JP2005248351A - 印刷用塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】光沢むらが少なく、良好な印刷用平滑性が得られる印刷用塗工紙を提供する。
【解決手段】原紙(紙基材)上に、顔料および接着剤を主成分とする塗工層を設けた印刷用塗工紙において、原紙中の無機填料の含有量を灰分として15%以下とし、この原紙に塗工剤を塗布し塗工紙の水分率が3〜8%になるように乾燥した後、130℃以上の熱カレンダーで平滑化処理する。前記塗工層中の接着剤として、Tgが5℃以上40℃以下の共重合体ラテックスを含有する。又は、Tgが−15℃以上5℃未満の共重合体ラテックスが含有されるとともに、潤滑剤として平均粒子径3μm以下のステアリン酸カルシウムが含有され、前記ステアリン酸カルシウムの固形分含有量を前記共重合体ラテックスの3〜10重量%とする。
【選択図】なし
【解決手段】原紙(紙基材)上に、顔料および接着剤を主成分とする塗工層を設けた印刷用塗工紙において、原紙中の無機填料の含有量を灰分として15%以下とし、この原紙に塗工剤を塗布し塗工紙の水分率が3〜8%になるように乾燥した後、130℃以上の熱カレンダーで平滑化処理する。前記塗工層中の接着剤として、Tgが5℃以上40℃以下の共重合体ラテックスを含有する。又は、Tgが−15℃以上5℃未満の共重合体ラテックスが含有されるとともに、潤滑剤として平均粒子径3μm以下のステアリン酸カルシウムが含有され、前記ステアリン酸カルシウムの固形分含有量を前記共重合体ラテックスの3〜10重量%とする。
【選択図】なし
Description
本発明は印刷用塗工紙に関し、印刷品質特にインキ受理性、インキ吸収性等が良好であり、しかも光沢むらが少なく嵩高な印刷用塗工紙に関する。
近年、印刷物のビジュアル化、カラー化、高級化志向等に伴い、紙基材(原紙)の片面又は両面に塗工層を形成した印刷用塗工紙においては、平滑性及び光沢度の向上がより求められている。
印刷用塗工紙は、紙基材上に顔料および接着剤を主成分とする塗工液を塗布、乾燥することによって製造されている。そして、この塗工紙は、その平滑性及び光沢度を高めるためにスーパーカレンダー処理されるのが一般的である。
ところが、このスーパーカレンダー処理によって塗工層の空隙構造が緻密になり、印刷品質特にインキ受理性、インキ吸収性等が低下する。このためカレンダー処理によって塗工層が潰されないように、可能な限り低い線圧で塗工層表面の平滑化を図るとともに高光沢を得る方法が考えられ、その一つに熱カレンダーによる平滑化処理が知られている。熱カレンダーは一対の金属ロールと弾性ロールからなるソフトカレンダーで、金属ロールの表面温度を130℃としたものである。
熱カレンダーは、従来のスーパーカレンダーと比較して、少ないニップ数で高い表面平滑及び高光沢を得ることができる利点を有している。これは紙基材を比較的嵩高に保持したまま、加熱金属ロールと弾性ロールからなるニップを通過する間に、塗工層に接着剤として使用されている共重合体ラテックス等の熱可塑性物質が高熱と圧力によって可塑化され、塗工層中の顔料を効果的に配向させて塗工層表面の平滑化が行なわれると考えられている。
一方で、熱カレンダーでは高い硬度を有する弾性ロールが使用されるために、紙基材に地合むらがあったり、塗工層の塗工量むらがあったりすると、密な部分に熱、圧力が集中するために、塗工層の密度が上昇し、白色光沢むらを発生させやすい欠点を有している。
紙基材上に塗工層を設けた塗工紙をソフトカレンダーで処理して印刷用塗工紙を製造する方法としては、例えば下記の文献を挙げることができる。
例えば、(1)原紙上に、アクリロニトリル1〜30重量%を単量体の一成分とするTg(ガラス転移温度)が0〜25℃である共重合体ラテックスと、顔料とを含有する塗工層を設けた塗工紙をソフトカレンダーで処理する方法(下記特許文献1参照)、(2)原紙上に、顔料と共重合体ラテックスとを含有する塗工層を設けた塗工であって、ソフトカレンダー通紙後の塗工紙の水分が通紙前の水分より0.5〜2.5重量%低くなるように通紙して仕上げる方法(下記特許文献2参照)、(3)原紙(塗工用支持体)上に、Tgが20〜40℃で粒径が70〜110nmの範囲にある共重合体ラテックスと、顔料とを主成分とする塗工液を塗布し、乾燥後、ソフトカレンダー(金属ロール表面温度:150℃以上)で処理する方法(下記特許文献3参照)などである。
しかし、これらの印刷用塗工紙の製造方法では白紙光沢度が良好であるものの、本発明者が意図する程度の、光沢むらが少なく、表面平滑性が良好で、かつ嵩高な印刷用塗工紙を得ることができない。
特開平9−256296号公報
特開平10−168790号公報
特開2000−170093号公報
本発明の課題は、紙基材上に顔料および接着剤を主成分とする塗工液を塗布乾燥後、形成された塗工層を熱カレンダーにより平滑化処理して、平滑度が高く、光沢むらが少なく、かつ嵩高であって印刷適性にすぐれた印刷用塗工紙を提供することである。
本発明者は特にインキ受理性、インキ吸収性等にすぐれた印刷用塗工紙を得るために多くの研究検討を行ってきた結果、紙基材中の無機填料の配合量を規定し、かつ、熱カレンダーで平滑化処理される以前の塗工紙の水分率を3〜8%に調整しておくことによって、所望の印刷用塗工紙が得られることを見出した。 本発明は、こうした知見に基いてなされたもので、上記課題は下記(1)〜(5)によって達成される。
(1)紙基材上に、顔料および接着剤を主成分とする塗工層を設けた印刷用塗工紙において、前記紙基材中の無機填料の含有量が灰分として15重量%以下であり、かつ、この紙基材上に塗工層が塗設され、乾燥により塗工紙の水分率が3〜8重量%に調整された後、オンマシンあるいはオフにて130℃以上の熱カレンダーにより平滑化処理されてなることを特徴とする印刷用塗工紙。
(2)前記塗工層中の接着剤として、Tgが5℃以上40℃以下の共重合体ラテックスを含有することを特徴とする上記(1)に記載の印刷用塗工紙。
(3)前記塗工層中の接着剤として、Tgが−15℃以上5℃未満の共重合体ラテックスが含有されるとともに、潤滑剤として平均粒子径3μm以下のステアリン酸カルシウムが含有され、前記ステアリン酸カルシウムの固形分含有量が前記共重合体ラテックスの3〜10重量%であることを特徴とする上記(1)に記載の印刷用塗工紙。
(4)紙基材は機械パルプが全パルプに対し5〜50重量%含有されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
(5)前記熱カレンダーが加熱手段を備えた金属ロールと弾性ロールとで構成されるソフトカレンダーであり、前記金属ロールには幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置が装備されるとともに、前記金属ロールの近傍にロール幅方向に分割制御可能な外部電磁誘導作用による外部加熱装置が装備されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
請求項1記載の発明によれば、紙基材中の無機填料の含有量が灰分として15重量%以下とし、かつこの紙基材に塗工層が塗設された後、乾燥して塗工紙の水分を3〜8重量%に調整した後、これを熱カレンダーで平滑化処理することで、表面平滑性にすぐれ、光沢むらの発生が少ない、嵩高の印刷用塗工紙が得られるようになる。
請求項2記載の発明によれば、塗工層に用いられる接着剤としてTgが5℃以上、40℃以下の共重合体ラテックスを含有しているため、熱カレンダーでの平滑化処理がロール汚れ等を起こすことなく良好に行なえるようになる。
請求項3記載の発明によれば、塗工剤に平均粒子径(d50)が3.0μm以下のステアリン酸カルシウムを併用することで、接着剤としての共重合体ラテックスTgが−15℃〜5℃未満のものも使用できるようになる。
請求項4記載の発明によれば、紙基材中に機械パルプを全パルプに対し5〜50重量%を含有させたことにより、紙基材のクッション性が高まり、熱カレンダーによる塗工層表面の平滑化が一層促進されるようになる。
請求項5記載の発明によれば、熱カレンダーの金属ロール(加熱を備えた金属ロール)の加熱方式が電磁誘導加熱方式であるため、加熱効率が高く、ウォームアップ時間が短縮され、さらに金属ロールの温度分布が均一になり、塗工層表面の平滑性はより良好となり、光沢むらの発生は極力抑えられるようになる。
本発明の印刷用塗工紙の紙基材の原料パルプは、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)等の化学パルプ、サーモメカニカルパルプ(TMP)、プレッシャライズドグラウンドパルプ(PGW)、ケミカルグラウンドパルプ(CGP)、グラウンドパルプ(GP)、レフアイナーグラウンドパルプ(RGP)等の機械パルプ、古紙パルプ、あるいはケナフ、竹、麻、藁等の非木材パルプ等を単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。この中でも、機械パルプを全パルプに対し5〜50重量%含んでいることが好ましい。
機械パルプを配合する主目的は、紙基材のクッション性を高めることである。紙基材に塗工剤が塗工され、乾燥後にカレンダーによる平滑化処理が施されるが、紙基材のクッツション性が高いと塗工層表面の平滑化が促進される。クッション性が劣る場合、紙基材の地合ムラの影響によって、カレンダー処理で光沢ムラが生じ易くなる。
機械パルプの配合量が5重量%未満であると、このクッション性の向上効果が少ない。一方、50重量%を超えると、クッション性の効果はあるものの、紙基材の紙力が低下し、抄造時あるいは塗工時に紙切れが発生し易くなったり、印刷用塗工紙の光あるいは熱による退色性が大きくなり、印刷物を長期間保管する場合に退色の問題が発生するおそれがあるので好ましくない。
使用される機械パルプは前述した公知の種々の機械パルプが使用されるが、その中でも熱及び/又は圧力下で砕木処理が施されているTMPあるいはPGWが、紙力の低下が比較的少ないのでより好ましい。
また、本発明の印刷用塗工紙の紙基材中の無機填料の含有量は灰分換算で15%以下、好ましくは12%以下である。
無機填料は紙基材の白色度、不透明度等の光学的特性を向上するために使用されるが、過度に配合されると、紙基材のクッション性が低下し、上述の機械パルプ配合のクッション性と同様な考えでカレンダーによる平滑化処理の効果を低下させてしまう。このため15%以下、好ましくは12%以下にする必要がある。
無機填料としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、焼成クレー、二酸化チタン、合成ゼオライト、シリカ等の種々の無機填料を使用できる。またこれらの無機填料は単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
紙基材の坪量については、特に限定されず、一般の印刷用塗工紙の坪量、具体的には25〜200g/m2の坪量とすることができる。また、基材の抄紙方法についても特に限定されるものではないので、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙のいずれであっても良い。
本発明において使用される塗工剤の成分は、顔料および接着剤が主成分であり、接着剤として、ガラス転移温度(Tg)が5℃以上、40℃以下の共重合体ラテックスが含有されている。
本発明では後述するように、塗工剤が塗工、乾燥後に130℃以上の熱カレンダーで平滑化処理を施すが、共重合体ラテックスのTgが5℃末満であると、塗工層表面の粘着性が高まり、熱カレンダーを構成する金属ロール(加熱手段を有する金属ロール)の表面に塗工層の一部が捉えられ、時間の経過とともにロール汚れが顕著になり連続操業が困難になる。またTgが40℃を超えると、塗工層が硬くなり、熱カレンダーによる平滑化効果が低下する。
ー方、塗工剤において顔料、共重合体ラテックスとともに平均粒子径(d50)が3.0μm以下、好ましくは2.8μm以下のステアリン酸カルシウムを併用し、かつステアリン酸カルシウムの固形分含有量が共重合体ラテックスの3〜15重量%になるように配合することで、共重合体ラテックスのTgが5℃未満でも前述のカレンダーのロール汚れを防止でき、より熱カレンダーによる平滑化効果が向上する。
これは紙基材に塗工剤が塗工され、乾操される工程でステアリン酸カルシウムが塗工層表面に移動することによって、金属ロール表面と塗工層表面間の潤滑効果が高まり、共重合体ラテックスの粘着性を抑制するものと考えられる。
この潤滑効果は、ステアリン酸カルシウムの平均粒子径(d50)が3.0μmを超えると、効果がなく、また配合量が共重合体ラテックスに対し、3重量%未満では効果はない。また配合量が15重量%を超えると、共重合体ラテックスの接着力を低下させるので好ましくない。より好ましい範囲は3〜12重量%である。
しかし、ステアリン酸カルシウムを使用しても、共重合体ラテックスのTgが−15℃未満であると、潤滑劾果はなく、ロール汚れが生じるおそれがある。このため、上記のステアリン酸カルシウムが併用された場合の、共重合体ラテックスはTgが−15℃以上、5℃未満のものが適当である。
共重合体ラテックスとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジェン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジェン共重合体ラテックス等の共役ジェン系共重合体ラテックス、アクリル系共重合体ラテックス、ビニル系共重合体ラテックス等があり、単独で使用しても良いが、2種以上を混合しても良い。
また接着剤として、酸化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子などを併用しても良い。
なお、接着剤の配合量は、固形分換算で顔料100重量部に対して5〜25重量部、好ましくは7〜20重量部である。接着剤の配合量がこのような範囲であると、塗工層の表面強度と、塗工性およびカレンダーの操業性とのバランスを向上させることができるので好ましい。
本発明の印刷用塗工紙に使用される塗工剤の主成分である顔料としては、例えばカオリン、焼成カオリン、デラミネーテッドカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、サチンホワイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、タルク等の無機顔料や、ポリスチレン粒子、尿素ホルマリン粒子、スチレン−アクリル共重合体粒子、ポリエチレン粒子等の有機顔料等の公知の種々の顔料が含まれていても良い。またこれらの顔料は2種以上が混合されても良い。
また、本発明の印刷用塗工紙に使用される塗工剤は、顔料、接着剤およびステアリン酸カルシウムの他、分散剤、増粘剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等の種々の助剤を使用目的やニーズに応じて適宜配合することができる。
紙基材に塗工される塗工剤の固形分濃度は40〜70重量%、好ましくは45〜65重量%の範囲であることが好ましい。塗工剤の固形分濃度が高いと、粘度が高くなり過ぎ、塗工欠陥の発生が多くなり、操業性が劣る場合があるので好ましくない。一方、塗工剤の固形分濃度が低いと、塗工量のプロファイル制御がしにくくなること、あるいは塗工後の乾燥負荷が増加する等の問題があるので好ましくない。
上述したような顔料および接着剤を主成分とする塗工剤は、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、トランスファーロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、バーコーター、カーテンコーター等の塗工紙製造分野で一般に使用されている種々の塗工装置を設けたオンマシン又はオフマシンコーターで紙基材に塗工することができる。
また、上記塗工剤の塗工量は、一般に固形分換算で片面当り3〜25g/m2であるが、本発明の印刷用塗工紙は、白紙品質、印刷品質、塗工適性、及び高速塗工時における乾燥能力等を考慮すると、固形分換算で片面当り5〜20g/m2、より好ましくは6〜15g/m2で塗工されることが望ましい。
塗工剤を塗工した後、例えば蒸気加熱、熱風加熱、赤外線ヒーター加熱、ガスヒーター加熱、電気ヒーター加熱、高周波加熱、レーザー加熱、電子線加熱等の公知の種々の加熱乾燥方式によって、紙基材上の湿潤塗工層を乾燥させることができる。
本発明の印刷用塗工紙は前記塗工剤が塗工、乾燥された後、130℃以上の熱カレンダーで平滑化処理されるが、カレンダー前の(平滑化処理前の)塗工紙の水分率は3〜8重量%に調整される。水分率が3重量%未満であると、紙厚や光沢度の変化幅が少なくなり、8重量%を超えると、塗工紙の表面温度の上昇速度が遅くなったり、潰し効果が発現し易く平滑度は上昇するものの、幅方向の水分のバラツキが大きくなり、潰しムラを生じ易くなる。
また、熱カレンダーとしては、金属ロールと弾性ロールで構成されるソフトカレンダーであり、前記金属ロールには幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置が装備され、さらに金属ロ一ル近傍にロール幅方向に分割制御可能な外部電磁誘導作用による外部加熱装置が装備されたものを使用することによって、安定した熱を供給することができ、幅方向で光沢ムラのない印刷用塗工紙を得ることができる。
金属ロ一ルの表面温度は130℃以上に調整される。塗工層表面は高温で可塑化され平滑化されるが、130℃未満であるとその効果が弱く、150℃以上がより好ましい。加熱温度の上限は特に制限されないが、弾性ロール材料の耐熱性、紙基材の熱による変色等を考慮すると、300℃以下が好ましい。なお、前記金属ロ一ルと弾性ロールで構成されるソフトカレンダーは複数ユニット装備されていても良いが、設置スペース、平滑化の効果を考慮すると2ユニットが好ましく、また塗工装置と一体となったオンマシンでも塗工装置とは独立したオフのカレンダーでも良い。
次に実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、%及び部は重量基準である。
(実施例1)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)20%、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)60%、プレッシャーライズドグラウンドパルプ(PGP)20%の比例構成からなるパルプスラリーを調整した。このパルプスラリーに固形分対比でパルプに対し中性サイズ剤(アルキルケテンダイマー)0.1%、填料として軽質炭酸カルシウムを灰分で10%となるように添加し、オントップワイヤー型抄紙機を使用して抄紙を行って坪量50g/m2の紙基材を得た。
一方、顔料として米国No1グレードのカオリン60部、及び平均粒子径1.1μmの重質炭酸カルシウム40部、接着剤としてTgが15℃のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス10部、リン酸エステル化澱粉3部を加え、さらに水を加えて固形分濃度58%の塗工剤を調整した。
(実施例1)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)20%、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)60%、プレッシャーライズドグラウンドパルプ(PGP)20%の比例構成からなるパルプスラリーを調整した。このパルプスラリーに固形分対比でパルプに対し中性サイズ剤(アルキルケテンダイマー)0.1%、填料として軽質炭酸カルシウムを灰分で10%となるように添加し、オントップワイヤー型抄紙機を使用して抄紙を行って坪量50g/m2の紙基材を得た。
一方、顔料として米国No1グレードのカオリン60部、及び平均粒子径1.1μmの重質炭酸カルシウム40部、接着剤としてTgが15℃のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス10部、リン酸エステル化澱粉3部を加え、さらに水を加えて固形分濃度58%の塗工剤を調整した。
この塗工剤を上記の紙基材に片面あたり固形分付着量が8g/m2になるように、ロッドメタリングサイズプレスコーターを用いて両面塗工を行い、赤外線ドライヤーおよび熱風ドライヤーでカレンダー通紙前の水分率が5%となるように乾燥した。続いて、これをオンコーター仕様の2ユニットの熱カレンダーに塗工面が金属ロール(表面温度200℃)に接触するように通紙を行なって印刷用塗工紙を得た。この金属ロールには幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置が装備されており、かつ該金属ロールの近傍にロール幅方向に分割制御可能な外部電磁誘導作用による外部加熱装置が装備されている。
(実施例2〜4、比較例1及び2)
実施例1において、金属ロール温度、熱カレンダー通紙前の水分率等を表1に示すような条件にして印刷用塗工紙を得た。
実施例1において、金属ロール温度、熱カレンダー通紙前の水分率等を表1に示すような条件にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例5)
実施例1のカレンダー処理において、外部加熱装置を使用せず、内部加熱装置のみでの加熱とし、表1に示す条件で通紙して印刷用塗工紙を得た。
実施例1のカレンダー処理において、外部加熱装置を使用せず、内部加熱装置のみでの加熱とし、表1に示す条件で通紙して印刷用塗工紙を得た。
(実施例6)
実施例1において、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの代りに、
Tgが40℃のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
実施例1において、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの代りに、
Tgが40℃のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例7)
NBKP25%、LBKP70%、PGW5%の比例構成からなるパルプスラリーを調整した。このパルプスラリーに固形分対比でパルプに対し、中性サイズ剤(アルキルケテンダイマー)0.1%、填料として軽質炭酸カルシウムを灰分で15%を添加し、オントップワイヤー型抄紙機を使用して抄紙を行って坪量40g/m2の紙基材を得た。
NBKP25%、LBKP70%、PGW5%の比例構成からなるパルプスラリーを調整した。このパルプスラリーに固形分対比でパルプに対し、中性サイズ剤(アルキルケテンダイマー)0.1%、填料として軽質炭酸カルシウムを灰分で15%を添加し、オントップワイヤー型抄紙機を使用して抄紙を行って坪量40g/m2の紙基材を得た。
一方、顔料として米国No1グレードのカオリン80部、及び平均粒子径1.1μmの重質炭酸カルシウム20部、接着剤としてTgが−15℃のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス12部、潤滑剤として平均粒子径2.8μmのステアリン酸カルシウム0.8部を加え、さらに水を加えて固形分濃度58%の塗工剤に調整した。
この塗工剤を上記の紙基材に片面あたり固形分付着量が6g/m2になるように、ロッドメタリングサイズプレスコーターを用いて両面塗工を行い、赤外線ドライヤーおよび熱風ドライヤーでカレンダー通紙前の水分率が4%となるように乾燥した。続いて、これをオンコーター仕様の2ユニットの熱カレンダーに塗工面が金属ロール(表面温度250℃)に接触するように通紙を行なって印刷用塗工紙を得た。
(評価)
実施例1〜7及び比較例1、2の評価結果を表1に示す。
(白紙光沢度)JIS p8142に準じ、角度75度で測定した。
(光沢むら)印刷用塗工紙表面の光沢むらを目視により評価した。○は良好、△はやや劣る、×は劣る、を意味する。
(熱カレンダーロールの汚れ)熱カレンダーで5万m通紙処理した時点での金属ロールまたは弾性ロール表面の汚れ状態を目視により評価した。○は汚れなし、×は汚れあり、を意味する。
(印刷平滑性)RI印刷適性試験材(明製作所製)を用い印刷して評価した。インキは大日本インキ社製のTRANS−G(藍)、インキ量は0.5mlとした。
◎:着肉むら、インキ転写不良等が目視できない
○:着肉むら、インキ転写不良等僅かにある
△:着肉むら、インキ転写不良等があるが、実用上問題ない
×:着肉むら、インキ転写不良等が多い
実施例1〜7及び比較例1、2の評価結果を表1に示す。
(白紙光沢度)JIS p8142に準じ、角度75度で測定した。
(光沢むら)印刷用塗工紙表面の光沢むらを目視により評価した。○は良好、△はやや劣る、×は劣る、を意味する。
(熱カレンダーロールの汚れ)熱カレンダーで5万m通紙処理した時点での金属ロールまたは弾性ロール表面の汚れ状態を目視により評価した。○は汚れなし、×は汚れあり、を意味する。
(印刷平滑性)RI印刷適性試験材(明製作所製)を用い印刷して評価した。インキは大日本インキ社製のTRANS−G(藍)、インキ量は0.5mlとした。
◎:着肉むら、インキ転写不良等が目視できない
○:着肉むら、インキ転写不良等僅かにある
△:着肉むら、インキ転写不良等があるが、実用上問題ない
×:着肉むら、インキ転写不良等が多い
表1の評価結果から明らかなように、本発明の印刷用塗工紙は表面性、印刷適性などの品質にすぐれたものである。
Claims (5)
- 紙基材上に、顔料および接着剤を主成分とする塗工層を設けた印刷用塗工紙において、前記紙基材中の無機填料の含有量が灰分として15重量%以下であり、かつ、この紙基材上に塗工層が塗設され、乾燥により塗工紙の水分率が3〜8重量%に調整された後、オンマシンあるいはオフにて130℃以上の熱カレンダーにより平滑化処理されてなることを特徴とする印刷用塗工紙。
- 前記塗工層中の接着剤として、Tgが5℃以上40℃以下の共重合体ラテックスを含有することを特徴とする請求項1記載の印刷用塗工紙。
- 前記塗工層中の接着剤として、Tgが−15℃以上5℃未満の共重合体ラテックスが含有されるとともに、潤滑剤として平均粒子径3μm以下のステアリン酸カルシウムが含有され、前記ステアリン酸カルシウムの固形分含有量が前記共重合体ラテックスの3〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載の印刷用塗工紙。
- 前記紙基材は機械パルプが全パルプに対し5〜50重量%含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
- 前記熱カレンダーが加熱手段を備えた金属ロールと弾性ロールとで構成されるソフトカレンダーであり、前記金属ロールには幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置が装備されるとともに、前記金属ロールの近傍にロール幅方向に分割制御可能な外部電磁誘導作用による外部加熱装置が装備されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の印刷用塗工紙。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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