JP5462176B2 - オフセット紙用コーティング組成物及びこれによるコート紙 - Google Patents

オフセット紙用コーティング組成物及びこれによるコート紙 Download PDF

Info

Publication number
JP5462176B2
JP5462176B2 JP2010530302A JP2010530302A JP5462176B2 JP 5462176 B2 JP5462176 B2 JP 5462176B2 JP 2010530302 A JP2010530302 A JP 2010530302A JP 2010530302 A JP2010530302 A JP 2010530302A JP 5462176 B2 JP5462176 B2 JP 5462176B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
parts
weight
dry
coated paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010530302A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011500986A (ja
Inventor
ヘーネン ジャン−ピエール
ビー. ジューエット ケネス
ヴァン デ ラール ロナルド
イー. スノー スーザン
Original Assignee
エスエーピーピーアイ ネザーランズ サーヴィシーズ ビー.ヴイ
エス・ディ・ウォレン・カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エスエーピーピーアイ ネザーランズ サーヴィシーズ ビー.ヴイ, エス・ディ・ウォレン・カンパニー filed Critical エスエーピーピーアイ ネザーランズ サーヴィシーズ ビー.ヴイ
Publication of JP2011500986A publication Critical patent/JP2011500986A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5462176B2 publication Critical patent/JP5462176B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5218Macromolecular coatings characterised by inorganic additives, e.g. pigments, clays
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/249921Web or sheet containing structurally defined element or component
    • Y10T428/249953Composite having voids in a component [e.g., porous, cellular, etc.]
    • Y10T428/249987With nonvoid component of specified composition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/25Web or sheet containing structurally defined element or component and including a second component containing structurally defined particles
    • Y10T428/259Silicic material

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Description

本発明は、印刷用の特定のトップコーティング層を少なくとも片面に有するオフセット印刷用コート紙(coated paper)に関する。本発明は、上記紙の製造方法及び上記紙の製造におけるタルク顔料の使用に関する。
背景技術及び発明が解決しようとする課題
本発明は、タルクを含む紙コーティング組成物の製造に関する。「タルク(Talcum)」(又はtalc)は、60重量%以上、好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の真性鉱物学的タルクを含むミネラルを意味し、真性鉱物学的タルクは3MgO、4SiO、HO、又はMg[Si10(OH)]の理論分子組成を有する含水(又は水和)ケイ酸マグネシウムである。「タルク」と表わされる市販のタルクミネラルは、しばしば以下の混合物からなる:
(単なる)真性ラメラ鉱物学的タルク、及び
主グループをケイ酸塩とするフィロケイ酸塩のサブグループに属し、理論分子組成がMgAl[Si10(OH)]のクロライト等の関連ラメラミネラル、及び
ドロマイト(炭酸カルシウムマグネシウム)、カルサイト(炭酸カルシウム)及びマグネサイト(炭酸カルシウム)等の実質的に非ラメラミネラル。
低光沢のコート印刷紙、いわゆるマット紙は、より光沢のある紙と比較して、印刷後の製本での必要な処理中、及び/又は輸送中(即ち、一般的な機械輸送中)に「こすれる(scuff)」傾向がある。
「スカフ」とは、紙がせん断作用を受けたときに、インクが1の紙(ドナー)から他の紙(レセプター)へ擦れ落ちる(rubbing off)ことであり、「インクスカフ」又は「インク摩擦(ink rub)」ともいう。レセプター紙に擦れ落ちたインクが見えると、品質の点で好ましくない。
高輝度(通常>94%TAPPI輝度、457nmにおける反射率)のコートマット紙(通常<35%TAPPI75°紙光沢(paper gloss))は、通常顔料ブレンドでコートされ、この顔料ブレンドは紙光沢を低く維持するために相当量の粗挽き炭酸カルシウムを含む。さらにマット紙は、カレンダー(艶出し)処理をしない又はカレンダー処理を僅かにするだけで、紙光沢を抑え、粗い、ざらつき感のある表面とする。
粗い炭酸カルシウムのかなり強い摩擦(他のコーティング顔料と比較して)、粗挽き顔料(メジアン粒系、d50≧1.5μm)の大きいサイズ、及びカレンダー処理を行わないことが組み合わさってインクスカフ増加の原因になると考えられる。カレンダー処理を行わないと、擦れ又は摩擦したとき光筋となるバニシ(burnish)になりやすい。
印刷した紙に保護面を与えるため、プリンターは最終印刷工程で透明水性オーバーコートを頻繁に用いる(いわゆるオーバープリントニス)。水性オーバーコートにより、印刷紙は製本でき、好ましくないスカフやバニシを生じることなく印刷できる。しかしながら、これはコストがかかり、マット表面の感覚及び外観を変える。
上記問題に対する従来の解決法は以下を含む:光艶出処理し、粗挽き炭酸カルシウムのレベルを低減する、又はタルクを加える。光艶出処理や粗挽き炭酸カルシウムレベルの低減をすると、紙光沢が強くなり、ざらつき感が失われる。タルクの追加は、印刷適性の問題を引き起こす可能性がある。
タルクは多くの産業上用途を有するミネラルである:熱可塑性プラスチック及び熱可塑性エラストマーに用いる比較的安価な機械的補強フィラー又は増量剤、ペイント用フィラー、チキソトロピック添加剤、非凝集剤及び非固化剤、化粧品ベース、セラミック製造における原料、紙のフィラー、紙コーティング顔料、紙の製造におけるピッチと樹脂の調整用の添加剤(ピッチコントロール)等。しかしながらタルクはエネルギーが低く、疎水性及び有機親和性であり、不活性なミネラルであり、独特な性質の組み合わせを有し、特定の用途には不利であり、タルク使用分野を制限する場合がある。
例えば、セラミック及び紙産業での用途では、タルクの疎水性の性質が水性溶媒での混合工程を複雑にし(1以上の分散剤及び安定剤の適当なシステムの存在下で高エネルギーの混合が必要となる)、例えばセルロースとの結合を弱め、これはしばしば許容できない粉末化(紙表面からのタルク分離)を発生させる。
ポリマーマトリックスのフィラーとしての用途では、タルクの不活性な性質が、タルクがポリマーと化学的相互作用を介して密接に結合することを妨げ、フィラーを充填した混合物の特定の機械的強化特性を制限する。
タルクミネラルはケイ酸ミネラルの広範なグループに属し、より具体的には結合SiO四面体(coupled SiO4-tetraeder)の六方晶系層という共通の構造を有するフィロケイ酸塩のサブグループに属する。電気的中性の3層結晶構造であるため、タルク小板は弱いファン・デル・ワールス力によって互いに保持するのみであり、非常に低いせん断状態においても容易に層間剥離が生じる。タルクがツルツルした感触とモース硬度計の最低値を有し、例えばインクスカフを低減するとき一種のスメア(smearing)剤として適切に機能する理由を上記性質で説明できる。上記スメア特性がより多い又は少ない他のミネラルは、広範なフィロケイ酸塩グループで見出すことができ、例えばクロライト、パイロフィライト、一部のスメクタイト及び含水カオリナイトである。
Si−O−Si及びSi−O基のみが3層面に存在し、Si−OH基が少ししか存在しないため、タルクは自然の形態ではエネルギーが低く、撥水又は疎水であり、結晶表面である。この特性のために、タルクを水で濡らすことが通常非常に困難であり、結果としてタルクを高い重量割合で含む水性懸濁液の調製は時間とエネルギーの点で費用がかかる。
タルクを紙コーティング顔料として用いることは公知であるが(例えばUS2004/0067356)、その使用は常に厳しく限定されていた。なぜならば、紙コーティング組成物は通常1以上の顔料及び1以上のバインダー/接着剤の水性懸濁液の形態で塗布するからである。上記組成物の固体濃度は以下の要求によって支配される:組成物をコーティング装置で紙ウェブ表面上に均一に広げられるように十分に流動的(流動学)にする要求;さらに、コートした紙から熱蒸発によって水を除去する必要があるため、含まれる水の量を最少にする要求。
タルク表面の疎水的性質により生じる問題は、例えば1以上の湿潤剤及び/又は分散剤の適切なシステムを、タルクを懸濁する水に添加することによって解決されてきた。
しかしながら、現在公知のこのような表面活性剤は高価であり、タルクを紙コーティング顔料として用いるコストをかなり増加させる。また、表面活性剤は泡を形成する傾向があり、表面活性剤と共にしばしば消泡剤を用いなければならない。さらに表面活性剤が大量に存在すると、流動性だけでなく最終コーティングの印刷特性にも影響する場合がある。
US4430249は、タルクをより容易に水性媒体中に分散させるための処理方法を開示し、この方法は、アルカリ金属水酸化物又はアンモニウム水酸化物水性溶液に微粉化したタルクを接触させ、上記水性溶液と接触後のタルクを洗浄し、洗浄したタルクを熱乾燥してタルクに結合した相当量の水を除去する。
GB−A−2211493は、リン酸又はピロリン酸等のリン化合物でタルクを処理する方法を記載する。この方法は、タルク粒子の周辺にリン酸塩を析出させ、タルク粒子を見かけ上親水性にする。この析出物は不安定であり、特に塩基、超音波等による洗浄で容易に除去される。
上記の見かけ上親水性の物質では、本来のタルクの疎水性の性質は周囲の析出物により単にマスクされているだけであり、タルクの結晶構造中に組み込まれてなく、容易に除去される。従って、この場合の親水性が非常に不安定なのは明らかである。
従って、本発明の一実施形態の目的は、少なくとも片面にトップコーティング層を有するオフセット印刷に用いる、改良されたコーティング及び/又はコート紙を提供することである。また、本発明の目的は、好ましくは高輝度(high brightness)で、許容範囲でインクスカフが少なく、所望の紙光沢(paper gloss)を有し、表面生地が良好で、適度なバニシ耐性(burnish resistance)を有し、印刷性(printablity)が良好なコート紙、例えばマット紙を開発することである。インクスカフのレベルは、例えばコーティング中の炭酸カルシウムレベルが高い(>50%)光沢コート紙と、少なくとも同じレベルである。しかしながら、以下の詳細な説明で示すように、本発明はマット紙に限定されない。
上記のトップコーティング層は以下の成分を含む(又はのみからなる)。
−有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料の微粒子を2〜40、好ましくは2〜35乾燥重量部含む顔料部100乾燥重量部、
−バインダ部2〜20、通常4〜12乾燥重量部、
−(通常の)添加剤を0〜8、通常0〜4乾燥重量部。
タルクは、紙コーティングの顔料に対して通常約20〜50乾燥重量部の所定量で加えることで、インクスカフを低減することが知られているが(しかしながら、上記のように紙コーティング工程を中止する重大な問題を有する)、特定の有機分子システムで表面処理及び/又は含浸することにより、さらに効率的に使用できることが予期せず見出された。特に、表面処理/含浸は、通常フィロケイ酸塩顔料の有機親和性を高める有機分子を用いて行う。
このように変性した微粒子タルクを、水スラリー中又は直接コーティング中に懸濁させることはかなり困難であり、これは提案する有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料によっても変わらないが、驚くべきことに、インクスカフを低減するのに必要なタルク量を劇的に減少できることを見いだした。これはコストを削減するのみならず、例えばインクスカフの問題をタルクを添加して低減する場合のコーティング組成物の他の成分に関連する費用も削減する。
この理論的説明によることなく、表面処理に使用するこれら有機分子中に存在するような、フリー有機官能基の特定の化学相互作用は、プリントインク層そのものと共にインクスカフの作用の低減に寄与する(より密着した有機表面処理及び/又は含浸した、好ましくはシラン化タルク+インク)。
第1の好ましい実施形態によれば、フィロケイ酸塩顔料は以下から選択される有機成分により表面処理及び/又は含浸される:シランカップリング剤、ポリシロキサン、ポリオール、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸アミド、ポリエーテルポリオール、グリコール、脂肪酸エステル、スルホン酸アルキル、スルホン酸アリール、ワックス中のステアリン酸カルシウム及びこれらの混合物。
このようなシステムは当該技術分野で公知であるが、この技術分野においては、表面処理したタルクシステムをプラスチック、即ち熱可塑性システム用フィラーとして用いることしか開示されていない。例えばUS−A−2002/0013416が挙げられ、この文献の開示は表面処理微粒子タルクに関する方法及びシステムとして本明細書に含まれる。US−A−2002/0013416は、これに記載のタルクを熱可塑性押出材料に加える用途についてのみ言及し、他の目的についての用途は開示していない。
紙コーティング組成物は水がベースであって親水性であるため、この文献に開示されているシステムを紙コーティング組成物の分野で使用できることは全く予期できない。US−A−2002/0013416に開示されるタルクシステムは、ポリマーマトリックス、従って有機親和性環境に加えることを目的としているため、通常疎水性である。
フィロケイ酸塩が顔料部の残りの物質と比較して著しく少ない割合で、ほぼ水性のコーティング組成物に、これらシステムを加えることができ、一方で、インクスカフを効率的に低減できるという事実はさらに予期できないことである。これにより例えば、オーバープリントニス及び/又はオフセットパウダー及び/又は印刷紙の特定の乾燥を低減又は完全に除去できる。
タルクを不活性から活性に反転させる周知の実施方法として、ポリマーマトリックス分野で優れた相溶性のフィラーは、下記一般式の有機官能シラン化合物から選択されるいわゆるカップリング剤でタルクの化学表面処理をする。
Si(CH−Y
式中、Yはハロゲン、−CN、−NRR’,−COOR等;
R,R’=H,CH,CHCH、アルキル等;
X=アルキル基、アリール基、ハロゲン、メトキシ基等のアルコキシ基。アルコキシ基が多い。
有機官能シランは、Si−O−を介してタルク表面に含浸又は直接若しくは間接的に化学結合し(例えばわずかな表面ヒドロキシル基と、例えばシラン化合物のメトキシ又はエトキシ基の化学反応により、例えばメタノール/エタノールを形成して。)、シランのフリー官能基(例えば1級アルキルアミン)はポリマーマトリックスとの本質的化学相互作用に使用できる。これらも発明で認められるシステムである。
これらカップリング剤の2つの例:3−アミノプロピル(トリ−エトキシ)シラン HNCHCHCHSi(OC),及び3−(2−アミノエチルアミン)プロピル(トリメトキシ)シラン HNCHCHNHCHCHCHSi(OCH)。
従来技術は、インクスカフ耐性のためにタルクを用いるが、シラン化タルクはもちろん有機表面処理及び/又は含浸したタルクは使用せず、例えばマット製品用のソフト顔料は開発しようともされていない。粗挽き(coarse ground )炭酸塩システムの製造方法が注目されている。スターチ顔料は、マットグレードのインク摩擦を改良するために用いられてきたが、光学特性及び印刷特性は劣る。高度に粗い粘土成分も用いられたが、輝度が低い。非晶質シリカはインクジェット用途のコーティングで用いられ、オフセットコート印刷紙のインク乾燥を速めるために本出願人により開発されたが、オフセットコートマット印刷紙のバニシ耐性に用いることは知られていない。
紙コーティングの従来技術において、例えばシラン化タルクはもちろん、有機表面処理及び/又は含浸されたタルクを使用する記載はない。このようなシステムは、例えばポリオレフィンフィルムの製造におけるアンチブロック剤としてのみ用いられる。これら従来技術の用途においてシラン処理は、タルクが加工助剤(processing aid)を吸収することを防ぐ助けをする。タルクが加工助剤を吸収すると、フィルムの製造が妨げられる。プラスチック工業で用いられる顔料は、水性紙コーティングに使用し得る顔料としては通常考えられていない。
有機表面処理及び/又は含浸した、例えばシラン化したタルクをインクスカフ助剤として用いることは、粘土粒子及び炭酸カルシウムに代わる顔料を探すスクリーニングにおいて発見された。未処理タルクは開発で試みられたが、インク摩擦の改良は極く少しであった。フィロケイ酸塩顔料を有機シラン及び/又は有機シラノール成分で表面処理及び/又は含浸すると、特に好ましいシステムが得られる。このようなシステムの文献としてUS−A−2002/0013416を再度挙げる。US−A−2002/0013416は、これらのシステムで処理したタルク顔料の調製に加え、有機シラン及び/又は有機シラノール成分に関する文献として本明細書に含まれる。
有機表面処理及び/又は含浸した、好ましくはシラン化したタルクは、輝度への影響を最小限にしたままで、良好なインク摩擦、低い紙光沢及び高いバニシ耐性を与える。シリカは、インク摩擦に影響しない又は悪影響を与えるが、インクセット時間を改良し、紙光沢を低くし、バニシ耐性を高める。軽質(precipitated)炭酸カルシウム(PCC)顔料を顔料部に追加すると、コーティング構成を助けることによって光学機械及びバックトラップモートルを改善する。アルミニウム−トリ−ヒドロキシド−顔料(ATH)を顔料部に追加すると、インク摩擦への悪影響を最小限にしたままで、輝度を与える。全性質のバランスを保つことが重要な態様の1つである。
有機表面処理及び/又は含浸した、好ましくはシラン化したタルクは、マット製品に必要な低い紙光沢を確保しつつインク摩擦を改良するので、本発明の重要な態様の1つである。コーティング組成物の顔料部に非晶質シリカも存在すると、特に他の選択肢(options)が輝度を損なう恐れがある場合特に高輝度マットグレードについて、得るべき性質のバランスが優れる。コーティング組成物の顔料部にアルミニウム−トリ−ヒドロキシド−顔料が存在すると、ほとんどの場合タルクの低輝度を補うが、低輝度グレードにとって重要ではない。コーティング組成物にPCCを加えることは、コーティングに構成及び輝度を加える1つの方法である。PCCの機能を与えることのできる他の材料は存在するかもしれないが、コストと輝度を合わせて有していない。
顔料サイズが、インク摩擦、紙光沢及びバニシ耐性の適当なバランスを得るのに重要となる場合がある。有機表面処理及び/又は含浸した(好ましくはシラン化した)タルクは、好ましくは平均粒子径(medium particle size)が2〜8μmである。アルミニウム−トリ−ヒドロキシド粒子径は、好ましくは0.8μm未満である。シリカ粒子径は好ましくは3〜6μmである。
性質を変更するため、例えば光沢を改善するために、プラスチック顔料を顔料部の5〜15乾燥重量部加えてもよい。
低輝度マット製品について、コストを削減するために、PCCをアルミニウム−トリ−ヒドロキシドに置き換えてもよい(10〜30部)。粗い粘土成分を有機表面処理及び/又は含浸した(例えばシラン化した)タルクの一部に置き換えてもよい(10〜30重量部)。
インク摩擦を適度に改良することが必要で、顔料パッケージの最小限の変更が所望される場合、最良の方法として、本発明の他の実施形態によれば、所望の紙、インク光沢に許容される最大粒径の有機表面処理及び/又は含浸した(例えばシラン化した)タルクを5〜15部加えてもよい。
これに関し、市販のシステムは、Talc de Luzenac(フランス)の製品Mistrobond、最も好ましくはMistrobond C及びMistrobond R10Cであり、他の可能な製品はSpeciality Minerals Inc.(US)のPolyblocである。両システムは、今日まで例えばポリオレフィンシステム及びポリオレフィンフィルムに用いるフィラーとしてのみ知られている。従って、好ましくは、フィロケイ酸塩(タルク)顔料は、有機シランによってほぼ被覆され、最も好ましくは有機シランは以下から選択される:アミノアルキル−有機シラン、ビニル−有機シラン、2級アミノアルキル−有機シラン、スルファンアルキル−有機シラン、メルカプトアルキル−有機シラン、メタクリレートアルキル−有機シラン、ポリエーテルアルキル−有機シラン、エポキシアルキル−有機シラン。
上述のように、好ましい実施形態によれば、フィロケイ酸塩顔料はタルク顔料である。通常フィロケイ酸塩顔料はモース硬度計による硬度が2未満であり、好ましくは1の範囲である。
他の好ましい実施形態によれば、フィロケイ酸塩顔料は好ましくはタルクであり、平均粒子径が1〜8μm、好ましくは2〜4μmである。
本発明の他の実施形態によれば、有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料は、代表的にはシラン化タルク顔料であり、顔料部中に3〜35、好ましくは4〜25乾燥重量部、最も好ましくは4〜15乾燥重量部存在する。
提案する有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料と組み合わせると、所望の紙光沢に応じて紙コーティングの様々な最適組成を見いだせる。
マット紙、即ち光沢が50%未満TAPPI75°、好ましくは40%未満TAPPI75°、最も好ましくは35%未満TAPPI75°の紙に関する好ましい実施形態によれば、有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料は、顔料部中に2〜40部、好ましくは3〜35部存在する。しかしながら、提案するシラン化タルクでは、4〜15部の低い含量が可能となる。光沢は10%未満TAPPI75°又は5%未満TAPPI75°でもよく、本発明はこの光沢グレードの紙に適する。
通常、マット紙の場合、100乾燥重量部の顔料部は以下の成分からなる:
有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料、好ましくはシラン化タルクの微粒子 2〜40、好ましくは3〜35、最も好ましくは5〜25乾燥重量部
微粒子非晶質シリカ及び/又は軽質シリカ、好ましくは非晶質シリカゲル、最も好ましくは平均粒子径が1〜6μm、好ましくは2〜6μmのもの 1〜20、好ましくは3〜12乾燥重量部
及び、残りは顔料部100乾燥重量部を補完する微粒子顔料であり、以下から選択される:炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、粘土、プラスチック顔料、三水酸化アルミニウム、石こう、硫酸バリウム(及び、場合によって紙コーティング顔料分野で公知の他の顔料)。好ましくは、この顔料部の残り(上記シラン化タルク及びシリカ以外)は、軽質炭酸カルシウム10〜40乾燥重量部、及び/又はプラスチック顔料5〜15乾燥重量部、及び/又は三水酸化アルミニウム10〜50乾燥重量部を含む。三水酸化アルミニウムを用いる場合、三水酸化アルミニウムの平均粒子径は、好ましくは1.5μm未満であり、より好ましくは1.0μm未満であり、最も好ましくは0.8μm未満である。
プラスチック顔料を用いる場合、本明細書において通常、好ましくは以下から選択される中空又は中実粒子ポリマー顔料である:ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(2−クロロエチルメタクリレート)、ポリ(イソプロピルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、アセタール、ポリフェニレンサルファイド、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、(変性)ポリスチレンラテックス、ポリアクリルアミド、スチレン系マレイン酸共重合体ラテックス(SMA)及び/又はスチレンマレイミド共重合体ラテックス(SMI)及びこれらの合金(alloys)、ブレンド、混合物及び誘導体。
通常、本発明によるマット紙はカレンダー処理をせず、又は軽くカレンダー処理をする。
マット紙の場合、コーティング組成物が粗い顔料、特に、粗い炭酸カルシウム顔料、最も好ましくは粗挽き炭酸カルシウム顔料をほぼ含まないようにすることが好ましい。粗い顔料とは、平均粒子径が1.5μm以上であることを意味する。
中間光沢紙に関して、トップコーティング組成物、特にその顔料部にわずかに異なる組成が見出された。従って、本発明の他の実施形態によると、中間光沢紙、即ち光沢が30〜75%TAPPI75°、好ましくは40〜60%TAPPI75°である紙に関して、有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料は、顔料部中に2〜30部、好ましくは4〜20部存在する。
中間光沢紙の場合、一実施形態によれば100乾燥重量部の顔料部は以下の成分からなる:
有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料、好ましくはシラン化タルクの微粒子 2〜30、好ましくは3〜20乾燥重量部、
微粒子非晶質シリカ及び/又は軽質シリカ、好ましくは非晶質シリカゲル、最も好ましくは平均粒子径が1〜6μm、好ましくは2〜6μmのもの 0〜20、好ましくは3〜12乾燥重量部、
及び、残りは100乾燥重量部を補完する微粒子顔料であり、以下から選択される:炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、粘土、樹脂顔料、三水酸化アルミニウム、石こう、硫酸バリウム(及び、場合によって紙コーティング顔料分野で公知の他の顔料)、好ましくは、残りは、軽質炭酸カルシウム10〜40乾燥重量部、及び/又は樹脂顔料5〜15乾燥重量部、及び/又は粘土10〜30乾燥重量部、及び/又は三水酸化アルミニウム20〜40乾燥重量部を含む。
この場合、三水酸化アルミニウムの平均粒子径は、好ましくは上記マット紙のものより小さく、特に、三水酸化アルミニウムの平均粒子径は好ましくは1.5μm未満、より好ましくは0.5〜0.8μmである。
高光沢紙、即ち通常光沢が60%以上TAPPI75°、好ましくは75%超TAPPI75°、最も好ましくは80%超TAPPI75°である紙に関しては、有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料は、顔料部中に好ましくは2〜20部、好ましくは4〜10部存在する。
本発明の他の実施形態によれば、高光沢紙の場合、100乾燥重量部の顔料部は以下の成分からなる:
有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料、好ましくはシラン化タルクの微粒子 2〜20、好ましくは3〜10乾燥重量部、
微粒子非晶質シリカ及び/又は軽質シリカ、好ましくは非晶質シリカゲル、最も好ましくは平均粒子径が1〜6μm、好ましくは2〜6μmのもの 0〜20乾燥重量部(この場合、好ましくはプレコートがこのようなシリカを3〜12部含む)、
及び、残りは100乾燥重量部を補完する微粒子顔料であり、以下から選択される:炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、粘土、樹脂顔料、三水酸化アルミニウム、石こう、硫酸バリウム(及び、場合によって紙コーティング顔料分野で公知の他の顔料)、好ましくは、残りは、軽質炭酸カルシウム0〜50、好ましくは5〜50乾燥重量部、及び/又は樹脂顔料5〜15乾燥重量部、及び/又は粗挽き(平均粒子径1.5μm未満、好ましくは1μm未満、最も好ましくは0.8μm未満)の炭酸カルシウム0〜40乾燥重量部、及び/又は三水酸化アルミニウム5〜40乾燥重量部を含む。この場合、三水酸化アルミニウムの平均粒子径は、通常上記の2つのものより小さく、即ち好ましくは三水酸化アルミニウムの平均粒子径は好ましくは1.0μm未満、より好ましくは0.2〜0.5μmである。
提案する、オフセット印刷のためのコーティング組成物中でタルクを用いることは、インクスカフが問題となり得る場合、例えば顔料にかかるインクスカフ問題を生じやすい他の成分が含まれる場合に、最も有用である。
従って、本発明の他の実施形態によれば、顔料部は通常、好ましくは以下から選択される微粒子顔料を60〜98乾燥質量部さらに含む(特定量の有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料の微粒子以外):炭酸塩、カオリン、樹脂顔料、粘土、酸化チタン、三水酸化アルミニウム、石こう、硫酸バリウム、シリカ、好ましくは非晶質シリカゲル。
言い換えると、これらの物質は顔料部の残りであり、有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料を補完して100%(乾燥重量)にする。
好ましくは、100乾燥重量部の顔料部は以下の成分を含み、好ましくは以下の成分のみからなる:
有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料、好ましくはシラン化タルクの微粒子 2〜30、好ましくは3〜15乾燥重量部、
微粒子シリカ及び/又は軽質シリカ、好ましくは非晶質シリカゲル 1〜20、好ましくは8〜12乾燥重量部
及び以下から選択される微粒子顔料 50〜97乾燥重量部:炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、粘土、樹脂顔料、三水酸化アルミニウム、石こう、硫酸バリウム(及び、場合によって紙コーティング顔料分野で公知の他の顔料)。
従って、特定のタルク顔料は顔料部中に2〜15乾燥重量部、好ましくは3〜8乾燥重量部、最も好ましくは4〜7乾燥重量部存在し、微粒子シリカ及び/又は軽質シリカ、好ましくは非晶質シリカゲルが1〜20、好ましくは8〜12乾燥重量部さらに存在し、100%に補完する顔料部の残りは、上記の顔料(炭酸塩、カオリン、粘土、樹脂顔料、石こう、硫酸バリウム、又はオフセット印刷紙のコーティング技術分野で公知の他の顔料、及びこれらの混合物)等の他の顔料である。
微粒子シリカ、特に非晶質シリカゲルの存在について、コーティング中に高硬度の小粒子を含む、インクスカフが問題となる場合に、割合が低い場合であっても、即ち全顔料部において例えば3〜8乾燥重量部存在する場合であっても、提案するタルクシステムが非常に効率的であり、高いインクスカフ低減効果を発揮する。
通常、かかる微粒子シリカは内部細孔体積(internal pore volume)が0.2ml/g超、好ましくは0.5ml/g超、より好ましくは1.0ml/g超であり、及び/又は微粒子シリカは表面積(BET)が100超、好ましくは250超、より好ましくは300m/g以上であり、好ましくは表面積は200〜1000、好ましくは200〜800m/gである。
上記のように、多くのオフセットコーティングについて、好ましくはフィロケイ酸塩顔料がタルク顔料であり、顔料部中に3〜8乾燥重量部、好ましくは4〜7乾燥重量部存在し、顔料部の残りが当該分野で公知の他の顔料、特に上記の顔料から構成される。
通常、提案するコーティング組成物は、低、中又は高輝度コーティングの用途に用いることができる。従って、コートした最終紙はTAPPI輝度が80〜90%(低輝度)、90〜94%(中輝度)又は94%超(高輝度)となり得る。
ある用途では、プレコート、即ちトップコーティングの直下にありトップコーティングと接触するコーティングが、特定のコーティング組成物を有すると有利な場合がある。例えば、インクセット特性の観点から、プレコートがシリカ、好ましくは非晶質シリカ、最も好ましくはシリカゲル顔料を含むと有利な場合がある。このようなプレコートコーティング組成物は顔料部からなってもよく、この顔料部は混合又は単一の微粒子顔料、好ましくは炭酸カルシウム顔料75〜98乾燥重量部、微粒子シリカ2〜25乾燥重量部及びバインダー部から構成される。微粒子シリカ顔料はトップコーティングで記載した特徴を有してもよい。
上述のように、好ましくはオフセットパウダーを用いずに及び/又は印刷後の照射乾燥なしで及び/又はオーバープリントニスを用いずに、オフセット印刷工程で印刷を行うことができる。
本発明はさらに、上記の微粒子表面処理/含浸したフィロケイ酸塩顔料、好ましくは同様に処理されたタルク顔料、最も好ましくは有機シラン処理及び/又は含浸したタルク顔料を、オフセット印刷工程においてインクスカフを減少又は排除するために、紙コーティング組成物中で使用することに関する。本発明はさらに、かかるフィロケイ酸塩顔料を上記の最終乾燥重量となる量で含む紙コーティング組成物の製造方法に関する。
本発明の他の実施形態の概要は、従属クレームに記載される。
コート印刷紙の概略断面図である。 第2実験における幾つかの紙のインクスカフを比較したグラフである。
本発明の好ましい実施形態を図面に示す。図面は本発明の好ましい実施形態を説明するためのものであり、これを制限するものではない。図1はコート印刷紙の概略図である。コート印刷紙4はその両面を層でコートされ、これらの層はイメージ受容性コーティングを構成する。この場合、コート印刷紙の最外層を形成するトップコーティング3が設けられる。このトップ層3の真下に第2の層2が設けられる。この第2の層の下に追加の第3の層(図示されない)を設けてもよく、これは適当な層であってもよいが、サイジング層であってもよい。
通常、このようなコート印刷紙は、ベースウェイトが80〜400g/mであり、好ましくは100〜250g/mである。トップ層は、例えば全乾燥重量が3〜25g/m、好ましくは4〜15g/m、最も好ましくは約6〜12g/mである。第2の層は、これと同一又はこれより少ない全乾燥重量を有してもよい。イメージ受容性コーティングは1面のみに設けてもよく、又は図1に示すように両面に設けてもよい。
本発明の主な目的は、標準インクを用いた場合、枚葉給紙(sheet-fed)又はロールオフセット紙について、インクスカフが少なく、好ましくは素早くインクが乾燥する用途に適したコートインク紙を提供することである。試験コート紙及び試験紙を、市販の枚葉給紙プレス機で印刷し、インクスカフ試験を行った。また本発明は、高輝度で、インク摩擦耐性が良好で、紙光沢が低く(マット紙の場合)、バニシ耐性、インクセット時間、インク膜継続性が良好であり、バックトラップモトル、ミッドトーンモトル(スクリーンモトル)又はピッキング等の欠陥なしで印刷でき、好ましくはオフセットパウダー又はオーバープリントニスを使用せず又は少量使用して印刷できるマット(しかし、中光沢及び高光沢も含む)コーティング組成物の開発である。好ましい実施形態は、非伝統的ソフト、微細顔料を、より伝統的紙顔料と組み合わせて、マットコート紙について顕著に改善したインク摩擦性能を得る。
湿式インク摩擦試験(インクスカフ試験)
「スカフ」とは、「インクスカフ」又は「インク摩擦」もいい上記で説明するように、紙がせん断作用を受けたときに、インクが1の紙(ドナー)から他の紙(レセプター)へ擦れ落ちる(rubbing off)ことである。レセプター紙に擦れ落ちたインクが見えると品質の点で好ましくない。また、これを見た人はインクスカフによってインクマーキングがあると理解する。このようなインクマーキングは様々な原因で発生し、様々な試験で定量化することができる:インクが十分に乾燥していない場合→湿式インク摩擦試験;インクが十分乾燥している場合→インク摩擦耐性試験。湿式インク摩擦試験は交換試験(convertibility test)であり、以下に詳述する。インク摩擦耐性試験は湿式インク摩擦試験と同一の原理であるが、インクを48時間乾燥した後に行う。
範囲:この方法は、印刷後十分に乾燥する前の間隔の開いた幾つかの時間における紙とボードの摩擦耐性を評価する。引用規格/関連国際標準:GTM 1001:サンプリング;GTM1002:調整用標準雰囲気;ESTM2300:プルーフバウ(Prüfbau)印刷装置の説明及び手順、関連試験方法の説明:プルーフバウマニュアル。
定義:
・インク摩擦:せん断又は摩擦等の機械的ストレスを受けたとき、インク層が十分に乾燥していてもダメージを受け、印刷製品上のマーキングの原因になる場合がある。
・化学乾燥:枚葉給紙オフセットにおいて、重合反応によってインクフィルムが硬化すること。
・湿式インク摩擦値:印刷後一定時間経過後に、湿式インク摩擦テスト中、反対側の(counter)紙にマークしたインクの量の測定値。
原理:プルーフバウ印刷装置により市販のインクでテスト紙を印刷する。幾つかの時間間隔後、印刷したテスト紙の一部を白紙(同一紙)に5回擦りつける。印刷の損傷と白紙上のマーキングを評価し、時間毎にプロットする。印刷インクはTempo Max black(SICPA,CH)を用いる。
実験操作:1.印圧を800Nに調節し、2.許容誤差0.01gでインクを秤量し、プルーフバウ印刷装置のインクパーツに投入(apply)する。3.インクを30秒間分配(distribute)し(インク分配時間は、操作を容易にするため60秒まで延長してもよい)、4.試験紙をショートサンプルキャリア上に固定し、5.インクパーツ上にアルミニウムプルーフバウリールを載せ、30秒間インクを取り除き、6.インクの付いたリールを秤量し(m)、7.プリントユニット上にインクの付いたアルミニウムプルーフバウリールを置き、8.インクの付いたアルミニウムリールに対してサンプルプレートを置き、試験紙を0.5m/sで印刷し、9.サンプルを印刷した時間を記録し、10.印刷後、インクの付いたリール(m)を再度秤量し、インクの移動量Iをgで測定し(注:インク移動量IはI=m−mであり、mは印刷前のインクの付いたリールの重量であり、mは印刷後の同リールの重量である)、11.プルーフバウインク摩擦耐性テスターの摩擦数を5に調整し、12.プルーフバウ紙カッターで丸い紙を印刷片から切りとり、13.プルーフバウ試験紙キャリアの1つに対して試験紙を貼り付け、紙キャリア上に同一紙の白いブランク片を固定し、14.印刷後所定の時間が経過した後、プルーフバウ装置上に白紙と印刷した丸い紙を向い合わせで設置し、摩擦を開始し(5回)、15.印刷後の所定の間隔が開いた幾つかの時間について操作を繰り返し、(白紙上のマークの密度)/(印刷紙の損傷)を指標として紙の乾燥を評価する。
印刷用に秤量するインク量、及びインク摩擦試験を行う印刷後の時間についての例を以下のチャートに示す。
グレード インク量 摩擦時間(分)
グロス 0.30g 15/30/60/120/480
シルク/マット 0.30g 30/60/240/360/480
結果の評価:結果を測定し視覚的に評価する。視覚的評価:試験を行った全ての白紙サンプルを、白紙にマークしたインク量により最高から最低まで順位づける。測定:カラータッチ装置を用い、白紙サンプルの色スペクトルを測定する(UV光源を除く)。未試験の白紙の色スペクトルを測定する。試験サンプルの色スペクトルは所定の波長に吸収のピークを有し、これは使用したインクに特有のものである(これはインクの色である)。この波長における試験サンプルと白紙未試験サンプルの反射率の違いは、インク摩擦の指標である。SICPA Tempo Max Blackに関して、ピーク波長は575nmであり、インク摩擦=(Rサンプル−R白紙575nmである。
実験 第1部
以下の分析に用いた様々な試験紙を表1に示す。表1に示す組成のトップコーティングを塗布するために、実験室コーター(バードアプリケーター)を用いて8種類の紙を作成した。組成を調整して固体含量を62%とした。コーティングを標準プレコート上質紙(standard pre-coated wood free paper)に塗布した。この上質紙は中間コート層を有し、以下の段落(表3)で詳説するミル試験で具体的に説明するものと同一である。
Figure 0005462176
成分:
HC 90 GU:OMYA(スイス)から入手可能の重質炭酸カルシウム顔料「HYDROCARB HC 90 GU」であり、メジアン粒径が0.7〜0.8μmであり、粒子の約90%が2μmより小さく、約66%が1μmより小さい粒径分布を有する。
SC HG GU:OMYA(スイス)から入手可能の重質炭酸カルシウム顔料「SETACARB HG GU」であり、メジアン粒径が0.4〜0.6μmであり、粒子の約98%が2μmより小さく、約90%が1μmより小さい粒径分布を有する。
Miragloss 90:BASF(ドイツ)から入手可能の微粒子カオリン顔料であり、約92%のセディグラフ(Sedigraph)粒径<1μmである。
Syloid C803:Grace Davidson(ドイツ)から入手可能の非晶質シリカゲルであり、全細孔容積約2.0ml/g、平均粒径3.7μm、表面積(BET)300〜330m/gであり、アニオン表面電荷を有する。
標準タルク:Mondo minerals OY(フィンランド)製の商品名Finntalc C10で市販される標準タルクであり、粒子の約96%が10μmより小さく、約82%が5μmより小さく、約46%が2μmより小さい粒径分布を有する。
Mistrobond:Talc de Luzenac(Rio Tintoグループ)(フランス)から、商品名Mistrobond C、又はほぼ同等のMistrobond R10Cで入手可能の表面処理微結晶タルクであり、平均粒径2.9μm、約95%の粒子が11μmより小さい粒径分布を有し、表面積(BET)11m/gである。これは98%超の純タルクを含み(残りは例えばクロライト約0.5%、ドロマイト約1%)、モース硬度が1である。表面処理は、1級アミノ−アルキル官能基を含む有機官能性シラン成分(いわゆるカップリング剤)を含む。
Acronal:スチレン及びアクリル酸エステルをベースとする共重合体の水分散液であるバインダであり、BASF(ドイツ)から入手可能である。
Basonal:アクリロニトリル、ブタジエン、アクリル酸ブチル及びスチレンのモノマーをベースとする、マルチモノマーコンセプトによるバインダであり、BASF(ドイツ)から入手可能である。
添加剤:必要に応じて数種の添加剤を加える。特に、当業者に周知のポリビニルアルコール(PVAL)、分散助剤、光沢剤、増粘剤、消泡剤等である。
2つの異なる乾燥インク摩擦測定を行い、第1の「インク摩擦試験1」は、SICPA(フランス)から入手可能の市販インク black Tempo Maxで印刷した後の上面の測定であり、第2の「インク摩擦試験2」は、Epple(ドイツ)から入手可能の市販インクCyan Ӧko plus230で印刷した後の上面の類似の測定である。後者のインクはインクスカフ問題が生じやすいものとして知られている。
表1の結果から、表面処理タルクMistrobondは、顔料部に対して4又は7乾燥重量部の比較的少ない量で添加した場合であっても(実験7及び8)、さらにより過酷な第2インクシステムについても、インク摩擦値を顕著に低減できることが分かる。標準タルクは、大量に用いた場合でも、新規に提案するシステムで可能な低いインクスカフ値に効果的にならない。
実験 第2部
新規のインクスカフ低減コンセプトの検証のために用いた他の試験紙を表2に示す。表2に示す組成のトップコーティングを塗布するために、実験室コーター(バードアプリケーター)を用いて3種類の紙を作成した。コーティング組成を調整して固体含量を64%、pH8.4とした。コーティングを標準プレコート上質紙に塗布した。この上質紙は中間コート層を有し、以下の段落(表3)で詳細に説明するミル試験において具体的に説明するものと同一である。
Figure 0005462176
成分:
HC 95 ME:OMYA(スイス)から入手可能の重質炭酸カルシウム顔料「HYDROCARB HC 95 ME」であり、メジアン粒径0.5〜0.6μmであり、粒子の約95%が2μmより小さく、粒子の約78%が1μmより小さい粒度分布を有する。
HC V40 ME:OMYA(スイス)から入手可能であり、WO99/52984に記載される、特殊共構成炭酸カルシウム/タルク顔料スラリー「Hydrocarb VP−ME V40T60%」であり、平均粒径0.7〜0.8μm、粒子の約84%が2μmより小さく、粒子の約62%が1μmより小さい粒径分布を有する。
Hydragloss 90:OMYA(スイス)から入手可能の微粒子カオリン顔料であり、約97%のセディグラフ(Sedigraph)粒径<1μmである。
Syloid 72:Grace Davidson(ドイツ)から入手可能の非晶質シリカゲルであり、全細孔容積が約1.1ml/g、平均粒径5.0μm、表面積(BET)345〜370m/gであり、アニオン表面電荷を有する。
Litex:カルボキシ化したスチレン−ブタジエン共重合体の水分散液であるバインダであり、例えばPolymer Latex GmbH(ドイツ)から入手可能である。
添加剤:表1に記載の数種の通常添加剤を加える。
第1タイプのインク(black Tempo Max,Sicpa (フランス))について乾燥インク摩擦を測定した。結果を図2に図示する。顔料部の成分は、提案する表面処理タルクほど効率的にインクスカフを低減できないことが分かる。実際、提案するコーティング組成物を用いると、許容できないインクスカフの問題なく、オフセットパウダー/オーバープリントニスの使用をかなり低減(通常の半分)又は完全に除去することができた。提案する表面処理タルクの添加によって紙の他の性質はほとんど変わらず、この特別なタルクにより生じる2次的影響によるコーティング組成物の他の成分の変更を必要とせず、インクスカフ問題の理想的な補助剤である。
ミル試験:
目的の検証のために紙コーティング装置のミルで作製した紙を表3に示す。表3に示す組成で2種類の紙を作成した。組成を調整して固体含量を64%、pH8.4とした。
Figure 0005462176
実際、提案するコーティング組成物を用いると、市販の印刷試験で許容できないインクスカフ問題なく、オフセットパウダー/オーバープリントニスの使用をかなり低減(通常量の半分)又は完全に除去することができた。顔料部の5重量部までは、提案する表面処理タルクの添加によって紙の他の一般的性質はほとんど変わらず、この特別のタルクにより生じる2次的影響による組成物の他の成分の変更を必要とせず、インクスカフ問題の理想的な補助剤である。
他の実験:
他の試験では、表4に示すように僅かに異なる顔料部の組成とした。
Figure 0005462176
アルミニウム トリ−ヒドロキシド:Almatis(ドイツ)から入手可能のHydral Coat 5(A)又は7(B,C)である。Hydral Coat 5は十分に分散した0.5μm粒子の製品であり、スラリー及び乾燥製品として入手可能である。Hydral Coat 7は0.7μm粒子の製品であり、スラリー及び乾燥製品として入手可能である。これらは両方とも白色アルミニウムトリヒドロキシドAl(OH)(又はATH)である。特にこれらは特別に析出した高純度白色アルミニウムトリヒドロキシド粉末であり、Zパーセント輝度値が99+である。
未処理タルク:Speciality Minerals Inc(米国)から入手可能のFlextalc 610を用いた。これは平均粒径が約1μmの未処理タルク顔料である。
Polybloc:Speciality Minerals Inc(米国)から入手可能のメジアン粒子径2.3μmの表面処理(シラン化)タルク顔料であり、粒子の約10%が6μm超であり、10%が1μm未満である。最大粒径は約15μmであり、TAPPI輝度は約89%である。
PCC:軽質炭酸カルシウム顔料であり、具体的にSpecialty Minerals Inc(米国)から入手可能のAlbaglos Sを用いた。この顔料のメジアン粒径は0.6μmであり、表面積(BET)は9m/gである。
Silcron:International Specialty Products(米国)のSilcron G650を用いた。これはメジアン粒径4.3μm、細孔容積1.2ml/g、表面積(BET)290m/gの非晶質シリカゲルである。
全ての結果は良好であり、B,Cでは光沢及びバックトラップモートルが改善された。表3からコーティングA〜Cのインク摩擦性能が優れていることが分かる。
高品質マット紙に関して、インクスカフが少なく、高輝度で、紙光沢が低く、良好なインク膜継続性、バニシ耐性、及びインクセット時間を得るための、良好なバランスは、非晶質シリカ(3〜10部)、シラン化タルク(15〜40部)、PCC(10〜40部)及びATH(10〜50部)から通常得ることができる。紙光沢及びマイクログロスを最小にし、最良のインクグロスモートルを得るために、紙のカレンダー処理をすべきではない。
上述のように、ソフト/微粒子顔料技術を中間、高光沢グレードに適用してインク摩擦をかなり改良することもできる。重要な態様の1つは、中程度から粗く挽いた炭酸塩(メジアン粒径1〜1.5μm以上)を避けて、シラン化タルクとより微細なソフト顔料を組み合わせることである。
以下に例示する:
1.中間光沢グレードとして、シラン化タルク(5〜20部)、粘土(10〜30部)、0.5〜0.8μmATH(20〜40部)及びPCC(10〜40部)を用いるとこができる。
2.高光沢グレードとして、シラン化タルク(5〜20部)、粘土(10〜50部)、0.2〜0.5μmATH(0〜40部);PCC(0〜50部)及び極微細挽き炭酸塩(0〜40部:平均粒径0.5〜0.8μm以下)を用いるとこができる。
1 基板
2 第2層
3 トップ層
4 コートした印刷紙

Claims (17)

  1. 少なくとも片面にトップコーティング層を有するオフセット印刷用コート紙であって、前記トップコーティング層は
    有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料の微粒子を2〜40乾燥重量部含む顔料部100乾燥重量部、
    バインダ部2〜20乾燥重量部、及び
    ポリビニルアルコール(PVAL)、分散助剤、光沢剤、増粘剤及び消泡剤からなる群から選択される添加剤0〜8乾燥重量部
    を含み、
    前記フィロケイ酸塩顔料が有機シラン及び/又は有機シロキサン成分により表面処理及び/又は含浸されており、
    前記フィロケイ酸塩顔料のメジアン粒子径が1〜8μmであり、及び、前記フィロケイ酸塩顔料の粒子の少なくとも10%が5μm超で、少なくとも10%が1μm未満である粒径分布を有し、
    前記フィロケイ酸塩顔料がタルク顔料であるオフセット印刷用コート紙。
  2. 前記フィロケイ酸塩顔料のモース硬度計による硬度が2未満である請求項に記載のコート紙。
  3. 前記フィロケイ酸塩顔料が有機シランによって被覆され、含浸され及び/又は有機シランと反応し、前記有機シランがアミノアルキル−有機シラン、ビニル−有機シラン、2級アミノアルキル−有機シラン、スルファンアルキル−有機シラン、メルカプトアルキル−有機シラン、メタクリレートアルキル−有機シラン、ポリエーテルアルキル−有機シラン、エポキシアルキル−有機シランから選択される請求項1又は2に記載のコート紙。
  4. 前記有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料が顔料部に3〜30乾燥重量部存在する請求項1〜3のいずれかに記載のコート紙。
  5. 光沢が40%未満TAPPI75°のマット紙では、前記有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料が顔料部に2〜40部存在する請求項1〜4のいずれかに記載のコート紙。
  6. 100乾燥重量部の顔料部が以下の成分からなる請求項に記載のコート紙:
    微粒子の、有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料2〜40乾燥重量部、
    微粒子非晶質シリカ及び/又は軽質シリカ1〜20乾燥重量部、及び
    残りは100乾燥重量部を補完する微粒子顔料であり、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、粘土、プラスチック顔料、三水酸化アルミニウム、石こう、硫酸バリウムから選択され、この残りは、軽質炭酸カルシウム10〜40乾燥重量部、及び/又はプラスチック顔料5〜15乾燥重量部、及び/又は三水酸化アルミニウム10〜50乾燥重量部を含み、三水酸化アルミニウムのメジアン粒径は、1.5μm未満である。
  7. 印刷基材として使用することを意図する最終紙がカレンダー処理されている請求項5又は6に記載のコート紙。
  8. 印刷基材として使用することを意図する最終紙がカレンダー処理されていない請求項5又は6に記載のコート紙。
  9. 前記コーティング組成物が、メジアン粒径が1.5μm以上の粗い顔料を実質的に含まない請求項5〜8のいずれかに記載のコート紙。
  10. 光沢が40〜60%TAPPI75°である中間光沢紙では、前記有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料は、顔料部中に2〜30部存在する請求項1〜4のいずれかに記載のコート紙。
  11. 100乾燥重量部の顔料部が以下の成分からなる請求項10に記載のコート紙:
    微粒子の、有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料2〜30乾燥重量部、
    微粒子非晶質シリカ及び/又は軽質シリカ3〜12乾燥重量部、及び
    残りは100乾燥重量部を補完する微粒子顔料であり、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、粘土、プラスチック顔料、三水酸化アルミニウム、石こう、硫酸バリウムから選択され、この残りは、軽質炭酸カルシウム10〜40乾燥重量部、及び/又はプラスチック顔料5〜15乾燥重量部、及び/又は粘土10〜30部、及び/又は三水酸化アルミニウム20〜40乾燥重量部を含み、三水酸化アルミニウムのメジアン粒径は1.5μm未満である。
  12. 光沢が60%以上TAPPI75°である高光沢紙では、前記有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料が、顔料部中に2〜20部存在する請求項1〜4のいずれかに記載のコート紙。
  13. 100乾燥重量部の顔料部が以下の成分からなる請求項12に記載のコート紙:
    微粒子の、有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料2〜20乾燥重量部、
    微粒子非晶質シリカ及び/又は軽質シリカ0〜20乾燥重量部、及び
    残りは100乾燥重量部を補完する微粒子顔料であり、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、粘土、プラスチック顔料、三水酸化アルミニウム、石こう、硫酸バリウムから選択され、この残りは、軽質炭酸カルシウム5〜50乾燥重量部、及び/又は微粒子炭酸カルシウム0〜40部、及び/又は三水酸化アルミニウム5〜40乾燥重量部を含み、三水酸化アルミニウムのメジアン粒径は1.0μm未満である。
  14. 前記顔料部100乾燥重量部が、特定量の微粒子の、有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料、及び100乾燥重量部に補完する微粒子顔料である残りからなり、この残りの顔料は、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、プラスチック顔料、粘土、三水酸化アルミニウム、石こう、硫酸バリウム、シリカから選択される請求項1〜13のいずれかに記載のコート紙。
  15. 100乾燥重量部の顔料部が以下の成分からなる請求項14に記載のコート紙:
    微粒子の、有機表面処理及び/又は含浸したフィロケイ酸塩顔料2〜30乾燥重量部、
    微粒子シリカ及び/又は軽質シリカ1〜20乾燥重量部、及び
    炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、粘土、プラスチック顔料、三水酸化アルミニウム、石こう、硫酸バリウムから選択される微粒子顔料50〜97乾燥重量部。
  16. 前記微粒子シリカ非晶質シリカゲルであり、内部細孔体積0.2ml/g超であり、及び/又は微粒子シリカの表面積は200〜1000mgであり、及び/又は微粒子シリカはメジアン粒径が0.1〜7μmである請求項1〜15のいずれかに記載のコート紙。
  17. 前記フィロケイ酸塩顔料は、顔料部中に4〜8乾燥重量部存在する請求項1〜16のいずれかに記載のコート紙。
JP2010530302A 2007-10-26 2008-10-10 オフセット紙用コーティング組成物及びこれによるコート紙 Expired - Fee Related JP5462176B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US98283707P 2007-10-26 2007-10-26
US60/982,837 2007-10-26
EP07119853.5 2007-11-02
EP20070119853 EP2053163A1 (en) 2007-10-26 2007-11-02 Coating formulation for offset paper and paper coated therewith
PCT/EP2008/008562 WO2009052959A1 (en) 2007-10-26 2008-10-10 Coating formulation for offset paper and paper coated therewith

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011500986A JP2011500986A (ja) 2011-01-06
JP5462176B2 true JP5462176B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=38857879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010530302A Expired - Fee Related JP5462176B2 (ja) 2007-10-26 2008-10-10 オフセット紙用コーティング組成物及びこれによるコート紙

Country Status (12)

Country Link
US (1) US20100304124A1 (ja)
EP (2) EP2053163A1 (ja)
JP (1) JP5462176B2 (ja)
KR (1) KR101503959B1 (ja)
CN (1) CN101835625B (ja)
AU (1) AU2008316034B2 (ja)
BR (1) BRPI0816601A2 (ja)
CA (1) CA2699800A1 (ja)
EA (1) EA019140B1 (ja)
HK (1) HK1143784A1 (ja)
WO (1) WO2009052959A1 (ja)
ZA (1) ZA201001746B (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5167178B2 (ja) * 2009-03-18 2013-03-21 株式会社リコー 強光沢バリアブル印刷用メディアおよび記録方法
FR2944034B1 (fr) * 2009-04-01 2011-06-03 Arjo Wiggins Fine Papers Ltd Papier fin mat imprimable et son procede de preparation
US20110046284A1 (en) 2009-08-24 2011-02-24 Basf Corporation Novel Treated Mineral Pigments for Aqueous Based Barrier Coatings
US9803088B2 (en) 2009-08-24 2017-10-31 Basf Corporation Enhanced performance of mineral based aqueous barrier coatings
WO2013012425A1 (en) * 2011-07-21 2013-01-24 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Print medium
PT106222A (pt) * 2012-03-21 2013-09-23 Inst Politecnico De Tomar Formulação de alumina trihidratada (ath) modificada com estrutura bohemítica como pigmento em revestimento para papel mate
KR101632059B1 (ko) 2012-08-21 2016-06-20 주식회사 엘지화학 광학 필름 및 이를 포함하는 표시 소자
FR2999617A1 (fr) * 2012-12-18 2014-06-20 Arjowiggins Security Support d'information destine a l'impression sur presses offset.
CN103603226B (zh) * 2013-11-07 2015-08-19 任慧 一种纸张与热固性树脂复合物及其制备方法
WO2016040762A1 (en) * 2014-09-11 2016-03-17 President And Fellows Of Harvard College Separation of emulsified and dissolved organic compounds from water
JP2016125146A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 特種東海製紙株式会社 ガラス板合紙用木材パルプ及びガラス板用合紙
WO2019178474A1 (en) 2018-03-16 2019-09-19 Brady Worldwide, Inc. Label construction for ablative laser marking
JP2020059966A (ja) * 2019-12-04 2020-04-16 特種東海製紙株式会社 ガラス板合紙用木材パルプ及びガラス板用合紙
WO2021173117A1 (en) 2020-02-25 2021-09-02 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Printable recording media

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0050936A1 (en) * 1980-10-23 1982-05-05 ENGLISH CLAYS LOVERING POCHIN & COMPANY LIMITED Improvements in or relating to the preparation of aqueous suspensions of talc
DE3703957A1 (de) * 1987-02-10 1988-08-18 Inst Zellstoff & Papier Verfahren zur herstellung eines fuer die papier- und kartonindustrie geeigneten, die bedruckbarkeit von papier und karton verbessernden mittels auf pigmentbasis, das mittel und seine verwendung
JPH01111711A (ja) 1987-10-26 1989-04-28 Asada Seifun Kk タルクの処理方法
AU615520B2 (en) * 1988-03-07 1991-10-03 Omya Development Ag Pigment mixture for the paper industry
US5298064A (en) * 1990-12-06 1994-03-29 Hoechst Aktiengesellschaft Water-containing organophilic phylloisilicates
EP0679700A3 (en) * 1994-04-28 1996-02-21 Toyo Ink Mfg Co Aqueous coating composition.
JPH08127996A (ja) * 1994-10-28 1996-05-21 New Oji Paper Co Ltd 印刷用艶消し塗被紙
JP3029574B2 (ja) * 1995-10-12 2000-04-04 花王株式会社 記録用シート
US6187852B1 (en) * 1996-03-22 2001-02-13 Isola Laminate Systems Corp. Fillers for improved epoxy laminates
EP0890597A1 (en) * 1996-03-25 1999-01-13 Mitsubishi Chemical Industries Limited Siloxane compounds, process for preparing the same, and liquid composition containing the same
JPH11131392A (ja) * 1997-11-05 1999-05-18 Oji Paper Co Ltd 印刷用艶消し塗被紙
US6945646B2 (en) * 1998-09-25 2005-09-20 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium
US6593400B1 (en) * 1999-06-30 2003-07-15 Minerals Technologies Inc. Talc antiblock compositions and method of preparation
EP1254029B1 (en) 2000-01-19 2006-03-29 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Waterfast ink receptive coatings for ink jet printing materials and coating methods therewith
SE518629C2 (sv) * 2000-03-20 2002-11-05 Stora Kopparbergs Bergslags Ab Bestrykningskomposition för papper, användning av organiska partiklar i bestrykningskompositionen och papper bestruket med kompositionen
DE50005683D1 (de) * 2000-04-11 2004-04-22 Degussa Streichfarben für Inkjet-Medien
AU2001268419A1 (en) * 2000-06-14 2001-12-24 Luzenac America, Inc. High flexural modulus and/or high heat deflection temperature thermoplastic elastomers and methods for producing the same
US7175892B2 (en) * 2001-04-18 2007-02-13 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Emulsion and coating liquid and recording medium using the same
US20030175451A1 (en) * 2002-03-12 2003-09-18 Palitha Wickramanayake Chemically-bonded porous coatings that enhance humid fastness and fade fastness performance of ink jet images
US20040151894A1 (en) * 2002-09-09 2004-08-05 Oji Paper Co., Ltd. Aqueous dispersion comprising inorganic pigment-cationic resin composite fine particles and ink jet recording material containing same
US7147909B2 (en) * 2004-11-30 2006-12-12 Eastman Kodak Company Electrophotographic media with carboxylic acid polymer
JP2007077536A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Oji Paper Co Ltd 塗工紙
JP2007239106A (ja) * 2006-02-09 2007-09-20 Oji Paper Co Ltd 印刷用艶消し塗被紙
DE102006006265A1 (de) * 2006-02-10 2007-08-16 Bb Consult Gmbh & Co. Kg Additiv für Streichmassen bei der Papierherstellung
US20070232743A1 (en) * 2006-03-30 2007-10-04 Mario Laviolette Method of forming a vapor impermeable, repulpable coating for a cellulosic substrate and a coating composition for the same
JP2008255511A (ja) * 2007-04-03 2008-10-23 Nippon Zeon Co Ltd 紙塗工用組成物および塗工紙

Also Published As

Publication number Publication date
EP2222476B1 (en) 2015-01-07
AU2008316034A1 (en) 2009-04-30
EA019140B1 (ru) 2014-01-30
KR20100071067A (ko) 2010-06-28
EP2222476A1 (en) 2010-09-01
BRPI0816601A2 (pt) 2015-03-03
EA201070524A1 (ru) 2010-12-30
CN101835625A (zh) 2010-09-15
AU2008316034B2 (en) 2013-10-17
JP2011500986A (ja) 2011-01-06
CN101835625B (zh) 2013-05-29
WO2009052959A1 (en) 2009-04-30
EP2053163A1 (en) 2009-04-29
HK1143784A1 (en) 2011-01-14
CA2699800A1 (en) 2009-04-30
US20100304124A1 (en) 2010-12-02
ZA201001746B (en) 2011-06-29
KR101503959B1 (ko) 2015-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5462176B2 (ja) オフセット紙用コーティング組成物及びこれによるコート紙
JP5698748B2 (ja) インクジェット記録媒体
BR112013014759B1 (pt) Meios de gravação com jato de tinta
CA2647352C (en) Paper and coating medium for multifunctional printing
AU2009220588B2 (en) Ink-jet recording medium
KR102049349B1 (ko) 잉크젯 인쇄용 기록 매체
US20070227402A1 (en) Coating-Paper Composition and Method for the Preparation Thereof
US20090104431A1 (en) Coated paper for printing
JP5414097B2 (ja) インクジェット記録媒体
JP5414096B2 (ja) インクジェット記録媒体
JP4449820B2 (ja) 印刷用塗被紙
JP2005280093A (ja) インクジェット記録材料
JPH0465792B2 (ja)
JP4496906B2 (ja) インクジェット記録媒体
JP4111530B2 (ja) インクジェット記録媒体
JP2011212954A (ja) インクジェット記録媒体
JP2007063737A (ja) 印刷用塗被紙およびその製造方法
JP2011126018A (ja) 記録媒体
JP2004130738A (ja) インクジェット記録シート
JP2004122795A (ja) インクジェット記録用紙
JP2005288696A (ja) インクジェット記録媒体
JP2002326452A (ja) インクジェット記録用紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121009

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130108

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131126

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20131226

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees