JP2004122437A - 小判インクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基紙上に少なくともアルミナとポリビニルアルコールとを含有する記録層を、キャストコート法で設けたインクジェット記録用紙を、JIS P8127で規定された方法で測定した紙中水分が、断裁時に5.5〜9.0%となるように加湿装置等で調整した後、ギロチンやカッター等の断裁刃を用いて小判に断裁する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は小判に断裁されたインクジェット記録用紙の製造方法に関し、特に、断裁加工適性が優れたインクジェット記録用紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
インクジェット記録方式は、種々の機構によりインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させることによりドットを形成し、記録を行うものであるが、ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、またフルカラー化が容易である上、高速印字が可能であるなどの利点がある。
【0003】
このようなインクジェット記録方式に用いられるインクジェット記録用紙としては、アルミナを用いたインクジェット記録用紙が提案されている。例えば、特開平8−207431号公報等には、嵩密度が0.2g/cm3であるアルミナと結着剤を含有する塗被層を設けた上にさらに樹脂を含有する塗被層を設けた光沢インクジェット記録用紙が開示されている。
また、特開平7−76161号公報には、アルミナ水和物及びポリビニルアルコール、ホウ酸又はホウ酸塩を含有したアルミナゾル塗工液を基材上に塗布した記録シートが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−207431号公報
【特許文献2】特開平7−76161号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したアルミナやポリビニルアルコールを記録層中に含有するインクジェット記録用紙は発色性、光沢の点で優れており好ましいが、ギロチンやカッター等で小判に断裁する際、断裁面切り口においてざらつき・毛羽立ちが生じ易くなると共に多くの紙粉を発生しやすく、断裁加工適性が劣るという欠点があった。従って本発明の目的は、小判断裁時の紙粉を低減し、又、断裁面切り口が良好である小判断裁インクジェット記録用紙の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、この問題を解決するために種々検討した結果、断裁時のインクジェット記録用紙の紙中水分を断裁時に5.5〜9.0%となるように調整することによって、良好な結果が得られることを見いだし本発明に到達した。
本発明の上記目的は、基紙上に少なくともアルミナとポリビニルアルコールとを含有する記録層を設けたインクジェット記録用紙の紙中水分が断裁時に5.5〜9.0%となるように調整した後、断裁刃を用いて小判に断裁することを特徴とする小判断裁インクジェット記録用紙の製造方法によって達成された。また、本発明においては、特に前記のアルミナとポリビニルアルコールを含有する記録層がキャストコート法で設けられる場合に、その効果が著しい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において使用する基紙は、公知の紙(塗工紙、未塗工紙等)の中から適宜選択して使用することができる。基紙の原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。尚、基紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、基紙中に填料を含有させることによって紙の不透明度を向上させることが好ましい。上記填料は、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等、公知の填料の中から適宜選択して使用することができる。
【0008】
本発明における記録層は、顔料と結着剤を含有し、顔料としてはアルミナを含有する。アルミナは、水酸化アルミニウムを焼成する等によって得られるアルミニウムの酸化物である。アルミナの結晶形態は数多く知られており、例えばα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ等をあげることができる。本発明においては記録層の光沢を向上させるという点で、特にγ−アルミナが好ましく用いられる。アルミナの粒子径やBET比表面積は必要に応じて適宜選択することが出来るが、記録層の光沢性を向上するという点で、平均粒子径が1.0〜4.0μmのアルミナを用いることが好ましく、特に1.5〜3.3μmの平均粒子径を有するものが好ましい。
本発明においては、アルミナのほかに、シリカ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛等、公知の顔料を適宜選択し併用して用いることができる。
【0009】
本発明において結着剤としては、ポリビニルアルコールを含有する。ポリビニルアルコールとしては完全ケン化あるいは部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール等を用いることが出来る。
また、本発明においてはポリビニルアルコールの他にポリビニルアセタール樹脂、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、尿素エマルジョン、アルキッドエマルジョン及びこれらの誘導体等を併用してもよい。
【0010】
記録層中の結着剤の配合量は、必要な記録層強度が得られる限り特に限定されるものではないが、顔料100重量部に対して5重量部〜30重量部であることが好ましく、20重量部以下であることがより好ましい。結着剤の配合量が少ないと記録層の強度が低下しやすく、多いとインク吸収性が低下しやすい。また、結着剤中のポリビニルアルコールの配合量が少ないと白紙光沢(インクジェット印字前の記録層の光沢)が出にくい傾向にあるため、記録層の結着剤成分中のポリビニルアルコールは、30重量%以上であることが好ましく、特に50重量%以上配合することが好ましい。
【0011】
本発明においては小判断裁時のインクジェット記録用紙の紙中水分が5.5〜9.0%となるように調整することにより、断裁加工適性が向上する。より好ましくは6〜8.0%である。記録用紙の紙中水分が高いほど断裁時の紙粉や、断裁面の切り口が良好になる傾向にあり、紙中水分が5.5%より小さい場合は紙粉の発生、断裁面のざらつき・毛羽立ちが著しい。また、紙中水分が9.0%を越えると、放置した際に起こる脱湿(記録用紙中の紙中水分が徐々に減少していく現象)により記録用紙に「波打ち」と呼ばれる凹凸が発生したり、小判断裁後に包装して放置しておくと包装材への結露が生じる危険性がある。また、白紙光沢度が低下する。
【0012】
インクジェット記録用紙の紙中水分を5.5〜9.0%に調整する事により、断裁加工適性が向上する理由は明らかではないが、次のように考えられる。アルミナやポリビニルアルコールを含有する記録層は、紙中水分が5.5%未満の低湿状態では硬く脆いため、断裁刃できれいに切断されにくく、一番強度が弱い原紙の部分から記録層が剥がれ落ちるため、断裁面にざらつき・毛羽立ちが発生したり、紙粉が大量に発生する。一方、紙中水分が5.5%以上の高湿状態では記録層は柔軟性を持つため、断裁刃によって切断されやすく、ざらつき・毛羽立ちのない良好な断裁面と、紙粉量の軽減を図ることが可能となる。
なお、本発明において、紙中水分は、JIS P8127により規定された紙及び板紙の水分試験方法(乾燥器による方法)にて測定したインクジェット記録用紙の水分をいう。
【0013】
本発明においては、記録層が湿潤状態にある間に、これを加熱した鏡面仕上げ面に圧着して乾燥し光沢を付与する方法、いわゆるキャストコート法により記録層を設けたインクジェット記録用紙を断裁する際において高い効果を奏する。特に凝固キャストコート法の場合は、鏡面仕上げ面の写し取りが容易であり表面の微小な凹凸を少なくすることができるので、銀塩写真並の光沢感を得やすい一方、断裁面のざらつきや毛羽立ちが目立ちやすいが本発明の製造方法によって断裁加工適性が著しく向上し断裁面が良好になる。
【0014】
凝固キャストコート法の場合は、顔料としてアルミナ、結着剤としてポリビニルアルコールを含有する塗工液(記録層用塗工液)を基紙上に塗布し、塗工層が湿潤状態にある間にポリビニルアルコールを凝固させる機能を有する処理液を塗布した後、その記録層が湿潤状態にある内に加熱した鏡面仕上げ面に圧着して乾燥して、記録層表面に光沢を付与する。
ポリビニルアルコールを凝固させる機能を有する化合物の例としては、ほう酸及びほう酸塩を挙げることができる。処理液中にほう酸塩を単独で用いた場合には、ほう酸塩と記録層中のポリビニルアルコールとの凝固作用が強いため、加熱された鏡面ドラムにプレスロールを介して湿潤状態の記録層を圧接させて乾燥した場合に、充分にドラム表面の光沢面を写し取ることが出来ず、良好な光沢面を得ることが難しい。
【0015】
一方、処理液中にほう酸を単独で用いた場合には、記録層中のポリビニルアルコールとほう酸との凝固作用が充分でないために処理液付与ロールに軟凝固の記録層が付着することがあり、良好な凝固状態の記録層を得ることが難しい。処理液中のほう酸濃度を上げることによってポリビニルアルコールの凝固作用を強くしようとしても、ほう酸の溶解度が低いために所望の硬さに凝固させることが難しい。
【0016】
前記の理由から、本発明においてはほう酸塩又はほう酸を単独で含有する処理液を用いるより、ほう酸塩とほう酸とを混合した処理液を用いることが好ましい。このようにすることにより、ポリビニルアルコールの凝固状態が調整しやすくなるので、良好な光沢感を有するインクジェット記録用紙を得ることが容易となる。
【0017】
処理液中のほう酸塩とほう酸の配合比は、無水物換算後の重量比で、ほう酸塩/ほう酸=1/4〜2/1の間であることが好ましい。ほう酸塩とほう酸の配合比が1/4未満では、ほう酸の割合が多くなりすぎるので記録層中のポリビニルアルコールの凝固が不十分になり、処理液付与ロールに軟凝固の記録層が付着し、良好な湿潤状態の記録層を得ることが出来ないことがある。一方、ほう酸塩とほう酸の配合比が2/1を越える場合には、記録層中のポリビニルアルコールが硬く凝固しすぎ、加熱された鏡面ドラムにプレスロールを介して湿潤状態の記録層を圧接させて乾燥した場合に、充分にドラム表面の光沢面を写し取ることが出来なくなり、良好な光沢面を得ることが難しくなることがある。
【0018】
本発明で用いられるほう酸塩としては、ほう砂、オルトほう酸塩、二ほう酸塩、メタほう酸塩、五ほう酸塩、および八ほう酸塩等を挙げることができる。なお、ほう酸塩は特にこれらに限定されるものではないが、コスト、入手性等の観点からは、ほう砂を用いることが好ましい。処理液中のほう酸塩及びほう酸の濃度は必要に応じて適宜調整することができるが、処理液中のほう酸塩とほう酸の濃度の合計が、無水物換算で1〜8重量%の範囲であることが好ましい。ほう酸塩及びほう酸の濃度、特にほう酸塩の濃度が高すぎるとポリビニルアルコールの凝固が強くなりすぎ、白紙光沢度が低下する傾向にある。また、ほう酸の濃度が高いと処理液中にほう酸が析出しやすくなるので、処理液の安定性が悪くなる。
【0019】
記録層用塗工液および処理液には、必要に応じて剥離剤を添加することが出来る。添加する剥離剤の融点は90〜150℃であることが好ましく、特に95〜120℃であることが好ましい。上記の範囲であれば剥離剤の融点が鏡面仕上げの金属表面温度とほぼ同等であるため、剥離剤としての能力が最大限に発揮される。剥離剤は、上記特性を有している限り特に限定されるものではない。
【0020】
また前記した記録層用塗工液及び処理液には、本発明の効果を損なわない程度に顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。
【0021】
支持体上に記録層を設ける方法は、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター等の公知の塗工機を用いた方法の中から適宜選択すれば良い。処理液を塗布する方法は、記録層に塗布できる限り特に制限されず、公知の方法(例えばロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択して用いることができる。
【0022】
又、インクジェット記録用紙の紙中水分を調整する方法としては、上記にあげた公知の塗工機等を用いて微量の水をインクジェット記録用紙に塗布する方法や蒸気を付与する方法、高湿度の雰囲気下に一定時間さらす方法等を用いることができる。蒸気や微量の水を記録層に付与すると記録層の光沢度が低下するため、記録層の光沢性が重視される場合は、その記録層が設けられていない面側に水を塗布、又は蒸気を付与することが好ましい。高湿度下にさらす場合は、温度40〜60℃、湿度60〜80%RH、時間が10〜150秒の条件にすることが好ましい。これらの方法は記録層を設ける塗工機とオンラインであっても、オフラインであっても構わない。
紙中水分を調整した直後に小判断裁を行わない場合は、紙中水分が変動することを防止することを目的として、インクジェット記録用紙全体を梱包することが好ましい。梱包材料が防湿性を有すると紙中水分の変動が非常に小さくなるため、好ましい。
【0023】
記録層の塗工量は、原紙の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、印字濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/m2であることが好ましく、生産性を加味すると10〜25g/m2であることが特に好ましい。30g/m2を超えると鏡面ドラムからの剥離性が低下し、塗工した記録層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる。記録用紙に、特にインク吸収性が要求される場合は、記録層の塗工量を大きくする必要があるが、この場合には、支持体と記録層の間にアンダーコート層を設けても良い。
記録層がアルミナとポリビニルアルコールを含有する場合は、塗工量が10g/m2を越えると断裁加工適性が著しく低下するが、本発明の製造方法を用いると問題なく断裁可能となる。
【0024】
本発明のインクジェット記録用紙はギロチンカッター等の断裁刃を有するカッターで所望の大きさの小判に断裁する。断裁刃は片側が垂直で他側が先端まで斜めになって、または両側が先端まで斜めになって刃を形成している。例えばギロチンカッターの場合、金属製の平盤上に平版紙を重ね揃えて乗せ、上からギロチン断裁刃を降ろして断裁する。
【0025】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録用紙の製造方法においては、アルミナやポリビニルアルコールを記録層中に含有するインクジェット記録用紙をギロチンやカッター等で小判に断裁する際、断裁面切り口においてざらつき・毛羽立ちがなく、紙粉を低減することができる。特に銀塩写真並の光沢感を有する記録用紙において断裁加工適性を向上することが可能となる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
実施例1.
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプに、タルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、及び歩留向上剤0.02部を添加したパルプスラリーから抄紙機を用いて抄紙し、支持体を得た。この支持体の両面に、ゲートロール装置によって片面当りの乾燥塗工量が1.5g/m2となるようにデンプンを塗工すると同時に、一方の面に、ブレード方式で下記塗工液Aをアンダーコート層として、乾燥塗工量が7g/m2となるように塗工し、坪量190g/m2のインクジェット記録用紙用原紙を得た。
【0027】
塗工液A:合成シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマの製品名)100部、SBラテックス(LX438C:住友化学工業株式会社の製品名)5部、ポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレの製品名)20部、及びサイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業株式会社の製品名)5部を配合して、固形分濃度20%の塗工液を調製した。
【0028】
上記のようにして得られた原紙の前記アンダーコート層上に、下記塗工液Bを乾燥塗工量が20g/m2となるようにロールコーターで塗工し、記録層が湿潤状態にあるうちに下記凝固液Cを用いて凝固させ、次いでプレスロールを介して105℃に加熱された鏡面ドラム表面に20秒間圧着して鏡面を写し取り、210g/m2のインクジェット記録用紙を得、次いで、加湿装置を用いて、45℃60%RH雰囲気下で80秒間放置し、紙中水分が5.5%になるよう調節した。
【0029】
塗工液B:顔料として高純度アルミナ100部(UA5605(昭和電工株式会社の製品名、平均粒子径2.8μm)を50部とAKP−G015(住友化学株式会社の製品名、平均粒子径2.2μm)を50部)、バインダーとして、部分ケン化ポリビニルアルコール(PVA224:株式会社クラレの製品名、重合度2400、けん化度88.0)13部、及び消泡剤0.2部を配合して、固形分濃度28%の塗工液を調製した。
【0030】
凝固液C:水中にほう砂(無水物換算)1.5部とほう酸3部、及び剥離剤(FL−48C:東邦化学工業(株)の製品名)0.2部(固形分換算)を配合し、固形分濃度4.7%の凝固液を調製した。
【0031】
実施例2.
加湿装置にて45℃60%RH雰囲気下で120秒放置し、紙中水分を6.5%になるようにしたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0032】
実施例3.
加湿装置にて45℃70%RH雰囲気下で120秒放置し、紙中水分が7.5%になるようにしたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0033】
実施例4.
加湿装置にて45℃80%RH雰囲気下に120秒放置し、紙中水分を8.5%にしたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0034】
比較例1.
鏡面ドラムの温度を105度から112度に上げ、加湿装置を用いなかったこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0035】
比較例2.
加湿装置にて45℃90%RH雰囲気下に120秒放置し、紙中水分を9.5%にしたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0036】
実施例1〜3及び比較例1〜2で得られたインクジェット記録用紙について、摩擦係数、白紙光沢度及び印刷傷試験の評価を以下の方法で行った。結果は表1にまとめた通りである。
【0037】
(1)紙中水分
インクジェット記録用紙を、JIS P8127の方法に準じて紙中水分を測定した。
(2)白紙光沢度
JIS Z8741の方法に準じて測定した、白紙部分の20度鏡面光沢度を白紙光沢度とした。白紙光沢度が15%以上であれば、銀塩写真並の光沢感を有している。
【0038】
(3)波打ち
インクジェット用紙1015×765mmの平判1枚を、23℃、50%RHの雰囲気下で4時間調湿後、波打ち状態を目視評価した。△以上であれば実用上問題ない。
◎:浪打ちないフラットな状態
○:波打ちがわずかに認められる
△:波打ちが認められる
×:波打ちが著しく認められる
(4)断裁紙粉量
インクジェット記録用紙A4サイズ400枚を、記録面とは反対側より、平判断裁機(ポーラー製、115EMC)にて、幅方向に4回断裁した際の紙粉量を測定した。
【0039】
(5)断裁面切り口
上記断裁時の、断裁刃の非垂直面側の断裁面切り口を目視で評価した。○以上であれば実用上問題ない。
◎:ざらつき・毛羽立ちが全く認められない
○:ざらつき・毛羽立ちがわずかに認められる
△:ざらつき・毛羽立ちが明らかに認められる
×:ざらつき・毛羽立ちが著しく認められる
【0040】
【表1】
【0041】
表1から明らかなように、実施例1〜4の本発明のインクジェット記録用紙では、平判断裁加工時の紙粉発生、断裁面の切り口が良好であることが実証された。実施例4においては、平判断裁加工時の紙粉発生、断裁面の切り口は良好であるが、インクジェット用紙に若干波打ちが見られ、また、白紙光沢度がやや低下した。
一方、紙中水分が5.5%より低い場合、平判断裁加工時の紙粉発生、断裁面の切り口が悪化し、また、9.0%より高い場合には、平判断裁加工時の紙粉発生、断裁面の切り口は良好であるが、インクジェット用紙に大きな波打ちが見られ、実用的な使用が不要であった。
Claims (2)
- 基紙上に少なくともアルミナとポリビニルアルコールとを含有する記録層を設けたインクジェット記録用紙を、その紙中水分が断裁時に5.5〜9.0%となるように調整した後、断裁刃を用いて小判に断裁することを特徴とする小判断裁インクジェット記録用紙の製造方法。
- 少なくともアルミナとポリビニルアルコールとを含有する記録層がキャストコート法で設けられることを特徴とする請求項1に記載された小判断裁インクジェット記録用紙の製造方法。
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