JP4598708B2 - 耐水性シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
かかるトラブルを防止する方法の一つとして、シート表面に、より強固にインキ層を形成することが考えられる。例えば、市販の合成紙専用インキは、不飽和結合を多く含む植物油を主体とした溶剤を用い、酸化重合によってインキを固化させることで、シート表面のインキ層を強固なものとする。この合成紙専用インキは、合成紙のみならず複合紙にも用いることができ、これを用いれば、摩擦によっても消えたり汚れたりしない、優れた印刷面を得ることができる。一方、このインキは完全に固化するまでに非常に長い時間がかかり、印刷後、次工程に送るまでの待機時間を長く取らなければならない。この時間が不十分であると、印刷後のシートを積重ねて保存した場合に、シート表面のインキが、その上に積重ねられたシートの裏面に転移するという問題(裏付き)が発生する。また、このようなインキは、空気中の酸素と反応して固化するため、印刷中に固化が始まって印刷インキの粘度が上昇し、印刷機の安定的な操業を妨げることもある。
そこで、耐水性シートのオフセット印刷性改良方法のもう一つとして、シート表面に無機顔料等の塗工層(インキ受理層)を設け、これにインキを吸収させることが考えられる。この方法であれば、一般のコート紙用に従来から汎用されているオフセット印刷用インキを用いて、耐摩擦性に優れた印刷面を得ることができる。しかし、印刷されたインキをかかる塗工層に十分吸収させて、塗工層表面に滞留させないようにするためには、通常酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ等の無機顔料を多く含んだ塗工層を設けなければならないが、複合紙にしても合成紙にしても、熱可塑性樹脂の表面に設けられることになるため、熱可塑性樹脂表面から脱離しやすい上、それ自体の表面強度も弱くなる。また、光沢性を求められる用途の場合、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ等の無機顔料等の顔料の配合は光沢性の低下につながり、好ましくない。一方、特許文献2の耐水シートのようにバインダーを多く含んだ塗工層では、熱可塑性樹脂表面からの脱離や塗工層の表面強度、光沢性等は改善されるが、印刷されたインキの吸収性は必ずしも十分でなく、また耐ブロッキング性に劣る。このため、こうして得られた耐水性シートは、全体としてオフセット印刷性に優れているとは言い難いものとなる。
また、特許文献3には、熱可塑性フィルム上に、変性ポリビニルアルコールとコロイダルシリカを主成分とするインク定着層を設けたオフセット印刷用フィルムが記載されている。特許文献4には、ポリオレフィンフィルム上に、特定のポリビニルアルコールに対してコロイダルシリカを含むシリカ顔料を含有するオフセット印刷可能な樹脂塗工フィルムが記載されている。
(1) シート状基材の一方又は両方の最外層として熱可塑性樹脂層を有する積層シート、または熱可塑性樹脂からなるシートの、少なくとも一方の表面に、無機顔料とバインダーとを主成分とする塗工層を設けた耐水性シートにおいて、前記無機顔料として、一次粒子が球状であって一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜3.0のコロイダルシリカ、または針状コロイダルアルミナを含有することを特徴とするオフセット印刷用耐水性シート。
(2) バインダーがスチレン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体から選ばれる少なくとも一種である(1)に記載のオフセット印刷用耐水性シート。
(3) 紙を基材層として、一方又は両方の表面に少なくとも最外層に熱可塑性樹脂を溶融状態で押出し積層し、次いで、その少なくとも一方の熱可塑性樹脂層の表面に一次粒子が球状であって一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜3.0のコロイダルシリカ、または針状コロイダルアルミナを含む無機顔料とバインダーとを主成分とする塗工層を形成することを特徴とするオフセット印刷用耐水性シートの製造方法。
(1)印刷時のインキ乾燥性、耐ブロッキング性に優れるため、インキの乾燥に長い時間がかからず、裏付き等のトラブルを起こすことなく印刷後の工程を速やかに進めることができるとともに、印刷機を安定的に操業することができる。
(2)光沢性に優れ、美麗性に優れた印刷仕上がりを可能とする。
(3)オフセット印刷時の湿し水に対する挙動が安定であり、印刷作業性が改善される。
[熱可塑性樹脂層]
シート状基材の上に積層される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンポリプロピレンといったポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等を使用することができる。
最外層を形成する熱可塑性樹脂と基材、あるいは熱可塑性樹脂層を2以上設けたとき樹脂層間の密着性が不良な場合には、基材に予め接着層を塗工又は積層することも可能であり、また、最外層あるいは他の層に使用する熱可塑性樹脂と接着性樹脂を共押出しラミネーションすることも可能である。接着性樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、変性ポリオレフィン、アイオノマー等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。変性ポリオレフィンとしては、炭素原子数2〜20のα-オレフィンの単独重合体あるいは共重合体を極性基及びエチレン性二重結合を有するモノマーでグラフト変性した変性物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。アイオノマーは、イオン含有高分子で、特に金属イオンあるいは第4級アンモニウムにより部分的にあるいは完全に中和された高分子であり、特にエチレン系高分子鎖に少量の(メタ)アクリル酸をグラフトし、その(メタ)アクリル酸の一部を、Na+、K+、Zn++、Mg++などで中和したものが好ましく使用できる。中でもZnを有すると光沢性が良好で好ましい。
各熱可塑性樹脂層には、本発明の目的を害さない限り、帯電防止剤、耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ)等の添加剤を添加してもよい。また、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイソウ土、磁性酸化鉄およびこれらの混合物などの無機充填剤が混合されていても良く、必要に応じ、カーボンブラック、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の有機充填剤を小量混合しても良く、さらに、無機充填剤の分散性を向上させる補助手段として脂肪酸塩、粘着付与剤、親水化ポリオレフィンワックス等を適宜加えたり、或いはこれらで無機充填剤の表面処理を行うこともできる。なお、使用される無機充填剤の平均粒径は、特に限定はないが樹脂層への分散性並びに無機充填剤が樹脂層に付与する筆記性および印刷適性の見地から、0.01〜10μmが好ましく、0.1〜5μmが更に好ましい。
紙、不織布、布、金属箔、合成樹脂フィルムもしくはシート、又はこれらの複合素材等を使用することができる。基材にも、一般的に使用される種々の添加剤を添加することができる。例えば、帯電防止剤、耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)などがある。
上記の熱可塑性樹脂を、基材上に押出しラミネーション、共押出しラミネーション、ドライラミネーション、ウェットラミネーション等、公知の方法を用いて積層することにより製造できる。各樹脂層の厚さは最外層が2〜25μmであるのが好ましく、5μm〜20μmが更に好ましい。また熱可塑性樹脂層が2層以上からなる場合には、最外層以外の層はぞれぞれ3〜25μmであるのが好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。また、基材と熱可塑性樹脂層との密着を高めるために、押出しコーティング前の基材表面にフレーム(火炎)処理、コロナ放電処理、および予熱処理を施したり、または積層されるべき樹脂層の基材と接すべき面にオゾン処理等の処理を施したりするのが望ましい。その結果、低温接着性が良好になり、樹脂からの目ヤニ発生頻度が減少し、そして樹脂の劣化や引き裂き強度低下を防止することができる。
本願発明においては、シート状基材上に熱可塑性樹脂層を設けた上記積層シートの代わりに、熱可塑性樹脂からなるシートを用いることもできる。かかるシートとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、塩化ビニルもしくはこれらの混合物等からなる延伸シート、又は、これらの熱可塑性樹脂もしくは混合物に無機充填剤や発泡剤を練り込んで延伸することにより外観を紙様としたシートを用いることができる。また、このようなシート上にさらに熱可塑性樹脂層を設けてもよい。
なお、熱可塑性樹脂シートには、一般的に使用される種々の添加剤を添加することができる。例えば、帯電防止剤、白色顔料(酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ等の無機顔料等)、耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)などがある。
本願発明においては、シート状基材の一方又は両方の最外層として熱可塑性樹脂層を有する積層シートまたは熱可塑性樹脂からなるシートの、少なくとも一方の表面に、インキ受理層として、一次粒子が球状であって一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜3.0のコロイダルシリカ、または針状コロイダルアルミナから選ばれる無機顔料とバインダーを主成分とする塗工層を有する。
<コロイダルシリカ>
本願発明では、一次粒子が球状であって一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜3.0のコロイダルシリカを含有する。一次粒子径としては10〜300nm、より好ましくは30〜70nmである。この塗工層を設けたシートにオフセット印刷を行うことにより、本願発明の効果は発揮される。かかる無機顔料の配合により、塗工層に微細な空隙が生じ、印刷インキの溶剤を吸収しやすくする一方、カオリンやタルク、シリカ等の顔料のように光を乱反射しないため、優れた光沢性を得ることが可能となる。また、かかる無機顔料は酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ等の一般的な顔料に比べバインダーとの結合性が高く、塗工層に配合した場合に熱可塑性樹脂からの脱落や表面強度の低下を起こしにくいため、無機顔料の比率を高くすることができ、優れた耐ブロッキング性を併せて得ることが可能となる。
従って、本願発明の耐水性シートは、印刷時に裏付き等のトラブルを起こすことなく、印刷後の工程を速やかに進めることができ、印刷機も安定的に操業できる。さらに、本願発明では無機顔料の粒径が小さいため、塗工層の表面の平坦性に優れ、一般的な無機顔料を配合した場合に比べ高い光沢性を得ることができる。
また、一般に、シートの一方又は両方の最外層として熱可塑性樹脂層を有する積層シートまたは熱可塑性樹脂からなるシート等の耐水性シートは、オフセット印刷時の湿し水に対する挙動が不安定で、湿し水の水余りがしばしば問題となる。これに対し、かかる無機顔料として球状の一次粒子が結合や凝集により二次粒子を形成している無機顔料を使用することにより、水余りを起こりにくくすることができる。これは、二次粒子を形成していない無機顔料を使用した場合に比べ、粒子が密に配列しにくくなって塗工層の空隙がより多くなり、湿し水が塗工層に吸収されやすくなって、湿し水の吸収容量がより増大するためと考えられる。その結果、ブランケットからのインキの転移も阻害されなくなると考えられる。
針状コロイダルアルミナとは、針状の一次粒子が結合や凝集により二次粒子を形成しているものであり、上記したコロイダルシリカと同様の作用効果を発揮する。1次粒子径は最長径が10〜20nm、二次粒子径は同じく20〜30nm程度である。
本願発明では所望の効果を阻害しない限り、上記の無機顔料の他に、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、シリカ等の従来公知の無機顔料やプラスチックピグメントを含有することができる。
バインダーは、耐水性を有するものが好ましく、熱可塑性樹脂層表面又は熱可塑性樹脂シート表面との接着性、オフセットインキとの接着性、また、塗工層中に含有される無機顔料の保持力等を勘案し、適宜選択して使用することができる。例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン等の重合物もしくは共重合物、又はその変性物等、さらにはこれらとウレタン樹脂やエポキシ樹脂等との混合物を使用することができ、中でもスチレンやブタジエン、(メタ)アクリル系重合物またはこれらの共重合物が好ましい。なお、本願発明ではポリビニルアルコール等の水溶性バインダーは、スチレンやブタジエン、(メタ)アクリル系重合物またはこれらの共重合物に比べて、耐水性が劣る傾向が見られる。但し、所望の効果を阻害しない範囲であれば、上記の耐水性のバインダーと併用すると、耐水性を向上させることができる。
塗工液中の無機顔料の配合量はバインダーに対して10〜500重量%が好ましい。配合量が10重量%未満であると、形成される塗工層に空隙が生じにくく、インキ吸収能付与という効果を発揮できなくなり、500重量%を超えると、塗工層の表面強度や熱可塑性樹脂表面からの脱離が起こりやすくなる。なお、かかる上記無機顔料以外に、所望の効果を阻害しない限り、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、シリカ等の従来公知の無機・有機填料を配合することができ、耐水性シートの不透明性を向上させ滑り性を付与する等の効果があるが、シートの光沢性を重視する場合には、こうした填料は配合しないか、最小限の配合量にとどめることが望ましい。
塗工液の熱可塑性樹脂層表面又は熱可塑性樹脂シート表面への塗工は、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、ダイコーター等を用いて定法により行うことができる。塗工量は、0.5〜10g/m2(乾燥重量、以下同じ。)が好ましい。塗工量が0.5g/m2未満である場合には、上記した無機顔料による効果、即ちインキ吸収能付与という効果を発揮できなくなる。一方、10g/m2を超える場合には、乾燥の負荷が増大する等、経済的に好ましくない。塗工量が0.5〜10g/m2の範囲、特に1〜8g/m2の範囲にある場合には、かかる問題を十分に回避することができる。本願発明の耐水性シートは、一般に汎用されているインキを使用して印刷することができるにもかかわらず、シート表面の塗工層(インキ受理層)を10g/m2以下と薄くすることができるので、塗工層の強度も確保でき、生産性・経済性も優れたものとなる。
なお、塗工層には、上記した以外にも一般的に使用される種々の添加剤を添加することができる。これらの添加剤としては、例えば、帯電防止剤、白色顔料(酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ等の無機顔料等)、耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)などがある。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、特にことわらない限り、部および%は重量部および重量%を示す。
一方、スチレン−アクリル共重合体の水系ディスパージョン(濃度40%、平均粒径0.19μm)150重量部に平均一次粒径23nm、二次粒子径50nmのピーナッツ状コロイダルシリカ(商品名PL−2、扶桑化学工業(株)社製)300重量部を混合し、塗工液を調製した。この塗工液を上記積層シートの両面に固形分で3g/m2となるようにマイヤーバーを用いて塗工し耐水性シートを得た。
スチレン−アクリル共重合体の水系ディスパージョンの代わりに、ポリビニルアルコール(PVA―117、(株)クラレ社製)10%水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして耐水性シートを得た。
積層シートに塗工液を塗工しない以外、は実施例1と同様にして耐水性シートを得た。
積層シートの代わりに厚さ140μmのポリプロピレンからなる白色シートの両面にコロナ放電処理を行ったものを用い、かつ塗工液を塗工しない以外は、実施例1と同様にして耐水性シートを得た。
コロイダルシリカPL−2の代わりに二次粒子を形成していない粒径20nmの球状コロイダルシリカ(商品名スノーテックスST−20、日産化学工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして耐水性シートを得た。
コロイダルシリカPL−2の代わりに合成シリカ(ファインシールX−37B、(株)トクヤマ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして耐水性シートを得た。
コロイダルシリカPL−2を塗工液に配合しない以外は、実施例1と同様にして耐水性シートを得た。
また、平版オフセット印刷を行い、通常の湿し水量で印刷した際の印刷後の乾燥性、並びに過剰な湿し水量(通常の2倍量)で印刷した際のインキ転移性をそれぞれ評価した。なお印刷は、コート紙用に汎用されているオフセット印刷用インキ(大日本インキ(株)製『Values−G』)紅を用いた。結果を表1に示す。
75°光沢度計(村上色彩技術研究所社製GM−26PRO)を用いて白紙光沢度を測定した。光沢性が高いほど美麗性に優れており、30%以上であると特に光沢性は良好である。
白紙サンプルを大きさ5cm×10cmにカットし、2枚を塗工面どうし重ね合わせ、荷重がサンプルに均等にかかるように6kgの錘を載せて40°、85%RHの環境下に1週間保持した後、サンプルを引き剥がしたときの接着状態を評価した。
○:剥がした際の抵抗感が全くない。
△:若干ブロッキングしているが、サンプルの表面状態に変化は見られない。
×:ブロッキングしており、塗工層が欠落するなど表面状態が変化している。
印刷した後に空気と触れないように保持し、一定時間経過した後にベタ部分を一般A2コート紙と重ね合わせ、一定荷重をかけた際にコート紙にインキが移らなくなるまでの時間を測定した。時間が短いほど乾燥性は良好となる。
印刷した際のインキの転移性を目視で評価した。
○:印刷ムラは見られず、優れた印刷しあがりである。
△:印刷ムラが見られ、所々でインキが転移していない部分が見られる。
×:インキが転移していない。
印刷してインキを十分乾燥させた後に、ベタ部分を水に塗らして、指で強く擦った際のインキの剥がれ具合を目視で評価した。
○:インキが剥がれない
×:インキが剥がれる
一次粒子径は窒素吸着法により比表面積を求め、下記の式から計算により求めた。二次粒子径はコールターN4計(コールター社製の商品名)で測定し、粒子径は数平均値を用いた。
一方、塗工層を設けない比較例1、2、および塗工層に顔料を含有しない比較例5では、いずれもインキ乾燥性に劣り、また、一般的な顔料を用いた比較例3(球状コロイダルシリカ)はインキ転移性に、比較例4(合成シリカ)は光沢性にそれぞれ劣っていた。
Claims (3)
- シート状基材の一方又は両方の最外層として熱可塑性樹脂層を有する積層シート、または熱可塑性樹脂からなるシートの、少なくとも一方の表面に、無機顔料とバインダーとを主成分とする塗工層を設けた耐水性シートにおいて、前記無機顔料として、一次粒子が球状であって一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜3.0のコロイダルシリカ、または針状コロイダルアルミナを含有することを特徴とするオフセット印刷用耐水性シート。
- バインダーがスチレン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載のオフセット印刷用耐水性シート。
- 紙を基材層として、一方又は両方の表面に少なくとも最外層に熱可塑性樹脂を溶融状態で押出し積層し、次いで、その少なくとも一方の熱可塑性樹脂層の表面に一次粒子が球状であって一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜3.0のコロイダルシリカ、または針状コロイダルアルミナを含む無機顔料とバインダーとを主成分とする塗工層を形成することを特徴とするオフセット印刷用耐水性シートの製造方法。
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