JP2010084251A - 印刷用不織布 - Google Patents

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未樹 安野
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Abstract

【課題】本発明は、しなやかな風合いとインキ着肉性を有し、繊維の毛羽立ちや繊維脱落を改善させた印刷用不織布を得ることを課題とする。
【解決手段】少なくとも木材パルプ、合成繊維、熱融着性有機繊維状バインダー及び熱水可溶性有機繊維状バインダーを含み、湿式抄紙法にて抄紙した原布シートに、有機重合物を付与してなる印刷用不織布。原布シートに対する熱水可溶性バインダーの配合率が0.5〜5質量%であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、オフセット印刷に適した印刷用不織布に関するものである。
カレンダー、ポスター等において、オフセット印刷により印刷された印刷用不織布が普及している。この印刷用不織布は、一般に低密度で、空隙率が高いために、紙と比較した場合、しなやかな風合いを持っているが、オフセット印刷におけるインキ着肉性が悪く、繊維の毛羽立ちや繊維の脱落という問題があった。
インキ着肉性を良くする方法としては、湿式抄紙機にて抄紙した原布シートに、撥水剤と水分散重合物を含浸する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、しなやかな風合いを維持したまま、印刷仕上がりを良くすることはできるが、その仕上がり具合は不十分であり、未だ満足できるものではなかった。
インキ着肉性を改良する別な方法として、無機顔料とバインダーを塗工する方法が挙げられる。例えば、ポリオレフィン系繊維紙に無機顔料とバインダーを塗工した合成パルプからなる繊維紙が開示されているが、該繊維紙は、しなやかな風合いを持ったものではない(例えば、特許文献2〜4参照)。また、木材パルプと有機繊維とからなり、水分散有機重合物と顔料とを付与してなる印刷用不織布が開示されているが、原布の段階での強度不足により水分散有機重合物と顔料とを付与する含浸工程での繊維脱落があった。また、製品の毛羽立ちも満足できるものではなかった(例えば、特許文献5参照)。
特開2001−159090号公報 特開昭47−29607号公報 特開昭50−14805号公報 特開昭55−107464号公報 特開2006−219781号公報
本発明は、しなやかな風合いを損なわずに、インキ着肉性を向上させ、有機重合物の含浸工程での繊維脱落を改善させると共に、製品の毛羽立ちを抑えた印刷用不織布を提供することを課題とする。
本発明品は、上記課題を解決すべく、以下の発明を見出した。すなわち、
(1)少なくとも木材パルプ、合成繊維、熱融着性有機繊維状バインダー及び熱水可溶性有機繊維状バインダーを含み、湿式抄紙法にて抄紙した原布シートに、有機重合物を付与してなる印刷用不織布、
(2)原布シートに対する熱水可溶性バインダーの配合率が0.5〜5質量%である上記(1)記載の印刷用不織布である。
本発明では、しなやかな風合いを損なうことなく、インキ着肉性、繊維の毛羽立ちや繊維脱落も改善させた印刷用不織布を得ることができる。
以下に詳細に説明する。本発明の印刷用不織布において、原布シートは、木材パルプ及び合成繊維、熱融着性有機繊維状バインダー及び熱水可溶性有機繊維状バインダーを含み、湿式抄紙法により製造される。
原布シートに配合される素材の役割は次の通りである。本発明で用いられる木材パルプは、湿式抄紙の操業性を高めると共に、インキ着肉性を向上させるものである。NBKP、LBKP、NBSP、LBSPその他いずれの種類のパルプでも限定はされないが、強度の点からNBKPが好ましい。また、カナディアン濾水度は特に限定しないが、200ml以上が好ましい。カナディアン濾水度が200ml未満であると、湿式抄紙法による原布シート形成の段階で濾水性が悪く均一な地合いが得られ難く、抄造性の点から好ましくない。また、原布シートに対する木材パルプの配合率は特に限定しないが、10〜70質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%がさらに好ましい。木材パルプの配合率が10質量%未満の場合、インキ着肉性が劣る場合があり、また、不織布の繊維脱落を抑える効果が低下することがある。一方、70質量%を超えると紙ライクな風合いになる場合がある。
本発明に用いられる合成繊維は、不織布の空隙を増すことによって、しなやかな風合いを得る役割を果たすものであり、通常の湿式抄紙時の乾燥工程で溶融しない繊維である。合成繊維としては、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系、ナイロン系、ウレタン系、ベンゾエート、ポリクラール、フェノール系、ポリオレフィン系などの繊維が挙げられる。合成繊維の繊度は特に限定しないが、0.3〜10dtexが好ましく、0.6〜5.6dtexがより好ましく、1.1〜3.3dtexがさらに好ましい。繊度0.3dtex未満では空隙を増す効果が少なくなることがあり、10dtexを超えると空隙は増すものの、繊維脱落の可能性が高くなる場合がある。合成繊維の繊維長は特に限定しないが、1〜25mmが好ましく、3〜15mmがより好ましく、5〜10mmがさらに好ましい。原布シートに対する合成繊維の配合率は特に限定しないが、5〜60質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、15〜30質量%がさらに好ましい。合成繊維の配合率が5質量%未満の場合、風合いが劣る場合がある。一方、60質量%を超えると風合いは良くなるものの繊維脱落が起こる場合がある。
本発明で用いられる有機繊維状バインダーは、しなやかな風合いを維持しつつ、繊維脱落や毛羽立ちを抑え、さらに印刷適性を向上させるために用いられる。本発明で用いられる一種類目の有機繊維状バインダー(以下、「第一のバインダー」と称す)は、融点が105℃以上の熱融着性有機繊維状バインダーであり、湿式抄紙機の乾燥ゾーンで軟化または溶融して、熱融着性有機繊維状バインダー同士及びその他の繊維と接合する繊維である。主に風合いを維持しつつ、繊維脱落や毛羽立ちを抑える役割を果たし、熱水では不溶の繊維である。
第一のバインダーとしては、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割繊維などの複合繊維が挙げられる。複合繊維は、皮膜を形成しにくいので、印刷用不織布の空間を保持したまま、機械的強度を向上させることができる。例えば、ポリプロピレンの短繊維、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせが挙げられる。また、ポリエチレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)を使用できる。中でも高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘繊維は、溶融後も芯部が繊維形状を維持していることから、印刷用不織布の空間保持が可能となり、好ましく用いられる。
第一のバインダーの繊度は特に限定されないが、0.3〜5dtexであることが好ましく、より好ましくは1〜3dtexである。繊維長は、1〜25mmが好ましく、3〜15mmがより好ましく、5〜10mmがさらに好ましい。原布シートに対する第一のバインダーの配合率は、5〜60質量%であり、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは、20〜40質量%である。5質量%未満では、繊維脱落や毛羽立ちを抑える効果が少ない場合がある。一方、60質量%を超えた場合、繊維脱落や毛羽立ちを抑える効果は十分なものの、不織布としての風合いが損なわれる場合がある。
本発明で用いられる二種類目の有機繊維状バインダー(以下、「第二のバインダー」と称す)は、繊維脱落や毛羽立ちを抑えると共に、特に印刷適性を向上させるために用いられるものであり、ポリビニルアルコール系繊維(PVA繊維)のような熱水可溶性有機繊維状バインダーを使用する。さらに詳しく述べると、第二のバインダーは、常温の水では殆ど溶解しないで繊維形態を保っているが、抄紙後のドライヤー面で加熱されると容易に溶解し始め、その瞬間にタッチロールのごとき設備で加圧してやれば、木材パルプや合成繊維、第一のバインダー間にまたがって繊維状バインダーとなり、その後の脱水乾燥によって再凝固し、高温水中でなければ容易に離れない強力な原布シート構成繊維となる。
この第二のバインダーの接着力に及ぼす影響は水中軟化点から考えることができる。水中軟化点は実際抄紙の場合、湿紙がドライヤーにより熱を受け、第二のバインダーが溶解し始めて接着機能を示す温度を大体示している。水中軟化点の低い第二のバインダーを使用するほど、接着の前提条件である第二のバインダーの溶解が容易となり、接着効果が大きくなる。しかし、水中軟化点があまりに低くなりすぎると、ドライヤーへの付着が起こり易いという問題が生じる。第二のバインダーが溶解するためには、その水中軟化点以上に湿紙の温度が高くなる必要があり、従って乾燥温度が高いほど接着効果が大きく、強度は向上する。湿紙の温度が第二のバインダーの水中軟化点以下では、第二のバインダーの溶解が起こらず、従ってバインダー効果はまったく失われる。ヤンキードライヤーの場合ドライヤーのスチーム温度は130〜160℃程度で、これに接触している湿紙の温度は60〜90℃と考えられるから、第二のバインダーとして水中軟化点が65〜85℃のものを選定すると十分な接着力を得ることができる。また、ヤンキードライヤーに接した面は平滑な表面性となることから、印刷適性も良好となる。
また、第二のバインダーの繊度は特に限定されないが、0.3〜5dtexであることが好ましく、より好ましくは1〜3dtexである。繊度が0.3dtex未満の場合、抄紙ワイヤーからの脱落が起こる場合がある。一方、5dtexを超えた場合、比表面積が少ないことから十分な強度が得難いことがある。繊維長は、地合い、分散性の観点を考慮すると、3〜6mmが適当である。
原布シートに対する第二のバインダーの配合率は、0.3〜10質量%であり、好ましくは0.5〜5質量%であり、より好ましくは、1〜4質量%である。0.3質量%未満では、印刷適性を向上させる効果が見出せないことがある。一方、10質量%を超えた場合、印刷適性は良好なものの、ヤンキードライヤーに接した表面の光沢が高まりすぎて、フィルムライクになることがある。また、厚みが薄くなり、密度が高まることから、硬い風合いになることがある。
多層構造不織布の場合、第二のバインダーの配合率はヤンキードライヤーに接する層には少なくし、他層に多くすることによって、光沢や平滑性の表裏差を小さくすることが可能となる。
有機繊維状バインダーとしては、第一のバインダーと第二のバインダーを併用することが重要となる。第一のバインダーのみの場合、ヤンキードライヤーに接した面でも十分な平滑性が得られないことから印刷適性が良くない。一方、第二のバインダーのみの場合、ヤンキードライヤーに接した面の平滑性は良好であるが、裏面の繊維脱落や毛羽立ちを抑えられない。第一と第二の両バインダーを併用することにより、印刷適性と裏面の繊維脱落や毛羽立ちの抑制という両方の効果を得ることが可能となる。
木材パルプ、合成繊維、二種類の有機繊維状バインダー以外の繊維としては、特に限定しないが、一般的に湿式不織布に用いられる繊維であれば品質に影響しない程度に混合可能である。レーヨン繊維、再生セルロース繊維、溶剤紡糸セルロース繊維等は、湿式抄造性が良好であり好ましい。
また、木綿パルプ、ワラパルプ、竹パルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、麻パルプなどの天然繊維、ガラス繊維や炭素繊維等の無機繊維でも品質を阻害しない範囲で用いてもよい。
本発明における原布シートの製造方法としては、均一な地合いが得られる湿式抄紙法が用いられる。湿式抄紙法では、まず、木材パルプ、合成繊維、二種類の有機繊維状バインダー、場合によってその他繊維を混合して水に分散させスラリーを調節する。スラリーは長網、円網または傾斜ワイヤー式抄紙機を用いて抄造され、ヤンキードライヤーで乾燥する。
本発明で使用するヤンキードライヤーについて述べると、大径のドライヤーセルを持ち、この中に130〜160℃のスチームを通して乾燥を行う。ドライヤー表面は高度の研磨加工が施され、湿ったシートをタッチロールと呼ばれる押しつけロールにてこのヤンキードライヤー面に密着させてシート表面に平坦性が付与されるようになっている。
抄造の際に配合する薬品としては、湿紙状態での断紙対策としての湿潤強度剤、ヤンキードライヤーからの剥離を安定させるための内添サイズ剤等を使用してもよい。本発明で使用するサイズ剤としては、本発明の所望の効果を損なわないものであれば強化ロジンサイズ剤、ロジンエマルジョンサイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、合成サイズ剤、中性ロジンサイズ剤など公知のサイズ剤のいずれをも用いることができる。
本発明の印刷用不織布は、原布シートに二種類の有機繊維状バインダーを使用していることから繊維の脱落は起こり難いが、オフセット印刷を行う場合、インキのタック力によってゴムブランケットへの繊維の転移等、不織布表面繊維の離脱による作業性の低下及び印刷仕上がり等品質に与える損害が起きる場合があり、これを防止する必要がある。また印刷方式上から、特にオフセット印刷は湿し水を使うこと、インキタックが大きいことから、印刷媒体に対する品質特性として面強度が必要である。そのため、本発明の原布シートには、有機重合物の混合液を接着剤として塗布加工することにより、シート表面の繊維接着をさらに強固にするとともに、インキ着肉性を向上することができる。
本発明で用いられる有機重合物は、アクリル酸エステル共重合体、エチレン酢ビポリマー、メチルメタアクリレートラテックス、スチレンブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックス等が挙げられる。特に限定されないが、インキ着肉性と風合い等を考慮し、アクリル酸エステル共重合体等を使用することが好ましい。
有機重合物は、繊維の脱落防止やインキ着肉性を向上させる目的で用いられるが、印刷用不織布の柔軟性を付与するための柔軟剤、インキ着肉性をさらに向上させるための顔料等を併用してもよい。顔料としては、有機重合物との親和性があって、塗抹し乾燥後に脱落しなければ、無機顔料でも有機顔料でもよい。例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、カオリン、サチンホワイト、合成シリカ、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、プラスチックスピグメント等が単独または併用して用いられる。白色度の高い炭酸カルシウムや二酸化チタンがより好ましい。これら顔料の粒子径は、不織布の平滑性を高めるために50μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以下である。顔料粒子径が50μmを超えると、有機重合物と顔料の混合液中で顔料が沈降し塗布性が悪化し、均一な表面性が保たれていないことがある。
本発明において、有機重合物付着量は、不織布全質量の20〜60質量%が好ましく、より好ましくは25〜50質量%である。付着量が20質量%よりも低いと、インキ着肉性においても十分な濃度が得られないことがある。一方、60質量%を超えると水分散有機重合物の接着により、しなやかな風合いが損なわれることがある。
これらの有機重合物の原布シートへの付与方法は、特に限定されないが、原布シートに機械的力が比較的加わらず、原布シート面を傷めないことから、浸漬法によるサイズプレスやタブサイズプレス等で含浸処理されることが好ましい。含浸処理によって製造された本発明の印刷用不織布は、表裏面におけるインキ着肉性の差が小さく、原布シート内部にまで有機重合物が侵入するため、両面印刷適性を発現させることができる。
有機重合物付与後の乾燥方式は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、特に限定されない。しかし、含浸処理直後にシリンダードライヤーにて乾燥すると、有機重合物の粘着性によりドライヤー汚れが発生し、長時間運転すると有機重合物の粕が印刷用不織布に付着する可能性がある。従って、赤外線乾燥やエアードライヤー等の非接触式にて有機重合物を乾燥させて、シートの粘着性を低減させた後、場合によって、さらにシリンダードライヤーによる接着式の乾燥で平滑性を高めることがより好ましい。
本発明の印刷用不織布の坪量は、特に限定されないが、50〜200g/mが好ましい。50g/m未満の場合、強度や腰(硬さ)不足により、オフセット印刷の際にシワの発生や破れが生じる場合がある。一方、200g/mを超えると、印刷上問題はないものの、一枚当たりの質量が大きくなり、運搬時に支障が出る場合がある。また、厚みは、特に限定されないが、100〜700μmが好ましい。密度が0.5g/cm以下であることが好ましい。密度が0.5g/cmを超えた場合、紙ライクな風合いとなり、しなやかさに欠けるようになることがある。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下、特にことわりのないかぎり、実施例に記載される部及び比率は質量を基準とする。
実施例1
<原布シートの製造>
叩解後の木材パルプ(NBKPカムループス、カナディアン濾水度500ml)、合成繊維(帝人ファイバー株式会社製、ポリエステル繊維、繊維径2.2dtex、繊維長5mm)、熱融着性有機繊維状バインダー(帝人ファイバー株式会社、商品名:メルティー4080、芯鞘型ポリエステルバインダー繊維、繊維径2.2dtex、繊維長5mm)、熱水可溶性有機繊維状バインダー(株式会社クラレ製、商品名:VPB107、PVA繊維、繊維径1.0dtex、繊維長3mm)を60:27:10:3の配合比率で水に混合分散し、角型手抄き装置で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて乾燥し、坪量68g/mの原布シートを得た。
<水分散有機重合物の付与>
上記原布シートに有機重合物(日本ゼオン株式会社製、商品名:LX852B、アクリル酸エステル共重合体)を固形分で32g/mとなるようにサイズプレスにて含浸加工を行い、赤外線乾燥機で予備乾燥した後、シリンダードライヤーにて乾燥して、印刷用不織布を得た。
実施例2〜13、15〜19、比較例1〜4
表2〜4に示す繊維配合に変えた以外は、実施例1と同様の方法で印刷用不織布を得た。
実施例14
実施例8の繊維配合で原布シートを作成した後、有機重合物(日本ゼオン株式会社製、商品名:LX852B、アクリル酸エステル共重合体)と顔料(三共製粉株式会社製、商品名:エスカロン2200、炭酸カルシウム)を60:40の比率で混合し、固形分で32g/mとなるようにサイズプレスにて含浸加工を行い、赤外線乾燥機で予備乾燥した後、シリンダードライヤーにて乾燥して印刷用不織布を得た。
実施例及び比較例で得られた不織布に対して、以下の評価を行い、結果を表2〜4に示した。
試験1(厚さ)
JIS L 1096に準じ、不織布用の厚さ計により厚さを測定した。
試験2(密度)
JIS P 8118に準じ、密度を算出した。印刷用不織布の場合、密度が0.50g/cmを超えると紙ライクとなり、好ましくない。
試験3(風合い)
印刷用不織布を手で触り、その時の触感を表1に示す5段階で評価した。評価はモニター6名によって行われ、各人がそれぞれ評価した等級の最多数をその等級とした。風合いの評価基準は、表1の通りである。
試験4(毛羽立ち)
印刷用不織布の印刷面及び裏面の毛羽立ちの評価を行うために、サンプルをタテ、ヨコ10cm角に切り取り、この中の毛羽(立っている繊維)数を目視で計測し、印刷面及び裏面の総本数によって評価基準を設けた。評価基準は表1の通りである。
Figure 2010084251
試験5(Dryインキ着肉性)
RI印刷機(株式会社明製作所製)の印刷用ロールに藍色インキ(DIC株式会社製、商品名:TRANS−G)を0.6cc付着させよく練り込んだ後、印刷を行い一昼夜乾燥させ、反射濃度計(マクベス社製、商品名:マクベスRD918)で印刷部の濃度を測定した。
Figure 2010084251
Figure 2010084251
Figure 2010084251
表2〜4の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜19の印刷用不織布は、インキ着肉性が良好であり、毛羽立ちと風合いのバランスが取れている。比較例1については、木材パルプを配合していないため、毛羽立ちが悪化している。比較例2は合成繊維を配合していないため、密度が高く、紙ライクであり印刷用不織布には適さない。比較例3、4は有機繊維状バインダーが一種類のみであるため、毛羽立ちが悪化している。
実施例1〜19を比較すると、熱水可溶性有機繊維状バインダーの原布シートに対する配合率が0.5質量%未満である実施例16では、毛羽立ちが悪化する傾向が見られた。また、熱水可溶性有機繊維状バインダーの配合率が5質量%を超えている実施例18及び19では、しなやかさに欠ける傾向が見られた。

Claims (2)

  1. 少なくとも木材パルプ、合成繊維、熱融着性有機繊維状バインダー及び熱水可溶性有機繊維状バインダーを含み、湿式抄紙法にて抄紙した原布シートに、有機重合物を付与してなる印刷用不織布。
  2. 原布シートに対する熱水可溶性バインダーの配合率が0.5〜5質量%である請求項1記載の印刷用不織布。
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JP2013213295A (ja) * 2012-04-02 2013-10-17 Daio Paper Corp テープ用基材及びテープ用基材の製造方法

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