JP6114173B2 - 葉書用紙 - Google Patents

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Description

本発明は葉書用紙に関する。更に詳しくは、宛名面とする一方の面がオフセット印刷や活版印刷適性を持ち、通信面とするもう一方の面が和紙と同様の風合いを持つ葉書用紙に関するものである。
葉書の宛名面は、切手絵柄や郵便番号枠等がオフセット印刷や活版印刷されるのが一般的である。そのため、葉書の宛名面にはオフセット印刷や活版印刷の印刷適性が望まれる。宛名面と反対面側となる通信面には、消費者によって、インクジェット記録方式による印刷などが行われる他、鉛筆やボールペンなどによる手書きでの情報記録も行われる。従って、一般に、葉書用紙には表裏ともに印刷や印字に適した平滑度が高い用紙が求められる。
このような葉書用紙として、特許文献1には、特定のパルプを用い、α−セルロース含有率と微細物含有量を規定して低密度で剛直度と平滑度が高い葉書用紙が提案されている。また、特許文献2には、填料として炭酸カルシウムを含有し、ステキヒトサイズ度、摩擦係数を規定した葉書用紙が提案されている。
しかしながら、葉書の通信面側には、消費者によって鉛筆やボールペンなどによる手書きでの情報記録が行われるが、最近では、墨や水彩絵具等により毛筆書画や水彩画を描くことも盛んになりつつある。そして、墨や水彩絵具による描画を行う場合、用紙の特性としては、鉛筆やボールペンによる筆記時とは異なり、平滑性が低く、凹凸感のある和紙と同様の風合いを持つことが望まれる。従って、墨や水彩絵具による描画を考えた場合の葉書には、適切な範囲で平滑性が低い用紙を用いるのが好ましいが、平滑性が低い用紙を葉書として用いた場合には、宛名面へのオフセット印刷や活版印刷適正を損ねてしまうという問題があった。
特開平10−219586号公報 特開2003−313795号公報
本発明はこのような問題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、宛名面とする一方の面がオフセット印刷や活版印刷適性を持ち、通信面とするもう一方の面が凹凸感のある和紙と同様の風合いを持つ葉書用紙を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の葉書用紙は、パルプを主成分とする2以上の層からなる多層抄きの葉書用紙であって、宛名面とする一方の面のベック平滑度が15〜80秒であり、通信面とするもう一方の面のベック平滑度が8秒未満であり、葉書用紙全体の米坪が150〜300g/mであることを特徴とする。
また、本発明の葉書用紙は、前記通信面となる層には針葉樹パルプが該層のパルプ全量に対して50〜100質量%含まれていてもよい。このような構成とすることで、通信面の平滑性をコントロールしやすく通信面の風合いをより和紙に近くすることができる。
また、本発明の葉書用紙は、前記通信面となる層にはポリアクリルアミド系樹脂により凝集処理されたパルプが含まれていてもよい。このような構成とすることで、通信面の風合いをより和紙に近くすることができる。
また、本発明の葉書用紙は、前記宛名面側となる層には広葉樹晒しクラフトパルプが該層のパルプ全量に対して60〜100質量%含まれていてもよい。このような構成とすることで、宛名面とする面のオフセット印刷適正及び活版印刷適正を向上させることができる。
また、本発明の葉書用紙は、宛名面となる面をヤンキードライヤーに圧接させて抄造してもよい。このような構成とすることで、宛名面となる一方の面の平滑性が比較的高く、通信面となるもう一方の面の平滑性が比較的低い葉書用紙を容易に得ることが可能となる。
本発明によれば、宛名面とする一方の面は平滑度が比較的高いことからオフセット印刷や活版印刷による切手絵柄や郵便番号枠等の印刷を好適に行うことができ、通信面とするもう一方の面は平滑度が比較的低いことから墨や水彩絵具による描画に適した凹凸感のある和紙と同様の風合いを持つ葉書用紙を提供することが可能となる。
図1(a)は、本発明の実施形態の一例であり、宛名面側層1と通信面側層2との2層の構成を有する葉書用紙の模式図断面図である。図1(b)は、本発明の実施形態の一例であり、宛名面側層1と通信面側層2との間に1層の中間層5を設け、3層の構成を有する葉書用紙の模式図断面図である。
先に述べたとおり、本発明の葉書用紙は、パルプを主成分とする2以上の層からなる多層抄きの葉書用紙であって、宛名面とする一方の面のベック平滑度が15〜80秒であり、通信面とするもう一方の面のベック平滑度が8秒未満であり、葉書用紙全体の米坪が150〜300g/mである。
本発明の葉書用紙の具体的な構成例が図1に示されている。図1において、1は宛名面とする側の層(以下、宛名面側層という)、2は通信面とする側の層(以下、通信面側層という)、3は宛名面とする面、4は通信面とする面、5は中間層である。尚、図1において各層の厚みは実際の比率を表すものではない。図1(a)に示される構成例は、宛名面側層1と通信面側層2との2層の構成としたものである。また、図1(b)に示される構成例は宛名面側層1と通信面側層2との間に1層の中間層5を設け、3層の構成としたものである。ここで中間層5は1層の構成としているが、2以上の中間層を設けて全体を4層以上の構成としてもよい。宛名面側層1の表面が宛名面とする面3、通信面側層2の表面が通信面とする面4である。
本発明において各層に用いるパルプとしては、特に限定するものではないが、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)に代表される木材漂白化学パルプを使用することができる。また、必要に応じて、GP(砕木パルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、BCTMP(晒ケミサーモメカニカルパルプ)等の機械パルプ、古紙パルプを適宜配合することもできる。更には、木材パルプ以外に、非木材パルプ、合成パルプ、合成繊維などを用いてもよい。
本発明において、通信面側層のベック平滑度が8秒未満であり和紙と同様の風合いを有していれば、どのような構成を有していてもよい。そのためには、例えば、通信面側層に用いるパルプとしてNBKP、NBSP等の針葉樹パルプを用いることが好ましい。針葉樹パルプ繊維は、長く剛性があり、紙にラフ感を与えることができるため、通信面側層に配合することで通信面となる面の平滑度を比較的低くし、和紙と同様の風合いを与えることができる。また、NBKPに比べてコスト高となるが、NBKPよりもNBSPの方が紙の柔らかさが出るため、柔らかい風合いを求める場合にはNBSPを用いることが好ましい。更に、非木材パルプとして、和紙原料として用いられる楮、三椏を用いることもでき、パルプ繊維長の長いアバカ等も用いることも可能である。本発明においては、通信面側層に用いるパルプ全量に対して針葉樹パルプを50〜100質量%含有させることが好ましい。
また、本発明においては、和紙と同様の風合いを持たせるために、前記通信面側層に用いるパルプの一部又は全部を、ポリアクリルアミド系樹脂により凝集処理したものとしてもよい。このような構成とすることで通信面となる面の平滑性が低下し、通信面の風合いをより和紙に近くすることができる。ポリアクリルアミド系樹脂としては特に限定するものではなく、アニオン性、カチオン性又は両性のポリアクリルアミド系樹脂を用いることができる。凝集処理の方法としては、特に限定するものではないが、事前にパルプとポリアクリルアミド系樹脂とを混合して凝集パルプスラリーを調整し、この凝集パルプスラリーを他の原料スラリーと混合する方法があり、この場合、パルプの凝集が起こりやすいという点でカチオン性ポリアクリルアミド系樹脂を好適に用いることができる。また、別の方法としては、パルプスラリーに填料、サイズ剤、硫酸バンド等の製紙薬品を添加して原料スラリーを調整した後、この原料スラリーにポリアクリルアミド系樹脂を添加することによりパルプを凝集処理することも可能である。このような場合、原料スラリーの電位にもよるが、硫酸バンドを用いる原料スラリー系であれば、アニオン性ポリアクリルアミド系樹脂を用いて凝集処理を行った方がパルプを凝集させやすくなる。凝集処理に用いるポリアクリルアミド系樹脂の添加量としては、パルプに対して0.05〜3質量%とすることが好ましく、0.1〜2質量%とすることがより好ましい。また、アニオン性ポリアクリルアミド系樹脂としては分子量が比較的高いものが凝集効果の点で好ましく、分子量が1000万以上のアニオン性ポリアクリルアミド系樹脂が好ましい。
前記通信面側層に用いるパルプの濾水度は特に限定するものではないが、カナダ標準濾水度(フリーネス)(JIS P 8121:1995「パルプのろ水度試験方法」)で、500〜750mlCSFとすることが好ましい。より好ましくは550〜700mlである。濾水度を比較的高くすることで通信面となる面の平滑度を比較的低くし、和紙と同様の風合いを与えることができる。また、繊維間の空隙率が高くなることから、墨や水彩絵具が紙面に染み込みやすくなり、描画適正を向上させることができる。一方、濾水度が高くなりすぎると強度面での問題が生じるおそれがある。
宛名面側層に用いるパルプとしては、LBKPを用いることが好ましい。LBKPを用いることで宛名面側層の地合を整えやすくなり、宛名面とする面を比較的平滑性の高い面とすることができ、オフセット印刷適正及び活版印刷適正を向上させることができる。本発明においては、宛名面側層に用いるパルプ全量に対してLBKPを60〜100質量%含有させることが好ましい。
前記宛名面側層に用いるパルプの濾水度は特に限定するものではないが、カナダ標準濾水度(フリーネス)(JIS P 8121:1995「パルプのろ水度試験方法」)で、400〜650mlCSFとすることが好ましい。より好ましくは450〜600mlである。濾水度をこの範囲とすることで宛名面となる面の平滑度を比較的高くすることが容易となり、オフセット印刷や活版印刷に適した紙面を得やすくなる。
本発明においては、前述したとおり、通信面側層と宛名面側層との中間に1層以上の中間層を設けてもよい。米坪の比較的大きい葉書用紙とする際に、各層の坪量を大きくすると、局所的な米坪変動が大きくなりやすく、表面のボコツキや用紙の地合を悪化させる場合がある。これを防ぐために、例えば米坪が180g/m以上となるような比較的米坪の大きい葉書用紙とする場合には中間層を1層以上設けるのが好ましい。中間層に用いるパルプとしては、特に限定するものではないが、LBKPを主体として用いることが好ましい。例えば、中間層のパルプ全量に対してLBKPを70〜100質量%含有させることが好ましい。LBKPを主体として用いることで地合の調整が行い易く、宛名面となる面の平滑性をコントロールしやすくなる。また、本発明の葉書用紙に古紙を配合する場合には、この中間層に古紙を配合することが好ましい。中間層に用いるパルプの濾水度は特に限定するものではないが、カナダ標準濾水度(フリーネス)(JIS P 8121:1995「パルプのろ水度試験方法」)で、400〜650mlCSFとすることが好ましく、より好ましくは450〜600mlCSFである。400mlCSF未満では、パルプの繊維間結合が強くなるため空隙率が減少し、透気抵抗度の増加及び墨や水彩絵具が紙面に染み込みにくくなり、描画適正を損ねるおそれがある。650mlCSFを超えると、支持体の強度が低下し、ギロチン断裁時に紙粉が発生しやすくなるおそれがある。また、繊維の脱落によるパイリングの発生、インク転写時の紙剥けなど印刷トラブルが発生するおそれがある。
本発明において各層には、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で、填料、サイズ剤、紙力剤、歩留まり向上剤、着色染料、着色顔料等の各種製紙用資材を含有させることができる。填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミノケイ酸塩、焼成クレー、合成樹脂填料などの公知の填料を1種以上使用することができる。また、サイズ剤としては、内添で良好なサイズ性を発揮するものが好ましく、例えば、パラフィンワックス系サイズ剤、マイクロクリスタリンワックス系サイズ剤、カルナウバ(カルナバワックス)系サイズ剤、アルキルケテンダイマーワックス系サイズ剤、中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸サイズ剤等を1種以上使用することができる。紙力剤としては、澱粉、カチオン化澱粉、その他変性澱粉、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド・ポリアミン系樹脂、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、植物ガム、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ゴム系ラテックス、ポリエチレンオキサイド、ポリアミド樹脂などを1種以上使用することができる。紙力剤としては、これらの中でも表面強度と層間強度との向上に効果の高いカチオン化澱粉を用いることが好ましい。
本発明の葉書用紙においては、葉書用紙全体の米坪を150〜300g/mの範囲内とすることで、風合いに優れた葉書用紙とすることができる。米坪がこの範囲を外れると葉書として郵送処理する際の区分機でトラブルが発生しやすくなる。
本発明の葉書用紙は、宛名面とする面のベック平滑度を15〜80秒、好ましくは20〜70秒、より好ましくは30〜60秒とし、通信面とする面のベック平滑度を8秒未満、好ましくは6秒未満とする。宛名面とする面のベック平滑度をこの範囲とすることで、オフセット印刷や、活版印刷でのインクの着肉不良による白抜けを防止でき、印刷適正を向上させることができる。また、通信面とする面のベック平滑度をこの範囲とすることで通信面とする面に和紙と同様の風合いを持たせることができる。宛名面とする面のベック平滑度が80秒を超えるとインクの着肉不良による白抜け防止には優れるが、通信面とする面の平滑度を8秒未満にコントロールすることが難しくなり、また、宛名面とする面だけが極端に平滑性の高い面となるため葉書用紙全体として和紙のような風合いを得ることが難しくなり、更には、葉書用紙に極端な表裏差を生むことからカールが生じるおそれがある。一方、通信面とする面のベック平滑度が8秒以上となると和紙と同様の風合いが得られなくなる。
本発明の葉書用紙は、前述したように、宛名面とする面と通信面とする面とでベック平滑度に比較的大きな差のある構成とする。即ち、平滑性の表裏差が比較的大きい葉書用紙である。このような表裏差を設ける具体的手段としては、特に限定するものではないが、例えば、鏡面ロールと和紙と同様の風合いを有する通信面に適したパターンを有する粗面ロール(パターンロール)とを対にしたカレンダーを用い、鏡面ロールに宛名面となる面を、粗面ロールに通信面となる面をそれぞれ当たるようにカレンダー処理することによっても達成することができる。更に、前述したように、宛名面側層には比較的平滑性が高くなりやすいLBKPを多く配合し、通信面側層には比較的平滑性が低くなりやすいNBKPを多く配合するなど両層に用いる紙料配合を適宜調整することでよりコントロールしやすくなる。
本発明の葉書用紙の抄紙方法としては、特に限定するものではなく、円網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機、これらの抄紙機のコンビネーション抄紙機など従来から周知の抄紙機を使用して、抄合わせにて抄造できる。抄合わせの場合には抄合わせ各層の層間剥離を防止するために層間用澱粉等の紙力剤をスプレー塗布しても良い。
本発明の葉書用紙においては、前記抄き合わせにて抄造する際の乾燥工程で、宛名面となる面をヤンキードライヤーに圧接させて抄造することが好ましい。宛名面となる面をヤンキードライヤーに圧接して乾燥させることで宛名面となる面のみの平滑性を比較的大きく向上させることができる。一方、通信面となる面は、ヤンキードライヤーでの乾燥時に湿紙中の水分が蒸気となって吹き出すこととなり、更にはフェルトに接触しながら乾燥されることによりフェルトマークが転写されるため、表面のラフ感を得やすく、和紙と同様の風合いをより得やすくなる。
本発明の葉書用紙においては、必要に応じて用紙表面にサイズプレスで各種助剤を塗布することもできる。例えば、宛名面とする面にオフセット印刷に耐える印刷強度を付与するためにサイズプレスで澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の紙力剤を塗布することができ、また、サイズ性を向上させる目的でスチレンアクリル系樹脂、アルキルケテンダイマー等の表面サイズ剤を塗布してもよい。更には、インクジェット記録適性を付与するためにインク定着剤を塗布してもよい。その後、シリンダードライヤーなどで乾燥させることができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ固形分換算での質量部又は質量%を示す。
参考例1)
<宛名面側層用紙料の調製>
LBKP(フリーネス550mlCSF)80部、NBKP(フリーネス600mlCSF)20部を水中に分散してパルプスラリーとし、該パルプスラリーに紙力剤としてグラフト化澱粉(商品名:DG4204/星光PMC株式会社製)1部、サイズ剤としてロジン系エマルジョンサイズ剤(商品名:AL1200/星光PMC株式会社製)0.3部をそれぞれ添加して攪拌し、宛名面側層用の紙料とした。
<通信面側層用紙料の調製>
NBKP(フリーネス600mlCSF)100部を水中に分散してパルプスラリーとし、該パルプスラリーに紙力剤としてグラフト化澱粉(商品名:DG4204/星光PMC株式会社製)1部、サイズ剤としてロジン系エマルジョンサイズ剤(商品名:AL1200/星光PMC株式会社製)0.3部をそれぞれ添加して攪拌し、通信面側層用の紙料とした。
<葉書用紙の抄紙>
これらの2種類の紙料を用いて、円網式抄紙機にて宛名面側層/通信面側層の構成となるように2層抄き合わせで湿紙を抄紙し、プレスにて脱水後、ヤンキードライヤーに宛名面側層が当るようにして乾燥させた。その後、2本ロールサイズプレスにてポリアクリルアミド系紙力剤(商品名:ST5000/星光PMC株式会社製)8%水溶液を、用紙の両面あたり50cc/m塗布した後シリンダードライヤーにて乾燥し、米坪180g/m、水分7%の葉書用紙を得た。各層の坪量はそれぞれ90g/mとした。
参考例2)
通信面側層用紙料の調製において、パルプの配合を、NBKP(フリーネス600mlCSF)60部、LBKP(フリーネス550mlCSF)40部とした以外は参考例1と同様にして葉書用紙を得た。
(実施例3)
参考例2において、通信面側層用紙料を得た後、該紙料に更に分子量1,200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックS−100/株式会社ハイモ製)を該紙料中のパルプに対して0.3質量%添加してパルプの凝集処理を行った以外は参考例2と同様にして葉書用紙を得た。
参考例4)
宛名面側層用紙料の調製において、パルプの配合を、LBKP(フリーネス400mlCSF)100部とし、米坪150g/mとした以外は参考例2と同様にして葉書用紙を得た。各層の坪量はそれぞれ75g/mとした。
参考例5)
<中間層用紙料の調製>
LBKP(フリーネス550mlCSF)80部、NBKP(フリーネス600mlCSF)20部を水中に分散してパルプスラリーとし、該パルプスラリーに紙力剤としてグラフト化澱粉(商品名:DG4204/星光PMC株式会社製)1部、サイズ剤としてロジン系エマルジョンサイズ剤(商品名:AL1200/星光PMC株式会社製)0.3部をそれぞれ添加して攪拌し、中間層用の紙料とした。
<葉書用紙の抄紙>
得られた中間層用紙料と、参考例1で得た宛名面側層用紙料と通信面側層用紙料とを用いて、円網式抄紙機にて宛名面側層/中間層/通信面側層の構成となるように3層抄き合わせで湿紙を抄紙し、プレスにて脱水後、ヤンキードライヤーに宛名面側層が当るようにして乾燥させた。その後、2本ロールサイズプレスにてポリアクリルアミド系紙力剤(商品名:ST5000/星光PMC株式会社製)8%水溶液を、用紙の両面あたり50cc/m塗布した後シリンダードライヤーにて乾燥し、米坪285g/m、水分7%の葉書用紙を得た。各層の坪量はそれぞれ95g/mとした。
参考例6)
宛名面側層用紙料の調製において、パルプの配合を、LBKP(フリーネス550mlCSF)50部、NBKP(フリーネス600mlCSF)50部とした以外は参考例2と同様にして葉書用紙を得た。
(実施例7)
実施例3において、通信面側層用紙料におけるパルプの配合を、NBKP(フリーネス600mlCSF)40部、LBKP(フリーネス550mlCSF)60部とし、分子量1,200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックS−100/株式会社ハイモ製)の添加量を該紙料中のパルプに対して0.2質量%とした以外は実施例3と同様にして葉書用紙を得た。
(実施例8)
NBKP(フリーネス600mlCSF)60部を水中に分散して0.5%パルプスラリーとし、該パルプスラリーに分子量2000万のカチオン性ポリアクリルアミド(商品名:リアライザーR300/ソマール社製)を対パルプ0.5部添加してNBKPを凝集させ、NBKPの凝集物を得た。通信面側層用紙料の調製において、NBKP(フリーネス600mlCSF)60部に代えて、このNBKPの凝集物(NBKP換算で60部)を用いた以外は、参考例2と同様にして葉書用紙を得た。
(比較例1)
通信面側層用紙料の調製において、パルプの配合を、NBKP(フリーネス600mlCSF)40部、LBKP(フリーネス550mlCSF)60部とした以外は参考例1と同様にして葉書用紙を得た。
(比較例2)
ヤンキードライヤーを使用せずに、シリンダードライヤーを使用し乾燥させた後、金属ロールからなるマシンカレンダーを通した以外は参考例1と同様にして葉書用紙を仕上げた。
(比較例3)
宛名面側層用紙料の調製において、パルプの配合を、NBKP(フリーネス650mlCSF)90部、LBKP(フリーネス600mlCSF)とした以外は参考例1と同様にして葉書用紙を得た。
各実施例、参考例及び比較例で得られた葉書用紙の構成の概要と評価結果とを表1に示す。尚、評価については以下の方法で行った。
Figure 0006114173
<ベック平滑度>
JIS P 8119:1998に準拠して測定した。
<風合い>
通信面側層の表面(通信面となる面)について手による感触と視覚により判断し、5段階で評価した。5段階中、凹凸感(ラフ感)がありもっとも和紙の風合いに近いものを5とし、凹凸感(ラフ感)が少なく和紙の風合いとはもっとも異なるものを1とした。5段階中評価が3〜5のものを実用可能なものとして合格とし、評価が1又は2のものは和紙の風合いとは異なるものとして不合格とした。
<オフセット印刷強度>
オフセット印刷機(三菱ダイヤ/三菱重工業社製)を用いて、葉書用紙の宛名面側層の表面(宛名面となる面)に郵便番号枠、切手貼付枠、及びテストパターンを10,000枚/時の条件で印刷し、印刷部の白抜け部(ピック)の有無によって印刷強度を評価した。評価は5段階評価とし、白抜け部の最も少ないものを5とし、白抜け部の最も多いものを1とした。5段階中評価が3〜5のものを実用可能なものとして合格とし、評価が1又は2のものはオフセット印刷強度に劣るものとして不合格とした。
<活版印刷強度>
活版印刷機(JM印刷機/橋本鉄工販売株式会社製)に金属凸版を装着し、6桁の数字を葉書用紙の宛名面側層の表面(宛名面となる面)に印刷した。印刷部の白抜け部(ピック)の有無によって印刷強度を評価した。評価は5段階評価とし、白抜け部の最も少ないものを5とし、白抜け部の最も多いものを1とした。5段階中評価が3〜5のものを実用可能なものとして合格とし、評価が1又は2のものは活版印刷強度に劣るものとして不合格とした。
表1に示すとおり、実施例3、7、8および参考例1、2、4〜6で得られた葉書用紙は、通信面となる面が和紙と同様の風合いを有するものであった。また、オフセット印刷強度及び活版印刷強度にも優れ、オフセット印刷及び活版印刷を好適に行えるものであった。これに対して比較例1及び比較例2で得られた葉書用紙は通信面とする面のベック平滑度がそれぞれ8秒、30秒であり、和紙の風合いとは異なるものであった。比較例3で得られた葉書用紙は宛名面とする面の平滑度が低く、活版印刷適性及びオフセット印刷適性に劣るものであった。
1 宛名面側層
2 通信面側層
3 宛名面
4 通信面
5 中間層

Claims (4)

  1. パルプを主成分とする2以上の層からなる多層抄きの葉書用紙であって、宛名面とする一方の面のベック平滑度が15〜80秒であり、通信面とするもう一方の面のベック平滑度が8秒未満であり、葉書用紙全体の米坪が150〜300g/mであり、前記通信面となる層にはポリアクリルアミド系樹脂により凝集処理されたパルプが含まれることを特徴とする上記葉書用紙。
  2. 前記通信面となる層には針葉樹パルプが該層のパルプ全量に対して50〜100質量%含まれていることを特徴とする請求項1に記載の葉書用紙。
  3. 前記宛名面となる層には広葉樹晒しクラフトパルプが該層のパルプ全量に対して60〜100質量%含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の葉書用紙。
  4. 前記宛名面となる面をヤンキードライヤーに圧接させて抄造したことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の葉書用紙。
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