JP6335690B2 - 上質紙 - Google Patents
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Description
(1) パルプとして化学パルプのみを用いて抄造した原紙の片面または両面にクリア塗工層を設けた上質紙であって、坪量が30〜62g/m2、紙厚が90μm以上、紙中灰分が20重量%以下である、上質紙。
(2) 筆記用紙である、(1)に記載の上質紙。
(3) 密度が0.60g/cm3以下である、(1)または(2)に記載の上質紙。
(4) F面またはW面のいずれか一方のペン書きサイズ度が5以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の上質紙。
(5) ステキヒトサイズ度が30秒未満である、(1)〜(4)のいずれかに記載の上質紙。
(6) 前記原紙が、嵩高剤を添加して抄造されたものである、(1)〜(5)のいずれかに記載の上質紙。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載の上質紙から製本されたノート。
本発明によって得られる上質紙は、パルプとして化学パルプのみを使用して抄造され、その片面または両面にクリア塗工が施されている。本発明の上質紙は、顔料塗工層を備えていない非塗工紙であり、軽量・嵩高でありながら、しなやかで、裏抜けがしにくい。そのため、本発明の上質紙を筆記用紙として使用すると特に好適であり、本発明の上質紙を製本してノートを製造した場合、従来のノートと比較して軽量感に優れたノートを得ることができる。すなわち、本発明の上質紙は低密度(嵩高)であるため、同じ厚さであれば軽量であり、また、同じ枚数であればより厚みのあるノートが得られる。さらには、本発明の上質紙は、好ましい態様において筆記適性が良好であり、しなやかさに優れたノートを製造することができる。
剛度、表面強度、引張強度については特に限定しないが、クラーク剛度が、CD方向(抄紙の際の横方向)、MD方向(抄紙の際の流れ方向)ともに1〜150cm3/100程度であることが好ましい。また、紙の表面強度(JIS P 8129)については、下限としては3A以上が好ましく、5A以上がさらに好ましい。上限としては、18A以下が好ましく、15A以下がさらに好ましい。引張強さは、CD方向、MD方向共に0.5〜10.0kN/m程度が好ましい。
本発明は上質紙に関しており、原紙を形成するセルロース繊維原料として、化学パルプのみを使用する。化学パルプとしては、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)などを好適に使用することができる。パルプの原料は、針葉樹や広葉樹などの木材はもちろん、楮、三椏、麻、ケナフなどの非木材であってもよく、漂白されているパルプ(BKP)であっても漂白されていなくてもよい。これら単独でも、二種以上混合しても良いが、白色度の点などから、パルプ100重量%に対し50重量%以上を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とすることが好ましい。また、紙力を高める観点から、針葉樹クラフトパルプを使用することも可能である。
本発明に係る上質紙は、公知の抄紙機、例えば長網式、円網式、短網式、ツインワイヤー式抄紙機によって製造される。抄紙後のプレス線圧は、通常の操業の範囲内で用いられる。
本発明の上質紙を、ノートとして製本することも可能である。本発明の上質紙を製本してノートとする場合、ノートの縦方向と紙の抄紙方向(MD方向)を合わせる、すなわち、ノートの綴じ代と紙の抄紙方向を合わせて順目にすると、開きやすくかつめくりやすいノートとなるため好適である。ノートの製本は、接着、金具・無線とじ製本などの一般的な製本工程によることができる。また、必要に応じて、罫線の印刷や、らせんとじの場合の穴の打ち抜き、切り取り用のミシン加工などを適宜施すことができる。
1.紙質測定方法
・坪量:JIS P 8124に準じて測定した。
・紙厚/密度:JIS P 8118に準じて測定した。
・灰分:ISO1762−1974に準じて測定した。
・ISO不透明度:ISO2471に準じて測定した。
・PPSラフネス: ISO8791に準じて測定してソフトバッキングで測定した。
・王研式平滑度:JIS P 8155に準じて測定した。
・ステキヒトサイズ度:JIS P 8122に準じて測定した。
・ペン書きサイズ度:JAPAN TAPPI(日本紙パルプ技術協会)法NO.12に準じて測定した。
ノート加工に必要とされるこわさ(紙のコシ:剛度)、紙粉の発生を、以下の基準に従って4段階で評価した。
◎:紙粉の発生がほとんどなく、こわさも強い
○:紙粉の発生があまりなく、こわさも十分である
△:紙粉が発生し、こわさが低めではあるが、加工可能である
×:紙粉の発生や、こわさ不足により、加工に支障をきたす恐れがある
3.筆記適性(鉛筆)
HBの鉛筆で筆記した際の筆記適性を、以下の基準に従って4段階で評価した。
◎:良好な書き心地である
○:鉛筆の先が紙面でやや滑るが、概ね良好な書き心地である
△:鉛筆の先が紙面で滑り、あまり書き心地がよくない
×:鉛筆の先が紙面で滑り、書き心地が悪い
4.筆記適性(万年筆)
赤色インク(パーカー社製QUINKレッド)で筆記した際の筆記適性を、以下の基準に従って4段階で評価した。
◎:ペン先の滑りが非常によく、乾燥も良好であり、線のにじみも全くない
○:ペン先の滑り、乾燥性、線の滲みなどの問題はない
△:わずかなペン先の引っ掛かり、または、乾燥不良、または、線の滲みがあるが筆記に支障はない
×:ペン先が引っ掛かり、または、乾燥不良、または、線の滲みにより筆記に支障がある
<紙の製造>
実施例1
LBKP90部、NBKP10部を混合したパルプスラリー(総合濾水度CSF:320ml)に、軽質炭酸カルシウムを、紙中灰分19%となるように添加した。さらに、パルプと填料の合計(固形分)重量に対して、硫酸バンド1.0%、AKDサイズ剤0.2%、カチオン化澱粉0.6%、嵩高剤(脂肪酸エステル/脂肪酸塩系)0.6%を添加して紙料を調製した。
坪量48g/m2となるように製造した以外は、実施例1と同様にして上質紙を製造した。
紙中灰分が10%となるように軽質炭酸カルシウムを添加した以外は、実施例1と同様にして上質紙を製造した。
表面サイズ剤を添加しない以外は、実施例1と同様にして上質紙を製造した。
AKDサイズ剤の添加量を0.3%とした以外は、実施例1と同様にして上質紙を製造した。
表面サイズ剤の添加量を0.05%とし、AKDサイズ剤を添加しない以外は、実施例1と同様にして上質紙を製造した。
坪量が約68g/m2となるように製造した以外は、実施例1と同様にして上質紙を製造した。
紙厚が87μmになるようにカレンダー処理した以外は、実施例1と同様にして上質紙を製造した。
AKDサイズ剤の添加量を0.25%とし、紙中灰分が22%となるように軽質炭酸カルシウムを添加した以外は、実施例1と同様にして上質紙を製造した。
嵩高剤を添加せず、紙厚が約70μmになるまでカレンダー処理した以外は、実施例1と同様にして上質紙を製造した。
カレンダー処理した以外は、実施例1と同様にして上質紙を製造したが、紙中灰分が13.3%になるように軽質炭酸カルシウムを添加し、JIS S 5504(ノートブックに使用する中身原紙:坪量70g/m2以上)に準拠して坪量が約70g/m2以上となるように製造した。この実験においては、嵩高剤を添加しなかった。
Claims (11)
- 坪量が30〜62g/m2、紙厚が90μm以上、紙中灰分が20重量%以下である上質紙であって、
パルプとして化学パルプのみを用いた原紙、および、両面合計の塗布量が0.5〜10g/m 2 であるクリア塗工層を原紙の片面または両面に有する上質紙。 - ISO不透明度が80%以上である、請求項1に記載の上質紙。
- 王研式平滑度が40秒以下である、請求項1または2に記載の上質紙。
- 内添サイズ剤が原紙に内添されている、請求項1〜3のいずれかに記載の上質紙。
- 表面サイズ剤が塗工されている、請求項1〜4のいずれかに記載の上質紙。
- 筆記用紙である、請求項1〜5のいずれかに記載の上質紙。
- 密度が0.60g/cm3以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の上質紙。
- ペン書きサイズ度が5秒以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の上質紙。
- ステキヒトサイズ度が30秒未満である、請求項1〜8のいずれかに記載の上質紙。
- 前記原紙が、嵩高剤を添加して抄造されたものである、請求項1〜9のいずれかに記載の上質紙。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の上質紙から製本されたノート。
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