JP2006231648A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】銀塩写真用印画紙並の写像性を有し、高い印字濃度とインク吸収性が得られると共に、優れた塗層強度が得られるインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】透気性の支持体上に、インク受理層及び光沢発現層を順次設けた後、前記光沢発現層をキャスト法により処理したインクジェット記録媒体において、顔料及び結着剤を主成分とする前記光沢発現層中の結着剤として、少なくともカルボジイミド基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンが含有されていることを特徴とするインクジェット記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銀塩写真用印画紙並の写像性を有し、高い印字濃度とインク吸収性が得られると共に、優れた塗層強度が得られるインクジェット記録媒体に関するものである。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録媒体に付着させ、画像・文字等の記録を行なうものである。該記録方式は、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像及び定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として、種々の用途において急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、解像度及び色再現範囲の拡大により、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して遜色のない記録を得ることが可能であり、作成部数が少なくて済む用途では写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
更に、インクジェット方式を利用したプリンターやプロッターは、市場からの更なる画像の品質向上に対する要求のために、高解像度化、色再現範囲の拡大が図られており、インクの吐出量を多くして対応を行っている。従って、該吐出量に見合ったインク受理容量の増大が該記録媒体の重要な技術課題となっており、高いインク受理容量の確保や発色性の良好な塗層の塗設が不可欠となっている。加えて、光沢、剛直、色相等の外観も銀塩写真や印刷用紙に類似することが要望され、従来からある上質紙や塗工紙のインクジェット記録媒体ではこれらの要望には応えられなくなっている。
特に、従来の技術では光沢を付与すると、インクジェット記録媒体に要求される重要な特性であるインク吸収性が欠如してしまう問題が付随して生じる。該吸収を確保するには、空隙量の大きな塗層を設ける必要があり、該塗層の塗被組成物には、顔料として2次粒子或いは3次粒子として存在する粒子径の大きな多孔性顔料を適用してきたが、塗層表面は該粒子の影響を受けて粗い状態となるため、光沢の低い、所謂マット調のものしか出来なかった。
光沢を付与する処理は、スーパーカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、圧力や温度をかけたロール間に通紙することで塗層表面を平滑化する方法が一般的である。しかしながら、インクジェット記録媒体に光沢を付与する目的で、高線圧下でカレンダー処理を行うと、光沢は向上するが、塗層の空隙が減少し、インクの吸収が遅くなり、又、吸収容量の不足からインクの溢れが発生してしまう問題がある。このことから、カレンダー処理は、許容されるインク吸収容量の範囲内で条件を選択せざるを得ず、インクの吸収と光沢を得るには、現状の技術での対応は難しいのが現状である。
このような現状に対し、光沢を付与する試みとして、フィルム或いは樹脂をラミネートした基材の上に、CMCやゼラチン等の極めて小さな空隙を有する塗層を設ける方法があり、飛翔するインクが少量の記録装置には有効であるが、インク量の多い記録装置や各インクが混ざり合いインク量が多くなる混色部では、インクの滲み出しや溢れが生じて充分なインク吸収性を確保することが難しい。
このことから、相反する特性であるインク吸収性と光沢を両立させるために、塗層に強光沢を付与することが可能なキャスト処理法が知られており、キャスト処理法としては、代表的なものとして以下の3つの方法がある。即ち、基材に塗布された塗工液が全く乾燥されていない状態で、加熱されたキャストドラムに圧接される直接法、基材に塗布された塗工液を一旦乾燥、または半ば乾燥した後、再湿液により再び可塑性を有した状態に戻された後に、加熱されたキャストドラムに圧接されるリウェット法、基材に塗布された塗工液が凝固液で処理され、流動性のないゲルの状態で、加熱されたキャストドラムに圧接される凝固法である。これらのキャスト処理法はいずれも鏡面状のドラム表面を写し取ることで高光沢塗工層表面を得る点で共通する。前記のキャスト処理方法を用いたインクジェット記録媒体としては、例えば、特開平7−117335号公報、特開平8−118790号公報(特許文献1)、特開平8−132730号公報、特開平8−300804号公報、特開平10−287038号公報など、数多く開示されている。
これらの方法でも、近年のインク吐出量の多いインクジェットプリンターやプロッターには、相反する特性であるインク吸収性と光沢を両立させることが難しく、インク吸収性を重視した設計を行うと強光沢が得難くなるし、光沢を重視するとインク吸収性の確保が難しくなり、一方の特性の低下を容認する必要がある。即ち、従来の技術では、相反する特性であるインク吸収性と光沢を両立することが難しいのが現状である。
これらの問題を解決する方法として、インク吸収層を架橋剤で架橋させて空隙を増加し、インク吸収性を上げるインクジェット記録媒体が多数提案されている。例えば、架橋剤としてカルボジイミド化合物をインク受理層中に使用する一例として挙げられたインクジェット記録媒体が特開2004−322569号公報(特許文献2)に記載されているが、光沢発現層でのインク吸収性や印字濃度の向上は不十分であり、未だインク吸収性と光沢を十分に両立したインクジェット記録媒体は得られていない。
更には、キャスト処理法により、表面光沢はそれなりに得られるものの、光沢性の美観要素を決定づけているのは、表面光沢だけではなく写像性といわれる指標である。写像性とは、光沢表面に物体が映った時、その像がどの程度鮮明に、また歪みなく映るかの指標である。同じ表面光沢を持つ面でも、歪みが無いほど高い光沢度が知覚され美感要素は高いと言え、表面光沢度の測定のみでは、視感と相関する評価ができない。従来の技術では、写像性を満足するインクジェット記録媒体も得られていない。
特開平8−118790号公報 特開2004−322569号公報
本発明の課題は、銀塩写真用印画紙並の写像性を有し、高い印字濃度とインク吸収性が得られると共に、優れた塗層強度が得られるインクジェット記録媒体を提供することにある。
本発明者らは、この課題を解決するため鋭意研究の結果、本発明に至った。即ち、本発明の前記課題は、透気性の支持体上に、インク受理層及び光沢発現層を順次設けた後、前記光沢発現層をキャスト法により処理したインクジェット記録媒体において、顔料及び結着剤を主成分とする前記光沢発現層中の結着剤として、少なくともカルボジイミド基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンが含有されていることを特徴とするインクジェット記録媒体によって達成された。
また、前記光沢発現層の結着剤として、更に、カルボキシル基、水酸基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種の基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンから選ばれる少なくとも1種を含有すると好ましい。
また、キャスト法による処理が凝固法であると好ましい。
本発明のインクジェット記録媒体は、高い印字濃度とインク吸収性が得られると共に、優れた塗層強度も得られ、銀塩写真用印画紙並の写像性を有する。
以下に本発明のインクジェット記録媒体について、詳細に説明する。本発明に用いられる支持体は、透気性の支持体であり、公知の紙支持体を適宜選択して使用することが出来る。例えば、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ、等の木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙、更に該原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙が挙げられる。前記支持体の坪量としては、通常40〜300g/m2であるが、特に制限されるものではない。
本発明における前記インク受理層は、顔料を用いると好ましい。例えば、合成非晶質シリカ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられ、特に細孔容積の多い合成非晶質シリカが好ましい。このような合成非晶質シリカとは、ケイ酸のゲル化により、SiO2の三次元構造を形成させた、多孔性、不定形微粒子であり、細孔径10〜2000オングストローム程度を有する。
このような合成非晶質シリカは、市販のものを好適に用いることができ、例えば、ミズカシルP−526、ミズカシルP−801、ミズカシルNP−8、ミズカシルP−802、ミズカシルP−802Y、ミズカシルC−212、ミズカシルP−73、ミズカシルP−78A、ミズカシルP−78D、ミズカシルP−78F、ミズカシルP−87、ミズカシルP−705、ミズカシルP−707、ミズカシルP−707D、ミズカシルP−709、ミズカシルC−402、ミズカシルC−484(以上水澤化学工業社製)、トクシールU、トクシールUR、トクシールGU、トクシールAL−1、トクシールGU−N、トクシールN、トクシールNR、トクシールPR、ソーレックス、ファインシールE−50、ファインシールT−32、ファインシールX−30、ファインシールX−37B、ファインシールX−60、ファインシールX−70、ファインシールRX−70、ファインシールA、ファインシールB(以上、トクヤマ社製)、カープレックスFPS−101、カープレックスCS−7、カープレックス80、カープレックスXR、カープレックス67(以上、塩野義製薬社製)、ニップジェルAY−420、ニップジェルAY−601、ニップジェルAY−603、ニップジェルAZ−600、ニップジェルBY−400、ニップジェルBY−001、ニップジェルG−0123、ニップジェルG−0124、ニップシルVN3、ニップシルLP、ニップシルER、ニップシルNA、ニップシルE−200A(以上、東ソー・シリカ社製)、サイリシア770、サイリシア740、サイリシア730、サイリシア440、サイリシア431、サイリシア450、サイリシア470、サイリシア250、サイリシア310、サイリシア350、サイリシア320(以上、富士シリシア化学社製)、サイロイドAL−1、サイロイドAL−1B、サイロイドCP4、サイロイド72W、サイロイドED3、サイロイド74、サイロイド74X6500、サイロイド74X5500、サイロイド74X4500、サイロイド622、サイロジェットP405、サイロジェットP407、サイロジェットP409、サイロジェットP412、サイロジェットP416、サイロジェットP616(以上、グレース社製)などが挙げられる。
前記インク受理層は、結着剤を用いると好ましい。例えば、ポリビニルアルコール又はそのシラノール変性物、カルボキシル化物、カチオン化物、アセトアセチル化物等の各種誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、或はこれら各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、ポリウレタン樹脂系ラテックス等が挙げられる。これらの少なくとも1種以上を選択して用いることが出来る。
インク受理層における結着剤含有量は、顔料に対し、5〜70質量%であると良好な塗層強度およびインク吸収性が得られ、好ましい。より好ましくは、10〜60質量%である。
更に、インク受理層には、添加剤として、染料定着剤(各種カチオン性樹脂)、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、サイズ剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、湿潤強度増強剤、乾燥強度増強剤等を適宜配合することもできる。
特に、水性インクの染料分である水溶性直接染料や水溶性酸性染料中のスルホン基、カルボキシル基、アミノ基等と不溶な塩を形成する2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン性染料定着剤を配合した場合、インク受理層にて染料が捕獲されるために、色彩性が向上する。また、不溶な塩の形成により、水の滴下や吸湿によってインク受理層からインク中の染料、又は顔料が流れ出ることによる記録画像の破壊が抑制されるので好適である。
インク受理層の塗工量は、5g/m2〜20g/m2が、良好なインク吸収性および写像性が得られ、好ましい。又、インク受理層はある一定の塗布量を数回に分けて塗布する事も可能である。
インク受理層を塗布する方法は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、コンマコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることができる。塗工ムラが無く均一な厚さの塗工層が得られるカーテンコーターによる塗工が特に好ましい。
本発明において光沢発現層に用いられる顔料は、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ(気相法アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ)、アルミナ水和物(ベーマイト、擬ベーマイト)、水酸化アルミニウム等の無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物など、平均粒子径が極めて小さい超微粒の無機顔料であると、記録層の透明性が向上し、印字濃度が高くなるので、より好ましい。特に、コロイダルシリカや擬ベーマイトのアルミナ水和物は、高い光沢感が得られ、好ましい。
印字濃度が高まるという点から、コロイダルシリカはカチオン化処理されている方が好ましい。これは、粒子表面の電荷がカチオンであることにより、電気的な相互作用によってインク中の染料成分である直接染料や水溶性酸性染料中のスルホン基、カルボキシル基、アミノ基等と不溶な塩を形成して光沢発現層で該染料成分を定着させるためである。
前記光沢発現層に用いられる結着剤として、カルボジイミド基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンを少なくとも含有する。カルボジイミド基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンは、前記光沢発現層塗工液中に含有されていることでも良く、或いは、後述の凝固液中に含有されたカルボジイミド基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンが、キャスト法による処理前に光沢発現層中に供給され、光沢発現層中に含有されることとなっても良い。カルボジイミド基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンの含有量は、総結着剤に対し、1〜40質量%であると良好な塗層強度およびインク吸収性が得られ、好ましい。より好ましくは、3〜30質量%である。
更に、前記結着剤として、従来の公知のものを用いても良い。特に、カルボキシル基、水酸基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種の基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンであると好ましい。かかる結着剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク等の天然樹脂、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、及び各種ケン化度のポリビニルアルコール又はそのシラノール変性体、カルボキシル変性体、カチオン変性体、アセトアセチル変性体等の各種誘導体、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水溶性接着剤、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド等の水溶性樹脂、並びにスチレン−アクリル系、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル系、ポリウレタン系の水溶性樹脂あるいは合成樹脂エマルジョン等が挙げられる。これらの少なくとも1種以上を選択して用いることが出来る。
光沢発現層における結着剤の含有量は、顔料に対し、5〜40質量%であると良好な塗層強度およびインク吸収性が得られ、好ましい。より好ましくは、10〜30質量%である。また、カルボキシル基、水酸基、アミノ基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンの含有量は、総結着剤に対し、50〜99質量%であることが好ましく、より好ましくは60〜99質量%である。
更に、添加剤として、カチオン系染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、白色無機顔料、白色有機顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤などを本発明の目的を害しない範囲で適宜添加することもできる。
光沢発現層の塗布には、例えば、各種ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、コンマコーター、リップコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等の各種装置を用いることができる。
光沢発現層の塗工量は、5〜30g/m2であると、高い写像性およびインク吸収性が得られ、好ましい。より好ましくは5〜20g/m2である。
本発明において、光沢発現層はキャスト処理される。キャスト処理としては、前述したように、直接法、リウェット法、および凝固法等があるが、本発明においては凝固法が好ましく用いられ、前記光沢発現層を凝固処理することによって、本発明の所期の目的が一段と高いレベルで達成される。
凝固法は、支持体上に塗工された記録層が、流動性を有する状態の時に凝固液によって処理されてゲル化される処理方法であり、ゲル化された記録層は、加熱されたキャストドラムに圧接されて乾燥される。凝固液は、凝固剤を含有する。凝固剤としては、例えば蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸、炭酸等のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、鉛、カドミウム、アンモニウム等との塩、およびホウ酸、ホウ砂、各種ホウ酸塩等が挙げられ、1種または2種以上選択して使用することが出来る。凝固液中における凝固剤の濃度は、無水物換算で0.5〜6%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜5%である。
前記凝固液にカルボジイミド基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンを添加することにより、結着剤としてカルボジイミド基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンを光沢発現層に含有させることもできる。凝固液中におけるカルボジイミド基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンの濃度は、0.1〜4質量%であると良好な塗層強度およびインク吸収性が得られ、好ましい。より好ましくは、0.3〜3質量%である。また、添加剤として、例えば、顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、可塑剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の助剤を適宜添加することもできる。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。なお、配合において示す部数は実質成分の数量である。また、実施例、及び比較例において示す粒子径は、動的光散乱法により求めた平均粒子径である。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、白色度90%)50部と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP、白色度90%)50部の混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで350mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これに填料としてタルク6部、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー0.5部、乾燥紙力増強剤としてポリアクリルアミド1.0部、カチオン化澱粉2.0部添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量150g/m2になるように抄造し、支持体を作製した。この支持体の一方の面に、インク受理層として下記のインク受理層塗工液aをエアナイフコーターにより乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗布、乾燥を行い、こうして得たインク受理層上に、下記の光沢発現層塗工液bをエアナイフコーターを用いて、乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗布し、塗工面が流動性を有する内に凝固液で処理した後、100℃に加熱されたキャストドラムに圧接し乾燥する凝固法によりキャスト処理して、本発明のインクジェット記録媒体を得た。
<インク受理層塗工液a>
合成非晶質シリカ(サイロイドED5;吸油量300ml/100g、グレース社製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ社製)20部、スチレンーブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で10部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001、住友化学工業社製)を固形分で10部を水に配合し、均一分散して固形分濃度18%のインク受理層塗工液aを調製した。
<光沢発現層塗工液b>
カチオン化処理コロイダルシリカ(スノーテックスST−AK、日産化学工業社製)50部、擬ベーマイト構造で平均粒子径50nmのアルミナ水和物を50部、ウレタン水溶性樹脂(NeoRezR−960、ゼネカ社製)16部、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2、日清紡社製)4部、離型剤3部を混合し、均一分散して固形分濃度20%の光沢発現層塗工液bを調製した。
<凝固液の調整>
硼砂(無水物換算)2%の凝固液を調製した。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、ウレタン水溶性樹脂(NeoRezR−960)16部を、アクリルエマルジョン(ジョンクリル511、ジョンソンポリマー社製)16部に変更した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、ウレタン水溶性樹脂(NeoRezR−960)16部を、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)16部に変更した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、ウレタン水溶性樹脂(NeoRezR−960)16部を14部に変更し、かつ、ポリビニルピロリドン(ピッツコールK−90、第一工業製薬社製)を2部添加した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、ウレタン水溶性樹脂(NeoRezR−960)16部を28部へ、かつ、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)4部を7部に変更した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、ウレタン水溶性樹脂(NeoRezR−960)16部を40部へ、かつ、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)4部を10部に変更した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、ウレタン水溶性樹脂(NeoRezR−960)16部を6.4部へ、かつ、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)4部を1.6部に変更した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、ウレタン水溶性樹脂(NeoRezR−960)16部を8部へ、かつ、ポリビニルピロリドン(ピッツコールK−90)を8部添加した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)4部を10部に変更した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)4部を0.3部に変更した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)4部を16部に変更した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、ウレタン水溶性樹脂(NeoRezR−960)を添加せず、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)4部を20部に変更した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)4部を2部に変更した以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、かつ、前記凝固液において、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)を0.8%添加した以外は、同様にして凝固液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)を添加しなかった以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、かつ、前記凝固液において、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)を1.6%添加した以外は、同様にして凝固液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
凝固液で処理しなかった以外は、実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例1)
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、カルボジイミド水溶性樹脂(カルボジライトV−02−L2)を添加しなかった以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして比較例のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例2)
前記の光沢発現層塗工液bにおいて、カチオン化処理コロイダルシリカ(スノーテックスST−AK)とアルミナ水和物を添加しなかった以外は、同様にして光沢発現層塗工液を作製し、それ以外は、実施例1と同様にして比較例のインクジェット記録媒体を得た。
以上、実施例及び比較例で作成したインクジェット記録媒体について、下記の評価方法により評価し、その結果をまとめて表1に示す。
<写像性>
JIS H8686で規定される像鮮明度(C)として求めた。写像性測定装置(スガ試験機製ICM−1DP)を用いて、光学くしの幅は2.0mmのものを用い、反射角度60度で最高波形(M)及び最低波形(m)を読み取り、C=(M−m)/(M+m)×100として像鮮明度を求めた。写像性の像鮮明度として、65%以上は見た目の光沢感が高く、印画紙ライクな美観要素に優れていることを示す。
<インク吸収性>
市販のインクジェット記録装置(BJC420J、キヤノン社製)を用いて、シアンインク、マゼンタインクからなる混色ベタパターン中に白線(非印字部)の格子パターンを作成し、格子へのインクの滲み出しについて、下記基準に従い、目視にて評価した。評価の△及び×は、実用上問題となるレベルである。
◎:格子が完全にクリアーである。
○:格子のほんの一部にインクの滲み出しが見られる。
△:格子が狭くなり、インクの滲み出しが全般的に見られる。
×:インクの滲み出しにより、格子が欠如している。
<印字濃度>
前記のインクジェット記録装置を用いて、ブラックインクでベタパターンを印字し、印字部をマクベスRD−918型により、光学反射濃度を測定した。
<塗層強度>
記録層にボールペンで文字を書いたときの筆記性を目視にて評価した。評価の△及び×は、実用上問題となるレベルである。
◎:記録層がボールペンにより削り取られることは全くなく、筆記性が極めて良好である。
○:記録層がボールペンにより削り取られることは殆どなく、筆記性が良好である。
△:記録層がボールペンにより削り取られることが少しあり、文字の判読にやや問題がある。
×:記録層がボールペンにより著しく削り取られ、文字の判読が不可能である。
Figure 2006231648
表1より、実施例1〜15の透気性の支持体上に、インク受理層及び光沢発現層を順次設けた後、前記光沢発現層をキャスト法により処理したインクジェット記録媒体において、顔料及び結着剤を主成分とする前記光沢発現層中の結着剤として、少なくともカルボジイミド基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンが含有されていることを特徴とするインクジェット記録媒体は、銀塩写真用印画紙並の写像性を有し、高い印字濃度とインク吸収性が得られると共に、優れた塗層強度が得られ、良好である。
一方、比較例1のようにカルボジイミド水溶性樹脂を添加しなかった場合、インク吸収性や印字濃度、および塗層強度の低下が見られた。また、比較例2のように、顔料を添加しなかった場合、十分な塗層強度は得られるが、大幅なインク吸収性や印字濃度の低下が見られ、いずれの場合も満足できる品質の印字品質を得ることが出来なかった。

Claims (3)

  1. 透気性の支持体上に、インク受理層及び光沢発現層を順次設けた後、前記光沢発現層をキャスト法により処理したインクジェット記録媒体において、顔料及び結着剤を主成分とする前記光沢発現層中の結着剤として、少なくともカルボジイミド基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンが含有されていることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記光沢発現層の結着剤として、更に、カルボキシル基、水酸基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種の基を有する水溶性樹脂もしくは合成樹脂エマルジョンから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. キャスト法による処理が凝固法であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
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