JPH0813380A - 印刷用紙の製造方法 - Google Patents

印刷用紙の製造方法

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JPH0813380A
JPH0813380A JP16278194A JP16278194A JPH0813380A JP H0813380 A JPH0813380 A JP H0813380A JP 16278194 A JP16278194 A JP 16278194A JP 16278194 A JP16278194 A JP 16278194A JP H0813380 A JPH0813380 A JP H0813380A
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JP
Japan
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paper
pulp
density
printing
papermaking
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JP16278194A
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English (en)
Inventor
Yuji Matsuda
裕司 松田
Masaki Kageyama
正樹 影山
Katsuhiko Ueno
勝彦 上野
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Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低密度であるにも関わらず、透気度や表面強
度がオフセット印刷しても問題のないレベルにある低密
度印刷用紙の製造方法を提供する。 【構成】 数平均繊維長が0.05〜0.3mm、保水
値が250%以上の微細フィブリル化セルロースをフリ
ーネスが400mlCSF以上である製紙用パルプを主
材として調成した紙料に1〜5重量%添加して混合した
後、この紙料を抄紙することで密度が0.65g/cm
3以下の印刷用紙を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔らかい風合いを有す
る低密度の紙であるにも関わらず、オフセット印刷でカ
ラー印刷が可能な印刷用紙の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ユーザーニーズの多様化によって、紙は
印刷したり包装したりする実用的な機能以外に、手触り
などの触感と見た目の美しさなどの視感を高めることが
要求されている。これら感覚的な紙の品位を表す言葉と
して「風合い」という言葉がよく使用される。紙の風合
いは、紙の色調,平滑性,光沢感,重圧感などの視感的
な感覚と、手触り,滑らかさなどの触感的な感覚を総合
して評価する。特に最近の印刷用紙は、これら風合いの
中で柔らかさが要求されている。柔らかさという感覚は
曖昧であり、ただ単に紙の剛直性が低ければ柔らかいと
は言えず、手触り、視感なども大きく影響する。特に手
触りの柔らかさは重要であり、この風合いを出すために
多くの工夫がなされている。
【0003】紙のクッション性は手触りには大きく影響
し、柔らかい手触りを得るには紙の密度を低くする必要
がある。つまり、ふかふかの紙を作ることで柔らかい感
触を出すのである。また、新聞、雑誌、書籍などを軽く
する目的でも紙の密度を低くする必要がある。
【0004】紙の密度を低くするためには、まず材料と
なるパルプの選択が第一である。一般に紙は木材パルプ
を使用して抄造されているが、木材パルプといっても樹
種やパルプ化によってその性質は大きく異なる。密度を
低くするためには、剛直なパルプ繊維を選択する必要が
あり、細胞壁が厚く、ルーメンが小さい方が剛直なパル
プであると言える。パルプ繊維の特性を示す尺度とし
て、細胞壁の厚さの2倍をルーメンの幅で割った値(ル
ンケル比)を使用する。このルンケル比が大きい方が剛
直な繊維であると言え、このような繊維を使用すると密
度の低い紙を抄造し易くなる。
【0005】パルプ化もパルプ繊維の剛直性に大きく関
係し、よりリグニンを多く残すパルプ化の方が繊維も剛
直になるので、化学パルプであるクラフトパルプやサル
ファイトパルプよりも機械パルプやセミケミカルパル
プ、サーモメカニカルパルプの方がリグニン残量が多
く、抄造後の紙の密度も低くなる。紙料調成における叩
解は、パルプ繊維を柔軟にする目的で行う。つまり、叩
解は紙の密度を高くする処理であり、密度の低い紙を抄
造する場合は極力行わない方が良い。次に、紙を抄造し
ていく上での工夫であるが、プレス工程では、できるだ
けその圧を低くし、ドライヤーのカンバスの張りやサイ
ズプレスのプレス圧も極力低くする必要がある。オンマ
シンでのカレンダーも使用しない方が良い。
【0006】通常の紙を低密度で抄造する場合は、以上
のような原料面での工夫と抄造工程での工夫を行うが、
特殊な薬品を使用して紙を柔軟にする場合もある。例え
ば、填料を多く添加することでパルプ繊維の繊維間結合
を阻害させ、密度を低くさせることも可能である。この
他、特開昭59−36800号では、ポリエステル繊維
を混抄して低密度の紙を製造する方法が提案されてい
る。また、中空なカプセルを混抄して低密度紙を得る方
法として、特公昭52−39924号ではシラスバルー
ンを抄造時に内添する製造方法が提案されている。これ
以外に特開昭55−118116号には、紙に発泡性マ
イクロカプセルを内添させて、加熱発泡させることによ
り低密度な紙を製造する方法も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一方、印刷用紙は、印
刷後のインキ濃度を高くするためや網点のドットゲイン
(網点の太り)をできるだけ小さくするため、用紙の表
面をできるだけ平滑にする必要がある。紙の密度を低く
すると表面の凹凸が大きくなり、印刷品質に悪影響を与
えるため、一般的な印刷用紙では通常は密度を0.65
g/cm3以下にはしない。また、最近のオフセット印
刷機では、印刷用紙は吸引により自動給紙されるので、
紙の透気度が小さすぎると給紙時に用紙が2枚一緒に給
紙されたり、1枚も給紙されなかったりして、トラブル
が発生する。用紙の密度を低くすることは透気度の低下
(空気が通り易い)につながり、このようなトラブルの
原因となる。
【0008】密度の低い紙は、剛直な繊維を使用するこ
とが多く、そのため繊維間結合面積が小さくなる。抄紙
時のプレス圧が低いことも同様に結合面積を小さくす
る。このような理由で密度の低い紙は、表面強度も必然
的に小さくなり、印刷時にインキのタックによって表面
の繊維がブランケットに取られる問題が発生する。密度
を低くする目的で用紙に填料を多く添加した場合も、同
様の理由で表面強度が低くなる。
【0009】特開昭59−36800号で提案されてい
るポリエステル繊維の混抄紙は、ポリエステル繊維は印
刷インキの吸収がパルプ繊維と異なるため印刷ムラが発
生する問題点を有する。特公昭52−39924号で提
案されているシラスバルーン混抄紙も印刷ムラが発生す
る問題を有するが、それ以前にシラスバルーンと製紙用
パルプの密度差が大きく、シラスバルーンが水に浮いて
しまうために抄紙しにくい欠点がある。また、特開昭5
5−18116号に提案されている紙に発泡性マイクロ
カプセルを内添させ、加熱発泡させることによって得ら
れる低密度紙は、表面の凹凸が大きく、カラー印刷など
では鮮明な印刷は不可能である。
【0010】本発明は、密度が0.65g/cm3以下
で柔らかい風合いを有しているにもかかわらず、印刷時
に上記問題を生じない印刷用紙の製造方法を提供するこ
とを目的になされたものである。具体的には、オフセッ
ト印刷機で自動給紙が可能となるように透気度が10秒
以上有り、印刷インキによる表面の繊維がとられないよ
うに表面強度(ワックスピック法)が10A以上有り、
カラー印刷しても鮮明な印刷ができる、密度が0.65
g/cm3以下の印刷用紙の製造方法を提供することを
目的としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明による印
刷用紙の製造方法は、数平均繊維長が0.05〜0.3
mm、保水値が250%以上の微細フィブリル化セルロ
ースを製紙用パルプを主材として調成した紙料に1〜5
重量%添加して混合した後、この紙料を抄紙することで
密度が0.65g/cm3以下の印刷用紙を得ることを
特徴とするものである。
【0012】主材となる製紙用パルプは、あらゆるもの
が使用できる。例えば広葉樹晒クラフトパルプ(LBK
P),針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP),広葉樹晒
サルファイトパルプ(LBSP),針葉樹晒サルファイ
トパルプ(NBSP)等の化学パルプ、砕木パルプ(G
P),サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パル
プ等の木材パルプが用いられる。しかし、密度をより低
くするためには、剛直な繊維の方が良い。一般に剛直な
繊維は、細胞壁の幅が大きく、ルーメンの幅が小さいた
めルンケル比が大きく、本発明で使用する製紙用パルプ
はルンケル比が0.8以上であることが好ましい。この
ようなパルプ繊維としては、針葉樹パルプでは、ダグラ
スファー、レッドウッド、サウザーンパイン、などの木
材を原料としたものがあり、広葉樹パルプではユーカ
リ、ビーチ、イエローポプラ、ガムを原料としたものな
どである。
【0013】また、非木材パルプは剛直で抄造後の手触
りも柔らかく感じるため本発明では、非木材パルプを1
重量%以上混合することが好ましい。場合によっては前
記した木材パルプの代わりにすべて非木材パルプを使用
してもよい。非木材パルプとしては、コットンパルプや
麻、バガス、ケナフ、エスパルト、楮、三椏、雁皮等が
用いられる。
【0014】本発明で規定しているように、主材となる
製紙用パルプのフリーネスは、特に重要である。フリー
ネスはJIS P 8121に規定しているカナダ標準
ろ水度の測定法に従って測定した値を使用している。密
度を0.65g/cm3以下にするためには、どのよう
なパルプでもフリーネスを400mlCSF以上にする
必要があり、500mlCSF以上がより好ましい。こ
の際必要に応じて、サイズ剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙
力増強剤、染顔料、填料、定着剤等の製紙用副資材を併
用することも行われる。
【0015】従来の抄紙技術では、フリーネスが400
mlCSF以上の製紙用パルプを使用して、抄紙機のプ
レス圧の減少やオンマシンカレンダー圧の減少などの抄
造工程の工夫によって密度0.65g/cm3以下の低
密度の印刷用紙を製造しようとしても、得られる用紙は
透気度が10秒未満で、かつ表面強度も10Aより弱く
なってしまい、さらには抄紙時のワイヤーパートでの脱
水が早すぎてしまうため地合の悪い用紙になってしま
う。
【0016】本発明者らが種々検討した結果では、この
ような製紙用パルプに数平均繊維長が0.05〜0.3
mm、保水値が250%以上の微細フィブリル化セルロ
ースを1〜5重量%添加することで密度は低いまま維持
し、透気度が10秒以上、表面強度が10A以上で地合
の良好な低密度の印刷用紙が得られることを発見した。
【0017】微細フィブリル化セルロースを添加するこ
とで透気度が上昇する理由は、非常に細長くかつ枝分か
れした微細フィブリル化セルロースが、主材となる製紙
用パルプ繊維で形成される空隙部でミクロなネットワー
クを形成するためであると考えられる。このミクロなネ
ットワークを形成するために数平均繊維長が0.3mm
以下である必要がある。しかし、0.05mm以下では
ワイヤーから微細フィブリル化セルロースが抜けてしま
うため、この長さ以上である必要がある。
【0018】また、表面強度が上昇する理由は、微細フ
ィブリル化セルロースは比表面積が非常に大きく、その
ため水素結合面積が非常に大きいためにそれ自体の接着
力が強くなることが関係しているためと思われる。つま
り、乾燥によって主材となるパルプ繊維の繊維間結合部
に集められた微細フィブリル化セルロースがバインダー
として働くため、繊維間結合を強固にし、表面の繊維を
剥離しにくくしていると考えられる。
【0019】地合が良好になる理由は、微細フィブリル
化セルロースの保水値が大きいことに関係している。保
水値の大きさは繊維の水保ちの良さと関係し、水保ちの
良い微細フィブリル化セルロースを添加することで原料
となる紙料全体の水保ちも良くなり、ワイヤー部で繊維
が適度に絡み合い良好な地合を形成する。製紙用パルプ
に対し1重量%程度の添加によって紙料全体の水保ちを
変化させるための微細フィブリル化セルロースの保水値
は、250%以上である必要がある。しかし、微細フィ
ブリル化セルロース自体の水保ちは、非常に高いため、
製紙用パルプに対し5重量%より多く添加すると逆に水
保ちが良すぎて、ワイヤー部での水切れが悪く地合が悪
化する。このため添加量は、5重量%を超えてはならな
い。
【0020】微細フィブリル化セルロースの添加量は、
5重量%以下でなければならない理由はこのような水切
れの悪さともう一つ、これ以上加えると密度が大きく上
昇してしまい、目的とする低密度の印刷用紙が得られな
いためである。また、1重量%以下では透気度や表面強
度の上昇に対する効果は少なくなる。つまり1〜5重量
%の範囲であれば、紙料全体の95重量%以上の製紙用
パルプの性質に影響されて微細フィブリル化セルロース
を添加しない場合と密度はほとんど変わらなくなる。
【0021】本発明で規定している微細フィブリル化セ
ルロースの数平均繊維長は、KAJAANI社(フィン
ランド)製造の繊維長測定機(FS−200型)で測定
したデータのうち、一定のパルプサスペンション中に存
在する繊維の全長を積算した後、その本数で割った値を
示す。通常の紙の原料であるLBKP、NBKP等は数
平均繊維長でそれぞれ0.5mm、1mm程度の長さで
あり、叩解を進めることで発生するフィブリル化した繊
維ですら数平均繊維長は、最小0.35mm程度の長さ
である。これに対し、本発明で使用している微細フィブ
リル化セルロースの数平均繊維長は0.05〜0.3m
mであり、極めて微細なものである。
【0022】また、保水値はパルプの膨潤度の指標であ
り、膨潤繊維中に取り込まれて保持された水分と、繊維
内および繊維間に存在する自由水とを、適当な遠心力に
より区別しうるという考えに基づき測定される値であ
る。本発明で規定している保水値も同様の概念に基づ
き、JAPAN TAPPI No26に指示されてい
る方法で測定した値である。つまり、あらかじめ規定の
フィルターに一定量の試料のマットを形成しておき、遠
心分離機を用いて3000Gの遠心力で15分間脱水し
た後、保持されていた水の量を絶乾パルプの量で割った
ときの値を示している。この値は通常の未叩解のパルプ
では90%前後、叩解したパルプでも200%程度の値
しか示さない。これに対し、本発明で使用している微細
フィブリル化セルロースの保水値は、250%以上であ
り、極めて高い保水値を示すものである。
【0023】本発明で使用する微細フィブリル化セルロ
ースは、後で示すような強力な機械的せん断力等により
パルプの細胞壁を形成しているフィブリルの結束を破壊
することにより、ミクロフィブリルの次元まで微細化し
たものである。本発明で使用する微細フィブリル化セル
ロースの製造法としては、機械的せん断力による方法、
例えば特公昭60ー19921号で提案されているよう
な繊維状セルロースの懸濁液を小径オリフィスを通過さ
せて、その懸濁液に少なくとも3000psiの圧力差
で高速度を与え、次にこれを衝突させて急速に減速させ
ることにより切断作用を行わせる方法、特開昭63−2
56787号で提案されているようなヘベル付き駆動軸
でインペラーを回転させ繊維材料に衝撃を加える方法、
特開平4−82907号で提案されているハウジング内
に配置されたロータとハンマーによって乾式で微細化を
行う方法、特開平3−163135号で提案されている
ような媒体攪拌湿式粉砕装置による方法、特開平6−1
0287号で提案されているような振動ミル粉砕装置に
よる方法、特開平4−194097号で提案されている
ようなサンドミル等の微粉砕機を使用する方法などをい
ずれも採用できる。また、本発明で使用する微細フィブ
リル化セルロースの製造法は、機械的処理ばかりでなく
化学的処理との併用も考えられる。具体的化学的処理と
は、酸加水分解処理、アルカリ処理、液体アンモニア処
理、酵素処理、水蒸気処理などが考えられる。
【0024】微細フィブリル化セルロースの原料として
は、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉
樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイ
トパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ
(NBSP)等の化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サ
ーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ等の木
材パルプや、コットンパルプや麻、バガス、ケナフ、エ
スパルト、楮、三椏、雁皮等の非木材パルプ、再生セル
ロース繊維が用いられる。
【0025】本発明で得られる印刷用紙をより低密度化
するために、従来知られている技術を使用できる。例え
ば抄造上の技術としては、ワイヤ−部での脱水圧を弱
め、プレス圧を低くし、ドライヤーのカンバスの張りお
よびサイズプレスのプレス圧を弱めることや、オンマシ
ンのカレンダーを使用しないこと等である。さらに、密
度を低くするための各種薬品の添加、合成繊維の使用、
比重の低い填料の使用や合成填料の使用等の方法も利用
できる。紙の含有水分量を高くすることによっても密度
の低い紙が得られる。
【0026】本発明で示した印刷用紙を得るための紙料
調成は、ワイヤー上で紙料が脱水される前に微細フィブ
リル化セルロースと主材となるパルプが均一に混合され
ていればあらゆる方法が適応できる。例えば、MEで調
成してもいいしヘットボックスで微細フィブリル化セル
ロースを添加しても良い。また配管中で混合しても問題
ない。しかし、微細フィブリル化セルロースが主材とな
る製紙用パルプに均一に分散している必要がある。この
ような意味から考えて、あらかじめパルパーに微細フィ
ブリル化セルロースを添加し均一に攪拌して、水中で分
散した後、製紙用パルプを添加して、微細フィブリル化
セルロースとパルプを一緒に叩解する方法が好ましい。
本発明の印刷用紙は、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜型
抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等を使用して抄造する。
【0027】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明する。実施例および比較例に示した重量%
は、いずれも絶乾重量を基準とするものである。実施例1 リファイナーを使用し、フリーネス550mlCSFに
叩解した針葉樹晒クラフトパルプを調製した。広葉樹晒
クラフトパルプを原料として高圧のホモジナイザーによ
って、数平均繊維長0.17mm、保水値380%に調
製した微細フィブリル化セルロースを先に準備した針葉
樹パルプに対し3重量%添加し、さらに軽質炭酸カルシ
ウム(商品名「PC−700」、白石工業株式会社製
造)5重量%、サイズ剤(商品名「サイズパインK−9
03」、荒川化学株式会社製造)1重量%、歩留り向上
剤(商品名「ハイホールダー351」、栗田工業株式会
社製)0.1重量%を添加して均一に撹拌した後、通常
の長網抄紙機によって坪量90g/m2の印刷用紙を得
た。
【0028】実施例2 微細フィブリル化セルロースの原料が針葉樹晒クラフト
パルプで、調製後の数平均繊維長が0.23mm、保水
値が320%であること以外は実施例1と同様の方法で
印刷用紙を得た。
【0029】実施例3 ビーターを使用し、フリーネス420mlCSFに叩解
したケナフ紙料を調製した。針葉樹晒サルファイトパル
プを原料として高圧のホモジナイザーによって、数平均
繊維長0.13mm、保水値360%に調製した微細フ
ィブリル化セルロースを先に準備したケナフ紙料に対し
1重量%添加し、さらに軽質炭酸カルシウム(同上)5
重量%、サイズ剤(同上)1重量%、歩留り向上剤(同
上)0.1重量%を添加して均一に撹拌した後、通常の
長網抄紙機によって坪量90g/m2の印刷用紙を得
た。
【0030】実施例4 ビーターを使用し、フリーネス500mlCSFに叩解
したリンター紙料を調製した。針葉樹晒サルファイトパ
ルプを原料として高圧のホモジナイザーによって、数平
均繊維長0.13mm、保水値360%に調製した微細
フィブリル化セルロースを先に準備したリンター紙料に
対し1重量%添加し、さらに軽質炭酸カルシウム(同
上)5重量%、サイズ剤(同上)1重量%、歩留り向上
剤(同上)0.1重量%を添加して均一に撹拌した後、
通常の長網抄紙機によって坪量90g/m2の印刷用紙
を得た。
【0031】比較例1 リファイナーを使用し、フリーネス550mlCSFに
叩解した針葉樹晒クラフトパルプを調製した。準備した
針葉樹パルプに対し軽質炭酸カルシウム(同上)5重量
%、サイズ剤(同上)1重量%、歩留り向上剤(同上)
0.1重量%を添加して均一に撹拌した後、通常の長網
抄紙機によって坪量90g/m2の印刷用紙を得た。
【0032】比較例2 リファイナーを使用し、フリーネス550mlCSFに
叩解した針葉樹晒クラフトパルプを調製した。針葉樹晒
クラフトパルプを原料として高圧のホモジナイザーによ
って、数平均繊維長0.33mm、保水値180%に調
製したフィブリル化セルロースを先に準備した針葉樹パ
ルプに対し3重量%添加し、さらに軽質炭酸カルシウム
(同上)5重量%、サイズ剤(同上)1重量%、歩留り
向上剤(同上)0.1重量%を添加して均一に撹拌した
後、通常の長網抄紙機によって坪量90g/m2の印刷
用紙を得た。
【0033】比較例3 微細フィブリル化セルロースの代わりに数平均繊維長が
0.08mm、保水値が60%のセルロースパウダーを
使用したこと以外は、比較例2と同様の方法で低密度印
刷用紙を得た。
【0034】比較例4 ビーターを使用し、フリーネス420mlCSFに叩解
したケナフ紙料を調製した。針葉樹晒サルファイトパル
プを原料として高圧のホモジナイザーによって、数平均
繊維長0.13mm、保水値360%に調製した微細フ
ィブリル化セルロースを先に準備したケナフ紙料に対し
8重量%添加し、さらに軽質炭酸カルシウム(同上)5
重量%、サイズ剤(同上)1重量%、歩留り向上剤(同
上)0.1重量%を添加して均一に撹拌した後、通常の
長網抄紙機によって坪量90g/m2の印刷用紙を得
た。
【0035】上記の実施例および比較例で得られた低密
度印刷用紙の特性を測定した結果を表1に示す。なお、
それぞれの特性は、下記に示した方法により測定した。 密度:JIS P 8118 透気度:JIS P 8117 表面強度:JIS P 8129 地合:紙を光に透かしてみたときの繊維の分布状態の均
一性で評価し、均一な状態を○、不均一な部分が見られ
る状態を△、不均一な状態を×とした。 給紙性:オフセット印刷で自動給紙したときに1000
枚問題なく給紙できた場合を○、トラブルの発生が3回
までを△、3回以上発生した時を×とした。 紙粉量:同様に1000枚印刷した後のブランケットの
紙粉による汚れ状態を評価し、汚れの大きい方を5、ま
た少ない方を1として5段階評価した。
【0036】
【表1】
【0037】表1の実施例1〜4の評価結果から明らか
なように、数平均繊維長が0.05〜0.3mm、保水
値が250%以上の微細フィブリル化セルロースを製紙
用パルプに対し1〜5重量%添加することによって密度
が0.65以下であるにも関わらず透気度が10秒以
上、表面強度が10A以上で地合が良好な印刷用紙が得
られることが確認できる。また、透気度が10秒以上あ
るためにオフセット印刷時の自動給紙も問題なく行え、
さらに表面強度が大きいため紙粉の発生量も少ないこと
を確認した。
【0038】これに対し比較例1に示したように、微細
フィブリル化セルロースを使用しないと密度は低く、目
的を達成できても、透気度、表面強度が低くなり、オフ
セット印刷時の自動給紙に問題が発生し、紙粉量も非常
に多くなることを確認した。さらに結果には示していな
いが、インキのタックで紙表面が取られる現象も発生し
た。また、比較例2および3に示したように数平均繊維
長や保水値が規定の値より大きかったり小さかったりす
るとその効果は非常に少なく、密度が目的の値を達成で
きても透気度、表面強度が低く、地合の悪い紙が得られ
ることを確認した。また、このため印刷時にトラブルが
発生する。さらに、微細フィブリル化セルロースの数平
均繊維長や保水値が規定の値であっても添加量が5重量
%より大きいと密度の高い紙になってしまい、ろ水性が
悪く地合も悪化することを確認した。
【0039】
【発明の効果】以上説明したことからわかるように、本
発明によれば微細フィブリル化セルロースをわずかに添
加することによって、叩解を余りしていない製紙用パル
プの特性を生かして密度を低く保ち、この特性と相反す
る透気度の上昇、表面強度の上昇、地合の向上を実現で
きる。これによってオフセット印刷適性のある低密度の
印刷用紙を製造できるいう顕著な効果が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均繊維長が0.05〜0.3mm、
    保水値が250%以上の微細フィブリル化セルロースを
    フリーネスが400mlCSF以上である製紙用パルプ
    を主材として調成した紙料に1〜5重量%添加して混合
    した後、この紙料を抄紙することを特徴とする密度が
    0.65g/cm3以下の印刷用紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 製紙用パルプのフリーネスが500ml
    CSF以上であることを特徴とする請求項1記載の印刷
    用紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 製紙用パルプが非木材パルプを1重量%
    以上混合していることを特徴とする請求項1および2記
    載の印刷用紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 製紙用パルプのルンケル比が0.8以上
    であることを特徴とする請求項1〜3記載の印刷用紙の
    製造方法。
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