JP2005280034A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Masaya Shibatani
正也 柴谷
Hiroyuki Onishi
弘幸 大西
Koichi Terao
幸一 寺尾
Homare Shinohara
誉 篠原
Kunio Kasamatsu
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Abstract

【課題】 水性顔料インクを用いるインクジェット記録において画像濃度が高くブリードのない高い印刷品質が得られ、且つコート紙やアート紙などの一般塗工印刷用紙に類似した外観を有するインクジェット記録媒体を提供すること。
【解決手段】 支持体の少なくとも片面に、アルカリ土類金属塩を含有する下塗り層と、無機超微粒子を含有するインク受容層とが順次積層されたインクジェット記録媒体において、上記インク受容層の上にカチオン性ポリマーを含有する上塗り層を積層する。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録媒体に関し、詳しくは、水性顔料インクを用いるインクジェット記録に好適で、且つコート紙やアート紙などの一般塗工印刷用紙に類似した外観を有するインクジェット記録媒体に関する。
インクジェット記録方式は、記録ヘッドからインクの液滴を吐出させ、紙等の記録媒体にインクを付着させて画像を記録する印刷方式である。インクジェット記録用の記録媒体としては、一般事務用紙やコート紙などのインクジェット特性の考慮されていない普通紙を用いることも可能であるが、普通紙ではインク吸収性が不十分で、得られる印刷品質にも限界がある。そこで、インクジェット記録媒体などと称される、支持体上に非晶質シリカ等の無機微粒子を主体とするインク受容層を設けたものが開発され、これにより高い印刷品質が得られるようになっている。しかし、近年のインクジェット記録装置の高性能化に伴い、インクジェット記録媒体に要求される特性も高度化してきており、インク吸収性の向上など、インクジェット記録媒体の更なる改良は現在も進められている。
また、インクジェット記録技術の用途拡大に伴い、インクジェット記録媒体に要求される特性は多様化してきており、その外観についても種々の要求がある。例えば、一部の商業印刷分野などでは、輪転機を稼働させて印刷物を大量に刷る本印刷の前に、インクジェットプリンタを用いて印刷物の仕上がりを事前に確認する色校正を行うようになってきており、この色校正用のインクジェット記録媒体には、アート紙やコート紙などの本印刷用紙と色調や光沢が類似した外観が求められる。このような要求を満たしたインクジェット記録媒体としては、例えば、支持体上に、アルカリ土類金属の塩と該アルカリ土類金属の塩に対して質量比で0.05倍以上0.8倍以下の接着剤を含有する下塗り層を設け、その上に無機超微粒子を含有するインク受容層塗工液を塗工してなるインクジェット記録媒体が知られている(特許文献1参照)。
特開2003−170652号公報
インクジェット記録用のインクとしては、染料系あるいは顔料系の色材を水性媒体中に溶解又は分散させた水性インクが一般的であり、染料インクと顔料インクに大別される。これまで、記録画像の発色性や色再現性に優れる染料インクが多用されてきたが、近年、インクジェット記録技術のデジタル写真サービスや商業印刷への用途拡大などにより、記録画像の保存性が重要視されるようになってきており、これに伴い、染料インクに比して記録画像の耐水性や耐光性に優れる顔料インクが使用されるようになってきている。
しかしながら、特許文献1に開示されているインクジェット記録媒体に対し、水性顔料インクを用いてインクジェット記録を行った場合、画像濃度が不十分であったり、異色の境界部分で色が滲んだり不均一に混ざり合うブリードと呼ばれる現象が発生するなど、印刷品質に問題があった。
従って、本発明の目的は、水性顔料インクを用いるインクジェット記録において高い印刷品質が得られ、且つコート紙やアート紙などの一般塗工印刷用紙に類似した外観を有するインクジェット記録媒体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のインクジェット記録媒体は、支持体の少なくとも片面に、アルカリ土類金属塩を含有する下塗り層と、無機超微粒子を含有するインク受容層とが順次積層されたインクジェット記録媒体において、上記インク受容層の上にカチオン性ポリマーを含有する上塗り層を積層したことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録媒体は、その最表層に積層されたカチオン性ポリマーを含有する上塗り層の作用により、水性顔料インクを用いたインクジェット記録において画像濃度が高くブリードのない高画質の画像を提供することができる。また、このインクジェット記録媒体は、色調や光沢がアート紙、コート紙などの一般塗工印刷用紙に類似した外観を有しているので、印刷校正用、商業用リーフレットやパンフレットの作成用、出版・広告関係などの各種印刷業務用など、幅広い用途に使用することができる。
以下、本発明のインクジェット記録媒体について詳細に説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、支持体の少なくとも片面に、下塗り層、インク受容層及び上塗り層を順次積層してなる。
支持体としては、下塗り層、インク受容層及び上塗り層が塗設可能であればよく、例えば、紙、樹脂被覆紙、樹脂フィルム、プラスチック板、不織布、布、金属フィルム、金属板、あるいはこれらを貼り合わせた複合基材等が挙げられる。なかでも、紙からなる紙支持体が好ましく、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等の各種パルプの1種もしくは2種以上を主成分とするものが好ましい。天然パルプとしては、通常製紙用に使用されるパルプ、即ち、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプ等が、いずれも使用可能である。また、白色度が高いメカニカルパルプであってもよい。さらに、藁、エスパルト、バガス、ケナフ等の草類繊維、麻、楮、雁皮、三椏等の靱皮繊維、綿等より製造した非木材パルプでもよい。これらの中では通常工業的に最も多用される針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプが特に好ましい。
パルプは抄紙適性、並びに、強度、平滑性、地合の均一性等といった紙の諸特性等を向上させるため、ダブルディスクリファイナー等の叩解機により叩解される。叩解の程度は、カナディアン スタンダード フリーネスで250〜550ml程度の通常の範囲で目的に応じて選択することができる。
叩解されたパルプスラリーは、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、または、丸網抄紙機等の抄紙機により抄紙されるが、この際、本発明では、通常抄紙に際して用いられるパルプスラリーの分散助剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、填料、サイズ剤、定着剤等の諸添加物は全て必要に応じて添加することが可能である。更に、必要であれはpH調節剤、染料、有色顔料、及び蛍光増白剤等も添加することが可能である。
分散助剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、とろろあおい等が、紙力増強剤としては例えば植物性ガム、澱粉、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のアニオン性紙力増強剤、カチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性紙力増強剤が、填料としては例えばクレー、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が、サイズ剤としては例えば高級脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、ジアルキルケテンダイマー、アルケニル或いはアルキルコハク酸塩、エポキシ化脂肪酸アミド、多糖類エステル等が、定着剤としては例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性ポリマー等が、pH調節剤としては塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられる。
また、本発明に好ましく用いられる紙支持体は、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する液を、タブサイズ、サイズプレス、ゲートロールコーターあるいはフィルムトランスファーコーター等で塗工することも可能である。
上記水溶性高分子添加剤としては、例えば澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等、無水マレイン酸樹脂等の水溶性高分子、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性高分子接着剤等が用いられ、さらにこの他、サイズ剤として石油樹脂エマルション、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン等のディスパーションが挙げられる。その他の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ボウ硝等が、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコール等が、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が、pH調節剤として塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられ、その他染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
また、紙支持体としては、抄造中または抄造後、カレンダー等にて圧力を印加して圧縮する等、表面平滑性の良いものが好ましく、JIS−P−8119で測定したベックの平滑度が50秒以上のものが好ましく、100秒以上のものが特に好ましい。また、その坪量は70〜300g/m2が好ましく、150〜300g/m2であるとより好ましい。
る。
また、画像記録後の記録媒体の波打ちを効果的に防止するために、紙支持体の密度は0.90g/cm3以上が好ましく、特に0.95g/cm3以上、とりわけ1.00g/cm3以上が好ましい。密度が0.90g/cm3以上ある紙支持体は、下記1〜6の方法を単独であるいは組み合わせて用いることにより得られる。
1.使用する天然パルプとしては、短繊維で平滑性の出やすい広葉樹パルプを多く用いる。具体的には、広葉樹パルプを60重量%以上、好ましくは75重量%以上用いる。
2.パルプの叩解条件としては、叩解機により長繊維分がなるべく少なくなるように叩解し、濾水度をカナディアンスタンダードフリーネスで200〜330mlになるように調整する。
3.内添薬品を添加した紙料スラリーに適切な抄紙方法を採用して長網抄紙機により均一な地合が得られるように紙を抄造し、ウェットパートでは多段のウェットプレス、好ましくは3段以上のウェットプレスを行い、プレスパートの最終段にはスムージングロールを設ける。
4.湿紙の乾燥途中に緊度プレスを用いる。
5.紙中あるいは紙上に、各種の水溶性ポリマー、親水性コロイドあるいはポリマーラテックスを含有あるいは塗設せしめる。具体的には、紙中あるいは紙上に各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドあるいはポリマーラテックスをサイズプレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって固形塗布量として1.0g/m2以上含有あるいは塗設せしめるのが好ましい。
6.紙を抄紙後マシンカレンダー、スーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いてカレンダー処理を行う。
上記支持体の上に積層される下塗り層は、アルカリ土類金属塩を必須成分として含有する。アルカリ土類金属は、ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムの総称である。アルカリ土類金属塩としては、例えば、炭酸塩、珪酸塩、硼酸塩、塩酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられるが、下塗り層の塗工液は水系の場合が多いため、溶解度の低い弱酸塩が好ましい。特に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムは、本発明で好ましく用いられる。
アルカリ土類金属塩の含有量は、下塗り層の全固形分に対して50〜95重量%の範囲にあることが好ましい。アルカリ土類金属塩の含有量が対全固形分50重量%未満では、インク吸収性の低下を招くおそれがあり、95重量%超では、下塗り層の支持体に対する接着力が低下し、層間剥離を起こすおそれがある。
下塗り層には、アルカリ土類金属塩に対して質量比で0.05倍以上0.8倍以下の接着剤を含有することが好ましい。より好ましくは0.05倍以上0.4倍以下の範囲である。接着剤がアルカリ土類金属塩に対して質量比で0.05未満であると、接着力が不足し、支持体あるいはインク受容層との間で剥離を生ずる。また、接着剤がアルカリ土類金属塩に対して質量比で0.8倍を超えるとインク吸収性の低下を招き好ましくない。
上記接着剤としては、例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系接着剤、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、及びアルブミン等の天然高分子樹脂又はこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルジョン類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び無水マレイン酸又はその共重合体等を挙げられる。好ましくは共重合体系のエマルジョンである。
下塗り層には、アルカリ土類金属塩及び接着剤の他に、必要に応じ、カチオン系染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、白色無機顔料、白色有機顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜含有させることができる。
下塗り層は、公知の塗工方法を用いて支持体上に積層することができる。例えば、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、サイズプレスなどの各種塗工装置を用いて、上記各種成分を含有させた下塗り層用塗工液を支持体上に塗工し、乾燥させることで、下塗り層を形成することができる。
また、塗設された下塗り層をカレンダー処理により平滑化することもできる。その際のカレンダー処理装置としては、グロスカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどが挙げられる。特に、熱を加えながら平滑化処理する熱カレンダー処理は好ましく用いられる。
下塗り層の塗工量は特に限定されないが、少な過ぎると下塗り層の効果が現れず、多過ぎる場合は製造上の困難が多いばかりか効果も飽和してしまい経済性に劣る。この様な観点から、下塗り層の塗工量の好ましい範囲は乾燥重量で5〜30g/m2である。
上記下塗り層の上に積層されるインク受容層は、無機超微粒子を必須成分として含有する。無機超微粒子とは、一次粒子径が100nm以下で、且つ二次粒子径が400nm以下の無機微粒子を意味する。例えば、特開平1−97678号公報、同2−275510号公報、同3−281383号公報、同3−285814号公報、同3−285815号公報、同4−92183号公報、同4−267180号公報、同4−275917号公報などに開示されているアルミナ水和物である擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されているような、気相法シリカを高速ホモジナイザーで分散したようなシリカゾル、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができる。
これらの無機超微粒子の中でも特に、気相法シリカ超微粒子、アルミナ化合物(アルミナ水和物、酸化アルミニウム超微粒子)は、本発明で好適に用いられる。以下、これらについて説明する。
シリカ微粒子は、乾量基準でSiO293%以上、Al23約5%以下、Na2O約5%以下から構成される微粒子であり、いわゆるホワイトカーボン、シリカゲルや微粉末シリカなどの非晶質シリカがある。非晶質シリカ微粒子の製造方法としては、液相法、粉砕固相法、晶析固相法および気相法がある。液相法とは、いわゆる液中に存在する珪酸化合物等を化学変化または物理変化によって固体状態に析出させる微粒子製造方法である。粉砕固相法とはシリカ固体を機械的に粉砕する方法であり、晶析固相法とは溶融や固体の相転移などを利用した微粒子製造方法である。気相法とは、揮発性金属化合物の蒸気の熱分解や、原材料の加熱、蒸発、生成した気相種の冷却、凝縮による微粒子製造方法である。
本発明で使用するシリカ微粒子は、上記のうち、気相法により合成された非晶質シリカ微粒子である。中でも平均一次粒子径が3〜50nmの超微粒子状シリカが好ましい。特に好ましい一次粒子径は5〜30nmのものである。またこれらが連結した二次粒子径としては、10〜200nmにするのが好ましいが、塗工層の中でどのような形態をとるかは定かではなく、二次粒子の大きさはあまり問題ではない。この気相法により合成された非晶質シリカ微粒子として市販されている製品としては、アエロジル(テグサ社)が該当する。
本発明で使用する気相法シリカは、上記の一次粒子径のシリカ微粒子を水に添加し、高速ホモジナイザー等で分散して平均二次粒子径が200nm以下、好ましくは100nm以下にまで分散したものである。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、一般式Al23・nH2Oにより表すことができる。アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
本発明に用いられるアルミナ水和物の形状は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでもよく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状である。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比3〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6である。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等しい円の直径を表す。アスペクト比が上記の範囲より小さい場合は、インク受容層の細孔径分布が狭くなり、インク吸収性が低下する。一方アスペクト比が上記の範囲を超える場合は、粒子を揃えてアルミナ水和物を製造することが困難となる。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
アルコキシドからアルミナ水和物を得る方法としては、特開昭57−88074号公報、同62−56321号公報、特開平4−275917号公報、同6−64918号公報、同7−10535号公報、同7−267633号公報、米国特許第2,656,321号明細書等にアルミニウムアルコキシドを加水分解する方法として開示されている。これらのアルミニウムアルコキシドとしてはイソプロポキシド、2−ブトキシド等が挙げられる。
また、特開昭54−116398号公報、同55−23034号公報、同55−27824号公報、同56−120508号公報には、アルミニウムの無機塩またはその水和物を原料として使用する方法が開示されている。原料としては、例えば塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アンモニウムミョウバン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、水酸化アルミニウム等の無機塩及びその水和物を挙げることができる。
更に別の方法として、特開昭56−120508号公報に記載されているpHを酸性側乃至塩基性側に交互に変動させ、アルミナ水和物の結晶を成長させる方法、特公平4−33728号公報に記載されているアルミニウムの無機塩から得られるアルミナ水和物と、バイヤー法で得られるアルミナとを混合し、アルミナを再水和する方法もある。
本発明のインクジェット記録媒体には、市販のアルミナ水和物も好適に用いることができる。以下にその一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、アルミナ水和物としては、カタロイドAS−1、カタロイドAS−2、カタロイドAS−3(以上、触媒化学工業製)アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(以上、日産化学工業製)、M−200(以上、水澤化学工業製)、アルミゾル10、アルミゾル20、アルミゾル132、アルミゾル132S、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA55、アルミゾルSV102、アルミゾルSB52(以上、川研ファインケミカル製)などを挙げることができる。
本発明において用いられる酸化アルミニウム超微粒子は、γ型結晶であるγ型酸化アルミニウム微粒子が好ましく用いられる。γ型結晶は結晶学的に分類すると、さらにγグループとδグループに分けることができる。δグループの結晶形態を有する微粒子の方が好ましい。
γ型結晶微粒子のアルミナは、一次粒子の平均粒子径を10nm程度にまで小さくすることが可能であるが、一般に、一次粒子は二次凝集形態(以下、二次粒子と記す)を形成して、数千から数万nmにまで粒子径が大きくなる。このような大粒子径のγ型アルミナ結晶微粒子を使用すると、インク受容層の印字性、吸収性は良好であるものの、透明性に欠け、塗膜欠陥が発生しやすくなる。一次粒子の平均粒子径は、80nm未満であることが好ましい。80nm以上の一次粒子からなる二次粒子を使用すると、脆弱性が増し、塗膜欠陥が非常に発生しやすくなる。
γ型アルミナ結晶微粒子ゾルを得るには、通常、数千から数万nmの二次粒子となっているγ型アルミナ結晶をビーズミルや超音波ホモジナイザー、高圧式ホモジナイザー等の粉砕手段によって、平均粒子径が200nm以下、好ましくは100nm以下の超微粒子になるまで粉砕する。平均粒子径が200nmを越えると、インク吸収性は増加するが、被膜が脆く、透明性が低下する。粉砕手段としては、超音波ホモジナイザーや高圧式ホモジナイザーを用いる方法が好ましく、ビーズミル等の他の粉砕方法では、γ型アルミナ結晶が硬い結晶であるために、粉砕容器から異物が混入しやすく、透明性の低下や欠陥の発生の原因となる。γ型アルミナ結晶微粒子は、インク吸収性に優れ、乾燥性、インク定着性等の印字品質もよく、超微粒子化することで、高比率でインク受容層に含有させても透明性に優れたインクジェット記録媒体を得ることができる。
γ型アルミナ結晶微粒子は、市販品として、δグループに属する酸化アルミニウムC(日本アエロジル(株)製)、γグループに属するAKP−G015(住友化学(株)製)などとして入手できる。
無機超微粒子の含有量は、インク受容層の全固形分に対して40〜90重量%の範囲にあることが好ましい。無機超微粒子の含有量が40重量%未満では、インク吸収性が不十分で画質的に満足できるものが得られないおそれがあり、90重量%超では、塗膜強度不足で粉落ちなどの不都合を招くおそれがある。
インク受容層には、無機超微粒子の接着剤として、インクと親和性を有する水溶性あるいは非水溶性の高分子化合物を含有させることができる。水溶性高分子化合物としては、例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系接着剤、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、及びアルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルジョン類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び無水マレイン酸またはその共重合体等を挙げられる。好ましくは、ポリビニルアルコールである。
非水溶性高分子化合物としては、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類やこれらのアルコール類と水との混合溶媒に溶解する非水溶性接着剤が、酸化アルミニウムの分散が安定化されるので特に好ましい。このような非水溶性接着剤としては、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等のアセタール樹脂を挙げることができ、特にアセタール化度が5モル%以上20モル%以下の範囲のアセタール樹脂は、水を多少含有させることができ、無機超微粒子の分散を容易にすることができるため、特に好ましい。
これらの高分子化合物は、単独乃至複数を併用してもよく、その含有量は、無機超微粒子に対して、好ましくは2〜50重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。高分子化合物の含有量が対無機超微粒子で2重量%未満では塗膜強度不足を招き、逆に50重量%超ではインク吸収性が低下するおそれがある。
インク受容層には、無機超微粒子及び高分子化合物の他に、必要に応じ、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、白色無機顔料、白色有機顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜含有させることができる。
上記下塗り層の上にインク受容層を積層するには、上記各種成分を含有させたインク受容層用塗工液を下塗り層上に塗工し、乾燥させればよい。インク受容層の塗工量は、少な過ぎると効果が現れず、逆に多過ぎると製造上の困難が多いばかりか効果も飽和してしまい経済性に劣ることから、乾燥重量で5g/m2以上とすることが好ましく、特に10〜30g/m2、とりわけ10〜20g/m2とすることが好ましい。厚みとしては、空隙量などにもよるが、10〜30μmが好ましい。
尚、上記インク受容層用塗工液は、酸性域にあることが好ましく、好ましくはpH5以下、さらに好ましくはpH4以下である。インク受容層用塗工液がアルカリ性域にあると、インク吸収性が充分に得られないおそれがあり、また、酸性域であっても塗工液のpHが5を超えると、インク吸収性が低下傾向にあるためである。このように、インク受容層用塗工液のpHを下げることによって、記録媒体のインク吸収性が高まる理由は定かではないが、支持体上に形成された下塗り層の上に、pHが酸性域にあるインク受容層用塗工液を塗工すると、下塗り層中のアルカリ土類金属塩によりインク受容層用塗工液がpHショックを起こしてゲル化し、その結果、インク受容層用塗工液中の無機超微粒子の下塗り層へのしみ込みが防止されることに起因するものと推察される。
上記インク受容層の上に積層される上塗り層は、カチオン性ポリマーを必須成分として含有する。インクジェット記録媒体の最表層となる上塗り層中にカチオン性ポリマーを含有させることにより、上塗り層上に顔料インクを付与した直後に、該インク中に含まれるアニオン性の顔料や分散剤などが上塗り層中のカチオン性ポリマーと瞬時に凝集反応を起こして、その表層に顔料の凝集物が定着するので、これにより記録画像の発色性が高められ、ブリードが効果的に防止される。カチオン性ポリマーの含有量は多いほど好ましく、上塗り層の全固形分がカチオン性ポリマーとなるようにすることが好ましい。
上記カチオン性ポリマーとしては、SO2基を有する第4級アンモニウム塩型カチオン性ポリマー(以下、「カチオン性ポリマーA」ともいう)や、下記化学式(1)で表される繰り返し単位を有する第4級アンモニウム塩型カチオン性ポリマー〔(N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウムクロライド塩型カチオン性ポリマー。以下、「カチオン性ポリマーB」ともいう〕が好ましい。
Figure 2005280034
上記カチオン性ポリマーAとしては、特に、下記化学式(2)で表される繰り返し単位を有するジアリルジメチルアンモニウムクロライド塩型カチオン性ポリマーが好ましい。
Figure 2005280034
上記カチオン性ポリマーA及びBの何れも、重量平均分子量は2000以上が好ましく、4000以上が更に好ましい。カチオン性ポリマーの重量平均分子量が2000未満では、画像濃度の向上効果に乏しく、ブリードを効果的に防止できないおそれがある。一方、カチオン性ポリマーの重量平均分子量が大きすぎると、インク吸収性が損なわれるおそれがあるので、重量平均分子量が10万よりも小さいものを使用することが好ましい。
上記カチオン性ポリマーAとして本発明に好適に使用できるものとしては、日東紡績製のPAS−A−1(重量平均分子量2000)、PAS−A−5(重量平均分子量4000)、PAS−92(重量平均分子量5000)等が挙げられる。
上記カチオン性ポリマーBとして本発明に好適に使用できるものとしては、センカ製のKHE104L(重量平均分子量20000)等が挙げられる。
上記インク受容層の上に上塗り層を積層するには、上記各種成分を含有させた上塗り層用塗工液をインク受容層上に塗工し、乾燥させればよい。上塗り層の塗工量は、乾燥重量で0.6〜10g/m2とすることが好ましい。上塗り層の塗工量が0.6g/m2未満では、画像濃度の向上やブリードの防止に効果が少なく、10g/m2超では、色調や光沢がアート紙、コート紙などの一般塗工印刷用紙からかけ離れたものになるおそれがある。
本発明のインクジェット記録媒体は、各種インクに対応できるものであるが、特に、色材として少なくとも顔料を含むインク(顔料インク)を用いる記録方式に有効である。とりわけ、本発明のインクジェット記録媒体は水性顔料インクを用いるインクジェット記録方式に最適である。
インクジェット記録用の水性顔料インクは、通常、水、各種有機溶剤及び界面活性剤等からなる水性媒体中に顔料系色材が含有されて調製されている。顔料系色材としては、酸化チタン及び酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックなどの無機系顔料;アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどの有機系顔料などが挙げられる。顔料系色材の含有量は、通常、インク全重量に対して0.5〜30重量%程度である。カラーインクジェット記録を行う場合は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の減法混色の3原色のインク、あるいはこれにブラック(K)その他の色のインクを加えた4色以上のインクが用いられる。
以下に、本発明の実施例及び本発明の効果を示す試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、斯かる実施例により何等制限されるものではない。
〈紙支持体の作製〉
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、白色度90%)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP、白色度90%)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5重量%、紙力増強剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0重量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0重量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5重量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。その後、紙料スラリーを長網抄紙機で紙匹を形成し、ウェットパートで3段のウェットプレスを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パートの途中で2段の緊度プレスを行った。その後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール5重量%のサイズプレス液を20g/m2サイズプレスし、最終的に得られる基紙水分が絶乾水分で8重量%になるように乾燥し、マシンカレンダー処理して、坪量170g/m2になるように抄造し、紙支持体を作製した。紙支持体のベック平滑度は110秒であった。
〈下塗り層用塗工液の調製〉
アルカリ土類金属塩として軽質炭酸カルシウム(タマパール222H:奥多摩工業社製)100重量部、及び接着剤としてスチレンーブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ社製)を固形分で20重量部混合し、固形分濃度45%の下塗り層用塗工液を調製した。
〈アルミナ水和物の合成〉
イオン交換水1200g、イソプロピルアルコール900gを3Lの反応器に仕込み、75℃に加熱した。アルミニウムイソプロポキシド408gを加え、75gで24時間、続き95℃で10時間加水分解を行った。加水分解後、酢酸24g加えて95℃で48時間攪拌した。次に、固形分濃度が15重量%になるように濃縮し、白色の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を得た。このゾルを室温で乾燥させ、X線回折を測定したところ、擬ベーマイト構造を示した。また、透過型電子顕微鏡で平均粒径を測定したところ、30nmであり、アスペクト比6.0の平板状の超微粒子状アルミナ水和物であった。また、窒素吸着脱離方法によって平均細孔半径、細孔容積およびBET比表面積を測定したところ、それぞれ7.1nm、0.65ml/gそして200m2/gであった。
〈インク受容層用塗工液の調製〉
上記の15重量%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液100重量部に対し、10重量%のポリビニルアルコール(PVA105:クラレ社製)水溶液を15重量部混合した。混合後、ホモミキサーに1万rpmで10分間かけ、均一分散化した。分散液は、固形分濃度11%になるようにエバポレータにより濃縮化し、インク受容層用塗工液とした。この塗工液のpHは4.5であった。
〈上塗り層用塗工液の調製〉
下記に示す組成の上塗り層用塗工液1及び2を調製した。いずれも固形分濃度は15重量%とした。
上塗り層用塗工液1:カチオン性ポリマーA(前記PAS−A−5、Mw=4,000)15重量部、フッ素系界面活性剤(F−144D、ノニオン性、大日本インキ化学工業製)0.3重量部及び水85重量部を混合して調製した。
上塗り層用塗工液2:カチオン性ポリマーB(前記KHE104L、Mw=2,0000)15重量部、フッ素系界面活性剤(上記F−144D)0.3重量部及び水85重量部を混合して調製した。
〔実施例1〕
上記紙支持体の上に、上記下塗り層用塗工液をバーコーターにより乾燥重量15g/m2となるように塗工後、乾燥して下塗り層を積層した。次に、この下塗り層の上に、上記インク受容層用塗工液をバーコーターにより乾燥重量15g/m2となるように塗工後、乾燥してインク受容層を積層した。さらに、このインク受容層の上に、上記上塗り層用塗工液1をバーコーターにより乾燥重量2g/m2となるように塗工後、乾燥して上塗り層を積層した。このようにして作製したインクジェット記録媒体を実施例1のサンプルとした。
〔実施例2〕
実施例1において、上塗り層用塗工液1に代えて、上記上塗り層用塗工液2を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製し、これを実施例2のサンプルとした。
〔実施例3〕
実施例1において、上塗り層用塗工液1の塗工量を11.5g/m2とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製し、これを実施例3のサンプルとした。
〔比較例1〕
実施例1において、上塗り層を積層しなかった(塗工層は下塗り層とインク受容層の2層のみ)以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製し、これを比較例1のサンプルとした。
〔試験例〕
上記各サンプル(インクジェット記録媒体)について、白地光沢、外観類似性を下記の方法により評価した。また、インクジェットプリンタ(PM−4000PX、セイコーエプソン製)を用いて、上記各サンプルの被記録面上に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の水性顔料インクを使って各色のデューティー100%のカラーパッチを記録して記録物を得、これらの記録物についてブリード、発色性を下記の方法により評価した。これらの評価結果を下記〔表1〕に示す。
(白紙光沢の評価方法)
TAPPI T480om−90に準じて、上記各サンプルの塗工層表面の75度光沢度を測定し、この測定値が50%以上のものをA(アート紙、コート紙と同等以上の光沢度)、40%以上50%未満のものをB(実用限界)、40%未満のものをC(実用不可)とした。尚、上記ISO規格用紙タイプ1(アート紙)又はタイプ3(A2グロス白コート紙)の75度光沢度の測定値は60±10%程度である。
(外観類似性の評価方法)
グレタグマクベス社製のX-Rite938を用い、視野角2度、光源D50、Black Backingの条件で、上記各サンプルの塗工層表面のCIELAB値(L*/a*/b*)を測定し、これらの測定値と、「Japan Color色再現印刷2001」に用いるISO規格用紙タイプ1(アート紙)又はタイプ3(コート紙)のCIELAB値(91/0/−2)とから、JIS Z8730で規定される色差(ΔE*)を計算し、ΔE*が4.0以下をA(アート紙、コート紙と外観が類似している)、ΔE*が4.0超7.0未満をB(外観類似限界)、ΔE*が7.0以上をC(アート紙、コート紙と外観が類似していない)とした。
(ブリードの評価方法)
印刷直後の上記記録物のYとCのカラーパッチが隣接する部分(画質低下が最も判別しやすい部分)を目視により観察し、色混じりの見られないものをA(ブリードなし)、色混じりが若干見られるが、実用上問題ないものをB、色の境界がはっきりしないほどの色混じりが見られるものをCとした。
(発色性の評価方法)
上記記録物の各カラーパッチについて、グレタグマクベス社製のスペクトロリーノSPM−50を用い、視野角2度、光源D50、フィルター無しの条件で反射光学濃度(OD値)を測定し、下記評価基準により評価した。
評価基準
A:CMYKの4色のOD値の合計が7.5を超える。画像濃度が高く発色性良好。
B:4色のOD値の合計が7.5〜6.0。実用上問題なし。
C:4色のOD値の合計が6.0未満(平均でOD値1.5未満)。実用不可。
Figure 2005280034

Claims (4)

  1. 支持体の少なくとも片面に、アルカリ土類金属塩を含有する下塗り層と、無機超微粒子を含有するインク受容層とが順次積層されたインクジェット記録媒体において、
    上記インク受容層の上にカチオン性ポリマーを含有する上塗り層を積層したことを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 上記カチオン性ポリマーが、SO2基を有する第4級アンモニウム塩型カチオン性ポリマー又は下記化学式(1)で表される繰り返し単位を有する第4級アンモニウム塩型カチオン性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体。
    Figure 2005280034
  3. 上記SO2基を有する第4級アンモニウム塩型カチオン性ポリマーが、下記化学式(2)で表される繰り返し単位を有するジアリルジメチルアンモニウムクロライド塩型カチオン性ポリマーであることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録媒体。
    Figure 2005280034
  4. 色材として少なくとも顔料を含む水性インク用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。

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