JP2004314609A - インクジェット記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 染料インク、顔料インクのいずれを用いてもインクジェット記録品質が良好で、銀塩写真並の光沢感を有するインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】 支持体表面に、顔料と結着剤とを含有するインク受容層を設け、顔料はγ型アルミナとコロイダルシリカとを含有し、コロイダルシリカの一次粒子径が10〜50nmで、かつ一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜2.5であり、好ましくは顔料の合計量に対し、コロイダルシリカが5〜50質量%含まれている。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録に好適に用いられるインクジェット記録媒体およびその製造方法に関し、特に染料インクと顔料インクのいずれを用いたインクジェット記録にも適するインクジェット記録媒体およびその製造方法に関する。
一般にインクジェット記録方式は、種々の機構によりインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させることにより、ドットを形成し記録を行うものであるが、ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、またフルカラー化が容易である上、高速印字が可能であるなどの利点がある。
そして、従来から、インクジェット記録方式には水性染料インクが主に使用されている。この水性染料インクは色剤として低分子化合物の染料を使用するため、発色性は良好であるものの、水等の付着で簡単ににじんだり、色剤の構造上、光やガスに長時間さらされると退色、変色し、記録画像の保存性や画像の堅牢度に問題がある。
そこで、染料インクの問題を改善して耐水性、耐光性を向上させるため、色剤として顔料を用いたインクが実用化されている(例えば特許文献1〜3参照)。しかし、顔料インクは、染料インクに比べて印字濃度が低いことや、ベタ印字部の均一性に劣る等の問題がある。また、発色を高めるため顔料インクを多く吐出させると、色剤が記録媒体表面に堆積して耐摩擦性が低下し、印字物汚れが生じたり、色剤の堆積によってインク中溶媒の吸収を阻害することもある。
このように、近年、インクジェット記録用のインクとして染料、顔料がともに使用されており、これに対応するために染料インクと顔料インクに共に適合した記録媒体が要求されている。そこで、インク受理層中に無機微粒子と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とからなる接着剤とを含み、染料インクと顔料インクの記録適性を共に付与した技術が開示されている(例えば特許文献4参照)。
一方で、最近では高解像度のデジタルビデオ(カメラ)、スキャナーおよびパーソナルコンピューターの普及により画像データも高精細化しているが、インクジェットプリンターの高性能化により、これらの画像データを銀塩写真並の品質で出力(ハードコピー)する機会が多くなっている。これに伴い、インクジェット記録媒体には、銀塩写真並の光沢感の他、インク乾燥速度が速いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないこと、インクの吸収により用紙が波打ちしないこと等の特性が要求される。
これらの特性を満たすため、キャストコート法により記録媒体を製造する技術が提案されている(例えば特許文献5参照)。キャストコート法は、合成シリカを主成分とする顔料と結着剤とからなるインク受容層を塗工し、この塗工層が未乾燥の湿潤状態にあるうちに、加熱された鏡面仕上げ面に該層を圧着して鏡面を写し取ると同時に乾燥させ、高光沢のキャストコート紙を得るものである。
また、キャストコート法を用いず、インク受理層上にパールネックレス状のコロイダルシリカを含有する光沢層を設ける技術が提案されている(特許文献6参照)。
特開平11−20306号公報 特開2000−79752号公報 特開2003−145916号公報 特開2001‐270238号公報 特開平2−274587号公報 特開2000−108505号公報
しかしながら、上記特許文献4記載の技術の場合、印字濃度等の印字記録特性とインク吸収性とをともに満足することができず、又、高光沢の記録媒体を得ることは難しい。上記特許文献5記載の技術の場合、インク受容層の光沢は未だ充分でなく、銀塩写真並の光沢感を得るには至っていない。さらに、特許文献6記載の技術の場合、染料インクには適するが、顔料インクを用いて印字すると、印字部を手で触れた際に画像が欠落したり白紙部を汚染するなどの欠点があった。
従って、本発明の目的は、染料インク、顔料インクのいずれを用いてもインクジェット記録品質が良好であるととともに、銀塩写真並の光沢感を有するインクジェット記録媒体を提供することにある。
本発明者等は、インク受容層中に顔料としてγ型アルミナと特定のコロイダルシリカを含有すると、染料インクと顔料インクのいずれを用いてもインクジェット記録品質が良好で、高光沢なインクジェット記録媒体を得られることを見いだした。
また、本発明者らは、前記インクジェット記録媒体を、いわゆるキャストコート法で製造すると、上記特性を有する記録媒体を高い生産性で得られることを見いだした。
従って、本発明のインクジェット記録媒体は、支持体表面に、顔料と結着剤とを含有するインク受容層を設け、前記顔料はγ型アルミナとコロイダルシリカとを含有し、前記コロイダルシリカの一次粒子径が10〜50nmで、かつ前記一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜2.5であることを特徴とする。前記顔料の合計量に対し、前記コロイダルシリカが5〜50質量%含まれていることが好ましい。
本発明のインクジェット記録媒体の製造方法は、支持体表面に、結着剤と顔料とを含有する塗工液を塗工して塗工層を設け、前記塗工層表面に前記結着剤を凝固する作用を持つ処理液を塗布し、前記処理液を塗布した塗工層が湿潤状態にある間に、加熱した鏡面に該塗工層を圧着して乾燥し、インク受容層を設け、前記顔料は、γ型アルミナと、一次粒子径10〜50nmでかつ前記一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜2.5であるコロイダルシリカとを含有することを特徴とする。
本発明によれば、染料タイプのインクと顔料タイプのインクのいずれを用いても高画質の記録画像を得ることができるとともに、銀塩写真並の光沢感が得られる。また、生産性にも優れる。
(支持体)
本発明で使用される支持体としては、好ましくは透気性を有していればあらゆるものを使用することができるが、例えば、塗工紙、未塗工紙等の紙が用いられる。前記紙の原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。また、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。また、不透明度を向上させるため、前記紙中に填料を含有させることが好ましいが、この填料は、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料のなかから適宜選択して使用することができる。操業性の点から、前記紙の透気度は1000秒以下であることが好ましく、又、塗工性の点から紙のステキヒトサイズ度は5秒以上であることが好ましい。
(インク受容層の顔料)
インク受容層の顔料としては、γ型結晶形のアルミナ(γ型アルミナ)とコロイダルシリカを含有したものを用いる。
γ型アルミナは、公知の方法で製造された擬ベーマイトまたはベーマイトを400℃〜900℃の温度で加熱、焼成することによって得られる。このようにして製造されたγ型結晶形アルミナは、粉砕、分級により所望の粒子径、粒度分布範囲に調整される。なお、後述するキャストコートを行う場合、加熱した鏡面ドラム表面の鏡面をインク受容層に写し取る必要があるため、γ型アルミナの平均粒子径を1.0〜3.5μmとするのが好ましい。
コロイダルシリカは、その分散状態を顕微鏡で観察した場合に、球状の一次粒子が複数結合した形状を有し、これを便宜的に「ピーナッツ状」と称する。一次粒子が結合していない単一の球状コロイダルシリカを用いた場合はインク吸収性が劣るが、ピーナッツ状のコロイダルシリカは光沢感とインク発色性(画像の鮮明性)、インク吸収性をともに満足させることができる。
上記ピーナッツ状のコロイダルシリカは、アルコキシシランを原料としてゾルゲル法により合成し、合成条件によって一次粒子径(BET法粒子径)や二次粒子径(動的光散乱法粒子径)をコントロールすることが好ましい。この様なコロイダルシリカとしては、扶桑化学工業社製のクォートロンを挙げることができる。なお、本発明のコロイダルシリカは、一次粒子が凝集した凝集体を機械的手段により細分化したコロイド粒子を含まない。
上記ピーナッツ状のコロイダルシリカにおいては、コロイダルシリカの一次粒子径に対する二次粒子径の比(二次粒子径/一次粒子径)を1.5〜2.5とする。(二次粒子径/一次粒子径)が上記範囲内にあるコロイダルシリカを用いたとき、染料インクを用いた場合においても、顔料インクを用いた場合においても高い画質を得ることが可能となる。
さらにピーナッツ状のコロイダルシリカの一次粒子径は10〜50nmであり、特に好ましい一次粒子径は13〜40nmである。一次粒子径が10nmより小さい場合には透明性は高いが、粒子間の空隙が損なわれインクの吸収性が低下する。一方、50nmより大きい場合には粒子間の空隙は良好となるが、不透明性が増大してくるため、インクジェット記録した際の発色性が低下する。特にインク中に粒子径が50〜150nmの着色粒子を含有する顔料インクを用いたインクジェットプリンターで印字した場合にはインク発色性の低下が大きくなる。
なお、上記ピーナッツ状のコロイダルシリカにおいて、一次粒子の連結個数の平均値の例としては、1.8〜2.5個が挙げられる。この値は、上記比と同じ値となる。
また本発明においてはインク受容層の全顔料に対し、上記ピーナッツ状のコロイダルシリカを好ましくは5〜50質量%含有し、より好ましくは10〜40質量%含有する。上記含有量が顔料全体の5質量%未満の場合、インクジェットプリンターで印字した際のインク吸収性や発色性向上の効果が不充分となる傾向にある。また前記含有量が顔料全体の50質量%を越える場合、インクジェットプリンターで印字した際のインク吸収性は良好であるが、発色性の向上効果は少なくなるとともに、塗工時の操業性が低下する傾向がある。
γ型アルミナとピーナッツ状コロイダルシリカの配合割合として、(γ型アルミナ)/(コロイダルシリカ)の値が95/5〜50/50の範囲が好ましく、より好ましくは90/10〜60/40の範囲である。
さらに、インク吸収性、発色性および光沢感を損なわない範囲で、他の顔料、例えば水酸化アルミニウム、アルミナゾル、擬ベーマイト等のアルミナ(α型結晶のアルミナ、θ型結晶のアルミナ)や、合成シリカ、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛等を上記併用してもよい。
(インク受容層の結着剤)
結着剤としては、皮膜形成が可能な高分子化合物を1種類以上用いることができる。たとえば、結着剤として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸化澱粉やエステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク等の水溶性樹脂や、ウレタン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂及びこれらの誘導体等を単独使用又は併用することができる。
結着剤の配合量は、インク受容層の全顔料100質量部に対して3〜30質量部であることが好ましいが、必要な塗工層強度が得られる限り、特に限定されるものではない。なお、結着剤として用いる高分子化合物は水系であることが好ましい。「水系」とは、水又は水と少量の有機溶剤から成る媒体中で樹脂が溶解又は分散し、安定化することを意味する。これらの結着剤は塗工液中では溶解又は粒子となって分散しているが、塗工し乾燥した後に顔料の結着剤となり、インク受容層を形成する。なお、媒体に有機溶剤を用いる場合は、水に対し50重量%未満、好ましくは10重量%未満の混合割合とし、かつ樹脂液の引火点が高いことが必要である。
結着剤はポリビニルアルコールを含有することが好ましい。結着剤としてポリビニルアルコールを用いた場合は、インク吸収性、発色性が特に向上し、また、後述するキャストコート法によりインク受容層を設けた場合、高い光沢感を有するインクジェット記録媒体を得ることができる。ポリビニルアルコールは、インク受容層の全結着剤に対し50〜100質量%含まれることが好ましい。
インク受容層は、上記した顔料と結着剤を含むが、その他の成分、例えば、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、顔料分散剤、離型剤、発泡剤、pH調整剤、表面サイズ剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、防腐剤、耐水化剤、染料定着剤、界面活性剤、湿潤紙力増強剤、保水剤、カチオン性高分子電解質等を、本発明の効果を損なわない範囲内で適宜添加することができる。
(インク受容層の形成)
支持体上にインク受容層となる塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、ゲートロールコーター、ショートドウェルコーター等の公知の塗工機をオンマシン、あるいはオフマシンで用いた塗工方法の中から適宜選択して使用することができる。
インク受容層の塗工量は、支持体の表面を覆い、かつ充分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/mであることが好ましく、特に、生産性をも加味すると10〜25g/mであることが好ましい。30g/mを超えると、キャストドラム鏡面仕上げ面からの剥離性が低下し塗工層が鏡面仕上げ面に付着するなどの問題を生じる。
本発明において、インク受容層の塗工量を多く必要とする場合には、インク受容層を多層にすることも可能である。また、支持体とインク受容層の間にインク吸収性、接着性他各種機能を有するアンダーコート層を設けてもよい。さらに、インク受容層を設けた面の反対側にさらにインク吸収性、筆記性、プリンター印字適性他各種機能を有するバックコート層を設けてもよい。
(キャストコート法によるインク受容層の形成)
本発明においては、最表面のインク受容層をキャストコート法で形成することによって高い光沢を付与することが好ましい。ここで、キャストコート法とは、塗工後の湿潤状態にある塗工面を、加熱した仕上げ面に圧着して乾燥する方法である。キャストコート法としては、(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦乾燥あるいは半乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類が一般に知られている。
鏡面(ドラム)の加熱方法としては、蒸気、電熱線、誘導発熱コイルなどで所定の温度まで加熱することができる。なお、支持体上にインク受容層等を塗布するための塗工装置と鏡面ドラムを有する塗工設備を、通常、キャストコーターと称する。
特に、本発明においては、上記(2)、(3)の方法を用いるのが好ましい。この場合、インク受容層となる塗工液を支持体に塗布した後、塗工液中の結着剤(特に水系結着剤)を凝固させる作用を有する処理液を塗工層に塗布し、塗工層を湿潤状態にさせる。そして、湿潤状態の塗工層を、加熱した鏡面仕上げ面に圧着し乾燥することにより、インク受容層を形成し、その表面に光沢を付与する。処理液を塗布する際の塗工層は、湿潤状態であっても乾燥状態であってもよく、前者は(3)の方法に相当し、後者は(2)の方法に相当する。特に、(3)の方法は、インク受容層表面に鏡面仕上げ面を写し取りやすく、塗工層表面の微小な凹凸を少なくすることができるので、得られたインク受容層に銀塩写真並の光沢感を付与させ易くなる。処理液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
ゲル化キャスト法((3)の方法)を用いる場合、水系結着剤としてポリビニルアルコールを用いる際には、凝固処理液としてホウ酸とホウ酸塩とを含有する液を用いることが好ましい。ホウ酸とホウ酸塩とを混合して用いることにより、凝固時の固さを適度なものとすることが容易となり、インク受容層に良好な光沢感を付与できる。
また、水系接着剤としてカゼインを用いる場合は、処理液としては、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸等のカルシウム、亜鉛、マグネシウム等の各種の塩を含有する水溶液が用いられる。
又、上記インク受容層用の塗工液及び/又は凝固液には、必要に応じて剥離剤を添加することができる。剥離剤の融点は90〜150℃であることが好ましく、特に95〜120℃であることが好ましい。上記の温度範囲においては、剥離剤の融点が鏡面仕上げ面の温度とほぼ同等になるため、剥離剤としての能力が最大限に発揮される。剥離剤は上記特性を有していれば特に限定されるものではないが、ポリエチレン系のワックスエマルジョンを用いることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
(支持体の製造)
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−に、タルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、歩留向上剤0.02質量部を添加した。このスラリーを用いて抄紙機で支持体を抄紙した。また、抄紙の際に支持体の両面に、片面当たり固形分で1.5g/mとなるようにデンプンを塗布し、坪量170g/mの原紙を得た。
(アンダー層の形成)
この原紙の片面に、ブレードコーターを用いて塗工量が8g/mとなるよう下記塗工液Aを塗工し、140℃で送風乾燥した。
塗工液A:顔料として、合成シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製)100部、ラテックス(LX438C:住友化学工業株式会社製の商品名)5部、ポリビニールアルコール(PVA117:株式会社クラレ社製の商品名)24部、サイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業株式会社製の商品名)5部を配合し、濃度20%の水性塗工液を調製した。
(インク受容層の形成)
次に、塗工液Aの塗工面に、ロールコーターを用いて塗工量が23g/mとなるよう下記塗工液Bを塗工し、塗工層が湿潤状態にあるうちに下記凝固液Cを用いて凝固させ、続いてプレスロールを介して、加熱された鏡面仕上げ面に塗工層を圧着して鏡面を写し取り、坪量200g/mのインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液B:顔料として、粒子径2.4μmのγ−アルミナ(AKP−G015:住友化学工業株式会社製の商品名)70部、平均一次粒子径14nmのコロイダルシリカ(PL1:扶桑化学工業社製の商品名)30部、バインダーとして重合度2400のポリビニールアルコールA(クラレ224:クラレ株式会社製の商品名)及び重合度2600のポリビニールアルコールB(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を合計10部(配合質量比は1:1)、カチオン性ポリウレタン(F8570 D2:第一工業製薬株式会社製の商品名)5部、インク定着剤(サフトマーST3300:三菱化学工業社製)3部、消泡剤0.2部を配合し、濃度28%の塗工液を調整した。
凝固液C:ホウ砂とホウ酸の合計濃度を4%としたものと、離型剤(FL−48C:東邦化学工業社製)0.2%とを配合して凝固液を調整した。ホウ砂とホウ酸の配合質量比は1とし、上記合計濃度は、ホウ砂をNaで換算し、ホウ酸をHBOで換算したものについての値とした。
なお、塗工液Bの分散状態のコロイダルシリカの粒径を、以下の方法で測定した。一次粒子径は、窒素吸着法により比表面積を求め、下記の式(1)から計算により求めた。
比表面積=4πr/((4πr3/3)*2.2) (1)
(式中、値2.2はシリカの真比重で、rは一次粒子径(nm))
二次粒子径はMALVERN INSTRUMENTS社製のZETASIZER 3000HSAを用いて測定した。
塗工液Bにおいて、上記コロイダルシリカに代え、平均一次粒子径23nmのコロイダルシリカ(PL2:扶桑化学工業社製の商品名)を配合したこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液Bにおいて、上記コロイダルシリカに代え、平均一次粒子径35nmのコロイダルシリカ(PL3:扶桑化学工業社製の商品名)を配合したこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液Bにおいて、γ−アルミナの配合量を95部、コロイダルシリカの配合量を5部としたこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液Bにおいて、γ−アルミナの配合量を85部、コロイダルシリカの配合量を15部としたこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液Bにおいて、γ−アルミナの配合量を50部、コロイダルシリカの配合量を50部としたこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液Aを塗工せず、又、塗工液Bの塗工量を30g/mとしたこと以外は実施例2と同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液Bにおいて、γ−アルミナの配合量を97部、コロイダルシリカの配合量を3部としたこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液Bにおいて、γ−アルミナの配合量を40部、コロイダルシリカの配合量を60部としたこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例1>
塗工液Bにおいて、γ−アルミナの配合量を100部とし、コロイダルシリカを配合しなかったこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例2>
塗工液Bにおいて、上記コロイダルシリカに代え、平均一次粒子径52nmのコロイダルシリカ(PL5:扶桑化学工業社製の商品名)を配合したこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例3>
塗工液Bにおいて、上記コロイダルシリカに代え、平均一次粒子径70nmのコロイダルシリカ(PL7:扶桑化学工業社製の商品名)を配合したこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例4>
塗工液Bにおいて、γ−アルミナを配合せず、コロイダルシリカの配合量を100部としたこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例5>
塗工液Bにおいて、上記コロイダルシリカに代え、平均一次粒子径12.5nm、長さ170nmの鎖状のコロイダルシリカ(ST−OUP:日産化学工業社製の商品名)を配合したこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例6>
塗工液Bにおいて、上記コロイダルシリカに代え、平均一次粒子径15nmの球状のコロイダルシリカ(スノーテックスAK:日産化学工業社製の商品名、凝集していないシリカ)を配合したこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
各実施例及び比較例で得られたインクジェット記録用キャストコート紙について、キャスト塗工時の操業性、光沢感、インクジェット記録品質を以下の方法で評価した。
(1)光沢感
キャストコート紙表面(インク受容層面)の光沢感を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:透明感の高い光沢感のもの
△:曇ったような光沢感のもの
×:光沢感が低いまたは塗工ムラがあるもの
(2)インクジェット記録品質
染料インク及び顔料インクを用いた場合についてそれぞれ評価した。染料インクを用いた場合、インクジェットプリンター(PM―950C:エプソン株式会社製の商品名)により、所定のパターンを記録し、下記の基準によって評価した。顔料インクの場合、インクジェットプリンター(PM−4000PX:エプソン株式会社製の商品名)を用いて同様に評価した。
3−1.インク吸収性(ブリーディング)
赤と緑の混色べた印字の境界部の滲みを目視で評価した。
○:色の境界部が明瞭に分かれているもの
△:色の境界部で、若干滲みがあるもの
×:色の境界部で、滲みが大きいもの
3−2.鮮やかさ
所定の記録画像の鮮やかさを目視で評価した。
○:鮮やか
△:若干鮮やかさが劣る
×:鮮やかに見えない
(3)キャスト塗工時の操業性
塗工液Bを塗工しインク受容層を形成する際の、キャストドラム表面の汚れを目視観察し、以下の基準で評価した。
○:キャストドラム表面の汚れが無いもの
△:キャストドラム表面がわずかに曇る
×:キャストドラム表面に塗工層の一部が付着している
得られた結果を表1に示す。
(4)コロイダルシリカの粒径測定
・一次粒子径
窒素吸着法により比表面積を求め、下記の式(1)から計算により求めた。
比表面積=4πr2/((4πr3/3)*2.2) (1)
2.2:シリカの真比重 (単位:g/cm
r : 一次粒子径(nm)
二次粒子径はMALVERN INSTRUMENTS社製のZETASIZER 3000HSAを用いて測定した。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2004314609
表1から明らかなように、各実施例の場合、染料インク、顔料インクのいずれを用いてもインクジェット記録品質が良好であるととともに、銀塩写真並の光沢感が得られた。又、キャスト塗工時の操業性にも優れていた。なお、コロイダルシリカの配合量が5質量%未満である実施例9の場合、鮮やかさが若干低下し、コロイダルシリカの配合量が50質量%を超えた実施例10の場合、光沢感、キャスト塗工時の操業性が若干低下したが、実用上問題はなかった。このことより、顔料の合計量に対し、コロイダルシリカを5〜50質量%含むことが好ましいことがわかる。
一方、コロイダルシリカを配合しなかった比較例1の場合と、コロイダルシリカの一次粒子径が50nmを越えた比較例2、3の場合、インクジェットで記録した際の鮮やかさが低下した。γ型アルミナを配合しなかった比較例4の場合、インク吸収性が低下した。また、一次粒子径に対する二次粒子径の割合が2.5を越える鎖状コロイダルシリカを用いた比較例5の場合、鮮やかさが劣り、上記割合が1.5未満の球状コロイダルシリカ(凝集せず二次粒子が存在しないため、便宜的に一次粒子径=二次粒子径とした)を用いた比較例6の場合、インク吸収性、鮮やかさがいずれも低下した。

Claims (3)

  1. 支持体表面に、顔料と結着剤とを含有するインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、前記顔料はγ型アルミナとコロイダルシリカとを含有し、前記コロイダルシリカの一次粒子径が10〜50nmで、かつ前記一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜2.5であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記顔料の合計量に対し、前記コロイダルシリカが5〜50質量%含まれていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 支持体表面に、結着剤と顔料とを含有する塗工液を塗工して塗工層を設け、前記塗工層表面に前記結着剤を凝固する作用を持つ処理液を塗布し、前記処理液を塗布した塗工層が湿潤状態にある間に、加熱した鏡面に該塗工層を圧着して乾燥し、インク受容層を設けるインクジェット記録媒体の製造方法であって、前記顔料は、γ型アルミナと、一次粒子径10〜50nmでかつ前記一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜2.5であるコロイダルシリカとを含有することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
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