JP2008261068A - ラベル用塗工紙およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のラベル用塗工紙は、抄紙速度600m/分以上で抄紙された原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工層が設けられ、原紙の縦方向と横方向の比率が1.0〜1.6で、原紙のカール度が50度〜140度/cmである。本発明のラベル用塗工紙の製造方法は、シェーキング強度1,800〜12,000で振動させたワイヤーを用い、抄紙速度600m/分以上で抄紙して、原紙を得る工程と、該原紙上に顔料および接着剤を主成分とする塗工液を塗工して塗工層を得る工程と、該塗工層の表面を平滑化処理する工程とを有する。
【選択図】なし
Description
また、ラベルを瓶等に貼付けする際には、部分糊付けすることがあるが、糊が乾燥した後に糊が存在する部分と糊が存在しない部分での乾燥収縮差によって、ラベル自体に膨れや皺が発生することがあった。膨れや皺が顕著に現れると商品価値が損なわれるため、ラベル用塗工紙においては部分糊付け時の膨れや皺が発生しにくいことが要求される。
また、特許文献2では、原紙を2分間水浸漬した後の伸び率などを特定の範囲にすることで、ラベル用塗工紙の部分糊付け時の膨れや皺を防止できる旨が開示されている。
また、特許文献2に記載の原紙を得るためには、抄紙速度を低速にする必要があり、ラベル用紙の生産性が低くなるという問題があった。また、原紙の水浸漬後の伸び率を特定の範囲とするためには、パルプの叩解条件を緩和する方法が考えられるが、パルプの叩解条件を緩和した場合には、仕上がった原紙の表面強度が低下した。そのため、表面サイズ液を多く塗布したり、サイズ液にポリビニルアルコールを添加したりして表面強度の低下を防ぐ対策を採る必要があった。
本発明は、原紙の表面強度の低下を防止でき、また、糊付け後のカールおよび部分糊付け後の膨れや皺を防止できるラベル用塗工紙を提供することを目的とする。さらには、そのようなラベル用塗工紙を高い生産性で製造できるラベル用塗工紙の製造方法を提供することを目的とする。
[1] 抄紙速度600m/分以上で抄紙された原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工層が設けられたラベル用塗工紙において、
原紙は、音速法によって測定される超音波伝播速度の縦方向と横方向の比率(縦方向の超音波伝播速度/横方向の超音波伝播速度)が1.0〜1.6であり、TAPPI T466hm−82に準拠して測定されるカール度が50〜140度/cmであることを特徴とするラベル用塗工紙。
[2] 原紙は、JIS P 8140に準拠して測定されるコッブ法によるサイズ度が5〜20g/m2である請求項1に記載のラベル用塗工紙。
[3] シェーキング強度1,800〜12,000でワイヤーを振動させ、ジェット/ワイヤー比0.950〜1.050にて、抄紙速度600m/分以上で抄紙して、原紙を得る工程と、
該原紙上に顔料および接着剤を含有する塗工液を塗工して、塗工層を得る工程と、
該塗工層の表面を平滑化処理する工程とを有することを特徴とするラベル用塗工紙の製造方法。
本発明のラベル用塗工紙の製造方法は、原紙の表面強度の低下を防止でき、また、糊付け後のカールおよび部分糊付け後の膨れや皺が防止されたラベル用塗工紙を高い生産性で製造できる。
本発明のラベル用塗工紙は、原紙上に塗工層が設けられたものである。
原紙は、抄紙速度600m/分以上で抄紙されたものである。抄紙速度600m/分未満で抄紙された原紙は生産性が低く、本発明の目的にそぐわない。また、抄紙速度は1300m/分以下であることが好ましい。1300m/分を超える抄紙速度では、ブレストロールへの負荷がかかりすぎるため、ワイヤーを振動させたときに所望のシェーキング強度が得られ難い。ここで、ブレストロールとは、後述する図1に示す製造装置の符号11aの部材である。
なお、超音波伝播速度の縦方向と横方向の比率が1.6を超えると糊付け後のカールおよび部分糊付け後の膨れや皺を防止できず、1.0未満では工業的な製造が困難である上に、1.0未満になると縦方向の紙力が低下するため、抄紙時の操業性が低下する。
ここで、音速法による超音波伝播速度の縦方向と横方向の比率は、野村商事製SST−3000(Sonic Sheet Tester)により測定された値である。
これらの中でも、ワイヤーのシェーキング強度を1,800〜12,000、ジェット/ワイヤー比を0.950〜1.050にて抄紙することで、原紙の、超音波伝播速度の縦方向と横方向の比率を容易に1.6以下にでき、地合いに優れたラベル用塗工紙を得ることができる。
原紙のカール度を50〜140度/cmに調整する方法としては、超音波伝播速度の縦方向と横方向の比率、ジェット/ワイヤー比、ヘッドボックスのL/b値を適宜に調整する方法が挙げられる。例えば、ワイヤーのシェーキング強度を1,800〜12,000、ジェット/ワイヤー比を0.950〜1.050にて抄紙することで、原紙のカール度を50〜140度/cmにできる。
コッブサイズ度を前記範囲にするためには、原紙に添加する内添サイズ剤やサイズプレス液の塗布量、サイズプレス液内に添加される表面サイズ剤の添加量を適宜調節する方法を適用できる。具体的には、内添サイズ剤、サイズプレス液の塗布量、サイズプレス液内の表面サイズ剤等の添加量を多くすることでコッブサイズ度は小さくなり、これらの添加量や塗布量を調整することで、コッブサイズ度を前記範囲内にすることができる。通常、内添サイズ剤および表面サイズ剤は0.1〜2.0質量%で、サイズプレス塗布量は0.5〜5.0g/m2の範囲で調整される。また、前記コッブサイズ度を得るためには、内添サイズ剤および表面サイズ剤の両方を上記範囲内で適量添加することが好ましい。内添サイズ剤と表面サイズ剤の一方のみを添加しても、前記コッブサイズ度を得ることもできるが、表面サイズ剤のみでは原紙表面でコッブサイズ度を調整するために多量に添加する必要があり、コスト的に不利である。一方、内添サイズ剤のみでは原紙表面から塗料や糊の浸透が速く、所望とするコッブサイズ度が得られ難い他、塗工時の塗料の浸透も速くなり、塗工面の平滑性を低下させる傾向にある。
内添サイズ剤としては、例えば、ロジンエマルジョン等のロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、無水ステアリン酸系サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、ワックス系サイズ剤、あるいはカチオン性合成サイズ剤等が挙げられる。
表面サイズ剤としては、例えば、各種の澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、アクリル酸エステル、ラテックスやα−オレフィン無水マレイン酸共重合体、スチレンアクリル系共重合体、あるいは高級脂肪酸系等の合成サイズ剤やカチオン性合成サイズ剤等が挙げられる。
塗工層は、顔料および接着剤を必須成分として含有し、必要に応じて、その他の成分を含有する。
塗工紙のコッブサイズ度を前記範囲にするためには、例えば、原紙に添加する内添サイズ剤や表面サイズ剤の種類、添加量を適宜調節すればよい。具体的には、表面サイズ剤の添加量を多くすれば、コッブサイズ度が小さくなる。
本発明のラベル用塗工紙の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態では、図1に示す製造装置を用いてラベル用塗工紙を製造する。図1に示す製造装置1は、原紙Aを作製する製紙装置1aと、製紙装置1aにより作製した原紙上に塗工液を塗工して塗工層を形成する塗工装置1bと、塗工層の表面を平滑化する平滑化装置1cとを具備するものである。
製紙装置1aのワイヤーパート10は、ロール11a,11bに掛け回されて循環走行し、パルプスラリーを抄紙するワイヤー11と、ワイヤー11を振動させるワイヤーシェーキング機12と、パルプスラリーをワイヤー11に吐出するヘッドボックス13とを備える。
上記ワイヤーシェーキング機12としては、例えば、フォイト社の商品名デュオ・シェイク(Duo−shake)等が市販されている。
ドライヤーパート30では、下側反転用ロール33aによりカンバス31aの走行方向を反転させることにより、カンバス31aが下側加熱ドラム32aの下部に隣接しながら走行するようになっている。このように走行するカンバス31aによって湿紙W2を下側加熱ドラム32aの下部に押し付けるようになっている。
また、上側反転用ロール33bによりカンバス31bの走行方向を反転させることにより、カンバス31bが上側加熱ドラム32bの上部に隣接しながら走行するようになっている。このように走行するカンバス31bによって湿紙W2を上側加熱ドラム32bの上部に押し付けるようになっている。
塗工機40としては、ブレードコータ、エアーナイフコータ、ロールコータ、ブラシコータ、カーテンコータ、チャンプレックスコータ、バーコータ、グラビアコータ、サイズプレスコータ等が挙げられる。なお、図示例の塗工装置1bは、ブレードコータである。
パルプスラリーは、パルプ繊維が水中に分散したものであり、必要に応じて、各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤等の各種抄紙用内添助剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤が添加されていてもよい。
抄紙pH条件は、酸性、アルカリ性のいずれであってもよい。
また、パルプスラリーの吐出方向とワイヤー11の走行方向との角度(以下、この角度のことを吐出角度という。)は30°〜90°であることが好ましい。吐出角度が30°以上であれば、パルプ繊維の抄紙方向の配向性をより低くできる。吐出角度を90°より大きくすることは、ワイヤー11の走行方向と反対に吐出させることであるため、実用的でない。
また、抄紙速度は1300m/分以下であることが好ましい。抄紙速度1300m/分を超えると、ロール11aに負荷がかかりすぎるため、所望のシェーキング強度が得られにくくなり、原紙の品質が低下する。
さらに、シェーキング強度を1,800以上にすることにより、原紙の抄紙速度を向上させることができ、また、パルプの叩解を進める(フリーネスを低下させる)ことができ、表面強度を高くできる。そのため、原紙に添加する澱粉や紙力剤、原紙表面に塗布する澱粉やPVA等の薬品を削減できる。
シェーキング強度の上限は12,000である。シェーキング強度が12,000を超えると、超音波伝播速度の縦方向と横方向の比率が1.0未満になる。また、シェーキング強度を12,000にすることは工業的には容易ではない。
I = f2 × s / V (1)
I: シェーキング強度
f: 振動数(回/分)
s: 振幅(mm)
V: 抄紙速度(m/分)
また、振動数は、300〜500回/分の範囲で調節することが好ましい。振動数が300回/分以上であれば、得られる原紙の超音波伝播速度の縦方向と横方向の比率を容易に1.6以下にでき、500回/分以下であれば、容易に1.0以上にできる。
さらに、ドライヤーパート30にて、プレスパート20から移送された湿紙W2を、まず、カンバス31aにより支持して搬送しながら、下側加熱ドラム32aに接触させ、次いで、カンバス31bにより支持して搬送しながら、上側加熱ドラム32bに接触させて、乾燥する。これを繰り返して乾燥度合いを高める。
表面サイズ剤を塗布する方法としては、例えば、ツーロールまたはロッドメタリング式のサイズプレス、ゲートロール、ビルブレード、ショートドウェルコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、ブレードコータやスプレー等の各種装置を使用する方法が挙げられる。
塗工液の塗工量(乾燥塗工量)としては5〜30g/m2であることが好ましい。塗工液の塗工量が5g/m2以上であれば、一回の塗工で塗工層の厚みを充分に確保できる。しかし、30g/m2を超えると、塗工品質の向上が見られなくなる。また、品質や操業性等を考慮すると、塗工量は8〜25g/m2の範囲がより好ましい。
また、塗工液には、必要に応じて、消泡剤、流動変性剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。また、塗工した塗工液の固化を促進する助剤を添加してもよい。固化を促進する助剤として、例えば、アミン、アミド、ポリアクリルアミン等や亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムの多価金属の塩等が挙げられる。
該助剤の添加量は、顔料100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。該助剤の添加量が0.1質量部以上であれば、塗工した塗工液の固化を充分に促進できる。ただし、10質量部を超えて添加しても、その添加量に応じた効果が得られず、実益がない。
平滑化処理において、キャレンダのニップに入る前の水分は、表面を容易に平滑化できることから、3〜10質量%程度が好ましい。キャレンダの仕上げ速度は、紙の米坪、品種等に応じて適宜選択され、例えば、100〜1300m/分程度の範囲で適宜調節される。
特に、塗工層を片面のみに設けた場合には、カールを起こし易いことから、カール矯正のため、平滑化処理前後に非塗工面に上記水塗り装置や加湿装置により、水、澱粉、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グリセリン、尿素系樹脂、無機塩類等の水性液を塗工することが好ましい。
ラベル用塗工紙は、塗工層側に印刷が施された後、小裁ちされ、ラベル貼り機(ラベラー)などにより、瓶や缶に貼付される。貼付の際に使用する糊としては、例えば、澱粉系、ポバール系、ガゼイン系、ゴム系および樹脂系のものが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
糊の粘度は、紙への糊の浸透が少なく、貼付前のカールを抑制できることから、200mPa以上が好ましい。
また、このラベル用塗工紙の製造方法によれば、叩解度の低いパルプを使用しなくてもよいため、原紙の表面強度低下を防止できる。
しかも、上記製造方法では、抄紙速度が速いため、生産性が高い。
NBKP10%(フリーネス/CSF:520ml)とLBKP90%(CSF:500ml)とを混合して混合パルプを得た。この混合パルプにロジン系サイズ剤0.2%(サイズパインE/荒川化学工業製)、硫酸バンド1.2%、填料であるタルク(NK−H80/兼松ケミカル社製)10%を添加してパルプスラリー(固形分濃度0.5質量%)を調製した。そして、このパルプスラリーを原料とし、オントップフォーマーを用いて、酸性条件下、抄紙速度650m/分で抄紙して湿紙を得た。
ここで使用したオントップフォーマーにおいては、ワイヤーが2つのロールに掛け回されており、それらのロールのうち、ヘッドボックス側のものにワイヤーシェーキング機(フォイト社製商品名デュオ・シェイク)が取り付けられている。そして、このワイヤーシェーキング装置によって、ブレストロールを振動させ、その振動によりワイヤーを振動させた。
抄紙では、ジェット/ワイヤー比を0.990とし、ワイヤーシェーキング条件を振幅9mm、振動数550回/分(シェーキング強度 4,188)に設定した。
次いで、湿紙を圧搾し、乾燥した後、オンマシン仕様の2ロールサイズプレス装置により、サイズプレス液を、固形分で2.2g/m2となるように塗布する表面サイズ処理を行った。サイズプレス液としては、酵素変性澱粉5%およびα−オレフィン無水マレイン酸共重合体系表面サイズ剤(ポリマロン1329/荒川化学工業製)0.3%よりなるものを用いた。
このようにして、米坪64g/m2、コッブサイズ度15g/m2の原紙を得た。
この塗工液を上記で得た原紙の片面に乾燥後の塗工量が21g/m2となるようにブレードコータを用いて塗工、乾燥した。その後、さらにもう一方の片面に、カール矯正を目的として、ブレードコータを用いて水を10cm3/m2で塗工、乾燥した後、スーパーキャレンダにより平滑化処理をして、米坪84.9g/m2 のラベル用塗工紙を得た。
ワイヤーシェーキング条件を、振幅12mm、振動数400回/分(シェーキング強度2,954)とした以外は実施例1と同様の方法でラベル用塗工紙を得た。
ワイヤーシェーキング条件を、振幅17mm、振動数350回/分(シェーキング強度3,204)とした以外は実施例1と同様の方法でラベル用塗工紙を得た。
ワイヤーシェーキング条件を、振幅24mm、振動数350回/分(シェーキング強度4,520)とした以外は実施例1と同様の方法でラベル用塗工紙を得た。
抄紙速度を800m/分とした以外は実施例1と同様の方法でラベル用塗工紙を得た。
抄紙速度を800m/分とし、ワイヤーシェーキング条件を、振幅12mm、振動数400回/分(シェーキング強度2,400)とした以外は実施例1と同様の方法でラベル用塗工紙を得た。
抄紙速度を800m/分とし、パルプへ添加するロジン系サイズ剤(サイズパインE/荒川化学工業製)の量を0.5%としサイズプレス液内の表面サイズ剤の量を1.0%とした以外は実施例1と同様の方法により原紙を得た。原紙のコッブサイズ度は10g/m2であった。そして、この原紙を用いたこと以外は実施例1と同様にしてラベル用塗工紙を得た。
抄紙速度を800m/分とし、ジェット/ワイヤー比を1.020とした以外は実施例1と同様の方法でラベル用塗工紙を得た。
サイズプレス液の塗布を行わなかった以外は実施例1と同様の方法でラベル用塗工紙を得た。
ワイヤーシェーキングを行わなかった以外は実施例1と同様の方法でラベル用塗工紙を得た。
抄紙速度を500m/分とし、ワイヤーシェーキング条件を、振幅9mm、振動数185回/分(シェーキング強度616)とした以外は実施例1と同様の方法でラベル用塗工紙を得た。
ワイヤーシェーキング条件を、振幅9mm、振動数250回/分(シェーキング強度865)とした以外は実施例1と同様の方法でラベル用塗工紙を得た。
ジェット/ワイヤー比を1.100とした以外は実施例1と同様の方法でラベル用塗工紙を得た。
・超音波伝播速度の縦方向と横方向の比率
野村商事製SST−3000(Sonic Sheet Tester)を用い、原紙の超音波伝播速度の縦方向と横方向の比率を測定した。なお、表1中では、「縦/横比」と略記する。
・コッブサイズ度
JIS P 8140に従って測定した。コッブサイズ度が低い程、表面強度が高くなる。
・ カール度
TAPPI T466hm−82に準拠して測定した。
・ 地合い
○: 地合いが良好である。
△: やや地合いが劣るが、実用上は問題ない。
×: 地合いが劣り、実用上問題となる。
・水塗布後のカール防止性
ラベル用塗工紙を縦5cm×横8cmに断裁し、非塗工面(裏面)の全面に水をNo.8のワイヤーバーで塗布後のカールの状況を目視により観察し、下記基準により評価した。
◎: 非塗工面に水を塗布した後、カールしない。
○: 非塗工面に水を塗布した後、ややカールするが、実用上は問題ない。
△: 非塗工面に水を塗布した後、カールし、実用上やや問題になる。
・部分糊付け後の膨れ、皺の防止性
ラベル用塗工紙を縦5cm×横8cmに断裁してラベル状とし、非塗工面(裏面)にPVA糊(アラビック ヤマト/ヤマト製)をNo.8のワイヤーバーを用い、図2に示すように縦方向の両端側と中央に塗布して糊塗布部Cを形成した。その塗布した糊により、ラベルを瓶に貼付け、48時間放置して乾燥した後、ラベル表面の膨れや皺発生の状況を目視により観察し、下記基準により評価した。
◎: 膨れ、皺発生が全く見られない。
○: 膨れ、皺発生がやや見られるが、実用上は問題ない。
×: 膨れ、皺発生が認められ、実用上問題になる。
ワイヤーを振動させなかった比較例1、シェーキング強度を1800未満とした比較例2,3の製造方法では、得られた原紙の超音波伝播速度の縦方向と横方向との比率が1.6を超え、カール度が140度/cmを超えており、水塗布後に実用上問題になる程度のカールが発生した。この原紙を用いた塗工紙は、部分糊付け後の膨れ、皺の発生が認められた。
ジェット/ワイヤー比が1.050を超えて原紙を作製した比較例4の製造方法でも、比較例1〜3と同様に、得られた塗工紙において、部分糊付け後の膨れ、皺の発生が認められた。
1a 製紙装置
1b 塗工装置
1c 平滑化装置
10 ワイヤーパート
11 ワイヤー
11a ブレストロール
11b ピックアップロール
12 ワイヤーシェーキング機
13 ヘッドボックス
20 プレスパート
21 フェルト
22 プレスロール
30 ドライヤーパート
31a,31b カンバス
32a 下側加熱ドラム(加熱ドラム)
32b 上側加熱ドラム(加熱ドラム)
33a 下側反転用ロール(反転用ロール)
33b 上側反転用ロール(反転用ロール)
40 塗工機
50 乾燥機
A 原紙
W1,W2 湿紙
Claims (3)
- 抄紙速度600m/分以上で抄紙された原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工層が設けられたラベル用塗工紙において、
原紙は、音速法によって測定される超音波伝播速度の縦方向と横方向の比率(縦方向の超音波伝播速度/横方向の超音波伝播速度)が1.0〜1.6であり、TAPPI T466hm−82に準拠して測定されるカール度が50〜140度/cmであることを特徴とするラベル用塗工紙。 - 原紙は、JIS P 8140に準拠して測定されるコッブ法によるサイズ度が5〜20g/m2である請求項1に記載のラベル用塗工紙。
- シェーキング強度1,800〜12,000でワイヤーを振動させ、ジェット/ワイヤー比0.950〜1.050にて、抄紙速度600m/分以上で抄紙して、原紙を得る工程と、
該原紙上に顔料および接着剤を含有する塗工液を塗工して、塗工層を得る工程と、
該塗工層の表面を平滑化処理する工程とを有することを特徴とするラベル用塗工紙の製造方法。
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