JP4893288B2 - 光沢インクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録方式に適用する記録用紙を製造する方法に関する。更に詳しくは、表面をキャスト方式により仕上げられている光沢インクジェット記録用紙の製造方法に関する。
水性インクを微細なノズルから記録用紙に向かって噴出し、該シートの記録面上に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少ないこと、フルカラー画像の形成が容易であること、高速記録が可能であること、および、他の印刷装置より記録コストが安価であることなどの理由により、端末プリンター、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷等で広く利用されている。
一方、プリンターの急速な普及と、高精細・高速化と、さらにはデジタルカメラの登場とにより、インクジェット記録用紙にも特性の高度化が要求されている。すなわち、インク吸収性、記録濃度、耐水性、耐光性に優れ、かつ銀塩方式の写真に匹敵する画質および光沢と保存性とを兼ね備えたインクジェット記録用紙が強く求められている。さらには、インクジェット記録用紙におけるインク受容層のひび割れ防止、折り割れ防止も求められている。
さらに、インクジェット記録方式の広範な普及に伴い、適度な光沢感を有し比較的低コストのインクジェット記録用紙、すなわち、コストパフォーマンスの優れたインクジェット記録用紙の要望も高まっている。
支持体上に、微細粒子を含有するインク受容層を塗工したインクジェット記録用紙は、インク吸収性が良好で、また微細粒子からなるインク受容層は透明性が高いためインクの発色が鮮明で、高い印字濃度が得られる。だが支持体上に微細粒子を含有するインク受容層を塗工するだけでは、塗工乾燥の工程でインク受容層が乾燥する際、塗工層が収縮してひびわれが発生しやすく、平滑性が低下して光沢感が低下したり、印刷の際ひびわれに沿って印字にニジミが生じたり、あるいは印字の均一性が低下するとの問題があった。
ひびわれの防止のためには、インク受容層のバインダー成分を増量することもできるが、この方法では、インク受容層のインク吸収速度も低下するため、プリンターから吐出されるインクを即座に吸収できないために、印字にじみが生じて印字品質を低下させるとの問題がある。
またインク受容層の塗工量を増やして対応した場合には、出来上がったインクジェット記録用紙が厚ぼったくなる、あるいは剛直になり折われしやすいなど不都合がある。
このため、支持体上に予めインク受容層形成用塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む処理液を塗布したのち、インク受容層を設けることで、インク受容層のヒビワレの発生を防止する方法がすでに提案されている。
特許文献1には、ほう砂又はほう酸を片面あたり0.1g/m以上塗工してなる基紙の一方の面に合成シリカを主成分とする顔料とポリビニルアルコールを主成分とするバインダーからインク受容層を形成したインクジェット記録用紙が開示されている。だが合成シリカを主成分とする顔料とポリビニルアルコールの組み合わせでは、顔料粒子が大きくまた不揃いであるために、光沢が得られにくく、またほう砂またはほう酸の浸透ムラから印字品質の均一性が低下するとの問題があった。
特許文献2には、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上および紙表面処理剤により表面処理した基材の、該処理表面上に、ベーマイトおよびポリビニルアルコールを含有する多孔質インク吸収層を有することを特徴とする記録用紙が開示されている。
また、特許文献3には、支持体上に色材受容層を有するインクジェット記録用シートにおいて、少なくとも支持体と色材受容層との間の該支持体上に、ホウ酸又はホウ素化合物が支持体の一方の表面当り0.1g/m以上塗工され、前記色材受容層が、平均一次粒子径20nm以下の無機顔料微粒子と水溶性樹脂とを含んで構成され、空隙率50〜80%の三次元網目構造を有しするインクジェット記録用シートが開示されている。
また、特許文献4には、a)高分子バインダーおよびボラートまたはボラート誘導体を含んでなる下塗り層であって、前記ボラートまたはボラート誘導体が3〜50g/mの量で存在しており、そして前記高分子バインダーの前記ボラートまたはボラート誘導体に対する質量比が0.2:1〜2:1である下塗り層、並びにb)ヒドロキシル基を含有している架橋性ポリマーおよび粒子を含んでなる画像受容層であって、前記架橋性ポリマーが20〜150g/mの量で存在しており、そして前記架橋性ポリマーの前記粒子に対する質量比が10:90〜30:70である画像受容層、を担持している基材を含んでなるインクジェット記録要素が開示されている。
また、特許文献5には、支持体に、或いは支持体上に形成された下塗り層上に、架橋剤を塗布し、顔料と架橋剤と架橋するバインダーを塗布したインク受容層、およびキャスト層を形成するインクジェット記録体が開示されている。
これらの方法では、インク受容層が透気性支持体に浸透することは防ぐものの、透気性支持体上に塗工した架橋剤液が支持体に浸透してしまい、必要なゲル化ないし増粘する作用が発揮されないと問題があった。あるいは支持体が紙支持体である場合には、紙のサイズ性のムラから、処理液の浸透状態にもムラができ、これに起因してインク受容層のインク吸収性や印字品質のムラ(たとえばインクジェット記録用紙の全面に印刷した時に、印字濃度の均一性が得られない)などの問題があった。
そして、そのようなインク受容層をキャスト仕上げしたり、キャスト法により更に光沢発現層を形成した場合、光沢性は示すものの、インク吸収性や印字品質のムラが発生した。
特公平7−37175号公報 特開平11−291621号公報 特開2001−246832号公報 特開2003−205679号公報 特開2006−142748号公報
本発明の課題は、支持体上に、微細粒子を含有するインク受容層を塗工したインクジェット記録用紙において、インク吸収性が優れ、高い印字濃度が得られ、しかもキヤスト法による光沢処理を施すことで、銀塩写真印画紙に匹敵する、表面の平滑性と光沢を有するインクジェット記録用紙の製造方法を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、透気性支持体上に、少なくとも1層の平均粒子径5nm以上700nm以下の微細粒子を含有するインク受容層を形成し、該インク受容層の最表層をキャスト法で形成する、光沢インクジェット記録用紙の製造方法において、該支持体上にインク受容層を塗工して設けるに先立ち、インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む処理液を支持体上に塗工し、さらにインク受容層形成用塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む処理液中に粘度調整剤を配合して、粘度を2mPas〜20mPas(B型粘度計)することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明の光沢インクジェット記録用紙の製造方法は、以下のとおりである。
(1)透気性支持体上に、少なくとも1層の平均粒子径5nm以上700nm以下の微細粒子を含有するインク受容層を形成し、該インク受容層の最表層をキャスト法で形成する、光沢インクジェット記録用紙の製造方法において、透気性支持体上にインク受容層形成用塗工液を塗工するに先立ち、インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する材料と粘度調整剤としてセルロース誘導体を含む前処理液を、透気性支持体上に塗工することを特徴とする光沢インクジェット記録用紙の製造方法である。
(2)透気性支持体上に、少なくとも1層の平均粒子径5nm以上700nm以下の微細粒子を含有するインク受容層と、光沢発現層を形成し、この最表面をキャスト法により処理する、光沢インクジェット記録用紙の製造方法において、透気性支持体上にインク受容層形成用塗工液を塗工するに先立ち、インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する材料と粘度調整剤としてセルロース誘導体を含む前処理液を、透気性支持体上に塗工することを特徴とする光沢インクジェット記録用紙の製造方法である。
(3)前処理液の粘度が、2mPas〜20mPas(B型粘度計)である(1)または(2)に記載の光沢インクジェット記録用紙の製造方法である。
(4)インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する材料がホウ酸および/またはホウ砂であり、かつインク受容層形成用塗工液にポリビニルアルコールを含有することを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載の光沢インクジェット記録用紙の製造方法。
(5)粘度調整剤としてのセルロース誘導体が、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種類以上を含むことを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載の光沢インクジェット記録用紙の製造方法である。
)前処理液中に、界面活性剤を含むことを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載の光沢インクジェット記録用紙の製造方法である。
本発明のインクジェット記録用紙の製造方法により、インク吸収性が優れ、高い印字濃度が得られ、しかもキヤスト法による光沢処理を施すことで、銀塩写真印画紙に匹敵する、表面の平滑性と光沢を有するインクジェット記録用紙を得ることができる。
[透気性支持体]
支持体としては、インクジェット記録用紙用として使用できる公知のシート状基材(透気性支持体)であれば特に限定するものではない。透気性は、キャスト処理工程で支持体やインク受容層や光沢発現層の乾燥に伴って蒸発する水分の拡散を遮断しない範囲であれば特に限定しないが、概ね王研式透気度で5000秒以下である。短いと水分の蒸発と拡散が早すぎて、良好な光沢面が得られないことがある。一方長すぎても乾燥と拡散に長い時間を要して生産性が低下するなどの不都合が生じる。好ましくい50〜2000秒の範囲である。
透気性支持体の代表例として紙基材を例示するが、紙基材に限定するものでなく、不織布、プラスチックフィルム、合成紙などで透気性を有するものも使用できる。
紙基材で使用するパルプの製法や種類等は特に限定されない。広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、KP、SPのような化学パルプ、GP、SGP、RGP、TMP、BCTMP、CTMP等の機械パルプや、脱墨パルプのような古紙パルプ、あるいはケフナ、竹、藁、麻等のような非木材パルプ、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリノジック繊維等の有機合成繊維、さらにはガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機質繊維も使用することができる。
また紙基材中には、必要に応じて、填料を配合することができる。填料は、特に限定するものではないが、一般に上質紙に用いられる各種の顔料、例えばカオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂並びにそれらの微小中空粒子等の有機顔料が挙げられ、その1種類や複数を選択して配合することができる。填料の配合量は特に限定されないが、通常5重量%乃至30重量%の範囲である。5重量%より少ないと紙基材の不透明度が低く、できあがった塗工紙の不透明度も低くなることがある。一方30重量%を超えると、紙基材の剛度が低下する、あるいは紙の内部結合強さが過度に低下するなどの不都合が生じることがある。
さらに紙基材にはパルプや填料の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤、内添サイズ剤等の各種抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することができる。さらに染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤も用途に応じて適宜添加することも差し支えない。
抄紙方法については特に限定するものではない。例えば抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙法、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を含み抄紙pH約6の弱酸性から抄紙pH約9の弱アルカリ性の中性抄紙法等の全ての抄紙方法に適用することができる。また抄紙マシンも長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機を適宜使用することができる。
紙基材は、抄紙マシンのサイズプレス工程で、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、スルフォン化スチレン樹脂、第4級アンモニウムクロライド、酸化カルシウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化カルシウム、各種表面サイズ剤などを配合したサイズプレス液を、紙基材に公知の方法により塗工する。
紙基材は、王研式平滑度が50秒〜500秒であることが望ましい。王研式平滑度(J.TAPPI No.5)が500秒を越えると、塗工の工程でストリークが発生する、あるいは塗料の付着が悪くなるなど操業性が低下することがある。白色度は、インクジェット記録の発色の鮮明さと、白紙のみばえから、85%以上であることが好ましい。不透明度(JIS P8135)は、インクジェット記録のスループリント(印刷した記録用紙を2枚以上重ねた時に、下のシートの印字が透けてみえる現象)を防止するために、85%以上あることが好ましい。
色相は、概ね白色であることが、印字の発色性から好ましい。
サイズ性は、前処理液を均一に塗工するために重要である。その値はステキヒトサイズ度で5秒〜500秒であることが好ましい。5秒より少ないと、該前処理液の急速に支持体に吸収され、塗工量が過度になるばかりか、インク吸収性が低下して、印字ニジミが生じるなど不都合が生じる。一方、500秒を超えると該前処理液がなかなか浸透しないで乾燥が遅くなるために、塗工機の生産性が低下するなどの問題がある。また出来上がったインクジェット記録用紙のインク吸収性が低下するとの問題もある。またコブサイズ度は、同様の理由によって20ml/m〜500ml/mであること好ましい。
[前処理液]
第1発明、第2発明は、前処理液が、インク受容層の組成成分と架橋する能力を有してインク受容層塗工液をゲル化ないし増粘することできる材料の1種類以上を含有し、且つ粘度調整剤として特定の材料を含む必要がある。
第3発明、第4発明は、前処理液が、インク受容層の組成成分と架橋する能力を有してインク受容層塗工液をゲル化ないし増粘することできる材料の1種類以上を含有し、且つ前処理液の粘度が特定の範囲にあるもの必要がある。
<ゲル化ないし増粘する作用を有する材料>
本発明における、インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する材料(以下、ゲル化剤ともいう。)としては、例えば、ホウ素化合物、エポキシ化合物、グリシジル化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、クロム化合物等が挙げられる。これらの中でも、後述の水溶性樹脂としてのポリビニルアルコールと組み合わせた場合、ゲル化ないし増粘する進行が速いことから、ホウ素化合物が好ましく、ホウ酸および/またはホウ砂がより好ましい。
ホウ酸としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸等が挙げられる。また、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩であってもよい。これらの中でも、オルトホウ酸と四ホウ酸二ナトリウムが好ましい。
ホウ砂とは、ナトリウムの含水ホウ酸塩鉱物であり、その組成はNa・10HOである。実質的にはNa(四ホウ酸二ナトリウム)が架橋剤成分である。
ゲル化剤の濃度は、使用する材料により一概に言えないが0.001〜20質量%程度である。ゲル化剤が0.001質量%以上であれば、後述のインク受容層に用いる水溶性樹脂を充分にゲル化ないし増粘することができる。一方、20質量%以下であれば、過度なゲル化ないし増粘することを防ぐことができる。
<粘度調整剤>
粘度調整剤は、これを添加することにより前処理液の粘度が増大するものであればよく、例えばゼラチン、バイオガム、セルロース誘導体、グアーガム類、アルギン酸ソーダ、ポリアクリル酸等が挙げられる。
バイオガムとしては、例えば、キサンタンガム、ウエランガム、ジェランガム等が挙げられる。セルロース誘導体としては、例えば、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等が挙げられる。グアーガム類としては、例えば、グアーガム、ヒドロキシプロピル化グアーガム、カチオン化グアーガム等が挙げられる。
本発明において粘度調整剤は、前処理液における粘度が比較的高くてゲル化強度が比較的低いというバランスの点でセルロース誘導体を使用する。セルロース誘導体の重合度は、該処理液の粘度調整が比較的容易である点で500〜2000が好ましく、800〜1800がより好ましい。中でも、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種類以上を含むことが好ましい。
本発明において、前処理液における粘度調整剤の含有量は、前処理液の粘度が所望の範囲となるように設定され、特に制限されないが、少量の添加で所望の粘度に達する場合は、粘度の微調整が難しいため好ましくない。一方、粘度調整剤の添加量が多すぎるとインク吸収性が低下する。したがって、例えば、ゲル化剤100質量部に対して1〜100質量部の範囲内で用いることが好ましい。
<前処理液の粘度>
本発明における前処理液の粘度は、2mPas〜20mPasである。さらに5mPas〜10mPasであることが好ましい。この粘度は東機産業株式会社製「B型粘度計BL型」を用い、液温23℃、60rpmの条件で測定して得られる値である。前処理液の粘度が2mPas未満であると、前処理液を支持体上に均一に塗りつけることが難しく、また支持体への浸透が不均一になりやすく、塗工ムラができやすいとの不都合が生じる。一方、20mPasを超えると、該前処理液が支持体表面から内部に浸透しにくくなり、表面が濡れたままになるため、連続してインク受容層を塗工する場合には、塗工まで待ち時間が必要になるため生産速度が低下するか、あるいは塗工装置のラインを長くする必要が生じる。あるいはいったん支持体を巻き取って保管した後に、インク受容層を塗工する場合でも、乾燥に長時間を要し生産性が低下するとの問題がわかった。
粘度の調節方法は、特に限定するものではないが、上記粘着調整剤を用いることが好ましい。
<界面活性剤>
前処理液中に、支持体表面における該前処理液のハジキが抑える目的で、界面活性剤を添加することができ、添加することが好ましい。界面活性剤の添加は、粘度調整剤の使用により前処理液の粘度が高くなっても塗工の均一性を確保できる。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれであってもよい。アニオン系界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルフォン酸塩系、リン酸エステル塩系等が挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、例えば、アミン塩系、4級アンモニウム塩系等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系、ポリエチレングリコール系(高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンおよび脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物等)、多価アルコール系(グリセリンおよびペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アルカノールアミド)等が挙げられる。
上記界面活性剤の中でも、インクジェットプリンターのインクとの親和性が高いことから、ノニオン系界面活性剤が好ましく、さらには、ノニオン系界面活性剤の中でも、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤は、分子中にアセチレン性三重結合を形成する互いに隣接した炭素原子に酸素原子が結合されているため、ノニオン性でありながら、非常に強い極性を有している。そのため、少量の添加でも表面活性効果が高く、支持体表面における該処理液の濡れ性を向上させることができる。また、一般的に、界面活性剤は気泡形成性が強いため、泡立ちという問題を生ずるが、アセチレングリコール系界面活性剤は消泡性を有しており、泡立ちを抑制できる。
アセチレングリコール系界面活性剤は、分子中にアセチレン結合とアルコール性水酸基とを有する化合物であり、その中でも、アルキニレングリコール化合物とエチレンオキサイドとの付加反応生成物が好ましい。特に好ましいアセチレングリコール系界面活性剤は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールにエチレンオキサイドを付加した化合物であって、下記式(1)により表される化学構造を有する化合物である。とりわけ、式(1)において、m+nが6以下であることが好ましく、m+nが2〜5であることがより好ましい。m、nは整数であるが、平均値は勿論整数でない場合がある。
Figure 0004893288
前処理液中の界面活性剤含有量は、ゲル化剤100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましい。界面活性剤の含有量が、ゲル化剤100質量部に対して0.001質量部以上であれば、支持体表面に対する前処理液の濡れ性を充分に確保することができる。一方、10質量部以下であれば、塗工後のブロッキングや裏面への転移といった問題が発生しにくい。
<その他の成分>
前処理液中に微細粒子を少量含有させることもできるが、平滑性を高めたり、光沢感を高めるためには含有しないかあってもより少ないことが好ましい。
微細粒子の塗工量は1.0g/m以下であることが好ましい。微細粒子の塗工量が1.0g/mを超えると微細粒子が支持体から剥離しやすくなり工程で紙粉が発生するため、バインダーを併用して結着する必要になり、バインダーの種類によっては、ゲル化剤と反応して、該前処理液の粘度が著しく高くなり塗工することが困難になる。
前処理液には溶媒を適宜含んでいてもよい。前処理液は、例えばゲル化剤を溶媒に溶解させた架橋剤溶液、界面活性剤を溶媒に溶解させた界面活性剤溶液、および粘度調整剤を溶媒に溶解させた粘度調整剤溶液を混合することによって調製される。溶媒としては、例えば、水または水に有機溶剤が少量添加された水系溶媒が挙げられる。
<塗工方法>
透気性支持体への前処理液の塗工手段としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スライドビードコーター等が挙げられる。
前処理液は、ゲル化剤の塗工量が固形分換算で0.1〜3.0g/mとなるように塗工することが好ましい。塗工量が0.1g/m以上であればインク受容層の強度十分に確保できる。一方、該材料の塗工量が3.0g/m以下であれば、水溶性樹脂の過度な架橋を防ぎ、インク受容層の折り割れを防止できる。
<乾燥方法>
支持体上に前処理液を塗工した後、該処理液中の溶媒を積極的に除去する乾燥工程を行うことが好ましい。乾燥後、一旦巻き取って保管してもよい。塗工した前処理液を乾燥させずに、その上にインク受容層形成用塗工液を塗工することもできるが、その場合、インク受容層形成用塗工液を塗工すると直ちにインク受容層中の水溶性樹脂が架橋するため、例えばインク受容層形成用塗工液の塗工手段としてダイコーターを用いると架橋物がヘッドに詰まり易いなど、塗工を適性に行うのが難しい場合がある。
乾燥方法としては特に制限されず、例えば、熱風による乾燥、赤外線照射による乾燥等を適用できる。
特に本発明では、粘度が上記の範囲に調整された前処理液を用いるため、熱風による乾燥を行う際に、熱風により支持体上の該処理液が吹き飛ばされ難く、塗工面がさざ波状になる現象が抑えられる。したがって、熱風を強くして高速乾燥を行うことが可能である。
ゲル化剤としてホウ砂を用いる場合には、該前処理液の粘度を上記の範囲に調整したことにより、乾燥後の保湿性が向上し、保管中にホウ砂が結晶化して析出するのを抑制できるという効果も得られる。
「インク受容層の形成」
上記前処理液を塗工した後、次工程として、前処理液を塗工した面に、前記のゲル化剤と接触してゲル化する能力を有する水溶性樹脂と、微細粒子とを含有するインク受容層形成用塗工液を塗工してインク受容層を形成する。
<微細粒子>
微細粒子としては、例えば、非晶質シリカ(湿式法及び乾式法によって製造される合成非晶質シリカ、及びアルミナ等によるカチオン変性シリカを含む)、非晶質シリカとカチオン性化合物を混合し凝集させることによって得られる非晶質シリカ−カチオン性化合物凝集体粒子、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナおよびアルミナ水和物、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等が挙げられる。これらの中でも、光沢性、インク吸収性のバランスが取り易い点から、非晶質シリカ、非晶質シリカとカチオン性化合物を混合し凝集させることによって得られる非晶質シリカ−カチオン性化合物凝集体粒子、アルミノシリケート、アルミナ、アルミナ水和物を用いることが好ましい。
インク受容層で用いる微細粒子は平均粒子径5nm以上700nm以下である。700nm以下とすることで光沢性が優れ、5nm以上とすることによりインク吸収性が優れる。平均粒子径は、一次粒子として塗工液中に存在している場合は一次粒子の径を、一次粒子が凝集した二次粒子として塗工液中に存在している場合は二次粒子の径である。二次粒子の平均粒子径(平均二次粒子径)の調整は、たとえば機械的手段で強い力を施す方法、所謂breakingdown法(塊状原料を細分化する方法)により行なうことができる。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、液流衝突式ホモジナイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、乳鉢、擂解機(鉢状容器中の被粉砕物を、杵状攪拌棒で磨砕混練する装置)、サンドグラインダー、ナノマイザー等が挙げられる。粒子径を小さくする為に、分級と粉砕とを繰り返して施すことができる。
<水溶性樹脂>
前記のゲル化剤と接触しゲル化ないし増粘可能な水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、澱粉、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルアクリルアミド及びポリビニルピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、インク吸収性、耐水性、ひび割れ防止の点から、ポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールは、重合度が3000〜5000であることが好ましい。重合度が3000未満では、得られるインク受容層の耐水性が不充分になる傾向にあり、5000を超えるものは、実用上、入手が困難である。
水溶性樹脂は、微細粒子100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部の範囲で使用される。水溶性樹脂とゲル化剤の質量比は、20:1〜1:20が好ましく、10:1〜1:10がより好ましい。質量比をこの範囲内とすることにより、ひび割れ防止、耐経時
ニジミおよびインク吸収性により優れるインクジェット記録用紙が得られる。
インク受容層の塗工量は、5〜50g/mの範囲である。5g/mより少ないと吐出したインクを吸収できないで、印字がニジミが生じるとの不都合がある。また50g/mより多いと、出来上がった記録用紙が厚つぼったくなるばかりでなく、カールが大きかったり、シートが剛直で折われが劣るとの問題が生じる。好ましい範囲は10〜40g/mの範囲である。本発明のインク受容層は同等の機能が発揮されば、2層以上を分割して重ねて塗工することも差し支えない。
[その他の成分]
インク受容層形成用塗工液には、本発明の目的が達成される範囲内において、例えば、水分散性樹脂(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、イソプレン、ネオプレン(登録商標)、ポリブタジエン等のポリジエン類、アクリル系重合体ラテックス、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類ラテックス、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等)等のような、一般に塗工紙分野で用いられている各種接着剤が含まれていてもよい。
また、インク受容層形成用塗工液には、カチオン性化合物が含まれていてもよい。カチオン性化合物としては、例えば、ポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。カチオン性化合物の含有量としては、微細粒子100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
さらに、インク受容層形成用塗工液には、各種分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が含まれていてもよい。
<塗工方法、乾燥方法>
上述の支持体上へのインク受容層形成用塗工液の塗工方法および乾燥方法としては、前処理液の塗工方法および乾燥方法と同様の方法が適用できる。
本発明において、支持体上に形成されるインク受容層が1層であっても、良好なインク吸収性が得られるが、さらにその上にインク受容層を積層して形成することも可能である。
「キャスト仕上げ」
本発明は、インク受容層の最表層或いはインク受容層上に形成する光沢発現層をキャスト法により処理する。キャスト法は、処理する層が湿潤状態であるうちに、鏡面ドラム、離型性フィルムなどに圧接し、乾燥し、剥がしとることにより、処理する層表面に鏡面ドラムや離型性フィルムの面質を移しとる方法で、湿潤法、再湿潤法、凝固法などがある。
例えば、インク受容層上に微粒子と溶媒とを含有する光沢発現層形成用塗工液を塗工し、その塗工液を、湿潤状態にある間に、加熱した鏡面ドラムに圧着、乾燥して得るキャスト法を適用できる。鏡面ドラムから剥離しやすくするためは、光沢発現層形成用塗工液中に各種離型剤を適宜添加してもよい。離型剤の添加量は微粒子100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましいい。
「光沢発現層」
光沢発現層はインク受容層を形成したのち、必要応じて光沢発現層を形成することができる。光沢発現層を設けることにより、光沢性を更に向上することができる。光沢発現層は微粒子と、必要に応じて前述の水溶性樹脂およびまたはカチオン性樹脂化合物を含有することができる。
光沢発現層の微粒子は特に限定されないが、コロイダルシリカ、気相法シリカ、アルミナ酸化物は優れた光沢が得られるので好ましい。
光沢発現層は、光沢発現を主目的にするため、染料定着機能は必ずしも必要とするものではないが、カチオン性の微粒子を選択することにより、インク染料の定着性を高めることができる。カチオン性の微粒子としては、カチオン変性されたコロイダルシリカや気相法シリカ、またはアルミナ酸化物などが好ましい。アルミナ酸化物の中では、気相法(フュームド)アルミナ酸化物がより好ましい。
微粒子の形態は、コロイド上であることが好ましい。単分散体であっても、凝集微粒子分散体であってもよいが、高印字濃度、高光沢を得るために単分散体、もしくは凝集粒子分散体のなかでも粒子系径の小さいものが主に好ましく用いられる。具体的には、平均一次粒子径3〜100nm、平均(二次)粒子径700nm以下の粒子から選択することが好ましい。
光沢発現層は、インク吸収性を阻害しない限り、上記の水溶性樹脂や水分散性樹脂を適宜含有してもよい。また必要に応じて、カチオン性化合物を配合することもできる。
カチオン性化合物としては、例えば、ポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミンなどが挙げられる。
光沢発現層の塗工量は、0.1〜10g/mの範囲が好ましく、0.2〜5g/mの範囲がより好ましく、0.5〜2g/mがさらに好ましい。塗工量が少なすぎると塗膜が薄くなり光沢発現の効果が十分得られない、一方塗工量が多すぎると、インク吸収速度が著しく低下する、あるいは透明性が低下する恐れがある
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ質量部および質量%のことである。
(支持体:支持体A)
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)をフリーネス(CSF、JIS P−8121)が250mlになるまで叩解し、これとフリーネスが250mlになるまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%、内添填料として軽質炭酸カルシウムを添加し、十分に攪拌して分散させた。なお軽質炭酸カルシウムの配合量は出来上がった原紙の質量比で5%になるように調整した。
上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m、密度0.85g/cmの原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、ポリビニルアルコールと酸化澱粉とを1:3の質量比で混合し、これを水に加え、加熱溶解し、濃度5%に調製したものである。このサイズプレス液を原紙への吸収量は両面合計で50ml/mであった。
<微細顔料の調製:シリカゾルA>
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均一次粒子径10nm、比表面積300m/g、トクヤマ社製)をサンドミルにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均二次粒子径80nmの10%シリカ分散液を調製した。このシリカ分散液100部に、カチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−103、センカ社製)10部を添加し、シリカの凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径300nmの8%分散液を調製してシリカゾルAを得た。
<実施例1>
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液1をメイヤーバーで20g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で0.8g/mであった。
(前処理液1の調製)
ホウ砂5%水溶液100部と、カチオン化セルロース1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製))3部を混合攪拌して、これに水を加えて、濃度3.8%、粘度5mPasのゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む前処理液を調製した。
「インク受容層の形成」
上記前処理液塗工面に、下記インク受容層形成用塗工液1を、ダイコーターで塗工量が固形分換算で22g/mとなるように塗工し、ドライヤー温度100℃で2分間乾燥し、インク受容層を形成した。
(インク受容層形成用塗工液1の調製)
上記シリカゾルA 100部に、5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、濃度7.2%のインク受容層塗料1を調製した。
「キャスト処理」
インク受容層の上に、光沢発現層用処理液1をダイコーターで塗工量が乾燥重量換算で5g/mになるように塗工し、すぐ湿潤状態にあるうちに表面温度100℃の鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げ、光沢インクジェット記録用紙を得た。
(光沢発現層用処理液1の調製)
カチオン性コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスAK、日産化学工業社製)100部と、
ポリビニルアルコール5%溶液(商品名:PVA−217、クラレ社製、重合度:1700、ケン化度:88%以上)15部、離型剤としてポリエチレンワックス1部を混合し、10%に希釈して光沢発現層用処理液を調製した。
<実施例2>
実施例1において、前処理液の塗工を下記の通りにした以外は、実施例1と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液2をメイヤーバーで40g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で0.9g/mであった。
なお、実施例1の前処理液1の調製において、ホウ砂5%水溶液100部の代わりに、60℃に加温した10%ホウ砂水溶液100部を用い、さらに界面活性剤を加えた例である。
(前処理液2の調製)
ホウ砂10%水溶液100部(60℃)と、カチオン化セルロースの1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製)10部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合攪拌して、濃度2.2%、粘度10mPasのゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む前処理液を調製した。
<実施例3>
実施例1において、前処理液の塗工を下記の通りにした以外は、実施例1と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液3をメイヤーバーで40g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で1.3g/mであった。
なお、実施例2の前処理液2の調製において、カチオン化セルロースの1%水溶液10部の代わりに、ヒドロキシエチルセルロースの2%水溶液(商品名:サンヘック H、三晶株式会社製)10部を用いた例である。
(前処理液3の調製)
ホウ砂10%水溶液100部(60℃)と、ヒドロキシセルロースの2%水溶液(商品名:サンヘック H、三晶株式会社製)10部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合攪拌して、濃度3.2%、粘度2.4mPasのゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む前処理液を調製した。
<実施例4>
実施例1において、前処理液の塗工を下記の通りにした以外は、実施例1と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液4をメイヤーバーで40g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で1.3g/mであった。
なお、実施例2の前処理液2の調製において、カチオン化セルロースの1%水溶液10部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2%水溶液(商品名:60SH−15、信越化学工業製)10部を用いた例である。
(前処理液4の調製)
ホウ砂10%水溶液100部(60℃)と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2%水溶液(商品名:メトローズ60SH−15、信越化学工業製)の10部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合溶解して濃度3.2%、粘度3mPasのゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む前処理液を調整した。
なお、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2%水溶液は以下のようにして調製した。すなわち、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2部を冷水98部に攪拌しながら投入し、分散後これを液温が95℃になるまで加熱して1時間保持させたのち、液温が10℃なるまで冷却して2%のヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液を得た。
<実施例5>
実施例1において、前処理液の塗工を下記の通りにした以外は、実施例1と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液5をメイヤーバーで40g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で1.3g/mであった。
なお、実施例2の前処理液2の調製において、カチオン化セルロースの1%水溶液10部の代わりに、カルボキシメチルセルロースの2%水溶液(商品名:セロゲンWSA、第一工業製薬製、)5部を用いた例である。
(前処理液5の調製)
ホウ砂10%水溶液100部(60℃)と、カルボキシメチルセルロースの2%水溶液(重合度:1000、商品名:セロゲンWSA、第一工業製薬)の5重量部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合溶解して濃度3.3%粘度3mPasのゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む前処理液を調整した。
<実施例
実施例1において、前処理液の塗工を下記の通りにした以外は、実施例1と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液7をメイヤーバーで40g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で1.2g/mであった。
なお、実施例2の前処理液2の調製において、ホウ砂10%(60℃)水溶液100部の代わりにホウ酸10%水溶液100部を用いた例である。
(前処理液7の調製)
ホウ酸10%水溶液100部(60℃)と、カチオン化セルロースの1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製)5部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合攪拌して、濃度3.2%、粘度2mPasのゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む前処理液を調整した。
<実施例
実施例1において、前処理液の塗工を下記の通りにした以外は、実施例1と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液8をメイヤーバーで40g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で2.8g/mであった。
なお、実施例2の前処理液2の調製において、カチオン化セルロース1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製)3部の代わりに。分子量のことなるカチオン化セルロース(重合度:600、商品名:ポイズC−60H、花王株式会社製)10部を用いた例である。
(前処理液8の調製)
ホウ酸10%水溶液100部(60℃)と、カチオン化セルロースの1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−60H、花王株式会社製)10部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合攪拌して、濃度7%、粘度15mPasのゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む前処理液を調整した。
<比較例1>
実施例1において、前処理液の塗工を下記の通りにした以外は、実施例1と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液9をメイヤーバーで40g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で0.2g/mであった。
なお、実施例2の前処理液2の調製において、ホウ砂とアセチレングリコール系界面活性剤を含有しないで、カチオン化セルロースを含有する処理液に変更した例である。
(前処理液9の調製)
カチオン化セルロースの1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製)10部に水を加えて攪拌して濃度を0.5%に調整した。処理液の粘度は1mPasであった。
<比較例2>
実施例1において、前処理液の塗工を下記の通りにした以外は、実施例1と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液10をメイヤーバーで40g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で0.9g/mであった。
なお、実施例2の前処理液2の調製において、カチオン化セルロースを含有しないこと例である。
(前処理液10の調製)
ホウ砂5%水溶液100部と、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合攪拌したのち、水を加えて濃度2.2%に調整した。該処理液の粘度は1mPasであった。
<比較例3>
実施例1において、前処理液の塗工を下記の通りにした以外は、実施例1と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液11をメイヤーバーで40g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で0.9g/mであった。
なお、実施例2の前処理液2の調製において、カチオン化セルロースの粘度調整剤が多く、アセチレングリコール系界面活性剤の配合部数が少ないこと例である。
(前処理液11の調製)
ホウ砂5%水溶液100部と、カチオン化セルロースの1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製)20部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)1.5部、を混合攪拌して、濃度2.2%、粘度35mPasのゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む前処理液を調製した。
<比較例4>
実施例1において、前処理液の塗工を下記の通りにした以外は、実施例1と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液11をメイヤーバーで40g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で0.3g/mであった。
なお、実施例2の前処理液2の調製において、ホウ砂がないこと、アセチレングリコール系界面活性剤の配合部数が少ない例である。
(前処理液12の調製)
カチオン化セルロースの1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製)10部と、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)0.5部、を混合攪拌して、濃度0.7%、粘度10mPasのゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む前処理液を調製した。
<比較例5>
実施例2において、インク受容層形成用塗工液1のポリビニルアルコールの代わりに、SBRエマルションを用いてた下記インク受容層形成用塗工液2を用いた以外は、実施例2と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
(インク受容層形成用塗工液2の調製)
シリカゾルA 100部にスチレンーブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:OX1060 日本ゼオン社製)10部を混合し、インク受容層形成塗工液2を調製した。
なお、インク受容層は、ダイコーターを用い、塗工量が固形分換算で22g/mとなるように塗工し、ドライヤー温度100℃で2分間乾燥し、インク受容層を形成した。
<比較例6>
実施例2において、光沢発現層の形成を行わないほかは実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を完成させた。
<比較例7>
実施例1において、前処理液の塗工を下記の通りにした以外は、実施例1と同様にして光沢インクジェット記録用紙を得た。
「前処理液の塗工」
支持体Aに、下記前処理液6をメイヤーバーで40g/m となるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で1.3g/m であった。
なお、実施例2の前処理液2の調製において、カチオン化セルロースの1%水溶液10部の代わりに、ゼラチンの5%水溶液(商品名:P−100、宮城化学工業製)10部を用いた例である。
(前処理液6の調製)
ホウ砂10%水溶液100部(60℃)と、ゼラチンの5%水溶液(商品名:P―100、宮城化学工業)の10部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合溶解して濃度3.3%、粘度2.4mPasのゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む前処理液を調整した。
なお、ゼラチンの5%水溶液は以下のようにして調製した。すなわち、ゼラチン5部を冷水95部に攪拌しながら投入、分散させたのち、95℃まで加温して1時間保持した。次いで室温まで冷却して、5%のゼラチン溶液を得た。
<評価方法>
得られた実施例および比較例において、前処理液の塗工適性(ハジキおよび面質の均一性)、インク受容層形成用途液の塗工適性(ダイ塗工適性)、インクジェット記録用紙のインク受容層のひび割れ、75度表面光沢度、インク吸収性、印字のニジミ、印字濃度を下記の基準評価した。その結果を表1に示す。また前処理液の粘度も表1に併せて示す。
(前処理液の塗工適性:ハジキ)
支持体上に塗工された前処理液のハジキの程度を目視により評価した。
◎:ハジキは全く見られず、塗工面は問題なし。
○:ハジキの個数が0.5個/m未満と、わずかにハジキが見られるが、実用上問題ない。
△:ハジキの個数が0.5個/m以上1.0個/m未満であり、実用上問題が発生する可能性があり。
×:ハジキの個数が1.0個/m以上であり、実用上問題あり。
(前処理液の塗工適性:塗工面質の均一性)
支持体上に塗工された架橋剤含有液の面質を目視により評価した。
◎:光沢のある均一な塗工面が得られ、問題ない。
○:均一な塗工面が得られ、問題ない。
△:塗工面がややさざ波状であり、塗工がやや不均一である。
×:塗工面がさざ波状で塗工が不均一あるいは所望の塗工量が付いていない。
(ダイ塗工適性)
インク受容層形成用塗工液を塗工した際のダイ塗工適性を、ダイ塗工ヘッドの塗料吐出部付近を目視により評価した。
◎:ダイ吐出部表面付近で、インク受容層形成用塗工液がゲル化ないし増粘する作用を有する材料によってゲル化せず、均一な塗工が得られ操業良好な状態。
○:ダイ吐出部表面の両端付近のインク受容層形成用塗工液がややゲル化したが、実用上問題ない状態。(支持体のカールによりダイ塗工ヘッド吐出部と支持体とが接近しているため、ゲル化した。)
×:ダイ吐出部表面付近で、インク受容層形成用塗工液がゲル化ないし増粘する作用を有する材料によってゲル化して、均一な塗工面が得られず操業不可能な状態。
(インク受容層のひび割れ)
インク受容層のひび割れの程度を目視により評価した。
◎:ひび割れがまったく見られない。
○:若干ひび割れが発生するものの、実用上問題ない。
△:ひび割れが○よりは少し多いが、実用上問題ない。
×:ひび割れが発生し、実用上問題あり。
(75度表面光沢度)
JIS−P8142に記載の方法により、インクジェット記録用紙のインク受容層表面の75度光沢度を測定した。
(インク吸収性)
インクジェットプリンターPIXUS iP4200キヤノン社製)により、グリーンベタ印字を行い、ベタ印字部のインク吸収の程度を目視により評価した。インクカートリッジは、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7YおよびBCI−3eBkを用いた。
◎:ベタ印字部にムラが見られず、良好な状態。
○:ベタ印字部にムラが若干見られるが、殆ど問題にはならないレベル。
△:ベタ印字部にムラが多少見られ、ベタ印字を多く含む印字をする場合に問題となる可能性があるレベル。
×:ベタ印字部にムラが見られ、問題となるレベル。
(印字ニジミ)
インクジェットプリンターPIXUS iP4200キヤノン社製)により、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーを互いに隣接する桝目模様にしてベタ印字を行い、それぞれの境界部分の色のニジミの程度を目視により評価した。インクカートリッジは、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7YおよびBCI−3eBkを用いた。
◎:境界部分にニジミが見られず、良好な状態。
○:境界部分にニジミが若干見られるが、殆ど問題にはならないレベル。
△:境界部分にニジミが多少見られ、繊細な画像を印字する場合に問題となる可能性があるレベル。
×:境界部分にニジミが見られ、問題となるレベル。
(印字濃度)
インクジェットプリンターPIXUS iP7500(キヤノン社製)により、黒ベタ印字を行い、グレタグマクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、RD−19I)を用いて印字濃度を測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値である。なお、インクカートリッジは、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7Y、BCI−7PC、BCI−7PM、BCI−7RおよびBCI−7Gを使用した。
Figure 0004893288

Claims (6)

  1. 透気性支持体上に、少なくとも1層の平均粒子径5nm以上700nm以下の微細粒子を含有するインク受容層を形成し、該インク受容層の最表層をキャスト法で形成する、光沢インクジェット記録用紙の製造方法において、透気性支持体上にインク受容層形成用塗工液を塗工するに先立ち、インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する材料と粘度調整剤としてセルロース誘導体を含む前処理液を、透気性支持体上に塗工することを特徴とする光沢インクジェット記録用紙の製造方法。
  2. 透気性支持体上に、少なくとも1層の平均粒子径5nm以上700nm以下の微細粒子を含有するインク受容層と、光沢発現層を形成し、この最表面をキャスト法により処理する、光沢インクジェット記録用紙の製造方法において、透気性支持体上にインク受容層形成用塗工液を塗工するに先立ち、インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する材料と粘度調整剤としてセルロース誘導体を含む前処理液を、透気性支持体上に塗工することを特徴とする光沢インクジェット記録用紙の製造方法。
  3. 前処理液の粘度が、2mPas〜20mPas(B型粘度計)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の光沢インクジェット記録用紙の製造方法。
  4. インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する材料がホウ酸および/またはホウ砂であり、かつインク受容層形成用塗工液にポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光沢インクジェット記録用紙の製造方法。
  5. 粘度調整剤としてのセルロース誘導体が、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種類以上を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光沢インクジェット記録用紙の製造方法。
  6. 前処理液中に、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光沢インクジェット記録用紙の製造方法。
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