JP2013100623A - 印刷適性を向上させた晒クラフト紙 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、強度が高く、印刷適性が良好な晒クラフト紙、特に多層紙袋に適した晒クラフト紙を提供することである。
【解決手段】
以下の(1)から(8)の条件を満たす晒クラフト紙である。
(1)原料パルプとして、広葉樹晒クラフトパルプを50〜70質量%、針葉樹晒クラフトパルプを30〜50質量%含む。(2)広葉樹晒クラフトパルプのフリーネスが300〜450ml、針葉樹晒クラフトパルプのフリーネスが500〜600mlである。(3)填料として炭酸カルシウム1.0%以上を添加し、灰分0.5〜5.0%とする。(4)接着剤を主成分とする表面処理剤を片面当たり0.2〜1.0g/m2塗布する。(5)内添サイズ剤と表面サイズ剤を使用して、ステキヒトサイズ度30秒以上とする。(6)白色度75%以上。(7)吸油度40〜80秒。(8)平滑度30〜80秒。
【選択図】なし
Description
(特許文献1)
粒子径1〜30μmの範囲の粒子割合が少なくとも80重量%以上、粒子径70μm以上の粒子割合が0.4重量%以下であり、かつ平均粒子径が5〜10μmの範囲にある製紙用水和珪酸塩からなる填料を、絶乾パルプ当り0.2〜3重量%内添したことを特徴とする重袋原紙用未晒クラフト紙。
(課題)原紙表面に防滑剤を塗布しなくても、粉体製品を充填した後に積み重ねても滑りにくい重袋を製造することができる重袋原紙用未晒クラフト紙およびその製造方法を提供する。
(特許文献2)
重量平均繊維長が2.3〜4.0mmであるクラフトパルプを用いて、JIS P−8220に規定されたパルプ離解方法で離解してJIS
P−8121に規定される方法に従い測定した離解フリーネスが600〜680ml、引張強度が縦方向で4.5kN/m以上、横方向で2.2kN/m以上、引裂強度が縦方向で760mN以上、横方向で810mN以上、JIS
P−8117に規定される透気度が10〜25秒となる紙支持体を形成していることを特徴とする重包装用クラフト紙。
(課題)紙支持体の強度をJIS規格内に維持しつつ、高い透気性を紙支持体に付与することができ、低米坪で原料費を下げられ製造コストの低減が可能となる重包装用クラフト紙の製造方法を提供することを目的とする。
また、クラフト包装紙としては、次の特許文献がある。
(特許文献3)
規格坪量が50〜120g/m2である、JIS P 3401−2000で定められたクラフト紙3種の品質規格に準ずる規格を満たすクラフト包装紙であって、
全パルプに対して20〜50重量%のクラフトパルプと、古紙パルプ及び機械パルプとからなるパルプ原料に、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5〜5.0kg/t添加した完成原料を抄紙してなり、乾燥工程の中間において酸化澱粉及び/又はポリアクリルアミドからなる表面処理剤がロール転写方式により外添され、乾燥工程の後に1段以上のニップを有するカレンダーにより平坦化処理され、JIS
P 8140−1998において測定されたコッブサイズ度(g/m2)と坪量(g/m2)とから計算される(コッブサイズ度/坪量)の値が0.1以上0.25以下であることを特徴とするクラフト包装紙。
(課題)古紙パルプを高配合した条件においてもサイズ効果が十分に高く、印刷時の紙粉や取り扱いにおけるぼこつきの問題を解消し、包装用紙としての加工適性を備えたクラフト包装紙を提供することを目的とする。
特許文献2については、繊維長が長く、比較的フリーネスの高いパルプを使用しているので、印刷適性について満足できるものではないと予想される。
特許文献3のクラフト包装紙は、古紙パルプ及び機械パルプの合計が50重量%以上であり、軽包装(角底袋)用の紙袋に使用される、強度が低いものである。
(1)原料パルプとして、広葉樹晒クラフトパルプを50〜70質量%、針葉樹晒クラフトパルプを30〜50質量%含む。
(2)広葉樹晒クラフトパルプのフリーネスが300〜450ml、針葉樹晒クラフトパルプのフリーネスが500〜600mlである。
(3)填料として炭酸カルシウム1.0%以上を添加し、灰分0.5〜5.0%とする。
(4)接着剤を主成分とする表面処理剤を片面当たり0.2〜1.0g/m2塗布する。
(5)内添サイズ剤と表面サイズ剤を使用して、ステキヒトサイズ度30秒以上とする。
(6)白色度75%以上。
(7)吸油度40〜80秒。
(8)平滑度30〜80秒。
本発明の晒クラフト紙の製造には、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、リールパートの各工程からなる抄紙機を用いる。抄紙機の型式は特に限定はなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等を使用できる。ドライヤーパートは多筒ドライヤー、ヤンキードライヤーやこれらを組み合わせたものでもよい。
炭酸カルシウム以外の填料の種類は特に限定されず、一般の印刷用紙に使用されている填料を使用することができる。具体的には、タルク、クレー、シリカ、二酸化チタン等の無機填料やプラスチックピグメント等の有機填料を使用することができる。
晒クラフト紙の吸油度は、使用する填料の種類や填料の添加率、表面処理剤の種類や塗布量、カレンダー処理条件等により、調整することができる。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)60質量部(320mlCSF)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)40質量部(520mlCSF)からなるパルプ分散液に、硫酸バンド3質量%(有姿)、填料として軽質炭酸カルシウム(東洋電化工業株式会社製、商品名:トヨライトTNC−S360)を6.0質量%添加し、サイズ剤(荒川化学工業株式会社製、商品名:サイズパイン811M)0.5質量%、カチオン澱粉(GSJジャパン製、商品名:ジェルトロン24)0.5質量%、紙力増強剤(星光PMC株式会社製、商品名:DS4356)0.4質量%、歩留り向上剤(ハイモ社製、商品名:ND260)を対パルプ200ppm添加して抄紙した。表面処理剤として、酸化澱粉(王子コーンスターチ株式会社製、商品名:王子エースA)を塗布量が片面当たり0.25g/m2、表面サイズ剤(荒川化学工業株式会社製、商品名:ポリマロンM20)を塗布量が片面当たり0.07g/m2で、表裏同一塗布量でゲートロールコーターを用いて塗布し、乾燥後、ソフトカレンダー処理(線圧10kN/m、温度80℃)し、坪量84.0g/m2、水分6.0%の晒クラフト紙を得た。得られた晒クラフト紙の評価結果を表1に示す。
填料として軽質炭酸カルシウムを1.0質量%添加した以外は実施例1と同様に晒クラフト紙を得た。
(実施例3)
填料として軽質炭酸カルシウムを8.0質量%添加した以外は実施例1と同様に晒クラフト紙を得た。
(実施例4)
LBKP70質量部(430mlCSF)、NBKP30質量部(580mlCSF)とし、表面処理剤として、酸化澱粉を塗布量が片面当たり0.5g/m2、表面サイズ剤を塗布量が片面当たり0.14g/m2となるように、表裏同一塗布量でゲートロールコーターを用いて塗布、乾燥した以外は実施例1と同様に晒クラフト紙を得た。
(実施例5)
LBKP50質量部(350mlCSF)、NBKP50質量部(510mlCSF)とした以外は実施例1と同様に晒クラフト紙を得た。
(実施例6)
坪量を75.0g/m2とした以外は実施例5と同様に晒クラフト紙を得た。
LBKP40質量部、NBKP60質量部とし、表面処理剤を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様に晒クラフト紙を得た。
(比較例2)
パルプ配合を、NBKP100質量部とし、填料を添加せず、表面処理剤を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様に晒クラフト紙を得た。
(比較例3)
LBKP80質量部、NBKP20質量部とした以外は実施例1と同様に晒クラフト紙を得た。
(比較例4)
填料を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に晒クラフト紙を得た。
(比較例5)
LBKP70質量部、NBKP30質量部とし、表面処理剤として、酸化澱粉を塗布量が片面当たり1.2g/m2、表面サイズ剤を塗布量が片面当たり0.14g/m2となるように、表裏同一塗布量でゲートロールコーターを用いて塗布、乾燥した以外は実施例1と同様に晒クラフト紙を得た。
(坪量)JISP8124:1998紙及び板紙−坪量測定方法
(灰分)JISP8251:2003紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法
(白色度)JISP8148:2001紙、板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法
(ステキヒトサイズ度)JISP8122:2004紙及び板紙−サイズ度試験方法−ステキヒト法
(平滑度)JISP8119:1998紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法
(吸油度)旧JISP3001:1995新聞巻取紙に準じて測定した。
(印刷適性評価)
得られた晒クラフト紙を、平判断裁した後、オフセット枚葉機にかけ、プロセスインキにより、紙の表面にカラー4色印刷を行い、印刷上がりを次の基準で評価した。
◎:優れる、○:良い、×:不良
(強度評価)
晒クラフト紙の引張強さ(縦)と引裂強さ(縦)により次の基準で評価した。
◎:引張強さ(縦)5.5kN/m以上、かつ引裂強さ(縦)700mN以上
○:引張強さ(縦)5.0kN/m以上5.5kN/m未満、または引裂強さ(縦)600mN以上700mN未満
×:上記以外
比較例1は、表面処理剤の塗工がなく、平滑度(表)が28秒と低いため、印刷適性評価が悪くなっている。比較例2は、NBKPの配合率が100%と高いが、フリーネスが610mlCSFと高いので、強度評価がやや低い。また、填料の添加がなく、表面処理剤の塗工がないので、平滑度(表)が18秒と低くなっており、印刷適性評価が悪くなっている。
比較例3は、NBKPの配合率が20%と低いので、強度評価が悪くなっている。
比較例4は、填料の添加がなく、灰分が0.1%と低いので、印刷適性評価が悪くなっている。比較例5は、表面処理剤の塗工量が片面当たり1.34g/m2と多く、吸油度が92秒と高くなっているため、インキ乾燥不良によるブロッキングが発生し、インキの剥離により印刷適性評価が悪くなっている。
Claims (1)
- 以下の(1)から(8)の条件を満たす晒クラフト紙。
(1)原料パルプとして、針葉樹晒クラフトパルプを30〜50質量%、広葉樹晒クラフトパルプを50〜70質量%含む。
(2)針葉樹晒クラフトパルプのフリーネスが500〜600ml、広葉樹晒クラフトパルプのフリーネスが300〜450mlである。
(3)填料として炭酸カルシウム1.0%以上を添加し、灰分0.5〜5.0%とする。
(4)接着剤を主成分とする表面処理剤を片面当たり0.2〜1.0g/m2塗布する。
(5)内添サイズ剤と表面サイズ剤を使用して、ステキヒトサイズ度30秒以上とする。
(6)白色度75%以上。
(7)吸油度40〜80秒。
(8)平滑度30〜80秒。
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