JP2007051386A - ガラス合紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 建築用窓ガラス板や車両用窓ガラス板等に比べて高い清浄度や傷品位が要求されるフラットパネル・ディスプレイ用の基板材料用として用いられるガラス板用の合紙として、ハンドリング性が良く、ガラス汚染がなく、なおかつ寸法安定性の良いガラス合紙を提供することができる。
【解決手段】 全繊維量に対して、麻パルプが20質量%以上配合されているガラス合紙であって、該ガラス合紙中の樹脂量が0.1質量%以下であり、かつ、該ガラス合紙の弾性率が、最大値/最小値の相乗平均で2.6GPa以上であるガラス合紙。

Description

本発明は、液晶パネルディスプレイやプラズマパネルディスプレイといったフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管、運搬する流通過程において、ガラス板間に挿入する合紙に関するものであり、特にはハンドリングが容易でガラスの破損がなく、ガラス板表面の汚染を防止でき、更には使用時の寸法変化が小さい合紙に関するものである。
通常、フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管、トラック運搬する流通過程において、ガラス板同士が衝撃を受け接触し手発生する擦れ傷や、ガラス表面が汚染されることを防止する目的で、ガラス板の間に合紙を挟み込む方法が一般的である。
このように使用される合紙としては、ガラス表面を保護して割れや傷つきを防止するだけでなく、ガラス表面を汚染しないという特性を有することが重要であり、ガラス表面を汚染しない合紙はすでにいくつか提案されている。例えば、特開昭59−221269号公報、特開昭60−181399号公報、特開平2−53987号公報、特開2003−41498号公報(特許文献1〜4)には、砕木パルプや古紙(主として新聞古紙)を主体としたガラス合紙が開示されている。
古紙を主原料として製造されたガラス合紙は、その紙中に、乾燥性向上のためにインク基剤中に含まれていたビヒクルに由来する多量の樹脂が含まれている。
この樹脂は水溶、揮発または転移してガラス表面にヤケあるいは紙肌付着を発生させるものであり、一定の量に減少するまで取り除かなければならない。
一方、特開平9−170198号公報(特許文献5)には、天然パルプ100重量部に対し樹脂バインダーを5〜40重量部含浸させて、乾燥して脱落する粒子の数を抑える効果と、その両面に水溶性樹脂を塗布することでガラス表面に紙ヤケを発生させないという効果を有するものが開示されている。
しかしながら、ガラス板を複数枚積層して保管、運搬する時の環境変化は大きく、時には高温高湿となる場合がある。そのような環境下では、水溶性樹脂が溶出しやすくなり、樹脂バインダーを皮膜するという効果はなくなるため、5〜40重量部と多量に含浸した樹脂バインダーが剥き出しになると、ガラス表面に樹脂バインダーが転移し汚染されてしまう。汚染されたガラス表面は、薬液洗浄やブラッシング洗浄、超音波洗浄だけでは簡単に洗い流すことは難しい。
また、ガラス板同士が樹脂バインダーで接着されて剥離するのが非常に困難という問題も発生する。
更に、最近では、液晶パネル用ガラス基板の大型化が進んでおり、1500×1870mm(第6世代)のサイズのガラス板において合紙が使われるようになり、近い将来にはさらに1870×2200mm(第7世代)や2200×2600mm(第8世代)と、より大きなサイズのガラス板での合紙の使用が予想される。
このように大きなサイズのガラス板に使用する場合は、合紙自体の剛性が高く、ハンドリングが容易であることが重要であるが、従来から使用されている合紙は、コットンリンターパルプやクラフトパルプを使用しているものであり、十分な剛性は得られていなかった。
また、ガラスのサイズが大きいと、当然合紙のサイズも大きくなり、それに伴って、湿度による合紙の寸法変化が大きくなるという問題がある。
特開昭59−221269号公報 特開昭60−181399号公報 特開平2−53987号公報 特開2003−41498号公報 特開平9−170198号公報
フラットパネル・ディスプレイ用の基板材料として用いられるガラス板は、一般の建築用窓ガラス板や車両用窓ガラス等に比べて、高い清浄度や傷品位が要求される。
本発明は、前述の課題を解決するものであり、フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管、運搬する流通過程において、ガラス間に挿入する際のハンドリングが容易でガラスの破損がなく、ガラス板表面の汚染を防止でき、更には使用時の寸法変化が小さい合紙を提供することを目的とする。
本発明者らは、フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管、運搬する流通過程において、ガラス合紙のハンドリングが良く、ガラス板表面への汚染を防止でき、使用時の寸法変化が小さいガラス合紙について鋭意検討した結果、合紙を構成する原料パルプとして麻パルプを使用し、合紙中の樹脂分と、シート物性として弾性率を制御することにより、極めて優れたガラス合紙が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、全繊維量に対して、麻パルプが20質量%以上配合されているガラス合紙であって、該ガラス合紙中の樹脂量が0.1質量%以下であり、かつ、該ガラス合紙の弾性率が、最大値/最小値の相乗平均で2.6GPa以上であることを特徴とするガラス合紙である。
本発明によって、建築用窓ガラス板や車両用窓ガラス板等に比べて高い清浄度や傷品位が要求されるフラットパネル・ディスプレイ用の基板材料用として用いられるガラス板用の合紙として、ハンドリング性が良く、ガラス汚染がなく、なおかつ寸法安定性の良いガラス合紙を提供することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のガラス合紙はフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板に最適である。
フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板は、一般の建築用窓ガラス板や車両用窓ガラス等とは違って、高精細ディスプレイ用に使用されることから、ガラス表面に化学的な汚染があってはならず、また、傷などの欠陥も許されない。従って、次工程へのハンドリングの際に十分な注意が必要であり、ガラス合紙に要求される品質も重要である。
本発明は、ガラス合紙の構成パルプとして麻パルプを使用していることが重要である。
本発明に使用可能な麻パルプは。靭皮繊維である大麻、亜麻、チョ麻、ケナフ(洋麻)、葉繊維であるマニラ麻、サイザル麻等を挙げることができ、特に限定されない。この中でも、繊維強度、繊維長、蒸解性、晒性、夾雑物の混入率等を考慮するならば、アルカリ蒸解、クラフト蒸解及びサルファイト蒸解したマニラ麻パルプが好適である。またガラス合紙の弾性率を高めるという観点からは、サルファイト蒸解したマニラ麻パルプが最も好ましく用いられる。
このような麻パルプは、木材に比較してリグニン含有量が非常に少なく、易蒸解性、易漂白性であり、従って蒸解薬品や漂白薬品の使用量が木材の場合と比較して大幅に減少可能であり、リグニン由来の樹脂分が少ないだけでなく、ナトリウムイオンや塩素イオンなどの蒸解や晒工程由来のイオン分の含有量が極めて少ない。
木材パルプの場合、リグニン由来の樹脂分は、コロイダルピッチの状態でパルプスラリー中に存在するが、pH変化や消泡剤などの薬品添加で凝集し、ピッチに成長する。このピッチがパルプに固着している場合、ガラス汚染の原因になる。また、パルプ中の残留イオン分も抄紙時の添加薬品に影響を与えるため、添加薬品を使用している場合は、間接的にガラス汚染の原因になることがある。
本発明において、麻パルプの含有率は、合紙中の全繊維量(絶乾パルプの全質量)に対して20質量%以上である。より好ましくは20〜85質量%であり、30〜80質量%が最も好ましい。麻パルプの含有率が20質量%未満では、麻パルプを用いた効果が発現しない。また、85質量%を超えて多くなると、抄紙性が悪くなって地合が悪化し、外見上の問題だけでなく、合紙として使用した場合、局所的にガラス板に負荷がかかる可能性があるため好ましくない。
本発明において、麻パルプと混合して用いる原料パルプとしては、状況に応じて任意のものがしよう可能である。例えば、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP),等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)等の機械パルプが使用可能である。
その他のパルプとしては、楮、三椏等を原料とする非木材繊維パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプ等がある。
これら麻パルプ以外の原料パルプは、単独でも、二種以上混合使用しても良い。但し、樹種によっては樹脂分が多いものもあり、ガラス面の汚染原因となる場合があるため、樹脂分の少ない樹種を選定した方が好ましい。
また、リグニン、色素系物質等の除去操作がされている点では、漂白処理の施されているパルプを使用することが好ましい。
古紙を使用する際は、古紙に含まれている不純物を取り除いてから使用することが好ましく、古紙を離解した後、アルカリ薬品を加え繊維からインキ膜を剥がし、界面活性剤に捕集させ繊維から分離除去する。具体的な除去方法としては泡にインキを洗い流す洗浄法があり、一般には両者を併用して脱油脂処理が行われる。
本発明において、麻パルプ、及びその他の原料パルプは、混合して叩解することも可能であるが、麻パルプは剛直で繊維長が長いため、他のパルプと混合して叩解すると、麻パルプが優先的に叩解処理を受けてしまう。従って、麻パルプとその他のパルプはそれぞれ単独で叩解することが好ましい。
本発明において、麻パルプの叩解手法は限定されるものではないが、麻パルプ高配合時の地合改善のためには、粘状叩解よりも遊離状叩解の方が好ましい。さらに、ディスクプレートでカッティング刃を採用するなどして、繊維長を短くする工夫をすると良い地合が得られる。
本発明における麻パルプの、好ましい繊維長は、具体的には、カナディアンスタンダードフリーネス(以下CSF)で650〜450mlである。
フリーネスが高いとガラス合紙の剛性が高く、ハンドリング性は良いがゴワゴワ感が強く、逆にフリーネスが低いとしなやかになるが、ハンドリング性が悪くなる傾向がある。従って、ガラス合紙として求められる性能に合致するように、使用する麻パルプの繊維形態と、地合及びシート弾性率から叩解の程度を決める必要がある。
なお、叩解を行うにあたって叩解装置の種類、パルプ濃度、仕込み速度のような叩解条件は特にこれを限定するものではない。
本発明のガラス合紙は、ISO624−1974に準じて測定を行なったときの、ガラス合紙中の樹脂量が0.1%以下であるものとする。樹脂量が0.1%よりも多い場合は、ガラス合紙として使用した場合、ガラス面の樹脂による汚染が顕著に目立つようになり問題となる。ガラス合紙中の樹脂分を0.1%以下にする方法としては、原料パルプとして麻パルプを配合することが必須であり、更に使用する麻パルプの選定、配合率、蒸解、晒条件の調整、パルプの十分な洗浄、抄紙白水の系外排出が有効である。
尚、従来からガラス合紙に使用されている木材パルプ中の樹脂分は0.3%以上であった。
本発明のガラス合紙においては、シート弾性率が高いことが重要である。従来、ガラス合紙は50g/m以下の低坪量の紙が使用されており、紙が柔らかいことから、合紙として挿入する際のハンドリング性が悪い、シワが入ってしまう、クッション性が十分ではないなどの欠点があった。一方、ガラス合紙として50g/mを超えるような坪量の紙を使用すると、ハンドリング性、クッション性は良いが、ガラスを積層した時に嵩が出てしまい、運搬上問題が生じてしまう。そこで、本発明者らはガラス合紙としての使用方法について鋭意研究した結果、麻パルプを使用し、弾性率を管理することによって、ハンドリング性が良く、更に低坪量でも十分なクッション性を有する紙を得るに至った。麻パルプは単繊維弾性率が高いことにより、シートが剛直になりガラス合紙としてのハンドリング性が向上する。また、同様に単繊維弾性率が高いことにより、シートとしての弾性率も向上してシート弾性率が高くなる。これによって、湿度変化による寸法変化が小さくなり、ガラス合紙として使用されている際の収縮が抑えられるため、ガラスをより安全に保護することができる。弾性率が2.6GPaよりも小さい場合は、ガラス間に挿入する際のハンドリング性が悪い、クッション性が悪いなどの問題を生じる。
本発明のガラス合紙の坪量としては、20〜100g/mの範囲で抄造されるが、より好適には30〜80g/mである。坪量は、より低いほうが運搬時の質量が少なくなるため望ましいが、20g/m未満では、十分な緩衝性が付与できない恐れがある。
以下、原料パルプ以外のその他抄紙条件について説明する。
本発明で使用可能な内添薬品については、ガラス表面を傷つけない、もしくは汚染しない範囲内で、ロジン、スチレン・マレイン酸、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、各種紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の湿潤紙力増強剤、柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤、タルク等の填料、染料等を任意に使用することができる。
また、必要に応じて、ガラス合紙の表面や裏面に、上記薬品以外に、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、デンプン等があり、それらの中には、高ケン化度PVA、低ケン化度PVA、変性PVA、変性ポリアクリルアミド、生デンプン、酸化デンプン、変性デンプン等を塗布または含浸させることも可能である。
上記の塗布や含浸手段は、例えば、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター等がある。
本発明のガラス合紙を製造するための製造装置、製造条件には特に限定はなく、それぞれの製造装置に合わせた製造条件を選択し、本発明の製品を製造することができる。例えば、傾斜ワイヤー抄紙機、円網抄紙機、長網抄紙機で単層もしくは抄き合わせによって抄紙される。抄紙時には必要に応じて前述のような薬品が内添される。さらに必要に応じて、コーター等による薬品の外添を行い、本発明のガラス合紙が製造される。
なお、本発明のガラス合紙には、表面に微細な凹凸であるエンボス加工やクレープ化処理を施しても良い。
エンボス加工はエンボッサーや凹凸の金型などにより行われ、点状、鎖線状、直線状、波状などの形状に加工される。凹凸の高低差は0.1mm以下、ピッチは2mm以下の状態で、表裏全面に分布されるものが好ましい。
クレープ化処理を付与する方法としては、抄紙機のウェットパートにおけるプレスロール上もしくはドライヤーパートにおけるシリンダー型ドライヤー上に設置されたドクターにて密着したシートを剥離してクレープ化する方法が挙げられる。前者をウエットクレープ、後者をドライクレープと区別している。これらのロールとポープリールの速度差などによりクレープ化率を変更することが可能であり、クレープ化率が大きいほど合紙の柔軟性や伸び等が増大する。一方では、抄紙段階でクレープ化処理を行わず、抄紙後のシートに2次加工として凹凸に成形された金型に挟み込み、クレープパターンを製造する方法もある。この方法では、ある程度均一化したクレープ形状を成形することが可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、配合、濃度等を示す数値は、特に断りの無い限り固形分又は有効成分の質量基準の数値である。
また、実施例及び比較例で得たガラス用合紙は、特に記載のない場合については、抄造した紙はJIS P 8111に準じて処理を行なった後、測定やテストに供した。
[麻パルプの製造]
本発明の実施例及び比較例に使用した麻パルプを以下の通り製造する。
15mの地球釜に、マニラ麻(商品名:N−4、エクアドル産)を、絶乾870kg投入し、亜硫酸ソーダを絶乾マニラ麻質量当り18.0%添加し、液比7.5、最高温度162℃、昇温時間60分、最高温度での保持時間90分で蒸解し、その後脱液、精選、洗浄し、麻パルプを得た。
上記麻パルプのカッパー価は8.9、未漂白パルプのハンター白色度は73.5%であった。また、CSFは680mlであった。
<実施例1>
前記麻パルプを、ビーターを使用してCSFで550mlまで叩解し、さらに未叩解広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSFで600ml)に混合して混合パルプを得た。
ただし、麻パルプの配合率は、全繊維量に対して20質量%とした。
上記混合パルプを、実験室角型手抄マシンを用いて手抄きし、坪量40g/m、密度0.5g/cmのガラス合紙を作製した。
<実施例2>
麻パルプの配合率を、全繊維量に対して50質量%とした以外は実施例1と同様にしてガラス合紙を作製した。
<実施例3>
麻パルプの配合率を、全繊維量に対して75質量%とした以外は実施例1と同様にしてガラス合紙を作製した。
<実施例4>
前記麻パルプを、ビーターを使用してCSFで630mlまで叩解し、同じくビーターを使用してCSFで400mlまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と混合して混合パルプを得た。
ただし、麻パルプの配合率は、全繊維量に対して50質量%とした。
上記混合パルプを、実験室角型手抄マシンを用いて手抄きし、坪量40g/m、密度0.5g/cmのガラス合紙を作製した。
<実施例5>
前記麻パルプを、ビーターを使用してCSFで500mlまで叩解し、他のパルプと混合せずに実験室角型手抄マシンを用いて手抄きし、坪量40g/m、密度0.5g/cmのガラス合紙を作製した。
<比較例1>
前記麻パルプを、ビーターを使用してCSFで550mlまで叩解し、未叩解広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSFで600ml)を混合して混合パルプを得た。
ただし、麻パルプの配合率は、全繊維量に対して15質量%とした。
上記混合パルプを、実験室角型手抄マシンを用いて手抄きし、坪量40g/m、密度0.5g/cmのガラス合紙を作製した。
<比較例2>
麻パルプを使用せず、未叩解広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSFで600ml)のみ使用し、実験室角型手抄マシンを用いて手抄きし、坪量40g/m、密度0.5g/cmのガラス合紙を作製した。
<比較例3>
麻パルプを使用せず、未叩解針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、CSFで660ml)のみ使用し、実験室角型手抄マシンを用いて手抄きし、坪量40g/m、密度0.5g/cmのガラス合紙を作製した。
実施例、および比較例で得たガラス合紙を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
<樹脂量測定>
通常、パルプ中に存在する樹脂量を測定するのに用いられる方法であるISO624−1974に準じて測定を行なった。
絶乾約10gのガラス合紙を試料とし、ジクロロメタンを溶媒として、定温ヒーター下で4時間かけて抽出を行い、下記の式1にて紙中の樹脂量を求めた。
式1:m=(m/m)×100
m:樹脂量(%)
:ジクロロメタン抽出物(g)
:試料の絶乾質量(g)
<弾性率>
温度20℃、相対湿度65%の環境下で24時間調湿し、ガラス合紙の超音波伝播速度Cを、超音波伝播速度計(商品名:SST−250、野村商事製)を用いて測定した。
次に、このガラス合紙の厚みをJIS P 8118に従い測定し、更にその米坪量を測定してガラス合紙の密度ρを求め、動的弾性率EをE=ρ(C)で求めた。
尚、手抄シートでも手抄きバット内の微妙な脱水の流れや手抄き者の攪拌のクセにより微妙な配向性が生じることがあるため、超音波伝播速度Cは20度ずつガラス合紙を回転させて9回測定し、弾性率の最小値と最大値を求め、それらの相乗平均値を算出した。
なお、マシン抄きのガラス合紙の場合はマシンの流れ方向と幅方向が存在するため、同様に、超音波伝播速度Cは20度ずつガラス合紙を回転させて9回測定し、弾性率の最小値と最大値を求め、それらの相乗平均値を算出する。
<ハンドリング作業性>
液晶パネル用ガラス板(200mm×200mm×0.7mm)と、同サイズのガラス合紙を平置きの状態で交互に10枚積層する作業を行った。
交互に積層したガラス板と合紙に、更に加圧用冶具を用いて上方より2kg/cmの加重をかけた状態で、温度50℃、湿度90%の環境下に4日間放置した後、ガラス板とガラス合紙を離した際の、合紙へのシワの入り方を観察した。
ハンドリング作業性の評価基準は、扱いやすさとシワの入り方より総合的に判断し、扱いやすく、ガラス合紙に全くシワがないものを○、扱いやすいが部分的にシワが入っていたものを△、扱いにくく多くのシワが見られたものを×とした。
<ガラス板表面の汚染度評価>
液晶ガラス用のガラス板とガラス合紙を平置きの状態で交互に積層し、加圧用冶具を用いて上方より2kg/cmの加重をかけた状態で温度50℃、湿度90%の環境下に4日間放置して加速試験を行なった。
その後、ガラス板表面のブラッシング洗浄と超音波洗浄を実施した後、汚染度を評価した。
評価は目視によるものとし、全く汚染されていないものを○、部分的に汚染されていたものを△、全面が汚染されていたものを×とした。
Figure 2007051386
表1に示されるように、実施例1〜5の方法により抄紙された本発明のガラス合紙は、ガラスへのハンドリング作業性が良く、ガラス汚染もない優れた効果を奏する。

Claims (1)

  1. 全繊維量に対して、麻パルプが20質量%以上配合されているガラス合紙であって、該ガラス合紙中の樹脂量が0.1質量%以下であり、かつ、該ガラス合紙の弾性率が、最大値/最小値の相乗平均で2.6GPa以上であることを特徴とするガラス合紙。

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