JP2004122795A - インクジェット記録用紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水性インクを用いたプリンター、プロッター等に用いられるインクジェット記録用シートであって、優れた色彩の発色、ドット形状等の特性を持った画像の記録ができ、かつ難燃性であり、ポスターや壁紙等のインテリア用にも使用可能な水性インクジェット記録用シートを提供する。
【解決手段】 セルロースパルプと無機顔料を主成分とした基紙と、この基紙の一面上に形成され、かつ微粒子合成シリカと樹脂接着剤を主成分として含むインク受容性被覆層とを有し、前記基紙中に、アミノ系リン酸塩、含燐有機化合物、ハロゲン含有有機化合物、ハロゲン含有アミノ系酸塩、ハロゲン含有高分子化合物、硫黄含有アミノ系酸塩、アンモニウム塩、無機酸、アルカリ金属塩、及び金属化合物から選択される難燃剤を含有していることを特徴とするインクジェット記録用紙である。
【選択図】 なし
【解決手段】 セルロースパルプと無機顔料を主成分とした基紙と、この基紙の一面上に形成され、かつ微粒子合成シリカと樹脂接着剤を主成分として含むインク受容性被覆層とを有し、前記基紙中に、アミノ系リン酸塩、含燐有機化合物、ハロゲン含有有機化合物、ハロゲン含有アミノ系酸塩、ハロゲン含有高分子化合物、硫黄含有アミノ系酸塩、アンモニウム塩、無機酸、アルカリ金属塩、及び金属化合物から選択される難燃剤を含有していることを特徴とするインクジェット記録用紙である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、被記録材に関し、水性インクを用いたプリンター、プロッター等に用いられるインクジェット記録用シートであって、優れた色彩の発色、ドット形状等の特性を持った画像の記録ができ、かつ難燃性であり、ポスターや壁紙等のインテリア用にも使用可能な水性インクジェット記録用シートに関するものである。
水性インクを用いるインクジェット方式のプリンターの性能とインクの改良によって、インクジェット用紙として普通紙を使用して、鮮明な画像、印字品位を得ることが可能となってきた。しかし、一方でプリントの品位、彩度、外観、画像を更に魅力あるものとするために、より高度な特性を持つ記録材が要求されるようになっている。特にプリント速度、解像度、彩度などの向上によって、被記録材に対しても高速吸収性、高吸収容量、規則的なインクにじみ等、より高度な特性が要求されるようになり、インク受容性被覆層を表面に設けたいわゆる塗工紙が開発されている。
例えば、特許文献1には、微粒子合成シリカを用い、高い水性インク吸収性、色再現性及び色濃度を持つインクジェット記録媒体の製造方法が開示されている。即ち、前記した要求特性に応じるために、微粒子合成シリカのような吸液性の優れた白色顔料を主成分とする被覆層をセルロースパルプを主成分とする基紙の表面に設けることが通常実施されている。
一方、近年、インクジェットプリンターの用途拡大、特にインクジェットプロッターの市場開拓等から、ポスターや壁紙等のインテリア用にも用途が広まっている。インクジェット記録は通常の印刷と違い、製版する必要がないため、少量でも印刷が可能であり、コストも安くなるといったメリットがある。また、最近のインクジェットプリンター、プロッターは精度も向上し、通常の印刷とほぼ同等の絵柄を印刷することが可能なため、壁紙印刷への応用等様々な用途に対応することが出来るようになった。
しかしながら、従来から使用されているインクジェット記録用紙は、セルロースを主成分とした紙や合成フィルムを基材として用いているため、壁紙等に使用する際、難燃性が不十分といった問題があった。例えば、特許文献2〜4には、無機顔料とセルロース繊維を配合した基紙の片面もしくは両面に水酸化アルミニウム、クレー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン等の無機顔料とバインダーを主成分とした塗布層を設けたビニル壁紙裏打ち用難燃紙が開示されている。しかしながらこれらの難燃紙は、印刷用壁紙を目的としているため、インクジェットプリンターで印字すると、発色性が悪く、また乾燥性、インク吸収性などにも問題が生じる。
そこでこのような問題を解決し、インクジェット記録の可能な壁紙が望まれていた。
特開昭62−158084号公報
特開平1−192900号公報
特公平6−394号公報
特開平3−260196号公報
本発明は、水性インクによるインクジェット方式のプリンターおよびプロッターを用いて高品位の画像を高速でプリントすることができ、しかもそのまま壁紙やポスターとして使用することのできるインクジェット記録用紙を提供しようとするものである。
本発明者等は、かかる現状に鑑み基紙の難燃化とインクジェット記録適性を併せ持つ記録紙について鋭意研究した結果、基紙中に難燃剤を含有させることによって、インクジェットプリンター/プロッターで印字ができ、かつ壁紙としての難燃性も持つことを見出だし、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、セルロースパルプと無機顔料を主成分とした基紙と、この基紙の一面上に形成され、かつ微粒子合成シリカと樹脂接着剤を主成分として含むインク受容性被覆層とを有し、前記基紙中に、アミノ系リン酸塩、含燐有機化合物、ハロゲン含有有機化合物、ハロゲン含有アミノ系酸塩、ハロゲン含有高分子化合物、硫黄含有アミノ系酸塩、アンモニウム塩、無機酸、アルカリ金属塩、及び金属化合物から選択される難燃剤を含有していることを特徴とするインクジェット記録用紙である。好ましくは、前記難燃剤の含有率が基紙に対して10〜50重量%であることを特徴とするものである。
本発明のインクジェットプリンター記録用紙は、インクの吸収性、発色性に優れているだけでなく、強度、難燃性に優れているため、印字後、壁紙等のインテリアとして用いることを可能とするという効果を奏する。
本発明に用いられるシート支持体に含有されるパルプ材は赤松、黒松、エゾマツ、トドマツ、杉等の針葉樹、ブナ、カバ、シイノキ等の広葉樹等を主原料とした砕木パルプ、亜硫酸パルプ、クラフトパルプ、セミケミカルパルプ、ケミグランドパルプ、リファイナーグランドパルプやまたは古紙パルプから適宜選択して用いられる。
また、これらのセルロース繊維の他に、ガラス繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等を必要に応じて適宜使用することも可能である。
本発明で用いられるシート支持体としての基紙は、上記の木材パルプの他に主原料として、クレー、タルク、軽質炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機顔料を含有し、さらに添加剤としてアルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸等の内添サイズ剤、硫酸バンド、カチオン澱粉等の定着剤、ポリアクリルアミド系ポリマー、澱粉等の紙力増強剤等を適宜選択して内添し、公知の抄紙機で抄造された基紙が好適に用いられる。また、必要に応じてロジン系、石油樹脂系、酸化澱粉、アセチル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉等の澱粉およびその誘導体、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、スチレン、アルキド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、マレイン酸、酢酸ビニル等の2つ以上の共重合体からなる合成樹脂系およびこれらの合成樹脂エマルジョン系、ワックス系等の表面サイズ剤でサイズ処理を施しても良い。また、厚さを調整するため、必要に応じてマシンカレンダー、スーパーカレンダー等の公知の設備を用いることも可能である。
本発明の基紙に含まれる無機顔料の含有率は、基紙の固形分に対して30〜70重量%が好ましい。30重量%未満では、シート中の有機成分が増すので難燃性に問題があり、70重量%を越えると引張り強度や破裂強度等のシート強度が低下し、また紙としての風合、柔軟性にかける。
本発明に用いられる基紙は難燃化され、リン酸メラミン、リン酸チオ尿素、リン酸グアニジン、リン酸モノグアニジン、リングアニル尿素等のアミノ系リン酸塩、トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、酸性リン酸エステル等の含燐有機化合物、塩化パラフィン、四塩化炭素等のハロゲン含有有機化合物、塩酸グアニジン、臭化水素酸グアニジン等のハロゲン含有アミノ系酸塩、塩化ビニル、塩化ビニルデン、ブロム化トリアリルフォスフェート等のハロゲン含有高分子化合物、スルファミン酸グアニジン、硫酸グアニジン、スルファミン酸等の硫黄含有アミノ系酸塩、リン酸アンモン、硫酸アンモン、ホウ酸アンモン、スルファミン酸アンモン、塩化アンモン、ポリリン酸アンモン等のアンモニウム塩、ホウ酸、燐酸等の無機酸、ホウ砂、珪酸ソーダ、テトラホウ酸グアニジン、珪酸グアニジン等のアルカリ金属塩、三酸化アンチモン、及び酸化チタン等の金属化合物から選択される難燃剤を含む。これら難燃剤の含有率は基紙に対して10〜50重量%が望ましい。10重量%未満では、壁紙として使用する際に充分な難燃性を得ることが難しく、50重量%を越えると使用する難燃剤によってはコスト高等の問題が生じる。
更に、難燃剤をサイズプレス法で基紙に含浸することが好ましい。
更に、難燃剤をサイズプレス法で基紙に含浸することが好ましい。
本発明に用いられるインク受容性被覆層に用いられる顔料は多孔性でインクの吸収性が高く、且つ鮮明な発色を可能とする、高吸油量で、かつ高比表面積を有し、2次粒子径が1〜10μmの微粉合成シリカを主成分とすることが好ましい。この微粉合成シリカの使用比率は、全被覆層固形分の50〜90重量%である。50%未満ではインク吸収性が不十分となり、90%を越えるとインク受容性被覆層の強度の低下が懸念されるので不適である。
また、シートの使用目的、プリンターの要求性能に応じて他の白色顔料も併用することが可能である。これらの白色顔料としては、ゼオライト、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、焼成クレー、カオリンクレー、タルク、ホワイトカーボン、有機顔料(プラスチックピグメント)等、一般に紙塗工に用いられている顔料が挙げられる。
本発明に用いられる樹脂接着剤として、特にシラノール基で変性されたポリビニルアルコール誘導体が好ましい。シラノール化ポリビニルアルコールは珪素を含むビニル化合物を酢酸ビニルと共重合させた後、ケン化することにより、酢酸ビニル単位はビニルアルコールに、珪素含有単量体単位が、シラノール基にそれぞれ転換されて得られるものである(特開昭58−59203号公報)。シラノール化ポリビニルアルコールは微粉合成シリカ等の無機顔料と特異的に強固に結合するので、発色や解像力を妨げない程の少量で十分な塗膜強度を実現することができる。また、シラノール化ポリビニルアルコールはそのシラノール基が、シート支持体の表面層内の無機顔料の水酸基等の活性基と反応して、シート支持体とインク受容性被覆層との間に十分な強度を実現するといった効果も期待できる。
本発明において、前記のシラノール化ポリビニルアルコールに加えて、従来知られている樹脂を樹脂接着剤として混合使用してもよく、または単独に使用できる。これらの樹脂接着剤としては、ポリビニルアルコールおよび変性されたポリビニルアルコール誘導体、カゼイン等の蛋白質、澱粉および酸化澱粉等の誘導体、無水マレイン酸共重合樹脂系、ポリアクリルアミド系などの水溶性樹脂、並びにスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基、カチオン性基等の官能基含有変性重合体、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化樹脂、ポリメチルメタクリレート系、ポリウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリビニルブチラール系、アルキッド樹脂系等の非水溶性樹脂が水性インクとの親和性が良く、吸液性を向上させるので好ましく用いられる。インク受容性被覆層形成の際には、上記樹脂は溶液、エマルジョン、またはラテックスとして、塗液中に添加される。
インク受容性被覆層における樹脂接着剤の配合比率は、全被覆層固形分の10〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。10%未満では接着力が不十分となり、被覆層の強度の低下が懸念される。一方、50%を越えると接着性は大きくなるものの、顔料の使用比率が低下し、前記したようにインクの吸収性に問題が生じたり、有機成分が多くなるのでインク受容性被覆層の難燃性が低下するため不適である。
この他、添加剤として、顔料分散剤、消泡剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、架橋剤、インクジェット記録後の印字物の耐水性を向上させるためのカチオン性樹脂等が製造条件、印字品質、要求性能に応じて適宜使用される。
本発明の塗料の塗工はバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等の公知の塗工設備が応用される。基紙上にインク受容性被覆層を設けたシートは、そのまま本発明の記録用紙として使用することが可能であるが、例えばスーパーカレンダー、グロスカレンダー等で処理し、表面の平滑性を与えることも可能である。
本発明で得られるインク吸収性被覆層の塗工量は、最終用途によって決定され、インク吸収性、記録特性、保存性等を満足させるかぎり不必要に多くする必要はなく、1〜20g/m2 の範囲から適宜選択して用いられる。インク受容性被覆層が1g/m2 未満では多くの場合インク吸収容量が不足し、画像が流れ出したり、色にじみ込みが生じ、画像がぼけてしまったり、乾燥が遅くロールにインクが付着し、汚れてしまう。また、基紙が吸収するインクの量が多くなるため、カール、ぼこつきが発生しやすくなるという問題がある。しかしながら、20g/m2 を越えるインク受容性被覆層を設けると、塗工層が厚いため紙との接着性が弱くなり、ヘッドノズルの目づまりのような問題を生じることが多く、さらにコスト的にも高価なものとなる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるものではない。尚、以下において部および%とあるのは、すべて重量部および重量%を示す。
実施例1
水酸化アルミニウム66部を広葉樹晒クラフトパルプ80部、針葉樹晒クラフトパルプ20部のスラリー中に添加し(水酸化アルミニウムの固形分濃度:40重量%)、カオチン澱粉0.8部、アルキルケテンダイマー系中性サイズ剤0.2部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて原紙を抄造した。水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで塗料−1を両面で3g/m2 塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪120g/m2 の上質紙を製造した。得られた上質紙の片面に実験室においてテストバーコーターを用いて塗料−2を8g/m2 の割合で塗工、乾燥して被覆層を形成し、インクジェット記録用紙を製造した。
塗料−1
リン酸アンモニウム 20部
酸化澱粉 80部
塗料−2
微粒子珪酸(ミズカシル:水澤化学製) 100部
シラノール化ポリビニルアルコール(R−1130:クラレ製) 40部
水酸化アルミニウム66部を広葉樹晒クラフトパルプ80部、針葉樹晒クラフトパルプ20部のスラリー中に添加し(水酸化アルミニウムの固形分濃度:40重量%)、カオチン澱粉0.8部、アルキルケテンダイマー系中性サイズ剤0.2部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて原紙を抄造した。水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで塗料−1を両面で3g/m2 塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪120g/m2 の上質紙を製造した。得られた上質紙の片面に実験室においてテストバーコーターを用いて塗料−2を8g/m2 の割合で塗工、乾燥して被覆層を形成し、インクジェット記録用紙を製造した。
塗料−1
リン酸アンモニウム 20部
酸化澱粉 80部
塗料−2
微粒子珪酸(ミズカシル:水澤化学製) 100部
シラノール化ポリビニルアルコール(R−1130:クラレ製) 40部
実施例2
焼成カオリン185部を広葉樹晒クラフトパルプ100部のスラリー中に添加し(焼成カオリンの固形分濃度:65重量%)、カオチン澱粉0.9部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.1部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて原紙を抄造した。水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで塗料−3を両面で4g/m2 塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪100g/m2 の上質紙を製造した。得られた上質紙の片面に実験室においてテストバーコーターを用いて塗料−4を9g/m2 の割合で塗工、乾燥して被覆層を形成し、インクジェット記録用紙を製造した。
焼成カオリン185部を広葉樹晒クラフトパルプ100部のスラリー中に添加し(焼成カオリンの固形分濃度:65重量%)、カオチン澱粉0.9部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.1部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて原紙を抄造した。水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで塗料−3を両面で4g/m2 塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪100g/m2 の上質紙を製造した。得られた上質紙の片面に実験室においてテストバーコーターを用いて塗料−4を9g/m2 の割合で塗工、乾燥して被覆層を形成し、インクジェット記録用紙を製造した。
塗料−3
スルファミン酸グアニジン 20部
酸化澱粉 80部
塗料−4
微粒子珪酸(サイロイド:富士デヴィソン製) 60部
炭酸カルシウム(ブリリアント15:白石化学工業製) 40部
ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ製) 40部
スルファミン酸グアニジン 20部
酸化澱粉 80部
塗料−4
微粒子珪酸(サイロイド:富士デヴィソン製) 60部
炭酸カルシウム(ブリリアント15:白石化学工業製) 40部
ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ製) 40部
比較例1
軽質炭酸カルシウム25部を、広葉樹晒クラフトパルプ100部のスラリー中に添加し(軽質炭酸カルシウムの固形分濃度:20重量%)、カオチン澱粉0.7部、アルキルケテンダイマー系中性サイズ剤0.1部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて原紙を抄造した。水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の7%溶液を両面で3g/m2 塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪100g/m2 の上質紙を製造した。得られた上質紙の片面に実験室においてテストバーコーターを用いて塗料−2を9g/m2の割合で塗工、乾燥して被覆層を形成し、インクジェット記録用紙を製造した。
軽質炭酸カルシウム25部を、広葉樹晒クラフトパルプ100部のスラリー中に添加し(軽質炭酸カルシウムの固形分濃度:20重量%)、カオチン澱粉0.7部、アルキルケテンダイマー系中性サイズ剤0.1部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて原紙を抄造した。水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の7%溶液を両面で3g/m2 塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪100g/m2 の上質紙を製造した。得られた上質紙の片面に実験室においてテストバーコーターを用いて塗料−2を9g/m2の割合で塗工、乾燥して被覆層を形成し、インクジェット記録用紙を製造した。
比較例2
焼成カオリン900部を広葉樹晒クラフトパルプ100部のスラリー中に添加し(焼成カオリンの固形分濃度:90重量%)、カオチン澱粉0.9部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.2部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて原紙を抄造した。水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の6%溶液を両面で4g/m2 塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪100g/m2 の上質紙を製造した。得られた上質紙の片面に実験室においてテストバーコーターを用いて塗料−2を11g/m2 の割合で塗工、乾燥して被覆層を形成し、インクジェット記録用紙を製造した。
焼成カオリン900部を広葉樹晒クラフトパルプ100部のスラリー中に添加し(焼成カオリンの固形分濃度:90重量%)、カオチン澱粉0.9部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.2部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて原紙を抄造した。水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の6%溶液を両面で4g/m2 塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪100g/m2 の上質紙を製造した。得られた上質紙の片面に実験室においてテストバーコーターを用いて塗料−2を11g/m2 の割合で塗工、乾燥して被覆層を形成し、インクジェット記録用紙を製造した。
比較例3
焼成カオリン185部を広葉樹晒クラフトパルプ100部のスラリー中に添加し(焼成カオリンの固形分濃度:65重量%)、カオチン澱粉0.9部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.1部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて原紙を抄造した。水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の6%溶液を両面で4g/m2 塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪100g/m2 の上質紙を製造した。得られた上質紙をそのままインクジェット用紙とした。
焼成カオリン185部を広葉樹晒クラフトパルプ100部のスラリー中に添加し(焼成カオリンの固形分濃度:65重量%)、カオチン澱粉0.9部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.1部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて原紙を抄造した。水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の6%溶液を両面で4g/m2 塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて米坪100g/m2 の上質紙を製造した。得られた上質紙をそのままインクジェット用紙とした。
これらの各塗工紙の評価結果を表1に示す。インクジェット記録特性の評価は次の方法によった。
インクジェットプリンター(BJC−820J:Canon社製)を用い、インク吸収性、発色の鮮やかさについて行なった。
インク吸収性の評価は、プリントしたインクが乾燥するまでの秒数を測定した。5秒以下を○、6〜10秒を△、11秒以上を×で示した。
発色の鮮やかさは、イエロー、マゼンタ、シアンのカラーインクの発色を目視で評価した。発色の良いものを○、不十分なものを△、更に不良なものを×で示した。
引張り強度はJIS−P−8113に記載されている方法によった。
難燃性はJIS−A−1322に記載されている方法により、炭化長を測定した。
表1からわかるように、実施例により得られたインクジェット記録用紙は、インク吸収性、発色の鮮やかさ、引張り強度、難燃性いずれに関しても非常に優れている。しかし、難燃剤を用いない比較例では、基紙の無機質分少ないものは難燃性が劣り(比較例1)、無機質分の多いものは強度が低下し(比較例2)、インク受容性被覆層を設けないもの(比較例3)は、発色性、インク吸収性が悪かった。
Claims (2)
- セルロースパルプと無機顔料を主成分とした基紙と、この基紙の一面上に形成され、かつ微粒子合成シリカと樹脂接着剤を主成分として含むインク受容性被覆層とを有し、前記基紙中に、アミノ系リン酸塩、含燐有機化合物、ハロゲン含有有機化合物、ハロゲン含有アミノ系酸塩、ハロゲン含有高分子化合物、硫黄含有アミノ系酸塩、アンモニウム塩、無機酸、アルカリ金属塩、及び金属化合物から選択される難燃剤を含有していることを特徴とするインクジェット記録用紙。
- 前記難燃剤の含有率が基紙に対して10〜50重量%である請求項1記載のインクジェット記録用紙。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014000736A (ja) * | 2012-06-19 | 2014-01-09 | Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd | 難燃性インクジェット記録用不織布 |
-
2003
- 2003-12-24 JP JP2003427387A patent/JP2004122795A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050510 |
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A02 | Decision of refusal |
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