JP2003260866A - 非水系顔料インク用インクジェット記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

非水系顔料インク用インクジェット記録媒体及びその製造方法

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JP2003260866A
JP2003260866A JP2002065613A JP2002065613A JP2003260866A JP 2003260866 A JP2003260866 A JP 2003260866A JP 2002065613 A JP2002065613 A JP 2002065613A JP 2002065613 A JP2002065613 A JP 2002065613A JP 2003260866 A JP2003260866 A JP 2003260866A
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ink
ink jet
jet recording
solvent
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JP2002065613A
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Tetsuya Uto
哲也 宇戸
Hideya Arisue
英也 有末
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水系顔料インクを用いたインクジェット記録に
用いるインクジェット記録媒体において、プリンタート
ラブルを起こすことなく、加えて、印字記録面の面質が
良好なインクジェット記録媒体及びその製造方法を提供
すること。 【解決手段】色材顔料及び非水系高沸点溶剤を含有する
非水系顔料インクを用いてインクジェット記録するイン
クジェット記録媒体であって、紙支持体上に少なくとも
1層以上のインク受理層を設けてなるインクジェット記
録媒体において、該記録媒体全体の製造直後の水分含有
量が5〜7質量%であることを特徴とするインクジェッ
ト記録媒体。印字記録面の反対面に水蒸気を吹き付ける
こと或いは水とアルコールの混合溶剤を塗工することに
より水分含有量を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録媒体に関するものである。より詳しくは、色材顔料及
び非水系高沸点溶剤を含有する非水系顔料インクを用い
たインクジェット記録に用いるインクジェット記録媒体
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、種々の作動原理
によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録媒体
に付着させ、画像・文字などの記録を行なうものであ
る。インクジェット記録には、高速、低騒音、多色化が
容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不
要などの特徴があり、文字や図形、カラー画像などの記
録装置として、種々の用途において急速に普及してい
る。
【0003】従来、インクジェット記録では、水性イン
ク、すなわち水或いは水と親水性溶剤の混合溶媒に、染
料・顔料などの着色剤を分散或いは溶解したインクが用
いられてきた。しかし、水性インクを用いたインクジェ
ット記録には、記録媒体の印字部が、インク中の溶剤を
吸収して伸長することによって発生する種々の問題があ
る。かかる記録媒体の伸長は、支持体の機械的強度を維
持している繊維間の水素結合が、水性インクの溶媒、特
に水によって切断されることにより生じ、記録媒体のプ
リンター内での搬送に悪影響を及ぼすばかりでなく、プ
リンター内の印字ヘッドと記録媒体の相対的な位置関係
の精度を悪化させて、得られる図面の寸法精度が低下し
たり、画像にムラが生じるなどの好ましくない現象を引
き起こしている。
【0004】このような問題に対して、特開昭57−1
0660号公報、同57−10661号公報、特開平5
−202324号公報、同5−331397号公報等で
は、イソパラフィン系炭化水素などの非水系溶剤中に着
色剤を溶解又は分散させた非水系インクを用いることが
提案されている。これらの提案によれば、記録媒体の伸
長をまったく伴わず、寸法精度が高く、また画像にムラ
が生じないインクジェット記録を行うことが可能であ
る。更に、非水系溶剤の特徴である低粘度・低表面張力
によって、水性インクを用いたインクジェット記録と比
較して、印字ヘッドの駆動周波数を高くすることが可能
になり、非常に高速なインクジェット記録を行うことが
できる。
【0005】このような非水系インクとしては、着色剤
として油溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解した非
水系染料インクがある。しかしながら、このタイプのイ
ンクは、高沸点溶剤がいつまでも記録媒体中にとどまる
為、経時で染料が記録媒体中を移動しやすく、画像のに
じみが大きな問題となった。また、一般に油溶性染料は
水溶性染料と同様に耐光性が弱く、耐候性を要求される
産業用の分野では、更なる諸特性の改善の要求がある。
【0006】これに対し、画像のにじみや耐候性の改良
を目的として、着色剤として染料の代わりに顔料を用い
る非水系顔料インクが提案されている。
【0007】かかる非水系インクを用いたインクジェッ
ト記録に用いる記録媒体として、特開昭64−2478
5号公報等では吸油性無機顔料、有機顔料および水系接
着剤からなる記録媒体が提案されており、また特開平1
−255580号公報等では、シリカおよび接着剤から
なる記録媒体が提案されている。
【0008】一方、非水系インクを用いると非常に高速
な印字が可能になること及び色材顔料の良好な耐候性に
より屋外展示をも目的として含めた、非水系顔料インク
を用いた大判の画像の印字が盛んに行われている。大判
の画像の印字に用いるインクジェットプリンター(ワイ
ドフォーマットインクジェットプリンター)において
は、非水系顔料インクの特徴である高速印字に対応する
ために印字ヘッドを高速かつ位置精度良く作動させる必
要があり、印字ヘッドとインクジェット記録媒体との間
隔を印字幅にわたり一定に保つ事が必要である。また、
非水系顔料インクを用いたワイドフォーマットインクジ
ェットプリンターは、高速印字性能を最大限に高めるた
め、水系インクを用いたプリンターよりも遙かに大きい
印字ヘッド幅を有しており、印字部の記録媒体密着部分
(プラテン部)の幅が大きく、記録媒体の平坦性が特に
要求される。しかし、紙を支持体として用いたインクジ
ェット記録媒体では製造工程における残留歪みにより大
判全面を平坦に保つことが非常に困難であり、プリンタ
ーへの通紙不良や記録媒体の印字記録面に印字ヘッドが
擦れることによる印字不良や印字ヘッドの故障等のプリ
ンタートラブルを引き起こすことが多々あり、改良が要
求されている。
【0009】このような要求に対し、インクジェット記
録媒体の印字記録面の反対面に水を塗工することにより
残留歪みを除き、大判全面を平坦に保つ試みがなされて
いる。しかし、このような水の塗工を行うと大判全面に
わたる平坦性は改良されるものの、紙支持体の伸縮によ
り細かな凹凸(コックリング)が発生するため、印字不
良や、特に印字記録面が光沢を有するインクジェット記
録媒体において面質の悪化が起こる傾向にあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、非水
系顔料インクを用いたインクジェット記録、特に非水系
顔料インクを用いたワイドフォーマットインクジェット
プリンターによる大判の画像の印字に用いるインクジェ
ット記録媒体において、プリンタートラブルを起こすこ
となく、加えて、印字記録面の面質が良好なインクジェ
ット記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは様々
な構成のインクジェット記録媒体及びその製造方法につ
いて検討し、以下の構成を用いることにより本発明の課
題が解決できることを見出した。
【0012】すなわち本発明のインクジェット記録媒体
は、色材顔料及び非水系高沸点溶剤を含有する非水系顔
料インクを用いてインクジェット記録するインクジェッ
ト記録媒体であって、紙支持体上に少なくとも1層以上
のインク受理層を設けてなるインクジェット記録媒体に
おいて、該記録媒体全体の製造直後の水分含有量が5〜
7質量%であることを特徴とするインクジェット記録媒
体である。
【0013】該インクジェット記録媒体の印字記録面表
面のJIS Z8741に規定される75度光沢度が5
0%以上であると好ましく、更に該インクジェット記録
媒体が、紙支持体上に少なくとも1層以上のインク受理
層を設け、該インク受理層上に該非水系高沸点溶剤によ
り膨潤又は溶解するポリマーを塗工又は含浸させてなる
ものであることが特に好ましい。
【0014】本発明のインクジェット記録媒体の製造方
法は、上記インクジェット記録媒体を製造する方法にお
いて、支持体上にインク受理層塗工或いは、ポリマー塗
工又は含浸した後に、その反対面に水蒸気を吹き付ける
ことを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法で
ある。
【0015】また、上記インクジェット記録媒体を製造
する方法において、支持体上にインク受理層塗工或い
は、ポリマー塗工又は含浸した後に、その反対面に水と
アルコールの混合溶剤を塗工することを特徴とするイン
クジェット記録媒体の製造方法である。
【0016】該アルコールがエチルアルコール又はイソ
プロピルアルコールであり、該混合溶剤中の該アルコー
ルの含有量が50〜80質量%であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明におけるインクジェット記
録媒体の支持体としては、パルプを主成分とする紙を用
いる。
【0018】支持体を構成するパルプとしては、天然パ
ルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以
上混合して用いられる。天然パルプとしては、通常製紙
用に使用されるパルプ、即ち、針葉樹クラフトパルプ、
広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパルプ、広
葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプ等が、い
ずれも使用可能である。また、白色度が高いメカニカル
パルプであってもよい。更に、藁、エスパルト、バガ
ス、ケナフ等の草類繊維、麻、楮、雁皮、三椏等の靱皮
繊維、綿等より製造した非木材パルプでもよい。これら
の中では通常工業的に最も多用される針葉樹クラフトパ
ルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパル
プ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプが
好ましい。
【0019】パルプは抄紙適性、ならびに、強度、平滑
性、地合の均一性等といった紙の諸特性等を向上させる
ため、ダブルディスクリファイナー等の叩解機により叩
解される。叩解の程度(濾水度)は、カナディアン ス
タンダード フリーネス(csf)で250ml〜550ml
程度の通常の範囲で目的に応じて選択することが出来
る。
【0020】本発明に用いる支持体には必要に応じ填料
を含有してもよい。例えば、タルク、カオリン、デラミ
ネートカオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、
軽質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チ
タン、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、珪酸カルシウム、
珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウ
ム、シリカ、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト
等の鉱物填料やポリスチレン樹脂、尿素樹脂、アクリル
樹脂、メラニン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の微粒
子、および微小中空粒子等の有機合成填料等の1種或い
は2種以上の填料を適宜選択して併用することもでき、
更には、古紙やブローク等に含まれる填料も再生使用す
ることができる。
【0021】また、本発明の支持体には通常抄紙で添加
される内添サイズ剤、紙力増強剤等を添加することが出
来る。内添サイズ剤としては、中性抄紙に用いられる中
性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、アルキ
ルケテンダイマー、石油樹脂系サイズ剤などが使用でき
る。
【0022】また、紙力増強剤としては、各種のアニオ
ン性、ノニオン性、カチオン性或いは両性の紙力剤など
の抄紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用され
る。例えば、各種澱粉、およびポリアクリルアミド、ポ
リエチレンイミン、ポリアミン、ポリアミド・ポリアミ
ン、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、植
物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチ
レンオキサイド、ポリアミド樹脂の内の1種或いは2種
以上が適宜組み合わされて使用される。
【0023】なおその他、着色染料、着色顔料、蛍光増
白剤、pH調節剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、ス
ライムコントロール剤などの抄紙用内添助剤を目的に応
じて適宜添加することも可能である。
【0024】支持体の抄紙方法において、抄紙機は、長
網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄
紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機など製紙業界で公知
の抄紙機を適宜使用できる。また抄紙の途中で、コンベ
ンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、
フィルムトランスファーサイズプレス等によるオンマシ
ンで各種樹脂、表面サイズ剤等を付与することも出来
る。
【0025】サイズプレスで付与される樹脂としては、
例えば酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自製変性澱粉、
カチオン化澱粉又は各種変性澱粉、ポリエチレンオキサ
イド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ア
ルギン酸ソーダ、ハイドロキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール又はそれらの誘導
体などを単独或いは併用して使用することができる。
【0026】また、表面サイズ剤は、非水系インクの浸
透性をコントロールするため、適宜用いられるが、その
主成分は例えばスチレン/アクリル酸系共重合体、スチ
レン/メタクリル酸系共重合体、アクリロニトリル/ビ
ニルホルマール/アクリル酸エステル共重合体、スチレ
ン/マレイン酸系共重合体、オレフィン/マレイン酸系
共重合体、アルキルケテンダイマー系、ロジン系などの
表面サイズ剤などが挙げられる。
【0027】本発明におけるインク受理層とは、顔料お
よびバインダーを主体とするインク吸収性のある多孔質
層を言う。このインク吸収性のある多孔質層を設けるこ
とにより、記録媒体のインク溶媒吸収速度が向上し、記
録媒体表面でインク色材が移動して記録画像にムラが生
じることを防ぐことが可能となる。
【0028】このインク受理層に使用する顔料として
は、公知の顔料を一種類以上用いることができる。例え
ば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チ
タン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アル
ミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシ
ウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロダル
アルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミ
ナ、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ムなどの無機顔料、アクリル系樹脂、ポリスチレン、尿
素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などが挙げられ
る。上記の中でも多孔質層の主体成分として含有する顔
料としては多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶
質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナが
挙げられ、特に細孔容量の大きい多孔性合成非晶質シリ
カが好ましい。
【0029】インク受理層に使用するバインダーとして
は、例えば、でんぷんおよびその変性物、ゼラチンおよ
びそれらの変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴ
ム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子又はこれら
の誘導体、ポリビニルアルコール又はそのカチオン変性
物やシラノール変性物、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミ
ン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、無水マレイン酸の重合体又はその共重合体等の水溶
性合成高分子、SBRラテックス、NBRラテックス、
メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体やエチレン
−酢酸ビニル共重合体等の水系エマルジョン等を挙げる
ことができる。これらのバインダーは単独或いは複数を
併用してもよく、必要に応じ顔料に対し2質量%以上2
00質量%以下を添加する。
【0030】インク受理層を形成するための塗工液に
は、顔料およびバインダーに加え、必要に応じて、界面
活性剤、着色染料、着色顔料、カチオン性化合物、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリ
ング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤
等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0031】インク受理層の乾燥塗工量としては3〜3
0g/m2、より好ましくは5〜20g/m2である。塗
工量が3g/m2未満ではインク溶媒を吸収しきれず記
録画像にムラが生じやすくなり、30g/m2を超える
と塗工時のインク受理層の乾燥性が悪くなるため好まし
くない。
【0032】インク受理層は塗工装置を用いて塗工、乾
燥することにより形成される。塗工液の塗工方法として
は、例えば、スライドホッパー方式、カーテン方式、エ
クストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーテ
ィング方式、ロッドバーコーティング方式等の通常用い
られている塗工方法が用いられる。又、乾燥後に、マシ
ンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、
ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて平坦化仕
上げすることも可能である。
【0033】本発明におけるインク受理層は2層以上の
積層構造としてもかまわない。インク受理層の最表層と
して光沢発現層を設けることにより、印字記録面表面に
光沢を有するインクジェット記録媒体を得ることが出来
るため好ましい。光沢性としては、印字記録面表面のJ
IS Z8741に規定される75度光沢度が50%以
上であることが好ましい。1層構造のインク受理層が光
沢発現層であってもよいが、前述のようなインク溶媒を
吸収する多孔質層の上に光沢発現層を設けた機能分離型
の積層構造を用いることが好ましい。
【0034】光沢発現層は、平均粒径が100nm以下の
無機超微粒子および、必要に応じてバインダーを含有す
ることが好ましい。無機超微粒子の平均粒径が100nm
より大きい場合は、十分な表面光沢が得られず好ましく
ない。
【0035】無機超微粒子が、平均粒径100nm以下の
微粒子が凝集し二次凝集粒子を形成している場合は、平
均二次粒子径が400nm以下のものを使用することが好
ましい。無機超微粒子の平均二次粒子径が400nmより
大きい場合は、十分な表面光沢が得られず好ましくな
い。
【0036】無機超微粒子の平均粒径や平均二次粒子径
は、電子顕微鏡や粒度分布測定装置を用いて観察する事
により容易に調べることができる。
【0037】このような無機超微粒子としては、例え
ば、特開平1−97678号公報、同2−275510
号公報、同3−281383号公報、同3−28581
4号公報、同3−285815号公報、同4−9218
3号公報、同4−267180号公報、同4−2759
17号公報などに開示されているアルミナ水和物である
擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083号公報、
同61−19389号公報、同61−188183号公
報、同63−178074号公報、特開平5−5147
0号公報などに記載されているコロイダルシリカ、特公
平4−19037号公報、特開昭62−286787号
公報に記載されているシリカ/アルミナハイブリッドゾ
ル、特開平10−119423号公報、特開平10−2
17601号公報に記載されている、気相法シリカを高
速ホモジナイザーで分散したシリカゾル、その他にもヘ
クタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土
(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロ
ミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、
ジルコンゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なもの
として挙げることができる。これらの無機超微粒子の中
でも、コロイダルシリカ、気相法シリカ、アルミナ化合
物(アルミナ水和物或いは酸化アルミニウム微粒子)が好
ましい。
【0038】光沢発現層には、バインダーとして水溶性
或いは非水溶性の高分子化合物を添加しても良い。例え
ば、水溶性高分子化合物としてはメチルセルロース、メ
チルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプ
ロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等
のセルロース系接着剤、澱粉及びその変性物、ゼラチン
及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、
及びアルブミン等の天然高分子樹脂又はこれらの誘導
体、ポリビニルアルコール及びその変性物、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、メ
チルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルジョン類、
ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニル
ポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、及び無水マレイン酸又
はその共重合体等を挙げられる。
【0039】また、非水溶性高分子化合物としては、エ
タノール、2−プロパノール等のアルコール類やこれら
のアルコール類と水との混合溶媒に溶解する非水溶性接
着剤が、アルミナの分散が安定化されるので特に好まし
い。この様な非水溶性接着剤としては、ビニルピロリド
ン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルホルマール等のアセタール樹脂を挙げることがで
き、特に、アセタール化度が5モル%以上20モル%以
下の範囲のアセタール樹脂は、水を多少含有させること
ができ、無機超微粒子の分散を容易にすることができる
ため好ましい。
【0040】これらのバインダーは単独或いは複数を併
用してもよく、無機超微粒子に対し、2質量%以上50
質量%以下を添加する。バインダーの添加量が2質量%
に満たないと塗膜強度が弱くなり、50質量%を超えて
添加するとインク吸収性が低下する。
【0041】光沢発現層を形成するための塗工液には、
顔料およびバインダーに加え、必要に応じて、有機顔
料、界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防
腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等の公知の
各種添加剤を添加することもできる。
【0042】光沢発現層を形成する方法としては、様々
な方法を用いることができる。例えば、無機超微粒子を
単独又は適切なバインダーと共に溶媒中に分散、混合し
た塗工液を支持体上に塗工した後、単に乾燥する方法、
乾燥後の塗工層表面をスーパーカレンダー等の装置を用
いて平坦化仕上げする方法、塗工層が湿潤状態にある間
に、もしくは一旦乾燥後再湿潤してから鏡面ロールに圧
接し、鏡面ロール表面の形状を塗工層に転写する、いわ
ゆるキャストコート法等によって光沢発現層を形成する
ことが可能であるが、光沢性とインク吸収性を両立する
ためにはキャストコート法を用いることが好ましい。
【0043】光沢発現層の乾燥塗工量としては1〜30
g/m2、好ましくは3〜20g/m2である。塗工量が
1g/m2未満では光沢が十分に発現されず、30g/
2を超えると塗工時の光沢発現層の乾燥性が悪くなる
ため好ましくない。
【0044】本発明のインクジェット記録媒体は、イン
ク受理層上に、インク溶媒である非水系高沸点溶剤によ
り膨潤又は溶解するポリマーを塗工又は含浸させてなる
ことが好ましい。このインク溶媒に膨潤又は溶解するポ
リマーは、印字後インク中の溶媒によって一旦溶解して
色材顔料をその内部に捕捉し、次いで溶媒が拡散する事
により流動性を失って色材顔料をその内部に固定するこ
とにより、色材顔料の記録媒体への定着性を向上させる
効果を有している。
【0045】このようなインク溶媒に膨潤又は溶解する
ポリマーとは、室温下、インク溶媒である非水系高沸点
溶剤に膨潤する、或いは任意の割合で溶解するものを言
い、この条件に当てはまるさまざまのポリマーを用いる
ことができる。インク溶媒として用いられる非水系高沸
点溶剤としては、脂肪族炭化水素系溶剤が用いられるこ
とが多いため、ポリマーとしては、ポリブタジエン、ポ
リイソプレンなどのポリ(1,3−ジエン)、ポリアルキ
ル(C4以上)ビニルエーテル、ポリアルキル(C4以上)
カルボン酸ビニル、ポリアルキル(C4以上)(メタ)アク
リレート、ポリアルキル(C6以上)(メタ)アクリルアミ
ド、ポリオキシアルキレン(C4以上)、ポリジメチルシ
ロキサン、石油樹脂(C5系、C9系)、ノボラック樹
脂、グッタペルカなどのポリマー、およびこれらのポリ
マーを構成するモノマーから構成されるコポリマーを挙
げることができる。
【0046】これらのインク溶媒に膨潤又は溶解するポ
リマーには、インク溶媒に対する溶解性や膨潤性が失わ
れない範囲で各種の変性を施しても良い。たとえば、低
級アルキルビニルエーテル、低級アルキルカルボン酸ビ
ニル、低級アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ
ル酸、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ア
ルキルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジアルキルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、低級アルキル(メタ)ア
クリルアミド、(メタ)アクリルアミド、低級(ジ)アルキ
ル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルア
ミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、ジアルキルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミド、スチレンなどのモノマーを、上記のポリマーを
構成するモノマーと共重合することなどである。
【0047】インク溶媒に膨潤又は溶解するポリマーは
適切な有機溶剤に溶解してインク受理層上に塗工又は含
浸させることが好ましい。これにより、該ポリマーを記
録媒体の表面部分に集中的に存在させ、該ポリマーを含
有させた効果をより大きく発揮させることができる。
【0048】インク受理層上に塗工又は含浸させるイン
ク溶媒に膨潤又は溶解するポリマーの乾燥塗工量(含浸
量)は0.3〜30g/m2、好ましくは3〜15g/
2である。塗工量が0.3g/m2未満では色剤顔料を
強く固定することができず、色剤顔料の定着性が悪くな
り、30g/m2を超えるとインクの吸収速度が不十分
になって、画像にムラが生じるようになり好ましくな
い。
【0049】このインク溶媒に膨潤又は溶解するポリマ
ーの塗工方法としては、ロールコーター、エアナイフコ
ーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコー
ター、グラビアコーター、カーテンコーターなどの通常
用いられている塗工方式が挙げられるが、本発明ではこ
れらに限定されるものではない。
【0050】紙支持体上に少なくとも1層以上のインク
受理層を設けてなる本発明のインクジェット記録媒体に
おいて、記録媒体全体の製造直後の水分含有量を5〜7
質量%とすることにより、特に、非水系顔料インクを用
いるワイドフォーマットインクジェットプリンターにお
ける使用において、プリンターへの通紙不良や記録媒体
の印字記録面に印字ヘッドが擦れることによる印字不良
や印字ヘッドの故障等のプリンタートラブルが起こらな
い。記録媒体全体の製造直後の水分含有量を調整するこ
とによりプリンタートラブルを防止できる理由は定かで
はないが、水分含有量を5〜7質量%とすることによ
り、記録媒体製造工程において生じた歪みが緩和される
ためと考えられる。
【0051】本発明における記録媒体全体の製造直後の
水分含有量とは、一般的に仕上げ水分と呼ばれるものの
ことである。すなわち、製造直後とは、最終の塗工液塗
工工程及び乾燥工程が終了した時点、或いは後述のよう
に特別に水分含有量を調整する工程を行う場合は、該工
程が終了した時点を言う。記録媒体全体の水分含有量
は、該記録媒体と、同面積の該記録媒体を100℃以上
の温度で水分が完全に揮発するまで加熱乾燥処理を行っ
たものとの質量を比較することにより測定することが出
来る。
【0052】本発明の記録媒体全体の水分含有量は、塗
工層塗工工程の最終工程が水系塗工液を塗工する工程で
ある場合は、乾燥条件を調整することにより容易に5〜
7質量%に調整する事が出来る。対して、インク受理層
として光沢発現層を有しインク溶媒に膨潤又は溶解する
ポリマーを塗工又は含浸させた本発明のインクジェット
記録媒体においては、該ポリマーを有機溶剤に溶解した
溶液を塗工後、有機溶剤を乾燥する段階でインクジェッ
ト記録媒体中の水分が共に揮発し水分含有量が非常に低
くなる傾向にあるため、特別に水分含有量を調整するこ
とが必要になる。ただし、前述のように印字記録面の反
対面に水を塗工することではコックリングの発生により
印字不良や光沢面の面質の悪化が起こるため、本発明で
は、印字記録面の反対面に水蒸気を吹き付けることによ
り水分含有量を5〜7質量%とすることが好ましい。こ
こで、水蒸気を吹き付ける条件は装置構造や記録媒体ウ
ェッブの流れ速度により異なるが、蒸気温度としては1
00〜500℃を用い、ライン状に並んだ細孔から印字
記録面の反対面に吹き付ける場合、蒸気圧として0.5
〜5.0Kg/cm2を用い、面状に分布した細孔から
印字記録面の反対面に吹き付ける場合は0.1〜2.0
Kg/cm2を用いることが好ましい。
【0053】また、印字記録面の反対面に水とアルコー
ルの混合溶剤を塗工することによっても本発明の効果が
得ることができ好ましい。ここで、記録媒体の水分含有
量は該混合溶剤を塗工後の乾燥条件を調整する事により
5〜7質量%に調整するが、調整の容易さから、アルコ
ールとしてエチルアルコール又はイソプロピルアルコー
ルを使用することが好ましい。更に、該混合溶剤中の水
の含有量が多すぎるとコックリングが発生する可能性が
あるため、該混合溶剤中のアルコールの含有量は50〜
80質量%が好ましい。
【0054】水とアルコールの混合溶剤の塗工方法とし
ては、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレード
コーター、ロッドコーター、バーコーター、グラビアコ
ーター、カーテンコーターなどの通常用いられている塗
工方式が挙げられるが、本発明ではこれらに限定される
ものではない。
【0055】本発明のインクジェット記録媒体の記録に
用いられる非水系顔料インクは、非水系インクを用いた
インクジェットプリンターに一般的に用いられており、
色材顔料、非水系高沸点溶剤を含有し、必要に応じて、
分散剤、浸透剤、低沸点溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤等が含有されることがある。
【0056】非水系顔料インクにおける色材顔料として
は、具体例としては、カーボンブラック、ファーネスト
ブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャ
ンネルブラック、C.I.ピグメントブラック、オルト
アニリンブラック、トルイジンオレンジ、パーマネント
カーミンFB、ファーストイエローAAA、ジスアゾオ
レンジPMP、レーキレッドC、ブリリアントカーミン
6B、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、
C.I.ピグメントブルー、C.I.ピグメントレッ
ド、C.I.ピグメントイエロー、ジオキサンバイオレ
ット、ピクトリアピュアブルー、アルカリブルートナ
ー、アルカリブルーRトナー、ファーストイエロー10
G、オルトニトロアニリンオレンジ、トルイジンレッ
ド、バリウムレッド2B、カルシウムレッド2B、ピグ
メントスカーレッド3Bレーキ、アンソシン3Bレー
キ、ローダミン6Bレーキ、メチルバイオレットレー
キ、ベーシックブルー6Bレーキ、ファーストスカイブ
ルー、レフレックスブルーG、ブリリアントグリーンレ
ーキ、フタロシアニングリーンG、紺青、群青、酸化鉄
粉、亜鉛華、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、
アルミナホワイト、アルミニウム粉、昼光蛍光顔料、パ
ール顔料等が挙げられる。
【0057】非水系顔料インクにおける非水系高沸点溶
剤は、沸点が120〜400℃、好ましく用いられるの
は120〜350℃の溶剤である。
【0058】非水系高沸点溶剤としては、脂肪族炭化水
素系溶剤、カルビトール系溶剤、セロソルブ系溶剤、高
級脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級
脂肪酸系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられる。
なかでも脂肪族炭化水素系溶剤は、臭気が少ないため好
適に用いられる。
【0059】脂肪族炭化水素系溶剤として、市販品で
は、日本石油製IPソルベント、シェル化学製シェルゾ
ールD40、シェルゾールD70、シェルゾール70、
シェルゾール71、エクソン化学製アイソパーE、アイ
ソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパー
M、エクソールD30、エクソールD40、エクソール
D80、エクソールD110、エクソールD130、エ
クソールD140、エクソールDSP100/140等
が挙げられる。
【0060】また、カルビトール系溶剤としてはブチル
カルビトールが挙げられ、セロソルブ系溶剤としてはエ
チルセロソルブが挙げられる。また、高級脂肪酸エステ
ル系溶剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルコ
ハク酸イソブチルエステル、アジピン酸イソブチルエス
テル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ2−エチルヘ
キシル等が挙げられ、高級アルコール系溶剤としては、
メチルヘキサノール、オレイルアルコール、トリメチル
ヘキサノール、トリメチルブタノール、テトラメチルノ
ナノール、2−ペンチルノナノール、2−ノニールノナ
ノール、2−ヘキシルデカノール等が挙げられる。ま
た、高級脂肪酸系溶剤としてはオレイン酸が挙げられ、
芳香族炭化水素系溶剤としてはジイソプロピルナフタレ
ンが挙げられる。
【0061】これらの溶剤は、単独で用いられる事もあ
るが、粘度の調整等、記録媒体へのしみ込みの調整、印
字ヘッド及びプリンターのインク接液部分との濡れ性等
を調整するため、脂肪族炭化水素系溶剤と極性溶剤を併
用する方法が用いられることが多い。
【0062】極性有機溶剤としては、例えばアルコー
ル、特に長鎖アルコール、グリコール、ポリグリコー
ル、グリコール及びポリグリコールのエステル、エーテ
ル、特にグリコール及びポリグリコールのモノ−及びジ
−アルキルエーテル、ケトン等が挙げられる。また、ジ
カルボン酸のエステル、例えばセバシン酸ジオクチル等
が挙げられる。
【0063】このような非水系顔料インクが用いられる
インクジェットプリンターとして、様々な形態のものに
本発明のインクジェット記録媒体が使用できるが、本発
明の効果を最大限に発揮するためには、最大印字幅が5
0cm程度以上であるワイドフォーマットインクジェッ
トプリンターにおいて使用することが好ましい。
【0064】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例に
おいて示す「部」及び「%」は、特に明示しない限り固
形分或いは実質成分の質量部及び質量%を示す。
【0065】<インクジェット記録媒体の作製> 支持体の作製 LBKP(濾水度400mlCSF)80部、NBKP
(濾水度450mlCSF)20部、軽質炭酸カルシウム
8部、重質炭酸カルシウム8部、タルク8部、アルキル
ケテンダイマー0.1部、カチオン性ポリアクリルアミ
ド0.03部、カチオン化デンプン0.8部、硫酸バン
ド0.4部と、適量の水を配合してスラリーとし、長網
抄紙機を使用して坪量80g/m2の支持体を作製し
た。
【0066】実施例1 多孔性合成非晶質シリカ(ファインシールX−37B:
徳山曹達製)100部、ポリビニルアルコール(PVA
117:クラレ製)50部、メチルメタクリレート−ブ
タジエン共重合体(PA−9138:日本エイアンドエ
ル製)50部、蛍光増白剤(ケイコールBBL:日本曹
達株式会社製)1部を水に混合して固形分濃度15%の
塗工液とし、この塗工液をエアーナイフコーターによ
り、乾燥塗工量が10g/m2となるように支持体に塗
工してインク受理層とし、130℃の熱風式乾燥機にて
記録媒体全体の水分含有量が5.0質量%となるよう乾
燥して、実施例1のインクジェット記録媒体とした。
【0067】実施例2 120℃の熱風式乾燥機を用いて記録媒体全体の水分含
有量が6.0質量%となるよう乾燥した以外は実施例1
と同様にして、実施例2のインクジェット記録媒体を作
製した。
【0068】実施例3 115℃の熱風式乾燥機を用いて記録媒体全体の水分含
有量が7.0質量%となるよう乾燥した以外は実施例1
と同様にして、実施例3のインクジェット記録媒体を作
製した。
【0069】比較例1 145℃の熱風式乾燥機を用いて記録媒体全体の水分含
有量が4.0質量%となるよう乾燥した以外は実施例1
と同様にして、比較例1のインクジェット記録媒体を作
製した。
【0070】比較例2 105℃の熱風式乾燥機を用いて記録媒体全体の水分含
有量が8.5質量%となるよう乾燥した以外は実施例1
と同様にして、比較例2のインクジェット記録媒体を作
製した。
【0071】実施例4 粒子径40〜60nmで単分散状態のコロイダルシリカ
(スノーテックスXL:日産化学工業製)100部、ス
チレン−ブタジエン共重合体(JSR−0691:日本
合成ゴム製)30部、オレイン酸カリウム2部を水に混
合して固形分濃度20%の塗工液とし、実施例1のイン
ク受理層上にエアーナイフコーターにより乾燥塗工量が
6g/m2となるように塗工し、塗工層が湿潤状態にあ
る間に表面温度100℃の鏡面ロールを圧接するキャス
トコート法により光沢発現層を形成した。
【0072】メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸イソ
ボルニル共重合体(重合比(モノマー換算)1/1)を
トルエンに溶解し、固形分濃度30%の塗工液とし、上
記光沢発現層上にロールコーターにより乾燥塗工量が8
g/m2となるように塗工し、130℃の熱風式乾燥機
にてトルエンが完全に揮発するまで乾燥した。この時点
の記録媒体全体の水分含有量は2質量%以下であった。
【0073】このインクジェット記録媒体をウェッブ流
れ速度30m/秒で流しながら、印字記録面の反対面
に、流れ方向と垂直でウェッブ面に面してライン状に並
んだ細孔から蒸気温度160℃、蒸気圧2.5Kg/c
2で水蒸気を吹き付け、記録媒体全体の水分含有量を
5.5質量%として実施例4のインクジェット記録媒体
とした。
【0074】比較例3 水蒸気を吹き付けなかった以外は実施例4と同様にし
て、比較例3のインクジェット記録媒体を作製した。
【0075】実施例5 印字記録面の反対面に水蒸気を吹き付ける代わりに、水
40部とエチルアルコール60部の混合溶剤をグラビア
コーターにより塗工し、55℃の熱風式乾燥機を用いて
記録媒体全体の水分含有量が5.5質量%となるよう乾
燥した以外は実施例4と同様にして、実施例5のインク
ジェット記録媒体を作製した。
【0076】実施例6 印字記録面の反対面に水蒸気を吹き付ける代わりに、水
30部とイソプロピルアルコール70部の混合溶剤をグ
ラビアコーターにより塗工し、75℃の熱風式乾燥機を
用いて記録媒体全体の水分含有量が5.5質量%となる
よう乾燥した以外は実施例4と同様にして、実施例6の
インクジェット記録媒体を作製した。
【0077】実施例7 印字記録面の反対面に水蒸気を吹き付ける代わりに、水
60部とイソプロピルアルコール40部の混合溶剤をグ
ラビアコーターにより塗工し、90℃の熱風式乾燥機を
用いて記録媒体全体の水分含有量が5.5質量%となる
よう乾燥した以外は実施例4と同様にして、実施例7の
インクジェット記録媒体を作製した。
【0078】実施例8 印字記録面の反対面に水蒸気を吹き付ける代わりに、水
15部とイソプロピルアルコール85部の混合溶剤をグ
ラビアコーターにより塗工し、65℃の熱風式乾燥機を
用いて記録媒体全体の水分含有量が5.5質量%となる
よう乾燥した以外は実施例4と同様にして、実施例8の
インクジェット記録媒体を作製した。
【0079】評価方法 <光沢>各インクジェット記録媒体の印字記録面表面の
JIS Z8741に規定される75度光沢度を、光沢
度計(村上色彩技術研究所製GM−26D)により測定し
た。(光沢発現層を有するもののみ)
【0080】<通紙適性>各インクジェット記録媒体を
幅91.4cm長さ10mに裁断し、色材顔料及び非水
系高沸点溶剤を含有する非水系顔料インクを用いる最大
印字幅36インチのインクジェットプリンター(PJ3
600:オリンパス光学工業製)にセットし、印字幅は
90cmで単色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラッ
ク)各色を順に長さ50cmづつ連続でベタ印字した。
評価は以下の通りである。 ○ :印字欠陥やプリンタートラブルが無く最後まで印
字できた。 △ :僅かに紙面に印字ヘッドの擦れによる印字欠陥が
見られる。 × :印字ヘッドの擦れによる印字欠陥がかなり多い。 ××:印字ヘッドに記録媒体が引っ掛かり印字が止まっ
た。 ここで、×、××は実用上問題がある。
【0081】<印字記録面状態>各インクジェット記録
媒体の未印字の印字記録面の状態を目視で観察した。評
価は以下の通りである。 ○ :細かい凹凸が無く平坦性が良好である。 △ :僅かに細かい凹凸が見られる。 × :細かい凹凸が多く平坦性が悪い。 ここで、×は印字記録面の質感が低いため実用上問題が
ある。
【0082】評価結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】実施例1〜8と比較例1〜3を比較すれば
明らかであるように、本発明のインクジェット記録媒体
はプリンター通紙適性が良好で印字記録面状態も良好で
あることがわかる。更に本発明のインクジェット記録媒
体の製造方法により、プリンター通紙適性が良好で印字
記録面状態も良好であるインクジェット記録媒体を製造
できることがわかる。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、非水系顔料インクを用
いたインクジェット記録、特に非水系顔料インクを用い
たワイドフォーマットインクジェットプリンターによる
大判の画像の印字に用いるインクジェット記録媒体にお
いて、プリンタートラブルを起こすことなく、加えて、
印字記録面の面質が良好なインクジェット記録媒体及び
その製造方法を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材顔料及び非水系高沸点溶剤を含有す
    る非水系顔料インクを用いてインクジェット記録するイ
    ンクジェット記録媒体であって、紙支持体上に少なくと
    も1層以上のインク受理層を設けてなるインクジェット
    記録媒体において、該記録媒体全体の製造直後の水分含
    有量が5〜7質量%であることを特徴とするインクジェ
    ット記録媒体。
  2. 【請求項2】 該インクジェット記録媒体の印字記録面
    表面のJIS Z8741に規定される75度光沢度が
    50%以上であることを特徴とする請求項1記載のイン
    クジェット記録媒体。
  3. 【請求項3】 該インクジェット記録媒体が、紙支持体
    上に少なくとも1層以上のインク受理層を設け、該イン
    ク受理層上に該非水系高沸点溶剤により膨潤又は溶解す
    るポリマーを塗工又は含浸させてなることを特徴とする
    請求項2記載のインクジェット記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載のインクジ
    ェット記録媒体の製造方法において、支持体上にインク
    受理層塗工或いは、ポリマー塗工又は含浸した後に、そ
    の反対面に水蒸気を吹き付けることを特徴とするインク
    ジェット記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれかに記載のインクジ
    ェット記録媒体の製造方法において、支持体上にインク
    受理層塗工或いは、ポリマー塗工又は含浸した後に、そ
    の反対面に水とアルコールの混合溶剤を塗工することを
    特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 該アルコールがエチルアルコール又はイ
    ソプロピルアルコールであり、該混合溶剤中の該アルコ
    ールの含有量が50〜80質量%であることを特徴とす
    る請求項5記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
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