JP5820150B2 - ガラス合紙及び積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス合紙及びこのガラス合紙とガラス板と交互を積層してなる積層体に関する。
フラットパネルディスプレイ用等のガラス板を複数積層して保管、運搬する流通過程においては、ガラス板同士の接触による割れや擦れ傷、ガラス板表面の汚れの発生を防止するため、ガラス板間に合紙を挟み込むことが一般的である。
近年、液晶パネル用等のガラス基板においては、2,200×2,500mmや2,800×3,200mmといったサイズへの大型化がすすみ、このガラス板の大型化に伴い、合紙も当然大型化されている。一方、合紙には、ガラス板間へ挿入する際の作業性などのため、一定の直立性(剛性)が必要とされる。ここで、上述のように合紙の大型化が進むと、この直立性を確保するために剛度を高めることが必要となるが、剛度を高めるべく単に合紙の坪量を上げると、コストアップや、ハンドリング性の低下を招来する。
そこで、大型化しても優れたハンドリング性を有するガラス合紙として、特定範囲の平均繊維長、平均繊維幅及びルンケル比を有するパルプを用いた合紙が提案されている(特開2008−266862号公報参照)。しかし、このようにパルプの質を限定する方法によれば、例えば古紙を再利用する場合などにパルプの調整が難しく、複数種のパルプを混合して特定範囲の平均繊維長等に調整した場合、望む剛性が発揮されないことがある。
特開2008−266862号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、坪量や用いるパルプ種の調整を行わなくとも良好な直立性を有し、ハンドリング性に優れるガラス合紙、及びこれを用いた積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
パルプ繊維を主原料とし、坪量が30g/m以上60g/m以下であるガラス合紙であって、
抄紙方向を一辺とする300mm四方の正方形に切断した場合の、四隅の平均カール高さが5mm以上20mm以下であることを特徴とする。
当該ガラス合紙は、カールさせているため、カールの軸方向への直立性が良好であり、換言すれば、見かけの剛性が高い。また、当該ガラス合紙は、このカール度合いを所定範囲に制御していることから、上記直立性とハンドリング性とを両立させることができる。
裏面のベック平滑度に対する表面のベック平滑度を1.2倍以上40倍以下とすることが好ましい。当該ガラス合紙において、表面と裏面との平滑度において上記範囲のような比をつけることで、好ましいカール度合いを達成でき、直立性及びハンドリング性をより高めることができる。
当該ガラス合紙の密度を0.55g/cm以上0.95g/cm以下とし、水分を2%以上8%以下とすることが好ましい。当該ガラス合紙の密度及び水分を調整して上記範囲とすることで、カール度合いが適度になることに加え、静電気の発生の抑制及び適度な通気性を発現させることができ、ハンドリング性が高まる。
上記パルプ繊維が針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)及び広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を含み、NBKPとLBKPとの質量比が15:85以上50:50以下であり、上記パルプ繊維の質量平均繊維長が1.0mm以上1.6mm以下、フリーネスが500mL以上680mL以下であることが好ましい。当該ガラス合紙によれば、上記種類平均繊維長及びフリーネスを有するパルプ繊維を用いることで、より好ましいカール度合いを発現させることができる。
当該ガラス合紙の剛度(縦)を20以上80以下とすることが好ましい。当該ガラス合紙の剛度(縦)を上記範囲とすることで、より優れた直立性を発揮させることができ、ハンドリング性がさらに高まる。
本発明の積層体は、ガラス板と、当該ガラス合紙とが交互に積層されてなる。当該積層体によれば、ガラス板が当該ガラス合紙により保護されており、ガラス板及びガラス合紙の挿入や取り出し等の作業性に優れる。
ここで、「坪量」とは、JIS−P8124(1998)に記載の坪量測定方法による測定値をいう。「平均カール高さ」とは、温度23℃、湿度50%の環境下に4時間放置した後、凸側の面が接触するように平らな面に置き、測定した四隅の平均高さをいう。「ベック平滑度」とは、JIS−P8119(1998)ベック平滑度の測定方法による測定値をいう。「密度」とは、JIS−P8118(1998)紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法による測定値をいう。「水分」とは、JIS−P8127(2010)に記載のロットの水分試験方法−乾燥器による方法による測定値をいう。「フリーネス」とは、JIS−P8220に準拠して離解した離解パルプをJIS−P8121に準拠して測定したカナディアンスタンダードフリーネスをいう。「剛度(縦)」とは、JIS−P8143(2009)に記載のクラークこわさ試験機法による測定値をいう。
以上説明したように、本発明のガラス合紙によれば、良好な直立性を有し、ガラス板間への挿入等におけるハンドリング性に優れる。従って、本発明によれば、大型化されたガラス基板へも十分対応可能なガラス合紙を提供することができる。
以下、本発明のガラス合紙及び積層体の実施の形態を詳説する。
<ガラス合紙>
当該ガラス合紙は、パルプ繊維を主原料とし、坪量が30g/m以上60g/m以下であるガラス合紙であって、カール形状を有する。当該ガラス合紙は、カールさせているため、このカールの軸方向への直立性が良好、すなわち見かけの剛性が高い。
当該ガラス合紙において、抄紙方向を一辺とする300mm四方の正方形に切断した場合の、四隅のカール高さの平均が5mm以上20mm以下であり、8mm以上17mm以下であることが好ましい。当該ガラス合紙は、このカール度合いを所定範囲に制御していることから、上記直立性とハンドリング性とを両立させることができる。カール高さが上記下限未満の場合は、上記坪量の範囲では、十分な直立性が発現できない。逆に、カール高さが上記上限を超える場合は、カール度合いが強すぎるため、ハンドリング性が低下する。
ここで、抄紙して得られる紙とカールとの関係について、説明する。抄紙機で製造される「紙」は、繊維が偏って配列する傾向があり、その並び方である繊維配向に異方性が現れる。カールは、この繊維配向と密接な関係にあることがわかっており、繊維配向のコントーロール技術が、カールを抑制する要素技術となる。特に「紙」のカールは、繊維配向の表裏差がカール発生の主要因であり、基本的なカールの大きさやカール面の形成には配向強度の表裏差が要因となるといわれている。本来、カールは印刷機における給紙障害を招くため、カールを生じさせないように製紙されるが、当該ガラス合紙においては、意図的にカール形状を発現させることで、特に大判のガラス合紙として用いても良好な直立性を有し、ガラス板間への挿入等におけるハンドリング性に優れることを見出したものである。
当該ガラス合紙においてカール形状を発現させる手段としては特に限定されないが、例えば、上述のカール発生の要因を基に、ヘッドボックスやフォーマーに起因する繊維配向表裏差、微細繊維の分布表裏差、密度の表裏差、水分率の表裏差等の調整により所謂不可逆カールに相当する構造カールを得ることができる。この構造カールの場合、通常、抄紙方向がカールの軸方向となる。また、巻ぐせカールにより、カールを発現させることもできる。このようなカール発現手段の中でも、カール度合いの制御を容易に行うことができる点から、表裏の密度差による構造カールを用いることが好ましい。また、不可逆カール相当の構造カールは乾燥の影響によるものが多く、カンバス面側又はヤンキードライヤーにおいてはドライヤー接触面側を内側とする構造カールを得やすい。
このように当該ガラス合紙の繊維配向表裏差、表裏の密度又は水分率に差を付ける手段としては、長網抄紙機を用いてJ/Wやスライスリップの調整により抄紙する方法、ヤンキー乾燥機等を用い一方の面を艶面とする方法等を挙げることができる。長網抄紙機を用いてJ/Wやスライスリップの調整により抄紙することで、表(上)側の面(フェルト面)に微細繊維が多くなり、表側の密度が高めた紙を得ることができる。また、ヤンキー乾燥機等を用いて一方の面を艶面とすることで、紙厚方向において水分の移動が起こり、艶面の水分率が低くなり、紙厚方向において水分の移動が起こり、艶面の水分率が低くなり、艶面側の密度が高まる。なお、好適な密度差、水分率差及び後に詳述する平滑度比を発現させるためには、長網抄紙機を用いて抄紙し、かつ、ヤンキー乾燥機等を用いて片面(好ましくはワイヤー面)を艶面とすることが好ましい。また、これらを組み合わせて行うことも好ましい。上記以外に、カール形状を発現させる手段としては、上記抄紙の際のJ/Wやスライスリップを調整する方法やドライヤー配列の工夫等が挙げられる。例えば、水分30〜40%以降の表裏乾燥付加を本来は均等にするところを、意図的に表裏乾燥付加に差異を設ける手段を用いることができる。
(パルプ繊維)
上記パルプ繊維としては、特に限定されず広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、古紙パルプ(DIP)、機械パルプ(TMP)等を1種類又は2種類以上を混合して用いることができる。
これらのパルプ繊維の中でも、洗浄度が要求されるガラス板に対し、漂白処理を施し、樹脂分を低くコントロールされた針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)及び広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を混合して用いることが好ましい。この場合、NBKP及びLBKPを全パルプ繊維中80質量%以上配合することが好ましく、95質量%以上配合することがさらに好ましく、100質量%配合することが特に好ましい。
NBKPとLBKPとの質量比(配合比)としては、15:85以上50:50以下が好ましく、20:80以上40:60以下がより好ましい。NBKPの配合比が上記範囲未満の場合は、ガラス合紙に十分な剛度を付与することが困難になるとともに、構造カールの発現が生じ難くなる。NBKPの配合比が上記範囲を上回る場合は、パルプ繊維の結束による地合ムラが発生しやすく、表裏における繊維分布が乱れ、多大なカールが生じ、その結果、適度なカール度合いが発現又調整しにくくなる。
上記パルプ繊維の質量平均繊維長としては、1.0mm以上1.6mm以下が好ましく、1.2mm以上1.6mm未満がより好ましく、1.3mm以上1.5mm以下がさらに好ましい。平均繊維長が上記範囲のパルプ繊維を用いることで、繊維配向状態において表裏の差を付けやすくなり、適度なカールを発現させやすくなる。平均繊維長が上記下限未満の場合は、密度が上がるために剛度が低下しやすくなり、さらには、長繊維が少なくなることで表裏差が付けにくくなる。逆に、平均繊維長が上記上限を超える場合は、パルプ繊維の結束による地合ムラが発生しやすく、表裏における繊維分布が乱れ、意図しないカールが生じるおそれがある。
上記パルプ繊維のフリーネスとしては、500mL以上680mL以下が好ましく、580mL以上670mL以下がより好ましく、610mL以上650mL以下がさらに好ましい。フリーネスが上記下限未満の場合は、密度が上がるために剛度が低下しやすくなる。逆に、フリーネスが上記上限を超える場合は、パルプ繊維の結束による地合ムラが発生しやすく、表裏における繊維分布が乱れ、意図しないカールが生じるおそれがある。
(その他の成分等)
当該ガラス合紙の紙面pHは、5.0以上になるように調整することが好ましい。紙面pHが5.0未満となるよう硫酸バンドを添加すると、パルプが凝集しフロックが発生し易くなるため地合が悪くなり、搬送時に傷が入り易くなる。硫酸バンドは、地合のことを考えると添加しないことが望ましいが、ドライヤー剥離性や他の薬品の定着を考慮すると、0.5質量%以下の添加を行う場合がある。なお、紙面pHは紙面測定用pH計(型式MPC、共立理化学研究所製)などで測定することができる。すなわち、上記紙面測定用pH計に付属の、pH測定範囲が4.6〜6.8であるBCP溶液での発色、またはpH測定範囲が6.0〜8.0であるBTB溶液での発色を、標準板と対比させて紙面pHを測定する。
当該ガラス合紙においては、さらに紙中に濡れ向上剤(界面活性剤)を内添することが好ましい。濡れ向上剤を内添することにより、ガラス表面に紙中物質が付着しても、付着物自体に濡れ向上剤を含むため、ガラス表面の濡れ性を低下することなく、さらに水溶液によるガラスの洗浄性も向上する。
濡れ向上剤としては、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤が挙げられる。その中でも特に、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは、他の界面活性剤と比べ汎用性があり、安価であり、パルプ繊維への定着が良好であるため、パルプ繊維の離解性にも大きく寄与する。
内添薬品としては、濡れ向上剤のほか、サイズ剤、ドライヤー剥離剤、硫酸バンド等が使用できるが、ガラスへの転移を少なくするために、ドライヤー剥離に影響が出ない範囲で、極力少ないほうが好ましい。
(坪量)
当該ガラス合紙の坪量は30g/m以上60g/m以下であるが、40g/m以上55g/m以下がさらに好ましい。坪量が上記下限未満の場合は、十分な直立性が発揮されず、また、緩衝性も低くなる。逆に、坪量が上記上限を超える場合は、ハンドリング性が低下し、また、コスト高となる。
(平滑度)
当該ガラス合紙裏面のベック平滑度に対する表面のベック平滑度を1.2倍以上40倍以下とすることが好ましく、2倍以上35倍以下とすることがさらに好ましく、5倍以上30倍以下とすることがさらに好ましく、10倍以上30倍以下とすることが特に好ましい。このように、表面のベック平滑度を上げる、すなわち平滑性を高めることで、空気中の水分とガラス合紙の表面に存在するパルプ繊維との接触する面積が低くなり、裏面に比較し吸湿しにくくなるため、表面側を内側にしてカールしやすくなる。当該ガラス合紙においては、さらに表面と裏面の平滑度を上記範囲に比をつけることで、好ましいカール度合いを達成でき、直立性及びハンドリング性をより高めることができる。
この平滑度比が上記下限未満の場合は、十分なカール形状を発現しにくく、直立性が低下するおそれがある。逆に、この平滑度比が上記上限を超える場合は、カール度合いが強すぎてハンドリング性が低下するおそれがある。
表面(艶面)の具体的なベック平滑度としては、10秒以上1,000秒以下が好ましく、50秒以上600秒以下がさらに好ましく、100秒以上400秒以下が特に好ましい。裏面の具体的なベック平滑度としては、1秒以上500秒以下が好ましく、2秒以上200秒以下がさらに好ましく、5秒以上50秒以下が特に好ましい。
(密度)
当該ガラス合紙の密度は0.55g/cm以上0.95g/cm以下が好ましく、0.65g/cm以上0.85g/cm以下がさらに好ましい。密度を上記範囲とすることで、十分な剛度を付与することができる。
(水分)
当該ガラス合紙においては、密度を上記範囲とすることに加え、水分を2%以上8%以下とすることが好ましく、3%以上7%以下とすることがさらに好ましい。当該ガラス合紙の密度及び水分を調整して上記範囲とすることで、カール度合いが適度になることに加え、静電気の発生の抑制及び適度な通気性を発現させることができ、ハンドリング性が高まる。なお、パルプ繊維間の隙間に適度な水分が付着することで、この隙間が縮まり、通気性が下がり、その結果、バキューム装置を用いる際のハンドリング性が高まると考えられる。
水分が上記下限未満の場合は、カール調整しにくくなる、静電気が生じやすくなりハンドリング性が低下する、通気性が高まりバキューム装置を用いる際のハンドリング性が低下するなどが生じる場合がある。逆に、水分が上記上限を超える場合は、水分が多すぎることによりガラス板と密着性が高まり、ハンドリング性が低下する場合がある。
この水分は、抄紙後のロールプレスによる圧縮脱水処理における線圧を調整すること、ヤンキー乾燥機の蒸気圧の調整等によって調整することができる。
なお、当該ガラス合紙の透気度としては、バキューム装置を用いる際の良好なハンドリング性を確保するため、5秒以上30秒以下が好ましい。透気度は、JIS−P8117(2009)に記載のガーレー法により測定することができる。
(剛度(縦))
当該ガラス合紙の剛度(縦)としては、20以上80以下が好ましく、25以上70以下がさらに好ましい。当該ガラス合紙の剛度(縦)を上記範囲とすることで、より優れた直立性を発揮させることができ、ハンドリング性がさらに高まる。
剛度(縦)が上記下限未満の場合は、直立性が不十分で、ハンドリング性が低下するおそれがある。剛度(縦)が上記上限を超える場合も、例えば巻き取りがされにくいなど、ハンドリング性が低下するおそれがある。
<積層体>
本発明の積層体は、ガラス板と、当該ガラス合紙とが交互に積層されてなる。上記ガラス板としては、液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板等を挙げることができる。このガラス基板としては、一辺が1,500mm以上の大判のものも用いられる。当該積層体によれば、ガラス板が当該ガラス合紙により保護されており、ガラス板及びガラス合紙の挿入や取り出し等の作業性に優れる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例で行った品質及び性能の評価方法は以下のとおりである。
[坪量(g/m)]
JIS−P8142(1998)に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
[ベック平滑度(秒)]
JIS−P8119(1998)に記載の「ベック平滑度の測定方法」に準拠して測定した。
[密度(g/cm)]
JIS−P8118(1998)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
[水分(%)]
JIS−P8127(2010)に記載の「ロットの水分試験方法−乾燥器による方法」に準拠して測定した。
[剛度(縦)]
JIS−P8143(2009)に記載の「クラークこわさ試験機法」に準拠して測定した。
[フリーネス(mL)]
得られたガラス合紙をJIS−P8220に準拠して離解して離解パルプとし、この離解パルプをJIS−P8121に準拠して測定した。
[平均カール高さ(mm)]
得られたガラス合紙を抄紙方向を一辺とする300mm四方の正方形に切断し、温度23℃、湿度50%の環境下に4時間放置した。この後、平らな面(板)上に凸側の面が接触するように切断したガラス合紙を置いた。すなわち、艶面(平滑度が高い側)が上になるように置き、4隅の板表面からの高さを測定し、平均をとった。
[直立性及びハンドリング性]
実際に、ガラス板の間にガラス合紙を挿入する作業をバキューム装置を用いて行い、20枚のガラス合紙において以下の基準にて評価した。
(1)直立性
◎:ガラス板間にガラス合紙を挿入後、その直立が9割以上維持されている。
○:ガラス板間にガラス合紙を挿入後、その直立が7割以上9割未満維持されている。
△:ガラス板間にガラス合紙を挿入後、その直立が4割以上7割未満維持されている。
×:ガラス板間にガラス合紙を挿入後、その直立が維持されているものが4割未満である。
(2)ハンドリング性
◎:バキューム装置への吸着性、ガラス板間への挿入の容易さなど、ハンドリング性に優れる。
○:ハンドリング性に問題ない。
△:ガラス板間への挿入がやや容易でない場合があるなど、ハンドリング性が若干不十分である。
×:バキューム装置への吸着性が不十分であったり、ガラス板間への挿入が容易に行えないなど、ハンドリング性が不十分である。
[実施例1]
NBKP(質量平均繊維長2.5mm)30質量部及びLBKP(質量平均繊維長0.9mm)70質量部を配合したパルプスラリーに、サイズ剤としてけん化ロジンを3kg/t、及び硫酸バンドを3kg/t添加し、原料スラリーを得た。なお、用いたNBKPとLBKPとの質量平均繊維長は、約1.4mmである。
この原料スラリーを長網抄紙機にて抄紙し、ワイヤー面をヤンキー乾燥機にて艶面(表面)とし、実施例1のガラス合紙を得た。実施例1のガラス合紙の水分は6.0%、フリーネスは630mLであった。
[実施例2及び比較例1]
表面の平滑度が表1の値となるように、ロールプレスによる加圧、ヤンキー乾燥機における蒸気圧を変化させたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2及び比較例1のガラス合紙を得た。
[実施例3及び比較例2]
抄紙形式を長網ヤンキーから長網多筒又は円網多筒に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3及び比較例2のガラス合紙を得た。
[実施例4〜6]
パルプのフリーネスが表1に示す値となるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4〜6のガラス合紙を得た。
[実施例7〜8]
ロール加圧、ヤンキー乾燥機における蒸気圧を調整し、水分が表1に示す値になるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7〜8のガラス合紙を得た。
[比較例3]
米坪を65.5g/mとした以外は、実施例1と同様にして、比較例3のガラス合紙を得た。
上述した方法にて得られた各合紙の品質及び性能を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 0005820150
表1に示されるように、実施例1〜8のガラス合紙は、坪量を大きくせずとも良好な直立性を有し、ハンドリング性にも優れていることがわかる。
本発明のガラス合紙は、液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板等の合紙として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. パルプ繊維を主原料とし、坪量が30g/m以上60g/m以下であるガラス合紙であって、
    抄紙方向を一辺とする300mm四方の正方形に切断した場合の、四隅の平均カール高さが5mm以上20mm以下であり、
    上記パルプ繊維が針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)及び広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を含み、NBKPとLBKPとの質量比が15:85以上50:50以下であり、
    上記パルプ繊維の質量平均繊維長が1.0mm以上1.6mm以下、フリーネスが500mL以上680mL以下であることを特徴とするガラス合紙。
  2. 裏面のベック平滑度に対する表面のベック平滑度が1.2倍以上40倍以下である請求項1に記載のガラス合紙。
  3. 密度が0.55g/cm以上0.95g/cm以下であり、水分が2%以上8%以下である請求項1又は請求項2に記載のガラス合紙。
  4. 剛度(縦)が20以上80以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のガラス合紙。
  5. ガラス板と、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のガラス合紙とが交互に積層されてなる積層体。
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