JP4211889B2 - 塗工紙 - Google Patents

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Description

本発明は、木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少なくとも片面に、顔料とバインダーとサイズ剤とを含有する顔料塗工層を最外層として有し、印刷適性及び耐水性を共に満足させた塗工紙に関する。
塗工紙は、基紙の少なくとも片面に、顔料とバインダーとを主成分とする顔料塗工層が設けられることにより、表面性及び印刷適性の向上が図られている。これらの特性に加え、塗工紙には、印刷時のねっぱり(印刷時に、紙が湿し水にぬれることによって発生する粘着性)防止のため、或いは、例えば包装紙、紙袋、紙容器、紙箱、屋外で使用されるポスター、紙コップ等に用いるため、耐水性が要求される場合も多い。
そこで、塗工紙に耐水性を付与するため、前記顔料塗工層にサイズ剤を添加することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−247095号公報
しかしながら、このように耐水性を付与することを目的として、顔料塗工層にサイズ剤を添加すると、印刷適性が悪化し、特に、多色刷り印刷の場合には、2色目以降のインキ着肉濃度が著しく低下するものとなる。このようなことから、従来では、耐水性と印刷適性とを共に満足させることができる塗工紙を得ることは困難であった。
本発明は、以上のようなことに鑑み、耐水性と印刷適性との相反する性質を共に満足させた塗工紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少なくとも片面に、顔料とSBR(スチレンブタジエン系共重合体)、酢酸ビニル系共重合体、エチレン酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体及びウレタン系共重合体の水系エマルジョンより選ばれた1以上のバインダーとサイズ剤とを含有する顔料塗工層を最外層として有する塗工紙であって、前記顔料塗工層は、顔料とバインダーの重量比率を100/25以上100/以下とし、且つ、前記サイズ剤として少なくとも1種類以上のアニオン性サイズ剤を用いると共に、該1種類以上のアニオン性サイズ剤を、顔料100重量部に対し、6重量部以上20重量部以下含有させてなることを特徴とする。
このように、顔料とSBR(スチレンブタジエン系共重合体)、酢酸ビニル系共重合体、エチレン酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体及びウレタン系共重合体の水系エマルジョンより選ばれた1以上のバインダーの重量比率を100/25以上100/5以下とすることにより、印刷適性に優れ、また、十分な強度を有する顔料塗工層を得ることができる。更に、この顔料塗工層に、アニオン性サイズ剤を、顔料100重量部に対し、6重量部以上20重量部以下含有させることにより、多色刷りを行った場合の2色目以降のインキ着肉濃度の低下を招かずに、顔料塗工層の表面及び端面からの水の浸透が抑制され、耐水性を示す顔料塗工層を得ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のアニオン性サイズ剤として、アルキルケテンダイマーを用いることを特徴とする。
このように、アニオン性サイズ剤として、アルキルケテンダイマーを用いることにより、顔料塗工層への耐水性の付与を効果的に行うことができる。
請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載のアニオン性サイズ剤として、スチレン・アクリル系、スチレン・マレイン酸系、スチレン・メタクリル酸系のサイズ剤より選ばれた1種類以上のサイズ剤を用いることを特徴とする。
このように、アニオン性サイズ剤として、スチレン・アクリル系、スチレン・マレイン酸系、スチレン・メタクリル酸系のサイズ剤より選ばれた1種類以上のサイズ剤を用いることにより、顔料塗工層への耐水性の付与を効果的に行うことができる。
本発明によれば、顔料塗工層の表面及び端面からの水の浸透が抑制され、耐水性を示す顔料塗工層を得ることができるので、耐水性に優れた塗工紙を得ることができる。また、顔料塗工層として十分な強度を有し、印刷適性に優れ、特に、多色刷りを行った場合でも、2色目以降のインキ着肉濃度が優れている塗工紙を得ることができる。したがって、本発明によれば、例えば、包装紙、紙袋、紙容器、紙箱、屋外で使用されるポスター、紙コップ等、耐水性を要求される用途に適すると共に、優れた印刷適性を有する塗工紙を得ることができる。
以下、本発明に係る塗工紙を実施するための最良の形態の一例について説明する。
本例の塗工紙は、木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少なくとも片面に、顔料とSBR(スチレンブタジエン系共重合体)、酢酸ビニル系共重合体、エチレン酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体及びウレタン系共重合体の水系エマルジョンより選ばれた1以上のバインダーとサイズ剤とを含有する顔料塗工層を最外層として有し、前記顔料塗工層は、顔料とバインダーの重量比率を100/25以上100/以下とし、且つ、前記サイズ剤として少なくとも1種類以上のアニオン性サイズ剤を用いると共に、該1種類以上のアニオン性サイズ剤を、顔料100重量部に対し、6重量部以上20重量部以下含有させてなるものである。
前記木材パルプ系繊維を主体とする基紙は、木材より得られた化学パルプ若しくは機械パルプの他、再生パルプを適宜配合し、通常の抄紙工程により抄造することができる。このとき、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン等の填料や、紙力増強剤、サイズ剤、消泡剤、着色剤などの一般的な薬品類を、適宜添加することができる。また、必要に応じて、ケナフ、竹等の非木材パルプ、ガラス繊維、ポリエチレン繊維等のセルロース繊維以外の繊維材料を、上記木材パルプ系繊維に配合してもよい。
なお、前記基紙の坪量には特に制限はなく、本発明の塗工紙の用途に応じ、適宜選択することができる。また、この基紙は、サイズプレス、ゲートロールコーター、プレメタリングサイズプレスを用い、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等により、表面サイズ処理を行ったものであってもよい。
前記の基紙の少なくとも片面に、最外層として設けられる顔料塗工層の顔料は、その種類に特に制限はなく、例えば、塗工紙の顔料塗工層を形成する顔料として従来から用いられているカオリン、クレー、デラミネーティッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメント、バインダーピグメントなどの有機顔料を、必要に応じて単独又は2種以上混合して使用することができる。また、その平均粒径も、本発明の目的を損ねない範囲であれば、特に制限なく使用することができる。
前記顔料塗工層のバインダーとしてはSBR(スチレンブタジエン系共重合体)、酢酸ビニル系共重合体、エチレン酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体、ウレタン系共重合体の水系エマルジョンを用いる。
前記顔料塗工層において、顔料とバインダーは、重量比率が100/25から100/となるように配合する。顔料とバインダーの重量比率が、100/5よりも大きい場合は、塗工層強度が弱く、印刷時にピッキングが発生しやすくなる。一方、顔料とバインダーの重量比率が100/25未満である場合は、印刷適性が低下する。
本発明においては、前記顔料塗工層に、更にアニオン性サイズ剤を、顔料100重量部に対し、6重量部以上20重量部以下含有させる。アニオン性サイズ剤の含有量が顔料100重量部に対して20重量部よりも多い場合は、多色刷りを行った場合に、2色目以降のインキ着肉濃度が低下する。
なお、前記顔料の平均粒径が小さくなると、その比表面積は大きくなるため、同一の耐水性を付与するのに必要なアニオン性サイズ剤の量は増加する。したがって、顔料塗工層に含有させるアニオン性サイズ剤の量は、顔料の平均粒径によって加減する必要がある。このアニオン性サイズ剤の量の加減は、前記顔料100重量部に対し、6重量部以上20重量部以下の範囲内でなされる。
また、バインダーとして、やや親水性を有する酢酸ビニル系共重合体及びエチレン酢酸ビニル系共重合体を用いる場合にも、これら以外のバインダーを用いる場合に比べて、同一の耐水性を付与するのに必要なアニオン性サイズ剤の量は増加する。したがって、顔料塗工層に含有させるアニオン性サイズ剤の量は、やや多めにする必要がある。このアニオン性サイズ剤の増量も、前記顔料100重量部に対し6重量部以上20重量部以下の範囲内でなされる。
本発明で用いるアニオン性サイズ剤としては、アルキルケテンダイマー、又は、スチレン・アクリル系、スチレン・マレイン酸系、スチレン・メタクリル酸系のサイズ剤より選ばれた1種類以上のサイズ剤が好ましい。これらのアニオン性サイズ剤を用いることで、顔料塗工層への耐水性付与を効果的に行うことができる。
本発明の塗工紙は、上記顔料、バインダー、及び、アニオン性サイズ剤を水系溶媒に分散させて塗工液を調製した後、この塗工液を少なくとも基紙の片面に最外層として塗工して顔料塗工層を形成することにより得られる。
前記塗工液には、顔料、バインダー、及び、アニオン性サイズ剤の他に、必要に応じ、分散剤、耐水化剤、潤滑剤、消泡剤、防腐剤、染料等の助剤を添加してもよい。塗工液は、通常、顔料、バインダー、助剤、サイズ剤が、この順で配合(添加)され、分散されて調製されるが、本発明にあっては、この順番は適宜変更しても構わない。
前記基紙の片面に最外層として塗工する塗工液の塗工量は、5g/m以上30g/m以下が好ましい。塗工液の塗工量が、5g/m未満である場合には、印刷に適した塗工紙を得ることができず、一方、30g/mを超えても、顔料塗工層の増加に伴う印刷適性及び耐水性の向上が期待できず不経済となる。
塗工液を塗工するには、ブレードコーター、エアナイフコーター、バーコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーター、ゲートロールコーター等を用いて行う各種の塗工方法を採用することができる。
本発明の塗工紙においては、前記顔料塗工層の他、他の層が存在していても構わない。例えば、前記顔料塗工層の下層として、顔料とバインダーとを含有する塗工液を一層以上予備塗工して予備塗工層を形成してもよい。この塗工液にもサイズ剤を添加すれば、耐水性は更に改善される。
なお、顔料とバインダーとを含有する塗工液を基紙上に予備塗工して前記予備塗工層を形成する場合、顔料とバインダーとの組み合わせは、この上に塗工される本発明の前記顔料塗工層と同じであっても異なっていても構わない。例えば、予備塗工層のバインダーとしてSBRを用い、顔料塗工層のバインダーとして酢酸ビニル系共重合体を用いるなど、両層でバインダーだけ異なったものを使用してもよい。もちろん、両層で顔料だけ異なったものを使用することもできる。
本発明の塗工紙は、耐水性を更に高めるため、塗工工程を経た後、高温、高線圧でカレンダー処理を行うことが好ましい。但し、カレンダー処理によって基紙を潰しすぎると、紙厚が低下して剛度が低下するので、このときのカレンダー温度・線圧は、紙厚を確保することができる程度に高温、高線圧とすることが好ましい。具体的には、ソフトカレンダー処理又はスーパーカレンダー処理を、カレンダー温度60℃以上で行うことが好ましい。
以上説明した本発明によれば、顔料とSBR(スチレンブタジエン系共重合体)、酢酸ビニル系共重合体、エチレン酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体及びウレタン系共重合体の水系エマルジョンから選択される1以上のバインダーの重量比率を100/25以上100/とすることにより、印刷適性に優れ、また、十分な強度を有する顔料塗工層を得ることができ、更に、この顔料塗工層に、アニオン性サイズ剤を、顔料100重量部に対し、6重量部以上20重量部以下含有させることにより、多色刷りを行った場合の2色目以降のインキ着肉濃度の低下を招かずに、顔料塗工層の表面及び端面からの水の浸透が抑制され、耐水性を示す顔料塗工層を得ることができる。したがって、このような顔料塗工層を有する塗工紙は、耐水性と印刷適性とを共に満足させることができる。
以下、実施例、比較例及び参考例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、実施例、比較例及び参考例で測定したコッブ吸水度、端面吸水度及び2色目着肉濃度は、以下の方法により測定・評価した。
<コッブ吸水度>
JIS P8140に準じて行った。
<端面吸水度>
以下の手順で測定を行い、端面吸水度を算出した。
(1)実施例及び比較例で得られた各塗工紙の両面に、エアーが入らないようポリエチレン粘着テープを貼って、両表面からの吸水を防止した後、縦(MD方向)50mm×横(CD方向)50mmに切断することにより試験片5枚を作成し、それぞれの重量を、小数点第3位まで測定可能な電子坪量秤を使用して測定した。
(2)上記各試験片を、パットに入れた純水中に重ならないように浸漬し、重しを載せて浮き上がりを防止しつつ放置した。なお、純水は23℃、50%の恒温恒湿室で一昼夜放置したものを使用した。
(3)60分後、各試験片を純水中から取り出し、表面に付着している水分を吸取紙で速やかに除去してから、そのそれぞれの重量を上記(1)と同様にして測定した。
(4)純水に浸漬する前の試験片5枚の総重量(浸漬前重量)と、浸漬した後の総重量(浸漬後重量)より、次の式を用いて端面吸水度を算出した。
端面吸水度=(浸漬後重量−浸漬前重量)(mg/m)
<2色目着肉濃度>
RI−II型印刷試験機を用い、実施例及び比較例で得られた各塗工紙の顔料塗工層の表面に、1色目に黄色の枚葉プロセスインキ(東洋インキ製造株式会社製『TK ハイエコー黄 MZ』)を0.3ml、2色目に紅色の枚葉プロセスインキ(東洋インキ製造株式会社製『TK ハイエコー紅 MZ』)を0.5ml使用してオフセット印刷を行った。一昼夜放置後、2色目として印刷を行った紅インキの着肉濃度を、グレタグマクべス反射濃度計RD−191(グレタグマクベス社製)を使用して測定し、以下の基準で評価した。
○:着肉濃度が1.0以上
△:着肉濃度が0.9以上、1.0未満
×:着肉濃度が0.9未満
[実施例1]
顔料100重量部を含む下記に示す組成の顔料スラリーに、バインダーとしてSBRを20重量部、アニオン性サイズ剤A(スチレン−アクリル酸塩共重合体、ハリマ化成社製『ハーサイズKN−500』)重量部を加え、水系溶媒に分散させた濃度58重量%の塗工液を、坪量200g/m、厚さ280μmの上質紙の片面に、ブレードコーターにて塗工速度400m/分で、各10g/mづつ2回塗工して塗工紙を得た後、この塗工紙についてソフトカレンダー処理を手差しで行った。このとき、ソフトカレンダー処理は、由利ロール株式会社製テストカレンダーを用い、A4判にカットした塗工紙を、直径200mm、温度75℃の金属ロールと、直径300mm、ショアD硬度88のソフトロールの間に、塗工面が金属ロール側に向くようにして、速度8.6m/分、線圧20kN/mで1回通すことにより行った。
<顔料スラリー組成>
固形分重量部 体積平均粒径
1級カオリン(エンゲルハード社製『UW90』) 20部 0.8μm
2級カオリン(シール社製『カオブライト』) 30部 1.3μm
重質炭酸カルシウム(ファイマティック社製『FMT90』) 50部 0.8μm
分散剤(東亜合成化学工業社製『アロンT40』) 0.2部
NaOH 0.1部

ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した結果を表1に示す。表1より明らかなように、得られた塗工紙はコッブ吸水度及び端面吸水度が低く、高い2色目着肉濃度を示した。
[実施例2]
サイズ剤としてアニオン性サイズ剤Aを15重量部用いた他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙も、コッブ吸水度、端面吸水度が低く、高い2色目着肉濃度を示した。
[実施例3]
サイズ剤としてアニオン性アルキルケテンダイマー(荒川化学工業社製『サイズパインK−910』)を15重量部用いた他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙も、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度に優れていた。
比較例1
塗工液にサイズ剤を配合しなかった他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙は、高い2色目着肉濃度を示したものの、コッブ吸水度、端面吸水度は劣っていた。
比較例2
サイズ剤としてアニオン性サイズ剤Aを0.5重量部用いた他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙は、高い2色目着肉濃度を示したものの、コッブ吸水度、端面吸水度は劣っていた。
比較例3
サイズ剤としてアニオン性アルキルケテンダイマーを0.5重量部用いた他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙は、高い2色目着肉濃度を示したものの、コッブ吸水度、端面吸水度は劣っていた。
比較例4
バインダーとして酢酸ビニル系共重合体を20重量部用い、塗工液にサイズ剤を配合しなかった他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙は、高い2色目着肉濃度を示したものの、コッブ吸水度、端面吸水度は劣っていた。
比較例5
サイズ剤としてアニオン性サイズ剤Aを25重量部用いた他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙は、コッブ吸水度、端面吸水度は低いものの、2色目着肉濃度に劣っていた。
比較例6
サイズ剤としてアニオン性アルキルケテンダイマーを25重量部用いた他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙は、コッブ吸水度、端面吸水度は低いものの、2色目着肉濃度に劣っていた。
参考例1
サイズ剤としてアニオン性サイズ剤Aを重量部用いた他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙は、コッブ吸水度、端面吸水度が低く、高い2色目着肉濃度を示した。
参考例2
サイズ剤としてアニオン性サイズ剤B(スチレン−メタクリル酸塩共重合体、ハリマ化成社製『ハーサイズKN−520』)を3重量部用いた他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙は、コッブ吸水度、端面吸水度が低く、高い2色目着肉濃度を示した。
[参考例3]
サイズ剤としてニオン性サイズ剤C(オレフィン系樹脂、荒川化学工業社製『ポリマロンSA』)を3重量部用いた他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙は、コッブ吸水度、端面吸水度が低く、高い2色目着肉濃度を示した。
参考例4
サイズ剤としてアニオン性アルキルケテンダイマーを3重量部用いた他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙は、コッブ吸水度、端面吸水度が低く、高い2色目着肉濃度を示した。
[参考例5]
バインダーとして酢酸ビニル系共重合体を20重量部、サイズ剤としてアニオン性サイズ剤Aを5重量部用いた他は、実施例1と全く同様にして塗工紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の塗工紙について、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度を評価した。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このとき得られた塗工紙は、コッブ吸水度、端面吸水度、2色目着肉濃度に優れていた。
Figure 0004211889

Claims (3)

  1. 木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少なくとも片面に、顔料とSBR(スチレンブタジエン系共重合体)、酢酸ビニル系共重合体、エチレン酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体及びウレタン系共重合体の水系エマルジョンより選ばれた1以上のバインダーとサイズ剤とを含有する顔料塗工層を最外層として有する塗工紙であって、前記顔料塗工層は、顔料とバインダーの重量比率を100/25以上100/以下とし、且つ、前記サイズ剤として少なくとも1種類以上のアニオン性サイズ剤を用いると共に、該1種類以上のアニオン性サイズ剤を、顔料100重量部に対し、6重量部以上20重量部以下含有させてなることを特徴とする塗工紙。
  2. 前記アニオン性サイズ剤として、アルキルケテンダイマーを用いることを特徴とする請求項1に記載の塗工紙。
  3. 前記アニオン性サイズ剤として、スチレン・アクリル系、スチレン・マレイン酸系、スチレン・メタクリル酸系のサイズ剤より選ばれた1種類以上のサイズ剤を用いることを特徴とする請求項1に記載の塗工紙。
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