JP2002192829A - インクジェット被記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット被記録媒体及びその製造方法

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JP2002192829A
JP2002192829A JP2000384766A JP2000384766A JP2002192829A JP 2002192829 A JP2002192829 A JP 2002192829A JP 2000384766 A JP2000384766 A JP 2000384766A JP 2000384766 A JP2000384766 A JP 2000384766A JP 2002192829 A JP2002192829 A JP 2002192829A
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alkaline earth
earth metal
jet recording
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JP2000384766A
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Kunio Kasamatsu
久仁雄 笠松
Hiroo Inoue
浩朗 井上
Shuzo Kinoshita
周三 木下
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、高光沢、高インク吸収性、優
れた画像色彩性を有し、、インク受容層の接着性が良好
で、かつ記録後の波打ちの少ないインクジェット被記録
媒体およびその製造法を提供するものである。 【解決手段】本発明は、0.90g/cm3以上の密度
を有する基紙上に、アルカリ土類金属の塩、該アルカリ
土類金属の塩に対して重量比で0.05倍以上0.8倍
以下の接着剤を含有する下塗り層を設け、その上に無機
超微粒子を含有するインク受容層を塗工してなるインク
ジェット被記録媒体である。該アルカリ土類金属が炭酸
カルシウムまたは炭酸マグネシウムであると好ましい。
さらに該無機超微粒子が気相法による非晶質合成シリカ
またはアルミナ水和物であることはより好ましい態様で
ある。また、下塗り層塗工後、熱カレンダー処理をして
から、該インク受容層を設けるインクジェット被記録媒
体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット被
記録媒体およびその製造方法に関するものであり、更に
詳しくは、基紙上に、下塗り層を設けその上に無機超微
粒子を含有するインク受容層塗工液を塗工してなる、高
光沢、高吸収性、優れた画像色彩性を有し、かつ記録後
の波打ちが少ないインクジェット被記録媒体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の被記録
媒体に付着させ、画像、文字等の記録を行なうものであ
るが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融
通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字
を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々
の用途において急速に普及している。又、多色インクジ
ェット方式により形成される画像は、製版方式による多
色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色の
ない記録を得ることが可能である。更に、作成部数が少
なくて済む用途においては、写真技術による印画よりも
安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く
応用されつつある。
【0003】さらに、用途の多様化に伴い、大判のポス
ターやPOPアート、製図用途等に使用されることが多
くなってきている。これら用途では、インクジェットの
高鮮鋭性を生かせ、色彩性も優れていることから良好な
画像を得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものと
なる。これらへの適用はパーソナルコンピュータレベル
で、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優
れた画像を簡単に得ることが可能であるためであり、イ
ンクジェット被記録媒体を多用する理由ともなってい
る。
【0004】多様化はインクジェット被記録媒体の外観
に対しても展開され、従来からある普通紙やマット紙と
いった光沢のない或いは光沢の低い外観に加え、アート
紙、コート紙、キャストコート紙、印画紙等に類似の光
沢を有した外観が求められている。これはインクジェッ
ト記録が印刷や写真に匹敵する画像品質を再現できるこ
とにより、外観も類似させたいという要望のためであ
る。
【0005】そこで、光沢表面を備えたインクジェット
被記録媒体としては、塗層が湿潤状態にある間にキャス
ト仕上げして得られるキャストコート紙が特開平6−3
20857号公報等に開示されているが、銀塩写真印画
紙と比較するとその表面光沢は極めて低く、銀塩写真の
質感が得られるものではない。
【0006】また、表面光沢性を高めたインクジェット
被記録媒体としては、支持体上に樹脂からなるインク受
容層を設けたものが提案されている。こうした用途に使
用される樹脂の例としては、例えば特開昭57−381
85号公報、同62−184879号公報等に開示され
ているようなポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン
−酢酸ビニル共重合体、特開昭60−168651号公
報、同60−171143号公報、同61−13429
0号公報に開示されているようなポリビニルアルコール
を主体とする樹脂組成物、特開昭60−234879号
公報に開示されているようなビニルアルコールとオレフ
ィンまたはスチレンと無水マレイン酸との共重合体、特
開昭61−74879号公報に開示されているようなポ
リエチレンオキサイドとイソシアネートとの架橋物、特
開昭61−181679号公報に開示されているような
カルボキシメチルセルロースとポリエチレンオキサイド
との混合物、特開昭61−132377号公報に開示さ
れているようなポリビニルアルコールにメタクリル酸ア
ミドをグラフト化したポリマー、特開昭62−2203
83号公報に開示されているようなカルボキシル基を有
するアクリル系ポリマー、特開平4−214382号公
報等に開示されているようなポリビニルアセタール系ポ
リマー、特開平4−282282号公報、同4−285
650号公報に開示されているような架橋性アクリル系
ポリマー等種々のインク吸収性ポリマーが開示されてい
る。また、特開平4−282282号公報、同4−28
5650号公報等には架橋性ポリマーから構成されるポ
リマーマトリックスと吸収性ポリマーとを併用したイン
クジェット被記録媒体が開示されている。しかし、これ
ら樹脂からなるインク受容層は、シリカ等の顔料微粒子
からなるインク受容層と比較して、表面光沢性は得られ
るものの、吸収速度が遅く、また吸収容量が少ないとい
う欠点を有する。
【0007】インク吸収速度が速く、表面光沢性を高め
たインクジェット被記録媒体としては、近年、アルミナ
水和物(カチオン性アルミナ水和物)を用いたインクジ
ェット用被記録媒体が提案されており、例えば特開昭6
0−232990号公報、同60−245588号公
報、特公平3−24906号公報、特開平6−1990
35号公報、同7−82694号公報に、微細な擬ベー
マイト形アルミナ水和物を水溶性接着剤とともに支持体
表面に塗工したインクジェット被記録媒体が開示されて
いる。しかしながら、擬ベーマイト形アルミナ水和物を
用いたインクジェット被記録媒体は、表面光沢性は非常
に高くなるものの、細孔容積が少ないために、例えば特
開平5−24335号公報に記載されているように、イ
ンク吸収容量が少なく、十分なインク吸収容量を得るた
めには厚膜塗布が必要である。
【0008】また、例えば特開平10−203006号
公報、同8−174992号公報には、一次粒子径が3
nm〜30nmである主として気相法による合成シリカ
を使用するインクジェット被記録媒体が開示されてい
る。この場合も充分な吸収容量を得るために、30μm
以上の膜厚が必要とされている。更に、特開平11−4
8602号公報には、親水性接着剤及び親水性接着剤に
対して重量比で0.5〜2.5倍の固体微粒子を含有す
る第1のインク吸収層及び乾燥膜厚が5〜30μmであ
って、平均粒径が100nm以下の微粒子を含有する空
隙層を設けたインクジェット被記録媒体が開示されてい
る。しかしこの構成では充分なインク吸収性を得るため
には、空隙層を厚くする必要があり、厚くするとひび割
れ等の欠陥が発生し、そのバランスをとるために、第1
のインク吸収層の接着剤量を多くする必要があった。
【0009】一方、インクジェット記録装置が安価でし
かも鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優
れた画像をパーソナルコンピューターレベルで簡単に得
ることができるようになったことから、インクジェット
記録装置は、特定の人に使用される特殊な記録装置から
汎用の記録装置に変遷してきており、又、画像も印刷物
や写真に匹敵するような品質のものが得られることか
ら、自作の絵はがきやデジタル写真のプリンタとしての
用途にも使われるようになっている。このような用途に
おいては打込むインク量が多く、基紙にまで達するイン
ク溶媒によって記録後の被記録媒体に波打ちを生じ、見
栄えが悪くなるという問題も発生している。従って、こ
れらの特性を確保することがインクジェット記録装置や
インクジェット被記録媒体の必要条件となっているのが
現状である。
【0010】そこで、記録後の波打ち防止を備えたイン
クジェット被記録媒体としては、非木材繊維を含有し、
かつ表面にカチオン性物質が塗布又は含浸された被記録
媒体が特開平8−179546号公報等に開示されてい
るが、普通紙であるため、その表面光沢は極めて低く、
光沢感が得られるものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高光
沢、高インク吸収性、優れた画像色彩性を有し、インク
受容層の接着性に問題がなく、かつ画像記録後の波打ち
が少ない見栄えの良いインクジェット被記録媒体および
その製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、天然パルプを
主成分とする基紙に、アルカリ土類金属の塩と該アルカ
リ土類金属の塩に対して、重量比で0.05倍以上0.
8倍以下の接着剤を含有する下塗り層を設け、その上に
無機超微粒子を含有するインク受容層塗工液を塗工して
なるインクジェット被記録媒体において、該基紙が0.
90g/m3以上の密度を有することを特徴とするイン
クジェット被記録媒体である。
【0013】該アルカリ土類金属がカルシウム又はマグ
ネシウムであると好ましく、該アルカリ土類金属の塩が
炭酸塩であるとより好ましい。
【0014】該無機超微粒子が気相法による非晶質合成
シリカまたはアルミナ化合物であるとはより好ましい態
様である。
【0015】該無機超微粒子を含有するインク受容層塗
工液のpHが5.0以下であるとより好ましい。
【0016】該基紙のインク受容層を設けてなる側のJ
IS P 8140に規定されるコッブ法(接触時間3
0秒)で測定される吸水量が、25g/m2以下である
とより好ましく、該基紙のJIS P 8117で規定
されるガーレーデンソメーターで測定される透気度が、
100秒/100ml以上であるとより好ましい態様で
ある。
【0017】また、天然パルプを主成分とし、0.90
g/cm3以上の密度を有する基紙上に、アルカリ土類
金属の塩と該アルカリ土類金属の塩に対して、重量比で
0.05倍以上0.8倍以下の接着剤を含有する下塗り
層を設けた後、熱カレンダー処理をしてから、少なくと
も無機超微粒子を含有するインク受容層を設けることを
特徴とするインクジェット被記録媒体の製造方法であ
る。
【0018】インクジェット被記録媒体の製造方法にお
いて、該無機超微粒子が気相法による非晶質合成シリカ
或いはアルミナ水和物であり、かつ該インク受容層塗工
液のpHが5.0以下であることは好ましい態様であ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明のインクジェット被
記録媒体及びその製造方法について、詳細に説明する。
本発明のインクジェット被記録媒体は、0.90g/c
3以上の密度を有する天然パルプを主成分とする紙を
基紙として、その上に下塗り層を設け、更にその上にイ
ンク受容層を塗設してなるものである。
【0020】本発明の実施に用いられる天然パルプを主
成分とする基紙としては、0.90g/cm3以上の密
度を有するものであるが、0.95g/cm3以上のも
のが好ましく、1.00g/cm3以上のものが更に好
ましい。
【0021】密度が0.90g/cm3 以上である基紙
は、具体的には以下の(1)〜(6)の方法を用いるこ
とにより、好ましくは以下の(1)〜(6)の方法を2
つ以上組み合わせて用いることにより得られることが本
発明者らの検討により明らかとなった。
【0022】(1)使用する天然パルプとしては、短繊
維で平滑性の出やすい広葉樹パルプを多く用いる。具体
的には、広葉樹パルプを60重量%以上、好ましくは7
5重量%以上用いる。
【0023】(2)パルプの叩解条件としては、叩解機
により長繊維分がなるべく少なくなるように叩解し、濾
水度をカナディアンスタンダードフリーネスで200〜
330mlになるように調整する。
【0024】(3)内添薬品を添加した紙料スラリーに
適切な抄紙方法を採用して長網抄紙機により均一な地合
が得られるように基紙を抄造し、ウェットパートでは多
段のウェットプレス、好ましくは3段以上のウェットプ
レスを行い、プレスパートの最終段にはスムージングロ
ールを設ける。
【0025】(4)湿紙の乾燥途中に緊度プレスを用い
る。
【0026】(5)基紙中あるいは基紙上に、各種の水
溶性ポリマー、親水性コロイドあるいはポリマーラテッ
クスを含有あるいは塗設せしめる。具体的には、基紙中
あるいは基紙上に各種の水溶性ポリマーもしくは親水性
コロイドあるいはポリマーラテックスをサイズプレスも
しくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エアー
ナイフ塗工などの塗工によって固形塗布量として1.0
g/m2 以上含有あるいは塗設せしめるのが好ましい。
【0027】(6)基紙を抄紙後マシンカレンダー、ス
ーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いてカレンダー
処理を行う。
【0028】本発明の実施に用いられる基紙を構成する
パルプとしては、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白
の通常の漂白処理並びにアルカリ抽出もしくはアルカリ
処理および必要に応じて過酸化水素、酸素などによる酸
化漂白処理など、およびそれらの組み合わせ処理を施し
た針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パル
プの木材パルプが用いられ、また、クラフトパルプ、サ
ルファイトパルプ、ソーダパルプなどの各種のものを用
いることができる。
【0029】本発明の実施に用いられる基紙中には、紙
料スラリー調成時に各種の添加剤を含有せしめることが
できる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩、脂肪酸、特公
昭62−7534号公報等に記載もしくは例示のアルキ
ルケテンダイマー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸
アミド、アルケニルまたはアルキルコハク酸無水物乳化
物、ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤として、アニオン
性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポ
リビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクト
マンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリア
ミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料として、クレー、
カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤とし
て、塩化アルミニウム、硫酸バン土等の水溶性アルミニ
ウム塩等、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソー
ダ、硫酸等を、その他着色顔料、着色染料、蛍光増白剤
などを適宜組み合せて含有せしめるのが有利である。
【0030】また、本発明の実施に用いられる基紙中あ
るいは基紙上には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水
性コロイドまたはラテックス、帯電防止剤、添加剤等か
ら成る組成物をサイズプレスもしくはタブサイズプレス
あるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工に
よって含有あるいは塗設せしめることができる。水溶性
ポリマーもしくは親水性コロイドとして、澱粉系ポリマ
ー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリ
マー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルローズ系ポ
リマーなど、エマルジョン、ラテックス類として、石油
樹脂エマルジョン、エチレンとアクリル酸(又はメタク
リル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマ
ルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン
系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、
エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリ
レート系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体
のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤とし
て、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属
塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金
属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポ
リスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料
として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、
硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤として、塩
酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記
した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適
宜組み合わせて含有せしめるのが有利である。
【0031】本発明の実施に用いられる基紙の厚みに関
しては、特に制限はないが、その坪量は40〜300g
/m2のものが好ましい。
【0032】本発明の下塗り層中には、アルカリ土類金
属の塩を含有する。本発明で言うアルカリ土類金属と
は、ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロン
チウム、バリウム、ラジウムの総称である。アルカリ土
類金属の塩としては例えば、炭酸塩、珪酸塩、硼酸塩、
塩酸塩、硫酸塩、有機酸塩等があげられるが、下塗り層
の塗工液は水系の場合が多いため、溶解度の低い弱酸塩
が好ましい。特に好ましくは炭酸カルシウムまたは炭酸
マグネシウムである。
【0033】本発明に用いられるアルカリ土類金属の塩
を含有する下塗り層には、アルカリ土類金属の塩に対し
て重量比で0.05倍以上0.8倍以下の接着剤を含有
する。より好ましくは0.05倍以上0.4倍以下の範
囲である。接着剤がアルカリ土類金属の塩に対して重量
比で0.05未満であると、接着力が不足し、支持体、
或いはインク受容層との間で剥離を生ずる。また、接着
剤がアルカリ土類金属の塩に対して重量比で0.8倍を
超えると吸収性の低下を招き好ましくない。
【0034】下塗り層に含有する接着剤としては例え
ば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロ
ース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒド
ロキシエチルセルロース等のセルロース系接着剤、澱粉
及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、
プルラン、アラビアゴム、及びアルブミン等の天然高分
子樹脂またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及
びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−アクリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジ
エン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテ
ックスやエマルジョン類、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミ
ン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、及び無水マレイン酸またはその共重合体等を挙げら
れる。好ましくは、共重合体系のエマルジョンである。
【0035】更に、その他の添加剤として、カチオン系
染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度
安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離
型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、白色無機
顔料、白色有機顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、
湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の目的を
害しない範囲で適宜添加することもできる。
【0036】該下塗り層を設ける際に、塗工する方法
は、特に限定されず、公知の塗工方法を用いることがで
きる。例えば、エアーナイフコーター、カーテンコータ
ー、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレード
コーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッ
ドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、
ショートドエルブレードコーター、サイズプレスなどの
各種装置により基紙上に塗工することができる。
【0037】また、塗布された下塗り層をカレンダー処
理により、平滑化しても良い。その際のカレンダー処理
装置としては、グロスカレンダー、スーパーカレンダ
ー、ソフトカレンダーなどが挙げられる。特に熱を加え
ながら平滑化処理する熱カレンダー処理は好ましく用い
られる。
【0038】下塗り層の塗工量は特に限定されないが、
少な過ぎると下塗り層の効果が現れず、多過ぎる場合は
製造上の困難が多いばかりか効果も飽和してしまい経済
性に劣る。従って好ましい範囲は5g/m2以上30g
/m2以下である。
【0039】また本発明のインクジェット被記録媒体
は、上記基紙上に下塗り層を設けその上に無機超微粒子
を含有するインク受容層を設けてなり、該無機超微粒子
が気相法シリカあるいはアルミナ化合物から選ばれた少
なくとも1種であることが好ましいインクジェット被記
録媒体である。
【0040】本発明のインクジェット被記録媒体におけ
る無機超微粒子とは、一次粒子径が100nm以下で、
かつ二次粒子径が400nm以下の無機微粒子を言う、
例えば、特開平1−97678号公報、同2−2755
10号公報、同3−281383号公報、同3−285
814号公報、同3−285815号公報、同4−92
183号公報、同4−267180号公報、同4−27
5917号公報などに開示されているアルミナ水和物で
ある擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083号公
報、同61−19389号公報、同61−188183
号公報、同63−178074号公報、特開平5−51
470号公報などに記載されているようなコロイダルシ
リカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−28
6787号公報に記載されているようなシリカ/アルミ
ナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公
報、特開平10−217601号公報に記載されている
ような、気相法シリカを高速ホモジナイザーで分散した
ようなシリカゾル、その他にもヘクタイト、モンモリロ
ナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210
号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリア
ゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化ア
ンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることがで
きる。
【0041】これらの無機超微粒子の中でも特に、気相
法シリカ超微粒子、アルミナ化合物(アルミナ水和物或
いは酸化アルミニウム超微粒子)を好適に用いることが
できる。
【0042】シリカ微粒子は、乾量基準でSiO293
%以上、Al23約5%以下、Na2 O約5%以下から
構成される微粒子であり、いわゆるホワイトカーボン、
シリカゲルや微粉末シリカなどの非晶質シリカがある。
非晶質シリカ微粒子の製造方法としては、液相法、粉砕
固相法、晶析固相法および気相法がある。液相法とは、
いわゆる液中に存在する珪酸化合物等を、化学変化また
は物理変化によって固体状態に析出させる微粒子製造方
法である。粉砕固相法とはシリカ固体を機械的に粉砕す
る方法であり、晶析固相法とは溶融や固体の相転移など
を利用した微粒子製造方法である。気相法とは、揮発性
金属化合物の蒸気の熱分解や、原材料の加熱、蒸発、生
成した気相種の冷却、凝縮による微粒子製造方法であ
る。
【0043】本発明で使用するシリカ微粒子は、上記の
内、気相法により合成された非晶質シリカ微粒子であ
る。中でも平均一次粒子径が3nm〜50nmの超微粒
子状シリカが好ましい。特に好ましい一次粒子径は5n
m〜30nmのものである。またこれらが連結した二次
粒子径としては、10nm〜400nmにするのが好ま
しい。この気相法により合成された非晶質シリカ微粒子
として市販されている製品としては、アエロジル(テグ
サ社)が該当する。
【0044】本発明で使用する気相法シリカは、上記の
一次粒子径のシリカ微粒子を水に添加し、高速ホモジナ
イザー等で分散して平均二次粒子径が400nm以下、
好ましくは200nm以下にまで分散したものである。
【0045】本発明に用いられるアルミナ水和物は、下
記の一般式により表すことができる。 Al23・nH2O アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサ
イト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイ
ト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無
定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの
値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を
表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構
造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造
のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアル
ミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベー
マイト構造のアルミナ水和物である。
【0046】本発明に用いられるアルミナ水和物の形状
は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでも
よく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状で
ある。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比3
〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6であ
る。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」
の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和
物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等し
い円の直径を表す。アスペクト比が上記の範囲より小さ
い場合は、インク受容層の細孔径分布が狭くなり、イン
ク吸収性が低下する。一方アスペクト比が上記の範囲を
超える場合は、粒子を揃えてアルミナ水和物を製造する
ことが困難となる。
【0047】本発明に用いられるアルミナ水和物は、ア
ルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキ
シドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中
和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造
することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細
孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成
温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の
条件によって制御することができる。
【0048】アルコキシドからアルミナ水和物を得る方
法としては、特開昭57−88074号公報、同62−
56321号公報、特開平4−275917号公報、同
6−64918号公報、同7−10535号公報、同7
−267633号公報、米国特許第2,656,321
号明細書等にアルミニウムアルコキシドを加水分解する
方法として開示されている。これらのアルミニウムアル
コキシドとしてはイソプロポキシド、2−ブトキシド等
が挙げられる。
【0049】また、特開昭54−116398号公報、
同55−23034号公報、同55−27824号公
報、同56−120508号公報には、アルミニウムの
無機塩またはその水和物を原料として使用する方法が開
示されている。原料としては、例えば塩化アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化ア
ルミニウム、アンモニウムミョウバン、アルミン酸ナト
リウム、アルミン酸カリウム、水酸化アルミニウム等の
無機塩およびその水和物を挙げることができる。
【0050】更に別の方法として、特開昭56−120
508号公報に記載されている如き、pHを酸性側乃至
塩基性側に交互に変動させ、アルミナ水和物の結晶を成
長させる方法、特公平4−33728号公報に記載され
ている如き、アルミニウムの無機塩から得られるアルミ
ナ水和物と、バイヤー法で得られるアルミナとを混合
し、アルミナを再水和する方法もある。
【0051】本発明のインクジェット被記録媒体には、
市販のアルミナ水和物も好適に用いることができる。以
下にその一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるも
のではない。例えば、アルミナ水和物としては、カタロ
イドAS−1、カタロイドAS−2、カタロイドAS−
3(以上、触媒化学工業製)、アルミナゾル100、ア
ルミナゾル200、アルミナゾル520(以上、日産化
学工業製)、M−200(以上、水澤化学工業製)、ア
ルミゾル10、アルミゾル20、アルミゾル132、ア
ルミゾル132S、アルミゾルSH5、アルミゾルCS
A55、アルミゾルSV102、アルミゾルSB52
(以上、川研ファインケミカル製)などを挙げることが
できる。
【0052】本発明において用いられる酸化アルミニウ
ム(以下アルミナ)超微粒子は、γ型結晶であるγ型ア
ルミナ微粒子が好ましく用いられる。γ型結晶は結晶学
的に分類すると、さらにγグループとδグループに分け
ることができる。δグループの結晶形態を有する微粒子
の方が好ましい。
【0053】γ型アルミナ微粒子は、1次粒子の平均粒
子径を10nm程度にまで小さくすることが可能である
が、一般に、1次粒子は2次凝集形態(以下、2次粒子
と記す)を形成して、数千から数万nmにまで粒子径が
大きくなる。このような大粒子径のγ型アルミナ微粒子
を使用すると、インク受容層の印字性、吸収性は良好で
あるものの、透明性に欠け、塗膜欠陥が発生しやすくな
る。一次粒子の平均粒子径は、80nm未満であること
が好ましい。80nm以上の一次粒子からなる2次粒子
を使用すると、脆弱性が増し、塗膜欠陥が非常に発生し
やすくなる。
【0054】γ型アルミナ微粒子ゾルを得るには、通
常、数千から数万nmの2次粒子となっているγ型アル
ミナ結晶をビーズミルや超音波ホモジナイザー、高圧式
ホモジナイザー等の粉砕手段によって、平均粒子径が2
00nm以下、好ましくは100nm以下の超微粒子に
なるまで粉砕する。平均粒子径が200nmを越える
と、インク吸収性は増加するが、被膜が脆く、透明性が
低下する。粉砕手段としては、超音波ホモジナイザーや
高圧式ホモジナイザーを用いる方法が好ましく、ビーズ
ミル等の他の粉砕方法では、γ型アルミナ結晶が硬い結
晶であるために、粉砕容器から異物が混入しやすく、透
明性の低下や欠陥の発生の原因となる。γ型アルミナ微
粒子は、インク吸収性に優れ、乾燥性、インク定着性等
の印字品質もよく、超微粒子化することで、高比率でイ
ンク受容層に含有させても透明性に優れたインクジェッ
ト記録媒体を得ることができる。
【0055】γ型アルミナ微粒子は、市販品として、δ
グループに属する酸化アルミニウムC(日本アエロジル
(株)製)、γグループに属するAKP−G015(住
友化学(株)製)などとして入手できる。
【0056】本発明に用いられる無機超微粒子の接着剤
として、水溶性あるいは非水溶性の高分子化合物を添加
しても良い。本発明に用いられる高分子化合物は、イン
ク受容層の構成成分として、インクと親和性を有する化
合物である。例えば、水溶性高分子化合物としてはメチ
ルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メ
チルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエ
チルセルロース等のセルロース系接着剤、澱粉及びその
変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラ
ン、アラビアゴム、及びアルブミン等の天然高分子樹脂
またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその
変性物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ア
クリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックス
やエマルジョン類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピ
ロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及
び無水マレイン酸またはその共重合体等を挙げられる。
好ましくは、ポリビニルアルコールである。
【0057】また、非水溶性高分子化合物としては、エ
タノール、2−プロパノール等のアルコール類やこれら
のアルコール類と水との混合溶媒に溶解する非水溶性接
着剤が、酸化アルミニウムの分散が安定化されるので特
に好ましい。この様な非水溶性接着剤としては、ビニル
ピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール等のアセタール樹脂を挙げる
ことができ、特にアセタール化度が5モル%以上20モ
ル%以下の範囲のアセタール樹脂は、水を多少含有させ
ることができ、無機超微粒子の分散を容易にすることが
できる為、特に好ましい。
【0058】これらの高分子化合物は、単独乃至複数を
併用してもよく、無機超微粒子に対し、2重量%以上5
0重量%以下を添加する。好ましくは、5重量%以上3
0重量%以下を添加する。上記の添加量の範囲に満たな
いと塗膜強度が弱くなり、範囲を超えて添加するとイン
ク吸収性が低下する。
【0059】本発明における塗工液を塗布する方法は、
Eバー塗布、カーテン塗布、ストラドホッパー塗布、エ
クストルージョン塗布、ロール塗布、エアナイフ塗布、
グラビア塗布、ロッドバー塗布等の各種塗布方法を採用
することができる。
【0060】本発明において、インク受容層の層構成
は、単層であっても積層構成であってもよい。積層構成
の場合、全層が同じ配合の層であってもよいし、他の成
分で構成される層との積層構成であってもよい。
【0061】本発明の無機超微粒子を含有するインク受
容層の塗工量は、固形分換算で単位平方メートル当たり
5g以上が必要であり、本発明のさらなる効果を認める
には、好ましくは単位平方メートル当たり10g以上3
0g以下である。特に好ましくは単位平方メートル当た
り10g以上20g以下である。空隙量などにもよる
が、厚さで10μm以上30μm以下が特に好ましい。
【0062】塗工後に乾燥する手段としては、一般の公
知の方法を用いることができ、限定されない。例えば、
熱源により発生した加熱空気を送風した加温器内に搬送
する方法、ヒーター等の熱源近傍を通過させる方法等で
ある。
【0063】更に、本発明の無機超微粒子と必要なら接
着剤とを含有するインク受容層を形成する塗工液は、必
要に応じて、界面活性剤、無機顔料、着色染料、着色顔
料、インク染料定着剤(カチオン性樹脂)、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング
剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調整剤、硬
膜剤等の公知の各種添加剤を添加することができる。
【0064】本発明は基紙密度が0.90以上の基紙上
に、アルカリ土類金属の塩と該アルカリ土類金属の塩に
対して重量比で0.05倍以上0.8倍以下の接着剤を
含有する下塗り層を設け、その上に無機超微粒子を含有
するインク受容層を設けることによって、高光沢、高吸
収性で優れた画像色彩性を持ち、インク受容層の接着性
に問題がなく、かつ記録後の波打ちの少ない、インクジ
ェット被記録媒体を得ることが出来る。なぜこの組み合
せにより、高光沢高吸収性で、かつ記録後の波打ちの少
ないインクジェット被記録媒体が得られるのかは定かで
はない。高光沢を得る為にはインク受容層の塗工時には
インク受容層が下塗り層にしみ込まず、レベリングして
高平滑な表面を形成し乾燥される必要がある。そして高
吸収性を得るためにはインク受容層のみならず下塗り層
も吸収に寄与する必要があるが、下塗り層の吸収性が大
きすぎるとインク受容層を塗工する際、インク受容層塗
工液が下塗り層にしみ込み、高光沢を得ることができな
いという矛盾を生ずる。
【0065】本発明の如く、下塗り層中の顔料がアルカ
リ土類金属の塩であり、かつインク受容層塗工液が酸性
であると、インク受容層を塗工する際に、インク受容層
中の酸とアルカリ土類金属の塩がショックを起こし、無
機超微粒子が下塗り層にしみ込まず境界面を形成するの
ではないかと考えられる。そして乾燥途中あるいは乾燥
後、インク受容層中の水分や酸等によって、その境界面
や下塗り層中のアルカリ土類金属の塩が徐々に溶解或い
は変形され、吸収経路を形成する事によって下塗り層の
吸収性がインク受容層の空隙と連動し、吸収性を高めて
いるのではないかと考えられる。従って、インク受容層
塗工液が酸性領域のpH5.0以下が好ましく、特にp
H4.0以下であると好ましい。インク受容層塗工液の
pHが5.0を超えると上記アルカリ土類金属の塩との
相互作用が弱くなりインク吸収性がやや低下傾向にあ
る。またアルカリ性領域になるとその効果は発現し難
い。
【0066】また、波打ちは一般的に基紙に水分が浸透
すると基紙を構成するパルプの膨潤、応力緩和が起こ
り、再度乾燥された場合に局所的に発生した凹凸が残る
ためと考えられる。本発明では、上記のように下塗り層
とインク吸収層の相互作用により、インク吸収性が高ま
り、基紙への水分の浸透が少なくなることと、基紙密度
を0.90g/cm3 以上に抄造することで、パルプ間
の間隙が殆どないため局所的に発生する凹凸の差が極め
て少なくなり、記録後の波打ちが少ないのではないかと
推定される。
【0067】さらに、基紙のJIS P 8140で規
定されるコッブ法による吸水性(接触時間30秒)を2
5g/m2以下、またはJIS P 8117で規定さ
れるガーレデンソメーターによる透気度を100秒/1
00ml以上にすることで、より基紙内部への水分の浸
透が抑えられ、波打ちが発生し難くなると考えられる。
コッブ法による吸水性を調整するには、内添サイズ剤の
添加量を調節するのが容易である。更に内添サイズ剤ば
かりでなく、外添サイズ剤(サイズプレス等で与えられ
る)の種類や付与量によっても調節可能である。また、
透気度を調節するには、前記したような密度のコントロ
ールと同様な手段が採用出来る。
【0068】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、本発明は実施例に限定されるものではない。以下に
おける部、%はすべて重量によるものである。
【0069】<基紙Aの作製>広葉樹漂白クラフトパル
プ85重量%、及び針葉樹漂白サルファイトパルプ15
重量%から成る混合パルプをカナディアン スタンダー
ド フリーネスで250mlになるまで叩解し、パルプ
スラリーを調整した。これにパルプ100重量部に対し
て、カチオン化澱粉3重量部、アニオン化ポリアクリル
アミド0.2重量部、アルキルケテンダイマー乳化物
(ケテンダイマー分として)0.4重量部、ポリアミド
エピクロルヒドリン樹脂0.4重量部を添加して紙料ス
ラリーを調製した。その後、紙料スラリーを長網抄紙機
で紙匹を形成し、ウェットパートで3段のウェットプレ
スを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く
乾燥パートの途中で2段の緊度プレスを行った。その
後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール
5重量%のサイズプレス液を20g/m2 サイズプレス
し、最終的に得られる基紙水分が絶乾水分で8重量%に
なるように乾燥し、密度が1.00g/cm3になるよ
うにマシンカレンダー処理して、坪量150g/m2
基紙Aを作製した。基紙Aのガーレ透気度およびコッブ
法による吸水度はそれぞれ120秒、20g/m2であ
った。
【0070】<基紙Bの作製>広葉樹漂白クラフトパル
プ85重量%と針葉樹漂白クラフトパルプ15重量%か
らなる混合パルプをカナディアン スタンダード フリ
ーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリー
を調整した。これにパルプ100重量部に対して、カチ
オン化澱粉3重量部、アニオン化ポリアクリルアミド
0.2重量部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテン
ダイマー分として)0.4重量部、ポリアミドエピクロ
ルヒドリン樹脂0.4重量部を添加して紙料スラリーを
調製した。その後、紙料スラリーを長網抄紙機で紙匹を
形成し、ウェットパートで3段のウェットプレスを行っ
た後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パー
トの途中で2段の緊度プレスを行った。その後、乾燥の
途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール5重量%の
サイズプレス液を20g/m2サイズプレスし、最終的
に得られる基紙水分が絶乾水分で8重量%になるように
乾燥し、密度が0.95g/cm3になるようにマシン
カレンダー処理して、坪量150g/m2の基紙Bを作
製した。基紙Bのガーレ透気度およびコッブ法による吸
水度はそれぞれ100秒、25g/m2であった。
【0071】<基紙Cの作製>広葉樹漂白クラフトパル
プ85重量%と針葉樹漂白クラフトパルプ15重量%か
らなる混合パルプをカナディアン スタンダード フリ
ーネスで330mlになるまで叩解し、パルプスラリー
を調節した。これにパルプ100重量部に対して、両性
澱粉(ケイト3210,王子ナショナル社製)を0.7
重量部、及びアルキルケテンダイマーサイズ剤(サイズ
パインK903、荒川化学工業社製)を0.4重量部添
加し、長網抄紙機で紙匹を形成し、ウェットパートでは
2段のウェットプレスを行ったが、スムージングロール
処理は行わず、引き続く乾燥パートでの緊度プレスも行
わなかった。その後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリ
ビニルアルコール5重量%のサイズプレス液を20g/
2サイズプレスし、最終的に得られる基紙水分が絶乾
水分で8重量%になるように乾燥し、密度が0.90g
/cm3になるようにマシンカレンダー処理して、坪量
150g/m2の基紙Cを作製した。基紙Cのガーレ透
気度およびコッブ法による吸水度はそれぞれ50秒、2
5g/m2であった。
【0072】<基紙Dの作製>広葉樹漂白クラフトパル
プ85重量%と針葉樹漂白クラフトパルプ15重量%か
らなる混合パルプをカナディアン スタンダード フリ
ーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリー
を調整した。これにパルプ100重量部に対して、カチ
オン化澱粉3重量部、アニオン化ポリアクリルアミド
0.2重量部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテン
ダイマー分として)0.3重量部、ポリアミドエピクロ
ルヒドリン樹脂0.4重量部を添加して紙料スラリーを
調製した。その後、紙料スラリーを長網抄紙機で紙匹を
形成し、ウェットパートで3段のウェットプレスを行っ
た後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パー
トの途中で2段の緊度プレスを行った。その後、乾燥の
途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール5重量%の
サイズプレス液を20g/m2サイズプレスし、最終的
に得られる基紙水分が絶乾水分で8重量%になるように
乾燥し、密度が0.90g/cm3になるようにマシン
カレンダー処理して、坪量150g/m2の基紙Dを作
製した。基紙Dのガーレ透気度およびコッブ法による吸
水度はそれぞれ100秒、40g/m2であった。
【0073】<基紙Eの作製>広葉樹漂白クラフトパル
プ85重量%と針葉樹漂白クラフトパルプ15重量%か
らなる混合パルプをカナディアン スタンダード フリ
ーネスで450mlになるまで叩解し、パルプスラリー
を調節した。これにパルプ100重量部に対して、両性
澱粉(ケイト3210,王子ナショナル社製)を0.7
重量部、及びアルキルケテンダイマーサイズ剤(サイズ
パインK903、荒川化学工業社製)を0.4重量部添
加し、長網抄紙機で紙匹を形成し、ウェットパートでは
2段のウェットプレスを行ったが、スムージングロール
処理は行わず、引き続く乾燥パートでの緊度プレスも行
わなかった。その後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリ
ビニルアルコール5重量%のサイズプレス液を20g/
2サイズプレスし、最終的に得られる基紙水分が絶乾
水分で8重量%になるように乾燥し、密度が0.80g
/cm3になるようにマシンカレンダー処理して、坪量
150g/m2の基紙Eを作製した。基紙Eのガーレ透
気度およびコッブ法による吸水度はそれぞれ100秒、
25g/m2であった。
【0074】<下塗り層塗工液A1〜A8>アルカリ土
類金属の塩として軽質炭酸カルシウム(タマパール22
2H:奥多摩工業社製)100重量部、接着剤としてス
チレンーブタジエン共重合体ラテックス(ラックスター
DS226、大日本インキ社製)を固形分で各々3重量
部、5重量部、10重量部、15重量部、20重量部、
40重量部、80重量部、100重量部を混合し、固形
分濃度45%の下塗り層塗工液A1〜A8を調製した。
【0075】<下塗り層塗工液B>アルカリ土類金属の
塩として重質炭酸カルシウム(カービタル90:ECC
インターナショナル社製)100重量部、接着剤として
スチレンーブタジエン共重合体ラテックス(ラックスタ
ーDS226、大日本インキ社製)を固形分で20重量
部を混合し、固形分濃度45%の下塗り層塗工液Bを調
製した。
【0076】<下塗り層塗工液C>アルカリ土類金属の
塩として炭酸マグネシウム(球状炭酸マグネシウム:神
島化学工業社製)100重量部、接着剤としてスチレン
ーブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS2
26、大日本インキ社製)を固形分で20重量部を混合
し、固形分濃度45%の下塗り層塗工液Cを調製した。
【0077】<下塗り層塗工液D>アルカリ土類金属の
塩として硫酸バリウム(沈降性硫酸バリウムD−2:バ
ライト工業社製)100重量部、接着剤としてスチレン
ーブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS2
26、大日本インキ社製)を固形分で20重量部を混合
し、固形分濃度45%の下塗り層塗工液Dを調製した。
【0078】<下塗り層塗工液E>合成非晶質シリカ
(ファインシールX37B:トクヤマ社製)100重量
部、接着剤としてポリビニルアルコール(PVA11
7:クラレ社製)を固形分で20重量部を溶解混合し、
固形分濃度20%の下塗り層塗工液Eを調製した。
【0079】<インク受容層塗工液A>インク受容層の
塗被組成物は一次粒子径7nmの気相法超微粒子シリカ
(AEROSIL300:日本アエロジル社製)100
gと分散剤(シャロールDC902P:第一工業製薬社
製)3gを、500gのイオン交換水中に攪拌機にて分
散し、10重量%のポリビニルアルコール(PVA10
5:クラレ社製)水溶液を15部混合し、水を加えて固
形分濃度11%の塗工液Aとした。塗工液AのpHは
3.8であった。
【0080】<アルミナ水和物の合成>イオン交換水1
200g、イソプロピルアルコール900gを3Lの反
応器に仕込み、75℃に加熱した。アルミニウムイソプ
ロポキシド408gを加え、75gで24時間、続き9
5℃で10時間加水分解を行った。加水分解後、酢酸2
4g加えて95℃で48時間攪拌した。次に、固形分濃
度が15重量%になるように濃縮し、白色の超微粒子状
アルミナ水和物の分散液を得た。このゾルを室温で乾燥
させ、X線回折を測定したところ、擬ベーマイト構造を
示した。また、透過型電子顕微鏡で平均粒径を測定した
ところ、30nmであり、アスペクト比6.0の平板状
の超微粒子状アルミナ水和物であった。また、窒素吸着
脱離方法によって平均細孔半径、細孔容積およびBET
比表面積を測定したところ、それぞれ7.1nm、0.
65ml/gそして200m2/gであった。
【0081】<インク受容層塗工液B>前記の15重量
%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アル
ミナ水和物分散液100部に対し、10重量%のポリビ
ニルアルコール(PVA105:クラレ社製)水溶液を
15部混合した。混合後、ホモミキサーに1万rpmで
10分間かけ、均一分散化した。分散液は、固形分濃度
11%になるようにエバポレータにより濃縮化し、塗工
液Bとした。塗工液BのpHは4.5であった。
【0082】<インク受容層塗工液C>インク受容層の
塗被組成物は、アルミナ超微粒子として、δグループの
γ型アルミナ結晶粉末である、一次粒子径13nmのア
エロジル酸化アルミニウムC(日本アエロジル社製)6
00gを2400gのイオン交換水中に攪拌機にて分散
し、20重量%のスラリー状の粘性液を調製した。この
20重量%のγ型アルミナ分散液を用いて、アルミナ分
散液100部に対し、10重量%のポリビニルアルコー
ル(クラレ社製PVA235)水溶液を30部混合し
た。混合後、ホモミキサーに1万rpmで10分間か
け、均一分散化した。分散液は、固形分濃度11%にな
るようにエバポレータにより濃縮化し、塗工液Cとし
た。塗工液CのpHは5.0であった。
【0083】<インク受容層塗工液D>インク受容層の
塗被組成物は一次粒子径7nmの気相法超微粒子シリカ
(AEROSIL300:日本アエロジル社製)100
gと分散剤(シャロールDC902P:第一工業製薬社
製)3gを、500gのイオン交換水中に攪拌機にて分
散し、10重量%のポリビニルアルコール(PVA10
5:クラレ社製)水溶液を15部混合し、水酸化ナトリ
ウムを加えてpHを5.5に調製し、水を加えて固形分
濃度11%の塗工液Dとした。
【0084】<インク受容層塗工液E>インク受容層の
塗被組成物は、本発明の無機超微粒子に相当しないBE
T比表面積270m2/gの合成非晶質シリカ(ファイ
ンシールX−37B:トクヤマ社製)100部、ポリビ
ニルアルコール(PVA105:クラレ社製)15部、
カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住
友化学社製)20部を混合し、水を加えて固形分濃度1
5%の塗工液Eとした。塗工液EのpHは5.3であっ
た。
【0085】実施例1〜15 表1に記載された紙基体上に、表1に記載の下塗り塗工
液をバーコーターにより乾燥塗工量10g/m2になる
ように塗工後乾燥した。その上、表1に記載のインク受
容層塗工液をバーコーターにより乾燥塗工量15g/m
2になるように塗工後乾燥し、実施例1〜15を得た。
【0086】実施例16〜21 表1に記載された紙基体上に、表1に記載の下塗り塗工
液をバーコーターにより乾燥塗工量10g/m2になる
ように塗工後乾燥し、熱カレンダー処理(温度100
℃、ニップ圧150kg/cm)を施した。その上に、
表1に記載のインク受容層塗工液をバーコーターにより
乾燥塗工量15g/m2になるように塗工乾燥し、実施
例16〜21を得た。
【0087】比較例1〜5 表1に記載された紙基体上に、表1に記載の下塗り塗工
液をバーコーターにより乾燥塗工量10g/m2になる
ように塗工後乾燥し、熱カレンダー処理(温度100
℃、ニップ圧150kg/cm)を施した。その上、表
1に記載のインク受容層塗工液をバーコーターにより乾
燥塗工量15g/m2になるように塗工乾燥し、比較例
1〜5を得た。
【0088】以上、実施例及び比較例で作成したインク
ジェット被記録媒体について、下記の評価方法により評
価し、その結果をまとめて表1に示す。
【0089】<インク吸収性評価>インク吸収性の評価
は、インクジェット記録装置であるエプソン(株)製P
M9000を使い、シアンインク、マゼンタインク、イ
エローインクで重色の矩形パターンを印字した。重ねる
インク量が各色全て100%の時を300%とし、全て
90%の時を270%とし、以下同様に240%、21
0%、180%、150%の矩形パターンを作成して印
字した。この印字パターンと未印字部分の境界部分を下
記の基準に従って、目視にて評価した。 ◎:300%印字でアフレが認められない ○:270%印字でアフレが認められない △:210%印字でアフレが認められない ×:180%印字でアフレが認められる 良好なインク吸収性を示すのは、◎乃至△の評価であ
る。
【0090】<画像色彩性評価>キヤノンBJC−42
0Jを用いて、マゼンタおよびシアンのベタ印字を行っ
た。その色彩性を以下の通り目視評価を行った。 ◎:色彩が良く、画像が冴えて見える ○:色彩が良く見える △:色彩がややくすんで見える ×:色彩もにぶく、くすみが激しい 実用上問題のないものは、◎乃至△の評価である。
【0091】<白紙光沢の評価>実施例1を標準(○)
とし、目視観察により実施例1より高いものを◎、実施
例1より劣るが、実用上問題ないレベルを△、光沢感が
極めて悪いものを×とした。
【0092】<画像記録後の波打ち>画像記録後の波打
ちは、色相、明度の範囲が広く、高精細な写真画像を描
画し、1日放置して乾燥後の記録面の波打ちを目視で次
のような5段階で評価した。 ◎:画像記録後の波打ちが非常に良好 ○:画像記録後の波打ちがかなり良好 ◇:画像記録後の波打ちが良好 △:画像記録後の波打ちがやや不良 ×:画像記録後の波打ちが不良 実用上問題のないものは◎〜△である。
【0093】<接着性の評価>カッターナイフで記録面
側より縦横に5mm間隔の格子状切り込みを入れた後、
記録面に粘着テープを貼り、剥がし、格子100個あた
りのインク受容層のはがれ個数で判断した。 ○:はがれ個数が10個未満 △:はがれ個数が10〜30個 ×:はがれ個数が31個以上 良好な接着性を示すのは○であり、△でも実用上問題が
ない。
【0094】
【表1】
【0095】表1より、密度が0.90g/cm3以上
である基紙上に、アルカリ土類金属の塩、該アルカリ土
類金属の塩に対して重量比で0.05倍以上0.8倍以
下の接着剤を含有する下塗り層を塗設し、さらに、無機
超微粒子を含有するインク受容層を設けた実施例1〜2
1においては目視白紙光沢、画像色彩性、インク吸収
性、波打ちのいずれもバランス良く優れたものが得られ
ている。しかし、下塗り層にアルカリ土類金属の塩を含
まない(比較例4)と白紙光沢が劣り、アルカリ土類金
属の塩を含んでいる下塗り層であっても接着剤の重量比
が0.05倍未満である(比較例2)と接着性が悪く、
接着剤の重量比が0.8倍を越える(比較例3)と吸収
性が悪く実用的でない。さらにインク受容層の顔料が超
微粒子でない(比較例1)と、光沢が劣り、基紙密度が
0.90g/cm3以下(比較例5)では波打ちが劣
り、好ましくない。また、熱カレンダー処理を施すこと
は、目視白紙光沢が向上するので、好ましい製造法であ
る。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
インク吸収性、画像色彩性が優れ、インク受容層の接着
性が良好で、かつ記録後の波打ちのない、高光沢なイン
クジェット被記録媒体が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA12 BA15 BA21 BA32 BA33 BA34 BA41 4D075 BB05Y BB25Y BB32Y CA35 CA40 CA48 CB04 DA04 DB18 DC27 EA06 EA12 EA13 EA35 EB07 EB10 EB12 EB13 EB14 EB19 EB20 EB22 EB37 EB56 EB60 EC02 EC03 EC54

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主成分とする基紙に、アル
    カリ土類金属の塩と該アルカリ土類金属の塩に対して、
    重量比で0.05倍以上0.8倍以下の接着剤を含有す
    る下塗り層を設け、その上に無機超微粒子を含有するイ
    ンク受容層塗工液を塗工してなるインクジェット被記録
    媒体において、該基紙が0.90g/cm3以上の密度
    を有することを特徴とするインクジェット被記録媒体。
  2. 【請求項2】 該アルカリ土類金属がカルシウム又はマ
    グネシウムであることを特徴とする請求項1記載のイン
    クジェット被記録媒体。
  3. 【請求項3】 該アルカリ土類金属の塩が炭酸塩である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット
    被記録媒体。
  4. 【請求項4】 該無機超微粒子が気相法による非晶質合
    成シリカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載のインクジェット被記録媒体。
  5. 【請求項5】 該無機超微粒子がアルミナ化合物である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    インクジェット被記録媒体。
  6. 【請求項6】 無機超微粒子を含有するインク受容層塗
    工液のpHが5.0以下であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット被記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 該基紙のインク受容層を設けてなる側の
    JIS P 8140に規定されるコッブ法(接触時間
    30秒)による吸水量が、25g/m2以下であること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のイン
    クジェット被記録媒体。
  8. 【請求項8】 該基紙のJIS P 8117に規定さ
    れるガーレーデンソメーターで測定される透気度が、1
    00秒/100ml以上であることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット被記録媒
    体。
  9. 【請求項9】 天然パルプを主成分とし、0.90g/
    cm3以上の密度を有する基紙上に、アルカリ土類金属
    の塩と該アルカリ土類金属の塩に対して、重量比で0.
    05倍以上0.8倍以下の接着剤を含有する下塗り層を
    設けた後、熱カレンダー処理を施してから、無機超微粒
    子を含有するインク受容層を設けることを特徴とするイ
    ンクジェット被記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 該無機超微粒子が気相法による非晶質
    合成シリカ或いはアルミナ化合物であり、かつ該インク
    受容層塗工液のpHが5.0以下であることを特徴とす
    る請求項9記載のインクジェット被記録媒体の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010501368A (ja) * 2006-08-22 2010-01-21 エム−リール オサケ ユキチュア ユルキネン キャストコーティング様インクジェット記録材料
JP2010149463A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Oji Paper Co Ltd 両面インクジェット記録体及びその製造方法

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