JP2008255511A - 紙塗工用組成物および塗工紙 - Google Patents

紙塗工用組成物および塗工紙 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、低密度でありながら光沢度、印刷光沢度が高く、平滑性が良好で印刷適性に優れた用塗工紙、および、このような塗工紙を製造可能な紙塗工用組成物を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、無機層状化合物の層間に、RNH3、RNH2、R(CH3)3N、およびR(CH3)2Nから選択される少なくとも一種のアンモニウムイオンがインターカレートした有機化無機層状化合物を含む顔料と、バインダーと、澱粉化合物とを含有することを特徴とする紙塗工用組成物を提供することにより、上記課題を解決するものである。(ただし、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数6〜12の飽和炭化水素、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素である。)
【選択図】なし

Description

本発明は塗工用組成物および塗工紙に関するものであり、より詳しくは印刷光沢、白色度および不透明度等に優れた塗工紙、および、このような塗工紙を製造するために好適に用いられる紙塗工用組成物に関するものである。
近年の印刷物は視覚的な面を強調する傾向にあり、写真や図案やカラー印刷が多用されるようになっている。このため嵩高紙に代表される高級グレードの印刷用塗工紙に対しては、従来にも増して品質向上の要求が高まっている。例えば、高級感を醸し出すため原紙の嵩高さを維持すること、および、高光沢を出すために光沢層を形成する際の塗工量を多くすること等が求められている。
しかしながら、その一方で省資源、省エネルギーの観点から印刷用塗工紙には軽量化、低価格化等が求められている面もある。このため、上記高級グレードの印刷用塗工紙については、品質の向上と環境対応との相反する要求がなされている状況にある。これらの相反する要求に応えるため上記高級グレードの印刷用塗工紙においては、嵩高原紙を用いた場合に、低密度性を維持し、かつ光沢度、白色度、および不透明度等を損なうことなく塗工量を低減することが求められている。
また、このような品質向上の要請は上記高級グレードの印刷塗工紙に限られたものではない。例えば、オフセット印刷用塗工紙においては、従来坪量50g/m以下の印刷用薄葉塗被紙が使用されていたが、これに対してもより高光沢であり、かつ白色度、不透明度等において高い品質が要求される傾向にある。
このような状況において特許文献1には、印刷用薄葉塗被紙に対して、紙厚や剛度を損なうことなく高い光沢度を得るのに高空隙率の有機中空粒子が有効である旨が開示されている。しかしながら、有機中空粒子は粒子内部が中空であることから高温、高圧でのカレンダー処理において容易に変形してしまい、紙表面の平滑性と白紙光沢度とを両立させることが困難であるという問題点があった。
また、特許文献2には、低密度で光沢度が高くかつ平滑性が良好な嵩高塗工紙が提案されている。ここで、特許文献2に記載された嵩高塗工紙は、2層からなる塗工層が用いられたものであり、上塗り塗工層に平均粒径0.3μm〜1.0μmの有機顔料を顔料100質量部当たり5質量部〜15質量部および平均粒径0.8μm以下、白色度88%以上のカオリンを全顔料に対して50質量部〜90質量部含有し、線圧50kg/cm〜250kg/cmでカレンダー掛けを行うことが提案されている。しかしながら、このような嵩高塗工紙は2層の塗工層が用いられることから、近年の省資源化あるいは省エネルギー化の要求に沿わないものであった。
また、特許文献3には嵩高な塗工原紙への親水性塗料の浸透抑制方法として、塗工原紙に膨潤性雲母類を塗工することが開示されている。しかしながら、特許文献3で定義されている膨潤性雲母類は、一般的な雲母類の中で水で膨潤したものを指しており、このような雲母類を用いても近年の高品質化要求に見合う剛度の向上、光沢度などの改良を行うことは困難であった。
さらに、特許文献4には、Caなどの金属陽イオンでの層間導入法により生成されたクレイナノコンポジットを塗工層に用いる旨が開示されているが、このようなクレイナノコンポジットを用いたとしても、近年の高品質化要求に見合う剛度の向上、光沢度などの改良を行うことは困難であった。
特開平16−285523号公報 特開2006−28663号公報 特開2005−89871号公報 特表2005−503985号公報
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、低密度でありながら白紙光沢度、印刷光沢度が高く、平滑性が良好で印刷適性に優れた塗工紙、および、このような塗工紙を少ない塗工量で製造可能な紙塗工用組成物を提供することを主目的とするものである。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の顔料を用いることにより、低密度で、光沢度が高く、印刷適性に優れた光沢層を形成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、以下の1〜3の発明が提供される。
1. 無機層状化合物の層間に、RNH3、RNH2、R(CH3)3N、およびR(CH3)2Nから選択される少なくとも一種のアンモニウムイオンがインターカレートした有機化無機層状化合物を含む顔料と、バインダーと、澱粉化合物とを含有することを特徴とする、紙塗工用組成物。
(ただし、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数6〜12の飽和炭化水素、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素である。)
2. 前記無機層状化合物が、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト、バーミキュライト、ハロイサイト、マイカおよびベントナイトから選択される少なくとも一種であることを特徴とする、前記1に記載の紙塗工用組成物。
3. 紙基材、および、前記紙基材上に形成され、無機層状化合物の層間に、RNH3、RNH2、R(CH3)3N、およびR(CH3)2Nから選択される少なくとも一種のアンモニウムイオンがインターカレートした有機化無機層状化合物を含む顔料と、バインダーと、澱粉化合物とを含有する光沢層、を有することを特徴とする塗工紙。
(ただし、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数6〜12の飽和炭化水素、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素である。)
本発明の塗工紙は、低密度でありながら白紙光沢度、印刷光沢度が高く、平滑性が良好で印刷適性に優れるという効果を奏する。また、本発明の紙塗工用組成物は、このような塗工紙を少ない塗工量で製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明の紙塗工用組成物および塗工紙について順に説明する。
まず、本発明の紙塗工用組成物について説明する。本発明の紙塗工用組成物は、無機層状化合物の層間に、RNH3、RNH2、R(CH3)3N、およびR(CH3)2Nから選択される少なくとも一種のアンモニウムイオンがインターカレートした有機化無機層状化合物を含む顔料と、バインダーと、澱粉化合物とを含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記顔料に含まれる有機化無機層状化合物が無機層状化合物の層間に、RNH3、RNH2、R(CH3)3N、およびR(CH3)2Nから選択される少なくとも一種のアンモニウムイオンがインターカレートしたものであることにより、これを紙基材上に塗布することによって、低密度でありながら白紙光沢度、印刷光沢度が高く、平滑性が良好で印刷適性光沢度の高い塗工紙を得ることができる。
また、本発明によれば上述したような有機化無機層状化合物を含有する顔料が用いられていることにより、少ない塗工量で白紙光沢度、印刷光沢度が高く、平滑性が良好で印刷適性光沢度の高い塗工紙を得ることができる。
本発明の紙塗工用組成物は少なくとも顔料と、バインダーと、澱粉化合物とを含有するものであり、必要に応じて他の任意の添加剤を含有してもよいものである。
以下、本発明の紙塗工用組成物に用いられる各構成について詳細に説明する。
まず、本発明に用いられる顔料について説明する。本発明に用いられる顔料は、無機層状化合物の層間に、RNH3、RNH2、R(CH3)3N、およびR(CH3)2Nから選択される少なくとも一種のアンモニウムイオンがインターカレートした有機化無機層状化合物を含むものである。
ここで、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数6〜12の飽和炭化水素、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素である。
上記有機化無機層状化合物に用いられる無機層状化合物としては、特に限定されないが、たとえば、スメクタイト属に属する層状ケイ酸塩鉱物が挙げられ、より具体的には、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト、バーミキュライト、ハロイサイト、マイカおよびベントナイト等が例示される。
これら無機層状化合物は、天然、合成品、加工処理品のいずれであってもよい。たとえば、天然スメクタイトとしては、ヘクトライト、サポナイト、モンモリロナイトおよびベントナイト等が挙げられる。合成スメクタイトとしては、組成式:(Naおよび/またはLi)0.1〜1.0Mg2.4〜2.9Li0.0〜0.6Si3.5〜4.09.0〜10.6(OHおよび/またはF)1.5〜2.5で示されるものが挙げられる。合成マイカとしては、膨潤性フッ素マイカが挙げられる。
このような無機層状化合物としては、市販されている粘土鉱物、たとえば、一般にナトリウムベンナイトと呼ばれる天然のベントナイトや、市販品のクニピア、スメクトン(クニミネ工業社製)、ビーガム(バンダービルト社製)、ラポナイト(ラポルテ社製)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts(トピー工業)、ベンゲル(豊順洋行社製)等を用いても良い。
本発明で用いる無機層状化合物は、上記アンモニウムイオン(RNH3、RNH2、R(CH3)3N、R(CH3)2N)との接触面が大きく、これにより、層間を十分に膨潤できるものであることが好ましい。具体的には、無機層状化合物としては、陽イオン交換容量が好ましくは10〜200ミリ等量/100g、より好ましくは50〜180ミリ等量/100gの範囲であるものが好ましい。陽イオン交換容量が低すぎると、無機層状化合物の層間への上記アンモニウムイオン(RNH3、RNH2、R(CH3)3N、R(CH3)2N)のインターカレーションが不十分となる傾向にある。一方、陽イオン交換容量が高すぎると、無機層状化合物の結合力が強固となり、層間への上記アンモニウムイオンのインターカレーションが困難となる。なお、無機層状化合物の陽イオン交換容量は、たとえば、メチレンブルー吸着量を測定することにより求めることができる。
また、無機層状化合物としては、そのアスペクト比(Z)が、好ましくは50〜5000、より好ましくは100〜5000である。アスペクト比(Z)は層状に分散された無機層状化合物の長さをL、単位厚みをaとした場合に、式:Z=L/aに従い求めることができる。なお、長さLおよび単位厚みaは、電子顕微鏡写真より測定することができる。
本発明において、上記無機層状化合物にインターカレートさせるアンモニウムイオンは、RNH3、RNH2、R(CH3)3N、およびR(CH3)2Nから選択される少なくとも一種である。ここにおいて、Rは炭素数8〜20、好ましくは炭素数8〜18の飽和炭化水素、R、Rは炭素数6〜12、好ましくは炭素数8〜12の飽和炭化水素、Rは炭素数8〜20、好ましくは炭素数10〜18の飽和炭化水素、R、Rは炭素数8〜20、好ましくは炭素数10〜18の飽和炭化水素である。
本発明においては、無機層状化合物の層間に、上記アンモニウムイオンをインターカレートさせて、無機層状化合物を有機化させることにより、無機層状化合物の層間が膨潤し、層間距離を大きくすることができ、無機層状化合物の分散性を向上させることができる。そして、その結果として、有機化無機層状化合物の形態で、本発明の紙塗工用組成物中に微分散させることができ、これにより、本発明の紙塗工用組成物を用いて製造される塗工紙を表面光沢等に優れたものにできる。
なお、上記アンモニウムイオンは、比較的に長鎖な炭化水素基で置換されたアンモニウムイオンであり、本発明に係る有機化無機層状化合物は、このようなアンモニウムイオンでイオン交換して得られるものである。
各アンモニウムイオンにおける、飽和炭化水素基(R、R、R、R、R、R)の炭素数が少なすぎると、インターカレートするアンモニウムイオン容積が小さく、層間距離が不十分となることから、無機層状化合物の分散性が劣り、一方、炭素数が多すぎると、アンモニウムイオンの疎水性が高くなりすぎ、溶媒への溶解性が低下し、無機層状化合物へのインターカレートがしにくくなる。
NH3またはRNH2で表されるアンモニウムイオンとしては、たとえば、RNH2またはRNHで表されるアミンを、塩酸、硫酸、硝酸などの酸を用いてアンモニウムイオンとしたものが用いられる。RNH2またはRNHで表されるアミンとしては、たとえば、オクチルアミン、2─エチルヘキシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミンなどが挙げられる。なお、RNH2において、R、Rは、同じ炭素数の飽和炭化水素としても良いし、互いに異なる炭素数の飽和炭化水素としても良い。
(CH3)3NまたはR(CH3)2Nで表されるアンモニウムイオンとしては、例えば、これらの塩化物塩、臭化物塩、硫酸塩などの各種塩の形態で用いることができる。このような塩としては、オクチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、ジドデシルジメチルアンモニウム塩、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩などが挙げられる。なお、R(CH3)2Nおいて、R、Rは、同じ炭素数の飽和炭化水素としても良いし、互いに異なる炭素数の飽和炭化水素としても良い。
上記アンモニウムイオン(RNH3、RNH2、R(CH3)3N、R(CH3)2N)の使用量は、無機層状化合物を十分に膨潤させることができる量であれば良く、特に限定されないが、アンモニウムイオンの使用量の下限は、好ましくは無機層状化合物の陽イオン交換容量の0.5当量、より好ましくは(0.7)当量である。また、アンモニウムイオンの使用量の上限は、陽イオンの交換効率の点から、2当量が好ましく、より好ましくは1.5当量である。アンモニウムイオンの使用量を、0.5当量未満とすると、陽イオンの交換が不十分となり、有機化無機層状化合物の生成が不十分になる傾向にある。また、2当量を超えると、陽イオン交換に関与しないアンモニウムイオンの量が多くなり、経済的に不利となる傾向にある。
有機化無機層状化合物の大きさは、特に限定されないが、平均厚みが1〜50nm、平均直径が50〜1000nmであることが好ましい。
有機化無機層状化合物は、たとえば、(1)RNH2またはRNHで表されるアミンと酸との化合物や、R(CH3)3NまたはR(CH3)2Nの塩を、溶解した溶媒中に、無機層状化合物を添加することにより反応させる方法、(2)上記化合物や塩を軟化または溶融させ、次いで、これらの中に、無機層状化合物を添加することにより反応させる方法、により得ることができる。
上記(1)の方法によれば、室温下で、無機層状化合物の層間に、アンモニウムイオンをインターカレートさせることができる。この方法において用いる溶媒としては、たとえば、水の他、各種有機溶媒を用いることができる。また、上記(2)の方法においては、上記化合物や塩の軟化温度または溶融温度以上の高温に加熱する必要がある。この加熱は、上記化合物や塩、さらには無機層状化合物が分解しない温度で、かつこれらが安定に存在する温度において行うことが望ましく、例えば、加熱温度は100℃以上、250℃以下である。
本発明に用いられる顔料は、上記有機化無機層状化合物以外の他の材料を含有するものであってもよい。本発明に用いられる上記他の材料としては、例えば、カオリン、焼成カオリン、モンモリロナイト、クレー、デラミネーテッドクレー、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、コロイダルシリカ、サチンホワイト、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、有機顔料などを挙げることができる。なかでも本発明においては、重質炭酸カルシウムを用いることが好ましい。重炭酸カルシウムからなる顔料を用いることにより、例えば、本発明の紙塗工用組成物を用いて製造される塗工紙の白色度や光沢度発現性等を高位に維持することが可能になる。
本発明の紙塗工用組成物に上記重質炭酸カルシウムからなる顔料が用いられる場合、その平均粒子径としては特に限定されるものではないが、1.6μm以下であることが好ましく、なかでも0.1〜1.4μmの範囲内であることが好ましく、特に0.2〜1.2μmの範囲内であることが好ましい。このような平均粒子径を有する重質炭酸カルシウムからなる顔料を用いることにより、本発明の紙塗工用組成物の流動性を向上させ、塗工適性に優れたものにできる。また、重質炭酸カルシウムの平均粒子径が1.6μmを超えると、本発明の紙塗工用組成物を用いて作製される塗工紙において、白紙光沢度が発現しにくくなる可能性がある。
本発明の紙塗工用組成物に上記重質炭酸カルシウムからなる顔料が用いられる場合、その含有量は本発明の紙塗工用組成物を用いて製造する塗工紙に求める品質等に応じて適宜決定することができるものであり、特に限定されるものではない。具体的な含有量は、上記重質炭酸カルシウムからなる顔料の平均粒子径等にも依存するものであるが、通常、紙塗工用組成物の固形分100質量%に対し、10質量%以上であることが好ましく、なかでも10質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量がこのような範囲よりも多いと、本発明の紙塗工用組成物を用いて製造された塗工紙において白紙光沢度、印刷光沢度または不透明度を所望の範囲内に調整することが困難になる場合がある。また含有量が上記範囲よりも少ないと、重質炭酸カルシウムからなる顔料を含有させることによって得られる流動性改善効果が不十分になってしまう可能性がある。
なお、上記他の材料として重質炭酸カルシウム以外のものを用いる場合、その使用量は特に限定されるものではなく、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜決定することができる。
本発明の紙塗工用組成物中に含まれる顔料の量としては、本発明の紙塗工用組成物を用いて作製される塗工紙に所定の光沢性等を付与することができる範囲内であれば特に限定されるものではない。このような含有量は上記有機化無機層状化合物の種類等に応じて適宜決定することができる。なかでも本発明の紙塗工用組成物における上記顔料の含有量は、本発明の紙塗工用組成物の固形分における上記有機化無機層状化合物の含有量が、通常、5〜25質量%、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは7〜15質量%の範囲内となるように調整されることが望ましい。有機化無機層状化合物の含有量が上記範囲よりも少ないと、本発明の紙塗工用組成物を用いて作製される塗工紙に所望の光沢性を付与することが困難となる可能性がある。また、上記範囲よりも多く含有させても光沢性の向上効果に対する寄与が少なく、却ってコスト高になってしまう場合がある。
次に、本発明に用いられるバインダーについて説明する。本発明に用いられるバインダーとしては、本発明の紙塗工用組成物を用いて塗膜を作製した際に、上記顔料を塗膜中に固定できるものであれば特に限定されるものではない。このようなバインダーとしては、ゴム系バインダーと、樹脂系バインダーとを挙げるができるが、なかでも本発明においてはゴム系バインダーを用いることがより好ましい。樹脂系バインダーを用いた場合、例えば、本発明の紙塗工用組成物を紙基材上に塗工して塗工紙を作製した場合に、作製された塗工紙の可撓性が損なわれる可能性があるが、ゴム系バインダーを用いればこのような問題が殆どないからである。
本発明に用いられるゴム系バインダーとしては特に限定されるものではなく、一般的に公知のゴム系バインダーを用いることができる。なかでも本発明においてはジエン系のゴム系バインダーを用いることが好ましく、特に共役ジエンと芳香族ビニルとを主原料とする共重合体のバインダーを用いることが好ましい。
本発明に好適に用いられるゴム系バインダーとしては、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体系、スチレン・アクリル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン・メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系共重合体等の各種共重合体を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれのバインダーであっても好適に用いることができる。
なお、本発明に用いられるバインダーとしては、上記以外にポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等も用いることができる。
本発明に用いられるバインダーは1種類のみであってもよく、あるいは、2種類以上であってもよい。
本発明の紙塗工用組成物に含まれるバインダーの含有量としては、本発明の紙塗工用組成物を用いて塗工紙を作製した際に、上記顔料を塗膜に固定できる程度であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記バインダーの含有量が、上記顔料100質量部に対して5〜25質量部であることが好ましく、特に6〜20質量部の範囲内であることが好ましい。
次に、本発明に用いられる澱粉化合物について説明する。本発明に用いられる澱粉化合物としては、本発明の紙塗工用組成物を用いて作製される塗工紙に所望の光沢等の性能を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に塗工紙に用いられる澱粉化合物として公知の化合物を用いることができる。このような澱粉化合物としては、例えば、澱粉、酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、デキストリン等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの澱粉化合物であっても好適に用いることができるが、なかでも酸化澱粉を用いることが好ましい。上記澱粉化合物として酸化澱粉を用いることにより紙塗工用組成物の粘度を低下させることができ、取り扱いが容易になる。また、接着力を向上させることや、紙表面の毛羽立ちやピッキングを抑えることができる等の利点がある。
上記澱粉化合物として酸化澱粉を用いる場合、本発明の紙塗工用組成物における酸化澱粉の含有量は、固形分換算で、0.1〜10質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも0.2〜8質量%の範囲内であることが好ましく、さらに0.2〜6質量%の範囲内であることが好ましい。酸化澱粉の含有量が上記範囲よりも少ないと、表面強度の向上が不十分となり、印刷時にパイリングなどの問題が発生する。また、含有量が上記範囲よりも多いと紙のしなやかさを損なうとともにオフ輪ジワが発生しやすくなる。
本発明の紙塗工用組成物は、少なくとも上記顔料、バインダーおよび澱粉化合物を含有するものであるが、必要に応じて他の任意の添加剤を含有するものであってもよい。本発明に用いられる任意の添加剤としては、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、および、着色剤等を挙げることができる。
本発明の紙塗工用組成物は、上記顔料、バインダーおよび澱粉化合物が溶媒に溶解あるいは分散したものである。本発明に用いられる溶媒は、上記顔料、バインダーおよび澱粉化合物を所望の程度に分散・溶解できるものであれば特に限定されるものではないが、通常は水が用いられる。
また、本発明の紙塗工用組成物の固形分濃度としては、本発明の紙塗工用組成物を用いて塗工紙を作製する際に、紙塗工用組成物を塗布する方式等に応じて組成物の粘度を所望の範囲内にできる程度であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明の紙塗工用組成物の固形分濃度は30〜80質量%の範囲内であることが好ましく、40〜75質量%の範囲内であることがより好ましく、45〜70質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
次に、本発明の塗工紙について説明する。本発明の塗工紙は、紙基材、および、上記紙基材上に形成され、無機層状化合物の層間に、RNH3、RNH2、R(CH3)3N、およびR(CH3)2Nから選択される少なくとも一種のアンモニウムイオンがインターカレートした有機化無機層状化合物を含む顔料と、バインダーと、澱粉化合物とを含有する光沢層を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記光沢層に上述した有機化無機層状化合物が含まれることにより、低密度でありながら白紙光沢度、印刷光沢度が高く、平滑性が良好で印刷適性に優れた塗工紙を得ることができる。
本発明の塗工紙は、少なくとも紙基材と、光沢層とを有するものである。以下、本発明に用いられる各構成について詳細に説明する。
まず、本発明に用いられる光沢層について説明する。本発明に用いられる光沢層は、特定の有機化無機層状化合物を含む顔料と、バインダーと、澱粉化合物とを含有するものである。
ここで、本発明に用いられる顔料、バインダーおよび澱粉化合物については、いずれも、上述した紙塗工用組成物に用いられるものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本発明に用いられる光沢層には、上記顔料、バインダーおよび澱粉化合物以外の他の材料が含まれていてもよいが、本発明に用いられる他の材料についても、上述した紙塗工用組成物に用いられるものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明に用いられる光沢層は1層のみであってもよく、あるいは、2層であってもよい。本発明において光沢層が2層用いられる場合は、通常、後述する紙基材の両面に光沢層が形成された態様が用いられる。
次に、本発明に用いられる紙基材について説明する。本発明に用いられる紙基材としては、本発明の塗工紙の用途等に応じて所定の機械強度を有するものであれば特に限定されるものではない。このような紙基材としては、セルロースパルプを主成分とする紙類の他、合成紙なども用いることができる。
上記紙類に用いられる原料パルプとしては、所望の機械強度等を備える紙基材を得ることができるものであれば特に限定されるものではない。このような原料パルプとしては、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹晒クラフトパルプ等の化学パルプ;砕木パルプ(GP)、さらしケミカルサーモメカニカルパルプ(BCTMP)、メカニカルパルプ(MP)等の機械パルプ;ケナフ等の非木材原料から得られるパルプ等の抄紙用パルプ;古紙から再生した古紙パルプ等が挙げられる。本発明においては、これらの原料パルプを単独で、または、2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられる紙基材には必要に応じて填料が内添されていてもよい。本発明に用いられる填料としては、種々の無機顔料を用いることができ、例えば、シリカ、焼成カオリン、タルク、カオリン、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、酸化チタン、活性白土、ゼオライト、珪藻土、硫酸バリウム等が挙げられる。これらのなかでも、シリカ、焼成カオリン、モンモリロナイト、炭酸カルシウムまたはゼオライトが好ましく用いられる。填料の配合量は、全パルプに対して、通常1〜30質量%である。
また、本発明に用いられる紙基材には、必要に応じて、例えば、硫酸バンドなどの歩留まり向上剤;ロジン系、アルケニルコハク酸無水物、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤;酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、カゼイン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等の接着剤;等が含有されていてもよい。
本発明に用いられる紙基材の坪量は、本発明の塗工紙の用途等に応じて適宜決定することができるが、なかでも20g/m〜250g/mの範囲内であることが好ましく、30〜220g/mの範囲内であることがより好ましく、40〜200g/mの範囲内であることがさらに好ましい。
また、本発明に用いられる紙基材は表面に上記光沢層との密着性を向上させるためのアンカー層が形成されているものであってもよい。このようなアンカー層に用いられる材料としては、澱粉化合物、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。また、上記アンカー層には必要に応じて、本発明に用いられるバインダーや顔料が含まれていてもよい。
なお、本発明に用いられる紙基材は、たとえば、上記した各種パルプに填料を加えて、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置を用い、酸性抄紙または中性抄紙で抄造することにより調製することができる。
次に、本発明の塗工紙の製造方法について説明する。本発明の塗工紙の製造方法としては、上述した紙基材上に上述した光沢層を形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、なかでも上述した本発明の紙塗工用組成物を、上記紙基材上に塗工することによって光沢層を形成する方法が好適に用いられる。
このような方法において、上記本発明の紙塗工用組成物を上記紙基材上に塗布する方法としては、所定量の紙塗工用組成物を紙基材上に均一に塗布できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等のコーターを用いて塗布する方法を挙げることができる。ここで、紙塗工用組成物の塗工量は、本発明の塗工紙に求める特性に応じて任意に決定することができるが、通常、乾燥重量で片面当たり2.0〜20g/mの範囲内、好ましくは5〜20g/mになる範囲であることが望ましい。塗工量が上記範囲よりも少ないと作製される光沢紙に所望の光沢性を付与することができない可能性がある。また上記範囲以上に塗布しても光沢性の向上は少なく、かえってコスト高になってしまう恐れがある。
なお、本発明の紙塗工用組成物は上記有機化無機層状化合物を含有するものであるため、このような少ない塗布量であっても光沢性に優れた光沢層を形成することができる。
上記本発明の紙塗工用組成物が塗布されることによって形成された塗膜は、その後、乾燥されることによって光沢層とされるが、このとき上記塗膜を乾燥させる方法としては、例えば蒸気加熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等の各種方式のドライヤを単独あるいは組み合わせて用いる方法を挙げることができる。
なお、上述した方法が用いられる場合、形成された塗工紙は、さらにカレンダー処理が施されてもよい。カレンダー処理の方法は特に限定されるものではないが、例えば、弾性ロールと60〜100℃に加熱した剛性ロールからなる通常のスーパーカレンダーで表面仕上げを行う方法を挙げることができる。ここで、一般に、剛性ロール温度が高いほど低いニップ圧あるいは短いニップ滞留時間で原紙あるいは塗工層を平滑化することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を示すことにより、本発明についてさらに具体的に説明する。なお、実施例において、「%」及び「部」は特に断らない限りすべて質量基準である。
(製造例1) 紙基材の製造
広葉樹晒硫酸塩パルプ(LBKP)60部(フリーネス450ml/csf)、針葉樹晒硫酸塩パルプ(NBKP)40部(フリーネス450ml/csf)からなるパルプスラリー中に、パルプ固形分に対して填料として軽質炭酸カルシウムを紙灰分で10%となるように添加し、さらに内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)サイズ剤(商品名:サイズパインK−902、荒川化学工業社製)0.05%、硫酸アルミニウム0.5%、内添紙力剤(商品名:エースK、王子コーンスターチ社製)0.6%をそれぞれ添加して紙料を調成する。このように調成された紙料を用いて、ハイブリッドタイプのツインワイヤー抄紙機で抄紙、乾燥を行って成紙(基紙)を得る。次いで、このようにして得られる基紙の両面に2本ロールサイズプレス装置を介して、6%濃度の酸化澱粉糊液(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)を両面固形分換算で1.4g/mとなるように塗布、乾燥して坪量が43g/mの原紙を得る。
(製造例2) 有機化無機層状化合物の調製
特開2000−273318号公報に記載された方法に従い、まずNaモンモリロナイト(陽イオン容量115meq./100g)160gを80℃の水10リットルに分散させて、1時間攪拌してモンモリロナイト分散液を得る。次に、以下の表1に従い、アミン溶液を調製しこれをモンモリロナイト分散液に加えさらに同温度(80℃)で1時間撹拌する。そして、室温に冷却後に析出物を濾過、洗浄し固形分濃度が10%になるように再度水を加え、80℃に昇温して1時間攪拌することにより、モンモリロナイトを十分に膨潤させ、有機化無機層状化合物分散液を調製する。そして、室温に冷却後に析出物を再度濾過、洗浄し固形分濃度が50%になるように再度水を加え、有機化無機層状化合物分散液を調製する。
Figure 2008255511
(製造例3) Ca−膨潤モンモリロナイト(R & H Pat)の調製
Nanocor Inc製のPGV(ナトリウムモンモリロナイト)クレー100gを水1000gに分散させた水性分散物を、85℃で30分間攪拌混合する。次に、前記の水性分散物中に、Ca(OH)28.89gを水100g中に分散させた水性スラリーを投入し、85℃で15分間攪拌する。最後にこの反応容器中にオレイン酸34.136gを投入し、引き続き85℃で1時間攪拌する。そして、室温に冷却後に析出物を濾過、洗浄し固形分濃度が50%になるように再度水を加え、Ca−膨潤モンモリロナイト分散液を調製する。
(実施例1)
上記表1における製造例2−1の有機化無機層状化合物20部(固形分換算で10部)、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン2600/備北粉化製 平均粒子径0.8μm)30部、有機顔料(商品名:V−1004、日本ゼオン(株)社製、固形分濃度50%、平均粒子径0.3μm)20部(固形分換算で10部)、軽質炭酸カルシウム(商品名:コーラルブライトFD、矢橋工業社製、平均粒子径0.5μm)残部(固形分換算量100部からの残部)からなる顔料100部(固形分換算値)に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンT−40、東亜合成社製)0.05部、非増粘型のスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:Nipol Lx407F、日本ゼオン(株)社製、固形分濃度50%)24部(固形分換算で12部)、および酸化澱粉(商品名:SK−20、日本コーンスターチ(株)製、重量平均分子量57万)2部を加え、さらに水を加えて固形分濃度を61%とし、攪拌混合して紙塗工用組成物を調製する。
(実施例2)
有機化無機層状化合物の配合量を40部(固形分換算で20部)にする以外は実施例1と同様にして固形分濃度が61%の紙塗工用組成物を調製する。
(実施例3)
有機化無機層状化合物の配合量を10部(固形分換算で5部)にする以外は実施例1と同様にして固形分濃度が61%の紙塗工用組成物を調製する。
(実施例4〜13)
有機化無機層状化合物を表2に示すものに変更する以外は実施例1と同様にして固形分濃度が61%の塗被層用塗工液を調製する。
(比較例1)
有機化無機層状化合物の代わりに製造例3のCa−膨潤カオリン20部(固形分換算)を配合する以外は実施例2と同じ配合で固形分濃度61%の紙塗工用組成物を調製する。
(比較例2)
製造例3のCa−膨潤カオリン配合量を40部(固形分換算)にする以外は比較例1と同じ配合で固形分濃度が61%の紙塗工用組成物を調製する。
(比較例3)
有機化無機層状化合物の代わりに微粒カオリン(商品名:カオファイン、シール社製、平均粒子径0.25μm)20部(固形分換算)を配合する以外は実施例1と同じ配合で固形分濃度61%の紙塗工用組成物を調製する。
(比較例4)
有機化無機層状化合物の代わりに微粒カオリン(商品名:カオファイン、シール社製、平均粒子径0.25μm)40部(固形分換算)を配合する以外は実施例1と同じ配合で固形分濃度61%の紙塗工用組成物を調製する。
(比較例5〜8)
有機化無機層状化合物を表2に示すものに変更する以外は実施例1と同様にして固形分濃度が61%の紙塗工用組成物を調製する。
(塗工紙の製造)
上記の紙基材に、実施例1〜13、比較例1〜8で作製する紙塗工用組成物を乾燥後の塗工量が、片面で10g/m、両面で20g/mになるように、1000m/分の塗工速度のブレードコーターで両面塗工をそれぞれ行い、紙水分が5%になるように乾燥する。次いで、通紙速度10m/分、ロール温度80℃、線圧300kg/cm、カレンダーニップ数2ニップの条件でスーパーカレンダー処理を行い印刷用塗被紙を得る。さらに、ロール温度80℃、2ニップ、カレンダー線圧200kg/cm、通紙速度10m/分でスーパーカレンダー処理を行い塗工紙を得る。
(塗工紙の評価)
かくして得られた21種類の塗工紙について、以下の評価を行い、得られた結果を表2に示した。なお、塗工紙の評価については、特に記載ない限り、23℃、50RH%の環境下で行う。
(1)白色度
JIS P8148−1993規定の方法により、分光色彩白色度計(PF10:日本電色工業社製)を用いてISO白色度を測定する(単位:%)。80%以上を○、80%未満を×として評価する。
(2)白紙光沢度
JIS P 8142に基づき、グロスメーター(GM−26D、村上色彩社製)を用いて、入射角75度、反射角75度の条件で塗被紙の光の反射率(単位:%)を測定する。数値が大きい程白紙光沢に優れている。光沢度計(商品名:GM−26D、村上色彩技術研究所製)を用いて、75°光沢度を測定する(単位:%)。55%以上を○、55%未満を×として評価する。
(3)印刷光沢度
JIS Z−8741で規定される印刷部分の60度鏡面光沢度であり、小森リスロン4色印刷後、光沢度計(商品名:GM−26D、村上色彩技術研究所製)を用いて、60°光沢度を測定する(単位:%)。80%以上を○、80%未満を×として評価する。
(4)不透明度
JIS P8138−1976規定の方法で、分光色彩白色度計(PF10:日本電色工業社製)を用いて測定する(単位:%)。80%以上を○、80%未満を×として評価する。
(5)塗工適性
塗工時の塗工面、ブレードの状態を目視で観察し判定する。判定基準は以下の通りである。
○:ストリーク、ブリーディングの発生が認められず高速での塗工が可能。
△:ストリーク、ブリーディングの発生がわずかに認められる。
×:ストリーク、ブリーディングの発生が認められ、高速での塗工が困難。
Figure 2008255511
有機化無機層状化合物の代わりにCa−膨潤モンモリロナイトを用いるもの(比較例1及び比較例2)では、白紙光沢度に劣り、また特に配合量が20部のもの(比較例1)では、さらに白色度にも劣る結果となる。
また、有機化無機層状化合物の代わりに微粒カオリンを用いるもの(比較例3及び比較例4)では、白色度、白紙光沢度及び印刷光沢度に劣り、また特に配合量が20部のもの(比較例3)では、さらに不透明度及び塗工適性にも劣る結果となる。
また、インターカレートするアンモニウムイオンにおける炭素数が本願規定の数より少ない有機化無機層状化合物を用いるもの(比較例5、比較例6、比較例7及び比較例8)では、白色度、白紙光沢度、印刷光沢度及び不透明度に劣り、また特にヘキシルアミンと塩酸との反応物を配合したもの(比較例5)では、さらに塗工適性にも劣る結果となる。
それに対して、本願規定の有機化無機層状化合物を用いる実施例1〜実施例13では、表2に示す全ての評価項目について優れる結果となる。

Claims (3)

  1. 無機層状化合物の層間に、RNH3、RNH2、R(CH3)3N、およびR(CH3)2Nから選択される少なくとも一種のアンモニウムイオンがインターカレートした有機化無機層状化合物を含む顔料と、バインダーと、澱粉化合物とを含有することを特徴とする、紙塗工用組成物。
    (ただし、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数6〜12の飽和炭化水素、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素である。)
  2. 前記無機層状化合物が、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト、バーミキュライト、ハロイサイト、マイカおよびベントナイトから選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1に記載の紙塗工用組成物。
  3. 紙基材、および、前記紙基材上に形成され、無機層状化合物の層間に、RNH3、RNH2、R(CH3)3N、およびR(CH3)2Nから選択される少なくとも一種のアンモニウムイオンがインターカレートした有機化無機層状化合物を含む顔料と、バインダーと、澱粉化合物とを含有する光沢層を有することを特徴とする塗工紙。
    (ただし、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数6〜12の飽和炭化水素、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素、R、Rは炭素数8〜20の飽和炭化水素である。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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