JP2002362011A - 滲まない和紙風インクジェット用紙と製造方法 - Google Patents
滲まない和紙風インクジェット用紙と製造方法Info
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- JP2002362011A JP2002362011A JP2001172059A JP2001172059A JP2002362011A JP 2002362011 A JP2002362011 A JP 2002362011A JP 2001172059 A JP2001172059 A JP 2001172059A JP 2001172059 A JP2001172059 A JP 2001172059A JP 2002362011 A JP2002362011 A JP 2002362011A
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Abstract
(57)【要約】
【発明が解決しようとする課題】インクジェットを用い
て鮮明なカラ−の打ち出しが可能な、和紙風のすぐれた
カラ−コピ−紙とその製造方法を提供することを課題と
する。 【課題を解決するための手段】滲まない和紙風インクジ
ェット用紙で支持層と表層からなり、支持層は長繊維パ
ルプを主成分として配合することによって和紙風の感触
を持たせ、表層は主成分としてイネ科植物の幹茎のパル
プを配合し、これを適度にサイズを行い滲み止めと、イ
ンクの吸収をコントロ−ルし、細密にして優れた色彩の
表現を可能とする。多層抄きの抄紙機を用いることによ
り、単純な操作により容易に量産も可能な方法として提
供する。
て鮮明なカラ−の打ち出しが可能な、和紙風のすぐれた
カラ−コピ−紙とその製造方法を提供することを課題と
する。 【課題を解決するための手段】滲まない和紙風インクジ
ェット用紙で支持層と表層からなり、支持層は長繊維パ
ルプを主成分として配合することによって和紙風の感触
を持たせ、表層は主成分としてイネ科植物の幹茎のパル
プを配合し、これを適度にサイズを行い滲み止めと、イ
ンクの吸収をコントロ−ルし、細密にして優れた色彩の
表現を可能とする。多層抄きの抄紙機を用いることによ
り、単純な操作により容易に量産も可能な方法として提
供する。
Description
【0001】
【発明の属する分野】本発明はインクジェット用紙及び
その製造方法に係わる。
その製造方法に係わる。
【0002】
【従来技術】これまでに、ファックス、コンピュ−タ
−、コピ−機や電子カメラ等の電子機器の打ち出しに、
緻密な紙の表面または緻密な紙に樹脂加工やコ−ト仕上
げをした極めて平滑な表面を媒体として用い、黒及びカ
ラ−インクをジェット状に吹きつけることにより、かな
り精密に文字、図、表及び画等の情報を記録し伝達する
ことが、簡便に行えるようになった。
−、コピ−機や電子カメラ等の電子機器の打ち出しに、
緻密な紙の表面または緻密な紙に樹脂加工やコ−ト仕上
げをした極めて平滑な表面を媒体として用い、黒及びカ
ラ−インクをジェット状に吹きつけることにより、かな
り精密に文字、図、表及び画等の情報を記録し伝達する
ことが、簡便に行えるようになった。
【0003】柔らかい和紙や絹地の粗面に、墨の濃淡で
表現した日本画や、浮世絵の版画や、書道などの芸術作
品を原画として、これをコピ−するのには、柔らかく密
度が低く、粗い表面を持つ和紙のような用紙にコピ−す
ることは、質感を表現するうえで望ましいが、従来この
ように密度が低く、粗い表面を持つ用紙を用いたのでは
インクが滲み、電子機器による精度のあるカラ−コピ−
の打ち出しには適応できないとされてきた。また、撥水
剤で処理したりするとインクが撥けて紙に吸い込まない
ため、綺麗な打ち出し不能であった。
表現した日本画や、浮世絵の版画や、書道などの芸術作
品を原画として、これをコピ−するのには、柔らかく密
度が低く、粗い表面を持つ和紙のような用紙にコピ−す
ることは、質感を表現するうえで望ましいが、従来この
ように密度が低く、粗い表面を持つ用紙を用いたのでは
インクが滲み、電子機器による精度のあるカラ−コピ−
の打ち出しには適応できないとされてきた。また、撥水
剤で処理したりするとインクが撥けて紙に吸い込まない
ため、綺麗な打ち出し不能であった。
【0004】しかし、最近では粗面を持つ紙に種々の表
面加工する事により、インクジェットによるかなり精密
な打ち出しも可能となったが、製造工程が複雑になると
いう欠点があった。
面加工する事により、インクジェットによるかなり精密
な打ち出しも可能となったが、製造工程が複雑になると
いう欠点があった。
【0005】さきに発明者はイネ科の植物の幹茎を原料
とするパルプを十分粘状叩解し、殆どまたは全くサイズ
処理をせずに完全紙料とし、湿紙として抄き上げ、非木
材の長繊維パルプを抄き上げた湿紙の上に乗せて1枚の
2層抄きの湿紙にした。この2層抄きの湿紙をプレスし
て水を搾り光沢を消した乾燥板上で乾燥し、和紙に似た
新しいタイプの紙を得た。この紙は新しいタイプのイン
クジェット用紙と位置づけられるもので、表面が粗面で
覆われているにもかかわらず、インキの吸収に優れ、か
つ殆ど滲まず、インクジェットによるカラ−コピイを取
ると色の再現性が良く特に綺麗な画像が得られた。しか
し、細い線などは、なお滲みのため線が太く見える欠点
があった。
とするパルプを十分粘状叩解し、殆どまたは全くサイズ
処理をせずに完全紙料とし、湿紙として抄き上げ、非木
材の長繊維パルプを抄き上げた湿紙の上に乗せて1枚の
2層抄きの湿紙にした。この2層抄きの湿紙をプレスし
て水を搾り光沢を消した乾燥板上で乾燥し、和紙に似た
新しいタイプの紙を得た。この紙は新しいタイプのイン
クジェット用紙と位置づけられるもので、表面が粗面で
覆われているにもかかわらず、インキの吸収に優れ、か
つ殆ど滲まず、インクジェットによるカラ−コピイを取
ると色の再現性が良く特に綺麗な画像が得られた。しか
し、細い線などは、なお滲みのため線が太く見える欠点
があった。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく改良に努めてきたが、表面層を構成するイネ科
植物のパルプを叩解し、完全紙料を調製する際に内面サ
イズで処理することで、用紙、が粗面であっても細い線
が実用上滲んで太くならず、墨やインクの吸収に優れ色
の再現性に優れた画像が得られるようになり問題を解決
出来ることを知り、更に研究を重ね滲まない和紙風のイ
ンクジェット用紙とその製造方法を完成するに至った。
即ち、(1)イネ科植物のパルプを原料として水を加え
て叩解し、適度にサイズ処理をして完全紙料とし、
(2)これに水を加えて分散させワイヤ−上に湿紙とし
てして抄き上げ、(3)得られた薄葉紙の湿紙を長繊維
非木材パルプを主原料として抄き上げた支持層の湿紙の
上に乗せて2層抄きの湿紙とした。(4)この2層抄き
の湿紙をプレスして水を搾り、(5)表面を梨地仕上げ
して光沢を消したドライヤ−上に表層が密着するように
多層抄きの湿紙を乗せ乾燥し、滲まない和紙風のインク
ジェット用紙を得た。さらに発明者はイネ科植物のパル
プ紙を支持層の表層と下層に抄き合わせることにより両
面にインクジェットによる打ち出しを可能とするなどの
改良を重ね、本発明を完成するに至った。
決すべく改良に努めてきたが、表面層を構成するイネ科
植物のパルプを叩解し、完全紙料を調製する際に内面サ
イズで処理することで、用紙、が粗面であっても細い線
が実用上滲んで太くならず、墨やインクの吸収に優れ色
の再現性に優れた画像が得られるようになり問題を解決
出来ることを知り、更に研究を重ね滲まない和紙風のイ
ンクジェット用紙とその製造方法を完成するに至った。
即ち、(1)イネ科植物のパルプを原料として水を加え
て叩解し、適度にサイズ処理をして完全紙料とし、
(2)これに水を加えて分散させワイヤ−上に湿紙とし
てして抄き上げ、(3)得られた薄葉紙の湿紙を長繊維
非木材パルプを主原料として抄き上げた支持層の湿紙の
上に乗せて2層抄きの湿紙とした。(4)この2層抄き
の湿紙をプレスして水を搾り、(5)表面を梨地仕上げ
して光沢を消したドライヤ−上に表層が密着するように
多層抄きの湿紙を乗せ乾燥し、滲まない和紙風のインク
ジェット用紙を得た。さらに発明者はイネ科植物のパル
プ紙を支持層の表層と下層に抄き合わせることにより両
面にインクジェットによる打ち出しを可能とするなどの
改良を重ね、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】図1に本発明の和紙風のインクジ
ェット用紙の説明用の構成図を示す。図1において、1
は表面層を示し、2は支持体層をしめす。又図2に於い
て1は表面層を示し、2は支持体層を示し、3は下層を
を示す。
ェット用紙の説明用の構成図を示す。図1において、1
は表面層を示し、2は支持体層をしめす。又図2に於い
て1は表面層を示し、2は支持体層を示し、3は下層を
を示す。
【0008】表面層1及び下層3はインクジェットの直
接当たる面を構成し、砂糖きび又はトウモロコシ、コウ
リャン等のラインド(幹茎の厚い表皮)のパルプ、稲わ
ら、麦わらパルプ等イネ科植物の幹茎のパルプを主成分
とするパルプ紙からなる。
接当たる面を構成し、砂糖きび又はトウモロコシ、コウ
リャン等のラインド(幹茎の厚い表皮)のパルプ、稲わ
ら、麦わらパルプ等イネ科植物の幹茎のパルプを主成分
とするパルプ紙からなる。
【0009】一方支持体層は和紙風の風合いを持った紙
の強靱で且つしなやかな、特性を担うため、主に伝統和
紙の原料又はそれに類似する性質を有する原料であるコ
ウゾ、ミツマタ、ガンピ等の長繊維非木質パルプの他桑
皮、ケナフ、ジュ−ト等の靱皮パルプ、アバカ、サイザ
ル麻、バナナ、パイナップル等の葉繊維パルプ、木綿、
カポック等の種毛パルプ等の長繊維非木材パルプを主原
料とし、和紙及び和紙風の紙の製造方法に類似の製法で
つくられる。 表面層を構成するイネ科植物のパルプは
種々の原料と製法がある。はじめに、まとまって大量に
発生し、最も利用しやすいと見られる、砂糖きびの( 幹
の厚皮) を原料として用いるパルプについて述べる。砂
糖きびのケインラインドは、砂糖きびの幹茎( ケイン)
を破砕し、圧搾して汁液を分離した後のバガス(残滓
物)から、ピス(節間柔細胞組織)を分離除去すること
ににより得ることができる。また、砂糖きびの幹茎を縦
に割り、汁液を含むピスを分離除去することにより得る
ことがしい。ピスの混入量は、絶乾重量基準で、10重
量%以下、好ましくは3重量%以下にするのがよい。本
発明においては、0.5 〜5 重量% のピスの混入したケイ
ンラインドをパルプ原料として有利に用いることができ
る。
の強靱で且つしなやかな、特性を担うため、主に伝統和
紙の原料又はそれに類似する性質を有する原料であるコ
ウゾ、ミツマタ、ガンピ等の長繊維非木質パルプの他桑
皮、ケナフ、ジュ−ト等の靱皮パルプ、アバカ、サイザ
ル麻、バナナ、パイナップル等の葉繊維パルプ、木綿、
カポック等の種毛パルプ等の長繊維非木材パルプを主原
料とし、和紙及び和紙風の紙の製造方法に類似の製法で
つくられる。 表面層を構成するイネ科植物のパルプは
種々の原料と製法がある。はじめに、まとまって大量に
発生し、最も利用しやすいと見られる、砂糖きびの( 幹
の厚皮) を原料として用いるパルプについて述べる。砂
糖きびのケインラインドは、砂糖きびの幹茎( ケイン)
を破砕し、圧搾して汁液を分離した後のバガス(残滓
物)から、ピス(節間柔細胞組織)を分離除去すること
ににより得ることができる。また、砂糖きびの幹茎を縦
に割り、汁液を含むピスを分離除去することにより得る
ことがしい。ピスの混入量は、絶乾重量基準で、10重
量%以下、好ましくは3重量%以下にするのがよい。本
発明においては、0.5 〜5 重量% のピスの混入したケイ
ンラインドをパルプ原料として有利に用いることができ
る。
【0010】前記ケインラインドのパルプ化法として
は、ソ−ダ法、クラフト法、PA法(過酸化水素−アル
カリ法)等のアルカリ性蒸解液を用いる従来公知の各種
の化学パルプ化法を用いることができるが、特に低公害
パルプ化法であるPA法の使用が好ましい。このPA法
の蒸解液として、過酸化水素とアルカリ(NaOH、N
aHCO3 できる。この場合、得られたケインラインド
には、ピスが少量混入していてもよいが、ピスを除去す
ることは得られるパルプの濾水性を向上させるためにも
好ま、Na2 CO3 、KOH、KHCO3 、K2 CO
3 )を含むアルカリ性水溶液を用いる方法である。この
PA法によれば、漂白性がよく、ペントサン含有量の大
きい、叩解性の良好なパルプを得ることができる。この
PA法により得られるパルプは、強度に優れかつ密度が
大きく、ドライヤ−に合わせれて表面を平滑にも、粗面
にもすることができる。
は、ソ−ダ法、クラフト法、PA法(過酸化水素−アル
カリ法)等のアルカリ性蒸解液を用いる従来公知の各種
の化学パルプ化法を用いることができるが、特に低公害
パルプ化法であるPA法の使用が好ましい。このPA法
の蒸解液として、過酸化水素とアルカリ(NaOH、N
aHCO3 できる。この場合、得られたケインラインド
には、ピスが少量混入していてもよいが、ピスを除去す
ることは得られるパルプの濾水性を向上させるためにも
好ま、Na2 CO3 、KOH、KHCO3 、K2 CO
3 )を含むアルカリ性水溶液を用いる方法である。この
PA法によれば、漂白性がよく、ペントサン含有量の大
きい、叩解性の良好なパルプを得ることができる。この
PA法により得られるパルプは、強度に優れかつ密度が
大きく、ドライヤ−に合わせれて表面を平滑にも、粗面
にもすることができる。
【0011】前記のようにして得られたケインラインド
パルプは、必要に応じ、漂白して晒パルプにした後、叩
解する。なお、イネ科植物のパルプはその特性から抄紙
に際してプレスパ−トで平滑になり易いので強い叩解を
必要としない。本発明で用いるラインドパルプは、その
繊維長が短く、内孔が大きく、ペントサン含有量が極め
て大きいため、容易に叩解でき、密度の大きい良質の画
像の打ち出しを可能とするパルプ紙を与える。この場合
の叩解の目安は、C.S.F.100〜450mL、好
ましくは200〜350mLである。前記叩解処理に供
するケインラインドパルプ(湿潤パルプ)としては、そ
の主成分の好ましくは70%以上、より好ましくは30
%以上が、篩分け試験で20メッシュパスで、100メ
ッシュオン、好ましくは40メッシュパスで0メッシュ
オンの範囲であるように調整するのがよい。 一般に
は、予めピスを分離除去したケインラインドをPA蒸解
しただけで好ましい篩分け区分のパルプが得られるが、
より好ましいシャ−プな区分を有するパルプはケインラ
インドパルプを更に篩分け処理することによって得るこ
とができる。このようにシャ−プな区分からなるケイン
ラインドパルプは、粗面の和紙風のインクジェット用紙
でもかなり解像度の高い画像を与えることができる。
パルプは、必要に応じ、漂白して晒パルプにした後、叩
解する。なお、イネ科植物のパルプはその特性から抄紙
に際してプレスパ−トで平滑になり易いので強い叩解を
必要としない。本発明で用いるラインドパルプは、その
繊維長が短く、内孔が大きく、ペントサン含有量が極め
て大きいため、容易に叩解でき、密度の大きい良質の画
像の打ち出しを可能とするパルプ紙を与える。この場合
の叩解の目安は、C.S.F.100〜450mL、好
ましくは200〜350mLである。前記叩解処理に供
するケインラインドパルプ(湿潤パルプ)としては、そ
の主成分の好ましくは70%以上、より好ましくは30
%以上が、篩分け試験で20メッシュパスで、100メ
ッシュオン、好ましくは40メッシュパスで0メッシュ
オンの範囲であるように調整するのがよい。 一般に
は、予めピスを分離除去したケインラインドをPA蒸解
しただけで好ましい篩分け区分のパルプが得られるが、
より好ましいシャ−プな区分を有するパルプはケインラ
インドパルプを更に篩分け処理することによって得るこ
とができる。このようにシャ−プな区分からなるケイン
ラインドパルプは、粗面の和紙風のインクジェット用紙
でもかなり解像度の高い画像を与えることができる。
【0012】叩解後この紙料用のパルプを適度な内面サ
イズする事によってまったく抄紙装置も抄紙工程も変え
ずに、実用上インクジェットの打ち出しで墨、インクを
吸収しながら乾燥し、墨及びインクの滲みを生じさせな
いパルプ紙を与えることが確認された。内面サイズ剤に
は数多くあるが、従来から行われてきたロジンサイズは
工程の最後を微酸性に止めれば操作が容易で、サイズ効
果は容易に得られる。中性サイズにはアルキルケテンダ
イマ−、アルケニル無水コハク酸、イソシアナ−トアジ
リジン誘導体等をサイズ剤として用いる。サイズ剤の使
用量はサイズ剤の種類によっても異なるが、一般にパル
プに対して0.4〜5重量% 、好ましくは1.0〜2.
5重量%である。
イズする事によってまったく抄紙装置も抄紙工程も変え
ずに、実用上インクジェットの打ち出しで墨、インクを
吸収しながら乾燥し、墨及びインクの滲みを生じさせな
いパルプ紙を与えることが確認された。内面サイズ剤に
は数多くあるが、従来から行われてきたロジンサイズは
工程の最後を微酸性に止めれば操作が容易で、サイズ効
果は容易に得られる。中性サイズにはアルキルケテンダ
イマ−、アルケニル無水コハク酸、イソシアナ−トアジ
リジン誘導体等をサイズ剤として用いる。サイズ剤の使
用量はサイズ剤の種類によっても異なるが、一般にパル
プに対して0.4〜5重量% 、好ましくは1.0〜2.
5重量%である。
【0013】酸性サイズでは工程の最後を微酸性に止め
ればればならない。パルプを構成する高分子化合物であ
るセルロ−ス繊維は酸性に弱いため、酸性サイズを行っ
たいわゆる性紙は長い年月を経ると分子が劣化崩壊し強
度を徐々に失うことが欠点とされてきた。
ればればならない。パルプを構成する高分子化合物であ
るセルロ−ス繊維は酸性に弱いため、酸性サイズを行っ
たいわゆる性紙は長い年月を経ると分子が劣化崩壊し強
度を徐々に失うことが欠点とされてきた。
【0014】中性サイズはセルロ−ス繊維に対する定着
とコントロ−ルが酸性サイズに比べやや容易でないが、
紙の長い年月における保存性が良いことで期待できる。
また後述のように填料として沈降性炭酸カルシウムの使
用が可能であることは長所の一つでもある。
とコントロ−ルが酸性サイズに比べやや容易でないが、
紙の長い年月における保存性が良いことで期待できる。
また後述のように填料として沈降性炭酸カルシウムの使
用が可能であることは長所の一つでもある。
【0015】紙料成分を加えて完全紙量を調製する。こ
の場合、イネ科植物のパルプとして前記糖きびのケイン
ラインドパルプ( 以下、単にラインドパルプとも言う)
、稲わらパルプ、スウィ−トソルガムパルプ、とうも
ろこしのラインドのパルプ等のパルプの使用が可能であ
る。また少量の木材パルプの配合も可能である。これら
のイネ科植物パルプは、PA法で得られたパルプである
ことが望ましい。全パルプ中のラインドパルプの割合
は、絶乾重量基準で、60重量%以上、好ましくは80
〜100重量%である。
の場合、イネ科植物のパルプとして前記糖きびのケイン
ラインドパルプ( 以下、単にラインドパルプとも言う)
、稲わらパルプ、スウィ−トソルガムパルプ、とうも
ろこしのラインドのパルプ等のパルプの使用が可能であ
る。また少量の木材パルプの配合も可能である。これら
のイネ科植物パルプは、PA法で得られたパルプである
ことが望ましい。全パルプ中のラインドパルプの割合
は、絶乾重量基準で、60重量%以上、好ましくは80
〜100重量%である。
【0016】前記完全紙料は、パルプの他、必要に応じ
填料を含むことができる。この填料としてはチャイナク
レ−、チタンホワイト、タルク等が挙げられる。中性サ
イズ剤使用の際は資源的に極めて豊富な沈降性炭酸カル
シウムの使用が可能なことは中性サイズの利点の一つと
も言える。
填料を含むことができる。この填料としてはチャイナク
レ−、チタンホワイト、タルク等が挙げられる。中性サ
イズ剤使用の際は資源的に極めて豊富な沈降性炭酸カル
シウムの使用が可能なことは中性サイズの利点の一つと
も言える。
【0017】前記イネ科のパルプを主原料とする完全紙
料は、これを抄紙機のワイヤ−パ−トで湿紙を形成さ
せ、後述のようにパルプ紙と同様にワイヤ−パ−トで形
成される和紙風の支持体の湿紙と共にプレスパ−トでプ
レスと脱水を行い一枚の紙とし、さらにドライパ−トで
乾燥して和紙風のインクジェット用紙とする。以下パル
プ紙の湿紙形成をさらに詳述する。パルプ紙の湿紙形成
には従来公知の各種のもの、例えば、長網抄紙機、短網
抄紙機、円網抄紙機、ヤンキ−抄紙機、ツインワイヤ−
抄紙機の長網部分、短網部分、円網部分、ツインワイヤ
−部分等が用いられる。ワイヤ−パ−トに供給する完全
紙料の全紙料成分の水中濃度は、0.05〜0.6重量
%、好ましくは0.1〜0.3重量%にするのがよい。
料は、これを抄紙機のワイヤ−パ−トで湿紙を形成さ
せ、後述のようにパルプ紙と同様にワイヤ−パ−トで形
成される和紙風の支持体の湿紙と共にプレスパ−トでプ
レスと脱水を行い一枚の紙とし、さらにドライパ−トで
乾燥して和紙風のインクジェット用紙とする。以下パル
プ紙の湿紙形成をさらに詳述する。パルプ紙の湿紙形成
には従来公知の各種のもの、例えば、長網抄紙機、短網
抄紙機、円網抄紙機、ヤンキ−抄紙機、ツインワイヤ−
抄紙機の長網部分、短網部分、円網部分、ツインワイヤ
−部分等が用いられる。ワイヤ−パ−トに供給する完全
紙料の全紙料成分の水中濃度は、0.05〜0.6重量
%、好ましくは0.1〜0.3重量%にするのがよい。
【0018】前記のようにパルプ紙を得る場合、そのパ
ルプ紙の厚さは、5〜30g/m2、好ましくは10〜
20g/m2 の坪量をあたえるように調節する。パルプ
紙の厚さは、抄紙機に供給する完全紙料の懸濁液の濃
度、液量、又は及び抄紙速度によって調節することがで
きる。前記のようにして得られるイネ科の植物のパルプ
を主成分とするパルプ紙は、和紙風の支持体を調製して
これに積層接着させ、和紙風のインクジェット用紙を作
成する。
ルプ紙の厚さは、5〜30g/m2、好ましくは10〜
20g/m2 の坪量をあたえるように調節する。パルプ
紙の厚さは、抄紙機に供給する完全紙料の懸濁液の濃
度、液量、又は及び抄紙速度によって調節することがで
きる。前記のようにして得られるイネ科の植物のパルプ
を主成分とするパルプ紙は、和紙風の支持体を調製して
これに積層接着させ、和紙風のインクジェット用紙を作
成する。
【0019】支持体となるパルプは手漉和紙及び機械抄
き和紙の原料として好適な長繊維を主体として、所望に
より短繊維の非木材パルプや木材パルプ及び合繊、化繊
を適当の長さに切ったものを配合することも可能であ
る。
き和紙の原料として好適な長繊維を主体として、所望に
より短繊維の非木材パルプや木材パルプ及び合繊、化繊
を適当の長さに切ったものを配合することも可能であ
る。
【0020】非木材の長繊維パルプとしては楮(コウ
ゾ)三椏(ミツマタ)雁皮(ガンピ)、桑皮、ジュ−
ト、ケナフ等の靱皮パルプ、アバカ、サイザル等の葉繊
維パルプ等、種毛パルプとしては綿パルプ等が挙げられ
る。(2)これらのパルプのうち一つ又は幾つかを選
び、混合して叩解するか、各パルプの叩解の難易が激し
いときは単味で叩解した後に混合する。叩解はCSFで
250〜650mL、好ましくは450〜600mL程
度の軽度の叩解する方が繊維が切れずに残り、密度の低
い和紙風の風合いの最終製品を得るのに適している。
(3)ラインドパルプ、稲わらパルプ等の短繊維の非木
材パルプや針葉樹及び広葉樹の木材パルプのうち、ペン
トサン含有量の大きいラインドパルプや広葉樹パルプは
C.S.F.100〜250mL程度に良く粘状叩解し
たのち、長繊維パルプを軽度の叩解したものに10〜3
0%混ぜることにより、粘状叩解した単繊維パルプが長
繊維間の接着剤の働きをし密度の低く、特に和紙に特有
の大きな引き裂き強度、折り曲げ強度をはじめ、破裂、
引っ張り等の諸強度の大きい和紙風のインクジェット用
紙を得やすくする。前記和紙風の支持体用に叩解された
パルプは必要に応じて内面サイジングを行い、インクが
内部にさらには裏側への浸透するのを防ぐ。
ゾ)三椏(ミツマタ)雁皮(ガンピ)、桑皮、ジュ−
ト、ケナフ等の靱皮パルプ、アバカ、サイザル等の葉繊
維パルプ等、種毛パルプとしては綿パルプ等が挙げられ
る。(2)これらのパルプのうち一つ又は幾つかを選
び、混合して叩解するか、各パルプの叩解の難易が激し
いときは単味で叩解した後に混合する。叩解はCSFで
250〜650mL、好ましくは450〜600mL程
度の軽度の叩解する方が繊維が切れずに残り、密度の低
い和紙風の風合いの最終製品を得るのに適している。
(3)ラインドパルプ、稲わらパルプ等の短繊維の非木
材パルプや針葉樹及び広葉樹の木材パルプのうち、ペン
トサン含有量の大きいラインドパルプや広葉樹パルプは
C.S.F.100〜250mL程度に良く粘状叩解し
たのち、長繊維パルプを軽度の叩解したものに10〜3
0%混ぜることにより、粘状叩解した単繊維パルプが長
繊維間の接着剤の働きをし密度の低く、特に和紙に特有
の大きな引き裂き強度、折り曲げ強度をはじめ、破裂、
引っ張り等の諸強度の大きい和紙風のインクジェット用
紙を得やすくする。前記和紙風の支持体用に叩解された
パルプは必要に応じて内面サイジングを行い、インクが
内部にさらには裏側への浸透するのを防ぐ。
【0021】サイズ剤としてアルキルケテンダイマ−
や、ロジン、等を紙料中に加えることにより実施され
る。その使用量は0.1〜3.0重量%、好ましくは
0.3〜1.0重量%である。また支持体には紙の不透
明度及び白色度を上げるため填料を適宜混入することが
ある。填料としては表面層に用いるものとまったく同様
チャイナクレイ、チタンホワイト、タルク等が挙げられ
る。中性サイズを行うときは沈降性炭酸カルシウムの使
用も可能である。以上の作業によって得られた完全紙料
は、これを抄紙機のワイヤ−パ−トで支持層の湿紙を形
成させ、前述のパルプ紙の湿紙と共にプレスパ−トに送
り脱水とプレスを行い一枚の紙に接着し、さらにドライ
パ−トで乾燥して和紙風のインクジェット用紙とするこ
とは先にも一部述べた通りであるが、以下支持体の湿紙
形成をさらに詳述する。支持体の湿紙形成には従来公知
の各種のもの、例えば長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄
紙機、ヤンキ−抄紙機、ツインワイヤ−抄紙機等の長網
部分、短網部分、円網部分、ツインワイヤ−部分等が用
いられる。ワイヤ−パ−トに供給する完全紙料の全紙料
成分の水中濃度は、0.1〜1.0重量%、好ましくは
0.2〜0.5%にするのがよい。
や、ロジン、等を紙料中に加えることにより実施され
る。その使用量は0.1〜3.0重量%、好ましくは
0.3〜1.0重量%である。また支持体には紙の不透
明度及び白色度を上げるため填料を適宜混入することが
ある。填料としては表面層に用いるものとまったく同様
チャイナクレイ、チタンホワイト、タルク等が挙げられ
る。中性サイズを行うときは沈降性炭酸カルシウムの使
用も可能である。以上の作業によって得られた完全紙料
は、これを抄紙機のワイヤ−パ−トで支持層の湿紙を形
成させ、前述のパルプ紙の湿紙と共にプレスパ−トに送
り脱水とプレスを行い一枚の紙に接着し、さらにドライ
パ−トで乾燥して和紙風のインクジェット用紙とするこ
とは先にも一部述べた通りであるが、以下支持体の湿紙
形成をさらに詳述する。支持体の湿紙形成には従来公知
の各種のもの、例えば長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄
紙機、ヤンキ−抄紙機、ツインワイヤ−抄紙機等の長網
部分、短網部分、円網部分、ツインワイヤ−部分等が用
いられる。ワイヤ−パ−トに供給する完全紙料の全紙料
成分の水中濃度は、0.1〜1.0重量%、好ましくは
0.2〜0.5%にするのがよい。
【0022】前記の和紙風の支持体を得る場合、その厚
みは、製品である和紙風のインクジェット用紙の好みの
厚みから表面のパルプ紙の厚みを差し引いたものである
ので、極薄いものからかなり厚いものまでを抄くことに
なる。抄紙の際の厚さの調節は抄紙機に供給する完全紙
料の懸濁液の濃度、液量、抄紙速度によって調節できる
が、特に厚手の支持体を抄くときは、2層、3層又はそ
れ以上に抄合わせたり、抄紙速度によって調節すること
ができる。ワイヤ−パ−トで原質濃度12〜25重量
%、好ましくは15〜22%まで脱水した湿紙はワイヤ
−パ−トに送られる。表層のパルプ紙と和紙風の支持体
は共にプレスパ−トに送り、原質濃度40〜60重量
%、好ましくは47〜53重量% まで脱水し、プレス
し、1枚の紙にし、ドライパ−トに送ることは前述の通
りである。
みは、製品である和紙風のインクジェット用紙の好みの
厚みから表面のパルプ紙の厚みを差し引いたものである
ので、極薄いものからかなり厚いものまでを抄くことに
なる。抄紙の際の厚さの調節は抄紙機に供給する完全紙
料の懸濁液の濃度、液量、抄紙速度によって調節できる
が、特に厚手の支持体を抄くときは、2層、3層又はそ
れ以上に抄合わせたり、抄紙速度によって調節すること
ができる。ワイヤ−パ−トで原質濃度12〜25重量
%、好ましくは15〜22%まで脱水した湿紙はワイヤ
−パ−トに送られる。表層のパルプ紙と和紙風の支持体
は共にプレスパ−トに送り、原質濃度40〜60重量
%、好ましくは47〜53重量% まで脱水し、プレス
し、1枚の紙にし、ドライパ−トに送ることは前述の通
りである。
【0023】本発明の和紙風のインクジェット用紙の製
造工程におけるドライパ−トは、ドライヤ−の表面を粗
面に仕上げ、この粗面と湿紙を密着させて紙を乾燥する
とともに紙の表面を粗面に仕上げる。支持層の片面にケ
インラインドのパルプ紙を形成し、インクジェットの打
ち出しに供する場合には、ドライヤ−は最小1本のヤン
キ−ドライヤ−でも用が足りる。両面を粗面にして両面
を打ち出しに供する場合にはダブルヤンキ−を用いれば
用が足りる。さらに1台で大量の和紙風のインクジェッ
ト用紙の生産に供する場合、多筒式のドライヤ−のどの
面も梨地に加工し、利用することは可能である。
造工程におけるドライパ−トは、ドライヤ−の表面を粗
面に仕上げ、この粗面と湿紙を密着させて紙を乾燥する
とともに紙の表面を粗面に仕上げる。支持層の片面にケ
インラインドのパルプ紙を形成し、インクジェットの打
ち出しに供する場合には、ドライヤ−は最小1本のヤン
キ−ドライヤ−でも用が足りる。両面を粗面にして両面
を打ち出しに供する場合にはダブルヤンキ−を用いれば
用が足りる。さらに1台で大量の和紙風のインクジェッ
ト用紙の生産に供する場合、多筒式のドライヤ−のどの
面も梨地に加工し、利用することは可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明の非木材パルプ紙を含む和紙風積
層体は従来の抄紙機械と抄紙方法で極めて簡単に製造可
能である。その表面層が過分な水を撥き、かつ水分の吸
収乾燥性の良いパルプ紙から成り、支持体が和紙原料と
同様の長繊維から抄きだした、密度の低く、柔らかくて
強い機械抄き和紙の風合いをもっている。表面が粗面で
あるにも関わらず、カラ−コピ−機や電子機器のアウト
プットにインクジェットプリンタ−を用いれば、カラ−
打ち出しによって日本画や、浮世絵の版画、墨絵、書道
の作品等を線の描写が精密で原画に忠実なカラ−コピ−
用として、使用できる。
層体は従来の抄紙機械と抄紙方法で極めて簡単に製造可
能である。その表面層が過分な水を撥き、かつ水分の吸
収乾燥性の良いパルプ紙から成り、支持体が和紙原料と
同様の長繊維から抄きだした、密度の低く、柔らかくて
強い機械抄き和紙の風合いをもっている。表面が粗面で
あるにも関わらず、カラ−コピ−機や電子機器のアウト
プットにインクジェットプリンタ−を用いれば、カラ−
打ち出しによって日本画や、浮世絵の版画、墨絵、書道
の作品等を線の描写が精密で原画に忠実なカラ−コピ−
用として、使用できる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されな
い。なお、以下に記す%は重量%である。
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されな
い。なお、以下に記す%は重量%である。
【0026】実施例1.2層抄きで片面記録打ち出し用
の滲まない和紙風のインクジェット用紙を製造した。す
なわち、上層は以下のように形成させた。ケインライン
ド(砂糖きびの皮)の晒PAP100kg、稲わらの晒
PAP5kg、とうもろこしの皮の晒PAP5kgをビ
−タ−に入れ水を加えて原質濃度3.5%とし、CSF
180mLになるまで強い粘状叩解を行った。叩解後
サイズ剤としてロジンサイズ剤500kgと硫酸バンド
を助剤として用い従来法によるサイズ処理を行った。填
料はまったく加えず完全紙料とした。完全紙料は、原質
濃度0.15%になるまで水で希釈し、円網で原質濃度
17%の上層の湿紙(乾物換算坪量12g/m2 、密度
0.89g/mLとした。支持層は以下のように形成さ
せた。アバカの晒PAP300kg、稲わらの晒PAP
100kg、コットンパルプ100kg、およびケイン
ラインドのPAP50kgを取り、ビ−タでコットンは
CSF 230mLにその他はそれぞれをCSF 49
0mLまで叩解し、叩後各パルプを合わせてチャイナク
レイ50kgとロジンサイズ剤1.5kg及び添加剤1
0kgを加えて完全紙料とした。完全紙料は水を加えて
原質濃度0.23%となるまで希釈し、短網で原質濃度
18%の支持層の湿紙(乾物換算坪量で45g/m2 、
密度0.48g/mL)とした。 上層と支持層の湿
紙は、2層間にまったく接着剤等を使わずにプレスパ−
トを通すことによって水分51%になるまで水を搾り1
枚の湿紙とした。この湿紙の表面と梨地に仕上げたヤン
キ−ドライヤ−の表面が密着するようにして加熱乾燥し
て和紙風で表面の艶を消したインクジェット用紙を得
た。この紙は裂断長が、縦7.2km、横3.6km、
比破裂強さ3.6、比引き裂き度181、ベック平滑度
6秒、白色度87.1%であった。このインクジェット
用紙は1,200X1,200dpiの打ち出し可能な
カラ−コピ−機を用い、浮世絵の版画を複写し、線が滲
まず色の再現にすぐれた鮮明な画像が得られた。
の滲まない和紙風のインクジェット用紙を製造した。す
なわち、上層は以下のように形成させた。ケインライン
ド(砂糖きびの皮)の晒PAP100kg、稲わらの晒
PAP5kg、とうもろこしの皮の晒PAP5kgをビ
−タ−に入れ水を加えて原質濃度3.5%とし、CSF
180mLになるまで強い粘状叩解を行った。叩解後
サイズ剤としてロジンサイズ剤500kgと硫酸バンド
を助剤として用い従来法によるサイズ処理を行った。填
料はまったく加えず完全紙料とした。完全紙料は、原質
濃度0.15%になるまで水で希釈し、円網で原質濃度
17%の上層の湿紙(乾物換算坪量12g/m2 、密度
0.89g/mLとした。支持層は以下のように形成さ
せた。アバカの晒PAP300kg、稲わらの晒PAP
100kg、コットンパルプ100kg、およびケイン
ラインドのPAP50kgを取り、ビ−タでコットンは
CSF 230mLにその他はそれぞれをCSF 49
0mLまで叩解し、叩後各パルプを合わせてチャイナク
レイ50kgとロジンサイズ剤1.5kg及び添加剤1
0kgを加えて完全紙料とした。完全紙料は水を加えて
原質濃度0.23%となるまで希釈し、短網で原質濃度
18%の支持層の湿紙(乾物換算坪量で45g/m2 、
密度0.48g/mL)とした。 上層と支持層の湿
紙は、2層間にまったく接着剤等を使わずにプレスパ−
トを通すことによって水分51%になるまで水を搾り1
枚の湿紙とした。この湿紙の表面と梨地に仕上げたヤン
キ−ドライヤ−の表面が密着するようにして加熱乾燥し
て和紙風で表面の艶を消したインクジェット用紙を得
た。この紙は裂断長が、縦7.2km、横3.6km、
比破裂強さ3.6、比引き裂き度181、ベック平滑度
6秒、白色度87.1%であった。このインクジェット
用紙は1,200X1,200dpiの打ち出し可能な
カラ−コピ−機を用い、浮世絵の版画を複写し、線が滲
まず色の再現にすぐれた鮮明な画像が得られた。
【0027】実施例2.3層抄きで両面記録打ち出し用
の滲まない和紙風のインクジェット用紙を製造した。す
なわち、上層及び下層は実施例1と同様にパルプを配合
し、叩解し、サイズ処理を行い完全紙料を調製した。2
組の円網からなるワイヤ−パ−トで例1と同様に3種の
イネ科植物のパルプを選び同一条件で配合し、叩解し、
サイズ処理をし、完全紙料を調製し、表面層と下層の湿
紙を抄き出した。支持層は例1と同様長繊維非木材パル
プを主成分とした4種のパルプを同一の条件で配合し、
叩解し、サイズ処理をし長網抄紙機で湿紙を調製した。
表面層と下層と支持層は、まったく接着剤等を使わずに
プレスパ−トで脱水し以上3層を圧着して1枚の湿紙に
まとめ、表面を梨地様に粗面仕上げした二筒ヤンキ−ド
ライヤ−で乾燥し、坪量69g/m2 、密度0.62g
/mLの軽く柔らかい和紙風のインクジェット用紙を3
50kg作成した。得られたインクジェット用紙は両面
が粗面で、表面平滑度7秒と8秒と表裏差は少なかっ
た。浮世絵版画をコンピュウタ−のスキャナ−で撮り、
1,200X1,200dpiのカラ−インクジェット
プリンタ−で打ち出したが両面とも鮮明な画像が得られ
た。
の滲まない和紙風のインクジェット用紙を製造した。す
なわち、上層及び下層は実施例1と同様にパルプを配合
し、叩解し、サイズ処理を行い完全紙料を調製した。2
組の円網からなるワイヤ−パ−トで例1と同様に3種の
イネ科植物のパルプを選び同一条件で配合し、叩解し、
サイズ処理をし、完全紙料を調製し、表面層と下層の湿
紙を抄き出した。支持層は例1と同様長繊維非木材パル
プを主成分とした4種のパルプを同一の条件で配合し、
叩解し、サイズ処理をし長網抄紙機で湿紙を調製した。
表面層と下層と支持層は、まったく接着剤等を使わずに
プレスパ−トで脱水し以上3層を圧着して1枚の湿紙に
まとめ、表面を梨地様に粗面仕上げした二筒ヤンキ−ド
ライヤ−で乾燥し、坪量69g/m2 、密度0.62g
/mLの軽く柔らかい和紙風のインクジェット用紙を3
50kg作成した。得られたインクジェット用紙は両面
が粗面で、表面平滑度7秒と8秒と表裏差は少なかっ
た。浮世絵版画をコンピュウタ−のスキャナ−で撮り、
1,200X1,200dpiのカラ−インクジェット
プリンタ−で打ち出したが両面とも鮮明な画像が得られ
た。
【0028】実施例3.2層抄きで片面記録打ち出し用
の滲まない和紙風のインクジェット用紙を製造した。す
なわち、表面層は以下のように形成させた。ケインライ
ンド(砂糖きびの皮)の晒PAP200kgをビ−タ−
に入れ水を加えて原質濃度3.5%とし、CSF 35
0mLになるまで叩解を行った。叩解後サイズ剤として
中性サイズ剤アルキルケテンダイマ−1kgを用い従来
法によるサイズ処理を行った。填料はまったく加えず完
全紙料とした。完全紙料は、原質濃度0.15%になる
まで水で希釈し、円網で原質濃度17.5%の上層の湿
紙(乾物換算坪量13g/m2 、密度0.86g/m
L)とした。支持層は以下のように形成させた。アバカ
の晒PAP300kg、稲わらの晒PAP100kg、
コットンパルプ100kg、およびケインラインドのP
AP50kgを取り、ビ−タでコットンはCSF 23
0mLにその他はそれぞれをCSF 490mLまで叩
解し、叩解後各パルプを合わせてチャイナクレイ50k
gと中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマ−2.5
kgを加えて完全紙料とした。完全紙料は水を加えて原
質濃度0.30%となるまで希釈し、短網で原質濃度1
8%の支持層の湿紙(乾物換算坪量で47g/m2 、密
度0.48g/mL)とした。上層と支持層の湿紙は、
2層間にまったく接着剤等を使わずにプレスパ−トを通
すことによって水分51% になるまで水を搾り1枚の湿紙
とした。この湿紙の表面と梨地に仕上げたヤンキ−ドラ
イヤ−の表面が密着するようにして加熱乾燥して和紙風
で表面の艶を消したインクジェット用紙を得た。この紙
は裂断長が、縦7.4km、横3.7km、比破裂強さ
3.5、比引き裂き度180、ベック平滑度4秒 、白
色度84.1%であった。このインクジェット用紙は
1,200X1,200の打ち出し可能なカラ−コピ−
機を用い、浮世絵の版画を複写し、線が滲まず色の再現
にすぐれた鮮明な画像が得られた。
の滲まない和紙風のインクジェット用紙を製造した。す
なわち、表面層は以下のように形成させた。ケインライ
ンド(砂糖きびの皮)の晒PAP200kgをビ−タ−
に入れ水を加えて原質濃度3.5%とし、CSF 35
0mLになるまで叩解を行った。叩解後サイズ剤として
中性サイズ剤アルキルケテンダイマ−1kgを用い従来
法によるサイズ処理を行った。填料はまったく加えず完
全紙料とした。完全紙料は、原質濃度0.15%になる
まで水で希釈し、円網で原質濃度17.5%の上層の湿
紙(乾物換算坪量13g/m2 、密度0.86g/m
L)とした。支持層は以下のように形成させた。アバカ
の晒PAP300kg、稲わらの晒PAP100kg、
コットンパルプ100kg、およびケインラインドのP
AP50kgを取り、ビ−タでコットンはCSF 23
0mLにその他はそれぞれをCSF 490mLまで叩
解し、叩解後各パルプを合わせてチャイナクレイ50k
gと中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマ−2.5
kgを加えて完全紙料とした。完全紙料は水を加えて原
質濃度0.30%となるまで希釈し、短網で原質濃度1
8%の支持層の湿紙(乾物換算坪量で47g/m2 、密
度0.48g/mL)とした。上層と支持層の湿紙は、
2層間にまったく接着剤等を使わずにプレスパ−トを通
すことによって水分51% になるまで水を搾り1枚の湿紙
とした。この湿紙の表面と梨地に仕上げたヤンキ−ドラ
イヤ−の表面が密着するようにして加熱乾燥して和紙風
で表面の艶を消したインクジェット用紙を得た。この紙
は裂断長が、縦7.4km、横3.7km、比破裂強さ
3.5、比引き裂き度180、ベック平滑度4秒 、白
色度84.1%であった。このインクジェット用紙は
1,200X1,200の打ち出し可能なカラ−コピ−
機を用い、浮世絵の版画を複写し、線が滲まず色の再現
にすぐれた鮮明な画像が得られた。
【図1】本発明の2層タイプの和紙風のコピ−用紙
【図2】本発明の3層タイプの和紙風コピ−用紙
1 は表層 2 は支持層 3 下の表層を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 27/00 B41J 3/04 101Y
Claims (8)
- 【請求項1】長繊維パルプを主成分とする和紙風のパル
プ紙からな支持体層と、その少なくとも一方の面は表面
層からなり、該表面層はイネ科のパルプを主原料とする
適度にサイズされたパルプ紙からなり、支持体層と表面
層とは湿紙の状態で抄き合わせることを特徴とする滲ま
ない和紙風インクジェット用紙と製造方法。 - 【請求項2】該パルプ紙の坪量が5〜30g/m2 であ
る請求項1の滲まない和紙風インクジェット用紙とその
製造方法。 - 【請求項3】該パルプ紙が、砂糖きびのケインラインド
を過酸化水素アルカリ法で蒸解して得られたパルプを主
成分とするパルプ紙である請求項1及び2の滲まない和
紙風インクジェット用紙。 - 【請求項4】該支持体層が非木材長繊維パルプを主原料
とする紙である、請求項1、2及び3の滲まない和紙風
インクジェット用紙。 - 【請求項5】該支持体層が麻パルプを主原料とする紙で
ある、請求項1、2、3及び4の滲まない和紙風インク
ジェット用紙。 - 【請求項6】該表面層を形成するパルプ紙がベック平滑
度20秒以下の粗面を有する請求項1、2、3、4及び
5の滲まない和紙風のインクジェット印刷用紙。 - 【請求項7】長繊維非木材パルプを主成分とする支持体
層の少なくとも一方の面にイネ科植物のパルプを主成分
とする湿潤状態のパルプ紙を積層し、圧縮してその中に
含まれる水分を除去した後、乾燥ドラム上で乾燥するこ
とを特徴とする請求項12、3、4、5及び6の滲まな
い和紙風のインクジェット用紙の製造方法。 - 【請求項8】乾燥ドラムの表面を粗面仕立てにして乾燥
に供する請求項1、2、3、4、5、6及び7の滲まな
い和紙風のインクジェット用紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001172059A JP2002362011A (ja) | 2001-06-07 | 2001-06-07 | 滲まない和紙風インクジェット用紙と製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001172059A JP2002362011A (ja) | 2001-06-07 | 2001-06-07 | 滲まない和紙風インクジェット用紙と製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002362011A true JP2002362011A (ja) | 2002-12-18 |
Family
ID=19013740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001172059A Pending JP2002362011A (ja) | 2001-06-07 | 2001-06-07 | 滲まない和紙風インクジェット用紙と製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002362011A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014109082A (ja) * | 2012-12-03 | 2014-06-12 | Daio Paper Corp | 包装材 |
JP2015113550A (ja) * | 2013-12-13 | 2015-06-22 | 北越紀州製紙株式会社 | 葉書用紙 |
-
2001
- 2001-06-07 JP JP2001172059A patent/JP2002362011A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014109082A (ja) * | 2012-12-03 | 2014-06-12 | Daio Paper Corp | 包装材 |
JP2015113550A (ja) * | 2013-12-13 | 2015-06-22 | 北越紀州製紙株式会社 | 葉書用紙 |
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