JP2003191616A - インクジェット用記録材料 - Google Patents

インクジェット用記録材料

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JP2003191616A
JP2003191616A JP2001394701A JP2001394701A JP2003191616A JP 2003191616 A JP2003191616 A JP 2003191616A JP 2001394701 A JP2001394701 A JP 2001394701A JP 2001394701 A JP2001394701 A JP 2001394701A JP 2003191616 A JP2003191616 A JP 2003191616A
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Yukihiro Suzuki
幸浩 鈴木
Yukio Tokunaga
幸雄 徳永
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】白色度、光沢性が良好で、巻き癖カールの無
い、インク吸収性、印字濃度に優れ、画像のブロンジン
グの問題も無いインクジェット用記録材料が得られる。 【解決手段】基紙の少なくとも片面に白色顔料とバイン
ダーを含有する吸水性の下塗り層、および平均一次粒径
100nm未満の無機微粒子と親水性バインダーを含有
する少なくとも1層のインク受容層を積層したインクジ
ェット用記録材料において、該基紙の該下塗り層を設け
る面のJIS−B0601で規定される中心線平均粗さ
(Ra1)が1.6μm以下で該下塗り層の表面のJI
S−B0601で規定される中心線平均粗さ(Ra2)
が1.3μm以下であり、Ra1とRa2の差が0.5
μm以下であり、該記録材料の表面のJIS−Z874
1で規定される60度鏡面光沢度が25%以上であるこ
とを特徴とするインクジェット用記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白紙部の白さと光
沢が高く、インク吸収性が良好なインクジェット用記録
材料に関するものであり、特に印字濃度が高く、印字画
像にブロンジングが発生しにくく、巻き癖カールの付き
にくいインクジェット用記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルア
ルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク
吸収層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平8−132728号、同平10
−81064号、同平10−119423号、同平10
−175365号、同10−203006号、同10−
217601号、同平11−20300号、同平11−
20306号、同平11−34481号公報には、気相
法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称
す)を用いた記録材料が開示されている。しかし、イン
ク吸収性と白紙光沢性を両立させることが難しかった。
【0005】また、特開昭62−174183号、特開
平2−276670号、特開平5−32037号、特開
平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和
物を用いた記録材料が開示されている。しかし、白紙光
沢性は良好であるがインク吸収性が不十分であった。特
に印字画像に金属様の光沢むらであるブロンジングが発
生しやすかった。
【0006】また、インク受容層の上層に光沢発現層を
設ける提案が特開平3−215080号、特開平7−8
9220号、特開平7−117335号、特開2000
−37944号公報等でなされている。これらの光沢発
現層はコロイダルシリカであり、インク吸収性が低下し
やすく、インク通過速度向上のために表面の細孔を大き
くすると繊細な画像を得るのが難しかった。
【0007】特開平6−55829号公報には下層にシ
リカ多孔質層を設け、上層にアルミナまたはアルミナ水
和物含有層を有する記録シートが、特開平7−8921
6号公報には下層に吸水性顔料含有層、最表層に擬ベー
マイトを配した記録材料が提案されている。しかしなが
ら、これらの下層に使用される顔料として記載されてい
るのは平均粒径が数μm以上と粗く、十分な表面光沢性
を得ようとすると上層のアルミナやアルミナ水和物の塗
布量を多くする必要からインク吸収性が低下し、光沢性
とインク吸収性の両者を十分には満足できなかった。ま
た印字画像のブロンジングの問題は改良されなかった。
【0008】また、近年、フォトライクな記録シートが
要望される中、益々光沢性が重要視されてきており、ポ
リオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリエチレン等の
ポリオレフィン樹脂をラミネートしたもの)やポリエス
テルフィルム等の耐水性支持体上に気相法シリカ等の無
機微粒子を主体とするインク受容層が塗設された記録材
料が提案されている。しかしながら、ポリオレフィン樹
脂被覆紙等の耐水性支持体は、紙支持体と違ってインク
溶媒を吸収することができないため、支持体上に設けら
れたインク受容層のインク吸収性向上のために空隙率を
高める必要がある。従って、無機微粒子の塗布量を多く
し、更に、無機微粒子に対するバインダーの比率を低減
する等の対策が取られているが、インク吸収性は十分で
はなく、紙支持体使用の場合よりも印字画像のブロンジ
ングが発生しやすかった。また、ポリオレフィン樹脂被
覆紙やポリエステルフィルム等の耐水性支持体を用いた
記録材料は、巻き取り状態で保管した場合に巻き癖カー
ルが発生する問題が有った。
【0009】従来よりアート紙、コート紙の分野では塗
工紙をカレンダー処理により表面の光沢性を向上させる
技術が公知であり、インクジェット用記録材料に関して
も特開平6−155894号公報には紙支持体にインク
受理層を塗設後にカレンダー処理によりドット形状を改
良する提案が、特開平7−17125号公報には支持体
上の塗層の最表層としてカチオン性コロイド粒子主体の
インク定着層を塗設後に熱カレンダー処理することでイ
ンク吸収ムラ、印字部分のうねりを改良する提案がなさ
れているが、十分な白紙部分の白さ、および光沢性が得
られない。特開平11−268405号公報には基材上
の塗工層の最外層に平均一次粒径3〜40nm、平均二
次粒径10〜300nmのシリカ微粒子を含有させ、熱
カレンダー処理で光沢性、表面強度を向上させる提案が
なされているが、白色度向上についての記載が無く、光
沢性も不十分であり、印字画像のブロンジングの改良に
ついての記載も無かった。特開平12−185460号
公報には、印字濃度、インク吸収性、および耐光性向上
の目的で原紙とインク受容層の間に白色度とpH調整用
の層を設ける提案がなされているが、原紙とpH調整用
の層との粗さの差を特定することによる光沢性の改良、
インク吸収性の改良についての記載が無く、印字画像の
ブロンジングの改良についての記載も無かった。
【0010】また、記録材料を巻き取り状態で数日以上
の比較的長期に保管する場合には裁断したシートに顕著
な巻き癖カールが発生しやすく、プリンターで印字する
場合に紙詰まり等の搬送性の問題が発生した。また、広
幅用途等で記録材料をロール状でプリンターに装着して
印字する場合、特にシートがロールの内巻きの場合に顕
著に巻き癖カールが発生している問題が有った。インク
ジェット記録材料のカールを防止する提案として、特開
平8−258408号、同8−258409号公報に
は、紙とプラスチックフィルムとの貼り合わせの支持体
を用いる提案が、特開平9−216389号公報には、
印字した記録材料の反対面に透明水性インク等を付加す
る提案が、特開平11−291616号、特開2001
−180101号公報には原紙の両面に樹脂被覆層を設
けた支持体の片面にインク受容層、反対面にバック層を
設けた記録シートの提案がなされている。特開2001
−171225号公報には紙基材の片面にインク受容
層、反対面に樹脂層を形成する記録シートの製造方法が
提案され、特開2001−180106号公報には支持
体の片面にインク受容層、反対面に裏面塗工層を設け、
インク受容層と裏面塗工層との塗工量比を特定し、裏面
塗工層の配合を特定する提案がなされている。しかしな
がらこれらの提案は、インク受容層の光沢性に劣るか、
巻き癖カールに対しては不十分であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、白紙
部の白さと光沢が高く、インク吸収性が良好なインクジ
ェット用記録材料を提供するものであり、特に印字濃度
が高く、印字画像にブロンジングが発生しにくく、巻き
癖カールの付きにくいインクジェット用記録材料を提供
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、誠
意検討の結果、下記の手段によって基本的に達成される
ことが判明した。
【0013】(1)基紙の少なくとも片面に白色顔料と
バインダーを含有する吸水性の下塗り層、および平均一
次粒径100nm未満の無機微粒子と親水性バインダー
を含有する少なくとも1層のインク受容層を積層したイ
ンクジェット用記録材料において、該基紙の該下塗り層
を設ける面のJIS−B0601で規定される中心線平
均粗さ(Ra1)が1.6μm以下で該下塗り層の表面
のJIS−B0601で規定される中心線平均粗さ(R
a2)が1.3μm以下であり、Ra1とRa2の差が
0.5μm以下であり、該記録材料表面のJIS−Z8
741で規定される60度鏡面光沢度が25%以上であ
ることを特徴とするインクジェット用記録材料。
【0014】(2)前記基紙が、厚さが70〜250μ
m、全パルプのJIS−P8121で規定されるカナダ
標準ろ水度が120〜350mlであり、平均一次粒径
が0.3〜10μm、JIS−M8016で規定される
白色度が88%以上である白色顔料を全パルプの固形分
の2〜30質量%含有していることを特徴とする前記
(1)に記載のインクジェット用記録材料。
【0015】(3)前記基紙、および前記下塗り層が、
鏡面ロールを有するカレンダー装置により処理されてい
ることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のイ
ンクジェット用記録材料。
【0016】(4)前記インク受容層の平均一次粒径1
00nm未満の無機微粒子が、平均一次粒径5〜30n
m、アスペクト比2〜7の平板状アルミナ水和物である
前記(1)〜(3)の何れか1項に記載のインクジェッ
ト用記録材料。
【0017】(5)前記インク受容層が鏡面ロールを有
するカレンダー装置により処理されていることを特徴と
する前記(1)〜(4)の何れか1項に記載のインクジ
ェット用記録材料。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる基紙に使用されるパルプは、例えば
LBKP、NBKP、LBSP、NBSP、LUKP、
NUKP、LUSP、NUSP等の化学パルプ、GP、
TMP等の機械パルプ等のバージンパルプ、新聞古紙、
雑誌、オフィス古紙等からの再生パルプが使用される。
再生パルプは、一般的には、古紙を離解してパルプ懸濁
液を得る離解工程、パルプ懸濁液中の異物を分離する粗
選、精選工程、印刷インクを分離する脱墨工程、および
オゾン等による漂白工程を経て得られ、環境問題からは
使用量の増加が望まれている。特に、環境負荷の少ない
JIS−P8123に規定される白色度75%以下の再
生パルプを基紙の全パルプの80質量%まで使用しても
本発明により得られる記録材料は良好な白色度を有して
いる。再生パルプを高比率で使用することで巻き癖カー
ルがより付きにくくなり、履歴によってパルプ繊維の剛
直性が低くなっているためと推測される。
【0019】本発明の基紙を抄造する場合の全パルプの
JIS−P8121で規定されるカナダ標準ろ水度は4
50ml以下、好ましくは120〜350mlであり、
より好ましくは150〜330mlである。小さいと抄
造時の水引き、乾燥効率が悪化し、操業上問題であり、
400mlより大きいと巻き癖カールが付きやすくな
る。また、本発明で好ましく使用される再生パルプは、
好ましくはカナダ標準ろ水度が300ml以下、より好
ましくは120〜250mlで使用することで巻き癖カ
ールがより付きにくくなる。再生パルプの使用量の上限
は、その白色度により異なるが、基紙の全パルプの80
質量%以下であり、白色度と巻き癖カールからは好まし
くは20〜70質量%である。
【0020】本発明の基紙には、白さの改良と巻き癖改
良の目的で填料を用いる。填料として平均一次粒径が
0.3〜10μmの白色顔料、例えば炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、シリカ、アルミ
ナ、二酸化チタン、硫酸バリウム等の少なくとも1種を
全パルプの固形分に対して2〜30質量%、好ましくは
4〜30質量%含有させることで高い白さを有する基紙
が製造工程上の問題無く得られ、巻き癖が改良される。
平均一次粒径が0.3μmより小さい白色顔料は抄造時
に紙への歩留まりが悪く、10μmより大きい白色顔料
は紙の地合が悪くなる。特にJIS−M8016で規定
される白色度が85%以上、好ましくは88%以上の白
色顔料が用いられる。白色顔料が基紙の2質量%より少
ないと充分な白さの基紙が得られにくく、30質量%よ
り多くなると巻き癖カールは付きにくくなるが、製造工
程で汚れ等の問題や基紙の強度低下が発生する。この基
紙には一般に製紙で用いられている各種サイズ剤、紙力
増強剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配
合される。
【0021】さらに、基紙には、表面サイズ剤、表面紙
力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が
表面塗布されていてもよい。
【0022】また、基紙の厚さは、70〜250μmで
あり、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどして厚さを調整する。表面平滑性
の良いものが好ましいが、圧縮しすぎると白色度が低下
しやすい。厚さが70μm未満であると得られるインク
ジェット用記録材料の質感、強度が低下し、250μm
より厚いと巻き癖カールが付きやすくなる。好ましい基
紙の厚さは80〜220μmである。本発明の基紙の下
塗り層を設ける面のJIS−B0601で規定される中
心線平均粗さRaは1.6μm以下であり、小さい方が
好ましいが、インク吸収性の低下を防止するには0.2
μm以上が好ましい。
【0023】本発明の基紙の少なくともインク受容層を
設ける面には白色顔料と親水性バインダーを含有する吸
水性の下塗り層が設けられており、白色顔料は、好まし
くは平均一次粒径が0.1〜3μm、JIS−M801
6で規定される白色度が88%以上であり、下塗り層の
インク受容層を設ける面のJIS−B0601で規定さ
れる中心線平均粗さ(Ra2)が1.3μm以下であ
る。Ra2の下限は特に無いが、小さくするには下塗り
層の空隙が小さくなる方向であるのでインク吸収性が低
下しやすく、好ましくは0.1μm以上である。本発明
の基紙は中心線平均粗さ(Ra1)が1.6μm以下で
あり、Ra1とRa2の差を0.5μm以下とすること
でインク吸収性が良好で、インク受容層表面の平滑性と
光沢を向上させる他に、印字濃度が均一で高く、印字画
像のブロンジングの発生を防止出来る。その理由は不明
であるが、基紙に直接インク受容層を設けた場合には、
一般的にインク吸収性が大きいのでインク色剤が下層に
浸透しやすいので印字濃度が出にくく、非吸水性支持体
にインク受容層を設けた場合には、インク吸収性が小さ
いのでインク色剤が表面に留まりやすいので画像のブロ
ンジングが発生しやすいが、本発明の基紙に本発明の下
塗り層を設け、基紙と下塗り層の表面粗さの差を小さく
することで光沢性が均一で良好であり、適度のインク吸
収性が得られ、印字濃度が均一で高く、画像のブロンジ
ングが発生しにくくなると推測される。好ましくは基
紙、および下塗り層の表面を鏡面ロールを有するカレン
ダー装置で処理することにより表面を更に高平滑化し、
表面粗さの差を小さくすることでインク受容層表面の光
沢性を向上させ、インク吸収性の均一化、およびインク
吸収性の調整により画像ブロンジングの発生を抑えるこ
とが可能となる他、巻き癖カールが付きにくくなるので
望ましい。インク受容層表面の光沢性を高くするには、
基本的には下塗り層の表面の中心線平均粗さRa2を
1.3μm以下の高平滑とすることで達成されるが、中
心線平均粗さRa1が1.6μmより大きい基紙に下塗
り層を設けて表面のRa2を1.3μm以下にするに
は、下塗り層の固形分塗布量を多くする方法、下塗り層
表面をカレンダー処理する方法があるが、後者はカレン
ダー処理の加圧を高める必要があり、何れの方法もイン
ク吸収性が大きく低下し、不均一な吸収性となるので印
字濃度が低下し、画像のブロンジングが発生しやすくな
る。インク吸収性が低下することでインク色剤が受容層
表面に残りやすく、色剤の結晶化が進むためと推測され
る。本発明の吸水性の下塗り層とは、基紙にポリエチレ
ンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂のフィルムを貼っ
たり熱可塑性樹脂組成物を溶融押し出し法によるラミネ
ート加工により非吸水性のフィルム層を除いた下塗り層
であり、少なくとも顔料とバインダーを含有する塗布組
成物を基紙に塗布、乾燥することで得られる下塗り層で
ある。
【0024】本発明の下塗り層に用いられるJIS−M
8016で規定される白色度が85%以上、好ましくは
88%以上の白色顔料としては、平均一次粒径が0.1
〜3μmの炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化
アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、カオリン、
タルク、シリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム等の少な
くとも1種が用いられる。記録材料の白色度やインク吸
収性からは、白色顔料は下塗り層の全固形分の50質量
%以上、好ましくは70質量%以上含有させる。白色顔
料の固形分塗布量は0.3〜20g/m2、好ましくは
0.5〜15g/m2であり、少なすぎると白色度向上効
果が得られず、印字濃度が低下傾向となり、多すぎると
粉落ちや巻き癖カールが付きやすくなり、インク吸収性
が低下する。
【0025】下塗り層の強度からはバインダーは下塗り
層固形分の5質量%以上含有される。多すぎると白色度
向上効果が得られにくいほか、インク吸収性が低下し、
巻き癖カールが付きやすくなるので一般的には50質量
%以下、好ましくは10〜30質量%である。バインダ
ーとしては、親水性バインダーやポリマーラテックス等
が使用される。親水性バインダーとしては、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン、多糖類等があるが、中でもポリビニルアル
コールが好ましい。ポリマーラテックスとしては、例え
ばアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ
アルキル基等のアクリル酸エステルもしくはメタクリル
酸エステル類、アクリルニトリル、アクリルアミド、ア
クリル酸及びメタクリル酸等の単独重合体または共重合
体、あるいは上記モノマーと、スチレンスルホン酸やビ
ニルスルホン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、
無水マレイン酸、ビニルイソシアネート、アリルイソシ
アネート、ビニルメチルエーテル、酢酸ビニル、スチレ
ン、ジビニルベンゼン等との共重合体が挙げられる。ビ
ニルモノマーとジオレフィン類のコポリマーからなるポ
リマーのビニルモノマーとしてはスチレン、アクリルニ
トリル、メタクリルニトリル、アクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル、酢酸ビニル等が好ましく用いられ、ジ
オレフィン類としてはブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン等が挙げられる。
【0026】本発明のインク受容層には、光沢性と透明
性からは平均一次粒径が100nm以下の無機微粒子、
例えば、合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等が使用
される。好ましくは、気相法シリカ、アルミナ、及びア
ルミナ水和物の少なくとも1種が使用される。特に光沢
性や印字濃度からは好ましくは、平均一次粒径5〜30
nm、アスペクト比2〜7の平板状アルミナ水和物の少
なくとも1種が使用される。
【0027】本発明のインク受容層に用いられる合成シ
リカには、湿式法によるものと気相法によるものがあ
る。湿式法シリカとしては、ケイ酸ナトリウムの酸な
どによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシ
リカゾル、またはこのシリカゾルを加熱熟成して得ら
れるコロイダルシリカ、シリカゾルをゲル化させ、そ
の生成条件を変えることによって数ミクロンから10ミ
クロン位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な
二次粒子となったシリカゲル、更にはシリカゾル、ケ
イ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成さ
せて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ
酸化合物等がある。
【0028】本発明のインク受容層に用いられる気相法
シリカは、乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解
法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及
び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られている
が、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランや
トリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケ
イ素と混合した状態で使用することができる。気相法シ
リカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤ
マ(株)からQSタイプとして市販されており入手する
ことができる。一般的には気相法シリカは凝集して適度
な空隙を有する二次粒子となっており、50〜300n
m程度の二次粒子になる迄超音波や高圧ホモジナイザ
ー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕、分散させたも
のがインク吸収性と光沢性が良好であり好ましい。
【0029】本発明のインク受容層に含有されるアルミ
ナ、及びアルミナ水和物は、酸化アルミニウムやその含
水物であり、結晶質でも非晶質でもよく、不定形や、球
状、板状等の形態を有しているものが使用される。両者
の何れかを使用してもよいし、併用してもよい。特にア
スペクト比2〜7の板状アルミナ水和物の使用により光
沢性、印字濃度、およびインク吸収性が良好となり、カ
レンダー装置による処理での光沢性向上効果も大きくな
るので好ましい。
【0030】本発明のアルミナとしては酸化アルミニウ
ムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδ
グループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を1
0nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常
は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホ
モジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で50〜3
00nm程度まで粉砕したものが好ましく使用出来る。
【0031】本発明のアルミナ水和物はAl23・nH
2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合
がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より
大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和
物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニ
ウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカ
リによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造
方法により得られる。
【0032】本発明の気相法シリカ、アルミナ、及びア
ルミナ水和物の平均一次粒径とは、分散された粒子の電
子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒
子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒径として
求め、平均した。本発明で好ましく使用される気相法シ
リカの平均一次粒径は5〜30nmである。本発明で好
ましく使用される平板状アルミナ水和物の平均一次粒
径、即ち平板状の平面の平均粒径は5〜30nmであ
る。平板状アルミナ水和物の平均厚さは、アルミナ水和
物をフィルム上に塗布したシートの断裁面の観察より得
られ、アルミナ水和物のアスペクト比は平均厚さに対す
る平均粒径の比で得られる。本発明の気相法シリカ、平
板状アルミナ水和物等の二次粒子の平均粒径は希薄分散
液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定して
得られる。
【0033】本発明において、インク受容層で使用され
る平均一次粒径100nm以下の無機微粒子の固形分総
量の範囲は8〜40g/m2であり、好ましくは10〜3
0g/m2である。8g/m2より少ないとインク吸収性に
劣り、40g/m2より多いとインク受容層の強度が弱く
なり、表面にひび割れが発生しやすくなる。
【0034】本発明では、インク受容層表面のJIS−
Z8741で規定される60度鏡面光沢度が25%以
上、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上
である。光沢性を向上させる方法は、基紙のパルプの叩
解度を上げる、下塗り層の顔料の粒径を低くする、基
紙、および下塗り層表面の中心線平均粗さRaを小さく
する対策や、インク受容層で使用する平均粒径が100
nm以下の無機微粒子、好ましくは平板状のアルミナ水
和物を使用する、インク受容層表面をカレンダー処理す
ること等の組み合わせにより可能となる。好ましくはイ
ンク受容層を2層以上とし、支持体に近い下層のインク
受容層に平均一次粒径が5〜30nmの気相法シリカを
使用し、上層のインク受容層に平均一次粒径が5〜30
nmでアスペクト比が2〜7のアルミナ水和物を使用す
ることで良好な表面の光沢性を有し、インク吸収性も良
好となる。上層のインク受容層表面を鏡面ロールに接し
てカレンダー処理することで光沢性が向上し、印字濃度
も良化するが、特に鏡面ロールの表面温度を50〜15
0℃で処理することにより、インク吸収性を低下させな
いでインク受容層表面のJIS−Z8741で規定され
る60度鏡面光沢度を高めることが出来る。
【0035】本発明で、特に、基紙、および基紙に下塗
り層を設けた後で鏡面ロールを有するカレンダー装置で
処理することで巻き癖カールが良化し、インク吸収性、
印字濃度が良好で、画像のブロンジングが改良される。
【0036】本発明では、特にインク受容層表面をカレ
ンダーで処理しない場合にインク受容層の耐傷性向上を
目的としてインク受容層に平均一次粒径が100nm以
下の無機微粒子以外に平均一次粒径が100nmより大
きい、好ましくは1μm以上の有機や無機の粒子をイン
ク受容層の全固形分の5質量%以下で含有させてもよ
い。有機粒子としては、ポリエチレン粒子、ポリスチレ
ン粒子、ポリプロピレン粒子、エチレン−アクリル共重
合粒子等、無機粒子としては、本発明の下塗り層で用い
られるような白色顔料が使用される。
【0037】本発明では、耐傷性を改良する目的で、イ
ンク受容層上にコロイダルシリカを主体とした保護層を
インク吸収性を低下させない程度として固形分5g/m2
以下で設けても良く、保護層を設けた表面のJIS−Z
8741で規定される60度鏡面光沢度が25%以上で
ある。コロイダルシリカは、例えばケイ酸ナトリウムの
酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られ
るシリカゾルを加熱熟成して得られる。コロイダルシリ
カの一般的な一次粒子の平均粒径は5〜100nm程度
であり、平均粒径が10〜500nm程度の二次粒子を
形成しているほうがインク吸収性からは好ましい。市販
の球状のものとして日産化学社製、スノーテックス20
等、触媒化成工業社製、カタロイドUSB等が挙げら
れ、鎖状のものとして日産化学社製、スノーテックスU
P等が挙げられ、パールネックレス状のものとして日産
化学社製、スノーテックスPS−M等が使用出来る。
【0038】本発明のインク受容層には、皮膜としての
特性を維持するためにバインダーを有する。このバイン
ダーとしては、公知の各種バインダーを用いることがで
きるが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られ
る親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バイ
ンダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインク
の初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないこと
が重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の
低い親水性バインダーが好ましく用いられる。例えば、
ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、酸化デンプン、エ
ーテル化デンプン、カルボキシメチルセルロース、カゼ
イン、ゼラチン、等であり、特に好ましい親水性バイン
ダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールま
たはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0039】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したものである。平均重合度500〜5000のポリビ
ニルアルコールが好ましい。
【0040】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載のよ
うな、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポ
リビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリ
ビニルアルコールである。
【0041】また、他の親水性バインダーも併用するこ
とができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量
%以下であることが好ましい。
【0042】本発明ではインク受容層の平均一次粒径が
100nm以下の無機微粒子の質量と親水性バインダー
の質量の比は、一般的には60:40〜92:8の範囲
である。好ましくは70:30〜90:10である。親
水性バインダーに対して前記無機微粒子の比率を高くす
るとインク吸収性は向上するが、透明性の低下、乾燥時
のひび割れが発生しやすく、表面強度が低下し、粉落ち
が出やすい。逆に無機微粒子の比率を低くするとインク
受容層の透明性、表面強度は向上するがインク吸収性が
低下する。
【0043】本発明で使用される鏡面ロールを有するカ
レンダーとしては、スーパーカレンダー、グロスカレン
ダー、マシンカレンダー、ソフトカレンダー等が使用さ
れる。基紙、基紙に下塗り層を設けた後で、およびイン
ク受容層を設けた後で鏡面ロールと他のロールとの間の
ニップを通すことにより圧力、せん断力、および熱によ
り表面の平滑性を向上させ、インク吸収性を調節するも
のである。鏡面ロールとしては鋼鉄等のロール表面にニ
ッケル、クロム、セラミック等を溶射して保護層とした
ものが通常使用され、表面は鏡面光沢を有するように研
磨される。鏡面ロールと組み合わされる他のロールとし
ては、金属ロール、弾性ロール等が用いられるが、下塗
り層やインク受容層表面の処理には弾性ロールが好まし
い。弾性ロールは、コットン、ウール、パルプ等を鉄芯
に巻いて高圧加工、研磨したロール、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の合成樹脂ロール、アラ
ミド繊維ロール等が使用される。本発明ではカレンダー
は鏡面ロールを加熱しないで処理しても良いが、特にイ
ンク受容層の処理では加熱することで更にインク受容層
表面の光沢性が改良され、必要な加圧処理の線圧が緩和
されるためにインク吸収性があまり低下しないので好ま
しい。カレンダー装置を連続で稼働させていれば鏡面ロ
ールを強制的に加温しなくても表面温度は30℃程度に
はなるので、一般的な鏡面ロールの表面温度は30〜2
00℃であり、50〜150℃が好ましい。本発明のカ
レンダー処理時の鏡面ロールと他のロール間のニップの
線圧は250kg/cm以下であり、好ましくは10〜
200kg/cmである。ニップの線圧が低すぎると光
沢性の向上やインク吸収性調節効果が得られにくく、光
沢が不均一となりやすい。高すぎるとインクの吸収性が
低下しやすく、記録材料の剛直性が低くなり、質感が低
下する。処理速度により好ましいニップ線圧は変化する
が、線圧10〜200kg/cmの少なくとも1ニップ
を処理速度が20m/分以上で処理するのが好ましい。
【0044】本発明のインクジェット用記録材料は、積
層されたインク受容層のJIS−K−7105に規定さ
れるヘーズ値が40%以下が好ましく、より好ましくは
30%以下である。40%より高いと印字濃度が下が
り、発色性も低下する。
【0045】本発明のインク受容層は、耐水性改良目的
等でカチオン性化合物を含有するのが好ましい。カチオ
ン性化合物としては、カチオン性ポリマー、水溶性金属
化合物が挙げられる。カチオン性ポリマーは、気相法シ
リカと組み合わせて用いた場合、透明性を低下させる傾
向にあり、水溶性金属化合物は逆に透明性が向上する。
インク受容層に発生する微細な亀裂を抑える為と推定さ
れる。
【0046】本発明に用いられるカチオン性化合物とし
ては、例えばカチオン性ポリマーや水溶性金属化合物が
挙げられる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレ
ンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、特
開昭59−20696号、同59−33176号、同5
9−33177号、同59−155088号、同60−
11389号、同60−49990号、同60−838
82号、同60−109894号、同62−19849
3号、同63−49478号、同63−115780
号、同63−280681号、特開平1−40371
号、同6−234268号、同7−125411号、同
10−193776号公報等に記載された1〜3級アミ
ノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好まし
く用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、
5,000〜10万程度が好ましい。
【0047】これらのカチオン性ポリマーの使用量は前
記無機微粒子に対して1〜10質量%、好ましくは2〜
7質量%である。
【0048】本発明に用いられる水溶性金属化合物とし
て、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウ
ム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、ア
ルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネ
シウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の
水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシ
ウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩
化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫
酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化ア
ンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、
チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六
水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和
物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニ
ッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウ
ム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝
酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、
臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫
酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫
酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸
化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウ
ム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化
マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和
物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウ
ムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タン
グストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドり
ん酸n水和物等が挙げられる。中でも透明性、耐水性改
良効果の高いジルコニウム系化合物が好ましい。
【0049】また、カチオン性化合物として、無機系の
含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸
化アルミニウム化合物が挙げられる。塩基性ポリ水酸化
アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2
又は3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[A
8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al
21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮
合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミ
ニウムである。
【0050】 [Al2(OH)nCl6-nm ・・式1 [Al(OH)3nAlCl3 ・・式2 Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
【0051】これらのものは多木化学(株)よりポリ塩
化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田
化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の
名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの
名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市
されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本
発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、
pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調
節して用いることも可能である。
【0052】本発明において、上記水溶性の金属化合物
のインク受容層中の含有量は、0.1g/m2〜10g/
m2、好ましくは0.2g/m2〜5g/m2である。
【0053】上記したカチオン性化合物は2種以上を併
用することができる。例えば、カチオン性ポリマーと水
溶性金属化合物を併用してもよい。
【0054】本発明におけるインク受容層は、皮膜の脆
弱性を改良するために各種油滴を含有することが好まし
いが、そのような油滴としては室温における水に対する
溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒
(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、ト
リクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体
粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニ
ルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させ
た粒子)を含有させることができる。そのような油滴は
好ましくは親水性バインダーに対して10〜50重量%
の範囲で用いることができる。
【0055】本発明において、インク受容層には、耐水
性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬
膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド
系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケ
トン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米
国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロ
ゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第
3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを
持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如
きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,43
7号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,01
7,280号、同2,983,611号記載の如きアジ
リジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載
の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,09
1,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸
の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシ
ジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫
酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤
等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。硬膜剤の添加量はインク受容層を構
成する水溶性ポリマー100gに対して0.01〜10
gが好ましく、より好ましくは0.1〜5gである。
【0056】本発明において、各層のインク受容層に
は、更に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔
料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増
白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤
を添加することもできる。
【0057】本発明における基紙には筆記性、帯電防止
性、搬送性、カール防止性などのために、基紙の下塗り
層を設ける面の反対面に各種の裏塗り層を塗設すること
ができる。裏塗り層には下塗り層で用いられるような各
種無機顔料やインク受容層で用いられる無機微粒子、無
機粒子や有機粒子、バインダー、無機帯電防止剤、有機
帯電防止剤、硬化剤、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。
【0058】本発明において、下塗り層、およびインク
受容層の塗布方法、および保護層、裏塗り層を設ける場
合の塗布方法は、公知の方法を用いることができる。例
えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストル
ージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方
式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0059】本発明では、カール防止のために、基紙に
下塗り層、およびインク受容層を設けた後で基紙のイン
ク受容層の反対面、または裏塗り層面に水蒸気処理や水
処理を行うことが出来る。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
尚、部及び%は質量部、質量%を示す。
【0061】実施例1 <支持体の作製>バージンパルプである広葉樹晒クラフ
トパルプ(LBKP、白色度92%)と広葉樹晒サルフ
ァイトパルプ(LBSP、白色度91%)を固形分で
1:1とした混合物をカナダ標準ろ水度で320mlに
なるまで叩解したスラリーと、オフィス古紙からの再生
パルプ(オゾン漂白処理品、カナダ標準ろ水度200m
l、白色度84%)スラリーを固形分で2:3となるよ
うに混合してカナダ標準ろ水度で250mlのパルプス
ラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテ
ンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリ
アクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱
粉を対パルプ2.0質量%、軽質炭酸カルシウム(平均
粒径3μm、白色度90%)を対パルプ11質量%、ポ
リアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量
%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラ
リーを長網抄紙機で抄造、乾燥し、表面温度が35℃の
鏡面ロールを有するマシンカレンダー装置により線圧1
00kg/cmの2ニップで処理して坪量210g/
m2、厚さ205μmの基紙を得た。尚、パルプ、および
記録材料の白色度はJIS−P8123に準拠し、白色
顔料の白色度はJIS−M8016に準拠して測定した
値である。基紙の下塗り層を設ける面のJIS−B06
01で規定される中心線平均粗さRaは1.0μmであ
った。
【0062】上記基紙に下記組成の下塗り層を二酸化チ
タンと炭酸カルシウムが固形で8g/m2となるように塗
布、乾燥し、表面温度が55℃の鏡面ロール、およびウ
レタン樹脂ロールを有するカレンダー装置により線圧1
00kg/cmの1ニップで処理して支持体を得た。支
持体の下塗り層表面のJIS−B0601で規定される
中心線平均粗さRaは0.7μmであった。
【0063】 <下塗り層> 炭酸カルシウム 80部 (白石工業社製、Brt15、平均一次粒径0.2μm、白色度91%) 二酸化チタン 20部 (アナターゼ型二酸化チタン、平均粒径0.2μm、白色度94%) ポリビニルアルコール 20部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.5部
【0064】上記支持体の下塗り層面に下記の2層のイ
ンク受容層塗布液をスライドビードテストコーターで、
支持体に近い下層の気相法シリカを固形分15g/m2
上層のアルミナ水和物を固形分10g/m2になるように
塗布し、順に10℃、30℃、45℃の条件で乾燥して
水分含有量が6質量%の記録材料を得た。得られた記録
材料のインク受容層の反対面に水蒸気処理を施すことに
よりカールを改良した後で表面温度が70℃の鏡面ロー
ル、およびウレタン樹脂ロールを有するカレンダー装置
により線圧100kg/cmの1ニップで処理して実施
例1のインクジェット用記録材料を得た。
【0065】 <インク受容層下層> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径12nm) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 15部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部
【0066】 <インク受容層上層> アルミナ水和物 100部 (擬ベーマイト、平均一次粒径15nm、アスペクト比5の平板状) 硝酸 1部 ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 15部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部
【0067】上記のようにして作製されたインクジェッ
ト用記録材料の白色度、光沢度、巻き癖カール、インク
吸収性、印字濃度、および画像のブロンジングを下記の
方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0068】<白色度>記録材料のインク受容層の印字
前の白色度をJIS−P8123に準拠して測定し、下
記を基準として評価した。 ○:88%以上で良好な白さを有する。 △:80%〜88%未満で並の白さを有する。 ×:78%未満で白さが不足する。
【0069】<光沢度>インク受容層表面のJIS−Z
8741で規定される60度鏡面光沢度を測定した。2
5%より小さいと見た目の光沢感に劣る。
【0070】<巻き癖カール>巾210mmの記録材料
をインク受容層を外側にして2インチ紙管に2m長さで
引っ張りながら巻き付け、端をテープで固定し、23
℃、20%RHの環境で、インク受容層面に荷重が掛か
らないように巻き取りを立てて7日間放置した。記録材
料の最表層の端から長さ500mmの部分を取り除いて
から、長さ297mmに切り取ったシートを同じ23
℃、20%RHの環境で1時間ぶら下げて調整した後、
シートのインク受容層を上に水平な台上に置き、シート
の四方の角の台からの高さを測定して平均した。プラス
がインク受容層側への凹カール、マイナスが反対側を上
に置いた時の凹カールを表す。10枚のシートの平均を
巻き癖カールの数値とし、以下の基準で評価した。 ○:±3mm未満で非常に良好。 △:±3〜10mmで良好。 ×:±15mmより大きく不良。
【0071】<インク吸収性>インクジェット用記録材
料のインク受容層面に23℃、55%RHの条件でセイ
コーエプソン社製インクジェットプリンターPM−80
0Cでブラックベタ印字を行ってから5秒後にPPC用
紙を印字面に当てて軽く指で擦ってから剥がしてPPC
用紙に転写したインクの濃さを目視で評価した。 ○;全くインクの転写無し。 △;ややインクの転写有り。 ×;はっきりとしたインクの転写有り。
【0072】<印字濃度>インク吸収性評価と同様にし
て印字したブラックベタ部の印字濃度をマクベス反射濃
度計で測定し、5回測定の平均値で示した。数値は高い
方が良好で1.80以上が望ましい。
【0073】<画像のブロンジング>インク吸収性評価
と同じインクジェットプリンターでイエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックをベタ印字して、画像面のブロン
ジングの発生を目視で下記の基準で評価した。 ◎;ブロンジングの発生無し。 ○;ややブロンジングが発生傾向である。 △;ブロンジングの発生有るが問題の無いレベル。 ×;明確なブロンジングの発生が有る。
【0074】実施例2 実施例1で、基紙にカレンダー処理を行わず、下塗り層
をカレンダー装置により線圧130kg/cmの1ニッ
プで処理した以外は実施例1と同様にして実施例2のイ
ンクジェット用記録材料を得、実施例1と同様にして評
価した。結果を表1に示す。基紙の下塗り層を設ける面
のJIS−B0601で規定される中心線平均粗さRa
は1.5μmであり、下塗り層のRaは1.0μmであ
った。
【0075】実施例3 実施例1で下塗り層のカレンダー処理を行わなかった以
外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット用
記録材料を得、実施例1と同様にして評価した。結果を
表1に示す。下塗り層のJIS−B0601で規定され
る中心線平均粗さRaは1.1μmであった。
【0076】実施例4 実施例1でインク受容層のカレンダー処理条件を鏡面ロ
ールの表面温度が35℃とした以外は実施例1と同様に
して実施例4のインクジェット用記録材料を得、実施例
1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0077】実施例5 実施例1でインク受容層にカレンダー処理を行わなかっ
た以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジェッ
ト用記録材料を得、実施例1と同様にして評価した。結
果を表1に示す。
【0078】実施例6 実施例1で基紙、下塗り層、およびインク受容層のカレ
ンダー処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして
実施例6のインクジェット用記録材料を得、実施例1と
同様にして評価した。結果を表1に示す。基紙の下塗り
層を設ける面のJIS−B0601で規定される中心線
平均粗さRaは1.5μmであり、下塗り層のRaは
1.3μmであった。
【0079】実施例7 実施例1でインク受容層を下記の組成に代え、気相法シ
リカの固形分塗布量で25g/m2とした以外は実施例1
と同様にして実施例7のインクジェット用記録材料を得
た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
【0080】 <インク受容層> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径7nm) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 20部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部
【0081】実施例8 実施例1でバージンパルプである広葉樹晒クラフトパル
プ(LBKP、白色度92%)と広葉樹晒サルファイト
パルプ(LBSP、白色度91%)を固形分で1:1と
した混合物をカナダ標準ろ水度で320mlになるまで
叩解したスラリーと、新聞古紙から得られた再生パルプ
(オゾン漂白処理品、カナダ標準ろ水度180ml、白
色度71%)スラリーを固形分で1:4となるように混
合してカナダ標準ろ水度で210mlのパルプスラリー
を調製し、軽質炭酸カルシウムを対全パルプ固形分で2
6質量%とした以外は実施例1と同様にして坪量210
g/m2、厚さ200μmの基紙を得、実施例1と同様に
して実施例8のインクジェット用記録材料を得た。実施
例1と同様にして評価し、結果を表1に示す。基紙の下
塗り層を設ける面のJIS−B0601で規定される中
心線平均粗さRaは1.1μmであり、下塗り層のRa
は0.7μmであった。
【0082】実施例9 実施例1で基紙のパルプとして、バージンパルプである
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルフ
ァイトパルプ(LBSP)を各々固形分で3:2の混合
物をカナダ標準ろ水度で300mlになるまで叩解した
パルプスラリーのみを使用した以外は実施例1と同様に
して実施例9のインクジェット用記録材料を得、実施例
1と同様に評価した。結果を表1に示す。基紙の下塗り
層を設ける面のJIS−B0601で規定される中心線
平均粗さRaは1.1μmであり、下塗り層のRaは
0.8μmであった。
【0083】実施例10 実施例7で、実施例8の基紙を用いた以外は同様にして
実施例10のインクジェット用記録材料を得た。実施例
1と同様に評価し、結果を表1に示す。基紙の下塗り層
を設ける面のJIS−B0601で規定される中心線平
均粗さRaは1.1μmであり、下塗り層のRaは0.
8μmであった。
【0084】比較例1 実施例6で基紙のパルプとして、バージンパルプである
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒クラフ
トパルプ(LBKP)を各々固形分で3:2の混合物を
カナダ標準ろ水度で420mlになるまで叩解したパル
プスラリーのみを使用し、下塗り層の固形分塗布量を2
5g/m2とした以外は実施例6と同様にして比較例1の
インクジェット用記録材料を得、実施例1と同様に評価
した。結果を表1に示す。基紙の下塗り層を設ける面の
JIS−B0601で規定される中心線平均粗さRaは
1.8μmであり、下塗り層のRaは1.2μmであっ
た。
【0085】比較例2 実施例6で基紙のパルプとして、バージンパルプである
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒クラフ
トパルプ(LBKP)を各々固形分で3:2の混合物を
カナダ標準ろ水度で420mlになるまで叩解したパル
プスラリーのみを使用し、下塗り層の固形分塗布量を1
5g/m2とし、表面温度が35℃の鏡面ロールとウレタ
ン樹脂ロールを有するカレンダー装置で線圧100kg
/cmの2ニップで処理した以外は実施例6と同様にし
て比較例2のインクジェット用記録材料を得、実施例1
と同様に評価した。結果を表1に示す。基紙の下塗り層
を設ける面のJIS−B0601で規定される中心線平
均粗さRaは1.8μmであり、下塗り層のRaは1.
2μmであった。
【0086】比較例3 実施例10で下塗り層を設けなかった以外は実施例10
と同様にして比較例3のインクジェット用記録材料を
得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示
す。
【0087】比較例4 実施例9の基紙に密度0.918g/cm3の低密度ポ
リエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%の
アナターゼ型二酸化チタン(平均粒径0.2μm、白色
度94%)を均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を
320℃で溶融し、200m/分で厚さ24μmになる
ように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリン
グロールを用いて押出被覆し表の樹脂被覆層を設けた
(表面の中心線平均粗さRaは0.1μm)。もう一方
の面には密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂60
質量部と密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレ
ン樹脂40質量部とのブレンド樹脂組成物を同様に32
0℃で溶融し、厚さ22μmになるように押出コーティ
ングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出
被覆して裏の樹脂被覆層を設けて樹脂被覆紙を得た。表
の樹脂被覆層にコロナ処理後実施例9のインク受容層を
設け、カレンダー処理を行わなかった以外は同様にして
比較例4のインクジェット用記録材料を得た。実施例1
同様に評価し、結果を表1に示す。
【0088】
【表1】 ──────────────────────────────────── 白色度 光沢度 巻き癖 インク 印字濃度 ブロンジング カール 吸収性 ──────────────────────────────────── 実施例1 ○ 44 ○ ○ 2.11 ○ 実施例2 ○ 40 ○ △ 1.98 △ 実施例3 ○ 37 ○ ○ 1.94 ○ 実施例4 ○ 40 ○ ○ 2.05 ○ 実施例5 ○ 34 ○ ○ 1.90 ○ 実施例6 ○ 29 ○ ○ 1.86 ◎ 実施例7 ○ 27 ○ ○ 1.84 ◎ 実施例8 △ 42 ○ ○ 2.05 ○ 実施例9 ○ 41 △ ○ 2.10 ○ 実施例10 △ 26 ○ ○ 1.89 ◎ ──────────────────────────────────── 比較例1 ○ 27 × △ 1.81 △ 比較例2 ○ 28 × △ 1.85 × 比較例3 × 23 ○ ○ 1.68 ◎ 比較例4 ○ 42 × △ 2.05 × ────────────────────────────────────
【0089】結果:本発明の実施例1〜10のインクジ
ェット用記録材料は、白色度、光沢性、および巻き癖カ
ールが良好で、インク受容層のインク吸収性、印字濃度
に優れ、画像のブロンジングの問題も無い結果であっ
た。特に実施例8、10のインクジェット用記録材料は
実施例のなかで最も巻き癖カールは良好でほぼ水平であ
った。比較例1は、実施例6で基紙のパルプとして、バ
ージンパルプの混合物をカナダ標準ろ水度で420ml
に叩解したパルプスラリーのみを使用し、中心線平均粗
さRaが1.8μmで下塗り層の固形分塗布量を増やし
て下塗り層表面のRaを1.2μmとした場合であり、
インク吸収性と画像のブロンジングが低下し、巻き癖カ
ールが悪化した。比較例2は、比較例1で下塗り層の表
面をカレンダー処理によりRaを1.2μmとした場合
であり、インク吸収性が低下し、画像のブロンジングと
巻き癖カールが悪化した。比較例3は、実施例10で下
塗り層を抜いた場合であり、印字濃度、および白色度が
大きく低下した。比較例4は、実施例9の基紙を用いた
樹脂被覆紙に実施例9のインク受容層を設け、カレンダ
ー処理を行わなかった場合であり、インク吸収性が低下
し、巻き癖カールと画像のブロンジングが悪化した。
【0090】
【発明の効果】上記結果から明らかなように、本発明に
より白色度、光沢性が良好で、巻き癖カールの無い、イ
ンク吸収性、印字濃度に優れ、画像のブロンジングの問
題も無いインクジェット用記録材料が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 27/00 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA12 BA16 BA21 BA33 BA41 BA43 BA44 BA45 4L055 AA03 AC06 AC08 AC09 AG12 AG17 AG18 AG19 AG64 AG94 AH01 AH02 AH37 AJ01 AJ04 BB03 BE09 BE20 EA05 EA08 EA14 EA16 EA19 EA23 EA27 EA32 FA11 FA12 FA15 GA09

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙の少なくとも片面に白色顔料とバイ
    ンダーを含有する吸水性の下塗り層、および平均一次粒
    径100nm未満の無機微粒子と親水性バインダーを含
    有する少なくとも1層のインク受容層を積層したインク
    ジェット用記録材料において、該基紙の該下塗り層を設
    ける面のJIS−B0601で規定される中心線平均粗
    さ(Ra1)が1.6μm以下で該下塗り層の表面のJ
    IS−B0601で規定される中心線平均粗さ(Ra
    2)が1.3μm以下であり、Ra1とRa2の差が
    0.5μm以下であり、該記録材料の表面のJIS−Z
    8741で規定される60度鏡面光沢度が25%以上で
    あることを特徴とするインクジェット用記録材料。
  2. 【請求項2】 前記下塗り層の白色顔料が、平均一次粒
    径が0.1〜3μmでJIS−M8016で規定される
    白色度が88%以上である請求項1に記載のインクジェ
    ット用記録材料。
  3. 【請求項3】 前記基紙が、厚さが70〜250μm、
    全パルプのJIS−P8121で規定されるカナダ標準
    ろ水度が120〜350mlであり、平均一次粒径が
    0.3〜10μm、JIS−M8016で規定される白
    色度が88%以上である白色顔料を全パルプの固形分の
    2〜30質量%含有していることを特徴とする請求項1
    または2に記載のインクジェット用記録材料。
  4. 【請求項4】 前記基紙が再生パルプを含有しているこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のイン
    クジェット用記録材料。
  5. 【請求項5】 前記下塗り層が白色顔料を全固形分の7
    0質量%以上含有しており、白色顔料の固形分塗布量が
    0.5〜10g/m2である請求項1〜4の何れか1項に
    記載のインクジェット用記録材料。
  6. 【請求項6】 前記基紙、および前記下塗り層の表面
    が、鏡面ロールを有するカレンダー装置により処理され
    ていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記
    載のインクジェット用記録材料。
  7. 【請求項7】 前記インク受容層の平均一次粒径100
    nm未満の無機微粒子が、平均一次粒径5〜30nm、
    アスペクト比2〜7の平板状アルミナ水和物である請求
    項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット用記録材
    料。
  8. 【請求項8】 前記インク受容層が、少なくとも支持体
    に近いインク受容層(A)と支持体から遠いインク受容
    層(B)の2層からなり、該インク受容層Aが平均一次
    粒径が5〜30nmの気相法シリカを含有し、該インク
    受容層Bが平均一次粒径5〜30nm、アスペクト比2
    〜7の平板状アルミナ水和物を含有することを特徴とす
    る請求項1〜7の何れか1項に記載のインクジェット用
    記録材料。
  9. 【請求項9】 前記インク受容層の表面が鏡面ロールを
    有するカレンダー装置により処理されていることを特徴
    とする請求項1〜8の何れか1項に記載のインクジェッ
    ト用記録材料。
  10. 【請求項10】 前記インク受容層の表面をカレンダー
    装置により処理する時の鏡面ロールの表面温度が50〜
    150℃であることを特徴とする請求項9に記載のイン
    クジェット用記録材料。
  11. 【請求項11】 前記基紙、下塗り層、およびインク受
    容層の表面のカレンダー装置による処理が線圧10〜2
    00kg/cmの少なくとも1ニップにより、速度が2
    0m/分以上で行われることを特徴とする請求項6、
    9、および10の何れか1項に記載のインクジェット用
    記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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