JP2005280149A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録適性に優れ、インクの吸収性に優れ、かつ、銀塩写真用印画紙並の光沢度と、写像性が得られる、ボコツキのないインクジェット記録材料を提供する。
【解決手段】紙基材上に、顔料と接着剤を主成分とした、アンダー層、インク受理層、光沢発現層を順次積層したインクジェット記録材料であって、該アンダー層の顔料が焼成カオリンを主成分として含有し、該インク受理層の多孔性顔料が主成分として焼成カオリンの2〜5倍の吸油量を有する顔料を主成分として含有し、該光沢発現層の顔料が平均粒子径500nm以下の無機超微粒子を主成分として含有し、かつ該光沢発現層がキャスト処理法により形成された層であることを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録材料に関するものであり、さらに詳しくは、銀塩写真用印画紙並の光沢度と写像性が得られ、かつボコツキのないインクジェット記録材料に関するものである。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像、文字等の記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々の用途において急速に普及している。又、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。更に、作成部数が少なくて済む用途においては、写真技術による印画よりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用され、多様化が進んでいる。
多様化はインクジェット記録材料の外観に対しても展開され、従来からある普通紙やマット紙といった光沢のない或いは光沢の低い外観に加え、アート紙、コート紙、キャストコート紙、印画紙等に類似の光沢を有した外観が求められている。これはインクジェット記録が印刷や写真に匹敵する画像品質を再現できることにより、外観も類似させたいという要望のためである。
そこで、表面光沢性を高めたインクジェット記録材料としては、基材上に樹脂からなるインク受容層を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、これら樹脂からなるインク受理層は、シリカ等の顔料微粒子からなるインク受理層と比較して、表面光沢性は得られるものの、吸収速度が遅く、また吸収容量が少ないという欠点を有する。
インク吸収速度が速く、表面光沢性を高めたインクジェット記録材料としては、近年、インク受理層にアルミナ水和物(カチオン性アルミナ水和物)を用いたインクジェット記録用紙が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、アルミナ水和物を用いたインク受理層は、表面光沢性は非常に高くなるものの、細孔容積が少ないために、単位塗布量当たりのインク吸収容量が少なく、十分なインク吸収容量を得るためには厚膜塗布が必要になるという欠点を有する。
また、インクジェット記録材料に表面光沢を付与する方法として、スーパーカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、圧力や温度をかけたロール間に通す方法がある。しかしながら、インクジェット記録材料に表面光沢を付与する目的で、高線圧下でカレンダー処理を行うと、塗工層中の空隙が減少し、インク吸収性の悪化をまねく。このことからカレンダー処理は、許容されるインク吸収性を保つ範囲で条件を選択せざるを得ず、高光沢を得ることは困難である。
カレンダー処理によらない表面光沢付与の方法として、キャスト処理法が知られている。例えば、紙基材の上にインク受理層と光沢発現層を設け、光沢発現層をキャスト処理法で形成した記録材料(例えば、特許文献3参照)が挙げられる。キャスト処理法には代表的なものとして以下の3つの方法がある。即ち、基材に塗布された塗工液が全く乾燥されていない状態で、加熱されたキャストドラムに圧接される直接法、基材に塗布された塗工液を一旦乾燥、または半ば乾燥した後、再湿液により再び可塑性を有した状態に戻された後に、加熱されたキャストドラムに圧接されるリウェット法、基材に塗布された塗工液が凝固液で処理され、流動性のないゲルの状態で、加熱されたキャストドラムに圧接される凝固法である。これらのキャスト処理法はいずれも鏡面状のドラム表面を写し取ることで高光沢塗工層表面を得る点で共通する。
キャスト処理法は前述したように、インク受理層が湿潤状態の間に加熱した鏡面ドラムに圧接され乾燥されて形成される。このように水分と熱を付与するキャスト処理方法は、記録材料の表面にボコツキを生じさせるという問題がある。このボコツキは、光沢感を低下させ、写像性を低下させる。
キャスト処理法により、表面光沢はそれなりに得られるものの、光沢性の美観要素を決定づけているのは、表面光沢だけではなく写像性といわれる指標である。写像性とは、光沢表面に物体が映った時、その像がどの程度鮮明に、また歪みなく映るかの指標である。同じ表面光沢を持つ面でも、歪みが無いほど高い光沢度が知覚され美感要素は高いと言え、表面光沢度の測定のみでは、視感と相関する評価ができない。
また、紙基材の上にアンダー層と最表層を設け、最表層をキャスト処理方法で形成したインクジェット記録材料が挙げられる(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、従来のキャスト処理方法を用いた記録材料では、光沢性、写像性、インク吸収性、及びボコツキを同時に満足するものではなかった。
特開平4−282282号公報 特開平5−24335号公報 特開平7−117335号公報 特開平11−81190号公報
本発明の課題は、インクジェット記録適性に優れ、インクの吸収性に優れ、かつ、銀塩写真用印画紙並の光沢度と、写像性が得られる、ボコツキのないインクジェット記録材料を提供するものである。
本発明者らは、この課題を解決するため鋭意研究の結果、本発明に至った。
即ち、本発明は、紙基材上に、顔料と接着剤を主成分とした、アンダー層、インク受理層、光沢発現層を順次積層したインクジェット記録材料であって、該アンダー層の顔料が焼成カオリンを主成分として含有し、該インク受理層の顔料が焼成カオリンの2〜5倍の吸油量を有する多孔性顔料を主成分として含有し、該光沢発現層の顔料が平均粒子径500nm以下の無機超微粒子を主成分として含有し、かつ該光沢発現層がキャスト処理法により形成された層を有するインクジェット記録材料である。
該アンダー層の接着剤として、澱粉誘導体とラテックスを主成分として含有すると好ましい。該澱粉誘導体が、変性澱粉であると好ましく、該変性澱粉が、リン酸エステル化澱粉であるとさらに好ましい。
該インク受理層が接着剤として、変性ポリビニルアルコールとラテックスを主成分として含有すると好ましい。さらに好ましくは、該変性ポリビニルアルコールが、シラノール変性ポリビニルアルコールである。
該キャスト処理法が、凝固法であると好ましい。
本発明のインクジェット記録材料は、インクジェット記録特性が良好であると共に、ボコツキのない銀塩写真用印画紙並の光沢度と、写像性を有する。
以下に本発明のインクジェット記録材料について、詳細に説明する。
本発明は、紙基材上に、顔料と接着剤を主成分とした、アンダー層、インク受理層、光沢発現層を順次積層したインクジェット記録材料であって、アンダー層の顔料が焼成カオリンを主成分として含有し、インク受理層の顔料が焼成カオリンの2〜5倍の吸油量を有する非晶質シリカを主成分として含有し、光沢発現層の顔料が平均粒子径500nm以下の無機超微粒子を主成分として含有し、かつ光沢発現層がキャスト処理法により形成された層を有するインクジェット記録材料である。なお、本発明でいう主成分とは、対象となる物質に対して、70%以上含有することをいう。
本発明のアンダー層には、焼成カオリンを主成分として含有する。本発明で使用する焼成カオリンとは種々の製造方法により得られるが、一例としては、カオリナイトを約650℃〜700℃の温度で焼成することにより生成した、デヒドロオキシル化すなわち部分焼成カオリンと、約1000℃〜1050℃で焼成される完全焼成カオリンがある。これら方法で得られた焼成カオリンは、粒子の形状は焼成前と変わらない六角板状を維持しているが、構造水を失って非晶質となり、光散乱能力や吸着活性が大きくなっている。本発明で使用される焼成カオリンとしては、TAPPI白色度85〜92、粒度2μm以下60%以上、比重2.4〜2.7、比表面積15〜20m2/g、吸油量80〜120ml/100gである。
本発明では、アンダー層の顔料の主成分として焼成カオリンを含有するが、当然、焼成カオリン単独でも良く、好ましくはアンダー層全顔料の70質量%以上である。副成分として含有される顔料としては、特に指定はなく、例えばカオリン、タルク、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム及び各種プラスチック顔料等が挙げられ、使用することができる。
本発明では、アンダー層の顔料が焼成カオリンを主成分として含有し、インク受理層の顔料が焼成カオリンの2〜5倍の吸油量を有する非晶質シリカを主成分として含有する。しかし、アンダー層の顔料が焼成カオリンを主成分として含有し、インク受理層の顔料が焼成カオリンの2倍より小さい吸油量を有する非晶質シリカを主成分として含有すると、インク吸収性が低下する傾向を示す。また、アンダー層の顔料が焼成カオリンを主成分として含有し、インク受理層の顔料が焼成カオリンの5倍を超える吸油量を有する非晶質シリカを主成分として含有すると、表面光沢と写像性が低下する傾向を示す。
また、本発明のアンダー層に使用される接着剤としては、例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系バインダー、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、及びアルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルジョン類が挙げられる。これらの中で好ましいのは、澱粉誘導体とラテックスであり、これらの少なくとも1種以上を選択して用いる。さらにこれらを併用すると好ましく、特に、リン酸エステル化澱粉とスチレン−ブタジエンラテックスの組合せが好ましい。
アンダー層における接着剤含有量は、乾燥総固形分に対し、1〜30重量%であることが好ましい。
更に、添加剤として、例えば、顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、可塑剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の助剤を適宜添加することができる。
アンダー層を設ける際の塗工方法は特に限定されず、公知の塗工方法を用いることができる。例えば、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、グラビアコーター、コントラコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、フィルムトランスファーコーター、サイズプレスなどの各種装置により支持体上に塗工することができる。
また、塗工されたアンダー層をカレンダー処理により、平滑化しても良い。その際のカレンダー処理装置としては、グロスカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどが挙げられる。特に熱を加えながら平滑化処理する熱カレンダー処理は好ましく用いられる。
アンダー層の塗工量は、3〜30g/m2であると、良好なインク吸収性および面質が得られ、好ましい。より好ましくは、5〜25g/m2である。
本発明のインクジェット記録材料は、紙基材上に少なくとも、アンダー層を設け、その上にインク受理層を設け、さらにその上に光沢発現層を設けてキャスト処理することによって、銀塩写真用印画紙並の光沢度と、写像性が得られる、ボコツキのないインクジェット記録材料ができる。この組み合わせにより写像性が高く、ボコツキがないインクジェット記録材料が得られるのかは定かでないが、アンダー層の付与により、光沢発現層の塗工時に光沢発現層の水分が基材まで浸透するのを抑制し、紙基材の膨潤を防いでいることが1点、またアンダー層の付与により紙基材の凹凸を減少させることで、高い平滑性が得られるという2点の理由が考えられる。
本発明で言う写像性とは、光沢表面に物体が映った時、その像がどの程度鮮明に、また歪み無く映し出されるかの尺度であり、JIS H8686で規定される光学的装置を使用し、光学くしを通して得られた光量の波形から像鮮明度(C)として求める。光学くしは暗部明部の比が1:1で、その幅は0.125、0.5、1.0及び2.0mmの各種のものがある。測定は光学くしを移動させ、記録紙上の最高波形(M)及び最低波形(m)を読み取り、C=(M−m)/(M+m)×100として像鮮明度をもとめる。像鮮明度Cは値が大きければ写像性がよく、小さければ「ボケ」または「歪み」を持っていることを示す指標である。この「ボケ」または「歪み」が少なければ、光沢計での光沢値が同じ場合であっても、目視による光沢感が向上することが分かっている。
本発明におけるインク受理層中に用いられる顔料は、多孔質顔料であり、アンダー層に使用される焼成カオリンの2〜5倍の吸油量を有する顔料を使用する。本発明のインク受理層に使用する顔料としては、例えば、非晶質シリカ、多孔性炭酸カルシウム、多孔性炭酸マグネシウム、アルミナ(擬ベーマイト、δアルミナ)などが挙げられ、特に細孔容積の多い非晶質シリカが好ましい。このような非晶質シリカとは、ケイ酸のゲル化により、SiO2の三次元構造を形成させた、多孔性、不定形微粒子であり、細孔径10〜2000オングストローム程度を有する。
このような非晶質シリカは、市販のものを好適に用いることができ、例えば、ミズカシルP−526、ミズカシルP−801、ミズカシルNP−8、ミズカシルP−802、ミズカシルP−802Y、ミズカシルC−212、ミズカシルP−73、ミズカシルP−78A、ミズカシルP−78D、ミズカシルP−78F、ミズカシルP−87、ミズカシルP−705、ミズカシルP−707、ミズカシルP−707D、ミズカシルP−709、ミズカシルC−402、ミズカシルC−484(以上水澤化学工業製)、トクシールU、トクシールUR、トクシールGU、トクシールAL−1、トクシールGU−N、トクシールN、トクシールNR、トクシールPR、ソーレックス、ファインシールE−50、ファインシールT−32、ファインシールX−37、ファインシールX−37B、ファインシールX−60、ファインシールX−70、ファインシールRX−70、ファインシールA、ファインシールB(以上、トクヤマ製)、カープレックスFPS−101、カープレックスCS−7、カープレックス80、カープレックスXR、カープレックス67(以上、塩野義製薬製)、ニップジェルAY−420、ニップジェルAY−601、ニップジェルAY−603、ニップジェルAZ−600、ニップジェルBY−400、ニップジェルBY−001、ニップジェルG−0123、ニップジェルG−0124、ニップシルVN3、ニップシルLP、ニップシルER、ニップシルNA、ニップシルE−200A(以上、日本シリカ工業製)、サイリシア770、サイリシア740、サイリシア730、サイリシア440、サイリシア431、サイリシア450、サイリシア470、サイリシア250、サイリシア310、サイリシア350、サイリシア320(以上、富士シリシア化学製)、サイロイドAL−1、サイロイドAL−1B、サイロイドCP4、サイロイド72W、サイロイドED3、サイロイド74、サイロイド74X6500、サイロイド74X5500、サイロイド74X4500、サイロイド622、サイロジェットP405、サイロジェットP407、サイロジェットP409、サイロジェットP412、サイロジェットP416、サイロジェットP616(以上、グレース製)などが挙げられる。
インク受理層に含有する接着剤としては、例えば、各種鹸化度のポリビニルアルコール又はそのシラノール変性物、カルボキシル化物、カチオン化物等の各種誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、或はこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、ポリウレタン樹脂系ラテックス等が挙げられる。これらの中で、本発明においては、シラノール変性ポリビニルアルコールとスチレン−ブタジエンラテックスを併用すると好ましい。
多孔性顔料に対する接着剤含有量としては、乾燥総固形分に対して、3〜50重量%であると良好なインク吸収性および塗層強度が得られ、好ましい。より好ましくは、5〜40重量%である。
更に、インク受理層には、添加剤として、染料定着剤(各種カチオン性樹脂)、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、サイズ剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、湿潤強度増強剤、乾燥強度増強剤等を適宜配合することもできる。
特に、水性インクの染料分である水溶性直接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等と不溶な塩を形成する2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン性染料定着剤を配合した場合、インク受理層にて染料が捕獲されるために、色彩性が向上する。また、不溶な塩の形成により、水の滴下や吸湿によってインク受理層からインク中の染料、又は顔料が流れ出ることによる記録画像の破壊が抑制されるので好適である。
インク受理層の塗工量は、5〜25g/m2であると、良好なインク吸収性および面質が得られ、好ましい。より好ましくは、5〜20g/m2である。又、インク受理層はある一定の塗布量を数回に分けて塗布することも可能である。
インク受理層を塗布する方法は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、コンマコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることができる。塗工ムラが無く均一な厚さの塗工層が得られるカーテンコーターによる塗工が特に好ましい。
本発明において、光沢発現層に用いられる顔料は、無機超微粒子であり、例えば、擬ベーマイト、ベーマイトなどのアルミナ水和物、シリカ、チタニア、ジルコニアなどからなる無機コロイド粒子、非晶質シリカ、アルミナ、多孔性炭酸カルシウム、多孔性炭酸マグネシウムなどの多孔質顔料を微粉砕したもの、気相法シリカなど、平均粒子径500nm以下の無機顔料が挙げられる。
本発明の光沢発現層に用いられる無機超微粒子としては、アルミナ水和物あるいはシリカのコロイド粒子である方が、光沢発現層の透明性が高くなり、印字濃度が高くなるので好ましい。これらの無機超微粒子として、例えば、コロイダルシリカ、ベーマイト、擬ベーマイト等のアルミナゾルやコロイダルアルミナ、或いは特公昭47−26959号公報に開示されているようにコロイド状シリカ粒子表面をアルミナコーティングした粒子等が挙げられる。特に、コロイダルシリカや擬ベーマイトのアルミナゾルであると、良好な光沢感やインク吸収性が得られ、好ましい。
前記無機超微粒子の平均粒子径としては、500nm以下であると、良好な光沢感が得られ、好ましい。さらに、350nm以下であると、高いインク吸収性が得られ、好ましい。特に、200nm以下であると、高い印字濃度が得られ、好ましい。
印字濃度が高まるという点から、前記無機超微粒子はカチオン化処理されている方が好ましい。これは、粒子表面の電荷がカチオンであることにより、電気的な相互作用によってインク中の染料成分である直接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボン酸基、アミノ基等と不溶な塩を形成して記録層で該染料成分を定着させるためである。
また、光沢発現層に用いられる接着剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白等の天然高分子、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等の天然高分子とその誘導体、及び各種鹸化度のポリビニルアルコール又はそのシラノール変性体、カルボキシル変性体、カチオン変性体等の各種誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリ尿素ポリアミド樹脂等の各種水溶性合成高分子とそのカルボキシル変性体、アミド変性体、カチオン変性体等の誘導体、並びにスチレン−ブタジエン系、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリウレタン系等の合成高分子エマルション、ラテックスとそのカルボキシル、アミド、各種アミン基によるカチオン変性体等の変性誘導体などが挙げられる。
光沢発現層における接着剤含有量は、乾燥総固形分に対し、2〜40重量%であると良好なインク吸収性および塗層強度が得られ、好ましい。より好ましくは3〜30重量%である。
更に、添加剤として、カチオン系染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、白色無機顔料、白色有機顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤などを本発明の目的を害しない範囲で適宜添加することもできる。
光沢発現層の塗布には、例えば、各種ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、コンマコーター、リップコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等の各種装置を用いることができる。
光沢発現層の塗工量は、前記インク受理層の平滑性やサイズ性、要求される平滑性等により異なるので一概に決定することは困難であるが、通常は2g/m2以上あればよい。好ましくは5g/m2以上30g/m2以下である。特に好ましくは5g/m2以上20g/m2以下である。また、光沢発現層のキャスト処理後に、裏面に加湿空気、加湿蒸気を吹き付けてカール矯正を行なってもよく、更にマシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等を用いたカレンダー処理を行なってもよい。
本発明において、光沢発現層はキャスト処理される。キャスト処理としては、前述したように、直接法、リウェット法、および凝固法等があるが、本発明においては凝固法が好ましく用いられる。前述した光沢発現層を凝固処理することによって、本発明の所期の目的が一段と高いレベルで達成される。
本発明の凝固法では、インク受理層上に塗工された光沢発現層が、流動性を有する状態の時に凝固液によって処理されてゲル化される処理方法であり、ゲル化された光沢発現層は、加熱されたキャストドラムに圧接されて乾燥される。凝固液は、凝固剤を含有する。凝固剤としては、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸、炭酸等のカルシウム、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、鉛、カドミウム、アンモニウム等との塩、および、ホウ酸、ホウ砂、各種ホウ酸塩等が挙げられる。1種または複数種選択して用いることが出来る。凝固液中における凝固剤の濃度は、無水物換算で0.5〜5%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜4%である。
前記凝固液には、添加剤として、例えば、顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、可塑剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の助剤を適宜添加することができる。
本発明において用いられる基材は、アンダー層、インク受理層および光沢発現層が塗工できる紙基材であれば特に限定されない。しかし、光沢発現層をキャスト処理する際に発生する蒸気をシート裏面に移動させ、光沢発現層を乾燥するために、紙基材の透気性或いは通気性が必要であり、これは鏡面ドラムからの光沢発現層の離型性を決める重要な要因である。したがって、一般には天然パルプを主成分とする紙基材が好ましい。ただし、透気性或いは通気性を有しているものであれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、ポリウレタン等の合成樹脂を繊維化した後に基材に形成したものでも使用することができる。
好ましく用いられる紙基材を構成するパルプとしては、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。天然パルプとしては、通常製紙用に使用されるパルプ、即ち、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプ等が、いずれも使用可能である。また、白色度が高いメカニカルパルプであってもよい。更に、藁、エスパルト、バガス、ケナフ等の草類繊維、麻、楮、雁皮、三椏等の靱皮繊維、綿等より製造した非木材パルプでもよい。これらの中では通常工業的に最も多用される針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ針葉樹サルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプが好ましい。
パルプは抄紙適性ならびに、強度、平滑性、地合の均一性等といった紙の諸特性等を向上させるため、ダブルディスクリファイナー等の叩解機により叩解される。叩解の程度は、カナディアン スタンダード フリーネスで250ml〜550ml程度の通常の範囲で目的に応じて選択することが出来る。
叩解されたパルプスラリーは、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、または、丸網抄紙機等の抄紙機により抄紙されるが、この際、本発明では、通常抄紙に際して用いられるパルプスラリーの分散助剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、填料、サイズ剤、定着剤等の諸添加物は全て必要に応じて添加することが可能である。更に、必要であれはpH調節剤、染料、有色顔料、及び蛍光増白剤等も添加することが可能である。
また、本発明に好ましく用いられる紙基材は、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する液を、タブサイズ、サイズプレス、ゲートロールコーターあるいはフィルムトランスファーコーター等で塗工することも可能である。
前記水溶性高分子添加剤としては、例えば澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等、無水マレイン酸樹脂等の水溶性高分子、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性高分子接着剤等が用いられ、さらにこの他、サイズ剤として石油樹脂エマルジョン、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン等のディスパーションが挙げられる。その他の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ボウ硝等が、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコール等が、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が、pH調節剤として塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられ、その他染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
また、本発明に好ましく用いられる紙基材は、抄造中または抄造後、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。また、抄き合わせ等多層抄紙による紙基材を使用してもかまわない。紙基材の坪量は130〜280g/m2であると好ましい。
また、本発明のインクジェット材料は記録面にカラー印画され、反対面に印字や印刷を施されるはがきやカードに用いられることがある。その場合は反対面の文字等が記録面に透過して見えたりすると、美観要素が阻害されるため、透過をなるべく少なくする必要がある。そのためには、インクジェット材料の総坪量を厚くするのが好ましく、総坪量を150〜300g/m2とするのが好ましい。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。以下、配合量における部、%はすべて質量によるものである。
<基材の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、白色度90%)50部と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP、白色度90%)50部の混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで350mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これに填料としてタルク6部、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー0.5部、乾燥紙力増強剤としてポリアクリルアミド1.0部、カチオン化澱粉2.0部添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量150g/m2になるように抄造し、紙基材を作製した。
<アンダー層塗工液A>
顔料として焼成カオリン(ANSILEX;吸油量80ml/100g、エンゲルハード社製)100部、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で7.5部、リン酸エステル化澱粉(MS4600、日本食品化工社製)を固形分で7.5部を混合し、固形分濃度40%のアンダー層塗工液Aを調製した。
<アンダー層塗工液B>
顔料としてカオリン(カオブライト;吸油量37ml/100g、白石カルシウム社製)100部、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で7.5部、リン酸エステル化澱粉(MS4600、日本食品化工社製)を固形分で7.5部を混合し、固形分濃度40%のアンダー層塗工液Bを調製した。
<アンダー層塗工液C>
顔料として炭酸カルシウム(タマパール222H;吸油量47ml/100g、奥多摩工業社製)100部、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で7.5部、リン酸エステル化澱粉(MS4600、日本食品化工社製)を固形分で7.5部を混合し、固形分濃度40%のアンダー層塗工液Cを調製した。
<アンダー層塗工液D>
顔料として合成非晶質シリカ(ファインシールX−60;吸油量240ml/100g、トクヤマ社製)100部、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で7.5部、リン酸エステル化澱粉(MS4600、日本食品化工社製)を固形分で7.5部を混合し、固形分濃度40%のアンダー層塗工液Dを調製した。
<インク受理層塗工液A>
合成非晶質シリカ(サイロイド74X6500;吸油量200ml/100g、グレースデビソン社製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ社製)20部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で10部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001、住友化学工業社製)を固形分で10部を水に配合し、均一分散して固形分濃度16%のインク受理層塗工液Aを調製した。
<インク受理層塗工液B>
合成非晶質シリカ(ミズカシルP752;吸油量160ml/100g、水澤化学工業社製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ社製)20部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で10部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001、住友化学工業社製)を固形分で10部を水に配合し、均一分散して固形分濃度16%のインク受理層塗工液Bを調製した。
<インク受理層塗工液C>
合成非晶質シリカ(ファインシールX60;吸油量240ml/100g、トクヤマ社製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ社製)20部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で10部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001、住友化学工業社製)を固形分で10部を水に配合し、均一分散して固形分濃度16%のインク受理層塗工液Cを調製した。
<インク受理層塗工液D>
合成非晶質シリカ(ニップジェルAY200;吸油量280ml/100g、東ソー・シリカ社製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ社製)20部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で10部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001、住友化学工業社製)を固形分で10部を水に配合し、均一分散して固形分濃度16%のインク受理層塗工液Dを調製した。
<インク受理層塗工液E>
合成非晶質シリカ(サイロジェットP407;吸油量320ml/100g、グレースデビソン社製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ社製)20部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で10部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001、住友化学工業社製)を固形分で10部を水に配合し、均一分散して固形分濃度16%のインク受理層塗工液Eを調製した。
<インク受理層塗工液F>
合成非晶質シリカ(ニップジェルAZ204;吸油量355ml/100g、東ソー・シリカ社製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ社製)20部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で10部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001、住友化学工業社製)を固形分で10部を水に配合し、均一分散して固形分濃度16%のインク受理層塗工液Fを調製した。
<インク受理層塗工液G>
炭酸カルシウム(タマパール222H;吸油量47ml/100g、奥多摩工業社製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ社製)20部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226、大日本インキ化学工業社製)を固形分で10部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001、住友化学工業社製)を固形分で10部を水に配合し、均一分散して固形分濃度16%のインク受理層塗工液Gを調製した。
<光沢発現層塗工液A>
コロイダルシリカ(スノーテックスST−PS−M−AK:平均粒子径150nm、日産化学工業社製)50部、擬ベーマイト構造で平均粒子径50nmのアルミナ水和物を50部、カチオン性アクリル樹脂エマルジョン(ガラス転移温度60℃)10部、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)10部、離型剤(ノニオン性オレイン酸乳化物)3部を混合し、均一分散して固形分濃度20%の光沢発現層塗工液Aを調製した。
<光沢発現層塗工液B>
コロイダルシリカ(スノーテックスST−AK−YL:平均粒子径70nm、日産化学工業社製)50部、擬ベーマイト構造で平均粒子径50nmのアルミナ水和物を50部、カチオン性アクリル樹脂エマルジョン(ガラス転移温度60℃)10部、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)10部、離型剤(ノニオン性オレイン酸乳化物)3部を混合し、均一分散して固形分濃度20%の光沢発現層塗工液Bを調製した。
<光沢発現層塗工液C>
コロイダルシリカ(MP3040:平均粒子径300nm、日産化学工業社製)50部、擬ベーマイト構造で平均粒子径50nmのアルミナ水和物を50部、カチオン性アクリル樹脂エマルジョン(ガラス転移温度60℃)10部、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)10部、離型剤(ノニオン性オレイン酸乳化物)3部を混合し、均一分散して固形分濃度20%の光沢発現層塗工液Cを調製した。
<光沢発現層塗工液D>
コロイダルシリカ(MP4540:平均粒子径450nm、日産化学工業社製)50部、擬ベーマイト構造で平均粒子径50nmのアルミナ水和物を50部、カチオン性アクリル樹脂エマルジョン(ガラス転移温度60℃)10部、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)10部、離型剤(ノニオン性オレイン酸乳化物)3部を混合し、均一分散して固形分濃度20%の光沢発現層塗工液Dを調製した。
<光沢発現層塗工液E>
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B;平均粒子径3.8μm、トクヤマ社製)50部、擬ベーマイト構造で平均粒子径50nmのアルミナ水和物を50部、カチオン性アクリル樹脂エマルジョン(ガラス転移温度60℃)10部、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)10部、離型剤(ノニオン性オレイン酸乳化物)3部を混合し、均一分散して固形分濃度20%の光沢発現層塗工液Eを調製した。
<凝固液の調整>
蟻酸カルシウム4%を含有した凝固液を調整した。
紙基材の一方の面に、アンダー層塗工液Aをエアナイフコーターにより乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗布、乾燥を行った。こうして得たアンダー層上に、インク受理層塗工液Aをエアナイフコーターを用いて、乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗布、乾燥した。こうして得たインク受理層の上に光沢発現層塗工液Aをエアナイフコーターを用いて乾燥後の塗工量が5g/m2となるように塗布し、塗工面が湿潤状態にある内に凝固液で処理した後、100℃に加熱されたキャストドラムに圧接し乾燥する凝固法によりキャスト処理して、実施例1のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、インク受理層塗工液Aの代わりにインク受理層塗工液Bを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、インク受理層塗工液Aの代わりにインク受理層塗工液Cを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、インク受理層塗工液Aの代わりにインク受理層塗工液Dを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、インク受理層塗工液Aの代わりにインク受理層塗工液Eを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例5のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、インク受理層塗工液Aの代わりにインク受理層塗工液Fを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例6のインクジェット記録材料を得た。
実施例1で得られたインク受理層の上に、光沢発現層塗工液Aをエアナイフコーターを用いて乾燥後の塗工量が5g/m2となるように塗布、乾燥した。その後、光沢発現層に水を塗布して、塗工面が湿潤状態にある間に、表面温度100℃に加熱されたキャストドラムに圧接し乾燥するリウエット法によりキャスト処理して、実施例7のインクジェット記録用材料を得た。
実施例1で得られたインク受理層の上に、光沢発現層塗工液Aをエアナイフコーターにて乾燥塗工量5g/m2となるように塗工し、光沢発現層塗液が湿潤状態にある間(2秒後)に、表面温度90℃に加熱されたキャストドラムに圧接し乾燥する直接法によりキャスト処理して、実施例8のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、光沢発現層塗工液Aの代わりに光沢発現層塗工液Bを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例9のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、光沢発現層塗工液Aの代わりに光沢発現層塗工液Cを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例10のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、光沢発現層塗工液Aの代わりに光沢発現層塗工液Dを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例11のインクジェット記録材料を得た。
(比較例1)
実施例1において、アンダー層塗工液Aの代わりにアンダー層塗工液Dを使用した以外は実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録材料を得た。
(比較例2)
実施例1において、アンダー層塗工液Aの代わりにアンダー層塗工液Cを使用した以外は実施例1と同様にして、比較例2のインクジェット記録材料を得た。
(比較例3)
実施例2において、アンダー層塗工液Aの代わりにアンダー層塗工液Bを使用した以外は実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット記録材料を得た。
(比較例4)
実施例1において、インク受理層塗工液Aの代わりにインク受理層塗工液Gを使用した以外は実施例1と同様にして、比較例4のインクジェット記録材料を得た。
(比較例5)
実施例1において、光沢発現層塗工液Aを設けず、キャスト処理をしなかった以外は実施例1と同様にして、比較例5のインクジェット記録材料を得た。
(比較例6)
実施例1において、光沢発現層塗工液Aの代わりに光沢発現層塗工液Eを使用した以外は実施例1と同様にして、比較例6のインクジェット記録材料を得た。
(比較例7)
実施例1において、インク受理層塗工液Aを設けなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例7のインクジェット記録材料を得た。
(比較例8)
実施例1において、アンダー層塗工液Aを設けなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例8のインクジェット記録材料を得た。
以上、実施例1〜11及び比較例1〜8のインクジェット記録材料について、下記の評価方法により評価し、その結果をまとめて表1に示す。
<表面光沢度>
JIS Z8741に準じて、入射角度75度として、変角光沢度計(日本電色工業製VGS−1001DP)にて測定した。
<写像性>
JIS H8686で規定される像鮮明度(C)として求めた。写像性測定装置(スガ試験機製ICM−1DP)を用いて、光学くしの幅は2.0mmのものを用い、反射角度60度で最高波形(M)及び最低波形(m)を読み取り、C=(M−m)/(M+m)×100として像鮮明度を求めた。写像性の像鮮明度として、70%以上は見た目の光沢感が高く、印画紙ライクな美観要素に優れていることを示す。
<光沢発現層の面質>
実施例および比較例で作製した用紙の光沢発現層の面質について、下記の基準で従い、目視にて評価した。
◎:全く欠点が見られず、面質が良好である。
○:面が荒れた箇所が数カ所見られるが、概ね面質は良好である。
△:全体的に面が荒れている、あるいはクレーター状のボコツキが数カ所見られる。
×:クレーター状のボコツキが多発している、あるいは上層のインク受理層の剥がれている箇所があり、実用不能である。
<インク吸収性>
インクジェット記録装置(BJS700、キヤノン社製)を用いて、シアンインク、マゼンタインクからなる混色ベタパターン中に白線(非印字部)の格子パターンを作成し、格子へのインクの滲み出しについて、下記基準に従い、目視にて評価した。
◎:格子が完全にクリアーである。
○:格子のほんの一部にインクの滲み出しが見られる。
△:格子が狭くなり、インクの滲み出しが全般的に見られる。
×:インクの滲み出しにより、格子が欠如していて、実用不能である。
Figure 2005280149
表1より、本発明の実施例1〜11の紙基材上に、顔料と接着剤を主成分とした、アンダー層、インク受理層、光沢発現層を順次積層したインクジェット記録材料であって、該アンダー層の顔料が焼成カオリンを主成分として含有し、該インク受理層の多孔性顔料が主成分として焼成カオリンの2〜5倍の吸油量を有する顔料を主成分として含有し、該光沢発現層の顔料が平均粒子径500nm以下の無機超微粒子を主成分として含有し、かつ該光沢発現層がキャスト処理法により形成された層であることを特徴とするインクジェット記録材料は、インクジェット記録適性に優れ、インクの吸収性に優れ、かつ、銀塩写真用印画紙並の光沢度と、写像性が得られ、ボコツキが無く良好である。
一方、本発明外の比較例1〜3のアンダー層に、焼成カオリン以外の顔料を使用した場合、面質や写像性もしくはインク吸収性が低下する。また、実施例4のように、インク受理層に、焼成カオリンの吸油量2倍未満の顔料を使用した場合、インク吸収性は大幅に低下する。比較例5のように、光沢発現層を設けず、さらにキャスト処理をしなかった場合、写像性や光沢感が全く得られず、面質が悪い。また、比較例6のように、光沢発現層に平均粒子径の大きい顔料を使用した場合、面質は悪化し、写像性も低下する。比較例7のように、インク受理層を設けなかった場合、インク吸収性は大幅悪化し、さらに面質も悪化する。また、比較例8のように、アンダー層を設けなかった場合、面質は大幅に悪化し、インク吸収性も低下し、いずれにおいても、満足するものは得られなかった。

Claims (7)

  1. 紙基材上に、顔料と接着剤を主成分とした、アンダー層、インク受理層、光沢発現層を順次積層したインクジェット記録材料であって、該アンダー層の顔料が焼成カオリンを主成分として含有し、該インク受理層の多孔性顔料が主成分として焼成カオリンの2〜5倍の吸油量を有する顔料を主成分として含有し、該光沢発現層の顔料が平均粒子径500nm以下の無機超微粒子を主成分として含有し、かつ該光沢発現層がキャスト処理法により形成された層であることを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 該アンダー層の接着剤として、澱粉誘導体とラテックスを主成分として含有する請求項1記載のインクジェット記録材料。
  3. 該澱粉誘導体が、変性澱粉であること特徴とする請求項2記載のインクジェット記録材料。
  4. 該変性澱粉が、リン酸エステル化澱粉であること特徴とする請求項3記載のインクジェット記録材料。
  5. 該インク受理層が接着剤として、変性ポリビニルアルコールとラテックスを主成分として含有する請求項1〜4いずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
  6. 該変性ポリビニルアルコールが、シラノール変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録材料。
  7. 該キャスト処理法が、凝固法である請求項1〜6いずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
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JP2012006264A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Oji Paper Co Ltd 顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法

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