JP6967465B2 - 片艶クラフト紙及びその製造方法 - Google Patents
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ここで、「艶面」とは、光沢を有する面をいう。「非艶面」とは、光沢性を有さない面をいう。
また、上記艶面のJIS−P8119(1998)に準拠して測定されるベック平滑度が85秒以上200秒以下であり、上記非艶面の上記ベック平滑度が、5秒以上20秒以下であり、かつ上記艶面及び上記非艶面のベック平滑度差が80秒以上であり、上記艶面のJIS−8151(2004)に準拠して測定されるパーカープリントサーフ平滑度が、1.6μm以上5.5μm以下であり、上記非艶面のパーカープリントサーフ平滑度が5.5μm以上10.0μm以下であり、画像解析装置を用いて測定される0.05m2以上のダートの総数が、1500個/m2以上3000個/m2以下であり、かつダートの総面積が100mm2/m2以上300mm2/m2以下であることで、艶面及び非艶面の平滑度の差を大きくし、外観上のみならず感触における未晒しの和紙調の風合いを醸し出すことができる。
当該片艶クラフト紙は、パルプ繊維を主成分とし、一方の面(裏面)が艶面、他方の面(表面)が非艶面である。また、上記パルプが、広葉樹哂クラフトパルプ、針葉樹哂クラフトパルプ及び針葉樹未哂クラフトパルプを含有する。
原料となるパルプ繊維は、片艶クラフト紙の主成分を構成する。主成分とは、質量基準で最も含有量の多い成分をいう。当該片艶クラフト紙に使用するパルプ繊維としては、広葉樹哂クラフトパルプ、針葉樹哂クラフトパルプ及び針葉樹未哂クラフトパルプを含有する。
当該片艶クラフト紙の原料パルプは、寸法安定性に優れる広葉樹哂クラフトパルプ(LBKP)を多く配合する。
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)は、広葉樹哂クラフトパルプより繊維長が長く、強くてしなやかである。
針葉樹クラフトパルプは、比較的大きな強度を有し、特にリグニン及びステロールのエステル化合物があまり除去されていない針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)は、パルプ中に残存するリグニンの作用によって強度がより大きく、かつパルプ中に残存するステロールのエステル化合物によりパルプ繊維が良好な滑性を示すと共に適度な剛直性や耐折れ性を有する。このため、原料パルプとして針葉樹未晒クラフトパルプを用いることで、当該片艶クラフト紙に大きな強度と好適な作業性とを付与することができる。また、針葉樹未晒クラフトパルプは、紙層中で他のパルプ繊維との共存と絡み合い、和紙調の風合いを得る観点から、叩解初期の濃度は5〜15質量%が好ましく、叩解中期から末期の濃度は2〜8質量%が好ましい。針葉樹クラフトパルプは、高濃度で叩解されるとき、刃物による切断よりも、繊維同士の摩擦により微細化する。このため、短繊維化よりもフィブリル化が優位に叩解され、楮(こうぞ)、みつまた、雁皮(がんぴ)の靭皮繊維様に平均繊維幅を広く保ったまま短繊維化ができる。原料濃度が低濃度だと、短繊維化が優位に働くためフィブリルが発生し難く、発生したフィブリルも刃物による切断力が加わり脱落してしまう。
上記原料パルプとしては、さらに必要に応じて、本件発明の目的である和紙調の風合いが損なわれない範囲で、古紙パルプや機械パルプ、非木材パルプなど、抄紙原料として一般的に使用されているものの1種類または2種類以上の原料パルプを混合して使用することができる。
当該片艶クラフト紙は、パルプ由来の無機粒子や微細なパルプ繊維の変動を抑えるために凝結剤を添加するのが好ましく、特にカチオン性高分子ポリマーを添加するのが好ましい。凝結剤としては、例えばジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ポリエチレンイミン変性体、2−(メタクロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド重合体、ポリエチレンイミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体、ポリアミン重合物、アクリルアミドコポリマ等が挙げられる。これらの中では、リグニンを多く含有する針葉樹未晒クラフトパルプのアニオン性に対応する観点から、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体が好ましい。また、凝結剤の質量平均分子量としては、50万から500万の化合物を好適に用いることができる。
当該片艶クラフト紙の基紙においては、上記凝結剤以外の公知の製紙用添加剤が添加されていてもよい。このような内添剤としては、特に制限されず、種々の薬品を単独または組み合わせて用いることができる。例えば凝集剤、硫酸バンド、ベントナイト、シリカ、サイズ剤、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、嵩高剤、填料、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、紫外線防止剤、退色防止剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の製紙用薬品を用いることができる。これらの中で好適に使用できるものとしては、凝集剤;ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン性澱粉、各種変性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルガン樹脂などの内添乾燥紙力増強剤;ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂などの内添湿潤紙力増強剤;ロジン系サイズ剤、AKD系サイズ剤、ASA系サイズ剤、石油系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤等の内添サイズ剤;などを挙げることができる。
ベック平滑度は、JIS−P8119(1999)に準拠して測定した値である。ベック平滑度は、後述するパーカープリントサーフ平滑度と同様に空気の流通量から平滑性を求める装置であり、比較的広い面におけるマクロ的な平滑性を評価する。当該片艶クラフト紙においては、ベック平滑度により表面のいわゆるうねり性を評価できる。このように、上記パーカープリントサーフ平滑度と上記ベック平滑度との評価値の両者を所定の範囲に収めることで、微視的な面と或る程度広い面における片艶紙の表面平坦性と針葉樹未晒クラフトパルプを含有することによる和紙調の風合いを評価できる。
後述の実施例で測定するパーカープリントサーフ平滑度(以下「PPS平滑度」ともいう。)は、JIS−P8151(2004)の付属書Aに準じて測定されるパーカープリントサーフ平滑度(μm)である。パーカープリントサーフ平滑度は、ベック平滑度と同様に空気の流通量から平滑性を求める装置であるが、測定ヘッドに圧力をかけて測定することにより、押圧下の平滑度を測定することができる。本件発明においては、測定圧力を0.5Mpa、ハードバッキングに設定して測定することで、所謂指感に近い感触の数値化として好適であり、その測定値は和紙調の凹凸性や平滑性をかなり正確に表していると考えられる。すなわち、パーカープリントサーフ平滑度が高い場合、当該片艶クラフト紙の測定面は和紙調の凹凸が生じており、感触的にも和紙調の凹凸の風合いを感じ取れる。一方、パーカープリントサーフ平滑度が低い場合、上記測定面は平坦で、当該片艶クラフト紙の表面へのインキの定着性に優れ、印刷カスレ等の問題が生じ難い。
画像解析装置を用いて測定される当該片艶クラフト紙の0.05m2以上のダートの総数の下限としては、1400個/m2であり、1500個/m2が好ましい。上記ダートの総数の上限としては、3000個/m2であり、2800個/m2が好ましい。また、当該片艶クラフト紙のダートの総面積の下限としては、100mm2/m2であり、90mm2/m2が好ましい。また、当該片艶クラフト紙のダートの総面積の上限としては、300mm2/m2であり、280mm2/m2が好ましい。本件発明者等の知見では、和紙調の外観と凹凸の風合いを確保するには、未漂白パルプ繊維の存在がクラフト紙表面に所定量必要であり、外観上の評価手法として画像解析装置を用いて測定した指標で、上記数値範囲とすることが、好ましいことを見出している。
質量加重平均繊維長は、JIS−P8226−2(2011)に準拠して測定される。当該片艶クラフト紙の質量加重平均繊維長としては、1.6mm以上2.0mmが好ましい。上記質量加重平均繊維長が上記範囲であることで、寸法安定性が向上する。
繊維配向比は、繊維の配向(配列)の度合いを示す尺度であり、パルプ繊維が抄紙機のワイヤー上に流出され、脱水、紙層が形成される過程で縦方向(抄紙機上のパルプ繊維の流れ方向)に並ぶ傾向のことである。繊維配向比は、数値が大きいほど配列の度合いが強いことを示す。本発明では超音波法を採用し、超音波伝播速度測定器を用いて縦方向の超音波伝播速度(VMD)と横方向の超音波伝播速度(VCD)を測定し、その比率(VMD/VCD)を繊維配向比として繊維配向のランダム性を評価している。吸湿や脱湿の際における繊維の膨潤や収縮は、繊維の横(CD)方向で行われるため、繊維配向比と水を吸った際の紙の横方向の寸法変化の度合いを表す横方向の水中伸度との関係は、繊維配向比が高いと横方向の水中伸度は大きく、繊維配向比が低いと横方向の水中伸度は小さく、両者は直接的に作用する。この繊維配向比はマシンでの抄紙条件によって決定され、マシン速度、繊維サスペンジョンジェットの流入速度とワイヤー速度の比(J/W比)等を調整することにより所望の繊維配向比を得ることができる適正化が挙げられる。
ここで、「縦方向」とは、抄紙方向(MD:Machine Direction)を意味し、「横方向」とは、上記縦方向に垂直な方向(CD:Cross Direction)を意味する。
当該片艶クラフト紙のJIS−P8113(2006)に準拠した繊維の縦方向の比引張強度としては、0.048(kN/m)/(g/m2)以上0.065(kN/m)/(g/m2)以下が好ましく、上記縦方向と直交する横方向の比引張強度としては、0.037(kN/m)/(g/m2)以上0.053(kN/m)/(g/m2)以下が好ましい。当該片艶クラフト紙の上記比引張強度が上記範囲であることにより、当該片艶クラフト紙の主用途である、包装紙や手提げ用紙としての紙質強度をより向上させることができる。
当該片艶クラフト紙のJIS−P8116(2000)に準拠した繊維の縦方向の比引裂強度としては、8.25(mN)/(g/m2)以上8.93(mN)/(g/m2)以下が好ましく、上記縦方向と直交する横方向の比引裂強度としては、9.93(mN)/(g/m2)以上10.98(mN)/(g/m2)以下が好ましい。当該片艶クラフト紙の上記比引裂強度が上記範囲であることにより、当該片艶クラフト紙の主用途である包装紙や手提げ袋の破袋や加工適性をより向上させることができる。
白色度は、JIS−P8148(2001)に準拠して測定される値である。当該片艶クラフト紙は、漂白パルプと未漂白パルプとのパルプ繊維が混在したクラフト紙表面を呈するため、外観上の白色度より低い測定値が得られるものの、和紙調の適度な白さを表現できることから、当該片艶クラフト紙の白色度としては、68%以上72%以下が好ましい。
当該片艶クラフト紙の坪量の下限としては、30g/m2が好ましく、40g/m2がより好ましい。上記坪量が30g/m2未満では、包装紙や手提げ袋用紙としての紙質強度を満足できないおそれがある。上記上限としては、150g/m2が好ましい。片艶クラフト紙の坪量が150g/m2を超えると上記軽量化の観点から好ましくない。
当該片艶クラフト紙の製造方法は、広葉樹哂クラフトパルプ、針葉樹哂クラフトパルプ及び針葉樹未哂クラフトパルプを含有する原料パルプを抄紙する工程と、上記抄紙工程で抄紙された紙の片面をヤンキードライヤーにより乾燥して艶面を形成する工程とを備える。
する。上述したように、上記原料パルプにおける上記広葉樹哂クラフトパルプ及び上記針葉樹哂クラフトパルプの合計含有量が95質量%以上である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
広葉樹哂クラフトパルプ、針葉樹哂クラフトパルプ及び針葉樹未哂クラフトパルプをJIS−P8220−1(2012)のパルプの離解方法に準拠して離解することによって離解パルプとし、この離解パルプをJIS−P8121−2(2012)のカナダ標準ろ水度試験方法に準拠して測定した。
未哂針葉樹クラフトパルプのカッパー価は、JIS−P−8211(2011)に準拠して測定した。
JIS−P8119(1998)に記載の「ベック平滑度の測定方法」に準拠して測定した。
熊谷理機工業(株)製のPPSラフネス測定機を用い、ソフトバッキング、クランプ圧0.5MPaにて、JIS−P8151(2004)に記載の「パーカープリントサーフ平滑度の測定方法」に準拠して測定した。
JIS−P8142(1998)に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
ダートの個数及び総面積は、野村商事製画像解析システムであるスキャンマーク800を用いて計測した。
東洋精機製作所製光学式配向性試験機を用いて繊維配向比を測定した。
JIS−P8113(2006)に準拠して測定した。
JIS−P8116(2000)に準拠して測定した。
JIS−P8148(2001)に準拠して測定した。
(1)広葉樹哂クラフトパルプを58質量%、針葉樹哂クラフトパルプを38質量%及び針葉樹未哂クラフトパルプを4質量%含有するパルプスラリーを作製する。なお、針葉樹未晒クラフトパルプは、3.5%の濃度で叩解した。
(2)100部のパルプスラリー中に、凝結剤としてのジアリルジメチルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体[質量平均分子量200万](ソマール社製「A2400」):1.4kg/パルプtと、その他、ロジン系サイズ剤、乾燥紙力剤(ポリアクリルアミド(ハリマ社製RP236Y))、澱粉、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、染料等とを適宜添加した。
(3)このパルプスラリーをワイヤーパートが長網抄紙機を用いて抄紙した。
(4)次に、ヤンキードライヤーを用いてワイヤー面を艶面(裏面)とし、実施例1の片艶クラフト紙を得た。
(5)実施例1の片艶クラフト紙の物性値は以下のとおりである。
(原料パルプ)
広葉樹哂クラフトパルプ:フリーネス470mL 白色度85%
針葉樹哂クラフトパルプ:フリーネス700mL 白色度78%
針葉樹未哂クラフトパルプ:フリーネス750mL 白色度30%
カッパー価16
(片艶クラフト紙)
坪量:120g/m2
質量加重平均繊維長:1.74(mm)
繊維配向比:1.27
ベック平滑度:艶面(裏面)103秒、非艶面(表面)12秒、平滑度差91秒
パーカープリントサーフ平滑度:艶面(裏面)3.8μm、非艶面(表面)8.4μm
ダート:0.05m2以上の総数1623(個/m2)、総面積122(mm2/m2)
比引張強度:縦方向0.055(mN)/(g/m2)
:横方向0.039(mN)/(g/m2)
比引裂強度:縦方向8.82(mN)/(g/m2)
:横方向10.65(mN)/(g/m2)
白色度:70.4%
原料の種類、含有量及び物性値を表1に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜実施例18及び比較1〜比較例6の片艶クラフト紙を得た。
また、凝結剤としては、以下の原料を用いた。
(A)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体[質量平均分子量30万]:ハイモ社製「ハイマックスSC−100」
(B)ポリエチレンイミン変性体[質量平均分子量50万]:ハイモ社製「ハイマックスSC−924」
(C)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体[質量平均分子量200万]:ソマール社製「A2400」
(D)ポリアミン重合物[質量平均分子量500万]:ハイモ社製「ハイモロックFR740」
(E)アクリルアミドコポリマ[質量平均分子量800万]:ナルコ社製「ナルコ61610」
なお、以下の表1中の「−」は、該当する成分を用いなかったことを示す。
(官能評価)
得られた各片艶クラフト紙(サイズ210×297mm:A4)に対して、下記方法にて、実施例及び比較例の和紙調及び凹凸の風合いについて官能評価を行った。
和紙調を目視により判定し、和紙が有する凹凸の風合いを感触により判定した。
評価基準は以下のとおりとした。成人男女それぞれ10人による官能評価を下記評価基準で判断した。評価結果を下記表2に示す。
◎:外観上、和紙と遜色なく、和紙と同等と判断できる。
○:和紙調の模様が表現されている。
△:和紙調の模様が十分に表現されていない。
×:外観上、和紙調ではない。
(2)風合い:艶面)
◎:手触り、表面性が和紙と同等である。
○:有指感性を有し、和紙に近い風合いである。
△:有指感性を有するが、和紙の風合いが十分ではない。
×:和紙の風合いが感じられない。
(包装作業性評価)
自動製袋機(型番:136T+504TH、ニューロング工業(株)製)を使用し、片艶クラフト紙から角底袋を加工し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(1)加工速度性
◎:加工状態が全体的に均一で、従来の片艶クラフト紙と同等の速度で加工できる。
○:加工状態がやや劣るものの、従来の片艶クラフト紙と同等の速度で加工できる。
△:加工状態が低下する傾向が見られるため従来の片艶クラフト紙と比べ、加工速度を低下させる必要がある。糊付け部分に波打ちが認められる。
×:加工状態が均一でなく、加工速度を大幅に落としても改善が見られない。
(2)製袋適性
前述の自動製袋機を使用し、片艶クラフト紙から角底袋を加工して、角底袋の折り部での角割れの状態を調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:加工した角底袋において、角割れの発生頻度が従来の片艶クラフト紙以下である。
○:加工した角底袋において、角割れの発生頻度が従来の片艶クラフト紙と同等である。
△:加工した角底袋において、角割れの発生頻度が従来の片艶クラフト紙と同等だが1袋に複数箇所角割れが見られる場合、又は角割れの発生頻度が従来の片艶クラフト紙の倍未満で1袋の程度が軽い。
×:加工した角底袋において、角割れの発生頻度が従来の片艶クラフト紙の倍以上である。
(3)角底袋製袋性
前述の自動製袋機を使用し、片艶クラフト紙から角底袋を製造し、得られた角底袋を以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:得られた角底袋は適度な腰と柔軟性を有すると共に貼合性が良く、被包装物の包装作業を非常にスムーズに行うことができる。
○:被包装物と角底袋内面との良好な滑り性が得られて、包装作業をスムーズに行うことができる。
×:角底袋として、適度な腰と柔軟性に欠け、包装作業をスムーズに行うことができない。
Claims (5)
- パルプ繊維を主成分とし、
一方の面が艶面、他方の面が非艶面であり、
上記パルプが、広葉樹哂クラフトパルプ、針葉樹哂クラフトパルプ及び針葉樹未哂クラフトパルプを含有し、上記パルプにおける広葉樹哂クラフトパルプ及び上記針葉樹哂クラフトパルプの合計含有量が95質量%以上であり、
上記艶面のJIS−P8119(1998)に準拠して測定されるベック平滑度が85秒以上200秒以下であり、上記非艶面の上記ベック平滑度が、5秒以上20秒以下であり、かつ上記艶面及び上記非艶面の平滑度差が80秒以上であり、
上記艶面のJIS−8151(2004)に準拠して測定されるパーカープリントサーフ平滑度が、1.6μm以上5.5μm以下であり、上記非艶面のパーカープリントサーフ平滑度が5.5μm以上10.0μm以下であり、
画像解析装置を用いて測定される0.05m2以上のダートの総数が、1500個/m2以上3000個/m2以下であり、かつダートの総面積が100mm2/m2以上300mm2/m2以下である片艶クラフト紙。 - 上記広葉樹哂クラフトパルプのフリーネスが、500ml以下であり、
上記針葉樹哂クラフトパルプ及び針葉樹未哂クラフトパルプのフリーネスが、660cml以上であり、
上記広葉樹哂クラフトパルプの含有量と、上記針葉樹哂クラフトパルプ及び上記針葉樹未哂クラフトパルプの合計含有量とが、質量比で55:45〜65:35であり、
上記針葉樹哂クラフトパルプの含有量と、上記針葉樹未哂クラフトパルプの含有量とが、質量比で、87.5:12.5〜92.9:7.1である請求項1に記載の片艶クラフト紙。 - 上記広葉樹洒クラフトパルプと上記針葉樹クラフトパルプとのフリーネスの差が、100ml以上である請求項1又は請求項2に記載の片艶クラフト紙。
- JIS−P8226−2(2011)に準拠して測定される質量加重平均繊維長が1.6mm以上2.0mm以下であり、
超音波伝播速度測定器を用いて測定される繊維配向比が1.20以上1.50以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の片艶クラフト紙。 - 広葉樹哂クラフトパルプ、針葉樹哂クラフトパルプ及び針葉樹未哂クラフトパルプを含有する原料パルプを抄紙する工程と、
上記抄紙工程で抄紙された紙の片面をヤンキードライヤーにより乾燥して艶面を形成する工程と
を備え、
上記原料パルプにおける上記広葉樹哂クラフトパルプ及び上記針葉樹哂クラフトパルプの合計含有量が95質量%以上であり、
上記艶面のJIS−P8119(1998)に準拠して測定されるベック平滑度が85秒以上200秒以下であり、上記非艶面の上記ベック平滑度が、5秒以上20秒以下であり、かつ上記艶面及び上記非艶面の平滑度差が80秒以上であり、
上記艶面のJIS−8151(2004)に準拠して測定されるパーカープリントサーフ平滑度が、1.6μm以上5.5μm以下であり、上記非艶面のパーカープリントサーフ平滑度が、5.5μm以上10.0μm以下であり、
画像解析装置を用いて測定される0.05m2以上のダートの総数が、1500個/m2以上3000個/m2以下であり、かつダートの総面積が100mm2/m2以上300mm2/m2以下である片艶クラフト紙の製造方法。
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