JP2006219781A - 印刷用不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、布風の風合いを損なわずに、インキ着肉性を向上させ、裏移り、両面印刷適性も改善させた印刷用不織布を提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも、木材パルプと有機繊維とからなり、湿式抄紙法にて抄紙した原布シートに、水分散有機重合物と顔料とを付与してなる印刷用不織布。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オフセット印刷に適した印刷用不織布に関するものである。
カレンダー、ポスター等においてオフセット印刷により印刷された布風の風合いを持った印刷用不織布が普及している。印刷用不織布は、一般に低密度で、空隙率が高いために、紙と比較した場合、オフセット印刷におけるインク着色性が悪く、印刷仕上がりが良くない、裏移りという問題があった。また、裏移りの問題から両面印刷適性をもたせることは難しく、また裏抜けもあり、視覚的な品質に問題を残すものであった。
インク着肉性を良くする方法としては、湿式抄紙機にて抄紙した原紙シートに、撥水剤と水分散重合物を含浸する方法が開示されている(特許文献1参照)。この方法では、布風の風合いを維持したまま、印刷仕上がりを良くすることは出来るが、その仕上がり具合は不十分であり、未だ満足出来るものではなかった。また、裏移り、両面印刷性、裏抜けといった問題を残したものであった。
インク着肉性を改良する別な方法として、無機顔料とバインダーを塗工する方法が上げられる。例えば、ポリオレフィン系繊維紙に無機顔料とバインダーを塗工した合成パルプからなる繊維紙が開示されているが、該繊維紙は、布風の風合いを持ったものではない(特許文献2〜4)。また、ポリオレフィン系スパンボンデッド不織布に無機顔料とバインダーを塗工した印刷用不織布が開示されている(特許文献5)。ポリオレフィン系スパンボンデッド不織布は、耐溶剤性が低いために、インキの溶剤によってカールが発生したり、凹凸が発生したりするといった問題がある。また、低密度なため、裏移りの問題もある。これらの問題を改善するためには、顔料塗工に先立って、バリア層を設けなければならず、工程数が多くなるという製造上の問題があった。
特開2001−159090号公報 特開昭47−29607号公報 特開昭50−14805号公報 特開昭55−107464号公報 特開平5−132897号公報
本発明は、布風の風合いを損なわずに、インキ着肉性を向上させ、裏移り、両面印刷適性も改善させた印刷用不織布を提供することを課題とする。
本発明品は、上記課題を解決すべく、以下の発明を見出した。すなわち、
(1)少なくとも、木材パルプと有機繊維とからなり、湿式抄紙法にて抄紙した原布シートに、水分散有機重合物と顔料とを付与してなる印刷用不織布、
(2)原布シートにおいて、木材パルプ/(木材パルプ以外の有機繊維)質量比が10/90〜80/20であることを特徴とする上記(1)記載の印刷用不織布、
(3)印刷用不織布の密度が0.20〜0.55g/cm3であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の印刷用不織布、
(4)水分散有機重合物/顔料との質量比率が20/80〜95/5であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の印刷用不織布、
(5)顔料が炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、サチンホワイトから選ばれる1種以上であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の印刷用不織布、
(6)JIS−L1096に記載のA法フラジール型試験機で規定されるフラジール通気度が60cc/cm2/sec以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか記載の印刷用不織布である。
本発明の印刷用不織布は、木材パルプ及び木材パルプ以外の有機繊維からなる湿式法にて抄紙した原布シートに、水分散有機重合物と顔料とを付与することで、布風の風合いを損なうことなくインキ着肉性、両面印刷適性に優れた印刷用不織布を得ることができる。
以下に詳細に説明する。本発明の印刷用不織布において、原布シートは、木材パルプと有機繊維とからなり、湿式抄紙法により製造される。本発明で用いられる木材パルプは、NBKP、LBKP、NBSP、LBSPその他いずれの種類のパルプでも限定はされないが、目詰め・強度の点からNBKPが好ましい。また濾水度は、特に限定しないが100ml以上が好ましい。つまり濾水度が、100ml未満であると湿式抄紙法による原布シート形成の段階で目が詰まっている為、濾水性が悪く均一な地合いが得られ難く、抄造性の点から好ましくない。
本発明で用いられる木材パルプ以外の有機繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン又はこれらポリマーの変性ポリマー及びコポリマー、アクリル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ナイロン繊維、ウレタン繊維、レーヨン繊維、再生セルロース繊維、溶剤紡糸セルロース繊維やコラーゲン、アルギン酸、キチン質等を溶液にしたものを紡糸した繊維等が挙げられる。
これらの有機繊維は、木材パルプと混合して使用する。有機繊維は繊度が0.1〜6.0デシテックスが好ましく、より好ましくは0.6〜3.3デシテックスである。繊度が0.1デシテックスより細いと抄紙性が悪く地合いが悪くなる傾向があり、コストアップにもなる。一方、6.0デシテックスより太いと平滑性が悪くなり、インキ着肉性が悪くなる傾向がある。繊維長は2〜20mmが好ましく、より好ましくは3〜10mmである。繊維長が2mm以下となると湿式抄紙でワイヤーから繊維が抜け易く歩留り低下となったり、一方20mmを超えるとスクリーンでの詰まり等が発生することがある。
また本発明に用いられるその他の繊維としては、木綿パルプ、ワラパルプ、竹パルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、麻パルプの他、ガラス繊維や炭素繊維等の無機繊維を用いてもよい。
本発明における原布シートの製造方法としては、均一な地合いが得られる湿式抄紙法が好ましい。湿式抄紙法は木材パルプ以外の有機繊維を単独または組み合わせて木材パルプと混合して水に分散させスラリーを調節する。スラリーは長網、円網または傾斜ワイヤー式抄紙機を用いて抄造される。
抄造の際に配合する薬品としては、湿紙状態での断紙対策として湿潤強度剤やヤンキードライヤーからの剥離を安定させる為、内添サイズ剤を使用してもよい。
原布シートを形成する繊維として、木材パルプ/有機繊維が質量比で10/90〜80/20の割合であることが好ましい。木材パルプは、主に目詰め効果によるインキ着肉性の向上、水素結合を利用した原布シートの強度向上といった効果を発現する。また、木材パルプ以外の有機繊維は、布風の風合いを発現させる。上記質量比において、木材パルプと有機繊維を混合することで、布風の風合いをもったまま印刷適性の優れた印刷用不織布を得ることができる。
本発明の印刷用不織布は、オフセット印刷を行う場合、印刷機械上においてインキ中の繊維の混入、ゴムブランケットへの繊維の付着等、不織布表面繊維の離脱による作業性の低下及び印刷仕上がり等品質に与える損害を防止する必要がある。また印刷方式上から特にオフセット印刷は湿し水を使う事、インキタックが大きい事から、印刷媒体に対する品質特性として面強度が必要である。その為本発明の原布シートには、水分散有機重合物と顔料の混合液を接着剤として塗布加工することにより、シート表面の繊維接着を強固にするとともにインキ着肉性を向上する事ができる。
本発明で用いられる水分散有機重合物は、アクリル酸エステル共重合体、エチレン酢ビポリマー、メチルメタアクリレートラテックス、スチレンブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックス等が挙げられる。特に限定されないが、インキ着肉性と風合い等を考慮し、アクリル酸エステル共重合体等を使用することが好ましい。
一般的に用いられる顔料は、水分散有機重合物だけでは得られなかったインキ着肉性をさらに向上させるものであり、顔料としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、サチンホワイト等が挙げられるが、白色度の高い炭酸カルシウムがより好ましい。これら顔料の粒子径は、不織布の平滑性を高めるために50μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以下である。顔料粒子径が50μmを超えると水分散有機重合物と顔料の混合液中で顔料が沈降し塗布性が悪化し、均一な表面性が保たれていないことがある。
水分散有機重合物/顔料の質量比率は20/80〜95/5が好ましく、より好ましくは30/70〜80/20である。水分散有機重合物の質量比率が20/80より低くなると、シート表面の繊維接着性や顔料の接着性が低下し、オフセット印刷時に繊維や顔料の離脱の原因となることがある。また、水分散重合物の質量比率が95/5を超えると、インキ着肉性の向上が劣ることがある。
本発明において、水分散有機重合物と顔料の付着量は、不織布全質量の20〜60%が好ましく、より好ましくは25〜50%である。付着量が20%よりも低いと、インキ着肉性においても十分な濃度が得られないことがある。一方、60%を超えると水分散有機重合物の接着により不織布独特の布風の風合いが損なわれることがある。
これらの水分散有機重合物と顔料の混合液の原布シートへの付与方法は、特に限定されないが、原布シートに機械的力が比較的加わらず原布シート面を傷めないことから、浸漬法によるサイズプレスやタブサイズプレス等で含浸処理されることが好ましい。含浸処理によって製造された本発明の印刷用不織布は、表裏面におけるインク着肉性の差が小さく、原布シート内部にまで水分散有機重合物と顔料とが侵入するため、白色度が向上するばかりでなく、両面印刷適性を発現させることができる。顔料と水分散有機重合物は印刷用不織布の厚み方向に均一に存在しているのではなく、印刷用不織布表面においては顔料の存在比率が高くなる。理由は定かではないが、顔料の移動度が水分散有機重合物より低いことによると思われる。顔料は布風の風合いを阻害するが、このように、顔料の存在比率が印刷用不織布内部と表面で異なることから、本発明の印刷用不織布においては、布風の風合いを保つことが可能となる。また、表面の顔料がインキ着肉性に対して有効に働くという効果も生み出す。
乾燥方式は本発明の効果を阻害しない範囲であれば、特に限定されない。しかし、含浸処理直後にシリンダードライヤーにて乾燥すると、水分散有機重合物の粘着性によりドライヤー汚れが発生し、長時間運転すると水分散有機重合物の粕が印刷用不織布に付着する可能性がある。従って、赤外線乾燥やエアードライヤー等の非接触式にて水分散有機重合物と顔料の混合液を乾燥させて、シートの粘着性を低減させた後、シリンダードライヤーによる接着式の乾燥で平滑性をだすことがより好ましい。
本発明の印刷用不織布は、密度が0.2〜0.55g/cm3の範囲であることが好ましい。該密度は、原布シートの繊維の種類、配合比率、坪量や厚みの調整、水分散有機重合物と顔料の付着量、水分散有機重合化合物/顔料質量比率等で適宜調整することができる。密度が0.2g/cm3よりも小さくなると、インキが印刷用不織布表面に留まることができず内部に浸透し、高い印刷濃度が得られなかったり、両面印刷ができなくなるといった問題が発生する場合がある。密度が0.55g/cm3を超えると、紙風の風合いとなり、布風の風合いが失われる傾向を示す。
本発明の印刷用不織布において、フラジール通気度は、JIS−L1096に記載のA法フラジール計試験機で規定される通気度をいう。本発明の印刷用不織布のフラジール通気度は、60cc/cm2/sec以下が好ましく、より好ましくは50cc/cm2/sec以下である。印刷時には、吸引による搬送工程が存在するが、60cc/cm2/secよりもフラジール通気度が高いと、印刷用不織布が吸引されづらくなり、シート搬送性が悪化することがある。フラジール通気度は、原布シートの繊維の種類、配合比率、坪量や厚みの調整、水分散有機重合物と顔料の付着量、水分散有機重合化合物/顔料質量比率等で適宜調整することができる。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。以下、実施例に記載される部及び比率は質量を基準とする。
〔原布シートの抄造〕パルパーに叩解後のNBKPカムループス(濾水度600ml)とポリプロピレン繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長5mm)とレーヨン繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長5mm)を45:35:20の配合比で水に混合分散し、円網抄紙機で抄紙した後、ヤンキードライヤーにて乾燥し200℃で熱処理を行い坪量63g/m2の原布シートを得た。
〔加工〕上記原布シートに水分散有機重合物(アクリル酸エステル共重合体等)60%、顔料として炭酸カルシウム(エスカロン1500)を40%含有した混合液を固形分で32g/m2となるようにサイズプレスにて含浸加工を行い、赤外線乾燥機で予備乾燥した後、シリンダードライヤーにて乾燥して、坪量95g/m2、密度0.342g/cm3、フラジール通気度27.8cc/cm2/secである実施例1の印刷用不織布を得た。
加工時における顔料として、炭酸カルシウム(エスカロン1500)の代わりに20μm以下のシリカを使用した以外は実施例1と同様にして密度0.320g/cm3、フラジール通気度31.6cc/cm2/secである実施例2の印刷用不織布を得た。
加工時における顔料として炭酸カルシウム(エスカロン1500)の代わりにHSクレーを使用した以外は実施例1と同様にして密度0.351g/cm3、フラジール通気度19.4cc/cm2/secである実施例3の印刷用不織布を得た。
加工時における水分散有機重合物/顔料の混合液の比率を20/80に変更した以外は実施例1と同様にして密度0.312g/cm3、フラジール通気度30.4cc/cm2/secである実施例4の印刷用不織布を得た。
加工時における水分散有機重合物/顔料の混合液の比率を95/5に変更した以外は実施例1と同様にして密度0.360g/cm3、フラジール通気度33.2cc/cm2/secである実施例5の印刷用不織布を得た。
原布シートの抄造において、パルパーに叩解後のNBKPカムループス(濾水度600ml)とポリプロピレン繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長5mm)とレーヨン繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長5mm)を10:65:25の配合比で水に混合分散し、円網抄紙機で抄紙し、加工時における水分散有機重合物/顔料の混合液の比率は実施例1と同様にして密度0.255g/cm3、フラジール通気度51.3cc/cm2/secである実施例6の印刷用不織布を得た。
原布シートの抄造において、パルパーに叩解後のNBKPカムループス(濾水度600ml)とポリプロピレン繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長5mm)とレーヨン繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長5mm)を80:15:5の配合比で水に混合分散し、円網抄紙機で抄紙し、加工時における水分散有機重合物/顔料の混合液の比率は実施例1と同様にして密度0.540g/cm3、フラジール通気度17.8cc/cm2/secである実施例7の印刷用不織布を得た。
原布シートの抄造は実施例1と同様とし、加工時において水分散有機重合物を10%とし顔料である炭酸カルシウム(エスカロン1500)を90%とした含浸液でサイズプレスにて含浸加工を行い、シリンダードライヤーにて乾燥し、密度0.335g/cm3、フラジール通気度32.6cc/cm2/secである実施例8の印刷用不織布を得た。
原布シートの抄造において、パルパーに叩解後のNBKPカムループス(濾水度600ml)とポリプロピレン繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長5mm)とレーヨン繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長5mm)を7:60:33の配合比で水に混合分散し、円網抄紙機で抄紙し、加工時における水分散有機重合物/顔料の混合液の比率は実施例1と同様にして密度0.184g/cm3、フラジール通気度64.7cc/cm2/secである実施例9の印刷用不織布を得た。
原布シートの抄造において、パルパーに叩解後のNBKPカムループス(濾水度600ml)とポリプロピレン繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長5mm)とレーヨン繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長5mm)を83:10:7の配合比で水に混合分散し、円網抄紙機で抄紙し、加工時における水分散有機重合物/顔料の混合液の比率は実施例1と同様にして密度0.542g/cm3、フラジール通気度19.3cc/cm2/secである実施例10の印刷用不織布を得た。
(比較例1)
原布シートの抄造は実施例1と同様とし、加工時において水分散有機重合物を100%とし顔料である炭酸カルシウム(エスカロン1500)を0%とした含浸液でサイズプレスにて含浸加工を行い、シリンダードライヤーにて乾燥し坪量95g/m2、密度0.353g/cm3、フラジール通気度30.1cc/cm2/secである比較例1の印刷用不織布を得た。
(比較例2)
原布シートの抄造は実施例1と同様とし、加工工程を省略し、密度0.281g/cm3、フラジール通気度39.2cc/cm2/secである比較例2の印刷用不織布を得た。
(評価方法)
実施例及び比較例で作製した印刷用不織布は下記の方法で評価を行った。
1)Dryインキ着肉性
RI印刷機(株式会社明製作所製)の印刷用ロールに藍色インキ(大日本インキ化学工業製:TRANS−G)を0.6cc付着させよく練り込んだ後、印刷を行い一昼夜乾燥させマクベスRD918で印刷部の濃度を測定した。
2)Wetインキ着肉性
RI印刷機(株式会社明製作所製)の印刷用ロールに藍色インキ(大日本インキ化学工業製:TRANS−G)を0.6cc付着させよく練り込んだ後、Wet着肉用ロールを印刷する上流側に取り付けロール両端部をインキにて目止めして水を溜め、印刷部分の半分については水を含ませたあと藍色インキが付着するように印刷し一昼夜乾燥させ、印刷部のインキ濃度を表1に示す4段階で評価した。評価はモニター6名によって行われ、各人がそれぞれ評価した等級の最多数をその等級とした。インキ濃度での評価基準としては、以下の表1の通りである。
3) 風合い
印刷用不織布を手で握り、その時の触感を表1に示す4段階で評価した。評価はモニター6名によって行われ、各人がそれぞれ評価した等級の最多数をその等級とした。風合いの評価基準としては、以下の表1の通りである。
4)裏面印刷適性
印刷用不織布の表裏面にオフセット印刷を行い、比較例1の裏面の印刷物の鮮明さと、実施例1〜10と比較例1〜2の裏面の印刷物の鮮明さを比較し、表1に示す4段階で評価した。評価はモニター6名によって行われ、各人がそれぞれ評価した等級の最多数をその等級とした。裏面印刷適性の評価基準としては、以下の表1の通りである。
Figure 2006219781
上記評価結果を表2に示す。
Figure 2006219781
(評価)実施例1〜7で得られた不織布については、インキ着肉性が良好であり、シート搬送性についても問題のない布風の風合いを持つ印刷用不織布を得る事が出来た。特に実施例1については、インキ着肉性が表裏面ともに良好であり、両面印刷適性に優れていた。また、密度が高い為、フラジール通気度が低くオフセット印刷時におけるシート搬送性についても全く問題がなく、布風の風合いが非常に高い印刷用不織布を得る事が出来た。実施例2と実施例3についても、実施例1と同様に、両面印刷適性に優れた印刷用不織布を得る事が出来たが、実施例3では使用した顔料HSクレーが褐色であるために、印刷用不織布が着色してしまい白色度が減退した。
一方、実施例8のように加工時の顔料配合比率を90%にすると、水分散重合物と顔料の混合液中で顔料の沈降が見られ塗布性が低下する傾向を示した。実施例9のように、木材パルプの配合比率を減らすと、低密度となり、シート搬送性が低下し、インキ着肉性が低下する傾向を示す。実施例10のように、木材パルプの配合比率を増やすと、シートが高密度となり表裏面ともインキ着肉性は良好であったが、ペーパーライクとなり、不織布独特の布風の風合いが低くなる傾向を示す。比較例1ついては、加工時に水分散有機重合物のみを印刷用不織布に含浸した為、表裏面ともインキ着肉性が低下し、十分なインキ濃度を得られなかった。また、白色度が低い為、表面の印刷物が裏移りし、裏面の印刷適性が非常に悪かった。比較例2については加工処理を省いた為、インキ着肉性が低下し、低密度となりフラジール通気度が高くなった為、シート搬送性が低下し、表裏面ともインキ着肉性が低下した。
本発明の印刷用不織布は、木材パルプ及び木材パルプ以外の有機繊維からなる原布シートに、水分散有機重合物と顔料とを付与する事で、現在普及している印刷用不織布の低密度でポーラスな構造の為、紙と比較した場合、オフセット印刷におけるインキ着肉性が悪く印刷仕上がりが良いものでは無かった点を改善し、布風の風合いを損なうこと無く、インキ着肉性に優れた印刷用不織布を得ることが出来る。白色顔料を配合することにより、印刷用不織布シートの白色度を高め、印刷物の裏移りを抑える効果があり、現在普及している印刷用不織布には無かった、両面に印刷適性を持ち合わせた印刷用不織布を得る事ができる。また、安価な顔料を使用することにより原材料費のコストダウンにもつながり、近年印刷物の視覚化が進みさらには印刷方法の多様化に対応できる印刷用不織布として利用可能である。

Claims (6)

  1. 少なくとも、木材パルプと有機繊維とからなり、湿式抄紙法にて抄紙した原布シートに、水分散有機重合物と顔料とを付与してなる印刷用不織布。
  2. 原布シートにおいて、木材パルプ/有機繊維の質量比が10/90〜80/20であることを特徴とする請求項1記載の印刷用不織布。
  3. 印刷用不織布の密度が0.20〜0.55g/cm3であることを特徴とする請求項1または2記載の印刷用不織布。
  4. 水分散有機重合物/顔料との質量比率が20/80〜95/5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の印刷用不織布。
  5. 顔料が炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、サチンホワイトから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の印刷
    用不織布。
  6. JIS−L1096に記載のA法フラジール型試験機で規定されるフラジール通気度が60cc/cm2/sec以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の印刷用不織布。
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