤ）が７５゜未満であると、受像層表面の平
滑度が不十分となり、弾性ロール表面の表面粗さＲｍａ
ｘが０〜２５μｍであっても、記録画質が低下する場合
がある。一方、弾性ロールの表面の硬度（ショアーＤ）
が７５〜９８゜でも弾性ロール表面の表面粗さＲｍａｘ
が２５μｍを越える場合には所望とする記録画質を得ら
れない場合がある。

【００２４】受容紙を平滑化処理する際、平滑化処理装
置の金属ロール及び弾性ロールの各々組合せは適宜調整
され、金属ロールは、硬質の金属ロール及び表面をクロ
ム等で処理したロールの内から１種或は２種以上を、ま
た弾性ロールは表面の硬度（ショアーＤ）が７５〜９８
゜の内から１種あるいは２種以上を組合せても良い。ま
た特に無理をすることなく加圧ニップの数等も通常の平
滑化処理装置に準じて適宜調節される。

【００２５】本発明の平滑化処理を施す際に、ＪＩＳ
Ｐ８１１９に準拠するベック平滑度（１０ｍｌに相当
する）は、４００〜２０００秒に調整するのが好まし
く、本発明の所望とする、より一層高品位な記録画像が
得られる。ベック平滑度が４００秒未満になるとインク
の転写性等の再現性が低下し、ドットの欠けなどを生じ
る場合がある。一方２０００秒を越えると、本発明の球
状軽質炭酸カルシウムによって構成された空隙が、平滑
化処理により破壊される場合があり、インクの受理性が
低下するため、画像品質が低下する傾向がある。

【００２６】本発明の受像層に用いられる顔料として
は、上記の球状軽質炭酸カルシウムのみを用いる場合の
他に、一般の塗工紙に用いられる各種の顔料、例えばカ
オリンなどのクレー類、焼成カオリンなどの焼成クレー
類、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、ベントナイト、
ゼオライト、セリサイト等の鉱物質顔料や、さらにポリ
スチレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂
等の密実型微粒子や微小中空粒子等を併用することもで
きる。これらの中でも焼成カオリンなどの焼成クレー類
が好ましく用いられる。受像層における球状軽質炭酸カ
ルシウムの使用量は、顔料成分の５０〜１００重量％の
範囲が好ましい。球状軽質炭酸カルシウムの使用量が、
５０重量％未満ではインクの受理性が不十分となり、本
発明の所望とする記録画像が得られない。

【００２７】なお、塗被液の接着剤成分としては、水溶
性または水分散性の高分子化合物が用いられ、例えば、
カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、
熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の
澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイ
ン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子
化合物；ポリビニルアルコール、イソプレン、ネオプレ
ン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポ
リイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポ
リアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレ
ン、（メタ）アクリル酸、（メタ）アクリル酸エステ
ル、（メタ）アクリルアミド、メチルビニルエーテル等
のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン
系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴム
ラテックス、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラ
ミン樹脂等の合成高分子化合物等が例示できる。そし
て、これらの中から受容紙の品質目標に応じて１種ある
いは２種以上が適宜選択して使用される。

【００２８】接着剤成分の配合割合は、顔料１００重量
部に対して５〜４０重量部の範囲である。因みに、５重
量部未満では、受像層の表面強度が弱く、ドットの形状
的な欠損が発生するといった問題がある、一方、４０重
量部を越えると、本発明で用いた球状軽質炭酸カルシウ
ムの空隙が埋められてしまい、インクの受理性が著しく
低下し、本発明の所望とする記録画像を得ることができ
ない。

【００２９】この塗被液中には、これらの他に各種助
剤、例えば界面活性剤、ｐＨ調節剤、粘度調節剤、柔軟
剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導
電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、
蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化
剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等、必要に応じて適宜
使用することも可能である。

【００３０】塗被組成物塗被液の塗布量については、本
発明の受容紙の使用目的に応じて選択されるものである
が、一般的には、原紙表面の繊維を完全に覆う程度が必
要であり、乾燥重量で片面当たり６〜３０ｇ／ｍ²が適
当である。受像層を形成する塗被方法としては一般に公
知の塗被装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコ
ータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコー
タ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコ
ータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーロ
ールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコ
ータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、
ゲートロールコータ等の装置が適宜用いられる。これら
の装置はオンマシンコータあるいはオフマシンコータと
して慣用の方法で用いられる。なお、本発明の受容紙
は、通常の乾燥工程後や表面処理工程前で水分が３〜１
０重量％、より好ましくは４〜８重量％程度となるよう
に調整して仕上げられる。

【００３１】受像層を形成するに当たり、受像層を１
層、あるいは必要に応じて２層以上の多層構造にするこ
とも可能である。なお、多層構造にする場合、各々の塗
被液が同一である必要はなく、所要の品質レベルに応じ
て適宜調整して配合されればよく、特に限定されるもの
ではない。また、支持体の裏面に合成樹脂層や顔料と接
着剤等からなる塗被層、帯電防止層等を設けてカール防
止、印刷適性付与、給配紙適性等を付与することも可能
である。さらに、支持体の裏面に種々の加工、例えば粘
着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の後加工を
施すことにより、用途適性を付加して使用することも勿
論可能である。

【００３２】本発明で使用される基紙中に配合される填
料としては、特に限定するものではないが、例えばタル
ク、カオリン、クレー、焼成カオリン、デラミカオリ
ン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、硫酸
マグネシウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、珪
酸カルシウム、ホワイトカーボン、アルミノ珪酸塩、シ
リカ、セリサイト、スメクタイト等の鉱物質填料や、さ
らにポリスチレン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、塩化ビニ
リデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の密実型微粒子、
あるいはこれら樹脂の微小中空粒子等の有機合成填料等
が挙げられ、更に古紙やブロークン等に含まれる填料も
再生使用できる。

【００３３】また必要に応じて、水性系の接着剤、或は
顔料を含有する水性系の接着剤で表面をサイジングされ
る。水性系接着剤の種類としては、前述の受像層の接着
剤成分と同様な水溶性及び／又は水分散性の高分子化合
物が用いられる。

【００３４】なお、紙料中にはパルプ繊維や填料の他
に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、従来から
使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオ
ン性或は、両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強
剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤が必要に応じて適
宣選択して使用される。なお、染料、蛍光増白剤、ｐＨ
調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコン
トロール剤等の抄紙用内添助剤を紙の用途に応じて適宣
添加する。

【００３５】抄紙方法については特に限定されず、例え
ば抄紙ｐＨが４．５付近である酸性抄紙法、炭酸カルシ
ウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙ｐＨを
約６の弱酸性〜約９の弱アルカリ性とする中性抄紙法等
全ての抄紙方法に適用することができ、抄紙機も長網抄
紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄
紙機を適宣使用できる。

【００３６】

【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが，勿論、それらの範囲に限定されるもので
ない。なお、例中の「部」及び「％」は特に断わらない
限り、「重量部」及び「重量％」を示す。

【００３７】実施例１〔基紙の作製〕ＬＢＫＰ（フリーネス＝４８０ｍｌ）１
００部のパルプスラリーに、填料としてタルク２０部、
ロジンエマルジョンサイズ剤１．５部、硫酸バンド２部
を添加し、これらの混合物を白水で希釈してｐＨ５．
３、固形分濃度１．１％の紙料を調製した。この紙料を
長網抄紙機を用いて抄紙し、次いで酸化澱粉（商品名：
エースＡ、王子コーンスターチ社製）を塗布量が乾燥重
量で４．０ｇ／ｍ²となるようにサイズプレス装置で塗
布し、乾燥させてマシーンキャレンダーで平滑処理し、
平滑度が８０秒、米坪が９７ｇ／ｍ²の基紙を作製し
た。

【００３８】〔受像層用塗被液の調製〕平均粒子径が
３．０μｍの球状軽質炭酸カルシウム（商品名：ＥＤ−
III 、米庄石灰工業社製、１次粒子は立方状で一辺の長
さ約０．２μｍ）１００部（固形分；以下同様）に分散
剤としてポリアクリル酸ソーダ（商品名：アロンＡ−
９、東亜合成社製）を０．５部（固形分；以下同様）を
加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリー
を調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール
１２部、スチレンーブタジエン共重合体ラテックス１部
を添加、撹拌し、さらに水を加えて、固形分濃度が５０
％の塗被液を調製した。

【００３９】〔受像層の形成〕上記の基紙の片面に受像
層用塗被液を乾燥重量で１５ｇ／ｍ²となるようにバー
コータを用いて塗被し、水分量が７％となる様に乾燥し
て受容紙を作製した。

【００４０】〔平滑化処理〕金属ロール：鏡面仕上げされた硬質金属ロール弾性ロール：ニューコットン（商品名、由利ロール機械
社製）、硬度（ショアーＤ）＝８５゜、表面粗さＲｍａ
ｘ＝１０μｍ、材質＝綿上記ロールの組合せから成る平滑化処理装置を用い、受
像層面が金属ロールに接するようにして、受像層面のベ
ック平滑度が８００秒になるように処理して受容紙を得
た。

【００４１】

【００４２】実施例２受像層の塗被液の調製において、顔料を平均粒子径５．
０μｍの球状軽質炭酸カルシウム（商品名：ＥＤ−１１
０、米庄石灰工業社製）に変更し、また、平滑化処理に
おいて、弾性ロールを下記内容に変更した以外は、実施
例１と同様にして受容紙を得た。〔平滑化処理〕金属ロール：鏡面仕上げされた硬質金属ロール弾性ロール：ミラーマックスロール（商品名、山内社
製）、硬度（ショアーＤ）＝９０゜、表面粗さＲｍａｘ
＝１０μｍ、材質＝エポキシ樹脂上記ロールの組合せから成る平滑化処理装置を用い、受
像層面が金属ロールに接するようにして、受像層面のベ
ック平滑度が８００秒になるように処理して受容紙を得
た。

【００４３】実施例３受像層の塗被液の調製において、顔料を平均粒子径１
０．０μｍの球状軽質炭酸カルシウム（商品名：Ｂ−１
００２、津久見ファインセラミックス研究センター社
製）に変更し、また、平滑化処理において、実施例２と
同様な組合せのロールを用いた以外は、実施例１と同様
にして受像層面のベック平滑度が８００秒になるように
処理して受容紙を得た。

【００４４】実施例４受像層の塗被液の調製において、顔料を平均粒子径３．
０μｍの球状軽質炭酸カルシウム（商品名：ＥＤ−III
、米庄石灰工業社製）８０部と平均粒子径０．４μｍ
の焼成カオリン（商品名：アンシレックス９３、エンゲ
ルハード社製）２０部とに変更し、また、平滑化処理に
おいて、ロールを下記内容に変更した以外は、実施例１
と同様にして受容紙を作製した。〔平滑化処理〕金属ロール：表面をクロムメッキ仕上げされた硬質金属
ロール弾性ロール：商品名、エラグラスロール（金陽社製）、
硬度（ショアーＤ）＝９４゜、表面粗さＲｍａｘ＝６μ
ｍ、材質＝ウレタン樹脂上記ロールの組合せから成る平滑化処理装置を用い、受
像層面が金属ロールに接するようにして、受像層面のベ
ック平滑度が１５００秒になるように処理して受容紙を
得た。

【００４５】実施例５受像層の塗被液の調製において、顔料を平均粒子径３．
０μｍの球状軽質炭酸カルシウム（商品名：ＥＤ−III
、米庄石灰工業社製）６０部と平均粒子径０．４μｍ
の焼成カオリン（商品名：アンシレックス９３、エンゲ
ルハード社製）４０部とに変更した以外は、実施例１と
同様にして受像層面のベック平滑度が８００秒になるよ
うに処理して受容紙を得た。

【００４６】実施例６受像層の塗被液の調製において、顔料を平均粒子径３．
０μｍの球状軽質炭酸カルシウム（商品名：ＥＤ−III
、米庄石灰工業社製）８０部と平均粒子径１．５μｍ
のシリカ（商品名：ミズカシルＰ−７０５、水澤化学社
製）２０部とに変更した以外は、実施例１と同様にして
受像層面のベック平滑度が８００秒になるように処理し
て受容紙を得た。

【００４７】比較例１平滑化処理において、弾性ロールを下記内容に変更した
以外は、実施例１と同様にして受容紙を得た。〔平滑化処理〕金属ロール：鏡面仕上げされた硬質金属ロール弾性ロール：ニューコットンロール（商品名、由利ロー
ル機械社製）、硬度（ショアーＤ）＝８５゜、表面粗さ
Ｒｍａｘ＝３０μｍ、材質＝綿上記ロールの組合せから成る平滑化処理装置を用い、受
像層面が金属ロールに接するようにして、受像層面のベ
ック平滑度が８００秒になるように処理して受容紙を得
た。

【００４８】比較例２平滑化処理において、弾性ロールを下記内容に変更した
以外は、実施例１と同様にして受容紙を作製した。〔平滑化処理〕金属ロール：鏡面仕上げされた硬質金属ロール弾性ロール：エラグラスロール（商品名、金陽社製）、
硬度（ショアーＤ）＝６０゜、表面粗さＲｍａｘ＝２０
μｍ、材質＝ウレタンゴム上記ロールの組合せから成る平滑化処理装置を用い、受
像層面が金属ロールに接するようにして処理したが、受
像層面のベック平滑度は４００秒までしか得られなかっ
た。

【００４９】比較例３受像層の塗被液の調製において、顔料を平均粒子径１
５．０μｍの球状軽質炭酸カルシウム（商品名：Ｂ−１
５０１、津久見ファインセラミックス研究所社製）に変
更した以外は、実施例４と同様にして、受像層面のベッ
ク平滑度が８００秒になるように処理して受容紙を得
た。

【００５０】比較例４〜６受像層の塗被液の調製において、顔料を柱状軽質炭酸カ
ルシウム（平均粒子径：０．６μｍ、商品名：ＴＰ−１
２３ｃｓ、奥多摩工業社製）（比較例４）、不定形の焼
成カオリン（平均粒子径０．４μｍ、商品名：アンシレ
ックス９３、エンゲルハード社製）（比較例５）、六角
板状のカオリン（平均粒子径０．２μｍ、商品名：ＵＷ
−９０、エンゲルハード社製）（比較例６）に変更した
以外は、実施例１と同様にして受容紙を得た。

【００５１】評価方法上記各実施例および比較例において、用いた顔料の粒子
径、弾性ロールの硬度および表面粗さや、得られた受容
紙の品質について、それぞれ下記の方法により測定およ
び品質評価を行い、その結果を表１に示した。〔平均粒子径〕顔料の平均粒子径は、電子顕微鏡による
観察を基に測定した。〔ショアー硬度〕弾性ロールの硬度（ショアーＤ）は、
ＪＩＳＫ６３０１およびＪＩＳＫ７２１５に基づ
いて求めた。〔表面粗さ〕弾性ロールの表面粗さＲｍａｘ（最大高
さ）は、ＪＩＳＢ０６０１に基づいて求めた。受容
紙の受像層表面の表面粗さＲｍａｘについても、同様に
求めた。〔ベック平滑度〕受容紙の受像層表面のベック平滑度
は、ＪＩＳＰ８１１９に基づいて求めた。

【００５２】〔平均開孔面積および開孔面積率の測定方
法〕走査型電子顕微鏡を使用して、インク受像層表面の
写真撮影（観察倍率１，０００倍) をした後、東洋紡績
（株）製のＩｍａｇｅＡｎａｌｙｚｅｒＶ１０によ
り、開孔面積率、および平均開孔面積を求めた。開孔面
積率は、多孔性インク受像層表面の全表面積に対する、
開孔部分によって占められる全面積の割合のことで、次
式によって算出される。開孔面積率（％）＝（開孔部分によって占められる全面
積）／（多孔性インク受像層表面の全表面積） ×１０
０

【００５３】〔細孔分布測定〕受容紙の受像層の細孔分
布の測定には、ポロシメーター（商品名：マイクロメト
リックスポアサイザー９３２０、島津制作所製）を用
い、水銀圧入法により求めた空隙量分布曲線から細孔分
布（微分曲線）を計算して求めた。この細孔分布曲線よ
り細孔直径のピーク位置（μｍ）を求め、また受像層の
全累積細孔容積に対する細孔直径０．８〜６μｍの範囲
における累積細孔容積の割合を細孔容積率（％）として
示した。

【００５４】〔受像層成分の熱拡散係数〕測定用の試料
は、インク受像層形成用の塗料を素焼きのセラミック吸
収板（ニッカトウ（株）製）上に乗せオーリング（線径
３ｍｍ、外径１００ｍｍ）内に流し込み、金属板で表面
を平坦にする。成形に先立ち減圧下で塗料中の気泡を除
去した後、室温で４８時間以上乾燥させた後、カミソリ
で７〜８ｍｍΦになるように端面をカットして測定用試
料を作製した。測定用試料の全面をカーボンスプレーで
被覆し、（株）リガク製のレーザーフラッシュ法熱定数
測定装置を用いて、下記条件により熱拡散係数率を測定
した。レーザーパルス：５００μｓｅｃ、充電電圧：２．５ｋＶ、雰囲気：２０℃、真空度０．１５ｔｏｒｒ以下、温度検出：赤外線センサー。

【００５５】〔記録画像面のドット再現性の評価〕市販
の熱転写カラープリンター（商品名：ＣＨ−７２０４、
セイコー電子工業社製）を用いて、画像記録を行い、記
録画像面の一色（シアン）網点部をドットアナライザー
（DA−3000）により３０倍に拡大し、ドットの抜けやシ
ャープ性（太りまたは細り）の程度を下記の評価基準で
目視評価した。 ◎：ドットの抜けや太りまたは細りは全くなく、実用上
極めて優れている。 ○：ドットの抜けや太りまたは細りは殆どなく、実用上
問題ない。 △：ドットの抜けや太りまたは細りがかなりあり、実用
には不十分。 ×：ドットの抜けや太りまたは細りが多く、実用には適
さない。

【００５６】〔２色重ね印字画像の評価〕重ね印字記録
適性の評価として、前記の熱転写カラープリンターに
て、１色目にシアンを網点印字し、その上に重ねて２色
目にマゼンダの網点印字を行い、得られた印字画像の２
色重ね部をドットアナライザー（DA−3000）により３０
倍に拡大し、１色目シアンのドット形状変化について、
太りまたは細りの程度を下記の基準で目視評価した。 ◎：１色目のドットの太りまたは細りは全くなく、実用
上極めて優れている。 ○：１色目のドットの太りまたは細りは殆どなく、実用
上問題ない。 △：１色目のドットの太りまたは細りがかなりあり、実
用には不十分。 ×：１色目のドットの太りまたは細りが多く、実用には
適さない。

【００５７】〔記録画像の画像品位の評価〕前記の熱転
写カラープリンターにてフルカラー記録を行い、記録画
像面について、色重ね（３色）部分を下記の評価基準で
記録画像の品位を目視にて総合評価した。 ◎：色ズレや濃淡ムラがなく非常に鮮明な画像で画像品
位が優れている。 ○：色ズレや濃淡ムラが殆どなく鮮明な画像で画像品位
が良好である。 △：色ズレや濃淡ムラが認められ画像にやや冴えがなく
画像品位が僅かに劣る。 ×：色ズレや濃淡ムラが認められ画像に冴えがなく画像
品位が劣る。上記評価において、○レベル以上は実用に適するが、△
レベル以下では実用には適さない。

【００５８】

【表１】

【００５９】

【表２】

【００６０】

【発明の効果】本発明の受容紙は、記録画像面のドット
の太り、ブリッジングや抜けがなくドットの再現性に優
れ、フルカラー用の記録用紙適性に優れた高品位で高記
録画質な受容紙であり、実用的価値の高いものであっ
た。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平５−318947（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B41M 5/40

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】基紙上に接着剤と顔料を主成分とし熱溶
融性インクを受容する受像層を設けた溶融型熱転写記録
用受容紙において、前記受像層が、顔料の主成分として
平均粒子径３〜１０μmの球状軽質炭酸カルシウムを含
有し、さらに前記受像層表面において、ＪＩＳＢ０
６０１に基づく表面粗さＲｍａｘが０〜１５μmであ
り、かつ開孔面積率が３０〜８５％で、平均開孔面積が
０．５〜２０．０μm²であることを特徴とする溶融型熱
転写記録受容紙。
【請求項２】前記球状軽質炭酸カルシウムが、一辺の
長さが０．０５〜０．８μｍである立方状の微細粒子か
らなる球状凝集体である請求項１記載の溶融型熱転写記
録用受容紙。
【請求項３】前記受像層が、さらに顔料成分として焼
成クレーを含有する請求項１記載の溶融型熱転写記録用
受容紙。
【請求項４】前記受像層において、全累積細孔容積に
対する細孔直径０．８〜６μｍの範囲における累積細孔
容積の割合が４０〜１００％であり、かつ前記受像層成
分の熱拡散係数が１．０×１０^-3〜２．４×１０^-3ｃｍ
²／秒である請求項１記載の溶融型熱転写記録用受容
紙。
【請求項５】金属ロールと下記条件（１）および
（２）を満足する弾性ロールとを組み合わせた平滑化処
理装置により、前記受像層表面が、金属ロールに接する
ようにして表面処理されている請求項１記載の溶融型熱
転写記録用受容紙。（１）ＪＩＳＫ６３０１およびＪＩＳＫ７２１
５に基づく、表面の硬度（ショアーＤ）が７５〜９８
゜。（２）ＪＩＳＢ０６０１に基づく、表面粗さＲｍａ
ｘが０〜２５μｍ。