JP5135855B2 - 印刷用塗工紙の製造方法 - Google Patents

印刷用塗工紙の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5135855B2
JP5135855B2 JP2007095800A JP2007095800A JP5135855B2 JP 5135855 B2 JP5135855 B2 JP 5135855B2 JP 2007095800 A JP2007095800 A JP 2007095800A JP 2007095800 A JP2007095800 A JP 2007095800A JP 5135855 B2 JP5135855 B2 JP 5135855B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
coating
printing
coating liquid
base paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007095800A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008208506A (ja
Inventor
明伸 茶谷
昭一 遠藤
大安 菅原
幸治 大篭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP2007095800A priority Critical patent/JP5135855B2/ja
Publication of JP2008208506A publication Critical patent/JP2008208506A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5135855B2 publication Critical patent/JP5135855B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

本発明は、印刷用塗工紙に関し、生産効率に優れ、印刷品質に優れた印刷用塗工紙の製造方法に関する。
近年、印刷物に対し、写真や図案を多用し、更にカラー化するなどにより、視覚的に内容を強力に伝達しようとする要望が高くなってきており、紙に対する要求もそれに伴い高くなっている。一般に塗工紙は、高光沢塗工紙と艶消し塗工紙に大別される。高光沢塗工紙は、従来高級印刷に用いられてきたアート紙、スーパーアート紙、コート紙などであり、印刷仕上がりは、白紙光沢も印刷光沢も高いグロス調である。艶消し塗工紙は白紙光沢と印刷光沢によりダル調、マット調がある。マット調は、白紙面、印刷面共に光沢が低くフラットで落ち着いた感じの印刷物で、ダル調は、白紙光沢度は低いが、印刷光沢度は高いという、グロス調とマット調の中間のものである。マット調は、従来のグロス調に比べて印刷後の文字部が読みやすく、近年需要が増えている。高光沢塗工紙、ダル調塗工紙、マット調塗工紙は印刷前の白紙光沢度に差はあるものの、いずれにおいても、印刷後の光沢度が高いことは重要課題の一つである。
また、近年製造効率を向上させることを目的として、紙の製造ラインスピードは益々高速化されてきている。それに伴い、塗工技術に関しても高速化が求められている。
塗工液を原紙上に塗工する方式として、一般的にはブレード方式、ロール転写方式、カーテン塗工方式が挙げられる。ブレード塗工方式は、塗工層を紙に平坦に塗工することが可能であり、高平滑かつ高白紙光沢度である塗工紙が得られる。しかしながら、塗料がブレード通過する際に圧力を受け原紙内に押し込まれる塗工方式であり、原紙の表面の凹凸を平坦化する塗工方式であるため、原紙の繊維を完全に被覆するためには多くの塗工量を必要とする。特に、原紙に接する塗工層を塗工する場合には必要以上の塗料が塗工され、紙の軽量化を図る際には好ましくない。また、ロール転写方式、カーテン塗工方式は少ない塗工量で塗工することが可能であり、また、原紙の表面の凹凸に沿った塗工層を得ることができブレード方式と比較して塗工量を低く抑えることができる。しかしながら、これらの塗工方式は高速塗工時にミストが発生したり、カーテン膜が不安定化する等の問題があり、近年の抄紙機や塗工機の高速化に対し十分対応しているとはいえない。また、塗工量が少ない場合、十分に原紙を被覆することは困難である。
近年、紙パルプの分野において、新しい塗工方式としてスプレー塗工方式が提案されている。スプレー塗工方式とは、例えば、エアレススプレーと呼ばれる一流体ノズルよりコーティング塗料を紙の表面に吹き付け、紙を塗工する方式である(非特許文献1参照)。この方式では、塗工中にニップ圧がかからず、また、塗工時に紙の進行方向に対する大きなせん断応力がかからないため、従来のブレード塗工方式、ロール転写塗工方式と比較して、空隙の多い塗工層が得られる。このため、紙のこわさ、白色度、不透明度が高くなり、また、透気度が低くなり耐ブリスター性の向上が期待される。しかしながら、ブレード方式やロール転写方式と比較して原紙の表面の凹凸に沿った塗工面を形成するため、白紙光沢度の発現性に劣り、また、印刷後の印刷面感にも劣り、塗工紙の製造方法としては、その活用方法が十分検討されているとは言い難い。スプレー塗工方式のみにて1層以上の塗工層を設け、高い白紙光沢度、低い透気度のオフセット印刷用塗工紙の製造方法が開示されている(特許文献1参照)が、この発明のみではカレンダー処理等にて高い白紙光沢度が得られたとしても、原紙の凹凸に起因する印刷後の面感の悪化を改善できていない。
また、スプレーコーターはノズルから噴出された塗料が霧状になって塗工原紙上に付着し、拡がることによって塗工層を形成するが、この塗料の拡がりが不十分なまま乾燥されると塗工紙の面感が著しく劣る。先願の手法では、この問題を解決しているとは言い難く、良好な印刷用塗工紙を得ることは困難である。

また、グロス調グレードを生産するためには、カオリンを配合した塗工液を原紙上に塗工する必要がある。カオリンは六角板状の形態をしており、ブレード方式にて塗工を行った場合、カオリンの平らな面が紙の表面に平行になる様にブレードにて配向され、高光沢度を発現する。それに対して、スプレー塗工方式では、このようなカオリン粒子を配向させる工程が無く、ブレード塗工方式にて塗工された紙と比較して大幅に光沢度の発現性に劣る。また、スプレー塗工方式は紙の凹凸に沿った塗工方式であるため、紙の平滑性に劣り印刷物の光沢度が低いといった問題もある。
以上のように、従来の手法では、紙の低密度化すなわち軽量化、高い操業性、高い白紙光沢度、良好な印刷適性を両立させることは非常に困難であった。
紙パ技協誌 第56巻 第4号 P471−482 特開2005−68614号公報
この様な状況を鑑みて、本発明の課題は、印刷品質、白紙光沢度が高く低密度の印刷用塗工紙を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に鋭意検討を行った結果、原紙上に、顔料及び接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、塗工液中の顔料100重量部当たりレーザー法にて測定した平均粒子径が0.8μm以上のカオリンを20重量部以上含有し、塗工層をスプレー塗工方式で1000m/分以上の塗工速度で塗工することにより、操業性に優れ、印刷面感が良好で、白紙光沢度が高く、低密度な印刷用塗工紙を製造して得ることができることを見いだした。本発明においては、より効果的に塗工紙を製造するためにスプレー塗工方式に用いる塗工液の粘度がせん断速度1.0×10(1/秒)において10〜50mPa・sの範囲であることが好ましい。また、原紙上に1mlの塗工液を拡げ0.2MPaの圧力で塗料を拡げた面の反対面から吸引した際に塗工液が不動化濃度に達する時間が4000秒以上となる原紙及び塗工液を用いることが好ましい。
本発明により、印刷品質、操業性に優れ、白紙光沢度が高く、低密度である印刷用塗工紙を得ることができる。スプレー塗工は従来の塗工方式とは異なり、完全な紙の輪郭に沿った塗工層を形成する塗工方式である。少ない塗工量で原紙を十分に被覆することが可能であり、印刷物の面感が良化する。さらに、塗工速度等の塗工条件を適正化することにより、高い白紙光沢度を有し、低密度な塗工紙を製造することが可能となる。さらに、塗工原紙及び塗料の組み合わせといった塗工条件を適正化することにより、良好な白紙面感を有し、低密度な塗工紙を製造することが可能となる。
本発明においては、原紙上に、顔料及び接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、塗工液中の顔料100重量部当たりレーザー法にて測定した平均粒子径が0.8μm以上のカオリンを20重量部以上含有し、塗工液をスプレー塗工方式で1000m/min以上の塗工速度で塗工することが重要である。本発明の効果を発揮させる好ましい塗工量としては、片面あたり3.0〜15.0g/mであり、より好ましくは5.0〜12.0g/mである。3.0g/mより少ない場合は、原紙の被覆が十分ではなく印刷物の面感が劣り好ましくない。15.0g/mより多い場合は、紙の重量が重くなり本発明の効果の一つである紙の軽量化にそぐわなく好ましくない。生産速度の範囲は1000m/分以上であり、より好ましくは1200m/分以上、更に好ましくは1500m/分以上であり、3000m/分程度である。1000m/分以上で塗工することにより、スプレー塗工時に、紙と塗料が衝突した際、紙の高速移動する力により塗料中の平均粒子径の大きいカオリン顔料が紙の表面に沿って配向しやすくなり、平滑性及び白紙光沢度が向上する。
本発明において塗工層を塗工する際に用いるスプレー塗工方式はオンマシン、オフマシンどちらでもよい。スプレーノズルとしては、エアスプレー、エアレススプレーが挙げられるが、エアレススプレーを用いた方が塗料を加圧して高速噴射することが可能であり、塗料膜と大気の接触によるせん断応力により微細な塗料の粒が形成され紙表面に液滴を良好な状態で拡がらせることができ、また、ノズル先端の汚れを軽減することができるため好ましい。スプレーノズルから塗料を噴射する際の、好ましい加圧条件は50〜130barである。スプレーノズルは50〜70mm間隔で設置することが好ましく、その時ノズルの先端と紙の表面との好ましい距離90〜110mmである。この範囲を外れると、未塗工部分が発生する傾向にあり、また、隣り合うノズルの塗料が干渉しあう等の不具合が発生し易く、良好な塗工面を得られにくい。
本発明の塗工液に用いる塗工顔料としては、顔料100重量部当たりレーザー法で測定した平均粒子径0.8μm以上のカオリンを20重量部以上含むことが重要である。好ましい本発明のカオリンの配合量は30重量以上であり、より好ましくは50〜90重量部である。20重量部よりカオリンの配合量が少ない場合、白紙の光沢度が低くなり、本発明の目的を達成できない。更に、塗工用顔料とレーザー法にて測定した平均粒子径が0.8μm以上のカオリンを用いた場合、得られる塗工紙の平滑性に優れ、白紙及び印刷物の光沢度が高くなる。この理由については詳細は不明であるが、粒子径が大きなカオリンの方が紙の移動する力を受けやすくなり、原紙の表面に沿って配向しやすくなるためであると考えられる。好ましい平均粒子径としては、0.8〜4.0μmであり、より好ましくは、1.0〜3.5μmである。また、本発明においては、特にエンジニアードカオリンを用いるとより効果を発揮するものである。その他の塗工顔料としては、従来から紙の塗工顔料として用いられるものを使用することができる。これらの顔料の種類としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、本発明で規定した以外のカオリン、クレー、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料や、プラスチックピグメント等の有機顔料が挙げられる。
本発明において用いる接着剤は、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいはポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などの中から、1種以上を適宜選択して使用することができる。これらの接着剤は、スプレー塗工方式に用いる場合は顔料100重量部に対して、5〜50重量部の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは10〜40重量部である。50重量部を超える場合は、塗工液の粘度が高くなり、配管やスクリーンを通過しづらくなるといった操業性の問題が生じる等のデメリットが生じ好ましくない。また、5重量部未満の場合は、十分な表面強度がえられず好ましくない。
本発明の塗工液には、助剤として分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
本発明のスプレー塗工に用いる塗工液は、せん断速度1.0×10(1/秒)における粘度が10〜50mPa・s、より好ましくは10〜30mPa・sの範囲にすることにより、白紙面感、印刷面感が向上し、更に操業性も良好になる。スプレー塗工は、ブレード方式とは異なり高いせん断力が加わることがないが、紙や空気と塗工液が衝突する際に中程度の力が加えられる。このため、本発明に述べるような中シェア領域の粘度が、紙に衝突した後の塗料の挙動に対し影響を与えるもの、非常に重要である、飛散性が良く、紙と塗工液が接触する際のレベリングのしやすさをコントロールするためにせん断速度が1.0×10(1/秒)における粘度は重要である。10mPa・sより低い場合は、紙と塗工液が接触し乾燥ゾーンに入る前に、塗料が原紙内に浸透してしまうため、本発明に用いるような低塗工量では十分な原紙被覆性が得られにくく好ましくない。また、50mPa・sより高い場合は、塗工液が紙に衝突した後に紙表面に対して十分に拡がらず、塗工ムラ等が発生して白紙面感、印刷後面感に劣る傾向にあり好ましくない。
また、本発明のスプレー塗工に用いる塗工液の固形分は45〜65%の範囲であることが好ましい。45%未満である場合、乾燥時の負荷が高くなり、高速塗工時に乾燥しきれない可能性があり好ましくない。65%を超える場合、先述の粘度より高くなり、得られる塗工紙の品質に劣り好ましくない。
本発明における原紙は、パルプ、填料と各種助剤からなる。パルプとしては、化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を用いることができるが、これらを適宜目的に応じて使い分けることができる。
原紙に用いる填料は、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、シリカ、無定型シリケート、酸化チタン、合成樹脂填料、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物等の公知の填料を使用することができるが、紙の軽量化と白紙及び印刷面感の品質のバランスの観点より、無定型シリケート及び/または軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を配合することが好ましい。配合量は、3〜20重量%程度である。本発明においては、無定型シリケート及び/または軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を使用することにより、より低密度でポーラスな原紙になるが、本発明ではスプレー塗工をすることにより、塗料の原紙への押し込みが抑えられるため塗料の浸透が従来の塗工方式よりもおさえられる。このため、面感も良好なものとなり、同一厚さでより軽量になるものである。本発明の軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物とは、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が好ましく、低密度で、剛度、不透明度のバランスをより良好にするために、軽質炭酸カルシウムとシリカとの固形分重量比が、軽質炭酸カルシウム/シリカ=30/70〜70/30であることが好ましい。軽質炭酸カルシウムについてはカルサイト、アラゴナイトのいずれでも良く、また形状についても針状、柱状、紡錘状、球状、立方形状、ロゼッタ型のいずれでも良い。この中でも特にロゼッタ型のカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用いた場合に、特に優れた嵩高、不透明度改善効果が高い軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が得られる。
これら填料は、紙料スラリーの抄紙適性や強度特性を調節する目的で、単独又は2種以上を混合使用してもよい。
また、本発明では、パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物である界面活性剤等の嵩高剤(低密度化剤)を使用することにより、低密度で、白紙及び印刷面感が良好な印刷用紙を得ることができ好ましい。パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物(以下、結合阻害剤と略称する)とは、疎水基と親水基を持つ化合物で、最近、製紙用で紙の嵩高化のために上市された低密度化剤(あるいは嵩高剤)は本発明の結合阻害剤として適しており、例えば、WO98/03730号公報、特開平11−200284号公報、特開平11−350380号公報、特開2003−96694号、特開2003−96695号公報等に示される化合物等が挙げられる。具体的には、高級アルコールのエチレンおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、多価アルコール型非イオン型界面活性剤、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のエチレンオキサイド付加物、あるいは脂肪酸ポリアミドアミン、脂肪酸ジアミドアミン、脂肪酸モノアミド、あるいはポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物などを使用することができ、これらを単独あるいは2種以上併用することができる。好ましくは多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、脂肪酸ポリアミドアミン、脂肪酸ジアミドアミン、脂肪酸モノアミド、ポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物等である。これらの化合物は、単独あるいは2種以上を併用してもよい。本発明の塗工紙は、原紙の透気性を向上するために、パルプの繊維間結合阻害剤をパルプ100重量部当たり0.1〜10重量部含有することが好ましく、特に0.2〜1.0重量部を含有することが好ましい。
これらの紙料に必要に応じ通常抄紙工程で使用される薬品類、例えば紙力増強剤、サイズ剤、消泡剤、着色剤、嵩高剤、柔軟化剤などを、本発明の効果を阻害しない範囲で添加し抄紙することができる。
原紙の抄紙方法については、従来より抄紙用に用いられている長網フォーマー、オントップハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマーマシンを用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよい。
原紙については、スプレーコーターにて塗工する前にサイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレード等を用いて、澱粉、ポリビニルアルコールなどを予備塗工した原紙等も使用可能である。また、スプレー塗工方式は塗工原紙の輪郭に沿った塗工層を形成する塗工方式であるため、塗工前の原紙の平滑度が重要であり、塗工原紙のPPSラフネスが6.0μm以下であることが好ましい。
塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が25〜200g/m程度のものが使用され、軽量化と品質のバランスの観点からは、30〜100g/mを使用することが好ましく、より好ましくは35〜60g/mである。塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が25〜400g/m程度のものが使用され、軽量化と品質のバランスの観点からは、30〜180g/mを使用することが好ましく、より好ましくは35〜80g/mであり、更に好ましくは35〜60g/mである。
本発明においては、原紙上にスプレー塗工方式で塗工する必要がある。この際、原紙上に1mlの塗工液を拡げ0.2MPaの圧力で塗料を拡げた面の反対面から吸引した際に塗工液が不動化濃度に達する時間が4000秒以上となる原紙及び塗工液を用いることが好ましい。本発明の不動化濃度とは、以下のことを指す。塗料は原紙上に供給された後、水分が原紙内に浸透もしくは乾燥工程による蒸発によって減少し固形分が上昇する。固形分の上昇に伴い塗料は流動性を失い、ある一定の固形分より高くなると力を加えても動かなる点の固形分濃度が不動化濃度である。スプレー塗工方式は、スプレーコーターによって霧状化された塗料が原紙上に拡がることにより塗工層を形成する方式である。このため、塗料液滴が原紙上に充分拡がる時間があるほうが好ましいからである。
2層以上の塗工層を設けることも出来る。この場合、スプレー塗工方式で設ける塗工層は最も外側の塗工層である。中間塗工層は、ブレード塗工方式、スプレー塗工方式、カーテン塗工方式、フィルムトランスファー塗工方式などを利用することができる。
原紙に設ける総塗工量としては、特に限定されるものではないが、片面当たりの総塗工量は3〜25g/m程度であり、好ましくは6〜18g/mであり、更に好ましくは6〜12g/mである。
湿潤塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒータ、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
以上の様に塗工乾燥された塗工紙は、カレンダ処理を施さないまま、もしくはスーパーカレンダー、高温ソフトニップカレンダー等で平滑化処理を行うことができる。本発明の
塗工紙の坪量は、好ましくは30〜160g/m2、より好ましくは35〜100g/m2
、最も好ましくは40〜70g/m2の範囲の軽量化において、より効果を発揮するもの
である。また、本発明においては、0.50〜1.22g/cm3の密度において、より
効果を発揮するものである。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、もちろんこれらの例に限定される物ではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞれ重量部、重量%を示す。なお、塗工液及び得られたオフセット印刷用塗工紙について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。
(評価方法)
(1)塗料粘度: 本発明において、粘度測定には「ウルトラハイシェア粘度計 ACAV-A2」(ACA system社、フィンランド)を使用した。測定装置に低シェアレート測定用キャピラリーユニットを取付け、温度30℃で測定可能な圧力条件下(40 bar以下)において粘度を数点測定、その結果得られるせん断速度と粘度の曲線からせん断速度1.0×104 1/sにおける粘度を読み取った。
(2)クレーの平均粒子径:クレースラリーを、分散剤ヘキサメタリン酸ソーダ0.2%を添加した純水中に滴下混合して均一分散体とし、レーザー法(MALVERN Instruments社製、粒度測定機マスターサイザーS型)で測定した、体積累積分布の50%部を平均粒径とした。
(3)不動化粘度に達する時間:不動化濃度に達する時間の測定は「Physica MCR 301」(BASF社製)を使用した。塗工原紙上に塗料を1ml拡げ、塗料を拡げた面の反対面より0.2MPaで吸引しながら、塗料の粘度の上昇を測定した。塗料粘度が上昇しなくなる濃度を不動化濃度とし、測定開始から不動化濃度に達する時間を不動化濃度に達する時間とした。
(4)密度:JIS P 8118に基づいて測定した。
(5)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した。
(6)印刷光沢度:ローランド平判印刷機(4色)にて、平判印刷用インキ(東洋インキ製 ハイユニティM)を用いて印刷速度8000枚/分で印刷し、得られた印刷物(4色ベタ印刷部)の表面をJIS P 8142に基づいて測定した。
(7)白紙面感:塗工紙の白紙面感を目視にて評価した。
◎:極めて良好、○:良好、△:若干劣る、×:劣る
(8)印刷物面感:ローランド平判印刷機(4色)にて、平判印刷用インキ(東洋インキ製 ハイユニティM)を用いて印刷速度8000枚/分で印刷し、得られた印刷物の面感を目視にて評価した。
◎:極めて良好、○:良好、△:若干劣る、×:劣る
[実施例1]
(塗工液1)
顔料としてブラジル産カオリン(IMERYS社製エンジニアードカオリン、CapimDG、平均粒子径 1.2μm)100部からなる顔料に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1部を配合、分散し、濃度70%のクレースラリーを調製した。このクレースラリー30部(固形分)に、重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製 FMT−97)70部(固形分)を添加して、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移点温度−20℃、ゲル含量85%)13部、蛍光染料(ケミラ社製 ブランコファUWリキッド)を加え、さらに水を加えて固形分濃度55%の塗工液1を得た。この時の、せん断速度1.0×10(1/秒)における粘度は18mPa・sである。
塗工原紙は、填料として軽質炭酸カルシウムを原紙重量あたり7%含有し、製紙用パルプとして化学パルプを100%含有する坪量45g/m、密度0.75g/cmの上質紙を用いた。
上記の原紙に、前述の塗工液1を片面当たりの塗工量が8g/mになる様に、1500m/分の塗工速度でエアレススプレーコーター(塗工条件:スプレー加圧条件:90bar、ノズル間隔:60mm 、ノズルと紙面との距離:100mm)を用いて両面塗工を行い、塗工紙水分が5%となる様に乾燥した。
乾燥後、金属ロール温度80℃、弾性ロールショアD硬度92、通紙速度10m/分、線圧200kg/cm、2ニップの条件でソフトニップカレンダー処理を行いオフセット印刷用塗工紙を得た。
この塗料と原紙の組み合わせにおける、不動化濃度は81.0%、不動化濃度に達する時間は4900秒である。
[実施例2]
実施例1のブラジル産カオリン30部、重質炭酸カルシウム70部の代わりに、ブラジル産カオリン70部、重質炭酸カルシウム30部とした以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。この時の、塗工液のせん断速度1.0×10(1/秒)における粘度は20mPa・sであり、この塗料と原紙の組み合わせにおける、不動化濃度は81.7%、不動化濃度に達する時間は6100秒である。
[実施例3]
実施例1の塗工用原紙の填料を無定型シリケートとしたこと以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。この塗料と原紙の組み合わせにおける、不動化濃度は81.2%、不動化濃度に達する時間は4500秒である。
[実施例4]
実施例1の塗工用原紙の填料を以下に示す軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物としたこと以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。この塗料と原紙の組み合わせにおける、不動化濃度は81.2%、不動化濃度に達する時間は4500秒である。
〈軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の製造方法〉
反応容器中に市販ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(商品名 アルバカー5970 SMI社製)10部を水に分散し、ここにSiO2濃度18.0wt/wt%、Na20濃度6・1wt/wt%のケイ酸ソーダ溶液を57部加えた後、水を加え、全量を200部とした。この混合スラリーをアジテータで十分に撹拌しながら加熱し、85℃としたスラリーに、10%硫酸溶液を撹拌しながら添加した。添加方法は、温度一定を保ち、硫酸添加後の最終pHは8・0、全硫酸添加時間は240分間となるように、一定速度で硫酸を添加し、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物Aスラリーを得た。このときの軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物Aの平均粒子径は3.4μmであり、軽質炭酸カルシウムとシリカの固形分重量比は、50/50であった。
[実施例5]
実施例1の塗工用原紙にパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物である多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(花王製 KB−110)を原紙重量当たり0.3%含有させた事以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。この塗料と原紙の組み合わせにおける、不動化濃度は81.0%、不動化濃度に達する時間は4100秒である。
[比較例1]
実施例1のブラジル産カオリンをCadam社製 アマゾンプラス(平均粒子径 0.4μm)とした以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。この時の、塗工液のせん断速度1.0×10(1/秒)における粘度は18mPa・sである。この塗料と原紙の組み合わせにおける、不動化濃度は80.4%、不動化濃度に達する時間は5100秒である。
[比較例2]
実施例1のブラジル産カオリン30部、重質炭酸カルシウム70部の代わりに、重質炭酸カルシウム100部とした以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。この時の、塗工液のせん断速度1.0×10(1/秒)における粘度は17mPa・sである。この塗料と原紙の組み合わせにおける、不動化濃度は81.2%、不動化濃度に達する時間は3900秒である。
[比較例3]
実施例1の塗工速度を700m/minとした以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例1において、塗工液1をスプレーコーターの代わりに、ブレードコーターに変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
Figure 0005135855
表1の結果より、実施例1〜4は、低密度で、白紙光沢度、印刷光沢度に優れ、白紙、印刷面感に優れた印刷用塗工紙を得ることができる。また、実施例5は、更に低密度になるのに関わらず、良好な白紙、印刷品質の塗工紙を得ることができる。比較例1は、白紙面感、印刷面感に劣る。比較例2は、白紙光沢度、印刷光沢度、印刷面感に劣る。比較例3は、白紙光沢度、印刷光沢度に劣る。比較例4は、密度が高く劣る。

Claims (2)

  1. 原紙上に顔料および接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、塗工液中の顔料100重量部当たりレーザー法にて測定した平均粒子径が0.8μm以上のカオリンを20重量部以上含有し、塗工液の固形分が45〜65%であり、かつ、塗工液の粘度がせん断速度1.0×10(1/秒)において、10〜50mPa・sの範囲である塗工液を、密度が、0.50〜1.22g/cmの原紙上に、スプレー塗工方式で1000m/min以上の塗工速度で、塗工液を、スプレーノズルによって50〜130barの加圧条件で噴射して片面あたり3.0〜15.0g/m塗工することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
  2. 原紙上に1mlの塗工液を拡げ0.2MPaの圧力で塗料を拡げた面の反対面から吸引した際に塗工液が不動化濃度に達する時間が4000秒以上となる原紙及び塗工液を用いることを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
JP2007095800A 2007-01-31 2007-03-31 印刷用塗工紙の製造方法 Expired - Fee Related JP5135855B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007095800A JP5135855B2 (ja) 2007-01-31 2007-03-31 印刷用塗工紙の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007021554 2007-01-31
JP2007021554 2007-01-31
JP2007095800A JP5135855B2 (ja) 2007-01-31 2007-03-31 印刷用塗工紙の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008208506A JP2008208506A (ja) 2008-09-11
JP5135855B2 true JP5135855B2 (ja) 2013-02-06

Family

ID=39785049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007095800A Expired - Fee Related JP5135855B2 (ja) 2007-01-31 2007-03-31 印刷用塗工紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5135855B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4154945B2 (ja) * 2002-08-01 2008-09-24 王子製紙株式会社 オフセット印刷用新聞用紙
JP2005068614A (ja) * 2003-08-28 2005-03-17 Oji Paper Co Ltd オフセット印刷用塗被紙
JP4211889B2 (ja) * 2003-09-29 2009-01-21 日本製紙株式会社 塗工紙
JP2005105467A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Nippon Paper Industries Co Ltd 加工用紙
JP5114654B2 (ja) * 2004-10-26 2013-01-09 王子ホールディングス株式会社 顔料塗工紙の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008208506A (ja) 2008-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8025924B2 (en) Cast-coated papers and processes for preparing thereof
JP4906302B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
KR101100338B1 (ko) 인쇄용 도피지
JP3941483B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP5949168B2 (ja) 塗工ファンシー紙
JP4983273B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
JP5015359B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
JP4918746B2 (ja) オフセット印刷用塗工紙の製造方法及び塗工紙
JP2002173892A (ja) グラビア印刷用塗工紙
JP5521673B2 (ja) 圧着シート用塗工紙
JP4989065B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
JP5135855B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
JP2002088679A (ja) グラビア印刷用塗工紙
JPH03199491A (ja) 印刷用塗被紙の製造方法
JP4635493B2 (ja) ダル調塗工紙
JP4210507B2 (ja) 印刷用嵩高塗工紙
JP4377425B2 (ja) 微塗工紙の製造方法
JP2008208468A (ja) 印刷用塗工紙
JP2005248351A (ja) 印刷用塗工紙
JP2007262605A (ja) グラビア印刷用塗工紙の製造方法及びその塗工紙
EP3951055A1 (en) Method for manufacturing paper-making barrier substrate
EP3951054A1 (en) Method for manufacturing paper-making barrier substrate
JPH08325990A (ja) 塗工紙の製造方法
JPH10140499A (ja) オフセット印刷用塗被紙及びその製造方法
JP5330722B2 (ja) コールドオフセット印刷用紙の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121016

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121029

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151122

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees