JP5547421B2 - 印刷用紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は印刷用紙に関する。特に本発明は、嵩高で不透明度、剛度が高い印刷用紙を優れた生産効率で製造する方法に関する。
近年、印刷用紙においても輸送及び郵送コストの削減などのため軽量化に対する要求が非常に高くなってきている。しかし、単純に軽量化すなわち印刷用紙の坪量を下げると紙の厚さが低下し、冊子のボリューム感が損なわれるため好ましくない。紙ユーザーに求められている軽量化とは、紙重量を低下させながら、紙厚は低下させないこと、より好ましくは紙厚を増加させることであり、紙の軽量嵩高化が近年の重要な技術課題である。
一方、印刷物のビジュアル化やカラー化が進み、非塗工印刷用紙に比較し、平滑な塗工層をインキ受理層として有する印刷用塗工紙の需要も年々増加している。しかし、炭酸カルシウムやカオリンなどの無機顔料を主成分とする顔料塗工層は、パルプを主原料とする塗工原紙に比較して比重が重く、塗工紙の軽量のためには低塗工量化が有効である。また、嵩高化という観点からは、塗工原紙を嵩高化することが考えられる。
抄紙の観点から非塗工紙や塗工原紙を嵩高化(低密度化)する手法として、嵩高剤の使用による方法が知られている。公知の嵩高剤として、例えば、特定のアルコール及び/またはそのポリオキシアルキレン付加物を含有する紙用嵩高剤(特許文献1)、非イオン界面活性剤(特許文献2)、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物からなる紙用嵩高剤(特許文献3)などが知られており、これらの紙用嵩高剤を板紙に応用した技術(特許文献4)も提案されている。
しかし、いずれの嵩高剤を用いても、非塗工紙においては、嵩高剤を用いない場合と比較して、カレンダー処理をした場合に紙が潰れやすく、せっかく低密度化した紙がカレンダー処理によって高密度化してしまう。また、カレンダー処理をしない場合、紙の相関強度が低下するなどの問題が生じる恐れがある。一方、塗工紙においては、塗工原紙を嵩高化すると原紙が低密度となり空隙が多くなるので、塗工時に、塗料が原紙内部へ浸透してしまい、低塗工量で均一に原紙表面を被覆することが難しくなる。しかし、原紙の空隙量を減らすために塗工前に原紙をカレンダー処理すれば、紙厚が低下するため嵩高低密度紙は得られない。このように、塗工紙の軽量嵩高化のために、軽量嵩高な原紙を用いても、比重の高い無機顔料を主成分とする塗料を単に塗布しただけでは塗料の浸透のため塗布量が多くせざるを得ず、結局、軽量嵩高化を実現することは難しい。
また、カレンダー処理の観点から紙を嵩高化する方法として、高温でのソフトカレンダー処理による方法が知られている。高温ソフトニップカレンダーによる表面処理は、紙の内層部は比較的低温の状態のまま、ごく表層部のみを高温により可塑化して、金属ロールの鏡面を紙の表層部に転写するメカニズムに基づいている。そのため、従来のスーパーカレンダー処理と比較して、紙の表層部だけ緻密化して白紙光沢度を向上させ、紙の内層部は温度をかけずに潰れさせないために、高温ソフトニップカレンダーを用いると紙の嵩高さを維持できるとされる。しかし、高温ソフトカレンダー処理は、スーパーカレンダー処理と比較して、嵩高効果が得られるものの、カレンダー処理の前後で加圧による紙厚低下が生じることに変わりはない。
また、カレンダー処理前に加熱蒸気をあらかじめ紙表面に付与し、加湿かつ加熱した後、100℃〜150℃でソフトカレンダー処理することにより、嵩高で不透明度、剛度に優れた品質が得られることが提案されている(特許文献5)。しかしながら、ソフトカレンダー処理することで、その前後で少なからず紙厚は低下し、またこの製造方法で連続操業した場合に、経時的に徐々にソフトカレンダーの金属ロール表面に汚れによる曇りが生じ始め、塗被紙の白紙光沢度が次第に低下する問題があり、このため、金属ロールが曇り始めた時点で一旦運転を停止し、ロール表面を洗浄する必要があり、操業性に問題があった。
国際公開98/03730号パンフレット 特開平11−200283号公報 特許第2971447号公報 特許第3041294号公報 特開平4−370298号
この様な状況に鑑みて、本発明の課題は、軽量嵩高な印刷用紙を製造するための新たな方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、カレンダー処理後の紙に水分を付与することにより、低密度で不透明度が高い軽量印刷用紙を良好な操業性で製造できることを見出した。
本発明は、これに限定されるものでないが、以下の発明を包含する。
(1) カレンダー処理工程を有する印刷用紙の製造方法であって、カレンダー処理後であって紙を巻き取る前に、紙に水分を付与することを含む、上記印刷用紙の製造方法。
(2) カレンダー処理後に付与する水分量が、0.1〜5.0g/mである、(1)に記載の製造方法。
(3) カレンダー処理後の紙の紙中水分が、1〜12%である、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4) スプレー式の加湿装置を用いて水分を付与する、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の製造方法。
(5) 前記カレンダー処理が、2ニップ以上のカレンダー処理である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の製造方法。
本発明にしたがってカレンダー処理後の紙に水分を付与することにより、低密度で不透明度が高い軽量印刷用紙を高い操業性で製造することができる。
水分付与
本発明においては、カレンダー工程を含む印刷用紙の製造方法において、カレンダー処理後に水分付与装置などを用いて紙に水分を付与する。カレンダー処理後に付与する水分の量は、紙の重量に応じて適宜決定することができるが、好ましくは0.1〜5.0g/mであり、より好ましくは0.5〜3.5g/mである。
本発明においては、塗工紙または非塗工紙にカレンダー処理を施した後に後述する水分付与工程を行うが、カレンダー処理の条件は特に制限されず、スーパーカレンダーやソフトニップカレンダーなどの公知のカレンダー装置によって表面処理することができる。本発明においては印刷用紙を嵩高化できるため、高温でソフトニップカレンダーを処理する高温ソフトニップカレンダー処理が好ましい。また、本発明においてカレンダーのニップ数は、2ニップ処理以上であることが好ましい。2ニップ未満であると、水分付与する前の紙の繊維があまり潰れておらず、本発明の効果が大きく発揮されない可能性がある。また、カレンダー処理の温度については、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。
本発明の効果を発揮させる好ましい条件としては、カレンダー処理後に水分を付与する前の紙の紙中水分が、1%〜12%であることが好ましい。紙中水分が1%未満であると、カレンダー処理後に付与した水分が十分に紙中に浸透せず、付着水分量が少ないため、繊維の再膨潤効果が見込まれず、嵩高効果が低くなる。またカレンダー処理後の水分が12%以上だと、付与した水によって再湿潤する効果が小さくなるため好ましくない。本発明において紙中水分とは、紙に含まれる水分を重量基準で測定したものであり、採取時の試験片の質量を測定し、その試験片を恒量に達するまで乾燥させることにより、決定することができる。
本発明によって嵩高な紙が得られる理由の詳細は明らかでなく、本発明は以下に拘束されるものではないが、本発明では、抄紙工程やカレンダー工程などによって潰れた繊維に対して、カレンダー処理後の比較的短時間の間に水分を付与するため、潰れた繊維が水分を吸収して膨潤し、結果として嵩高効果が発現するものと考えられる。そのため、本発明においてはカレンダー処理された紙を巻き取る前に水分付与することが好ましい。
本発明において、カレンダー処理後に行われる水分付与の手段は特に制限されず、カレンダー処理後の紙に均一に水分を付与できるものであればよい。水分付与装置の例としては、モイスチャライザー(Metso社製)、モジュールプロ(Voith社製)、カレンダイザー(ハネウェル社製)等が挙げられるが、中でもモイスチャライザー、モジュールプロといったスプレー式(噴霧式)の加湿装置が均一に水分を付与することができ好ましい。
スプレー式の加湿装置を用いた場合の水分付与の条件については特に限定されるものではないが、好ましいノズルの水分噴出角度(ノズルから噴出される液滴が広がる角度)は、10°〜150°であり、より好ましくは10〜90°である。ノズルの水分噴出角度が10°未満であると紙に対し水分が付着する部分と付着しない部分ができ、水分の付着ムラが発生し好ましくない。また、150°以上であると近隣のノズルから噴出された水分粒子との衝突が多くなり、液滴の粒子径が維持されずそれが紙に対し付着ムラとなって現れるため好ましくない。
また、スプレー式の加湿装置を用いた場合の各ノズルにおける好ましいエアー圧は0.01〜5MPaであり、より好ましくは0.1〜1MPaである。ノズルのエアー圧が0.01MPa未満であると液滴の粒子径が好ましい粒子径に維持されず水分付与装置の機能を十分に発揮せず好ましくない。一方、5MPaを超えると、紙に対してエアー圧がかかりすぎるため操業上の問題が発生するおそれがある。
また、スプレー式の加湿装置を用いた場合の好ましい各ノズルの水量は0.1〜10L/hである。0.1L/h未満であると紙に適量の水分を付着させにくく、水分付与の効果が低い。一方、10L/hを超えると、紙に水分が付着しすぎるため紙力の低下が起こり、断紙などの発生原因となるおそれがある。
さらに、スプレー式の加湿装置を用いた場合の好ましい紙とノズルの距離は、10〜5000mmであり、より好ましくは50〜1000mmである。10mm未満であるとノズルから噴出された液滴が十分に細かくならないうちに紙に付着するため、好ましい水分付与の効果を十分に発揮しにくい。一方、5000mmを超えるとノズルから噴出された液滴の速度が十分でなくなり、紙に対し水分が均一に付着せず付着ムラの原因となるため好ましくない。
印刷用紙
本発明は、カレンダー処理工程を有する印刷用紙の製造方法であって、カレンダー処理後の紙に水分を付与することを含む。本発明の印刷用紙は、印刷用途に供される用紙であれば、塗工紙であっても、非塗工紙であってもよい。本発明において塗工紙とは、顔料と接着剤を含む顔料塗工層を原紙上に有する紙である。
本発明の印刷用紙は、嵩高であるため、紙の剛度や不透明度が高く、各種印刷用途に好適に用いることができる。したがって、例えば、コールドオフセット印刷やホットオフセット印刷などの平版印刷、グラビア印刷などの凹版印刷、凸版印刷などの印刷方式で印刷することができる。また、本発明によって製造される紙は、例えば、上質印刷用紙、中質印刷用紙、新聞用紙、書籍用紙、各種コート紙用の原紙、情報記録用紙などとして用いることができる。
本発明の印刷用紙の坪量は、各種用途に応じて設定され特に制限されるものではないが、好ましくは25〜400g/mであり、より好ましくは30〜150g/mである。また、本発明の印刷用紙の密度に関しても各種用途に応じて設定され特に制限されるものではないが、好ましくは0.40〜1.80g/cm、であり、より好ましくは0.50〜1.50g/cmである。好ましい態様において、非塗工紙の密度は0.67g/cm以下、塗工紙の密度は0.98g/cm以下である。
本発明の印刷用紙(塗工紙の場合は原紙)は、一般的な紙を自由に用いることができ、パルプ、填料、各種助剤を含んでなる。パルプとしては、化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を用いることができるが、機械パルプは化学パルプ、半化学パルプに比べ、繊維が剛直なので、カレンダー処理によって潰れた繊維が水分付与により水分を吸収して膨潤するため、結果として嵩高効果を発揮しやすくなる。そのため、本発明においては、機械パルプをパルプ原料の10重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上とすることがより好ましい。
また、本発明の印刷用紙は填料を含有してもよい。填料に制限はないが、例えば、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。
さらに、本発明の印刷用紙には、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の製紙用添加剤も必要に応じて添加することができる。
印刷用紙の抄紙方法については、特に制限されず、従来より抄紙用に用いられている長網フォーマー、オントップハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマーなどのフォーマ部を有するマシン(抄紙機)を用いて抄紙することができる。抄紙は、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙のいずれの方式で抄紙することができる。本発明の印刷用紙が塗工紙である場合、塗工原紙の坪量は、一般の塗工紙に用いられる25〜400g/m程度のものを好適に使用することができる。
本発明においては、必要に応じて、澱粉などの接着剤をサイズプレスなどにより印刷用紙にクリア塗工してもよい。クリア塗工に使用される接着剤としては、特に限定されるものでないが、例えば、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酸素変性澱粉などの澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアルコール(PVA)等を、単独あるいは混合して使用することができる。また、必要に応じて、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などの助剤を加えてクリア塗工を行ってもよい。
本発明のサイズプレス処理で用いる塗工方式および塗工装置は特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができ、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロースコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなどを用いることが好ましい。
また、本発明においては、必要に応じて原紙上に顔料および接着剤を含有する塗工層を塗工してもよい。顔料塗工層に用いる接着剤は、塗工紙用に従来から用いられているものを使用することができ、例えば、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいはポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などのから、1種以上を適宜選択して使用することができる。これらの接着剤は、顔料100重量部に対して、5〜35重量部の範囲で使用される事が好ましく、より好ましくは7〜25重量部である。35重量部を超える場合は、カレンダー処理後に水分を付与しても、紙に水分が吸収されにくく、嵩高効果が小さくなり好ましくない。また、5重量部未満の場合は、十分な表面強度がえられず好ましくない。
顔料塗工層に用いる顔料の種類は、塗工紙用に従来から用いられているものを使用することができ、例えば、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。本発明においては、塗料の塗工適性や塗工紙の品質など所望の性質を得るため、通常複数の顔料を併用することが好ましい。また、顔料の種類としては、カオリン、クレーエンジニアードクレカオリン、デラミネーテッドクレーよりも重質炭酸カルシウムのほうが紙に水分が付着してから原紙に到達するまでの距離が短く嵩高効果を発現しやすいため好ましい。顔料中の好ましい重質炭酸カルシウム含有量は、顔料100重量部あたり10重量部以上であり、より好ましくは30重量部以上、さらに好ましくは50重量以上である。
本発明の顔料および接着剤を含有する塗工層を設ける場合の塗工液には、助剤として分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
本発明において顔料塗工層を設ける際の塗工方法については、特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができ、例えば、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工後の湿潤塗工層を乾燥させるドライヤーとしては、一般的なものを使用することができ、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の装置を用いることができる。
このようにして得られる本発明の印刷用紙は、水分付与処理を行い場合と比較して、低密度で不透明度に優れており、本発明によって軽量印刷用紙を良好な操業性で製造することが可能になる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、本明細書において部および%は重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
(評価方法)
塗工液及び得られたオフセット印刷用塗工紙について、以下に示す評価法に基づいて試験を行った。
(1)密度:JIS P 8118に基づいて測定した。
(2)不透明度:JIS P 8138に基づいて測定した。
(3)クラーク剛度:JIS P 8143に基づいて測定した。
[実施例1]
NBKP(CSF440ml)5部、針葉樹TMP(CSF90ml)95部のパルプスラリーに、硫酸バンド1.6%、紙力剤(EX−230、ハリマ化成製)0.2%を添加し、歩留剤(DR−3600、ハイモ株式会社)200ppmを添加し、デュオフォーマーFM型抄紙機にて、550m/分の速度で抄紙した。
抄紙した紙を、ショア硬度91°の弾性ロールを有する2ロール2スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1、2ニップすべてが金属ロール表面温度80℃、線圧30kN/mの条件で2ニップのカレンダー処理し、カレンダー後の水分が5%となるよう調整した。
その後、紙を巻き取る前に、カレンダー処理後の紙に対して、モジュールプロ(Voith社製)を用いて水分付着量が1.0g/mとなるようノズル噴出角度50°、エアー圧0.3MPa、各ノズル水量1L/h、紙とノズルとの距離140mmの条件で水分付与処理を行い、印刷用非塗工紙を得た。
[実施例2]
水分付着量を1.0g/mから3.0g/mに変更した以外は、実施例1と同様の方法で印刷用非塗工紙を得た。
[実施例3]
本実施例では、填料として、軽質炭酸カルシウムを原紙重量あたり11%含有し、製紙用パルプとして、化学パルプ/機械パルプ/脱墨上質古紙=50/30/20%の割合で含有する、坪量40g/m、密度0.66g/cmの中質紙の塗工原紙を用いた。
微粒クレー(ハイドラグロス、Kamin社製)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度73%の微粒クレースラリーを調製した。得られた微粒クレースラリー30部(固形分)に微粒重質炭酸カルシウムスラリー(FMT−90、ファイマテック製)70部(固形分)を添加して、顔料スラリーを調製した。この様にして得られた顔料スラリーに、スチレンブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移点温度20℃、ゲル含量85%)10部、ヒドロキシエーテル化澱粉(PG295、ペンフォード製)6部を加えた後、さらに水を加えて固形分濃度65%の塗工液を調製した。
上記塗工液を上記原紙に、片面あたりの塗工量が10g/mとなるように塗工速度1600m/minでブレードコーターを用いて両面塗工した後、塗工紙水分が5%となるように乾燥した。
その後、ショア硬度91°の弾性ロールを有する2ロール6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1〜6ニップすべてが金属ロール表面温度150℃、線圧200kN/mの条件で6ニップのカレンダー処理し、カレンダー後の水分が3%となるよう調整した。
その後、紙を巻き取る前にモジュールプロ(Voith社製)にて水分付着量が1.0g/mとなるようノズル噴出角度50°、エアー圧0.3MPa、各ノズル水量1L/h、紙とノズルとの距離140mmの条件で水分付与処理を行い、坪量60g/mの印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
水分付着量を1.0g/mから3.0g/mに変更した以外は、実施例3と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例5]
乾燥条件を変更して、両面塗工後の塗工紙水分が7%、カレンダー後の塗工紙水分が5%となるよう調整した以外は、実施例3と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例6]
実施例3において、水分付着量を1.0g/mから3.0g/mに変更し、乾燥条件を変更して、両面塗工後の塗工紙水分が7%、カレンダー後の塗工紙水分が5%となるよう調整した以外は、実施例3と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
カレンダー処理後の水分付与を実施しない以外は、実施例1と同様の方法で印刷用非塗工紙を得た。
[比較例2]
カレンダー処理後の水分付与を実施しない以外は、実施例3と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
乾燥条件を変更して、両面塗工後の塗工紙水分が7%、カレンダー後の塗工紙水分が5%となるよう調整し、カレンダー処理後の水分付与を実施しない以外は、実施例3と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
Figure 0005547421
表1に示すように、本発明にしたがってカレンダー処理後の紙に水分を付与することによって、紙の密度が低下し、紙を嵩高化することができた。

Claims (7)

  1. カレンダー処理を施して紙中水分が1〜12%の紙を得ることと、
    カレンダー処理後であって紙を巻き取る前に、スプレー式の加湿装置を用いて0.1〜5.0g/mの水分を紙に付与することと、
    を含む、パルプ原料の10重量%以上が機械パルプである印刷用紙の製造方法。
  2. 前記カレンダー処理が、2ニップ以上のカレンダー処理である、請求項1に記載の方法。
  3. 80℃以上でカレンダー処理を行う、請求項1または2に記載の方法。
  4. 水分付与の際にスプレーノズルと紙との距離が10〜5000mmである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記印刷用紙の不透明度が89%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記印刷用紙が、密度が0.67g/cm以下の非塗工紙、または、密度が0.98g/cm以下の塗工紙である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記印刷用紙が、顔料100重量部に対して5〜35重量部の接着剤を含む顔料塗工層を有する塗工紙である、請求項6に記載の方法。
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