JP7215613B2 - 耐水性紙、食品容器 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、ヒートシール性を有し、かつ耐水性に優れた耐水性紙を提供すること、および該耐水性紙を用いてなる食品容器を提供することを目的とする。
<1> 紙基材の少なくとも一方の面に、下塗り層および耐水性層をこの順に有する耐水性紙であって、前記下塗り層は、ラテックスおよび顔料を含有し、下塗り層における顔料に対するラテックスの質量比(ラテックス/顔料)が15/85以上70/30以下であり、前記耐水性層は、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体を含有する、耐水性紙。
<2> 前記ラテックスは、スチレン-ブタジエン共重合体である、<1>に記載の耐水性紙。
<3> 前記顔料は、カオリンである、<1>または<2>に記載の耐水性紙。
<4> 前記下塗り層の片面あたりの塗工量が0.5g/m2以上12g/m2以下である、<1>~<3>のいずれかに記載の耐水性紙。
<5> 前記紙基材の少なくとも一方の面の最上層に前記耐水性層を有する、<1>~<4>のいずれかに記載の耐水性紙。
<6> 前記紙基材の少なくとも一方の面に、前記耐水性層を少なくとも3層有する、<1>~<5>のいずれかに記載の耐水性紙。
<7> 前記紙基材の両面に前記耐水性層を有する、<1>~<6>のいずれかに記載の耐水性紙。
<8> 前記耐水性層の片面あたりの塗工量が2g/m2以上である、<1>~<7>のいずれかに記載の耐水性紙。
<9> 接触時間30分における20℃の水のCobb吸水度が15g/m2以下である、<1>~<8>のいずれかに記載の耐水性紙。
<10> 接触時間30分における90℃の水のCobb吸水度が25g/m2以下である、<1>~<9>のいずれかに記載の耐水性紙。
<11> JAPPAN TAPPI No.41(キット法)に準拠して測定されるキット値が、3以上である、<1>~<10>のいずれかに記載の耐水性紙。
<12> 食品容器用である、<1>~<11>のいずれかに記載の耐水性紙。
<13> <1>~<12>のいずれかに記載の耐水性紙を用いてなる、食品容器。
<14> <1>~<12>のいずれかに記載の耐水性紙を用いてなる、紙コップ。
以下、本実施形態の耐水性紙の構成および物性について、さらに詳細に説明する。
本実施形態の耐水性紙を構成する紙基材は、単層構成であっても、多層構成であってもよい。多層紙である場合、紙層の層数は、特に制限されないが、例えば、好ましくは3層以上、より好ましくは4層以上、さらに好ましくは5層以上である。紙層を3層以上とすることで、所望の坪量および紙厚を実現できる他、各層の坪量、フリーネス等を調整して、耐水性紙の物性を所望の範囲に調整することができる。紙層の上限は、特に限定されないが、好ましくは7層以下、より好ましくは6層以下である。
紙基材を製造する方法としては、パルプを含有する紙料を抄紙する方法が挙げられる。なお、紙料は、添加剤をさらに含有してもよい。添加剤としては、例えば前記で挙げた添加剤が挙げられる。紙料は、パルプスラリーに添加剤を添加することにより調製できる。パルプスラリーは、パルプを水の存在下で叩解することにより得られる。パルプの叩解方法、叩解装置は特に限定されず、公知の叩解方法、叩解装置と同様であってよい。紙料におけるパルプの含有量は、特に限定されず、通常用いられている範囲であってよい。例えば、紙料(固形分)の総質量に対して、60質量%以上100質量%未満である。
本実施形態の耐水性紙において、下塗り層は、紙基材と耐水性層の間に設けられ、下塗り層は、ラテックスおよび顔料を含有する。下塗り層は、片面あたり、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。
本実施形態において、ラテックスは、水中に安定して分散可能な高分子を表す。
ラテックスの具体例としては、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体などの共役ジエン系重合体;(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、およびこれと共重合可能な単量体との共重合体(例えば、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体)などのアクリル系重合体;エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニルなどのビニル系重合体;ポリウレタン樹脂;天然ゴムなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、耐水性および/または耐油性のさらなる向上の観点から、スチレン-ブタジエン共重合体およびアクリル系重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、スチレン-ブタジエン共重合体であることがより好ましい。
顔料としては、特に制限されず、例えば、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、焼成クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料;密実型、中空型、またはコア-シェル型などの有機顔料などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、耐水性および/または耐油性のさらなる向上の観点から、カオリンおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、カオリンであることがより好ましい。
本実施形態の耐水性紙において、耐水性層は、紙基材上に下塗り層を介して形成される。ヒートシール性の観点から、耐水性層は、紙基材の少なくとも一方の面の最上層に設けられていることが好ましい。
例えば、紙コップに使用する場合は、内側となる面(接液面ともいう)に耐水性層を3層以上有することが好ましい。さらに、冷水用紙コップのように結露が生じる用途に使用する場合は、外側となる面(接液面とは反対側の面、印刷面ともいう)に耐水性層を1層以上有することが好ましく、2層以上有することがより好ましく、3層以上有することがさらに好ましい。すなわち、本実施形態の耐水性紙は、耐水性層を紙基材の両面に有することが好ましい。
ここで、耐水性層の樹脂成分とは、耐水性層が含有する高分子成分、すなわち、重量平均分子量が1,000以上である化合物を意味する。
他の成分としては、例えば、粘度調整剤;消泡剤;界面活性剤、アルコール等のレベリング剤;着色顔料、着色染料等の着色剤;無機顔料、合成樹脂等のアンチブロッキング剤などが例示される。
なお、これらの成分は、耐水性およびヒートシール性を悪化させる傾向があることから、他の成分の含有量の合計は、耐水性層の固形分中、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下であり、下限値は0質量%である。
なお、本実施形態の耐水性紙は、紙基材上の少なくとも一方の面に、紙基材に直接接するように設けられた1層以上(好ましくは1層のみ)の下塗り層、および前記下塗り層に直接に接するように設けられた、1層以上、好ましくは2層以上、より好ましくは3層以上の耐水性層をこの順で有することが好ましく、紙基材、下塗り層、耐水性層のみから構成されていることがより好ましい。
[Cobb吸水度]
本実施形態の耐水性紙は、冷水への耐水性の観点から、接触時間30分における20℃の水のCobb吸水度が、好ましくは15g/m2以下、より好ましくは10g/m2以下、より好ましくは8g/m2以下、さらに好ましくは6g/m2以下、さらにより好ましくは4g/m2以下である(下限は0g/m2)。Cobb吸水度は、JIS P 8140:1998に準拠して測定される値を採用するものとする。
本実施形態の耐水性紙は、JAPPAN TAPPI No.41(キット法)に準拠して測定されるキット値が、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは7以上である。キット値が大きいほど、耐油性に優れることを意味する。上記範囲内であれば、食品包装用途に好適に使用することができる。
本実施形態の耐水性紙は、ヒートシール性および耐水性に優れることから、紙コップ、紙皿、紙トレーなどの食品容器;スプーン、フォーク、ナイフ、箸などのカトラリー;ストローなどに好適に使用することができる。食品容器は、例えば、必要に応じて耐水性紙の表面に印刷を施し、製造する食品容器の形状に対応した形状に打抜き加工し、折り曲げ加工し、重なり部分をヒートシールにより貼り合わせて成形することができる。従って、本発明によれば、上記の耐水性紙を用いてなる、食品容器(特に紙コップ)も提供される。
また、本実施形態の耐水性紙は、耐油性にも優れることから、食品包装用途にも好適に使用することができる。
・顔料:カオリン(商品名「バリサーフHX」、イメリス株式会社製、平均粒子径9.0μm、アスペクト比80~100)
・ラテックス:スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス(商品名「PB5453」、日本エイアンドエル株式会社製、平均粒子径0.1μm、ガラス転移温度0℃)
・エチレン-メタクリル酸共重合体:エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマー(金属塩)の水系分散液、商品名「ケミパールS300」、三井化学株式会社製
・消泡剤:商品名「ビスマーKS-38E」、株式会社日新化学研究所製
[紙基材A(片面塗工用)]
叩解したLBKP(CSF460mL)および叩解したNBKP(CSF650mL)を70%、30%の割合で混合したパルプスラリー100質量%(固形分換算)に対し、弱酸性ロジンサイズ剤0.8質量%、湿潤紙力増強剤0.15質量%、硫酸バンド1.45質量%を添加し、外層(第1層、第5層)用の紙料を調製した。同様に、叩解したLBKP(CSF460mL)、叩解したNBKP(CSF650mL)を70%、30%の割合で混合したパルプスラリー100質量%(固形分換算)に対し、弱酸性ロジンサイズ剤0.8質量%、湿潤紙力増強剤0.15質量%、硫酸バンド1.7質量%を添加し、中層(第2層~第4層)用の紙料を調製した。これらの紙料を用いて、5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙し、坪量が260g/m2、紙厚が330μmの紙基材Aを得た。
叩解したLBKP(CSF460mL)および叩解したNBKP(CSF650mL)を70%、30%の割合で混合したパルプスラリー100質量%(固形分換算)に対し、弱酸性ロジンサイズ剤0.8質量%、湿潤紙力増強剤0.15質量%、硫酸バンド1.45質量%を添加し、外層(第1層、第5層)用の紙料を調製した。同様に、叩解したLBKP(CSF460mL)、叩解したNBKP(CSF650mL)を70%、30%の割合で混合したパルプスラリー100質量%(固形分換算)に対し、弱酸性ロジンサイズ剤0.8質量%、湿潤紙力増強剤0.15質量%、硫酸バンド1.7質量%を添加し、中層(第2層~第4層)用の紙料を調製した。これらの紙料を用いて、5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙し、坪量が230g/m2、紙厚が278μmの紙基材Bを得た。
(a)塗工液Aの作製
カオリン分散液に、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスを配合して、固形分中のカオリンの含有量が40.0質量%、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が60.0質量%であるカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液を調製した。カオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液に、消泡剤を配合して、固形分中のカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が97.8質量%、消泡剤の含有量が2.2質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Aを調製した。
カオリン分散液に、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスを配合して、固形分中のカオリンの含有量が50.0質量%、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が50.0質量%であるカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液を調製した。カオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液に、消泡剤を配合して、固形分中のカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が97.8質量%、消泡剤の含有量が2.2質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Bを調製した。
カオリン分散液に、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスを配合して、固形分中のカオリンの含有量が60.0質量%、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が40.0質量%であるカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液を調製した。カオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液に、消泡剤を配合して、固形分中のカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が97.8質量%、消泡剤の含有量が2.2質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Cを調製した。
カオリン分散液に、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスを配合して、固形分中のカオリンの含有量が70.0質量%、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が30.0質量%であるカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液を調製した。カオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液に、消泡剤を配合して、固形分中のカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が97.8質量%、消泡剤の含有量が2.2質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Dを調製した。
カオリン分散液に、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスを配合して、固形分中のカオリンの含有量が80.0質量%、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が20.0質量%であるカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液を調製した。カオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液に、消泡剤を配合して、固形分中のカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が97.8質量%、消泡剤の含有量が2.2質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Eを調製した。
カオリン分散液に、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスを配合して、固形分中のカオリンの含有量が90.0質量%、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が10.0質量%であるカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液を調製した。カオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス混合液に、消泡剤を配合して、固形分中のカオリン/スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの含有量が97.8質量%、消泡剤の含有量が2.2質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Fを調製した。
(a)塗工液G(グラビアコーター用塗工液)の作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が97.8質量%、消泡剤の含有量が2.2質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Gを調製した。
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が97.8質量%、消泡剤の含有量が2.2質量%であり、固形分濃度28質量%の塗工液Hを調製した。
紙基材Aの片面(表面、食品容器に使用する場合は接液面に相当)に、上記塗工液Aを、塗工量(固形分)が1.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り層を形成させた。同じ面に、上記塗工液Gを、塗工量(固形分)が2.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層1を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Gを、塗工量(固形分)が2.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層2を形成したのち、同じ面に、上記塗工液Hを、塗工量(固形分)が5.0g/m2となるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層3を形成し、紙基材の片面(表面)に計3層の耐水性層を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Aを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り層を形成させた。同じ面に、実施例1と同様にして塗工液を1~3層目まで塗工して、耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Aを、塗工量(固形分)が3.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り層を形成させた。同じ面に、実施例1と同様にして塗工液を1~3層目まで塗工して、耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Aを、塗工量(固形分)が5.0g/m2となるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り層を形成させた。同じ面に、実施例1と同様にして塗工液を1~3層目まで塗工して、耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Aを、塗工量(固形分)が10.0g/m2となるように、ブレードコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り層を形成させた。同じ面に、実施例1と同様にして塗工液を1~3層目まで塗工して、耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Bを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り層を形成させた。同じ面に、実施例1と同様にして塗工液を1~3層目まで塗工して、耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Cを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り層を形成させた。同じ面に、実施例1と同様にして塗工液を1~3層目まで塗工して、耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Dを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り層を形成させた。同じ面に、実施例1と同様にして塗工液を1~3層目まで塗工して、耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Eを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り層を形成させた。同じ面に、実施例1と同様にして塗工液を1~3層目まで塗工して、耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Aを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り層を形成させた。同じ面に、上記塗工液Gを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層1を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Gを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層2を形成したのち、同じ面に、上記塗工液Hを、塗工量(固形分)が4.0g/m2となるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層3を形成し、計3層の耐水性層を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に実施例10と同様にして下塗り層を形成したのち、同じ面に、上記塗工液Gを、塗工量(固形分)が1.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層1を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Gを、塗工量(固形分)が1.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層2を形成したのち、同じ面に、上記塗工液Hを、塗工量(固形分)が3.0g/m2となるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層3を形成し、計3層の耐水性層を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に実施例10と同様にして下塗り層を形成したのち、同じ面に、上記塗工液Gを、塗工量(固形分)が0.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層1を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Gを、塗工量(固形分)が0.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層2を形成したのち、同じ面に、上記塗工液Hを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層3を形成し、計3層の耐水性層を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例1と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面、食品容器に使用する場合は印刷面に相当)にも実施例1と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例2と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも実施例2と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例3と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも実施例3と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例4と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも実施例4と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例5と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも実施例5と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例6と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも実施例6と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例7と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも実施例7と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例8と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも実施例8と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例9と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも実施例9と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例10と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも実施例10と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例11と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも実施例11と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、実施例12と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも実施例12と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Gを、塗工量(固形分)が2.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層1を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Gを、塗工量(固形分)が2.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層2を形成したのち、同じ面に、上記塗工液Hを、塗工量(固形分)が5.0g/m2となるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層3を形成し、計3層の耐水性層を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Gを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層1を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Gを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層2を形成したのち、同じ面に、上記塗工液Hを、塗工量(固形分)が4.0g/m2となるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層3を形成し、計3層の耐水性層を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Gを、塗工量(固形分)が0.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層1を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Gを、塗工量(固形分)が0.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層2を形成したのち、同じ面に、上記塗工液Hを、塗工量(固形分)が5.0g/m2となるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層3を形成し、計3層の耐水性層を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Aの片面(表面)に、上記塗工液Fを、塗工量(固形分)が2.0g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り層を形成させた。同じ面に、上記塗工液Gを、塗工量(固形分)が2.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層1を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Gを、塗工量(固形分)が2.5g/m2となるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層2を形成したのち、同じ面に、上記塗工液Hを、塗工量(固形分)が5.0g/m2となるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層3を形成し、計3層の耐水性層を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、比較例1と同様にして耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも比較例1と同様にして耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、比較例2と同様にして耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも比較例2と同様にして耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
実紙基材Bの片面(表面)に、比較例3と同様にして耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも比較例3と同様にして耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
紙基材Bの片面(表面)に、比較例4と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成させたのち、紙基材のもう一方の面(裏面)にも比較例と同様にして下塗り層と耐水性層1~3を形成し、耐水性紙を作製した。
実施例および比較例で得られた耐水性紙の評価を行った。
JAPPAN TAPPI No.41(キット法)に準拠し、耐水性紙表面の耐油性を評価した。値(キット値)が高いほど撥油性が高いことを示す。
Cobb吸水度は、得られた耐水性紙を10cm角に裁断し、耐水性紙の表面(接液面)にJIS P 8140:1998に準拠して20℃または90℃のイオン交換水を30分間接触させ、接触前後の質量差から、JIS P 8140:1998に準拠して測定した。両面塗工品については、耐水性紙の裏面(印刷面)についても、同様にして、20℃のCobb吸水度を評価した。なお、耐水性紙表面のCobb吸水度を測定し、値が低いほど耐水性が高いことを示す。
得られた耐水性紙を幅2.5cm、長さ15cmにカットし、表面と裏面とを14.85cm2の面積で重ね合わせたのち、ヒートシールテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、温度150℃、圧力0.2MPaで2秒間シールした後、室温まで冷却したのち、手で剥がした時の様子を以下の基準に基づいて評価した。以下の基準で○以上であれば、実用上問題がない。
◎:全面完全に接着しており、紙基材で破壊している
○:概ね接着している
△:一部しか接着しておらず、部分的に基材破壊している
×:まったく接着していない
一方、下塗り層を有しない耐水性紙(比較例1~3、5~7)、および下塗り層中のラテックス/顔料の質量比が15/85未満である耐水性紙(比較例4、8)は、いずれも耐水性に劣っていた。
Claims (12)
- 紙基材の少なくとも一方の面に、下塗り層および耐水性層をこの順に有する耐水性紙であって、
前記紙基材の少なくとも一方の面に、前記耐水性層を少なくとも3層有し、
最上層の耐水性層の塗工量が、最上層以外の耐水性層の1層あたりの塗工量の1.5倍以上であり、
前記下塗り層は、ラテックスおよび顔料を含有し、下塗り層における顔料に対するラテックスの質量比(ラテックス/顔料)が15/85以上70/30以下であり、
前記耐水性層は、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体を含有する、耐水性紙。 - 前記ラテックスは、スチレン-ブタジエン共重合体である、請求項1に記載の耐水性紙。
- 前記顔料は、カオリンである、請求項1または2に記載の耐水性紙。
- 前記下塗り層の片面あたりの塗工量が0.5g/m2以上12g/m2以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の耐水性紙。
- 前記紙基材の両面に前記耐水性層を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の耐水性紙。
- 前記耐水性層の片面あたりの塗工量が2g/m2以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の耐水性紙。
- 接触時間30分における20℃の水のCobb吸水度が15g/m2以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の耐水性紙。
- 接触時間30分における90℃の水のCobb吸水度が25g/m2以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の耐水性紙。
- JAPPAN TAPPI No.41(キット法)に準拠して測定されるキット値が、3以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の耐水性紙。
- 食品容器用である、請求項1~9のいずれか1項に記載の耐水性紙。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の耐水性紙を用いてなる、食品容器。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の耐水性紙を用いてなる、紙コップ。
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