JP3790408B2 - オフセット印刷用不織布 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフセット印刷におけるインキ着肉性を向上させた印刷用不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、壁掛け用カレンダー・ポスター等においてオフセット印刷により印刷された布風の風合いを持った不織布が普及している。近年印刷物の視覚化が進み印刷用不織布に対する要求が高まってきているが、この布風の風合いを持った不織布は、一般的に低密度でポーラスな構造の為、紙と比較した場合、オフセット印刷におけるインキ着肉性が悪く印刷上がりが良いものではない。また剛直度が低い為、枚葉オフセット印刷機での印刷の際、紙詰まりが発生し連続給紙が不可能となる場合がある。またオフセット印刷においては、印刷方式上湿し水を使う事とインクタックが大きい事から印刷媒体に対する特性として耐刷性が要求されている。
【0003】
耐刷性については、特公昭52−18838号公報の様に、湿式抄紙にて抄造したシートに、前処理としてシートに強い撥水性を与え、接着剤を塗布しシートの撥水効果によってシート表面での接着剤の固着を強化し、摩耗性・毛羽立ち等不織布の面強度に関し向上を図るといった手段はあるが、オフセット印刷上がりとしての効果は充分ではない。
【0004】
インキ着肉性を向上させる手段としては、原布シート中の木材パルプの配合比率を上げる方法があるが、これによりカレンダー用途として独特の布風の風合いが損なわれてしまう。
【0005】
また原布シートに撥水剤と水分散有機重合物を塗布加工する際、いずれの撥水剤でもインキ着肉性の向上がある訳ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、カレンダー用途として布風の風合いを損なわず、インキ着肉性を向上させたオフセット印刷用不織布を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、湿式抄紙法にて抄紙した原布シートに、撥水剤及び水分散有機重合物を塗布して成る不織布に於いて、該不織布が木材パルプ/(合成繊維と再生繊維の総量)比が60/40〜28/72の割合で含み、密度が0.33〜0.52g/cm3であることを特徴とするオフセット印刷用不織布であり、撥水剤が、パラフィンとアクリル酸エステル共重合体であるオフセット印刷用不織布であり(請求項1)、撥水剤を塗布し乾燥した後、水分散有機重合物を塗布した請求項1記載のオフセット印刷用用不織布であり(請求項2)、水分散有機重合物を塗布した後の乾燥において、非接触式乾燥で含水率を10〜40%とし、粘着性を低減させた後、印刷性に適した平滑性を得る為に、印刷面に対してシリンダードライヤーによる接着式乾燥を行った請求項1または2記載のオフセット印刷用不織布である(請求項3)。その用途として、好ましくは、カレンダー用不織布であるオフセット印刷用不織布である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に詳細に説明する。
本発明では、カレンダー用途として独特の布風の風合いを損わず、インキ着肉性の良いオフセット印刷用不織布を提供するにはどうあるべきかについて取り組んだ。その結果、不織布を形成する繊維として、木材パルプ/(合成繊維と再生繊維の総量)が質量比で60/40〜28/72の割合であり、密度が0.33〜0.52g/cm3の範囲でなければならない。この比において、木材パルプが28より低く、且つ、密度が0.33g/cm3より低いと、木材パルプによる目詰め効果が低く、不織布がポーラスな構造となり通気度が高くなる為、インクがシート表面に止まりにくくなり内部に浸透し高い印刷濃度が得られない。また木材パルプが60より高く、且つ密度が0.52g/cm3より高いと木材パルプによる目詰め効果が高過ぎる為、不織布が高密度となりインキ着肉性については高い印刷濃度が得られるがカレンダー用途として不織布独特の布風の風合いが損なわれてしまう。
【0009】
本発明における原布シートの製造方法としては、均一な地合いが得られる湿式抄紙が望ましい。湿式抄造は合成繊維と再生繊維を単独または組み合わせて木材パルプと混合して水に分散させスラリーを調節する。スラリーは長網或いは丸網式抄紙機を用いて抄造される。印刷面となる原布シートの表面構造を緻密にしインキ着肉性を向上させる為、乾燥はヤンキードライヤーで行う事が望ましい。
【0010】
本発明で用いられる木材パルプは、NBKP、LBKP、NBSP、LBSPその他いずれの種類のパルプでも限定はされないが、目詰め・強度の点からNBKPが望ましい。また濾水度は、200〜600mlが好ましい。つまり濾水度が、200ml未満であると湿式抄紙ではウェッブ形成の段階で目が詰まっている為、濾水性が悪く均一な地合いが得られ難く、抄造性の点から好ましくない。また濾水度が600mlを超えると抄造性は良いが、原布シートの平滑性が悪くなり、印刷の際にインク着肉性が悪化する。
【0011】
本発明で用いられる合成繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン又はこれらポリマーの変性ポリマー及びコポリマー、アクリル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ナイロン繊維、ウレタン繊維等の有機合成繊維であり、特に限定されないが、風合いや寸法安定性の点からポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。
【0012】
本発明で用いられる再生繊維は、レーヨン等の再生セルロース繊維やコラーゲン、アルギン酸、キチン質等を溶液にしたものを紡糸した繊維が挙げられるが、風合いの点からレーヨンが好ましい。
【0013】
合成繊維と再生繊維の配合比率は、木材パルプとの上記比率の範囲内で、各繊維の持つ風合い及び原布シートの面強度、印刷性等を考慮して調節することができる。合成繊維/再生繊維の配合比率は質量比で、80/20〜50/50とする事が望ましい。比率が大きくなると合成繊維により着肉性が低下し、不織布自体は柔らかい風合いを増す。比率を小さくすると着肉性は上がるが風合いが抑えられる傾向にある。
【0014】
これらの合成繊維と再生繊維は、木材パルプと混合して使用する。合成繊維と再生繊維は繊度が0.5〜6.0デニールが好ましい。繊度が0.5デニールより細いと抄紙性が悪く地合い不良の原因となり、コストアップにもなる、また6.0デニールより太いと平滑性が悪くなる。繊維長は3〜10mmが好ましい。繊維長が3mm以下となると湿式抄紙でワイヤーから繊維が抜け易く歩留り低下となり、10mm以上となるとスクリーンでの詰まり等が発生する。
【0015】
また本発明に用いられるその他の繊維としては、木綿パルプ、ワラパルプ、竹パルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、麻パルプの他、ガラス繊維や炭素繊維等の無機繊維を用いてもよい。
【0016】
抄造の際に配合する薬品としては、湿紙状態での断紙対策として湿潤強度剤やヤンキードライヤーからの剥離を安定させる為、内添サイズ剤を使用してもよい。
【0017】
本発明のオフセット印刷用不織布は、オフセット印刷を行う場合、印刷機械上においてインキ中の繊維の混入、ゴムブランケットへの繊維の付着等、不織布表面繊維の離脱による作業性の低下及び印刷上がり等品質に与える損害を防止する必要がある。また印刷方式上から特にオフセット印刷は湿し水を使う事、インキタックが大きい事から、印刷媒体に対する品質特性として面強度が必要である。
【0018】
その為原布シートに強度な撥水性を与ておき、その後水分散有機重合物を接着剤として塗布加工することにより、シートの撥水効果で水分散有機重合物はシートへの急激な浸透が抑制され、水分散有機重合物がシート表面に多く分布すること、塗布後速やかに乾燥することによってシート表面の繊維接着を強固にすることができる。
【0019】
本発明で用いられる撥水剤は、取扱い上水分散体又は水溶性が望ましく、メチロール化合物、ケイ素化合物などエーテル型によってCell−O−Rからなる構造あるいはフッ素化合物、硬化性メラミン樹脂、シリコン樹脂等にて撥水効果を付与させるものがあるが、撥水効果とインキ着肉性を向上させる為には、パラフィンとアクリル酸エステル共重合体を使用する事が最も好ましい。
これらの撥水剤の塗布方法については、特に制限はないが、湿式抄紙で形成された原布シートの面質を壊さないよう塗布の際に原布シートに機械的力が加わらないようなスプレー法か浸漬法による処理を行うことが好ましく、巾方向及び流れ方向の塗工量のバラツキを抑える為には、サイズプレスやタブサイズプレス等の含浸による浸漬法が望ましい。その後、乾燥、キュアリングによって十分な効果を与える。撥水剤付着量は特に限定されないが、JIS−P−8122(紙のステキヒトサイズ試験方法)にて1秒以下の撥水効果が得られる量が望ましく、不織布全質量の1〜3%が好ましい。
【0020】
本発明で用いられる水分散有機重合物は、アクリル酸エステル、エチレン酢ビポリマー、メチルメタアクリレートラテックス、スチレンブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックスがあるが、インキ着肉性、風合い等より、メチルメタアクリレートラテックスを使用する事が望ましい。これらの水分散有機重合物は、撥水処理加工後の原布シートに機械的力が比較的加わらず原布シート面をいためない浸漬法によるサイズプレスやタブサイズプレス等で含浸処理されることが好ましい。
付着量は、不織布全質量の30〜50%において良好な結果が得られる。乾燥方式は印刷面を接触乾燥させる事により、印刷性に適した高い平滑性が得られる為、シリンダードライヤーによる接触式の乾燥が望ましい。しかし含浸処理直後にシリンダードライヤーにて乾燥すると、水分散有機重合物の粘着性によりドライヤー汚れが発生し、長時間運転すると水分散有機重合物の粕が不織布に付着する可能性がある。従って、赤外線乾燥やエアードライヤー等の非接触式にて水分散有機重合物を乾燥し、シートの含水率を10〜40質量%とし、粘着性を低減させた後、シリンダードライヤーによる接着式の乾燥で平滑性をだすことが望ましい。10%未満にするとその後のシリンダードライヤーでの乾燥による平滑化に硬化はなく、40%を超えると未だ粘着性がある。
【0021】
本発明で用いられるガーレ剛直度は、JIS−L−1085(不織布しん地試験方法)の剛直度を言う。そして本発明のオフセット印刷用不織布のガーレ剛直度は、MD(マシン軸)で400mg未満であると、印刷時におけるシート搬送が悪化する為、400mg以上にする事が望ましい。
【0022】
本発明のガーレ剛直度を実現する手段は、湿式抄紙法にて抄紙した原布シートに、撥水剤及び水分散有機重合物を塗布して成る不織布に於いて、該不織布が少なくとも木材パルプ/(合成繊維と再生繊維の総量)比が60/40〜28/72の割合で含み、密度が0.33〜0.52g/cm3である本発明の不織布全質量を80g/m2以上にすればよい。
【0023】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳細に説明する。以下、実施例に記載される部及び比率は質量を基準とする。
実施例1
〔原布の抄造〕
パルパーに叩解後のNBKPカムループス(濾水度470ml)45部と(ポリエチレンテレフタレート繊維(繊維径2デニール、繊維長5mm)35部+レーヨン繊維(繊維径2デニール、繊維長5mm)20部)を45/(35+20)の配合比で混合分散し、円網抄紙機とヤンキードライヤーにて坪量67g/m2の原布を抄造した。
〔加工〕
上記原布にパラフィンとアクリル酸エステル共重合体からなる撥水剤を含浸加工方式にて固形分で2g/m2となるように塗工した後、熱風乾燥式ドライヤーにて乾燥した。更に、水分散有機重合物としてメチルメタアクリレートラテックス95部及びメラミン樹脂硬化剤5部を固形分で31g/m2となるようサイズプレスにて含浸加工を行い、赤外線乾燥で含水率を15%とした後、シリンダードライヤーにて乾燥し、カレンダー処理後で坪量100g/m2、密度0.42g/cm3、ガーレ硬直度500mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0024】
参考例1
加工時における撥水剤として、硬化性メラミン樹脂を含浸加工方式にて2g/m2塗工した後、熱風乾燥式ドライヤーにて乾燥した。その他については、実施例1と同様にしてオフセット印刷用不織布を得た。
【0025】
実施例2
原布の抄造は実施例1と同様とし、加工時における撥水剤としてパラフィンとアクリル酸エステル共重合体/硬化性メラミン樹脂=1/1の混合液を含浸加工方式にて固形分で2g/m2となるように塗工した後、熱風乾燥式ドライヤーにて乾燥した。その他については、実施例1と同様にしてオフセット印刷用不織布を得た。
【0026】
実施例3
原布の抄造において、NBKPカムループスと(ポリエチレンテレフタレート繊維+レーヨン繊維)を55/(30+15)の配合比で混合分散し、その他については実施例1と同様にして坪量100g/m2、密度0.42g/cm3、ガーレ硬直度520mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0027】
実施例4
原布の抄造において、NBKPカムループスと(ポリエチレンテレフタレート繊維+レーヨン繊維)を30/(45+25)の配合比で混合分散し、その他については実施例1と同様にして坪量100g/m2、密度0.42g/cm3、ガーレ硬直度450mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0028】
実施例5
原布の抄造及び加工については実施例1と同様とし、加工時におけるカレンダー処理のみ変更し、坪量100g/m2、密度0.35g/cm3、ガーレ硬直度530mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0029】
実施例6
原布の抄造は、実施例1と同様とし、実施例1の撥水剤と水分散有機重合物を混合し、サイズプレスによる含浸加工を行いシリンダードライヤーにて乾燥しカレンダー処理後で坪量100g/m2、密度0.42g/cm3、ガーレ硬直度500mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0030】
実施例7
原布の抄造及び加工については実施例1と同様とし、加工時における水分散有機重合物の含浸加工後の乾燥のみ赤外線乾燥は実施せず、シリンダードライヤーにて乾燥した。
【0031】
比較例1
原布の抄造は実施例1と同様とし、加工時において撥水加工をせずメチルメタアクリレートラテックス95部及びメラミン樹脂硬化剤5部を固形分で33g/m2となるようサイズプレスにて含浸加工を行い、シリンダードライヤーにて乾燥しカレンダー処理後で坪量100g/m2、密度0.42g/cm3、ガーレ硬直度500mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0032】
比較例2
原布の抄造は実施例1と同様とし、加工時において撥水剤としてパラフィンとアクリル酸エステル共重合体を固形分で2g/m2となるよう塗工した後、熱風乾燥式ドライヤーにて乾燥し、カレンダー処理後で坪量69g/m2、密度0.42g/cm3、ガーレ硬直度400mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0033】
比較例3
原布の抄造において、NBKPカムループスと(ポリエチレンテレフタレート繊維+レーヨン繊維)を75/(15+10)の配合比で混合分散し、その他については実施例1と同様にして坪量100g/m2、密度0.42g/cm3、ガーレ硬直度600mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0034】
比較例4
原布の抄造において、NBKPカムループスと(ポリエチレンテレフタレート繊維+レーヨン繊維)を20/(50+30)の配合比で混合分散し、その他については実施例1と同様にして坪量100g/m2、密度0.42g/cm3、ガーレ硬直度350mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0035】
比較例5
原布の抄造及び加工については実施例1と同様とし、加工時におけるカレンダー処理のみ変更し、坪量100g/m2、密度0.60g/cm3、ガーレ硬直度350mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0036】
比較例6
原布の抄造及び加工については実施例1と同様とし、加工時におけるカレンダー処理のみ変更し、坪量100g/m2、密度0.25g/cm3、ガーレ硬直度600mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0037】
比較例7
原布として乾式スパンボンド不織布67g/m2を使用し、加工については、実施例1と同様とし、坪量100g/m2、密度0.25g/cm3、ガーレ硬直度300mgのオフセット印刷用不織布を得た。
【0038】
〈評価方法〉
1)インク着肉性
実施例及び比較例で作成したオフセット印刷用不織布に、RI印刷機(株式会社明製作所製)で藍(大日本インキ製:TRANS−G)と、紅(大日本インキ製:GEOS−G)の2色について3g/m2の印刷を行う。マクベスRD918で印刷部の濃度を測定した。値は大きい方が印字濃度が高くインク着肉性が良好であることを示す。
【0039】
2)シート搬送性
実施例及び比較例で作成したオフセット印刷用不織布を菊全判に裁断した後、枚葉オフセット印刷機(ローランドレコードRVK)で3000枚/時での給紙を連続給紙が可能な枚数を確認した。
【0040】
3)風合い
実施例及び比較例で作成したオフセット印刷用不織布のカレンダー用途として布風の風合いがあるかを評価する。
◎───柔軟性があり、布風の風合いが高い。
○───若干腰があるが、布風の風合いがある。
×───腰が硬く、布風の風合いがない。
【0041】
【表1】
【0042】
実施例1〜7で得られた不織布については、高濃度でインク着肉性が良好であり、剛直度も高い為、シート搬送性についても問題のない布風の風合いを持つオフセット印刷用不織布を得る事が出来た。特に実施例1については、インキ着肉性が良好で、印字濃度が高くオフセット印刷時における作業性についても全く問題がなく、布風の風合いが非常に高いオフセット印刷用不織布を得る事が出来た。また加工機のシリンダードライヤー汚れの発生がなく、ドライヤー掃除の為の停機がなくなった。実施例7では実施例1と比べるとトセラテヤーの汚れが早かった。
【0043】
一方、比較例1及び2については、撥水剤及び水分散有機重合物いずれかの加工がない為、インク着肉性が悪化し、十分な濃度が得られなかった。比較例3については、木材パルプ配合比が多い為、腰が硬く布風の風合いがなかった。比較例4については、木材パルプ配合比が少ない為、目詰め効果が低く十分な濃度が得られなかった。また剛直度も低い為、シート搬送性にも問題があった。比較例5については、高密度の為、剛直度が低くシート搬送性にも問題があった。比較例6については、低密度の為、目詰め効果が低く十分な濃度が得られなかった。比較例7については、低密度の為、目詰め効果が低く十分な濃度が得らず、また剛直度が低くシート搬送性にも問題があった。
【0044】
【発明の効果】
本発明のオフセット印刷用不織布は、木材パルプ及び合成繊維・再生繊維からなる原布に、撥水剤と水分散有機重合物を加工する事で、布風の風合いを損なう事なくインク着肉性とシート搬送性に優れたカレンダー用不織布を得る事ができる。
Claims (3)
- 湿式抄紙法にて抄紙した原布シートに、撥水剤及び水分散有機重合物を塗布して成る不織布に於いて、該不織布が少なくとも木材パルプ/(合成繊維と再生繊維の総量)比が60/40〜28/72の割合で含み、密度が0.33〜0.52g/cm3であり、撥水剤が、パラフィンとアクリル酸エステル共重合体であることを特徴とするオフセット印刷用不織布。
- 撥水剤を塗布し乾燥した後、水分散有機重合物を塗布した請求項1記載のオフセット印刷用不織布。
- 水分散有機重合物を塗布した後の乾燥において、非接触式乾燥で含水率を10〜40%とし、粘着性を低減させた後、印刷性に適した平滑性を得る為に、印刷面に対してシリンダードライヤーによる接着式乾燥を行った請求項1または2記載のオフセット印刷用不織布。
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