JP5269669B2 - 製袋用キャスト塗工紙 - Google Patents

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Description

本発明は、製袋用キャスト塗工紙に関する。特に基紙として片艶紙を用いた製袋用キャスト塗工紙に関する。
百貨店やブランド洋品店で用いられる、高級感を有する手提げ袋等は、光沢感があり見栄えが良く、印刷が鮮明であり、雨に濡れても強度が低下せず、かつ雨が付着しても水分を吸収しにくくふやけて見栄えが低下することがない、との要求品質を満たす必要がある。
高級感を有する手提げ袋としては、クラフト紙や塗工紙の上に、ポリエチレンラミネート等のラミ加工を施したものが挙げられるが、ラミネート加工した紙は再利用が難しく環境に優しくないため、ラミネート加工しなくても光沢感、印刷鮮明性、耐水性を有する、キャスト塗工紙からなる手提げ袋の需要が高くなっている。
キャスト塗工紙は、基紙表面に顔料塗工層を設け、キャスト処理して光沢感を向上させたものであり、光沢感が必要とされる印刷用塗工紙やインクジェット記録用紙に使用されている。しかしながら、これらのキャスト塗工紙は印刷鮮明性が高いものの、耐水性、製袋加工時の折り曲げ耐性が不足している。
印刷用途のキャスト塗工紙を製袋用キャスト塗工紙として用いた場合、雨に濡れた部分がふやけて部分的にシワが発生して、高級感が損なわれるなど耐水性がないこと、製袋加工時の折り曲げ応力に塗工層が耐えられず塗工層の一部が破壊されて脱落し、見栄えが低下することなどの問題がある。
耐水性および耐割れ性を向上させるためには、塗工層中の接着剤成分を増やし、強固な塗工層とすることで解決できるが、この場合は無機顔料由来の光沢性と印刷鮮明性が低下する問題がある。
製袋用途のキャスト塗工紙としては、原紙中にカチオン性界面活性剤と、塗工層中に共重合体ラテックスとを含有させ、高い光沢感と耐割れ性を得る技術(特許文献1を参照)、塗工層中の接着剤としてブタジエン成分が50%以上のラテックスを含有させ、再湿潤法でキャスト処理し、高い光沢感、耐割れ性、印刷鮮明性を向上させる技術(特許文献2を参照)が報告されているが、十分な光沢感、耐割れ性、印刷鮮明性を有しながら、更に耐水性も兼ね備えた製袋用キャスト塗工紙は得られていなかった。
特開平08−296197号公報 特開平07−300797号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、高い耐水性、折り曲げ加工時の耐割れ性、光沢感、および印刷鮮明性を兼ね備えた製袋用キャスト塗工紙を提供することにある。
本発明の製袋用キャスト塗工紙は、基紙及び前記基紙上に顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を有する塗工紙であって、前記基紙が片艶紙であり、前記塗工層が前記片艶紙の艶面に固形分換算で5〜10g/m 設けられ、前記塗工層がキャスト処理により鏡面仕上げされ、前記塗工層中にポリエチレン系耐水化剤を含有することを特徴とする。
本発明によれば、高い耐水性、耐割れ性、光沢感、および印刷鮮明性を兼ね備えた製袋用キャスト塗工紙を得ることができる。
圧接ロールの配置例を示す概念図
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(基紙)
本形態の製袋用キャスト塗工紙は、片艶紙を基紙として、艶面にキャスト塗工層を設ける。片艶紙の艶面は、両更紙と比べて平坦性が高いため、キャスト塗工後のキャスト塗工面の平坦性がより高くなり、塗工層表面の凹凸に起因する印刷鮮明性の低下が発生しないため好ましい。
また、両更紙は片艶紙と比べて基紙表面が粗いため、後に設ける塗工層との接触面積が大きくなり、基紙と塗工層との接触が密接となるため、原紙に塗工層が食い込みやすくなり、折り曲げ時に曲げ応力が集中しやすくなり、塗工層が割れて見栄えが低下する問題がある。片艶紙は紙表面の平滑性が高いため、塗工層と密着しにくく、曲げ応力が分散して耐割れ性が高くなる。
片艶紙は酸性抄紙法で製造した酸性紙であることが好ましい。酸性による抄紙は、中性による抄紙の場合に比べて、完成した紙の印刷時の乾燥性がよく、キャスト塗工面においてもインキ着肉性にも優れるため、印刷鮮明性が向上しやすいため好ましい。
(原料パルプ)
片艶紙の原料に用いるパルプとしては、一般に製紙用途で使用される、針葉樹及び広葉樹クラフトパルプ、機械パルプ、古紙パルプ、非木材パルプ等が使用できるが、この中でも機械パルプを用いると、より片艶紙のコブサイズ度を抑制することができるため、耐水性に優れるため好ましい。
本形態において、機械パルプとしては、例えば、GP(グランドウッドパルプ)、PGW(プレッシャライズドグランドウッドパルプ)、RGP(リファイナーグランドウッドパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)等、公知の機械パルプを使用することができる。なお、機械パルプは古紙パルプに由来する機械パルプを使用しても差し支えない。
上記クラフトパルプとしては、例えば、広葉樹クラフトパルプや針葉樹クラフトパルプを使用することができ、広葉樹クラフトパルプとしては、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)などを、針葉樹クラフトパルプとしては、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)などを、使用することができる。この中でも繊維長の長い針葉樹クラフトパルプ(NUKPやNBKP)を用いると、引張強度や引裂強度を向上させやすく、強度に優れる片艶紙、特に製袋用途に好適に使用できる片艶紙が得られるため好ましい。もちろん、これらのパルプを混合したものを使用することもできる。
上記古紙パルプとしては、例えば、雑誌古紙、チラシ古紙、色上古紙、新聞古紙、ケント古紙、上白古紙、コート古紙、複写古紙等の公知の種々の古紙からなる古紙パルプを使用することができ、これらの古紙パルプを脱墨あるいは漂白処理したものを使用することもできる。
その他、非木材パルプとしては、例えば、ケナフ、麻、三椏、楮、バガス、竹、雁皮等を使用することができる。また、例えば、ポリプロピレン、プロピレンランダムコポリマー、ポリエチレンテレフタレートコポリマー、ポリエチレン、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ホルマール化ポリビニルアルコール等の合成繊維も使用することができる。
本形態においては、原料パルプに、機械パルプを5質量%以上、好ましくは5〜20質量%配合すると、コブサイズ度を35〜55g/mに抑えるために必要なサイズ剤の添加量を低減できるため好ましい。機械パルプの配合量が5質量%未満となると、目的とするコブサイズ度を得るためにサイズ剤を多く配合する必要があり、抄紙機内部で異物化するデメリットがある。他方、20質量%を超えると、機械パルプの高配合による変色や白色度の低下、微細繊維増加による紙紛増加が懸念される。
(各種添加薬品)
本形態においては、原料パルプに、例えば、填料、染料や着色顔料などの染色剤、歩留り向上剤、紙力向上剤、サイズ剤、硫酸バンド等の各種の添加薬品を適宜添加することもできる。
上記の中でもサイズ剤を内添又は外添し、サイズ度を高めることが好ましい。片艶紙の艶面のサイズ度は、コブサイズ度で20〜70g/m、更には35〜55g/mであれば、後述するキャスト塗工時に塗工液に含まれる水分やポリエチレン系耐水化剤が基紙に吸収されにくくなるため、より好ましい。
コブサイズ度は、基紙に各種サイズ剤を内添したり、外添塗工することで調整することができるが、外添サイズ剤を用いるよりも、内添サイズ剤を用いるほうが、よりサイズ剤がパルプ繊維に絡みやすく、サイズ付与効果が高いため好ましい。
サイズ剤としては、例えば、アルキルケタンダイマーサイズ剤、アルケニルコハク酸サイズ剤、ロジンサイズ剤、各種エマルジョンサイズ剤、澱粉等が存在するが、本形態においては、酸性紙(pH4.0〜5.5)が好ましいため、酸性ロジンサイズ剤を使用するのが好ましい。酸性ロジンサイズ剤を用いると、少量の添加でもヤンキードライヤーに基紙が貼り付きやすくなり、艶面の平滑性が高くなるからである。更に理由は不明だが、酸性ロジンサイズ剤を用いることにより、塗工層中にポリエチレン系耐水化剤が残留しやすくなるため、低塗工量であっても十分な耐水性が得られるため好ましい。
酸性ロジンサイズ剤は、固形分換算で、0.05〜0.50質量%、好ましくは0.14〜0.30質量%内添する。内添量が0.05質量%未満であると、水滴が付着した際に基紙が水分を吸収してシワになる可能性がある。他方、内添量が0.50質量%を超えると、サイズ剤の高添加により、サイズ剤内の油脂成分がヤンキードライヤー表面を被膜することにより、湿紙とヤンキードライヤーとの接着性が阻害され、ヤンキードライヤーへの湿紙の貼り付き不良により、表面の光沢度及び平滑度が落ちる問題がある。また、系内汚れやサクションロール目詰まり等のスケールの発生の原因となるおそれがある。
片艶紙には更に、紙力向上剤を加えて引張強さ及び引裂強さを向上させることが好ましい。手提袋用途においては、内容物を詰めた袋を持ち運びする際に、袋が破損しない程度の強度が必要とされている。
紙力向上剤は、一般に製紙用途に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、澱粉、変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアミド・ポリアミン系樹脂、尿素・ホルマリン系樹脂、メラミン・ホルマリン系樹脂、ポリエチレンイミン等を使用することができる。しかしながら本形態においては、ポリアクリルアミド系の紙力向上剤を用いると、ヤンキードライヤーに基紙が貼り付きやすくなり、より艶面の平滑度を向上できるため、ポリエチレン系耐水化剤が塗工層内部に残りやすくなり、高い耐水性が得られるため好ましい。
ポリアクリルアミドは、アニオン性のポリアクリルアミドと、両性(カチオン性)のポリアクリルアミドとに分類されるが、原料パルプを酸性領域にて抄紙する形態においては、両性のポリアクリルアミドを使用する方が好ましい。両性ポリアクリルアミドは、自己定着機能を有しているため、引張強度、引裂強度を向上させるべく増添したとしても、カチオン過多になることはなく、抄紙系内の電荷を安定的に維持できる点で優れており、一方で良好なヤンキードライヤーへの貼り付きを実現できる。本形態においては、この両性ポリアクリルアミドを所定量添加することにより、湿紙のヤンキードライヤー表面への接着性がよく、艶面の平滑度をあげることができ、耐水性を更に向上できる。
両性ポリアクリルアミド系の紙力向上剤は、原料パルプに対して固形分換算で0.3〜0.8質量%、好ましくは0.6〜0.7質量%内添する。内添量が0.3質量%未満になると、機械パルプを用いた場合に他の繊維との結合を補強できず、引張強さ及び引裂強さが低下する可能性がある。加えて、ヤンキードライヤーへの貼り付き性が低下するため、艶面の平滑性が低下し、白紙光沢度および印刷鮮明性が低下する可能性がある。他方、内添量が0.8質量%を超えると、引張強さ及び引裂強さは十分であるが、紙が硬くなりすぎて製袋不良となったり、塗工層の耐割れ性が低下しやすくなるだけでなく、過剰な薬品の添加によってパルプ繊維が凝集してしまい、均一な地合い、サイズ効果が得られず、耐水性が低下する可能性がある。
片艶紙の艶面の平坦性は特に限定されないが、ベック平滑度が40〜90秒であることが好ましく、55〜75秒であることがさらに好ましい。40秒を下回ると、キャスト塗工面の印刷鮮明性が低下する問題があり、また、90秒を上回ると、キャスト塗工層との密着性に劣り、特に製袋用キャスト塗工紙においては、耐割れ性が低下しやすくなる問題がある。
上述のとおり、前記基紙が酸性紙であり、前記基紙中にポリアクリルアミド系の紙力向上剤を固形分換算で0.3〜0.8質量%、酸性ロジンサイズ剤を固形分換算で0.05〜0.50質量%含有させることで、片艶紙を艶面側のベック平滑度が40〜90秒、コブサイズ度が20〜70g/mとすることができ、後述するポリエチレン系耐水化剤を含有するキャスト塗工層を設けた場合に、より耐水性及び耐割れ性が優れる製袋用キャスト塗工紙が得られるため好ましい。
加えて、ポリアクリルアミド系の紙力向上剤として両性ポリアクリルアミドを、原料パルプに対して0.6〜0.7質量%内添させると、より優れた製袋用キャスト塗工紙が得られるため好ましい。
(片艶紙の製造方法)
次に、好ましい片艶紙の製造方法について、説明する。本形態の製造方法は、図1に示すように、抄紙工程中のドライヤーパートPにおいて、表面に研摩加工が施されている鏡面ドライヤーからなるヤンキードライヤー1に湿紙3を圧接する際に、ヤンキーフェルトを用いずに、2本の圧接ロール(タッチロール)4A,4Bを用い、当該湿紙3の裏面にヤンキーフェルトを介さずタッチロール4A,4Bを当接させることが好ましい。前段の圧接ロール(前段圧接ロール)4Aは、ヤンキードライヤー1の入口Eで、湿紙3をヤンキードライヤー1に圧接させる役割を果たす。なお、ヤンキードライヤー1の入口Eとは、湿紙3がペーパーロール8に接する最後の点から、前段圧接ロール4Aに接する最初の点までの区間をいう。他方、ヤンキードライヤー1の出口Fとは、湿紙3がヤンキードライヤー1に接する最後の点から、ペーパーロール9に接する最初の点までの区間をいう。
このように、ヤンキーフェルトを介さず、直接ロールを裏面(非艶面)に押し当てることにより、カレンダー処理をすることなく、表面の光沢度及び裏面の平滑度を所定範囲にすることができる。また、このような構成を取ることにより、JIS P 8119に準拠したベック平滑度を、表面(艶面)側において40〜90秒、好ましくは55〜70秒、裏面(非艶面)側において10〜20秒、好ましくは12〜16秒とする。この形態によると、湿紙3の表面はヤンキードライヤー1に接し、裏面はヤンキーフェルトではなくタッチロール4A,4Bに接することとなるため、表面の光沢度は維持しつつ、裏面の平滑度も高めることができ、したがって、得られる片艶紙は、裏面についても平坦性に優れた、高級感のある製袋用キャスト塗工紙となる。
以上において、表面(艶面)側のベック平滑度を調節するには、例えば、紙力向上剤、サイズ剤の添加量を調整し、ヤンキードライヤー1表面への湿紙3表面の接着性を調整することにより可能であり、また、湿紙3表面を圧接する際のタッチロール4A,4Bの線圧や、ヤンキードライヤー入口Eのペーパーロールの抄速とヤンキードライヤー出口Fのペーパーロールの抄速との抄速差を調整することで、湿紙3のヤンキードライヤー1表面への接着性を調整することも可能である。他方、裏面(非艶面)側のベック平滑度を調節するには、例えば、表面のベック平滑度の調整方法に加えて、ヤンキーフェルトを介さずタッチロール4A,4Bを当接させる等の調節によればよい。
本形態においては、前段圧接ロール4A及び後段圧接ロール4Bの配置位置について、特に限定されないが、図1に示すように、前段圧接ロール4A及び後段圧接ロール4Bの中心点(軸)を結んだ直線距離M4から両ロール4A,4Bの半径M1,M2を差し引いた離間距離M3が、1.5m以下であるのが好ましく、1.0m以下であるのがより好ましい。離間距離M3が1.5mを超えると、前段圧接ロール4Aで落とされずに後段圧接ロール4Bで落とされる湿紙3の水分の保水時間が長くなるため、表面(艶面)の光沢がでにくいという問題点がある。この問題は、後段圧接ロール4Bの本数を増やす場合も同様で、相互に隣接する後段圧接ロール4B間の離間距離が1.5m以下であるのが好ましい。
ここで、湿紙3表面を圧接する際の、タッチロール4A,4Bの線圧は、40〜50kg/cm、好ましくは45〜50kg/cmであり、ヤンキードライヤー入口Eのペーパーロール8の抄速とヤンキードライヤー出口Fのペーパーロール9の抄速との抄速差を5〜20m/分とするのが好ましい。タッチロール4A,4Bの線圧は、従来、70〜90kg/cmと強くしていた。これに対し、本形態においては、40〜50kg/cmと弱くすると、通常、湿紙3表面の平滑度が下がるが、本形態においては、前述したように、原料パルプに両性ポリアクリルアミド系紙力向上剤を内添しているため、湿紙3のヤンキードライヤー1への貼り付きが良好であり、タッチロール4A,4Bの線圧が弱くとも、湿紙3表面のヤンキードライヤー1表面への接着性がよく、湿紙3表面の平滑度をあげることが出来る。また、湿紙3裏面においてもヤンキーフェルトを介さずタッチロール4A,4Bを当接させることにより、湿紙3裏面の平滑度を上記範囲とすることができる。したがって、得られた片艶紙は、裏面においても平坦性が高く、見栄えの良い製袋用キャスト塗工紙が得られる。また、このように、本形態の方法は、湿紙3のヤンキードライヤー1への貼り付きを利用するものであるため、湿紙3表面を圧接する際のヤンキードライヤー入口Eのペーパーロール8の抄速と、出口Fのペーパーロール9の抄速との抄速差を5〜20m/分とする。
ヤンキードライヤー入口Eのペーパーロール8の抄速は、150〜550m/分が好ましく、200〜500m/分がより好ましい。ヤンキードライヤー出口Fのペーパーロール9の抄速は、155〜570m/分が好ましく、255〜470m/分がより好ましい。ヤンキードライヤー入口Eの抄速とヤンキードライヤー出口Fとの抄速差が5m/分を下回ると、ヤンキードライヤー1表面から湿紙3が浮き気味となり、湿紙3の平滑度及び光沢度をあげることができない問題がある。他方、抄速差が20m/分を上回ると、過剰張力により、湿紙3が断紙をおこす恐れがある。
また、後段圧接ロール4Bの線圧は、前段圧接ロール4Aの線圧と同等程度に設定するのが好ましい。具体的には、後段圧接ロール4Bの線圧(後段圧接ロール4Bを複数本とする場合は全ての線圧)は、40〜50kg/cm、好ましくは45〜50kg/cmとする。後段圧接ロール4Bは、前段圧接ロール4Aによってヤンキードライヤー1に圧接された湿紙3を平坦化する処理を行い、線圧が40kg/cm未満であると印刷鮮明性に必要な平滑性を出すことができなくなり、他方、線圧が70kg/cmを超えると、紙の嵩高さを維持できないばかりでなく、ヤンキードライヤー1からの剥れ不良となり、表面取られによる光沢悪化の問題が生じる。
ところで、本形態では、圧接ロール4A,4Bの線圧設定とともに硬度を特定するとより好ましいものとなる。具体的には、まず、前段圧接ロール4Aのロール硬度は50〜75度、好ましくは55〜70度とする。ロール硬度が低い方が嵩を得やすいがロール硬度が50度未満になると、ヤンキードライヤー1への貼付き不良の問題が生じる。他方、ロール硬度が75度を超えると、光沢度は得られやすいものの、湿紙3がつぶれやすく、密度が高くなり、紙の剛度、引裂強度が下がり、加工不良となる問題がある。また、圧接ロール4A自体の使用期間が短くなるとの問題がある。一方、続く後段圧接ロール4Bのロール硬度も、圧接ロール4Bと同等であることが好ましい。すなわち、50〜75度、好ましくは55〜70度とする。後段圧接ロール4Bは前段圧接ロール4Aによってヤンキードライヤー1に貼りついた湿紙3を更に貼りつかせて平坦化処理を行うため、50度未満だとその効果が得られず、また嵩が出にくいという問題がある。他方、75度を超えると、特に後段圧接ロール4Bの線圧の方が前段圧接ロール4Aの線圧よりも高い場合に、密度が下がり、紙の嵩高さを維持できないという問題がある。
圧接ロール4A,4Bの加圧(線圧)設定と併用してロール硬度を調整することで、艶面の平滑性を維持したまま密度も維持することが容易にでき、紙密度を0.50〜0.55g/m3と維持することが容易にできる。
ここで、圧接ロール4A,4Bの材質としては、ヤンキーフェルトを介することなく湿紙3をヤンキードライヤー1に圧接させることになるため、少なくともロール表面が耐熱性を有するゴム等の弾性材料からなるものを使用するのが望ましい。また、ヤンキードライヤー1に供給される湿紙3の張力は、矢印N方向に移動可能とされたエキスパンダーロール6により調整することができる。この調整により、ヤンキーフェルトを用いなくとも、湿紙3の走行を安定させることができ、シワの発生等を防止することができる。なお、符号7は、湿紙3の第1入口ロール、符号8は、第2入口ロールであり、固定されることで、エキスパンダーロール6が移動して皺を伸ばすのを補助する役割を果たしている。
以上の製造方法によると、表面はヤンキードライヤー1に接し、裏面は少なくとも2本の圧接ロール4A,4Bに接することとなるため、表面の光沢度は維持しつつ、裏面の平滑度を高めることができる。したがって、得られた片艶紙は、裏面の平滑性が高く、見栄えの良い製袋用キャスト塗工紙となる。
ところで、本形態の製造方法においては、少なくとも湿紙形成工程、プレス工程、及び、ヤンキードライヤー1による乾燥工程(ドライヤーパートP)が備えられており、水溶性高分子を主成分とする表面処理液を、ドライヤーパートPに先立って、好ましくはプレス工程と乾燥工程との間で、より好ましくは乾燥工程の直前であるヤンキードライヤー1の入口Eで塗布などによって付与する。表面処理液を付与した後、短時間でヤンキードライヤー1での乾燥に供されると、湿紙内部に表面処理液が浸透する前に表面層が形成されるという利点がある。また、表面処理液の付与は、湿紙形成工程と乾燥工程との間のうち、湿紙形成工程とプレス工程との間で行ってもよい。湿紙形成工程とプレス工程との間で表面処理液を付与する場合は、湿紙形成工程後の片艶紙(湿紙)が高い水分率の状態にあるので、表面処理液が紙層中に浸透し難く、表面処理液の湿紙内への沈み込みを防止することができ、被覆性により優れた表面層が形成され易いという利点がある。
表面処理液の主成分(絶乾質量割合0.3〜10%)としては、例えば、トウモロコシ、馬鈴薯、タピオカ、小麦、米等の澱粉やこれらの酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉、リン酸変性澱粉、カチオン化澱粉などの澱粉誘導体、ポリアクリルアミド系樹脂やポリビニルアルコール等の合成水溶性バインダー、スチレン‐ブタジエン共重合体などの共重合体ラテックス等の接着剤などの水溶性高分子が挙げられる。これらの中でも、酸化澱粉が後述するスプレー付与の際には好適に用いられる。これは、酸化澱粉は安価なため表面処理液として用いられやすく、また表面強度の向上にも効果的に働くためである。
これらの表面処理液の付与は、例えば、ブレードコーター、ゲートロールコーター、メータリングサイズプレス等のコーター類で行うこともできる。なかでもロールコーターによると、微量塗工性に優れ、用紙表面に対して輪郭塗工が可能であり、平坦性を向上することが可能な点で優れている。もっとも、表面処理液の付与にあたっては、特にコストの面から、少ない付与量でいかに良好に被覆するかが大きな課題となる。良好な被覆性を得るには、原紙(湿紙)への押し込みが少なく、表面層を嵩高くすることが肝要である。しかしながら、以上のコーター類を使用した場合、その機構上、表面処理液はかなりの量で原紙に押し込まれ、表面層は嵩高くはなりにくい。そこで、カーテンコーターによる塗工やスプレー付与のような、いわゆる非接触型の付与方式によるのが好ましい。これらの方法によると、表面処理液が原紙に押し込まれることはなく、表面層は嵩高になる。もっとも、カーテン塗工は自由落下の表面処理液被膜を原紙上に設ける方法のため、本形態のようにヤンキードライヤー1と接触する側の面(艶面)に対して、プレス工程と乾燥工程の間で塗工を行うことは、既存の設備では困難であり、設備の大掛かりな改造を伴う。また、カーテン塗工の際には、粘度や表面張力等、仔細な表面処理液の調整が必要であり、このようなカーテン塗工を行うことは容易なことではない。以上の点から、本形態においては、スプレー付与が最適な方法として例示される。
スプレー付与のための装置には特に限定がなく、通常の装置を適宜用いることができるが、例えば、ミスト粒径が100μm以下、好ましくは30〜100μmの表面処理液を噴霧付与し、ヤンキードライヤー1にて乾燥して仕上げ、リールにて巻き取る構成の装置を好適に用いることができる。
ミスト粒径が30〜100μmの表面処理液を噴霧付与する装置としては、例えば、ローターダンプニング(商品名、ニッカ(株)製)が好適である。当該装置は、複数の回転自在な中空円盤状のロータを所定間隔で一列状に配置するとともに、各ロータに同芯状にプーリを連結固定し、駆動モータにて回転駆動される駆動プーリにて、ベルトを介して各プーリを連動して高速で回転駆動するとともに、各ロータ内に表面処理液を供給するように構成されている。これにより、約5000rpm程度の高速で回転するロータ内の液体が遠心力によってロータの外周から噴出し、細かい霧からなる薄膜状の噴霧流が形成され、当該各ロータからの噴霧流の幅をシャッタにて規制することで、所定の噴霧付与幅で一様に噴霧付与する連続した噴霧付与流が形成される。このように高速回転するロータにて、遠心力によって、ミスト粒径が30〜100μm、好ましくは75μmの表面処理液滴にして噴霧付与することができるとともに、付与量を精度よく制御することもできる。表面処理液のミスト粒径は、片艶紙の坪量に対する付与量や必要とする表面強度の確保が困難となったり、付与装置周辺へミストが発生して設備を汚染したりする恐れをなくすために、30μm以上であることが好ましく、また、片艶紙の坪量に対して付与量が過剰となり、ヤンキードライヤー1での乾燥能力不足が生じたり、ドライヤー鏡面の汚染や艶の低下が生じたりする恐れをなくすために、表面処理液のミスト粒径が100μm以下、好ましくは80μm以下である。
また、表面への表面処理液の付与量は、表裏面での表面処理液の存在量を考慮し、例えば、Z軸方向(厚さ方向)2分割における表面処理液の存在量が、「非艶面(裏面)での存在量」<「艶面(表面)での存在量」の関係にあり、当該表面処理液が、厚み方向で、艶面から10/100〜1/100の範囲で含有されるように決定することが好ましく、また艶面からの内部結合強さが175mJ以上となるように決定するとよい。
表面処理液が付与された片艶紙の水分量(ヤンキードライヤー1の入口Eでの水分量)は、ヤンキードライヤー1での十分な乾燥及び目的とする片艶紙の表面強度を考慮すると、20〜50質量%、好ましくは30〜45質量%に調整することが望ましい。
(キャスト塗工層)
次に、片艶紙の艶面の上に、顔料と接着剤を主成分とするキャスト塗工層を設ける。
(顔料)
塗工層に使用する顔料は特に限定されないが、例えば、カオリン、デラミネーテッドカオリン、タルク、クレー、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、焼成カオリン、構造化カオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料やポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子、多孔質微粒子等の有機顔料等の中から、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
以上の顔料の中でもクレーは、吸水性が低く、高い光沢性及び平滑性が得られることから、顔料100質量部のうち、20質量部〜80質量部配合させるのが好ましい。配合量が20質量部未満では吸水性、光沢性及び平滑性が劣るため好ましくなく、他方、80質量部を超過すると、塗工液の流動性が悪化して塗工時のプロファイルが悪化し、光沢性や平滑度のムラが発生し易くなるため、見栄えが低下する。
クレーと併用する顔料としては、白色度を向上させ見栄えを良くし、かつ、塗料の保水性が少ないため塗工性が良好で塗工ムラが発生しにくく、経済性が良好な重質炭酸カルシウムが好ましい。この配合量は、クレーの配合量を補完するよう、20〜80質量部が好ましい。
上記顔料のうち、シリカも光沢感が得られる顔料であるが、シリカは吸液性が高い顔料であるため、耐水性に劣るため好ましくない。シリカを顔料全体の5質量%以上、さらには10質量%以上配合した場合は、特に耐水性に劣るため好ましくない。
上述のとおり、顔料としてクレー及び炭酸カルシウムを、好ましくは顔料全体のうち合計90質量%以上、より好ましくは95質量%以上用いると、得られるキャスト塗工紙は吸水性が低く、塗工性が良好であるため高い光沢性及び平滑性が得られるため、製袋用途に適したキャスト塗工紙が得られるため好ましい。
本形態の塗工剤には、顔料、接着剤の他にも、例えば、蛍光増白剤、蛍光増白剤の被染着物質、消泡剤、離型剤、着色剤、保水剤等の通常使用される各種助剤を適宜配合することもできる。
(接着剤)
本形態では、塗工紙製造で一般的に用いられる接着剤を使用することができる。具体的には、例えば、カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス;アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体ラテックス若しくは共重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス;エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス;これらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又は非溶解性のラテックス等のラテックス類;オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系接着剤;酸化澱粉、陽性化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。接着剤の中でも、顔料を固定する能力が高く、インキ着肉性の低下が少ないスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを用いることが好ましい。
接着剤成分の配合量は、顔料100質量部に対し1〜30質量部が好ましく、3質量部〜15質量部がより好ましい。1質量部未満では顔料を固定できず、顔料由来の光沢性に劣るだけでなく、折り曲げ時の応力によって塗工層の一部が剥離しやすくなるため好ましくない。他方、30質量部を超過すると、接着剤が成膜してフィルム状の表面が形成されて顔料由来の光沢性が低下したり、印刷インキの着肉性が低下して印刷鮮明性に劣るため好ましくない。
(耐水化剤)
本発明では、キャスト塗工層にポリエチレン系耐水化剤を含有することが必要である。
耐水化剤としては、従来から製紙用途で使用されている耐水化剤や、キャスト塗工で用いられている離型剤等が挙げられ、例えば、脂肪酸もしくは高級脂肪酸の塩化物、脂肪酸アミド、高級アルコール、多価アルコール、トリブチルリン酸、アルキルケテンダイマー、ノニオン系界面活性剤などがあるが、これらを用いた場合は、製袋用途として充分な耐水性および耐割れ性を付与することができなかった。
他の耐水化剤としてはポリオレフィン樹脂が一般に用いられており、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル等のビニル化合物との共重合体、さらにはこれら単独重合体や共重合体に不飽和カルボン酸モノマーを過酸化物でグラフト反応させて得られる重合体が挙げられる。しかしながら、これらを用いた場合でも、製袋用途として充分な耐水性および耐割れ性を付与することができなかった。
発明者らは鋭意検討した結果、ポリオレフィンなどの合成樹脂の中でも、ポリエチレン樹脂を使用した場合に初めて、製袋用途において充分な耐水性および耐割れ性が得られることを見出した。
ポリエチレン樹脂としては、具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、あるいはマレイン酸やアクリル酸を共重合させた変性ポリエチレン、酸化型ポリエチレンが挙げられる。これらのポリオレフィンは、どのような製造法で製造されたものであっても良い。この中でも、酸化型ポリエチレンを使用すると、特に製袋用途において必要とされる耐水性および耐割れ性が得られる。ここで酸化型ポリエチレンとは、ポリエチレンを、空気、酸素、オゾン等の酸化剤を用いて酸化して得ることができる酸化されたポリエチレンをいう。
ポリエチレン樹脂は、一般的には融点が100〜120℃であるが、本発明においては、融点が100〜110℃であるポリエチレン樹脂を用いることが好ましい。融点が110度を超過すると、基紙上に塗工層が塗工された場合、理由は不明だが、塗工層中の水分と同様にポリエチレン樹脂が基紙中に移動しやすくなり、塗工層の耐水化効果が低下しやすいため、十分な耐水性が得られず、また、耐割れ性に劣るため好ましくない。融点が100℃を下回ると、理由は不明だが耐水性に劣るだけでなく、白紙光沢度も低下するため好ましくない。
ポリエチレン樹脂の配合量は、顔料100質量部に対して固形分換算で2〜5質量部であることが好ましい。2質量部を下回ると十分な耐水性が得られず、5質量部を超過すると耐水性の効果が頭打ちとなるだけでなく、印刷インキを弾きやすくなり、印刷鮮明性が低下しやすいため好ましくない。
耐水化剤を含有する塗工層は、片艶紙の艶面に設ける。これにより、基紙と塗工層との接触面積が少ないため、両更紙と比べて塗工層中の水分が基紙に吸収されにくくなり、塗工層中に残留する耐水化剤が塗工層に残りやすく、低塗工量においても充分な耐水性を付与できる。
上述のとおり、ポリエチレン系耐水化剤、好ましくは融点が100〜110℃のポリエチレン系耐水化剤を、顔料100質量部に対して固形分換算で2〜5質量部含有させると、印刷鮮明性が良好でありながら耐水化剤が塗工層に残りやすいため好ましい。特に耐水化剤として酸化型ポリエチレン樹脂を用いると、特に印刷鮮明性及び耐水化効果に優れるため好ましい。
(塗工方法)
原紙の表面への塗工剤の塗工は、一般の塗工紙用途設備で行えば足り、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、トランスファーロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、カーテンコーター等の塗工装置を設けたオンマシンコーター又はオフマシンコーターによって、原紙上に塗工することができる。中でも、塗工層表面の高い平坦性が確保されるという点からブレードコーターやエアーナイフコーターを用いることが好ましい。これらのうち、塗料をブレードで掻き取るためストリークやスクラッチ等の欠陥が発生するブレードコーターよりは、非接触式であり上記欠陥が発生しないエアーナイフコーターを用いることがより好ましい。また、ドライヤーパートでの乾燥方法としては、例えば、熱風加熱、ガスヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱等の各種加熱乾燥方式を適宜採用することができる。
塗工層の塗工量は片面あたり5〜10g/mが好ましく、6〜8g/mが更に好ましい。5g/m未満では原紙の被覆性が低下し、良好な光沢性、印刷鮮明性が得られない。10g/mを超過すると塗工層の耐割れ性が低下しやすくなるため好ましくない。
本形態においては、塗工層の最表層が鏡面処理されている必要があり、この鏡面処理は、いわゆるキャストコート法による。キャストコート法は、一般に、(1)塗工層が湿潤状態にある間に、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着(圧接)して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化(湿潤)させて、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固液等の凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)の3種類に分けることができ、いずれの方法でも製袋用キャスト塗工紙を得ることはできるが、本形態ではリウェットキャスト法が生産性の面から好ましい。ゲル化キャスト法では、塗工層表面に微細なヒビが入るため、耐水性と耐割れ性に劣る傾向があるため好ましくない。
本形態のキャスト塗工紙は、キャスト塗工層が1層で足りるが、基紙とキャスト塗工層の間に、更に別の層を設けても良い。ただし、塗工量が多くなると、耐割れ性が低下しやすいため、好ましくない。
片艶紙の非艶面には、塗工層を設けなくても良く、上述したキャスト塗工層を設けても良く、キャスト塗工層以外の塗工層を設けても良い。艶面にはキャスト塗工層を設けるが、非艶面への処理又は非処理、あるいは、処理方法は特に限定されない。もちろん、上記各種条件を満たさない顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を設けても良く、また、澱粉あるいは澱粉誘導体、サイズ剤や合成紙力剤などの各種紙用外添塗工薬品を塗工しても良い。このほか、カール防止の点から、水塗工を行うこともできる。
かくして得られる本形態のキャスト塗工紙は、顔料としてクレーを20質量部〜80質量部、重質炭酸カルシウムを20〜80質量部、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを顔料100質量部に対して1質量部〜30質量部、耐水化剤として融点が100〜110℃であるポリエチレン樹脂を顔料100質量部に対して2〜5質量部配合した塗工層を、片艶紙の艶面に5〜10g/m塗工することで、より耐水性、印刷鮮明性、光沢感、耐割れ性に優れたキャスト塗工紙が得られ、特に手提袋のような製袋用途に適したキャスト塗工紙が得られる。加えて、リウェットキャスト法でキャスト塗工層を設けると、上述の製袋用キャスト塗工紙を、効率よく生産できるため好ましい。
特に、基紙として、機械パルプを5〜20質量%配合し、内添サイズ剤として酸性ロジンサイズ剤を固形分換算で、0.05〜0.50質量%、好ましくは0.14〜0.30質量%内添し、コブサイズ度20〜70g/mに調整した基紙の上に、融点が100〜110℃であるポリエチレン樹脂を顔料100質量部に対して2〜5質量部配合した塗工層を、片艶紙の艶面に塗工すると、ポリエチレン樹脂を含有する塗工液が片艶紙に吸収されにくいため、塗工層内部にポリエチレン樹脂が残留しやすくなる結果、耐水性に優れたキャスト塗工紙が得られるため好ましい。特に、耐割れ性を低減するために、塗工量を6〜8g/mと最小限にする場合は、塗工層が薄いため一般には十分な耐水性が得られにくいが、上記の構成とすることで、塗工量が6〜8g/mと少なくても、十分な耐水性を得ることができ、耐割れ性との両立を図ることができる。
加えて、片艶紙の艶面のベック平滑度が40〜90秒であれば、融点が100〜110℃であるポリエチレン樹脂を顔料100質量部に対して2〜5質量部配合したキャスト塗工層を設けた際に、ポリエチレン樹脂が塗工層内部に留まりやすいだけでなく、塗工層と艶面との接触面積が最小限に抑えられるため、密着性を低減でき、製袋加工時の曲げ応力をキャスト塗工紙内部で分散させやすくなり、耐割れ性が向上するため好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明による作用効果を明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(原紙)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP、フリーネス600mlCSF)10質量部、広葉樹クラフトパルプ(LBKP、フリーネス400mlCSF)80質量部、機械パルプ(TMP、フリーネス120mlCSF)10質量部を、表1に示す配合比率で配合し、パルプスラリーを調整した。
(薬品)
当該パルプスラリーに、固形分で硫酸バンド6質量%(液体硫酸アルミニウム・住友化学社製)、表1に示す種類及び配合割合(固形分換算)のサイズ剤及び紙力向上剤を内添した。但し実施例2は硫酸バンド0.5質量%とし、中性抄紙を行った。
・サイズ剤
酸性ロジン(品名:ハーサイズL−50、ハリマ化成社製)
中性ロジン(品名:ニューサイズ738、ハリマ化成社製)
・紙力向上剤
両性PAM(両性ポリアクリルアミド、品名:ハーマイドEX100、ハリマ化成社製)
アニオンPAM(アニオン性ポリアクリルアミド、品名:ハーマイドC−10、ハリマ化成社製)
PVAm(ポリビニルアミン、品名:ルレデュアVD、星光PMC社製)
(抄紙)
以上の薬品を内添したパルプスラリーを、長網抄紙機(川之江造機社製)でJIS P 8124に準拠する坪量100g/mに抄紙して、ポリアクリルアミド系接着剤(商品名:CA6078、星光PMC製)を用い、ヤンキードライヤーの入口部にて、湿紙の両耳部に1.0g/mの割合でスプレー塗工して片艶紙を得た。当該長網抄紙機はヤンキードライヤー(3600mm径、乾燥温度110℃)を備えたものであり、湿紙供給側にタッチロール(540mm径)を備えている。このタッチロール(圧接ロール)の線圧は、50kg/cmとした。また、ヤンキードライヤーの出口部のペーパーロールの抄速は290m/分とした。ただし実施例33はヤンキーフェルトを使用して片艶紙を得た。
(キャスト塗工層)
表1に示す種類及び割合で、顔料、接着剤及び耐水化剤を常温にて混合撹拌して塗工剤を調製し、片面あたり固形分換算で表1の塗工量となるようにエアーナイフで片艶紙の艶面に塗工した。塗工後、リウェットキャスト法(再湿潤法)により鏡面仕上げを行った。用いた顔料及び接着剤は以下のとおりである。また、表1の接着剤、耐水化剤の配合量は、顔料100質量部に対する値である。尚、実施例28ではゲル化法でキャスト処理し、比較例1では片艶紙の代わりに両更紙を用いて更面に塗工層を設け、比較例3ではキャスト仕上げをしなかった。
・顔料
クレー(カオリン、品番:HYDRASPERSE90、HUBER社製)
重質炭酸カルシウム(湿式、品番:エスカロン#90、三共製粉株式会社製)
シリカ:合成非晶質シリカ(型番:ニップジェルAZ−204、東ソー・シリカ社製)
・接着剤
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)(品番:PA5036、日本エイアンドエル株式会社製)
・耐水化剤
ポリエチレン樹脂
未変性(品番:A−C6,6A、ハネウェル社製)
酸化型(品番:A−C655、ハネウェル社製)
アクリル酸共重合型(品番:A−C540,540A、ハネウェル社製)
マレイン酸共重合型(品番:A−C573A,573P、ハネウェル社製)
多価アルコール系耐水化剤(品番:セクアレッツ755、三晶社製)
尚、実施例23〜25は、耐水化剤の融点を表1のとおり変更して用いた。
(測定・評価方法)
a)ベック平滑度
JIS P 8119:1998に準拠して片艶紙の艶面側を測定した。
b)コブサイズ度
JIS P 8140:1998に準拠して片艶紙の艶面側について接触時間2分で測定した。
c)白紙光沢度
JIS P 8142:2005に準拠してキャスト塗工面を測定した。白紙光沢度は、88%未満であれば見栄えが悪く、88%以上であれば見栄えが良く、90%以上であれば見栄えに特に優れる。
d)印刷鮮明性
オフセット印刷機(型番:リソピアL‐BT3‐1100、三菱重工業(株)製)を使用し、キャスト塗工面に対し、カラーインク(品番:ADVAN、大日本インキ化学工業(株)製)にてカラー4色印刷を5000部行った。この印刷面のうち、4000〜4500枚目の範囲内にある印刷物1枚をランダムに選び、目視及びルーペ(10倍)にて観察し、印刷鮮明性を以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:印刷にムラがなく、鮮明な印刷である。
△:印刷物の輪郭が僅かにぼやけており、印刷鮮明性が僅かに劣る。
×:印刷物の輪郭がぼやけており、印刷鮮明性に劣る。
なお、前記評価基準のうち、○、△を実使用可能と判断する。
e)耐水性(コブサイズ度)
JIS P 8140:1998に準拠して、キャスト塗工面について接触時間10秒で測定した。14g/mを超えれば耐水性が悪く、14g/m以下であれば耐水性が良く、12g/m以下であれば耐水性に優れる。
f)耐割れ性
次の条件でA4サイズ(縦目)の印刷試験体を調製した。
印刷機 :RI‐3型、株式会社明製作所社製
インキ :WebRex Nouver HIMARKプロセス藍、大日精化株式会社製
インキ量:上段ロールに0.3ml、下段ロールに0.2ml
試験方法:上段、下段ロールでそれぞれインキを各3分間練り(2分間練った後、ロールを反転させ更に1分間練る)、回転速度30rpmで、キャスト塗工面に対して印刷を行った。
A4縦目の印刷試験体を縦110mm、横15mmに切り取り、JISP8115:2001「紙及び板紙−耐折強さ試験方法−MIT試験機法」に準じて耐折回数20回で耐折試験を行った。試験後の印刷試験体について、印刷が剥離した白紙部分の割合を折れ目に沿って算出し、剥離率とした。剥離率の算出は次のとおり行う。折れ目の上下各2mmの位置に、折れ目と並行な線(緯線)を引き、上下2本の緯線の間に、緯線および折れ目と直行するように0.5mmの等間隔で垂線(経線)を29本引く。経線29本のうち、印刷が剥離した白紙部分と接する経線の割合を剥離率とした。式を次に示す。
剥離率(%)=印刷剥離部分(白色部分)に接する経線の数/経線の全本数(29本)×100
尚、剥離率の算出は、印刷試験体を縦横各4倍に拡大コピーし求めても良い。この場合、緯線は折り目の上下各8mmの位置に、経線の間隔は2.0mmとなり、測定が容易となる。
尚、剥離率は以下のとおり評価した。
20%以下:耐割れ性に優れ、実使用可能。
50%以下:耐割れ性が良く、実使用可能。
50%超過:耐割れ性に劣り、実使用不可能。
本発明の製袋用キャスト塗工紙は、高級感を有する手提げ袋等を製造するために使用することができる。
1…ヤンキードライヤー、3…湿紙、4A,4B…圧接ロール、6…エキスパンダーロール、8,9…ペーパーロール、P…ドライヤーパート、E…ヤンキードライヤー入口、F…ヤンキードライヤー出口。

Claims (5)

  1. 基紙及び前記基紙上に顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を有する塗工紙であって、前記基紙が片艶紙であり、前記塗工層が前記片艶紙の艶面に固形分換算で5〜10g/m 設けられ、前記塗工層がキャスト処理により鏡面仕上げされ、前記塗工層中にポリエチレン系耐水化剤を含有することを特徴とする、製袋用キャスト塗工紙。
  2. 前記ポリエチレン系耐水化剤の融点が100℃〜110℃であり、前記顔料100質量部に対し前記ポリエチレン系耐水化剤を2〜5質量部含有することを特徴とする、請求項1に記載の製袋用キャスト塗工紙。
  3. 前記ポリエチレン系耐水化剤が、酸化型ポリエチレン樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製袋用キャスト塗工紙。
  4. 前記基紙が酸性紙であり、前記基紙中にポリアクリルアミド系の紙力向上剤が固形分換算で0.3〜0.8質量%、酸性ロジンサイズ剤が固形分換算で0.05〜0.50質量%含有され、前記片艶紙は、艶面側のJIS P 8119に準拠したベック平滑度が40〜90秒、JIS P 8140に準拠したコブサイズ度が20〜70g/mであることを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載の製袋用キャスト塗工紙。
  5. 前記顔料のうち、クレー及び炭酸カルシウムの合計が95質量%以上でることを特徴とする、請求項1〜4いずれか1項に記載の製袋用キャスト塗工紙。
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