JP2005054308A - キャストコート紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】光沢面の美観を損なうことなく、その裏面に印刷部が形成されたキャストコート紙を提供すること。
【解決手段】基紙上にインク受容層を有し、該インク受容層側の表面がキャスト処理されたキャストコート紙において、前記キャスト処理された面と反対側の面に印刷部が形成されており、前記キャスト処理された表面の該印刷部に対向する箇所が凹部を有し、前記凹部は前記キャスト処理された表面の該印刷部に対向しない箇所より5μmを超えてへこんでいないことを特徴とするキャストコート紙とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、表面が鏡面加工され、かつ裏面に印刷加工が施されたキャストコート紙に関する。
近年、インクジェットプリンタの普及により、その記録紙として種々のキャストコート紙が提供されている。特に、フルカラー化された高品位の画像の提供が可能となり、写真様の印刷が要求されており、その表面が鏡面加工された光沢面を有するキャストコート紙の需要も高まっている。また一方で、キャストコート紙の裏面には、製品の識別や企業の認知度の向上、表裏判別等を目的として、ロゴマークや絵柄等の印刷を付与することが行われている。インク受容層を形成した記録用紙の裏面にマーク等を形成する記録用紙の製造方法が特開昭61−16883号公報(特許文献1)に記載されている。
特開昭61−16883号公報
しかしながら、インク受容層が形成されたキャストコート紙に裏面印刷を施すと、印刷工程後にキャストコート紙をロール巻きする際に、裏面印刷とインク受容層とが直接接触することとなり、裏面印刷の乾燥をいかに十分に行ったとしても、インク成分や各種バインダ成分が裏面印刷からインク受容層側へ移染し、インク受容層側の面が汚れたり、印字時に色抜けを起こしたりする原因となっていた。さらに、断裁されたキャストコート紙を積載保存した場合にも同様の現象が懸念されるという問題があった。そのため、インク受容層形成前に裏面印刷を行うことが好ましい。
特に、光沢面を有するキャストコート紙の製造においては、その性質上、表面を鏡面化するキャスト工程は最終工程とすることが好ましいので、ロゴマーク等の文字列や絵柄等をキャストコート紙の裏面側に予め印刷しておくことが必要となる。しかしながら、予め裏面側に印刷部を形成した基紙を用いて、キャストコート紙を製造した場合、キャストされた表面である光沢面に部分的に凹部が形成されてしまうという問題が生じた。この凹部について発明者らが観察したところ、凹部は裏面の印刷部に対応した位置に見られ、その、大きさを見ると印刷部により決まるもので10×30mm×深さ10μmのものであった。これは裏に印刷したロゴ印刷とほぼ同じ大きさであった。特に、印刷部が文字列や有意の模様であった場合には、目立つものであることが判明した。また、印刷部のインク量あるいは、印字濃度の濃い場合にへこみが目立ちやすく、かつ印刷部の大きさと全体に占める割合にも目立ちやすさが影響されることが判明した。
図1Aに表面である光沢面に出現している凹部の状態を模式的に示す。また、図1Bに凹部が出現している部位のキャストコート紙の断面図を模式的に示す。図1Aの1は表面の光沢面であり、2で示した黒い影は各々光沢見られる凹部である。図1Bの3は光沢面、4は基紙、5は印刷部であり、6は裏面層、7は表面の光沢面に出現した凹部のひとつである。光沢面の凹部は裏面の印刷部に対応した位置に存在していることが判った。
このような凹部ができる理由を発明者は以下の様に考える。即ち、キャスト工程は、インク受容層側の表面にキャスト液(主に水)を塗布(リウェット加工)した後に、鏡面ロールで100℃程度に加熱し、このロール上の鏡面をその表面に転写させるというものである。あるいは、インク受容層が半乾燥状態のまま、加熱された鏡面ロールを通過させるというものである。いずれの方法においても、インク受容層中の水分が加熱ロール通過時に気化し裏面側から蒸散する。つまり、インク受容面は鏡面ロールと密着しているため、気化した水分は基紙側から抜けていくことになる。この際に、基紙裏面に形成された印刷部は、インク受容層の水分が基紙を通して抜けていくことを阻害することとなる。そのために、その部分に対応するインク受容層と基紙の乾きが遅くなり、僅かな伸縮の差がおこり、キャスト表面に凹部が形成されるのではないかと推測する。この現象はキャスト工程に先駆けて裏面に印刷部を設けるとほぼ必ず発生しへこみ深さを0にすることが困難であることが判明した。このへこみは通常ではわからないレベルのものであるが、蛍光灯等の姿をキャスト表面に映しこむと、その像がゆがむため、ゆがみが大きい場合目立つようになる。その結果、光沢面からも印刷部に対応する場所のへこみが視認できてしまうという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、光沢面の美観を損なうことなく、その裏面に印刷部が形成されたキャストコート紙を提供することを目的とする。特に、印刷部が文字列や有意の絵柄模様であっても、表面側の印刷部に対応した凹みの存在が目立たない様になされたものであり、裏面においてのみ視認可能な印刷部を有するキャストコート紙を提供することを目的とする。
本発明は、
基紙上にインク受容層を有し、該インク受容層側の表面がキャスト処理されたキャストコート紙において、前記キャスト処理された面と反対側の面に印刷部が形成されており、前記キャスト処理された表面の該印刷部に対向する箇所が凹部を有し、前記凹部は前記キャスト処理された表面の該印刷部に対向しない箇所より5μmを超えてへこんでいないことを特徴とするキャストコート紙である。このような本発明によれば、光沢面の美観を損なうことなく、その裏面に印刷部が形成されたキャストコート紙となる。
本発明のキャストコート紙は、光沢面の美観を損なうことなく、銀塩写真様の画像印刷が可能であり、その裏面には各種の意匠性を有する印刷部が形成されたキャストコート紙となる。
本発明のキャストコート紙は、基紙上にインク受容層を有し、その表側が鏡面加工され、その裏側に印刷部を有するものである。
基紙は、後述するキャスト工程でのインク受容層の乾燥時に水や溶剤成分が基紙裏面から蒸発し得るものであればどのようなものでも使用できるが、繊維状基体、即ちいわゆる紙が好ましく、LBKP、NBKP、NBSP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ、等の木材パルプ、ケナフ、バガス、コットン等の非木材パルプ、等のパルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダ及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置により均一な地合と表裏差が生じないようにして抄造された原紙に澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、さらにカレンダ処理、それらにコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙等を用いることができる。多層抄きにより抄造された原紙は表裏差のすくないこと、更に地合いが均一となりやすいので好適である。
基紙を構成するパルプは特に限定されず、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、NBSP、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)等の叩解されたパルプを、単独あるいは混合して適宜使用することができる。また、基紙には、必要に応じて、填料、サイズ剤、紙力強化剤等の添加剤が添加されていてもよい。さらに、上記基紙には、公知の填料やサイズ剤、紙力増強剤、歩留り向上剤、pH調整剤、及び蛍光染料、色顔料、その他各種染料等、公知の填料及び助剤を適宜選択して内添あるいは外添することができる。
本発明においては、基紙の表面上に、表面平滑性の向上と白色度の適正化を目的として、下塗り層を設けることが好ましい。
この下塗り層は、顔料とバインダを含むものであり、インク受容性を有する。顔料としては、以下のものを1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト等の無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン粒子、マイクロカプセル粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等有機顔料等が挙げられる。
バインダとしては、顔料を結着する能力のある材料であり、且つ本発明の効果を損なわない範囲のものであれば特に制限はなく利用できる。例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル計重合体ラテックス;或いはこれら各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;或いはこれら各種重合体にカチオン基を用いてカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤にて重合体表面をカチオン化したもの、カチオン性ポリビニルアルコール下で重合し重合体表面に該ポリビニルアルコールを分布させたもの、カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で重合を行い、重合体表面に該粒子が分布しているもの;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性バインダ;ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダ等を挙げることができる。上記は、単独或いは複数混合して用いることができる。
更に白色度、色調調整のために蛍光染料、色顔料を併用しても構わない。印字画像の写真様の質感、視覚の最適化のためにはやや青白く調整することが好ましい。
下塗り層を形成する顔料とバインダとは、質量比で100/5〜20/100で配合されているのが好ましい。また、上記下塗り層は基紙の両面に対称となるように1層以上設けられることが好ましい。
基紙には、下塗り層を直接形成しても良いが、必要に応じて、平坦化や厚みを調整する目的でカレンダ処理を施しても良い。キャスト時の基材裏面からの水や溶剤成分の蒸発や下塗り層の塗工性等を考慮すると、JIS P 8117で表される透気度が20〜500秒であることが好ましい。
このような下塗り層を形成する方法としては、上記に挙げたような顔料及びバインダを含有する塗工液を、基材表面に塗工し、乾燥等することによって容易に得られる。
また、下塗り層の乾燥塗工量は、特に限定されるものではないが、5〜25g/m2であることが好ましい。5g/m2未満であると、紙繊維が下塗り層上に発現しやすく、表面平滑性の効果が十分に発揮されないためである。キャスト処理を施したとしても、良好均質なキャスト面、写真調の高光沢面を得にくい。また印刷部上にも両面対称となるように下塗り層を設けた場合、隠蔽性のある白色性下塗り層では印刷が必要以上に不鮮明になるおそれもある。ゆえに下塗り層を印刷部上に設けた場合においても印刷が充分確認できる必要最低塗工量が望ましい。10〜20g/m2がより好ましい。
インク受容層は、下記に挙げるような顔料と、バインダとを含む塗工液を塗布することで形成できる。無機顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化マグネシウム等の無機顔料が挙げられ、有機顔料としては、例えば、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン粒子、マイクロカプセル粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等が挙げられる。本発明においては、インク受容層の主成分として、上記した中でも、透明性、発色性からシリカ、アルミナ水和物が好ましい。中でも染料定着性、透明性、印字濃度、発色性、光沢性の点で特に好ましいアルミナ水和物を用いる。インク受容層を形成するための塗工液中におけるアルミナ水和物の含有率は、塗工液中に含有させる無機顔料の100〜60質量%とすることが好ましい。アルミナ水和物の含有量がこの範囲に満たない場合は、上記アルミナ水和物に起因して得られる性能が低下する恐れがある。
アルミナ水和物としては、例えば、下記一般式により表されるものが好適に利用できる。
Al23−n(OH)2n・mH2
(上記式中、nは0、1、2又は3の何れかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の範囲にある値を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。mH2Oは、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数又は整数でない値をとることができる。又、この種の材料を加熱するとmは0の値に達することがあり得る。)
インク受容層を形成するための塗工液に使用するバインダとしては、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。ポリビニルアルコールとしては、アルミナ水和物等の顔料の結着性の点から、ケン化度70%以上、より好ましくは、80%以上のものが好ましく、又、重合度としては、500以上のものを使用することが好ましい。ポリビニルアルコールの含有量としては、アルミナ水和物に対して、5〜20質量%になるようにするのが好ましい。
上記ポリビニルアルコールの他、下塗り層に使用できるものとして先に説明したと同様のバインダを用いることもできる。さらに、先に説明した下塗り層や、上記のインク受容層を形成する際に使用する塗工液中には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤等を、必要に応じて適宜に含有させることができる。特に、インク受容層の形成材料中に、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上を含有させることは、インク受容層のクラック発生の抑制という点から極めて有効である。
インク受容層を形成する顔料とバインダとは、質量比で100/5〜20/100で配合されているのが好ましい。インク受容層の乾燥塗工量は、20〜60g/m2の範囲にあることが好ましい。インク受容層の厚さが20g/m2に満たない場合は、色素の定着性、吸収性が不充分になり鮮明で色濃度の高い記録ができないおそれがあるので好ましくない。インク受容層の厚さが60g/m2を超える場合は、インク受容層の機械的強度が低下し、クラックの発生が起こりやすくなるので好ましくない。
上記で説明した下塗り層、インク受容層における各塗工液の塗工は、例えば各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、エクストルージョン方式を用いたダイコーター、スライドホッパー方式を用いたコーター、サイズプレス等の各種塗工装置を適宜選択して用い、オンマシン、オフマシンで行うことができる。
また、上記塗工後の乾燥には、例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を、適宜選択して用いることができる。
基紙の裏面側には、印刷部が設けられている。印刷部の厚さは、0.1〜15μmが好ましい。0.1μm未満であると、裏面における印刷部の視認性が低下し、15μm以上であると、後述するキャスト加工した際の光沢面に形成されるへこみの深さが5μmを超えて大きくなりすぎ、表面側に印刷部に対応したへこみが目立ちやすくとなってしまうためである。より好ましくは、1〜12μmである。
目立ちやすさは印刷部の大きさにも依存し、囲いこむことが可能な最小の長方形の長辺の長さが30mmを超えると目立ちやすくなる。より好ましくは長辺の長さを25mm以下とすることが望ましい。
印刷部は、基紙全面に対して、10%未満の面積で形成されていることが好ましい。この範囲内であると、後述する光沢面に形成されるへこみの存在比率が低くなり目立たなくなるためである。より好ましくは、5%未満である。
また、この印刷部は、複数個の絵柄模様または文字からなることが好ましい。絵柄模様は、それ自体、特に限定されるものではなく、不規則な模様であっても規則的な模様であってもよい。規則的な模様としては、碁盤目状、水玉模様、市松模様などの幾何学的な模様、不規則的な模様としては、マーブル模様などを例示することができる。さらに、たとえば会社名や商品名を示すロゴマークやキャラクターなどのような見る方向に有意性を有する絵柄模様であっても良い。また、文字は一文字であっても二文字以上であっても良い。印刷部となる絵柄模様または文字は、これらに限定されず、他の種々の意匠も適宜採用することができる。このような絵柄模様または文字は、規則的に配置されていても、不規則的に配置されていてもよい。一般的に、不規則な模様よりも規則的な模様の方が、キャスト表面のへこみの視認性が高く、さらには文字や有意の模様(たとえばキャラクター模様など)に対しては、高いキャスト表面のへこみの視認性を有する。よって、不規則的に点在している場合の方が、キャスト表面のへこみの視認性が低くなるので好ましい。
本発明における印刷部はキャスト処理前に印刷が施される。その他の層の形成順序は問わない。
一般的に、紙には漉く方向があり、種々の塗工層が形成される場合には、その塗工層の塗布方向が存在するが、この漉き方向と塗工方向は、紙をロール巻きした際の進行方向と同一である。この紙の漉き方向および塗工方向をマシンディレクション(MD)と呼び、それと垂直な方向をクロスディレクション(CD)と呼ぶ。通常、紙を長方形に裁断する場合には、その長辺方向または短辺方向が、MD方向またはCD方向となるように設定する。また、その裁断形状が長方形でなく、例えば楕円形のような形状の場合においても、通常は長軸方向がMD方向またはCD方向となるように設定される。
したがって、上記のような絵柄模様または文字が、進む方向に有意性を有する場合、その進む方向、換言すれば、文字列を読み進める方向、またはそれと直行する方向と、記録紙の辺方向との成す角度のうちの小さい方の角度が2〜30°とすることが好ましい。これは、進む方向が基紙のどちらかの辺に平行な方向に配列されている場合よりも、斜めに配列されている場合の方が、そのキャスト表面のへこみの視認性が低くなるためである。より好ましくは5〜30°である。
図2に、ロゴマーク「ロゴ商標」の配置の一実施例を示す。このように配置することでキャスト表面のへこみの視認性を低くすることができる。図2において、進む方向とは、例えば文字列の場合には、ロ→ゴ→商→標の方向で、各文字を読み進む方向のことである。すなわち、上記の角度とは、図2における記録紙の辺とこの文字列とのなす角度aに相当する。縦書きの文字列であれば縦方向である。有意の模様の場合も同様の扱いとする。なお、図2では「ロゴ商標」の位置を規則的に配置しているが、この「ロゴ商標」を全く不規則に配置することにより、キャスト表面のへこみの視認性を下げる効果をより向上させることもできる。(不図示)
さらに絵柄模様または文字が有意性をもって進む方向として、例えば図2においてMD方向に最も平行に近い2つ以上の絵柄模様または文字どおしが形成する方向とMD方向とが形成する角度のうち、最も小さい角度が2〜30°であることが、キャスト表面のへこみの視認性が低くなる観点から好ましい。通常、隣接する2つの絵柄模様または文字が形成する方向は数種類形成されるが、どの方向もMD方向と平行にならないことが重要である。例えば、図2においては、角度bが2〜30°であることが好ましい。
印刷部全体の集合体から選ばれる、ある並びのうち、少なくとも1つは記録紙の辺に対して平行からずれた方が良い。
印刷部は水系インクによって形成されることが好ましく、その色は、特に制限なく種々の色のものが使用可能であるが、基紙が薄い場合には、黒などの濃い色のインクで印刷部を形成した場合、インク受容層のある面からその模様が透けて見えるおそれがある。このような場合、基紙と印刷部とのコントラストを低くすることが好ましい。たとえば基紙が白色の場合には、印刷部のインクの色を薄いグレーまたは白色に近いカラーにするのが好ましい。たとえば大日本インキ社のDIC日本の伝統色(第4版)946灰白などを例示することができる。また、これらの水系インクには、滑剤等の各種の添加材を含ませてもよい。滑剤としては、たとえばポリオレフィン系ワックスやシリコーン系ワックスなどである。
このような印刷部は、通常の印刷方法、たとえばフレキソ印刷、グラビア印刷法によって基紙の裏面に各種インク材を塗布し、乾燥固化させることによって形成することができる。そしてこの印刷は、裏移りを防止するために、基材にインク受容層を形成する前に行うことが好ましいが、後に行ってもよい。また基紙の表側となる面に、インク受容層のほかに下塗り層を設けた場合には、基紙の裏面側の印刷部上にも、表面側の下塗り層に対応するように裏面側の下塗り層や、表面側のインク受容層に対応するような裏面層を形成したものを用いることがカール対応の点で好ましい。
本発明のキャストコート紙は、上記のようにして、基紙または下塗り層上に印刷部と、必要に応じてさらにこの印刷部を覆う裏面層と、表側の下塗り層と、インク受容層とを形成した後に、表側となるインク受容層表面を光沢化処理(キャスト処理)したものである。このようにすれば、光沢のある写真調画像の形成が可能な光沢面を有するキャストコート紙が得られる。
本発明におけるキャストとは、インク受容層が形成された記録紙のインク受容層が水分を含んだ状態で、写し取られる版と、通常は鏡面ロール、鏡面ベルト、鏡面平板等と面接触しながら表面の版側から加熱し、圧着した状態で版の面を写し取ることを言う。
具体的には、光沢面を形成する方法としキャスト法を用いることができ、特に、リウェットキャスト法を適用することが好ましい。
キャスト法とは、湿潤状態、又は可塑性を有している状態にあるインク受容層を、加熱された鏡面状のドラム(キャストドラム)面に圧着し、圧着した状態で乾燥し、その鏡面をインク受容層表面に写し取る方法であり、以下の3つの代表的方法がある。即ち、塗工液を過剰に基材に塗工し、プレスロールとキャストドラムの間で絞るようにして適正塗工量にした後、そのまま加熱されているキャストドラムに圧着して乾燥する直接法、基材に塗工された塗工液を一度乾燥、又は半乾燥状態にした後、水を主成分とする再湿液によりインク受容層を可塑性を有した状態(湿らせた状態)に戻し、その後に加熱されているキャストドラムに圧着して乾燥するリウェットキャスト法(間接法)、基材に塗工された塗工液をある程度乾燥し、続いて酸等の凝固剤で処理した後、流動性のないゲル状態で、加熱されているキャストドラムに圧着して乾燥する凝固法である。
これらのキャスト法は、何れも、写真調画像の形成が可能な記録紙を製造する場合に利用できるが、製造速度という点において、リウェットキャスト法が他2種の方法に比べ、速くなるので好ましい。また、本発明のキャストコート紙は、そのインク受容層にアルミナ水和物が好適に用いられるが、この場合には、特にリウェットキャスト法を行うことによって、高光沢性が得られるので、より好ましい。
リウェットキャスト法で用いる再湿液には、水を主成分とし、これに、例えば、アンモニウム塩、ポリアミド樹脂、ヘキサメタリン酸等のリン化合物、アミド化合物、フッ化物、硫酸亜鉛、蟻酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス等を添加したものを用いることが好ましい。
キャスト法で使用するキャストドラムは、一般のキャストコート紙の製造条件と同様に、本発明においても、その表面粗度、表面温度、直径、線圧、速度を適宜選択することが可能であるが、ドラムの表面温度を、80〜120℃としておくことが好ましい。この範囲に満たない場合には、光沢面の光沢性が低下する可能性があり、この範囲を超える場合は、キャストドラムに圧着されたインク受容層が急激に加熱されて、沸騰され易くなる傾向がある。沸騰が起こると、インク受容層は、キャストドラムと完全に密着することができなくなり、キャストドラムの鏡面の写し取りが不十分となり、光沢面が著しく損なわれる場合がある。
このようなキャスト工程において、上記のように裏面に印刷部が設けられていると、その部分の蒸気の発散度合いが、他の部分と異なるために、基紙の伸度が不均一となり、その結果として、印刷部の箇所に対向する表側にへこみができる。しかしながら、人間の目によるキャスト表面のへこみの視認性には、限度があるために、表側の鏡面のへこみ度合いが平均で5μm以下であれば、ほぼ識別できない。すなわち、本発明では、裏面側に印刷部を設けた場合においても、その印刷部に対応する部位の表面側のへこみの深さを5μmを超えないようにする。すなわち、表面側にへこみが全くないか、あっても5μm以下であることが必要である。より好ましくは、4μmを超えないようにする。
さらに、キャスト処理された表面の、印刷部に対向する箇所における印刷部に対向しない箇所に対するへこみ量が、印刷部を形成する一つの絵柄模様または文字を囲い込むことが可能な最小の長方形の短辺の長さの1/1000以下であることが好ましい。これは、上記のへこみが更に目立たなくなるためである。なお、印刷部を形成する一つの絵柄模様または文字を囲い込むことが可能な最小の長方形の短辺の長さとは、例えば図2においては「ロゴ商標」の文字の高さであり、例えば楕円であれば短軸の長さとなるものである。より好ましくは1/1250以下である。
(実施例1)
[基紙の作製]
先ず、下記のようにして基紙を作製した。濾水度390mlCSFの広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)80質量部、濾水度390mlCSFの針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)20質量部からなるパルプスラリーに、パルプ100質量部に対してカチオン化澱粉(商品名:GEMCAT200、マニルドラ製)1.0質量部、シリカ(商品名:トクシールGU−N、トクヤマ製)2.0質量部、タルク(商品名:YDK、カミタルク製)12部、ロジン系サイズ剤(商品名:AL120、日本PMC製)1.5質量部、カチオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハーマイドC―10、ハリマ化成製)0.1質量部、硫酸バンド(商品名:硫酸アルミ、日鉄鉱業製)0.1質量部を添加して紙料を調製後、長網多層抄紙機で2層抄きで抄紙し、3段のウエットプレスを行い、多筒式ドライヤーで乾燥した。その際乾燥部中間において、サイズプレス装置で酸化澱粉水溶液(商品名:MS#3800、日本食品化工製)を固形分で1.0g/m2となるように含浸し、乾燥後、マシンカレンダ仕上げをし、坪量155g/m2、厚さ185μm、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度35秒の基紙を得た。
[印刷部の形成]
上記の基紙の裏面側に、以下の方法により印刷部を設けた。東洋インキ製の水系インク:LoxメジウムのLox94墨(商品名)とLox23黄(商品名)とを混合、希釈し、フレキソ印刷機を用いて、DIC日本の伝統色(第4版)946灰白相当のグレイの印刷部を設けた。
この印刷部は図2に示すようにロゴマーク「ロゴ商標」を配置印刷した(図2は記録紙全体の一部分を示す)。
この際の基紙全体の大きさはA4版であり、ロゴマーク部分の大きさは5×20mmであり、ロゴマーク部分の記録紙全体へ対する面積比は4%であった。また、A4版中に存在するほぼ完全なロゴマークの個数は、23個となった。本実施例の基紙のMDは、この紙をA4版とした際の長辺と一致する縦目断裁とし、上記ロゴマークの文字の進む方向と、基紙の短辺とが成す角度aは20°とした。また、縦方向及び横方向各ロゴマーク間の距離x及びy1は70mmとして、その長辺方向の繰り返しの進む方向と、A4版の基紙の長辺とのなす角度bとして4°の傾斜を持たせており、更に長辺方向と平行な偶数列と奇数列とにおいては、ロゴマークの出現が互い違いとなるようにy2は35mmずらしで設定した。
印刷部の厚さは3μmであった。
印字濃度ODは0.04であった。(アムテック(株)、X−Rite310TR)
[下塗り層の形成]
次に、裏面側に印刷部が設けられた基紙の両面に、以下のようにして下塗り層を形成した。
先ず、下塗り層の形成に使用する塗工液として、カオリン(商品名:アルファコート、ECC製)/酸化チタン(商品名:TCA―123P、トーケムプロダクト製)/水酸化アルミニウム/酸化亜鉛の質量比40/15/40/5からなる填量100質量部と、市販のポリアクリル酸系分散剤0.1質量部とからなるスラリーに、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:ポリラック、三井化学製)/カゼイン(SCERMA製)の質量比15/5からなるバインダ20質量部を添加して、固形分50質量%になるように調整して組成物を得た。
次に、この組成物を、乾燥塗工量が15g/m2になるように、ブレードコーターで、基紙の両面に塗工し、乾燥した。その後、マシンカレンダ仕上げをし(ロール温度:80℃、線圧:150kgf/cm)、坪量185g/m2、厚さ180μm、透気度2900秒、ベック平滑度235秒の下塗り層付き支持体を得た。下塗り層付き支持体の白色度は、L*:95.1、a*:−0.3、b*:−1.8であった(JIS Z 8729の色相として求めた)。
既印刷層形成側からロゴマークは充分視認可能であった。
[下塗り層への表面処理]
上記で得た下塗り層付き支持体の印刷部を形成していない面に対して、表面処理塗工液による表面処理を行った。表面処理塗工液としては、30℃に加温した5質量%のホウ砂水溶液を用い、該塗工液をエアーナイフコーターでウェットの塗工量14g/m2(乾燥させた場合の塗工量は0.7g/m2である)になるよう、毎分30mで塗工した。この塗工量は、目視で観察したところ、下塗り層上に表面処理工程で付与した表面処理塗工液が溢れずに、丁度含浸された状態であった。
[インク受容層の形成]
次に、表面処理塗工液が下塗り層に含浸されてすぐに、表面処理塗工液を塗工した表面上にインク受容層を形成した。その際の、インク受容層の形成に用いた塗工液及び塗工方法等は、以下の通りである。
アルミナ水和物としてDisperal HP13(商品名、サソール社製)を純水に固形分が5質量%になるように分散させ、次いで、これに塩酸を加え、pHを4に調整してしばらく攪拌した。その後、この分散液を攪拌しながら95℃まで昇温し、その温度で4時間保持した。そして、この温度を保持したまま苛性ソーダによりpHを10に調整し、10時間攪拌を行い、その後、分散液の温度を室温に戻し、塩酸によりpHを7〜8に調整した。更に脱塩処理を行い、続いて酢酸を添加して解膠処理して、コロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを乾燥して得られたアルミナ水和物をX線回折により測定したところ、ベーマイト構造を示すもの(擬ベーマイト)であった。又、この時のBET比表面積は143g/m2、細孔容積は0.8cm3/gであった。電子顕微鏡での観察では、平板状であり、平均アスペクト比は7.5、縦横比は0.7であった。
一方、ポリビニルアルコールPVA117(商品名、クラレ(株)製)を純水に溶解して、固形分9質量%の水溶液を得た。そして、上記で調製したアルミナ水和物のコロイダルゾルを濃縮して22.5質量%の分散液を作製し、そこに3質量%ホウ酸水溶液を、アルミナ水和物の固形分に対してホウ酸固形分換算で0.50質量%になるように添加した。その後、得られたホウ酸含有アルミナ水和物分散液と、先に調製したポリビニルアルコール水溶液を、スタティックミキサーでアルミナ水和物固形分と、ポリビニルアルコール固形分の比が100:8になるように混合し、その直後に、これをインク受容層用の塗工液とし、これをダイコーターで乾燥塗工量が35g/m2になるように毎分30mで塗工した。そして、170℃で乾燥してインク受容層を形成した。
[裏面層の形成]
次に、印刷部が形成されている基紙裏面に、以下のようにして裏面層を形成した。アルミナ水和物としてDisperal HP13/2(商品名、サソール社製)を純水に固形分が18質量%になるように分散させ、その後、遠心分離処理を施した。この分散液と、インク受容層の形成に用いたと同様のポリビニルアルコール水溶液とをスタティックミキサーで、アルミナ水和物固形分とポリビニルアルコール固形分の比が100:9になるように混合後、すぐにダイコーターで乾燥塗工量が25g/m2になるように毎分35mで塗工した。そして、170℃で乾燥し、裏面層を形成した。
裏面層を形成した後も、裏面層側からロゴマークは充分視認可能であった。
[光沢面の形成・仕上げ]
最後に、基紙の上に形成したインク受容層表面に対して、以下のようにして光沢面をリウェットキャスト法で形成した。先ず、離型剤としてステアリン酸カルシウム(商品名:C−104、サンノプコ製)、ポリエチレンワックス(サンノプコ製)およびノニオン系分散剤をそれぞれ微量含む水からなる再湿液を、原反に均一に付与してインク受容層を湿潤させ、この湿潤状態のまま、100℃に加熱した鏡面を有するキャストドラムに圧着させて毎分30mで乾燥を行い、本実施例のキャストコート紙を得た。外表巻きのロール形状で4日間エージング処理後、デカール・断裁仕上げを行った。評価用にはシーターカッター、次いでギロチンで、紙の長辺方向が支持体抄造及び塗工の流れ方向(MD)となるようにA4の縦目断裁されたキャスト加工インクジェット記録紙(キャストコート紙)を得た。絶乾水分量は6.5%であった。
上記のようにして用意されたキャストコート紙の光沢面における印刷部に対向する箇所の、印刷部に対向しない箇所に対するへこみ量を膜厚計(マール社製ミリトロン)および非接触式3次元測定装置(三鷹光機製NH3SP)を用いて確認した。10箇所の印刷部に対向する箇所のへこみ量は平均3.0μm(max5.0μm−min2.0μm)であった。
上記のようにして用意されたキャストコート紙の光沢面を10人に提示し、ロゴマークに対向するキャスト表面のへこみの視認性を確認してもらったところ、10人中2人がごく僅かにロゴマークに起因するキャスト表面のへこみを視認し、その他の8人はキャスト表面のへこみに気付かず、視認不可能であった。
また、このキャスト紙をフルカラーインクジェットプリンタに装填して印刷を行ったところ、鮮明で高色濃度のフルカラー画像が形成できるばかりでなく、光沢面における色抜けなども発生せず、高品位の銀塩写真様の画像が得られた。また、印刷後の画像面側からのロゴマークに対向するキャスト表面のへこみの視認性は10人中9人がキャスト表面のへこみに気付かず、視認不可能であった。
(実施例2)
印刷部とするロゴマークをランダムに配置印刷すること以外は実施例1と同様に実施し、キャストコート紙を作製した。この際のキャストコート紙の大きさはA4版であり、ロゴマーク部分の大きさは5×20mmであり、ロゴマーク部分のキャストコート紙全体へ対する面積比は4%であった。また、A4版中に存在するほぼ完全なロゴマークの個数は、23個となった。10箇所の印刷部に対向する箇所のへこみ量は平均3.5μm(max5.0μm−min2.5μm)であった。
上記のようにして用意されたキャストコート紙の光沢面を10人に提示し、ロゴマークに対向するキャスト表面のごく僅かなへこみの視認性を確認してもらったところ、10人ともキャスト表面のへこみに気付かず、視認不可能であった。
(実施例3)
印刷部をグラビア印刷により厚さ12μmとなるように形成した以外は実施例1と同様に実施し、キャストコート紙を作製した。10箇所の印刷部に対向する箇所のへこみ量は平均5μm(max6.0μm−min4.0μm)であった。
印刷後の印字濃度ODは0.06であった。
上記のようにして用意されたキャストコート紙の光沢面を10人に提示し、ロゴマークに対向するキャスト表面のへこみの視認性を確認してもらったところ、10人中3人がごく僅かにロゴマークに起因するキャスト表面のごく僅かなへこみを視認し、その他の7人はキャスト表面のへこみに気付かず、視認不可能であった。
(比較例1)
印刷部をグラビア印刷により厚さ17μmとなるように形成した以外は実施例1と同様に実施し、キャストコート紙を作製した。10箇所の印刷部に対向する箇所のへこみ量は平均8μm(max9.5μm−min6.0μm)であった。
印刷後の印字濃度ODは0.10であった。
上記のようにして用意されたキャストコート紙の光沢面を10人に提示し、ロゴマークに対向するキャスト表面のへこみの視認性を確認してもらったところ、10人中9人がロゴマークに起因するキャスト表面のへこみを視認し、その他の1人はキャスト表面のへこみに気付かず、視認不可能であった。
(実施例4)
印刷部とするロゴマークを直径18mmのグレーの水玉模様に変える以外は実施例1と同様に実施し、キャストコート紙を作製した。ロゴマーク部分の基紙全体へ対する面積比は10%であった。また、A4版中に存在するほぼ完全な水玉の個数は、23個となった。10箇所の印刷部に対向する箇所のへこみ量は平均2.5μm(max4.0μm−min1.0μm)であった。
上記のようにして用意されたキャストコート紙の光沢面を10人に提示し、ロゴマークに対向するキャスト表面のへこみの視認性を確認してもらったところ、10人中2人がごく僅かにロゴマークに起因するキャスト表面のへこみを視認し、その他の8人はキャスト表面のへこみに気付かず、視認不可能であった。
(実施例5)
印刷部とするロゴマークを直径22mmのグレーの水玉模様に変える以外は実施例3と同様に実施し、キャストコート紙を作製した。ロゴマーク部分のキャストコート紙全体へ対する面積比は14%であった。また、A4版中に存在するほぼ完全な水玉の個数は、23個となった。10箇所の印刷部に対向する箇所のへこみ量は平均2.5μm(max4.0μm−min1.0μm)であった。
上記のようにして用意されたキャストコート紙の光沢面を10人に提示し、ロゴマークのキャスト表面のへこみの視認性を確認してもらったところ、10人中8人がごく僅かにロゴマークに起因するキャスト表面のへこみを視認し、その他の2人はキャスト表面のへこみに気付かず、視認不可能であった。
(実施例6)
印刷部とするロゴマークを直径18mmのグレーの水玉模様とし、その配置をランダムにする以外は実施例3と同様に実施し、キャストコート紙を作製した。ロゴマーク部分のキャストコート紙全体へ対する面積比は10%であった。また、A4版中に存在するほぼ完全な水玉の個数は、23個となった。10箇所の印刷部に対向する箇所のへこみ量は平均2.5μm(max4.0μm−min1.0μm)であった。
上記のようにして用意されたキャストコート紙の光沢面を10人に提示し、ロゴマークのキャスト表面のへこみの視認性を確認してもらったところ、10人中9人がごく僅かにロゴマークに起因するキャスト表面のへこみを視認し、その他の1人はキャスト表面のへこみに気付かず、視認不可能であった。
キャストコート紙の表面である光沢面に出現している凹部の状態を模式的に示す図であり、Aは斜視図、Bは断面図である。 本発明のキャストコート紙におけるロゴマークの配置の一実施例を示す図である。
符号の説明
1 光沢面
2 凹部
3 光沢面
4 基紙
5 印刷部
6 裏面層
7 凹部

Claims (8)

  1. 基紙上にインク受容層を有し、該インク受容層側の表面がキャスト処理されたキャストコート紙において、前記キャスト処理された面と反対側の面に印刷部が形成されており、前記キャスト処理された表面の該印刷部に対向する箇所が凹部を有し、前記凹部は前記キャスト処理された表面の該印刷部に対向しない箇所より5μmを超えてへこんでいないことを特徴とするキャストコート紙。
  2. 前記印刷部の厚さが1〜15μmである請求項1記載のキャストコート紙。
  3. 前記印刷部が記録紙全面に対して10%未満の面積で形成されている請求項1または2に記載のキャストコート紙。
  4. 前記印刷部が不規則的に複数個配置された絵柄模様または文字からなる請求項1〜3のいずれかに記載のキャストコート紙。
  5. 前記印刷部が規則的に複数個配置された絵柄模様または文字からなる請求項1〜3のいずれかに記載のキャストコート紙。
  6. 前記絵柄模様または文字が、進む方向に有意性を有しており、該進む方向と、前記基紙の辺方向との成す角度のうちの小さい方の角度が2〜30°である請求項4または5記載のキャストコート紙。
  7. 前記キャスト処理された表面の、前記印刷部に対向する箇所における前記印刷部に対向しない箇所に対するへこみ量が、前記印刷部を形成する絵柄模様または文字の一つを囲い込むことが可能な最小の長方形の短辺の長さの1/1000以下である請求項4〜6のいずれかに記載のキャストコート紙。
  8. 前記印刷部が水系インクで形成された請求項1〜7のいずれかに記載のキャストコート紙。
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